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第 7 章砂防 第 1 節 砂防の概要 秋田県は 北に白神山地の二ツ森や藤里駒ヶ岳 東に奥羽山脈の八幡平や秋田駒ヶ岳 南に鳥海山など 1,000~2,000m 級の山々に三方を囲まれています これらを水源とする米代川 雄物川 子吉川などの上流域は 荒廃地が多く 土砂の発生源となっています また 本県

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新潟県連続災害の検証と復興への視点

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近畿地方整備局 資料配付 配布日時 平成 23 年 9 月 8 日 17 時 30 分 件名土砂災害防止法に基づく土砂災害緊急情報について 概 要 土砂災害防止法に基づく 土砂災害緊急情報をお知らせします 本日 夕方から雨が予想されており 今後の降雨の状況により 河道閉塞部分での越流が始まり 土石流

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2. 急流河川の現状と課題 2.1 急流河川の特徴 急流河川では 洪水時の流れが速く 転石や土砂を多く含んだ洪水流の強大なエネルギー により 平均年最大流量程度の中小洪水でも 河岸侵食や護岸の被災が生じる また 澪筋 の変化が激しく流路が固定していないため どの地点においても被災を受ける恐れがある

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1.2 主な地形 地質の変化 - 5 -

図 6 地質と崩壊発生地点との重ね合わせ図 地質区分集計上の分類非アルカリ珪長質火山岩類後期白亜紀 火山岩 珪長質火山岩 ( 非アルカリ貫入岩 ) 後期白亜紀 花崗岩 後期白亜紀 深成岩 ( 花崗岩類 ) 花崗閃緑岩 後期白亜紀 チャートブロック ( 付加コンプレックス ) 石炭紀 - 後期三畳紀

177 箇所名 那珂市 -1 都道府県茨城県 市区町村那珂市 地区 瓜連, 鹿島 2/6 発生面積 中 地形分類自然堤防 氾濫平野 液状化発生履歴 なし 土地改変履歴 大正 4 年測量の地形図では 那珂川右岸の支流が直線化された以外は ほぼ現在の地形となっている 被害概要 瓜連では気象庁震度 6 強

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6. 現況堤防の安全性に関する検討方法および条件 6.1 浸透問題に関する検討方法および条件 検討方法 現況堤防の安全性に関する検討は 河川堤防の構造検討の手引き( 平成 14 年 7 月 ): 財団法人国土技術研究センター に準拠して実施する 安全性の照査 1) 堤防のモデル化 (1)

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はじめに 宅地造成等規制法が昭和 36 年に制定されてからおよそ半世紀を経過しました この間 平成 18 年には同法制定以来初めての抜本改正が行われています この改正は 阪神 淡路大震災 ( 平成 7 年 ) 新潟県中越地震 ( 平成 16 年 ) などで被災例が多かった大規模盛土造成地に対応するの

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最近の多発する自然災害と九州北部豪雨災害 環境地質 : 稲垣秀輝 11 月 23 日地下水ネット 略歴 1954 年滋賀県生まれ 1979 年東京大学理学系大学院地質修士終了 同年応用地質株式会社入社 1991 年株式会社環境地質創業 2014 年株式会社環境地質サービス併設創業 現在 技術士資格を総合技術監理 応用理学 建設 森林の 4 部門で取得 2004 年には, 博士 ( 工学 ) 取得 2014 年 ~2017 年京大防災研非常勤講師 2017 年 ~ 山梨大非常勤講師 土木学会出版の 知っておきたい斜面のはなし Q&A 家族を守る斜面の知識 火山とつきあう Q&A 火山工学入門 火山工学入門応用編 地盤調査の手引き 土木模型実験学習本 地盤工学会出版の 役立つ地盤リスクの知識 地盤調査の方法と解説 防災 環境 維持管理の地形 地質 日本応用地質学会の 原点からみる応用地質学 - その理論と実用 応用地形セミナー空中写真判読演習 建設知識の もし大地震がきたら 47 都道府県危険度マップ 地震に負けない地盤がわかる本 などの共著を含む本 (29 冊 ) 学術論文 (99 編 ) 研究発表 (193 編 ) などあり 地盤工学会 地盤リスクと法 訴訟等の社会システムに関する事例研究委員会委員長 日本応用地質学会 環境地質研究部会長 土木学会 斜面工学研究小委員会 火山工学研究小委員会幹事 技術士会 広報委員 応用理学部会幹事 を始め, 土木学会 地盤工学会 応用地質学会 地すべり学会など多くの学術学会の委員会活動多数 市民向けのシンポジュウム フォーラムでの講演多数 地盤関連の裁判での鑑定 意見書作成など多数 日本応用地質学会論文賞 日本地すべり学会技術報告賞 技術士会会長表彰など表彰多数 現在 インフラの維持管理に役立つ地学 新しい物理探査法 技術士合格講座 他執筆中 専門分野 : 環境地質学 環境地質 (since1991) の自然災害調査 種別 年代 災害名 論文発表等 1998.8 白河土砂災害 1998.9 七宗土砂災害 2004.10 水俣土砂災害 2009.7 山口土砂災害 2010.7 中濃土砂災害 2010.7 庄原土砂災害 2010.7 島根土砂災害 2010.9 足柄 小山土砂災害 豪雨 2011.7 新潟 福島土砂災害 2011.9 紀伊半島土砂災害 2012.8 九州北部土砂災害 2013.8 岩手 秋田土砂災害 2013.9 京都 滋賀 福井土砂災害 2013.1 伊豆大島土砂災害 2014.7 南木曽土砂災害 2014.8 広島土砂災害 2014.10 横浜土砂災害 2015.9 鬼怒川土砂災害 2017.7 福岡 大分土砂災害 2010.7 七五三掛地すべり災害 融雪 2011.3 国川地すべり災害 2017.1 上百瀬地すべり災害 1995.1 阪神 淡路大震災 2000.7 伊豆諸島地震 2000.10 鳥取県西部地震 2004.10 新潟県中越地震 2007.3 能登半島沖地震 地震 2007.7 中越沖地震 2008.6 岩手 宮城内陸地震 2011.3 東日本大地震 2011.3 長野北部地震 2011.4 いわき地震 2014.11 長野県神代断層地震 2016.4 熊本地震 1991.6 雲仙普賢岳 2000.3 有珠山 火山噴火 2000.8 三宅島 2011.1 新燃岳 2014.9 御嶽山 2016 年 4 月熊本地震大規模崩壊 ( 阿蘇大橋付近 )UAV 空撮 動画挿入 (2 分程度 ) 活断層と斜面崩壊分布 活断層との距離と斜面崩壊規模 1

活断層の種類と崩壊規模 M7 クラス Influence range of landslide due to difference in earthquake scale In the M7 class earthquake, the landslides occur in the range of about 10 km from the active fault. In the M8 class earthquake, the landslides occur in the range of about 50 km from the active fault. In the M9 class earthquake, the landslides occur in the range of about 250 km from the active fault. The influence range becomes five times as M increases by 1 5 times of M7 class 25 times (5 5) 阿武の里の土石流被害 2014 年 8 月広島土砂災害 2014 年 9 月御嶽山火山噴火 今回の噴火で最も被害がでた噴石 これらの噴石のうち, 最も遠方に飛来したものは, 二ノ池新館および二ノ池本館付近で, 火口からの水平距離は約 950m である. 2017 年 1 月上百瀬融雪地すべり 2

2017 年 7 月九州北部豪雨災害 UAV 地形 地質 調査地は 標高 1000m クラスの東西に延びる筑紫山地と英彦山の南麓に位置し 北から南に向かって流下する中小河川が多い 地質は 筑紫山地南麓には中古生代の三郡変成帯に属する結晶片岩と花崗岩類が分布し いずれも表層は風化している また 両岩の境界部や片岩内には断層破砕帯が認められる 英彦山の南麓には新第三紀の火山岩類が分布し 凝灰角礫岩の上部に位置する安山岩溶岩との境界に赤色変質部があり 弱面を形成している場所がある 崩壊箇所では 崩壊や土砂災害に関連したような地名 ( 乙石 石詰 梛野など ) が多いように思われる 地形モデル ( 太田 ) 地理院写真 地質図 NAVI と地理院地図で作成地形モデル ( 太田 ) 赤色立体地図 地質図 NAVI と地理院地図で作成 地理院地図 A: 妙見川 B: 山田ため池 C: 赤谷川 ~ 乙石川 D: 小野川 川だけ地形地図 A: 妙見川 B: 山田ため池 C: 赤谷川 ~ 乙石川 D: 小野川 地質モデル ( 太田 ) 地質図 NAVI と地理院地図で作成 地質図 (20 万分の 1 福岡による ) 対象箇所 A B C D A: 妙見川 B: 山田ため池 C: 赤谷川 ~ 乙石川 D: 小野川 色地質名説明 三郡 周防変成岩類 ( 緑色片岩 ) 三郡 周防変成岩類 ( 泥質片岩 ) 花崗閃緑岩 安山岩 玄武岩類 約 2 億 3000 万年前 ~1 億 6000 万年前に地下深くの強い圧力で形成された玄武岩起源の三郡 周防変成岩類 約 2 億 3000 万年前 ~1 億 6000 万年前に地下深くの強い圧力で形成された泥岩起源の三郡 周防変成岩類 約 1 億 2000 万 ~9000 万年前にマグマが地下の深いところで冷えて固まった花崗閃緑岩 約 700 万年前 ~170 万年前 ( 後期中新世 鮮新世 ) に噴火した火山の岩石 ( 安山岩 玄武岩類 ) 妙見川 山田 赤谷乙石川 小野 3

妙見川 河川の攻撃斜面や谷頭などでの表層崩壊が多い これらの表層崩壊は片岩の流れ盤斜面で特に顕著である 流域に分布する地質は 泥質片岩 緑色片岩が主体で 一部砂質片岩や珪質片岩が認められる 泥質片岩 緑色片岩は風化しやすく 砂質片岩や珪質片岩は風化しにくい このため 崩壊は泥質片岩 緑色片岩で多いようである 比較的規模の大きな崩壊があるが これらは 流れ盤の断層破砕帯に起因するようである ほとんど沢で土石流は発生してる 土砂 流木の多くは 治山ダムや砂防堰堤 ため池で捕捉されている 概略被災平面図 稲垣原図 片岩の表層崩壊例 片岩の表層崩壊 稲垣原図 流れ盤の断層破砕帯に起因比較的規模の大きい斜面崩壊 規模の大きい崩壊頭部 4

規模の大きい崩壊末端部 断層破砕帯の一部 土砂や流木を捕捉している弘化 3 年のため池 土砂や流木を捕捉している須川第一砂防堰堤 (H=7m) 空が満砂となる 土砂や流木を捕捉している下流荒廃砂防堰堤 (H=10m) 空が満砂となる 土砂や流木を捕捉している下流荒廃砂防堰堤 (H=11m) 空が満砂となる 5

支沢からの土石流で倒壊した山尾坂砂防堰堤 (H=10.5m) 規模の大きい崩壊を止めた平成 19 年度治山ダム ( クラックと目地の開きあり ) 支流からの土石流 奈良ヶ谷川 山田ため池 池の外周道路の高さまで流木等があることから ため池内には多くの土砂が堆積して 放水路が流木等で閉塞し 堤体を洪水が越流していたと推定される この水圧と侵食作用に耐えることができず 堤体は破堤したと推定される 破堤前 山田ため池堤体の破壊状況 ( 太田 ) 破堤後 地理院地図から作成決壊したため池 ( 上流から ) 破堤後の写真に破堤前の池の湛水を重ねて表示 6

決壊したため池 ( 下流から ) 決壊したため池 ( 横から ) 赤谷乙石川 概略被災平面図 流域に分布する地質は花崗岩類であり 風化しやすく マサ化しやすい 河川の攻撃斜面や谷頭などでの表層崩壊が多い これらは風化花崗岩 ( マサ ) 斜面で顕著である 比較的規模の大きな崩壊があるが これらは 花崗岩と片岩との境界に位置する断層破砕帯に起因するようである ほとんど沢で土石流は発生してる 治山ダムや砂防堰堤 ため池が少なく 土砂 流木の多くは 捕捉されずに流下している 稲垣原図 花崗岩の表層崩壊例 花崗岩の表層崩壊 稲垣原図 7

乙石上流の規模の大きな崩壊 ( 地質境界の断層破砕帯に起因しているようである ) 花崗岩と片岩の断層境界での規模の大きい崩壊 ( 空から見る ) 断層破砕帯 支流からの土石流 河岸の攻撃斜面の表層崩壊 杭基礎が侵食された家屋 8

小野地区崩壊の地質構造 地形は小野川の右岸側攻撃斜面に位置し 標高 600m 程度の急斜面を形成しているが 山腹に緩斜面が認められる ( 崩壊上部 ) この緩斜面の方向は地質構造と関連して河方向でなく下流寄りになっている 地質は新第三紀の凝灰角礫岩の上に安山岩溶岩が分布する 安山岩溶岩の直下の凝灰角礫岩は赤色変質を受け 脆弱であり 不透水層となる 安山岩は 硬いが割れ目が多く滞水層となる この境界面は概ね流れ盤でキャップロック型の地質構造をもっている この地質構造は規模の大きな崩壊を起こしやすく 事実過去にも崩壊を発生させた古期崩積土が残っている 山腹に緩斜面には古期崩積土が分布している 崩壊下部は 堅硬な凝灰角礫岩の露出する急な河川攻撃斜面になっている 小野地区の崩壊機構 崩壊機構は上部と下部に分けられる 上部は 流れ盤のキャップロック型の規模の大きな崩壊である 不透水層の凝灰角礫岩の上に重たくて割れ目が多く 水を持った安山岩がある 安山岩と古い安山岩の崩壊堆積物である古期崩積土が 凝灰角礫岩の脆弱な流れ盤の赤色変質部に沿って崩壊したものである ただし この崩壊は過去にも起こっており 安山岩の過去の崩壊土砂が古期崩積土として山腹に堆積して緩斜面を作っていた 今回の崩壊は 安山岩の一部と古期崩積土が豪雨で多くの水を溜め込み 不安定になり動き出したものである 特に 古期崩積土の末端付近は一部受け盤となっているため 多くの地下水を溜め込みやすい この崩壊土砂は植生の倒れた方向によって 移動方向がわかり 緩斜面の傾斜方向である下流寄りに動いていることがわかる 今後この不安定土砂に対する対策は必要である 下部の崩壊は 河川攻撃斜面での表層崩壊と上部の崩壊土砂が崩壊側部から漏れ落ちたような形態をとっている したがって 下部崩壊面には堅硬な凝灰角礫岩が露出しており 残存する崩土の落下以外の これ以上の崩壊は発生しないと考えてよい 崩壊概略平面図 崩壊概略断面図 稲垣原図 稲垣原図 崩壊地全景 ( 空から望む ) 崩壊地全景 ( 正面から望む ) 9

頭部滑落崖で割れ目の多い安山岩が露出 凝灰角礫岩赤色変質部とその上の安山岩は流れ盤で接している 凝灰角礫岩赤色変質部とその上の古期崩積土は受け盤で接している 古期崩積土とその地表を形成する緩斜面 植生の倒れた方向で土砂移動方向の概略がわかる 崩壊地周辺は 40 50 年生の杉林で植生管理は良く行われている 10

河道閉塞と堰止湖 崩壊による河道閉塞は 延長 450m 幅 200m 程度で発生し 上流側に延長 300m 幅 100m の堰止湖を形成した 崩壊土砂は対岸の梛野集落まで達し 当初越流自然水路が 対岸の集落側に発生した 河道閉塞の延長が長く破堤する懸念は少ないようであったが 越流水路を現河床あたりに戻す緊急工事が行われたようであり 現時点で堰止湖の水位は下がり 破堤の危険はないようである 今後 崩壊斜面対策と並行して 河道閉塞土砂の処理が必要である 河道閉塞の状況 (7 月 9 日撮影 ) 堰止湖の状況 (7 月 9 日撮影 ) 堰止湖の越流が始まっている (7 月 9 日撮影 ) 河道閉塞の開削水路 (7 月 23 日撮影 ) 堰止湖の開削部で 著しい侵食はない (7 月 23 日撮影 ) 11

災害廃棄物 朝倉小学校脇の土砂の仮置き場 災害から 2 週間強が経過した 7 月 22 23 日現在では 行方不明者の捜索が続いており 災害廃棄物の処理は 地区ごとの仮置き場に置かれてる状況で 本格的な処理はこれからであろう 朝倉市の木材の仮置き場 市民 ボランテアによる土砂等の撤去 朝倉市松末小学校に集まる廃棄物 小野公民館の内の地区仮置き場 12

小野公民館仮置き場の配置図 小野公民館の内の地区仮置き場への災害廃棄物の搬入状況 分別状況 ( 家電類 ) 分別状況 ( 木材類 ) 分別状況 ( 金物類 ) 分別状況 ( 瓶類 ) 13

分別状況 ( 畳類 ) 今後増大する廃棄物 ( 崩壊土砂 ) 今後増大する廃棄物 ( 流木類 ) 今後増大する廃棄物 ( 解体家屋等 ) ありがとうございました 14