株式の税金早分かり読本

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公募株式投資信託の解約請求および償還時

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1 どちらかをご選択特定口座と客さま般口座の特定口座の概要 特定口座とは 個人のお客さまが公募株式投資信託を換金され利益が出た場合は 原則 確定申告が必要ですが お客さまの確定申告にかかる負担を軽減させるべく当金庫が納税の代行などを行う制度として 特定口座 があります 特定口座 をご利用いただくこと

上場株式等の譲渡益に係る課税 上場株式等の税金について 上場株式等の譲渡益に係る税率は以下の通りです 平成 25 年 1 月 1 日 ~ 平成 25 年 12 月 31 日 平成 26 年 1 月 1 日 ~ 平成 49 年 12 月 31 日 平成 50 年 1 月 1 日 ~ % (

各 位 平成 27 年 3 月 31 日 大和証券株式会社 NISA 口座開設キャンペーン 及び NISA 積立サービスキャッシュバックキャンペーン ご家族 ご友人紹介キャンペーン ( 第 7 弾 ) 実施のお知らせ 大和証券株式会社 ( 以下 大和証券 ) は これまで証券会社とお取引のなかったお

本資料のポイント 平成 29 年度税制改正で 上場株式等に係る配当等 について 所得税 と 住民税 で異なる課税方式を選択することが可能であると明確化されました このことにより 課税所得 900 万円以下の場合 所得税は 総合課税 住民税は 申告不要 を選択することで 納税額を抑えることが可能となり

公共債の税金について Q 公共債の利子に対する税金はどのようになっていますか? 平成 28 年 1 月 1 日以後に個人のお客様が支払いを受ける国債や地方債などの特定公社債 ( 注 1) の利子については 申告分離課税の対象となります なお 利子の支払いを受ける際に源泉徴収 ( 注 2) された税金

相続の基礎 ~ 「相続」を学ぼう!! ~ 生前贈与①有価証券

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218 年分以降の配偶者控除額は夫の年収に応じて減っていきます 217 年分までは が 13 万円 ( 合計所得金額 38 万円 以下であれば 夫の年収にかかわらず 配偶者控除額 38 万円 ( 住民税は 33 万円 を夫の所得から控除できました 218 年分以降は が 13 万円 ( 合計所得金額

投資主の皆様へ 平成 29 年 3 月 マリモ地方創生リート投資法人 第 1 期分配金の税務上の取扱いに関するご説明 拝啓平素は格別のご高配を賜り厚く御礼申し上げます さて 本投資法人は 平成 29 年 2 月 14 日開催の役員会において 第 1 期 ( 平成 28 年 12 月期 ) の (A)

保証金シミュレーターの活用例

~ この操作の手引きをご利用になる前に ~ この操作の手引きでは 確定申告書の作成方法を説明しています 操作を始める前に 以下の内容をご確認ください 共通の操作の手引きの確認入力方法やデータ保存 読込方法などを説明した ( 共通 )e-tax で送信するための準備編 又は ( 共通 ) 書面提出 (

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株主各位 証券コード 7022 平成 29 年 6 月 23 日 大阪市北区中之島三丁目 3 番 23 号 取締役社長上田 孝 第 6 期期末配当の税務上の取扱いに関するご説明 拝啓日頃より格別のご高配を賜り厚く御礼申しあげます さて 当社は 平成 29 年 6 月 23 日開催の第 6 期定時株主

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[ 課税対象化 ] POINT1. 1 の売却益が課税対象に 改正前 ( 平成 27 年 12 月 31 日まで ) 原則非課税 改正後 ( 平成 28 年 1 月 1 日から ) % 2 の申告分離課税 1 国債 地方債 外国国債 外国地方債 公募公社債 上場公社債 ゼロクーポン債等

概要 平成 27 年までと平成 28 年以後の証券税制の比較 平成 27 年までは 上場株式等 と 公社債等 の税制上の取扱いが異なっています 平成 28 年以後は 金融所得課税の一体化 により 上場株式等 と 公社債等 の税制上の取扱いが統一されます 平成 27 年まで 上場株式等 上場株式 公募


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贈与税の非課税特例 ①住宅取得等資金の贈与

経 [2] 証券投資信託の償還 解約等の取扱い 平成 20 年度税制改正によって 株式投資信託等の終了 一部の解約等により交付を受ける金銭の額 ( 公募株式投資信託等は全額 公募株式投資信託等以外は一定の金額 ) は 譲渡所得等に係る収入金額とみなすこととされてきました これが平成 25 年度税制改

改訂履歴 更新日ページ内容 2013 年 12 月 10 日初版作成 2013 年 12 月 11 日訂正 P3 約常時 約定時 に訂正 2013 年 12 月 11 日 訂正 P11 投信注文時に 現物買注文中またはIPO 購入申込済みの場合のエラーメッセージ訂正 NISA 預りが存在しています

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取引高について 2006 年の日経 225mini の開始以降 取引高は増加傾向 ( 単位 ) 300,000, ,000, ,000,000 日経 225mini 日経 225 先物 150,000, ,000,000 50,000,

[2] 株式の場合 (1) 発行会社以外に譲渡した場合株式の譲渡による譲渡所得は 上記の 不動産の場合 と同様に 譲渡収入から取得費および譲渡費用を控除した金額とされます (2) 発行会社に譲渡した場合株式を発行会社に譲渡した場合は 一定の場合を除いて 売却価格を 資本金等の払戻し と 留保利益の分

各 位 平成 26 年 3 月 28 日 株式会社大和ネクスト銀行 大和証券株式会社 ダイワの NISA 口座開設キャンペーン ( 第 2 弾 ) 大和ネクスト銀行円定期預金 金利優遇キャンペーン ( 第 3 弾 ) および ご家族 ご友人紹介キャンペーン ( 第 3 弾 ) 実施のお知らせ 大和証

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日経225オプション取引・投資戦略 基礎編

iii. 源泉徴収選択口座への受入れ源泉徴収ありを選択した特定口座 ( 以下 源泉徴収選択口座 といいます ) が開設されている金融商品取引業者等 ( 証券会社等 ) に対して 源泉徴収選択口座内配当等受入開始届出書 を提出することにより 上場株式等の配当等を源泉徴収選択口座に受け入れることができま

(ⅲ) 源泉徴収選択口座への受入れ 源泉徴収ありを選択した特定口座 ( 以下 源泉徴収選択口座 といいます ) が開設されている金融商品取引業者等 ( 証券会社等 ) に対して 源泉徴収選択口座内配当等受入開始届出書 を提出することにより 上場株式等の配当等を源泉徴収選択口座に受け入れることができま

投資法人の資本の払戻 し直前の税務上の資本 金等の額 投資法人の資本の払戻し 直前の発行済投資口総数 投資法人の資本の払戻し総額 * 一定割合 = 投資法人の税務上の前期末純資産価額 ( 注 3) ( 小数第 3 位未満を切上げ ) ( 注 2) 譲渡収入の金額 = 資本の払戻し額 -みなし配当金額

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e. 未成年者に係る少額上場株式等の非課税口座制度 ( ジュニア NISA) 未成年者に係る少額上場株式等の非課税口座制度に基づき 証券会社等の金融商品取引業者等に開設した未成年者口座において設定した非課税管理勘定に管理されている上場株式等 ( 平成 28 年 4 月 1 日から平成 35 年 12


この特例は居住期間が短期間でも その家屋がその人の日常の生活状況などから 生活の本拠として居住しているものであれば適用が受けられます ただし 次のような場合には 適用はありません 1 居住用財産の特例の適用を受けるためのみの目的で入居した場合 2 自己の居住用家屋の新築期間中や改築期間中だけの仮住い

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種類期間適用金利 年 2.1% 税引後年 1.68% 年 2.1% 税引後年 1.68% 新たに年金振込をご指定いただく場合は 裁定請求書 または 年金受給権者住所 支払機関変更届 等をご提示ください 現在 年金お受取口座を他金融機関でご指定の場合 当行指定替えの所定の手続き等が必要となります 詳し

Q. 確定申告は必要ですか? A. 今回の配当によるみなし譲渡損益が特定口座の計算対象とならない場合 または源泉徴収の無い特定口座や一般口座でお取引いただいている場合につきましては 原則として確定申告が必要になります 申告不要制度の適用可否を含め 株主の皆様個々のご事情により対応が異なりますので 具

(2) 源泉分離課税制度源泉分離課税制度とは 他の所得と全く分離して 所得を支払う者 ( 銀行 証券会社等 ) がその所得の支払の際に 一定の税率で所得税を源泉徴収し それだけで所得税の納税が完結するものです 1 対象となる所得代表的なものとして 預金等の利子所得 定期積金の給付補てん金等があります

 


 

株式等の譲渡(特定口座を利用していない場合)編

6 課税上の取扱い日本の居住者又は日本法人である投資主及び投資法人に関する課税上の一般的な取扱いは 下記のとおりです なお 税法等の改正 税務当局等による解釈 運用の変更により 以下の内容は変更されることがあります また 個々の投資主の固有の事情によっては異なる取扱いが行われることがあります (1)

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投資信託ホームページ構成案

個人向け国債とは? 個人向け国債とは? 個人向け国債とは 日本国が発行する国債の一種で 個人のお客さまのみ購入可能な債券です 通常の国債の場合 入札方式により銀行 証券会社 生損保等の金融機関が購入後 個人のお客さまや機関投資家へ販売されますが 個人向け国債の場合は 金融機関を通じてお客さまが直接国


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FX取引に係る確定申告について

ポイント 年の一般 NISA * 口座 18 年末に非課税期間終了へ 2 一般 NISA 開始以降の主要資産の価格推移 1.5 倍 日 米株式 1.7 倍 外国債券 1.1 倍 3 今後の運用方針 ( 投資先 ) を再検討 主な資産の方向性 ( 見通し ) 5 年間リターン実績 グローバ

 

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源泉徴収口座 のメリット 1 ~ 譲渡益 償還益の確定申告不要 ~ 2016 年から 公社債や公募公社債投信等 ( 以下 公社債等 ) の譲渡 ( 償還 ) 益はすべて課税対象とされ 原則 確定申告が必要となります 源泉徴収ありの特定口座 ( 以下 源泉徴収口座 ) を利用すれば 上場株式等や公社債

d. 少額上場株式等の非課税口座制度 ( 通称 NISA) 少額上場株式等の非課税口座制度に基づき 証券会社等の金融商品取引業者等に開設した非課税口座において設定した非課税管理勘定に管理されている上場株式等 ( 平成 26 年から平成 35 年までの 10 年間 新規投資額で毎年 100 万円を上限

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別 前年同期比増減率 単位 : 社 % 繊維製品 パルプ 紙 化学 石油 石炭 黒転

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( 注 3) 大口個人投資主 ( 配当基準日において発行済投資口総数の 3% 以上を保有 ) が 1 回に受け取る配当金額が 5 万円超 (6 か月決算換算 ) の場合には 必ず総合課税による確定申告を行う必要があります ( この場合には申告分離課税は 選択できません ) c. 源泉徴収選択口座への

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確定申告をする ( 下記のいずれか一方を選択 ) 総合課税 申告分離課税 確定申告をしない ( 確定申告不要制度 ) ( 注 1) 借入金利子の控除ありあり 税率累進税率上記 (ⅰ) と同じ 配当控除なし ( 注 2) なし - 上場株式等に係る譲渡損失との損益通算 なし あり 扶養控除等の判定 合

費用並びに当該一般事務受託者 当該資産保管会社及び当該資産運用会社が立て替えた立替金の遅延利息又は損害金の請求があった場合は かかる遅延利息又は損害金を負担します 前記に加え 本投資法人は 原則として以下に掲げる費用を負担するものとし その詳細については 当該一般事務受託者 当該資産保管会社又は当該

 

公共債のご案内

(****) 非課税口座に設けられる勘定は 毎年 非課税管理勘定 (NISA) 又は累積投資勘定 ( つみたて NISA) のいずれかに限ります 更に 2016 年 4 月 1 日から2023 年 12 月 31 日までの期間 未成年者に係る少額上場株式等の非課税口座制度 ( 通称ジュニアNISA)

配当所得の入力編

2011年8月30日 ダウンロード資料

NISA 口座のお取引が対象となります 公募株式投資信託の購入時手数料をキャッシュバックいたします 米国 ETF の買付時取引手数料をキャッシュバックいたします 対象期間は 2014 年 1 月 6 日から 2014 年 12 月 30 日 ( 受渡ベース ) となります その他詳細につきましては

( 契約締結前交付書面 ) 平成 30 年度富士の国やまなし県民債の説明書 平成 30 年度富士の国やまなし県民債の契約締結にあたっては この書面の記載事項をよくお読みいただいたうえで お申し込みください ( 平成 30 年 12 月 3 日現在 )

個人向け国債とは? 個人向け国債とは? 個人向け国債とは 日本国が発行する国債の一種で 個人のお客さまのみ購入可能な債券です 通常の国債の場合 入札方式により銀行 証券会社 生損保等の金融機関が購入後 個人のお客さまや機関投資家へ販売されますが 個人向け国債の場合は 金融機関を通じてお客さまが直接国


平成 27 年 5 月 8 日 各位 株式会社大和証券グループ本社 本日 当社グループ大和証券株式会社および株式会社大和ネクスト銀行よりプレスリリース 外債 外貨預金セットプランキャンペーン 実施のお知らせ を発表いたしましたので ご報 告申し上げます 以上

Transcription:

株式の税 金 早わかり 読本 2017 年 1 月版

2 ご注意 もくじ ご注意 : 必ずお読みください 当資料は株式投資に関する税制の説明資料として 2017 年 1 月現在 公布 施行されている税法を元にカブドットコム証券が作成しました 作成には万全を期しておりますが その正確性 完全性を保証するものではありません また 税制改正等が行われた場合 内容が異なる可能性もございますので 税制に関する最新の情報をご確認ください 当資料は株式投資に関する税制の主なポイントをまとめたものです 株式投資に関する一部の基本的な税制についてのみ解説しており すべてを網羅しているわけではありません この他にも様々な制度や特例などもございますので 当資料で概略をご理解いただき さらに詳細を把握いただく為の一助としてご活用ください 納税や税務リスクはお客さまご自身のご負担となりますので ご自身のご責任とご判断でご検討ください 税制に関するご相談は お近くの税務署か税理士等の専門家にご相談ください 2 ページご注意 もくじ 3 ページまずはじめに知っていただきたいこと 4 ページ 特定口座 と 一般口座 5 ページ譲渡益にかかる税率と 配当金にかかる税率 6 ページ上場株式等の譲渡損失と配当金の損益通算 7 ページ上場株式等の譲渡損益の計算方法 8ページ 同一日同一銘柄の取引での計算方法 9ページ 譲渡損失の繰越控除 10ページ ホームページで確認しよう

3 まずはじめに知っていただきたいこと この 株式の税金早わかり読本 は 初めて株式の税金を知りたいと思った方や 株式投資はしているけど税金はよくわからないという方に 代表的なポイントから順を追って説明しています 詳細ページ等と合わせてご覧ください 株式投資での利益には税金がかかります 株式投資から発生する利益は 主に 譲渡益 ( 売却益 ) と 配当金 の 2 つです この 譲渡益 ( 売却益 ) や 配当金 には 所定の税金がかかります 基本はシンプルですが 特例などを利用する際には注意が必要です なお 譲渡益 ( 売却益 ) は他の所得と合算しない 申告分離課税 が適用されます 配当金 は 一定税率の源泉徴収のみで確定申告しないこともできますが 確定申告により総合課税や申告分離課税とすることも可能です 一般口座 と 特定口座 のどちらかを選びます 証券会社で口座を開設する場合 お客さまの希望する納税方法等に応じて 一般口座 と 特定口座 のいずれかを選択していただきます ご自身で年間損益等を計算し確定申告により納税する場合は 一般口座 をお選びください 特定口座 は 証券会社がお客さまに代わって年間損益等を計算した 特定口座年間取引報告書 を作成し 確定申告の手間を減らしますので なるべく手間をかけたくない場合は 特定口座 をお選びください 特定口座 には 証券会社が損益計算等を行いお客さまに代わって納税することにより 確定申告が不要となる 源泉徴収あり と 源泉徴収は行わず 特定口座年間取引報告書 をもって確定申告はご自身で行う 源泉徴収なし の 2 種類があります 納税まで証券会社に代行させ なるべく手間をかけたくない場合は 源泉徴収あり をお選びください なお 源泉徴収あり の場合でも 特例の活用等のために別途確定申告することもできます < 源泉徴収の流れ > 売却の都度 年初からの取引を通算した税額を計算し源泉徴収を行います 売却損により超過徴収となった場合はお客さまの証券口座に還付します 国や地方への納付は 年間の損益を通算して 当社がお客さまに代わって納めます お客さま 源泉徴収 還付 納付 国 地方

特定口座 と 一般口座 4 証券会社で口座を開設する場合 はじめに 特定口座 か 一般口座 をお選びいただきます ここではその違いを簡単にまとめました まずは 2 つの違いを理解し どちらを選ぶか決めましょう 特定口座 と 一般口座 の図解 特定口座 個人投資家お客さま 源泉徴収あり 源泉徴収なし 特定口座内での取引を管理し損益等を計算 特定口座年間取引報告書 を当社が作成 確定申告不要源泉徴収による納税 確定申告 選択 一般口座 投資家自身で年間の損益等を計算 確定申告 多くの方に適しているのは 特定口座 ( 源泉徴収あり ) 結論から言えば 特定口座 ( 源泉徴収あり ) が多くの方に適しているでしょう 証券会社が損益計算を行いお客さまに代わって納税するので確定申告不要 特定口座年間取引報告書 により確定申告することも可能です 源泉徴収あり を選択していても確定申告はできますので 譲渡損失の繰越控除や 複数の証券会社での取引の損益を通算する場合なども 源泉徴収あり で対応できます

5 譲渡益にかかる税率と 配当金にかかる税率 ここからはより詳しい税金の話になりますので 専門用語や言い回しが出てきますが 重要なポイントからご説明いたします 上場株式等の譲渡益 ( 売却益 ) にかかる税率と 配当金にかかる税率 譲渡益にかかる税率申告分離 配当金にかかる税率源泉徴収 平成 26 年 ~ 平成 49 年 20.315% 所得税 15.315% 住民税 5% 20.315% 所得税 15.315% 住民税 5% 平成 50 年 ~ 20% 所得税 15% 住民税 5% 20% 所得税 15% 住民税 5% 復興財源確保法 施行により平成 25 年 ~ 平成 49 年まで 2.1% の付加税が所得税に上乗せされ 15% 102.1%=15.315% となってます 上の表は上場株式等にかかる税率です 未上場株式等は異なります 譲渡益 ( 売却益 ) は 総平均法に準ずる方法で取得費等を計算して求めます 同じ銘柄を複数回に分けて買った場合 売却の都度取得単価等を計算し譲渡損益を計算します 詳細は 7 ページ 上場株式等の配当金への課税は 源泉徴収のみで確定申告は不要です 別途 総合課税として確定申告することにより 配当金に一定率を乗じた金額が所得税額や住民税額から控除される配当控除を行うことも可能です また 申告分離課税として確定申告することにより 上場株式等の譲渡損失と損益通算することも可能です ただし 確定申告を行うことにより 配偶者控除等に影響する場合もあります 詳細は 6 ページ

6 上場株式等の譲渡損失と配当金の損益通算 上場株式等の譲渡損失と配当金を損益通算することが可能です 特定口座の源泉区分 配当金の受取方法により手続きが異なりますので ご注意ください 特定口座 ( 源泉徴収あり )/ 配当金自動受取サービス ( 株式数比例配分方式 ) 配当金 分配金と譲渡損失との損益通算を証券会社の口座内で行います 配当金 分配金の税金の還付金は翌年 1 月の第一営業日にお客さまの証券口座に入金されます 特定口座 ( 源泉徴収あり )/ 配当金自動受取サービス ( 株式数比例配分方式 ) を選択していない 特定口座 ( 源泉徴収なし ) 一般口座 配当金 分配金と譲渡損失との損益通算を行うためには 確定申告が必要です 配当金自動受取サービス ( 株式数比例配分方式 ) 配当金自動受取サービス ( 株式数比例配分方式 ) とは 配当金をカブドットコム証券の口座で受け取ることができる便利なサービスです 郵送される 配当金領収書 を持ってわざわざ金融機関に配当金を受け取りに行かなくても カブドットコム証券の口座に配当金が入金されるので手間がかかりません 特定口座 ( 源泉徴収あり ) で 配当金自動受取サービス ( 株式数比例配分方式 ) をセットで申し込むのが 簡単便利なので多くの方にオススメです 配当金自動受取サービス ( 株式数比例配分方式 ) は お取引ページの 設定 申込 > お客さま基本情報 > 内容変更 にて 配当金受取方式 の項目の変更ボタンよりお申込いただけます

7 上場株式等の譲渡損益の計算方法 上場株式等の譲渡損益の計算方法は 総平均法に準ずる方法で取得費を計算して行います 損切りのつもりが利益になっている 思っていたより損失の額が多い 等と誤解されるケースが多々ありますので ここできちんと理解しておきましょう 譲渡損益の計算方法 収入金額 - 取得費及び譲渡に要した費用の額等 売却単価 株数取得費 = 買付単価 株数 (+ 手数料等 ) 譲渡損益の計算における総平均法に準ずる方法での取得費の計算は ( 買付単価 株数 + 手数料等 ) 株数で計算します 小数点以下の端数は切り上げ となりますので計算上は実際のコストより高くなる場合があります 総平均法に準ずる方法と譲渡損益の計算例 総平均法に準ずる方法とは 複数回に分けて買った総コストと売却分を考慮して平均することにより 売買全体を捉えたものです 特定口座では自動的に計算していますのでご自身で計算する必要はありませんが 理解しておきましょう 月日買い売り株数約定価額手数料譲渡損益残高取得単価 16/1 1,000 円 200 株 200,000 円 194 円 200 株 26/2 1,050 円 100 株 105,000 円 194 円 300 株 36/3 1,200 円 200 株 240,000 円 270 円 +36,130 円 100 株 1,018 円 46/4 1,150 円 300 株 345,000 円 270 円 400 株 56/5 1,300 円 300 株 390,000 円 270 円 +54,330 円 100 株 1,118 円 (1,000 円 200 株 +194 円 )=200,194 円 1 (1,050 円 100 株 +194 円 )=105,194 円 2 (1+2) 300 株 =1,017.96 円 切り上げ 1,018 円 3 譲渡損益 (1,200 円 200 株 )-(1,018 200 株 +270 円 )=+36,130 円 (1,018 円 100 株 )=101,800 円 3 (1,150 円 300 株 +270 円 )=345,270 円 4 (3+4) 400 株 =1,117.675 円 切り上げ 1,118 円 5 譲渡損益 (1,300 円 300 株 )-(1,118 円 300 株 +270 円 )=+54,330 円

同一日同一銘柄の取引での計算方法 8 上場株式等の譲渡損益の計算方法において 同一日同一銘柄の取引での計算方法についてのご質問がよくあります 実際の約定順とは限らないので戸惑われることもあるかと思いますが 税金の計算方法ですのでご理解ください 同一日同一銘柄の取引では 買いを先に計算する 上場株式等の譲渡損益の計算方法において 同一日同一銘柄の取引は 実際の約定順ではなく 買い付けたものを先に計算し その取得費を元に売却したものの譲渡損益を計算します これは 特定口座でも一般口座でも同じ計算方法となります 同一日同一銘柄の取引での譲渡損益の計算例 持ち株を売ったその日のあとで買い直した場合 譲渡損益の税金計算では制度上 先に当日買付分も含めた取得単価を計算し それを元に譲渡損益を計算します 以下の例のように並び替えて考えればわかりやすくなります < 実際の約定順 > 月日買い売り株数約定価額手数料 16/1 1,000 円 100 株 100,000 円 97 円 26/2 1,150 円 100 株 115,000 円 194 円 36/2 1,050 円 100 株 105,000 円 194 円 < 計算のために並べ替え > 月日買い売り株数約定価額手数料譲渡損益残高取得単価 16/1 1,000 円 100 株 100,000 円 97 円 100 株 36/2 1,050 円 100 株 105,000 円 194 円 200 株 26/2 1,150 円 100 株 115,000 円 194 円 +12,106 円 100 株 1,027 円 (1,000 円 100 株 +97 円 )=100,097 円 1 (1,050 円 100 株 +194 円 )=105,194 円 3 (1+3) 200 株 =1,026.455 円 切り上げ 1,027 円 2 譲渡損益 (1,150 円 100 株 )-( 1,027 円 100 株 +194 円 )=+12,106 円

9 譲渡損失の繰越控除 上場株式等の譲渡益税は 基本的に年間単位で計算されますが 年によって利益が多かったり損失が多かったりしますので この譲渡損失の繰越控除という制度が設けられました 譲渡損失が残った場合は確定申告して繰り越すようにしましょう 譲渡損失の繰越控除の計算例 上場株式等の譲渡損失の内 その年に控除しきれない分は 確定申告することにより翌年以降 3 年間にわたり 上場株式等の譲渡益や配当金等から控除できます ただし 譲渡損失を繰り越すには 取引がない年も含め確定申告する必要があります 平成 28 年平成 29 年平成 30 年平成 31 年平成 32 年 年間譲渡損益 -500 万円 +400 万円なし -200 万円 +300 万円 前年からの繰越譲渡損失なし -500 万円 -100 万円 -100 万円 -200 万円 翌年への繰越譲渡損失 -500 万円 -100 万円 -100 万円 -200 万円 0 円 相殺後の課税対象譲渡所得 確定申告 0 円 0 円 0 円 0 円 100 万円 確定申告必要 平成 28 年 500 万円の譲渡損失を確定申告により翌年以降 3 年間にわたり繰越 平成 29 年 400 万円の譲渡利益を前年からの繰越譲渡損失で相殺 残った 100 万円を翌年に繰越 平成 30 年取引は無かったが前年からの 100 万円の繰越譲渡損失を確定申告により翌年に繰越 平成 31 年 3 年目となる前年からの 100 万円の繰越譲渡損失はこの年で消滅 当年の 200 万円の譲渡損失を確定申告により翌年以降 3 年間にわたり繰越 平成 32 年 300 万円の譲渡利益を前年からの 200 万円の繰越譲渡損失で相殺 相殺後の 100 万円が課税対象譲渡所得となる

ホームページで確認しよう 10 税制は証券税制だけでもまだまだ沢山の制度や特例があります ここではあくまで概略のご案内までですので さらに詳しい内容をホームページ等を活用して確認しましょう 税金に関するご相談は税務署や税理士等の専門家にご相談ください 証券税制 : カブドットコム証券 http://kabu.com/investment/syoukenzeisei/ e-tax 国税電子申告 納税システム http://www.e-tax.nta.go.jp/ タックスアンサー 税について調べる 国税庁 http://www.nta.go.jp/taxanswer/index2.htm 株式と税 国税庁 http://www.nta.go.jp/homonsya/kojin/10.htm

11 当資料は株式投資に関する税制の説明資料として 2017 年 1 月現在 公布 施行されている税法を元にカブドットコム証券が作成しました 作成には万全を期しておりますが その正確性 完全性を保証するものではありません また 税制改正等が行われた場合 内容が異なる可能性もございますので 税制に関する最新の情報をご確認ください 当資料は株式投資に関する税制の主なポイントをまとめたものです 株式投資に関する一部の基本的な税制についてのみ解説しており すべてを網羅しているわけではありません 納税や税務リスクはお客さまご自身のご負担となりますので ご自身のご責任とご判断でご検討ください 税制に関するご相談は お近くの税務署か税理士等の専門家にご相談ください お取引の際は 約款 規定集 (http://kabu.com/service/clauses.asp) 契約締結前交付書面 投資信託説明書 ( 交付目論見書 ) お取扱商品の重要事項の説明 (http://kabu.com/company/policy/inducement.asp) 等を良くお読みいただき 商品特性やリスク及びお取引ルール (http://kabu.com/service/rule.asp) 等を良くご理解の上 銘柄選択 投資時期 投資スタイル等 投資の最終決定はご自身のご判断とご責任で行ってください 証券投資は 価格の変動 金利の変動 為替の変動等により投資元本を割り込む恐れがあります 自動売買を含むすべてのご注文は 必ず約定するものではありません 各商品等へのご投資には 各商品毎に所定の手数料等が必要です 手数料には消費税が含まれます 詳しくは当社の手数料ご案内ページ (http://kabu.com/cost/) 等をご参照ください 掲載情報は 2017 年 1 月現在のものです 詳細および最新情報は当社ホームページ (http://kabu.com/) にてご確認ください 商号 : カブドットコム証券株式会社金融商品取引業登録番号 : 関東財務局長 ( 金商 ) 第 61 号銀行代理業許可番号 : 関東財務局長 ( 銀代 ) 第 8 号加入協会 : 日本証券業協会 金融先物取引業協会