EPID_WL_ImageJ( )

Similar documents
Microsoft PowerPoint - DigitalMedia2_12.pptx

PrimerArray® Analysis Tool Ver.2.2

0 21 カラー反射率 slope aspect 図 2.9: 復元結果例 2.4 画像生成技術としての計算フォトグラフィ 3 次元情報を復元することにより, 画像生成 ( レンダリング ) に応用することが可能である. 近年, コンピュータにより, カメラで直接得られない画像を生成する技術分野が生

初めてのプログラミング

数量的アプローチ 年 6 月 11 日 イントロダクション データ分析をマスターする 12 のレッスン ウェブサポートページ ( 有斐閣 ) 水落研究室 R http:

Interoperability Workshop

Microsoft PowerPoint - H24全国大会_発表資料.ppt [互換モード]

モデル空間に読み込む場合 AutoCAD では 部分図および座標系の設定を 複合図形 ( ブロック ) にて行います 作図にあたっての流れは下記のとおりとなります (1) 発注図の読み込み (2) 発注図の確認 (3) 発注図の部分図の利用方法や座標設定が要領に従っていない場合の前準備 (4) 作図

(Microsoft PowerPoint - \203}\203N\203\215\203\\\203\212\203\205\201[\203V\203\207\203\223.ppt)

Microsoft Word - SKY操作マニュアル.doc

Microsoft PowerPoint UM.ppt [互換モード]

エンドポイント濁度測定装置 LT-16 取扱説明書

目 次 1. はじめに 動作システム 起動方法 本ツールの機能 計算方法 使用方法 緯度 経度への換算 平面直角座標への変換 一度に計算可能なデータ数と追加方法

加振装置の性能に関する検証方法 Verification Method of Vibratory Apparatus DC-X デジタルカメラの手ぶれ補正効果に関する測定方法および表記方法 ( 光学式 ) 発行 一般社団法人カメラ映像機器工業会 Camera & Imaging Pr


Rの基本操作

1 ガンマナイフにおけるQAガイドラインの必要性

スライド 1

ThermoFisher

3 カーソルの下に 点 という文字が現われます 地図を拡大して点データを作成したい地点にカーソルを動かしクリックします 4 属性情報の確認 変更 ダイアログが表示されます 必要事項を入力し OK をクリックします 全ての項目を入力する必要はありません 必要な項目のみ入力して下さい いろいろな記号が用

Field Logic, Inc. 標準モード 3D モデル作成 配置編 Field Logic, Inc. 第 1 版

はじめに 本資料は ( 一財 ) 建設業技術者センターの 監理技術者資格者証インターネット申込みサイト から提出していただく資格者証用写真の画像ファイル ( カラー JPEG 形式 ) を Windows7 にインストールされている画像編集ソフトウェア Microsoft ペイントR を使用して 画

tottori2013-print.key

Eschartマニュアル

Excelfl—‘ãŁª’Í-flO“Z

1611 原著 論文受付 2009 年 6 月 2 日 論文受理 2009 年 9 月 18 日 Code No. 733 ピクセル開口率の向上による医用画像表示用カラー液晶モニタの物理特性の変化 澤田道人 石川晃則 1) 松永沙代子 1) 1) 石川陽子 有限会社ムツダ商会 1) 安城更生病院放射


0.45m1.00m 1.00m 1.00m 0.33m 0.33m 0.33m 0.45m 1.00m 2

PowerPoint プレゼンテーション

Sort names numerically: 番号順に読み込み (or enter pattern Convert to RGB Use virtual stack は空欄のまま残す ) 3. OK をクリックすると画像スタックが読み込まれる 4. ウインドウ下部のスライダーを動かすと 積層された

画像類似度測定の初歩的な手法の検証

Microsoft PowerPoint - pr_12_template-bs.pptx

目次 ページ 1. 本マニュアルについて 3 2. 動作環境 4 3. ( 前準備 ) ライブラリの解凍と保存 5 4. モデルのインポート 6 5. インポートしたモデルのインピーダンス計算例 8 6. 補足 単シリーズ 単モデルのインポート お問い合わせ先 21 2


dTVIIman.PDF

Microsoft Word - 01_巻頭言.docx

円筒面で利用可能なARマーカ

デジカメ天文学実習 < ワークシート : 解説編 > ガリレオ衛星の動きと木星の質量 1. 目的 木星のガリレオ衛星をデジカメで撮影し その動きからケプラーの第三法則と万有引 力の法則を使って, 木星本体の質量を求める 2. ガリレオ衛星の撮影 (1) 撮影の方法 4つのガリレオ衛星の内 一番外側を

Microsoft Word - HOBO雨量専用説明書_v1.1.doc

コンピュータ応用・演習 情報処理システム

NGSハンズオン講習会

Img_win.book

1. はじめに 本書は スプリット演算器 MFS2 用コンフィギュレータソフトウェア の取扱方法 操作手順 注意事項などを説明したものです Windows の操作や用語を理解している方を前提にしています Windows の操作や用語については それぞれのマニュアルを参照してください 1.1. MFS

Library for Cadence OrCAD Capture ユーザマニュアル 2018 年 7 月 株式会社村田製作所 Ver.1.0 Copyright Murata Manufacturing Co., Ltd. All rights reserved. 10 July

UMLプロファイル 機能ガイド

スライド 1

と 測定を繰り返した時のばらつき の和が 全体のばらつき () に対して どれくらいの割合となるかがわかり 測定システムを評価することができる MSA 第 4 版スタディガイド ジャパン プレクサス (010)p.104 では % GRR の値が10% 未満であれば 一般に受容れられる測定システムと

機器の自動配置

030801調査結果速報版.PDF

NGSデータ解析入門Webセミナー

<907D945D F D C789C195CF8D5888EA97978CF68A4A97702E786C7378>

<4D F736F F D CF097AC E A D836A B2E646F6378>

CPP46 UFO Image Analysis File on yucatan091206a By Tree man (on) BLACK MOON (Kinohito KULOTSUKI) CPP46 UFO 画像解析ファイル yucatan091206a / 黒月樹人 Fig.02 Targe

1. へアクセスしてください Licensing Portal を利用するためには へアクセスしてください もしくは ベリタスのホームページ から Customer Cente

3Dプリンタ用CADソフト Autodesk Meshmixer入門編[日本語版]

目次 1. プロフィール画像工房の概要 3 2. プロフィール画像の作成 8 3. プロフィール画像の登録 まとめ 27 レッスン内容 プロフィール画像工房 インターネット上に提供されているさまざまなサービス ( これ以降 サービス と記述します ) を利用するときには 利用するユーザー

Microsoft Word - 頻度解析プログラム概要

スライド 0

図 5 一次微分 図 6 コントラスト変化に伴う微分プロファイルの変化 価し, 合否判定を行う. 3. エッジ検出の原理ここでは, 一般的なエッジ検出の処理内容と, それぞれの処理におけるパラメータについて述べる. 3.1 濃度投影検出線と直交する方向に各画素をスキャンし, その濃度平均値を検出線上

Microsoft PowerPoint - SPECTPETの原理2012.ppt [互換モード]

Microsoft PowerPoint - [150421] CMP実習Ⅰ(2015) 橋本 CG編 第1回 幾何変換.pptx

スライド 1

読取革命Ver.15 かんたん操作ガイド

Microsoft PowerPoint - kougi2.ppt

図表貼り付けの原則 Excel などで処理した図表を Word に貼り付ける際に注意したい事項は以下のようになります Excel グラフ の場合 1. Excel 内で, あらかじめ, グラフエリアの大きさ フォント タイトル 軸ラベルなどを十分調整しておきます 2. タイトルはグラフ内にも入れてお

連続講座 断層映像法の基礎第 34 回 : 篠原 広行 他 放射状に 線を照射し 対面に検出器の列を置いておき 一度に 1 つの角度データを取得する 後は全体を 1 回転しながら次々と角度データを取得することで計測を終了する この計測で得られる投影はとなる ここで l はファンビームのファンに沿った

Instruction Manual

1 本ドキュメントが想定するネットワーク環境 本ドキュメントが想定するネットワーク環境を図に示す 各種モダリティで撮像した DICOM データは DICOM サーバに送信され データベースに登録される クライアントパソコンには InVesalius がインストールされている これらの機器はすべてネッ

2/17 目次 I. はじめに... 3 II. 操作手順 (Controlの場合) 断面の作成 寸法測定 異なる断面間の寸法測定 繰り返し処理...11 III. 操作手順 (Verifyの場合) 断面の作成... 1

粒子画像流速測定法を用いた室内流速測定法に関する研究

直樹卒業論文

PowerPoint プレゼンテーション

vecrot

Ingenia と Achieva 北野病院井上秀昭 第 16 回関西ジャイロミーティング

基本作図・編集

基本作図・編集

Microsoft Word - 卒論レジュメ_最終_.doc

<4D F736F F F696E74202D20352D335F8D5C90AC CF909482CC90B690AC82C695D28F572E707074>

SimLabプラグインは各機能を15回分評価版として試用できます

Transcription:

EPID と ImageJ による Winston-Lutz テスト 大阪府立急性期 総合医療センター 谷正司 Winston-Lutz テストは SRS や SBRT の際の QA に用いられるテストです. 発表当時はフィルムで行われていましたが, デジタル化が進み, 現像タイプのフィルムは使用し難くなっています. 現在 GAF クロミックフィルムが使用できますが, 高価でもあり, 簡便とは言えません. 一方で,EPID を用いた方法もいくつか報告されています 1, 2). ここでは,EPID で取得した画像と, フリーソフトウェアの ImageJ を用いた Winston-Lutz テストをご紹介します. 幾何学的条件の担保について EPID 中心はガントリー角度により移動することが考えられます.Winston-Lutz テストの定量的評価において,Field 中心は Ball 中心に対する相対的な位置で計算されますので,EPID が平行移動していると考えれば算出結果に違いはありません. しかしこれ以外に, ガントリー角度による EPID までの距離の変化,EPID 自体の傾斜やねじれが生じることが考えられます. 本稿で紹介する方法は, これらの幾何学的な条件が変動しない事, もしくは許容できる範囲である事が前提になります. また, 照射野の対称度や平坦度も解析結果に影響を与えます. 各装置の特性を十分考慮した上で試されることをお願いします. 使用機器リニアックは Varian Clinac ix,epid は as1000( 有効視野 40.1 30.1 cm, 画素数 1024 768 pixel), テストツールは 3 mmφ のタングステン球と 3 mmφ の発泡スチロール棒を用いて自作しました (Fig.1). 画像解析ソフトは NIH ImageJ 1.47v を使用していますが,Plug-in は使用していません. 座標の算出にはスプレッドシート (Microsoft Excel) を用いています. 小さくても高吸収なタングステン球は RC カーのデフギアに用いるベアリングとして市販されていて (1,200 円 /10 個 ), 模型屋さんで入手することができます. 発泡スチロールの棒は釣り道具屋さんの 自作ウキ コーナーで探してみてください. 解析の都合上,Ball を支えるロッドは極めて低吸収でないと解析結果に影響を及ぼします. レーザーポインタが見やすい Fig. 1 自作テストツールように Ball を白くペイントするのもポイントです. 接着剤によっては発泡スチロールを溶かしますので, エポキシ系の接着剤が適しています. 幾何学的配置 EPID までの距離は 150 cm としました. as1000 は 1pixel あたり 0.392 mm の分解能を持っていますので,1.5 倍拡大で撮影し,1 m の距離に換算した場合 0.261 mm/pixel の分解能となります. 照射野は 2 cm 2 cm,jaw を用いて作成しています (Fig. 2). Fig. 2 幾何学的配置

画像取得照射条件は 6 MV X 線を使用し,10MU の照射を行いました. 今回は Varian AM Maintenance を使用して DICOM 形式で画像を取得していますが,DICOM 以外の画像でも,1 ピクセルあたりの大きさが解っていれば, この後の処理は可能です. また,2 値化処理の閾値 (Threshold) を固定するために EPID での画像取得条件を一定にしておいた方がいいと思われます. 画像読込 File - Import Image Sequence ImageJ への画像読込は ImageSequence で読み込みます. これで,1 つのフォルダに入ったファイルを一度に読込 処理を行えます. SubPixel 処理 Image Adjust Size 読み込んだ画像のままでは EPID 固有の分解能でしか計測ができません. ここで, 計測の最小単位である 1 ピクセ Fig. 3 画像処理のアルゴリズムル以下の計測値も算出できるように SubPixel 処理を行います.SubPixel 処理は画像を使った計測ではよく使われる手法で, 画素数を増やし, 濃度を補間する事により仮想的に分解能を高める処理です 3). 画像補間アルゴリズムには Biliner 法を用いました.Fig. 4 に示した例は 1024 768pixel を 5 倍拡大して 5120 3840pixel にしています. ここで,SubPixel 処理の拡大率を大きくすると,PC の性能によってはハングアップする場合があります. その場合は Canvas Size を用いて解析に必要な部分だけを切り抜いて処理を行います. ピクセルのスケール化 Analyze Set Scale ImageJ には既知のピクセル数に対する距離を用いて, ピクセルサイズを任意の単位に変換する機能 Set Scale があります. この機能を用いて測定結果を 1 m の位置における mm 単位の結果に変換します. Fig. 5 に示した例は幾何学的拡大率を 1.5 倍,SubPixel 処理の拡大率を 5 倍として 1pixel は 0.392 / 1.5 / 5 = 0.0523 mm ここでは 100pixel を 5.23 mm にセットしていることになります. Fig. 4 Resize 輪郭抽出 Image Adjust Threshold 取得した画像を 2 値化し,Field と Ball の輪郭抽出を行います. この時の Threshold は画像取得条件によって異なりますので,Field と Fig. 5 Set Scale Ball の Profile を参考にするといいと思います. ここで,2 点の Threshold を設定することで Field と Ball に分離する事ができます (Fig.7).Fig.6 に示した例は 15300 と 16000 に Threshold を設定しています. 照射時の MU を固定し,EPID での画像取得条件を固定することで, この Threshold も固定することができます. 中心座標の算出 Analyze Analyze Particles 次に Field と Ball の中心座標を求めます. この処理には Analyze Particles という機能を用います.

Fig. 6 プロファイルで閾値を確認し Threshold を設定する Fig. 7 2 値化された画像 Analyze Particles はバイナリーか閾値画像にある対象物をカウントするために用いる機能で, 細胞の個数や大きさを計測するのに用いられます (Fig. 8,Fig. 9). この Result に表示される中心座標は,2 値化後にカウントされたピクセル 1 つ 1 つの座標の平均値を表しています. また, この座標はすでにピクセルサイズのスケール化を行っているため 1 m での実寸位置と考えることができます. Fig. 10 に示した Results は 1 が Gantry:0 の Field,2 が Gantry:0 の Ball の中心位置です. デジタル画像は左上が原点になりますので, この数値は画像左上からの距離になります (Fig. 11). この処理を行う際に Ball を支持しているロッドが高吸収な物質の場合, ロッド側に中心座標がシフトする事が考えられます. 市販のテストツールを使用す Fig. 8 細胞の計測る場合はこの点に注意して使用する事が必要です. Fig. 9 Analyze Particles の設定 Fig. 10 Analyze Particles の Results Fig. 11 デジタル画像の原点は左上 Field 中心と Ball 中心のズレ量の算出 Spreadsheet Analyze Particles の結果をエクセルシートにコピー & ペーストを行います.Ball の中心位置を基準にして Field の中心位置の差を算出します. これが,Field 中心と Ball 中心のズレ量となります. 計算結果の例を示します (Fig.12). グラフにある原点が Ball の中心です. これを基準に照射野の中心がどの方向にどれだけズレているかを視覚的に表しています. IGRT QA への応用 Spreadsheet IGRT QA の場合は Image center と Ball の座標を評価することになります.aS1000 の画素数は 1024 768pixel. SubPixel 処理で 5 倍拡大した場合 5120 3840pixel,Image center 座標は (X,Y) = (2560,1920) となります. この時 1 m の位置で 100pixel が 5.23mm なので Image center の位置は画像左上から X : 5.23 / 100 2560 = 133.888 mm, Y : 5.23 / 100 1920 = 100.416 mm

となります. この位置と Ball の中心位置の差が IGRT におけるズレ量になります 同様に OBI(On-Board Imager) の画像でも解析が可能ですが,pixel size の違いに注意してください. Winston-Lutz Test by ImageJ 2014.2.10 Makiko Nishio Field center compared with Ball Field(mm) Ball(mm) Shift(mm) Coordiate(mm) Gantry X Y X Y X Y Lat(X) Vert(Z) Long(Y) 0 133.140 101.091 133.282 101.301-0.142 0.210-0.142 0.000 0.210 90 133.538 101.676 133.158 101.470 0.380-0.206 0.000-0.380-0.206 180 133.624 102.305 133.501 101.770 0.123-0.535-0.123 0.000-0.535 270 133.297 101.620 133.666 101.531-0.369-0.089 0.000-0.369-0.089 *X G:0 Gun +X Target Z+ Gun G:180 Target Z* Fig. 12 ズレ量の計算例 マクロの作成 Plugins-Macros-Record ImageJ はマクロを記録することができます. 全ての処理をコマンドで行うと面倒ですが, マクロだと短時間で結果が算出できます. また,Threshold や拡大率はマクロの中に書き込む事ができますので, そのたび入力する必要はありません. マクロの記述は TXT ファイルですので, プログラムを作成するほど難しくはありません (Fig.13). 詳しくは, 他の専門書やインターネットで調べてみてください. 特に ImageJ の Download サイトにある Free のマクロファイルや,java プログラミングのサイトが参考になります. Fig. 13 マクロの記述例 ( 一部分のみです ) 参考文献 1)Lei Dong,Almon Shiu,Samuel Tung.Verification of radiosurgery target point alignment with an electronic portal imaging device (EPID).Med. Phys. 1997;24(2):263-267 2)Tarraf Torfeh,Stéphane Beaumont,David Bonnet,et al.digital phantoms for the evaluation of a software used for an automatic analysis of the Winston-Lutz test in image guided radiation

therapy.physics of Medical Imaging 2008; DOI:10.1117/12.768668. 3) http://www.mitutoyo.co.jp/support/service/catalog/07_kogu/r284_4.pdf