事業承継税制の概要 事業承継税制は である受贈者 相続人等が 円滑化法の認定を受けている非上場会社の株式等を贈与又は相続等により取得した場合において その非上場株式等に係る贈与税 相続税について 一定の要件のもと その納税を猶予し の死亡等により 納税が猶予されている贈与税 相続税の納付が免除される

Similar documents
<4D F736F F F696E74202D E93788E968BC68FB38C7090C590A789FC90B38A E >

(1) 改正の内容 内容 現行制度 特例制度 納税猶予対象株式 納税猶予税額 発行済議決権株式総数の 3 分の 2 に達するまでの株式 贈与の場合 : 納税猶予対象株式に係る贈与税の全額 相続の場合 : 納税猶予対象株式に係る相続税の 80% 取得した全ての株式 贈与の場合 : 納税猶予対象株式に係

(1) 相続税の納税猶予制度の概要 項目 納税猶予対象資産 ( 特定事業用資産 ) 納税猶予額 被相続人の要件 内容 被相続人の事業 ( 不動産貸付事業等を除く ) の用に供されていた次の資産 1 土地 ( 面積 400 m2までの部分に限る ) 2 建物 ( 床面積 800 m2までの部分に限る

平成19年12月○日

1 贈与税の納税猶予制度の認定要件 ( 施 規則第 6 条第 1 項第 11 号 ) 贈与税の納税猶予制度の適 を受けるには 以下の要件等を満たすことが必要です 対象会社要件 中 企業者であること 上場会社等 俗営業会社に該当しないこと 資産保有型会社 は資産運 型会社 ( 以下 資産保有型会社等

1. はじめに 中小企業経営者の高齢化が進展する中 事業承継の円滑化は喫緊の課題です 平成 30 年度税制改正において 事業承継の際に生ずる相続税 贈与税の負担を軽減する 非上場株式等についての相続税及び贈与税の納税猶予及び免除の特例 ( 以下 事業承継税制 ) が抜本的に改正されました 本改正では

2. 制度の概要 この制度は 非上場株式等の相続税 贈与税の納税猶予制度 とは異なり 自社株式に相当する出資持分の承継の取り扱いではなく 医療法人の出資者等が出資持分を放棄した場合に係る税負担を最終的に免除することにより 持分なし医療法人 に移行を促進する制度です 具体的には 持分なし医療法人 への

<4D F736F F F696E74202D DC C5817A94F18FE38FEA8A948EAE939982C982C282A282C482CC91A1975E90C A91B190C582CC945B90C C814596C68F9C81698E968BC68FB38C7090C590A7816A82CC82A082E782DC82B520202

参考. 改正前の制度概要 ( 改正対象は太字 ) (1) 税の納税猶予の全体像 ( 概要 ) の要件 会社の代表者であったこと 時には代表権を有していないこと と同族関係者で決議数の 50% 超の株式を保有かつを除いた同族内で筆頭株主であったこと 認定対象会社の要件 の要件 会社の代表者であること

法人会の税制改正に関する提言の主な実現事項 ( 速報版 ) 本年 1 月 29 日に 平成 25 年度税制改正大綱 が閣議決定されました 平成 25 年度税制改正では 成長と富の創出 の実現に向けた税制上の措置が講じられるともに 社会保障と税の一体改革 を着実に実施するため 所得税 資産税についても

事業承継関連税制について 関東経済産業局 平成 30 年 6 月 中小企業金融課

事業承継税制の全体像は ( 図表 1) の通りである ( 図表 1) 事業承継税制の全体像 経営者 1 代目 経営者 2 代目 一括贈与 大臣認定 贈与税の課税 贈与税の納税猶予の適用 相続税の納税猶予制度と同様 雇用確保を含む 5 年間の事業継続を行い その後も株式を継続保有 生前贈与により株式の

納税猶予打切りリスクの緩和 利子税率の引き下げ 承継 5 年超で 5 年分の利子税の免除 債務控除方式の変更 債務控除を株式以外の財産から行うことで 納税猶予の効果を高める < 平成 27 年度税制改正 > 贈与税の納税猶予 免除制度の拡充 1 代目が存命中に 2 代目が 3 代目に納税猶予 免除制

1 検査の背景 (1) 租税特別措置の趣旨及び租税特別措置を取り巻く状況租税特別措置 ( 以下 特別措置 という ) は 租税特別措置法 ( 昭和 32 年法律第 26 号 ) に基づき 特定の個人や企業の税負担を軽減することなどにより 国による特定の政策目的を実現するための特別な政策手段であるとさ

贈与税の納税猶予制度の認定要件 ( 施 規則第 6 条第 1 項第 13 号 ) 贈与税の納税猶予制度の適 を受けるには 以下の要件等を満たすことが必要です 3 ( 贈与者 ) 先代経営者以外の株主等の要件 先代経営者からの贈与 は相続以後に 贈与を った者であること ( 先代経営者からの贈与 は相

株式の贈与 相続税を ゼロ に! 中小企業の事業承継税制と金融支援 - 中小企業経営承継円滑化法事業者向け手引き - 神奈川県

平成 25 年度税制改正解説相続税 ~ 基礎控除の引き下げ 税率構造の見直し等 法定相続人の数と基礎控除法定相続人の数と基礎控除 法定相続人の数 1 人 2 人 3 人 4 人 5 人 60,000 千円 70,000 千円 80,000 千円 90,000 千円 100,000 千円 36,000

目次 特例措置の概要等... 5 ( 問 1) 非上場株式等についての相続税 贈与税の納税猶予及び免除に係る一般措置と特例措置との違い... 5 ( 問 2) 相続開始後の特例承継計画の提出... 8 ( 問 3) 特例措置の対象となる株式等の種類... 9 ( 問 4) 特例措置における雇用確保要

1 第 2 章都道府県知事の認定について 第 1 節第一種特例贈与認定中小企業者 贈与税の納税猶予制度の認定要件 ( 施行規則第 6 条第 1 項第 11 号 ) 贈与税の納税猶予制度の適用を受けるには 以下の要件等を満たすことが必要です 1 対象会社要件 中小企業者であること 上場会社等 風俗営業

××税制(所得税・法人税・法人住民税・事業税)

給与所得控除額の改正前後の比較 改正前 改正後 給与等の収入金額給与所得控除額給与等の収入金額給与所得控除額 180 万円以下 収入金額 40% 65 万円に満たない場合は 65 万円 180 万円以下 収入金額 40%-10 万円 55 万円に満たない場合は 55 万円 180 万円超 360 万

[2] 税率構造の見直し 相続税の税率構造が現行の6 段階から8 段階に変更されるとともに 最高税率が 50% から 55% に引き上げられることとなりました ただし 各法定相続人の取得金額が2 億円以下の場合の税率は と変わりありません この改正は 平成 27 年 1 月 1 日以後に相続または遺

2. 改正の趣旨 背景 中小企業経営者の高齢化が進んでいるが その半数以上が事業承継の準備を終えていない このような現状を放置すると中小企業の廃業の増加により地域経済に深刻な打撃を与える恐れがある 事業承継の円滑な実施は 事業が継続されることによる雇用の維持に加え 休廃業企業のうち一定数は経常利益が

1 非上場株式等についての贈与税の納税猶予及び免除の特例 ( 租税特別措置法第条の 7 の 5) 特例措置 ⑴ 制度のあらまし ( 注 1 円滑化法の認定 ) を都道府県知事から受ける非上場会社の後継者である受贈者 ( 特例経営承継受贈者 といいます ) が 贈与者から非上場会社の株式又は出資 (

相続税・贈与税の基礎と近年の改正点

Microsoft Word 役立つ情報_税知識_.doc

未成年者控除 障害者控除の見直し 未成年者控除 障害者控除 6 万円 20 歳に達するまでの年数 6 万円 ( 特別障害者 :12 万円 ) 85 歳に達するまでの年数 10 万円 20 歳に達するまでの年数 10 万円 ( 特別障害者 :20 万円 ) 85 歳に達するまでの年数 小規模宅地等につ

医療法人への移行の案内.indd

速報!  平成27年度税制改正セミナー

土地の譲渡に対する課税 農地に限らず 土地を売却し 譲渡益が発生すると その譲渡益に対して所得税又は法人税などが課税される 個人 ( 所得税 ) 税額 = 譲渡所得金額 15%( ) 譲渡所得金額 = 譲渡収入金額 - ( 取得費 + 譲渡費用 ) 取得後 5 年以内に土地を売却した場合の税率は30

[2] 株式の場合 (1) 発行会社以外に譲渡した場合株式の譲渡による譲渡所得は 上記の 不動産の場合 と同様に 譲渡収入から取得費および譲渡費用を控除した金額とされます (2) 発行会社に譲渡した場合株式を発行会社に譲渡した場合は 一定の場合を除いて 売却価格を 資本金等の払戻し と 留保利益の分

『事業承継の際の相続税・贈与税          の納税猶予制度』

注 1 認定住宅とは 認定長期優良住宅及び認定低炭素住宅をいう 注 2 平成 26 年 4 月から平成 29 年 12 月までの欄の金額は 認定住宅の対価の額又は費用の額に含まれる消費税等の税率が 8% 又は 10% である場合の金額であり それ以外の場合における借入限度額は 3,000 万円とする

申請に当たって 提出が必要な添付書類は下記のとおりです 1. 認定申請書 ( 原本 1 部 写し 1 部 ) 2. 贈与認定申請基準 時点で有効な申請会社の定款の写し 第 種特例贈与認定申請基準 において有効な定款の写しを添付してください この写しに 原本証明をしてください 原本証明の例 この写しは

★889133_相続税ハンドブック_本体.indb

(2) 青色申告書を提出する中小企業者等 ( 平成 3 年 4 月 日以後開始する事業年度については 適用除外事業者 ( 注 4) を除く ) が 平成 30 年 4 月 日から平成 33 年 3 月 3 日までの間に開始する各事業年度において 国内雇用者に対して給与等を支給する場合に継続雇用者給与

Microsoft Word - 第67号 来年からの贈与税改正と相続時精算課税を選択する際の注意点

<4D F736F F D208C6F89638FEE95F182A082EA82B182EA E34816A>

11

理サブ_改正修正表.indd

2. 改正の趣旨 背景 (1) 問題となっていたケース < 親族図 > 前提条件 1. 父 母 ( 死亡 ) 父の財産 :50 億円 ( すべて現金 ) 財産は 父 子 孫の順に相続する ( 各相続時の法定相続人は 1 名 ) 2. 子 子の妻 ( 死亡 ) 父及び子の相続における相次相続控除は考慮

平成23年度税制改正の主要項目

3 減免の期間及び割合 下表の左欄の期間に終了する事業年度又は課税期間に応じて右欄の減免割合を適用します H27.6.1~H 減免割合 5/6 納付割合 1/6 H28.6.1~H 減免割合 4/6 納付割合 2/6 H29.6.1~H 減免割合 3/6 納

Microsoft PowerPoint - ‡g‡o„´“e†iH18’Å’§›ü’³†j0403

平成 30 年度改正版 平成 30 年 6 月 1 日から平成 31(2019) 年 5 月 31 日までの間に終了する事業年度に ついては 減免割合が 2/6 に変更となりましたので 30 年度改正版をご使用くださ 1 減免の対象 ( 変更はありません ) 詳細は次ページをご覧ください 1 資本金

<4D F736F F F696E74202D E897768C8F817A8E968BC68FB38C7090C590A7837D836A B202E >

て 次に掲げる要件が定められているものに限る 以下この条において 特定新株予約権等 という ) を当該契約に従つて行使することにより当該特定新株予約権等に係る株式の取得をした場合には 当該株式の取得に係る経済的利益については 所得税を課さない ただし 当該取締役等又は権利承継相続人 ( 以下この項及

Microsoft Word - 36号事業承継.doc

2.配偶者控除の特例の適用を受ける場合(暦年課税)編

平成16年版 真島のわかる社労士

2018年度税制改正大綱 - 資産税関連の主な改正点

別紙様式 7( ひな型 ) ( 日本工業規格 A4) 別紙様式 7( ひな型 ) ( 日本工業規格 A4) 申請者がと年月日をもって売買契約を締結した指名金銭債権に伴う別紙記載の不動産の質権又は抵当権の移転の登記につき 租税特別措置法第 83 条の2 第 1 項の規定の適用を受けたいので 租税特別措

このうち 申告納税額がある方 ( 納税人員 ) は640 万 8 千人で は41 兆 4,298 億円 申告納税額は3 兆 2,037 億円となっており 平成 28 年分と比較すると 人数 (+0.6%) (+ 3.4%) 及び申告納税額 (+4.6%) はいずれも増加しました 所得者区分別の状況イ

障財源化分とする経過措置を講ずる (4) その他所要の措置を講ずる 2 消費税率の引上げ時期の変更に伴う措置 ( 国税 ) (1) 消費税の軽減税率制度の導入時期を平成 31 年 10 月 1 日とする (2) 適格請求書等保存方式が導入されるまでの間の措置について 次の措置を講ずる 1 売上げを税

5 適用手続 ⑴ 相続時精算課税の適用を受けようとする受贈者は 贈与を受けた財産に係る贈与税の申告期間内に 相続時精算課税選択届出書 ( 贈与者ごとに作成が必要 ) を贈与税の申告書に添付して 納税地の所轄税務署長に提出する ( 相法 21の92) なお 提出された当該届出書は撤回することができない

2011年度税制改正大綱(相続・贈与税)

個人版事業承継税制の創設について 現行税制上の事業承継支援特例を踏まえた検討

5 配偶者控除等 配偶者控除 配偶者特別控除 扶養控除及び勤労学生控除の合計所得金額の要件 について 一律 10 万円ずつ引き上げられます 6 青色申告特別控除正規の簿記の原則により記帳している者に係る控除額が 55 万円に引き下げられ 正規の簿記の原則により記帳し かつ e5tax 等により確定申

相続税計算 例 不動産等の評価財産の課税評価額が 4 億 8 千万円 生命保険金の受取額が 2 千万円 現金 預金等が 4 千万円 ローン等の債務及び葬式費用等が 3 千万円である場合の相続税を計算します 相続人は妻と 2 人の子供の 3 人です ( 評価額を計算するには専門知識を要します 必ず概算

102 第 4 章 農業 農地の承継時の特例 資価格は 国税庁 HPの路線価ページから確認できます なお 平成 30 年度税制改正において 対象となる農地の範囲等が改正されました 詳細は 後記 6を参照してください 3 適用要件 (1) 被相続人この特例の対象となる被相続人は 次のいずれかに該当する

< F31322D89FC90B390C C18F578D8692C7985E5B315D2E6A74>

2.配偶者控除の特例の適用を受ける場合(暦年課税)編

経 ViewPoint 営相談 相続時における小規模宅地等の特例の改正 谷口敬三相談部東京相談室 小規模宅地等についての相続税の課税価格の計算の特例 ( 以下 小規模宅地等の特例 ) は 一定の要件を満たす宅地等 ( 特定事業用等宅地等 特定居住用宅地等 貸付事業用宅地等 ) につ

相続税の節税対策としての生前贈与 相続税 贈与税はともに相手に渡る財産の金額に対して累進的な税率により税金がかかりま す そこで 相続税の税率よりも低い税率で贈与をすれば 相続税の節税になります 下の 図で相続税と贈与税税率を確認して下さい 贈与税は 相続税に比べ 基礎控除額が低く さらに税率が高く

住宅取得等資金の贈与に係る贈与税の非課税制度の改正

PowerPoint プレゼンテーション

時価で譲渡したものとみなされ所得税が課税され かつ その所得税は相続税の課税価格の計算上被相続人の債務として控除されていることにより 所得税と相続税の負担の調整は済んでいますので この特例の適用は受けられません 2 取得費に加算される金額平成 26 年度の改正前は 相続財産である土地等の一部を譲渡し

日税研メールマガジン vol.143 ( 平成 31 年 2 月 15 日発行 ) 公益財団法人日本税務研究センター Article 平成 31 年度税制改正大綱の解説 ( 2) 税理士金井恵美子 * 本稿では 前号 ( vol.142) に引き続き 平成 31 年度税制改正の大綱 に示された改正事

国外転出時課税制度(出国税)の導入

03_税理士ラスパ_相続税法_答案用紙-1.indd

13. 平成 29 年 4 月に中古住宅とその敷地を取得した場合 当該敷地の取得に係る不動産取得税の税額から 1/2 に相当する額が減額される 14. 家屋の改築により家屋の取得とみなされた場合 当該改築により増加した価格を課税標準として不動産 取得税が課税される 15. 不動産取得税は 相続 贈与

間の初日以後 3 年を経過する日の属する課税期間までの各課税期間 6 高額特定資産を取得した場合の納税義務の免除の特例事業者 ( 免税事業者を除く ) が簡易課税制度の適用を受けない課税期間中に国内における高額特定資産の課税仕入れ又は高額特定資産に該当する課税貨物の保税地域からの引取り ( 以下 高

Microsoft Word - 【jigyou_syoukei_02】事業承継対策・経営承継円滑化法_ _.doc

2 b. 廃業 3) 事業承継計画 1 現状の把握 a. 事業承継に係る関係者の状況 中小家の親族関係 その他の関係者 氏名 年齢続柄 備考 氏名年齢 備考 中小太郎 60 歳 本人 T 社の創始者 ( 代表取締役社長 ) A 63 歳 T 社の専務取締役 ( 太郎の右腕 最近病気がち ) 中小花子

Microsoft PowerPoint 寄附金控除制度概要.ppt

(1) 政策目的 多様な就業の機会を提供すること等により我が国の経済の基盤を形成している中小企業の事業承継を円滑化することにより 中小企業の事業活動の継続を実現し 雇用の確保や地域経済の活力維持につなげることを目的とする (2) 施策の必要性 全国の経営者の平均年齢は年々上昇しており 例えば資本金

用語の意義 この FAQ において使用している用語の意義は 次のとおりです 用語 意義 所得税法 ( 所法 ) 所得税法 ( 昭和 40 年法律第 33 号 ) をいいます 所得税法施行令 ( 所令 ) 所得税法施行令 ( 昭和 40 年政令第 96 号 ) をいいます 改正所令 所得税法施行令の一

Q&A 〇税制度 Q1 生産緑地地区の指定を受けると 固定資産税は農地評価と聞いていますが 都市計画税はどうでしょうか A1 固定資産税 都市計画税が農地評価 農地課税となります Q2 主たる従事者の死亡や故障等により 生産緑地地区の指定から 30 年経過せずに指定が解除された場合 固定資産税を遡っ

ただし 森林の土地の所有権の取得と併せて 当該森林について法第 10 条の2の規定に基づく開発行為の許可を受けて他の用途へ転用する場合など 地域森林計画の対象とする森林から除外されることが確実であるときは 届出書の提出を要さないものとして運用して差し支えない (2) 土地の所有者となった日届出書の提

個人事業者向けの事業承継税制が創設

( 参考 ) 相続税の申告の際に提出していただく主な書類 1 相続税の申告書に記載されたマイナンバー ( 個人番号 ) について 税務署で本人確認 (1 番号確認及び 2 身元確認 ) を行うため 次の本人確認書類の写しを添付していただく必要があります なお 各相続人等のうち税務署の窓口で相続税の申

第一法基通改正7

改正された事項 ( 平成 23 年 12 月 2 日公布 施行 ) 増税 減税 1. 復興増税 企業関係 法人税額の 10% を 3 年間上乗せ 法人税の臨時増税 復興特別法人税の創設 1 復興特別法人税の内容 a. 納税義務者は? 法人 ( 収益事業を行うなどの人格のない社団等及び法人課税信託の引

平成 30 年 7 月豪雨により被害を受けられた方の税務上の措置 ( 手続 )FAQ 平成 30 年 7 月広島国税局 平成 30 年 7 月豪雨により被害を受けられた方の税制上の措置 ( 手続 ) 等につきまして 照会の 多い事例を取りまとめましたので 参考としてください 目次 Ⅰ 災害にあった場

金庫株を活用した事業承継対策 1. 概要 非上場株式を相続して相続税が発生する場合は 相続で取得した自社株を相続税の申告期限後 3 年以内に金 庫株すればみなし配当課税しない (= 譲渡所得とする ) 特例があります ( 措置法 9 条の 7) 所得税の特例の内容 ( 自己株式をみなし配当課税しない

土地建物等の譲渡損失は 同じ年の他の土地建物等の譲渡益から差し引くことができます 差し引き後に残った譲渡益については 下記の < 計算式 2> の計算を行います なお 譲渡益から引ききれずに残ってしまった譲渡損失は 原則として 土地建物等の譲渡所得以外のその年の所得から差し引くこと ( 損益通算 )

2.配偶者控除の特例の適用を受ける場合(暦年課税)編

テキスト編 第 1 章相続税 贈与税とはなにか 目次 1 相続税が課税される理由 1 2 どれくらいの遺産がある場合 相続税は課税されるか 2 3 贈与税が課税される理由 3 4 相続税と贈与税の関係 4 第 2 章相続人と相続分 1 相続人と相続順位 5 2 相続の承認と放棄 14 3 相続人の相

( 相続時精算課税適用者の死亡後に特定贈与者が死亡した場合 ) (6) 相続時精算課税適用者 ( 相続税法第 21 条の9 第 5 項に規定する 相続時精算課税適用者 をいう 以下 (6) において同じ ) の死亡後に当該相続時精算課税適用者に係る特定贈与者 ( 同条第 5 項に規定する 特定贈与者

Microsoft Word - エンジェル税制様式集

所令要綱

暦年課税の贈与を毎年する人のデータ 暦年課税の贈与は 現金を贈与するのか不動産を贈与するのかで違ってきます 土地は路線価方式または倍率方式で評価し建物は固定資産税評価額で評価しますので 現金での贈与の場合よりも税率は低くなります ただし不動産の贈与では 土地や建物の贈与または共有持分の贈与になります

Q1 法人事業税の負担変動の軽減措置とは どのような制度ですか? A. 平成 27 年度税制改正により導入された 外形標準課税の拡大 ( 所得割の税率引き下げ及び付加価値割 資本割の税率引き上げ ) によって生じる税負担の変動の影響を緩和する措置で 付加価値額が一定以下の法人を対象に税負担の増加につ

贈与税の納税猶予に関する適格者証明書

3.相続時精算課税の適用を受ける場合編

(2) 要件面 親族外承継 (1) 概論 (2) 遺留分の問題 Ⅲ 平成 26 年度創設の医療法人の事業承継税制 医療法人制度のこれまでの経緯と医療法人特有の問題 (1) 医療法人制度及び医療法人に係る事業承継税制の

総論 地方拠点強化税制とは? 税制等の支援措置を受けるためには? 3ページ 4ページ 拡充型事業とは? 5 ページ 移転型事業とは? 6 ページ 目次 各論 ステップ 1 ( 整備計画 ) 本社機能とは? どのような支援措置があるの? 支援のメリットについて整備計画の認定はいつまでに受ければいいの?

6 贈与認定申請基準事業年度の貸借対照表 損益計算書など会社法第 435 条第 2 項又は第 67 条第 2 項に規定する書類 貸借対照表 損益計算表 株主 ( 社員 ) 資本等変動計算書 個別注記表 事業報告書 附属明細書 ( 勘定科目内訳書 ) 7 当該贈与の時から当該贈与に係る贈与認定申請基準

4.住宅取得等資金の非課税の適用を受ける場合編

事業承継税制の拡充・資産税逃れ対策等

Transcription:

- 経営承継円滑化法 - 申請マニュアル 相続税 贈与税の納税猶予制度の特例 平成 30 年 4 施 相続税 贈与税に関する情報等につきましては 国税庁 HP の 相続税 贈与税特集 にも掲載しておりますので あわせてご利 ください

事業承継税制の概要 事業承継税制は である受贈者 相続人等が 円滑化法の認定を受けている非上場会社の株式等を贈与又は相続等により取得した場合において その非上場株式等に係る贈与税 相続税について 一定の要件のもと その納税を猶予し の死亡等により 納税が猶予されている贈与税 相続税の納付が免除される制度です 贈与税 相続税の納税が猶予 贈与税 相続税の申告期限 贈与税 相続税の免除 の死亡等 等 中小企業者である会社 都道府県知事の認定など 申告書 担 保 平成 30 年度税制改正では この事業承継税制について これまでの措置 ( 以下 一般措置 といいます ) に加え 10 年間の措置として 納税猶予の対象となる非上場株式等の制限 ( 総株式数の最大 3 分の2まで ) の撤廃や 納税猶予割合の引上げ (80% から100%) 等がされた特例措置 ( 以下 特例措置 といいます ) が創設されました ( 参考 ) 特例措置と一般措置の比較 事前の計画策定 特例措置 5 年以内の特例承継計画の提出平成 30 年 (2018 年 )4 月 1 日から平成 35 年 (2023 年 )3 月 31 日まで 一般措置 不要 適用期限 10 年以内の贈与 相続等平成 30 年 (2018 年 )1 月 1 日から平成 39 年 (2027 年 )12 月 31 日まで なし 対象株数全株式総株式数の最大 3 分の 2 まで 納税猶予割合 100% 贈与 :100% 相続 :80% 承継パターン複数の株主から最大 3 人の複数の株主から 1 人の 雇用確保要件 経営環境変化に対応した免除相続時精算課税の適用 弾力化 あり 60 歳以上の者から 20 歳以上の者への贈与 承継後 5 年間平均 8 割の雇用維持が必要 なし 60 歳以上の者から 20 歳以上の推定相続人 孫への贈与 1

事業承継税制 ( 特例措置 ) の概要 贈与税の納税猶予制度について が贈与により取得した株式等 ( ただし 議決権を 使することができない株式を除きます ) に係る贈与税の 100% が猶予されます 本制度の適 を受けるためには 経営承継円滑化法に基づく都道府県知事の 認定 を受け 報告期間中 ( 原則として贈与税の申告期限から 5 年間 ) は代表者として経営を う等の要件を満たす必要があり その後は が対象株式等を継続保有すること等が求められます また が死亡した等の 定の場合には 猶予された贈与税が免除されます 特例承継計画の作成 贈与 知事の認定 申告期限 の贈与税額のうち議決権株式等に対応する贈与税の 100% を猶予 贈与税の納税猶予円滑化法認定の有効期間 5 年間の事業継続 ( 代表者であること 株式の継続保有等 ) 5 年経過後 ( 株式の継続保有等 ) 免除事由の発 確定事由の発 猶予税額が免除される場合 の死亡 ( 相続税の課税対象となる ) の死亡 会社の倒産 次のへ贈与 同族関係者以外の者に株式等を全部譲渡した場合 ( 譲渡対価等を上回る税額を免除 ) 等 猶予税額を納税する場合〇が代表権を有しないこととなった場合〇同族で過半数の議決権を有しないこととなった場合〇同族内で よりも多くの議決権を有する者がいる場合 株式等を譲渡した場合 ( ) 会社が解散した場合 ( ) 資産保有型会社等に該当した場合等 〇円滑化法の認定有効期間内であっても免除されます 円滑化法の認定有効期間後に限り免除されます 〇円滑化法の認定有効期間内のみ適 されます 円滑化法の認定有効期間後も適 されます ( ) 経営環境の変化に該当する場合には 猶予税額の再計算をすることができます 贈与税の納税猶予中に贈与者が死亡した場合 贈与者が死亡した場合には 猶予されていた贈与税は免除された上で 贈与を受けた株式等を贈与者から相続 は遺贈により取得したものとみなして相続税が課税されます ( 贈与時の価額で計算 ) その際 都道府県知事の確認 ( 以下 切替確認 といいます ) を受けることで 相続税の納税猶予を受けることができます 贈与 贈与税の免除 先代の死亡 相続税の課税 知事の認定 贈与税の納税猶予 知事の確認相続税の納税猶予代表権を有していること 同族で過半数の議決権を有していること等 2

事業承継税制 ( 特例措置 ) の概要 相続税の納税猶予制度について が相続 は遺贈により取得した株式等 ( ただし 議決権を 使することができない株式を除きます ) に係る相続税の 100% が猶予されます 本制度の適 を受けるためには 経営承継円滑化法に基づく都道府県知事の 認定 を受け 報告期間中 ( 原則として相続税の申告期限から 5 年間 ) は代表者として経営を う等の要件を満たす必要があり その後は が対象株式等を継続保有すること等が求められます また が死亡した等の 定の場合には 猶予された相続税が免除されます 特例承継計画の作成 相続 知事の認定 申告期限 の相続税額のうち議決権株式等に対応する相続税の 100% を猶予 相続税の納税猶予円滑化法認定の有効期間 5 年間の事業継続 ( 代表者であること 株式の継続保有等 ) 5 年経過後 ( 株式の継続保有等 ) 免除事由の発 確定事由の発 猶予税額の免除の場合 の死亡 会社の倒産 次のへ贈与 同族関係者以外の者に株式等を全部譲渡した場合 ( 譲渡対価等を上回る税額を免除 ) 等 〇円滑化法の認定有効期間内であっても免除されます 円滑化法の認定有効期間後に限り免除されます 猶予税額の納税の場合〇が代表権を有しないこととなった場合〇同族で過半数の議決権を有しないこととなった場合〇同族内で よりも多くの議決権を有する者がいる場合 株式等を譲渡した場合 ( ) 会社が解散した場合 ( ) 資産保有型会社等に該当した場合等 〇円滑化法の認定有効期間内のみ適 されます 円滑化法の認定有効期間後も適 されます ( ) 経営環境の変化に該当する場合には 猶予税額の再計算をすることができます 以上のとおり 円滑な事業承継を うために 贈与税及び相続税の納税猶予制度を組み合わせて活 することで 株式等の承継に伴う税負担を軽減することができます 3

道府県庁税務署回 ) 都都道府県庁税務署提出先 事業承継税制 ( 特例措置 ) の概要 納税猶予を受けるためには 都道府県知事の認定 税務署への申告 の 続が必要となります 提出先は 主たる事務所の所在地を管轄する都道府県庁 です 平成 30 年 1 1 以降の贈与について適 することができます 特例承継計画の策定 確認申請 贈与 認定申請 税務署へ申告 申告期限後 5 年間 5 年経過後実績報告 6 年目以降 会社が作成し 認定経営 新等 援機関 ( 商 会 商 会議所 融機関 税理 等 ) が所 を記載 平成 35 年 3 31 まで提出可能です 平成 35 年 3 31 までに贈与を う場合 贈与後 認定申請時までに特例承継計画を作成 提出することも可能です 贈与年の 10 15 ~ 翌年 1 15 までに申請 特例承継計画を添付 認定書の写しとともに 贈与税の申告書等を提出 相続時精算課税制度の適 を受ける場合には その旨を明記 都道府県庁へ 年次報告書 を提出 ( 年 1 回 ) 税務署へ 継続届出書 を提出 ( 年 1 回 ) 雇 が 5 年平均 8 割を下回った場合には 満たせなかった理由を記載し 認定経営 新等 援機関が確認 その理由が 経営状況の悪化である場合等には認定経営 新等 援機関から指導 助 を受ける 税務署へ 継続届出書 を提出 (3 年に 1 4

道府県庁税務署回 ) 都都道府県庁税務署提出先 事業承継税制 ( 特例措置 ) の概要 納税猶予を受けるためには 都道府県知事の認定 税務署への申告 の 続が必要となります 提出先は 主たる事務所の所在地を管轄する都道府県庁 です 平成 30 年 1 1 以降の相続について適 することができます 特例承継計画の策定 確認申請 相続 は遺贈 認定申請 税務署へ申告 申告期限後 5 年間 5 年経過後実績報告 6 年目以降 会社が作成し 認定経営 新等 援機関 ( 商 会 商 会議所 融機関 税理 等 ) が所 を記載 平成 35 年 3 31 まで提出可能です 平成 35 年 3 31 までに相続が発 した場合 相続後 認定申請時までに特例承継計画を作成 提出することも可能です 相続の開始の の翌 から 8 か 以内に申請 ( 相続の開始の の翌 から 5 か を経過する 以後の期間に限ります ) 特例承継計画を添付 認定書の写しとともに 相続税の申告書等を提出 都道府県庁へ 年次報告書 を提出 ( 年 1 回 ) 税務署へ 継続届出書 を提出 ( 年 1 回 ) 雇 が 5 年平均 8 割を下回った場合には 満たせなかった理由を記載し 認定経営 新等 援機関が確認 その理由が 経営状況の悪化である場合等には認定経営 新等 援機関から指導 助 を受ける 税務署へ 継続届出書 を提出 (3 年に 1 5

認定の種類について ( 例 ) STEP1 事業承継税制 ( 特例措置 ) の概要 最初にからの移転が われている必要があります 第 種 認定 同族関係者 配偶者 第三者 第一種特例経営承継受贈者 ( 男 ) ( 次男 ) 第一種特例経営承継受贈者 先代から株式を贈与 / 相続 ( ) 株式を贈与されていない 男も次男も 第 種特例経営承継受贈者となります STEP2 からの贈与 / 相続以後 定の期間内に われた以外の株主からの贈与 / 相続も対象となります 第 種 認定 同族関係者 配偶者 第三者 第二種特例経営承継受贈者 ( 男 ) ( 次男 ) ( ) 第二種特例経営承継受贈者 男は 第 種特例経営承継受贈者であり かつ 第 種特例経営承継受贈者となります は 第 種特例経営承継受贈者となります 6

特例承継計画について 特例承継計画 事業承継税制 ( 特例 ) の適 を受けるためには 平成 30 年 4 1 から平成 35 年 3 31 までに特例承継計画を都道府県庁に提出し 確認を受ける必要があります 特例承継計画には の 名や事業承継の予定時期 承継時までの経営 通しや承継後 5 年間の事業計画等を記載し その内容について認定経営 新等 援機関による指導及び助 を受ける必要があります ( ) 認定経営 新等 援機関とは 中 企業が安 して経営相談等が受けられるために専 知識や実務経験が 定レベル以上の者に対し 国が認定する公的な 援機関です 具体的には 商 会や商 会議所などの中 企業 援者のほか 融機関 税理 公認会計 弁護 等が主な認定経営 新等 援機関として認定されています (H30 年 3 時点で 28,040 機関 うち 融機関 490 機関 税理 税理 法 21,296 者 ) 特例承継計画の確認を受けた後に 計画の内容に変更があった場合は 変更申請書を都道府県に提出し確認を受けることができます 変更申請書には 変更事項を反映した計画を記載し 再度認定経営 新等 援機関による指導及び助 を受けることが必要です 実績報告 特例の認定を受けた場合は 雇 が8 割を下回った場合でも認定取消 納税とはなりませんが その理由について都道府県に報告を わなければなりません その報告に際し 認定経営 新等 援機関が 雇 が減少した理由について所 を記載するとともに 中 企業者が申告した雇 減少の理由が 経営悪化あるいは正当ではない理由によるものの場合は 経営の改善のための指導及び助 を う必要があります 様式第 21 施行規則第 17 条第 2 項の規定による確認申請書 ( 特例承継計画 ) 4 特例代表者が有する株式等を特例が取得するまでの期間における経営の計画について株式を承継する時期 ( 予定 ) 年月 ~ 年月 当該時期までの経営上の課題 都道府県知事殿 郵便番号会社所在地会社名電話番号代表者の氏名 年月日 印 当該課題への対応 5 特例が株式等を承継した後 5 年間の経営計画実施時期具体的な実施内容 1 年目 中小企業における経営の承継の円滑化に関する法律施行規則第 17 条第 1 項第 1 号の確認を受けたいので 下記のとおり申請します 記 2 年目 1 会社について主たる事業内容資本金額又は出資の総額常時使用する従業員の数 円 人 3 年目 2 特例代表者について特例代表者の氏名 代表権の有無 有 無 ( 退任日年月日 ) 4 年目 3 特例について特例の氏名 (1) 特例の氏名 (2) 特例の氏名 (3) 5 年目 7