(2) みなし相続財産ものか13 第1 章12 2 課税される 相続財産 の範囲 海外にある財産も課税対象となる 贈与税の暦年課税適用財産も 3 年以内は課税対象となる 葬式費用 墓地や墓碑 仏壇 仏具等は非課税 相続税の課税対象となる相続財産は (1) 被相続人が亡くなったときに所有していた財産

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相続税の節税対策としての生前贈与 相続税 贈与税はともに相手に渡る財産の金額に対して累進的な税率により税金がかかりま す そこで 相続税の税率よりも低い税率で贈与をすれば 相続税の節税になります 下の 図で相続税と贈与税税率を確認して下さい 贈与税は 相続税に比べ 基礎控除額が低く さらに税率が高く

ラリーマン 相続税の申告は? 45 相続税の申告はどのようにすればよいのでしょうか 相続が開始したことを知った日 ( 通常は被相続人が死亡した日 ) の翌日から 10 か月以内に 被相続人の住所 地の所轄税務署に申告し 相続税を納付する必要があります 申告書を提出する人が 2 名以上いる場合は 共同

2011年税制改正のポイント

(2) 父母 ( 祖父母 ) から子 ( 孫 ) への住宅取得等資金の贈不 父母 ( 祖父母 ) など直系尊属から その子 ( 孫 ) へ居住用の家屋の新築 取得または増改築のための金銭 ( 住宅取得等資金 ) を贈不した場合 表の通りの金額について贈不税が非課税となります また 贈不税の基礎控除

税法入門コース 相続税 学習スケジュール 回数学習テーマ内容 第 1 回 第 2 回 第 3 回 第 4 回 第 4 回 第 1 章 第 2 章 第 2 章 第 3 章 第 4 章 第 4 章 第 5 章 テーマ 1 相続税 贈与税とは? テーマ 2 用語の説明 テーマ 1 相続人となれる人は? テ

暦年課税の贈与を毎年する人のデータ 暦年課税の贈与は 現金を贈与するのか不動産を贈与するのかで違ってきます 土地は路線価方式または倍率方式で評価し建物は固定資産税評価額で評価しますので 現金での贈与の場合よりも税率は低くなります ただし不動産の贈与では 土地や建物の贈与または共有持分の贈与になります

相続税 贈与税の基本がよくわかる! 誰が相続人になるの? 税額はどのようにして求めるの? 土地 建物の評価はどうするの? 住宅取得資金の贈与は最大 3,000 万円が非課税に? 教育資金や結婚 子育て資金の贈与は非課税に? 新しくできる配偶者居住権ってどんなもの? etc.

2015 年 1 月いよいよ施行! 相続税増税の影響と対策 Part 1 相続税はどう変わる? 影響は? Part 2 相続税の負担を軽減するには?

(1) 相続税の納税猶予制度の概要 項目 納税猶予対象資産 ( 特定事業用資産 ) 納税猶予額 被相続人の要件 内容 被相続人の事業 ( 不動産貸付事業等を除く ) の用に供されていた次の資産 1 土地 ( 面積 400 m2までの部分に限る ) 2 建物 ( 床面積 800 m2までの部分に限る

おき 太郎様 Inheritance Report 相続診断書 税理士法人おき会計 平成 28 年 7 月 20 日作成

Microsoft Word - 第53号 相続税、贈与税に関する税制改正大綱の内容

(3) 年金所得者公的年金等の収入金額が400 万円以下であり かつ その公的年金等の全部が源泉徴収の対象となる場合において公的年金等に係る雑所得以外の所得金額が20 万円以下である場合には 確定申告の必要はありません また 上記 (2) 又は (3) に該当する方であっても 医療費控除や住宅借入金

Microsoft Word - 第67号 来年からの贈与税改正と相続時精算課税を選択する際の注意点

テキスト編 第 1 章相続税 贈与税とはなにか 目次 1 相続税が課税される理由 1 2 どれくらいの遺産がある場合 相続税は課税されるか 2 3 贈与税が課税される理由 3 4 相続税と贈与税の関係 4 第 2 章相続人と相続分 1 相続人と相続順位 5 2 相続の承認と放棄 14 3 相続人の相

一戸建ての自宅を所有している人のデータ 東京都内やその近郊など路線価の高い宅地に一戸建ての自宅を所有し その他に預貯金や有価証券を保有している人の相続税シミュレーションになります 路線価が高いと自宅の敷地の面積が広くなくても その宅地の評価額は高額になりますので この宅地に対して小規模宅地等の特例が

問題 1 1 問題 1 1 納税義務者 相続税の納税義務者及び課税財産の範囲 課税価格 1 納税義務者 ⑴ 次に掲げる者は 相続税を納める義務がある 1 居住無制限納税義務者 ( 法 1 の 3 1 一 ) 相続又は遺贈により財産を取得した個人でその財産を取得した時において法施行地に住所を有するもの

目 次 最近における相続税の課税割合 負担割合及び税収の推移 1 地価公示価格指数と基礎控除(58 年 =100) の推移 2 最近における相続税の税率構造の推移 3 小規模宅地等の課税の特例の推移 4 相続税負担の推移( 東京都区部のケース ) 5 ( 補足資料 ) 相続税の概要 6 相続税の仕組

[2] 税率構造の見直し 相続税の税率構造が現行の6 段階から8 段階に変更されるとともに 最高税率が 50% から 55% に引き上げられることとなりました ただし 各法定相続人の取得金額が2 億円以下の場合の税率は と変わりありません この改正は 平成 27 年 1 月 1 日以後に相続または遺

野村資本市場研究所|顕著に現れた相続税制改正の影響-課税対象者は8割増、課税割合は過去最高の8%へ-(PDF)

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配偶者がいる人の一次相続と二次相続のデータ 被相続人に配偶者がいる一次相続と 配偶者がいない二次相続の相続税シミュレーションを行います 配偶者の税額軽減は その節税効果が大きいために一次相続で相続税を大幅に減額することができますが 次の二次相続では想定外の相続税が発生することがあります 配偶者がいる

コピー又は web からダウンロードしてご使用ください 答案用紙 Chapter1 問題 1 個人とみなされる納税義務者 Ⅰ 相続人及び受遺者の相続税の課税価格の計算 1 遺贈財産価額の計算 ( 単位 : 千円 ) 取得者財産の種類計算過程金額 2 生前贈与加算される贈与財産の額の計算 ( 単位 :

2. 改正の趣旨 背景 (1) 問題となっていたケース < 親族図 > 前提条件 1. 父 母 ( 死亡 ) 父の財産 :50 億円 ( すべて現金 ) 財産は 父 子 孫の順に相続する ( 各相続時の法定相続人は 1 名 ) 2. 子 子の妻 ( 死亡 ) 父及び子の相続における相次相続控除は考慮

住宅取得等資金贈与の非課税特例 教育資金一括贈与の非課税特例 結婚 子育て資金贈与の非課税特例 相続時精算課税制度 贈与者 贈与年の 1 月 1 日現在で 60 歳以上の父母または祖父母 受贈者 贈与者の直系卑属 ( 子 孫 ひ孫等 ) で贈与の年の 1 月 1 日現在 20 歳以上 受贈年の合計所

Microsoft Word 常発041号 改正相続税法等の周知について(・

配偶者の税額軽減特例の有利な受け方 配偶者がいる場合の 相続税の具体的な計算例は以下の通りです 1. 設例 自宅 預貯金等の相続財産の遺産額 =2 億円 法定相続人 = 配偶者 + 子 2 人の合計 3 人 実際の遺産分割は 法定相続分の通りとする 未成年者控除 外国税額控除 生命保険金の非課税枠金

である 12 遺留分とは 遺言の内容にかかわらず一定の相続人が確実に受け取ることができる一定の 割合のことである 直系尊属のみが相続人である場合は 被相続人の財産の 1/3 その 他の場合には 被相続人の財産の 1/2 である ただし 兄弟姉妹には遺留分はない 13 相続の放棄は 被相続人の生前に行

1.一般の贈与の場合(暦年課税)編

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自宅の他に賃貸マンションと駐車場を所有している人のデータ 自宅の他に賃貸マンションと駐車場を所有している人の 法定相続人の数と相続財産および債務のデータから相続税を試算します 賃貸マンションについては全室が賃貸用かどうか 駐車場については舗装がしてあるかどうかで評価額が違ってくることがあります また

2 税額控除等の計算 ( 単位 : 円 ) 項目対象者計算過程金額 答案用紙 Chapter2 問題 3 課税価格の計算 Ⅰ 相続人及び受遺者の相続税の課税価格の計算 1 分割財産価額の計算 ( 単位 : 千円 ) 2 みなし取得財産価額の計算 ( 単位 : 千円 ) 取得者財産の種類計算過程金額

(2) 課税状況の累年比較 申告状況 課税価格相続税額税額控除被相続人の数相続人の数金額人千円千円千円人 平成 24 年 平成 25 年 平成 26 年 平成 27 年 8, ,371,256 50,659,924 15,868

平成 25 年度税制改正解説相続税 ~ 基礎控除の引き下げ 税率構造の見直し等 法定相続人の数と基礎控除法定相続人の数と基礎控除 法定相続人の数 1 人 2 人 3 人 4 人 5 人 60,000 千円 70,000 千円 80,000 千円 90,000 千円 100,000 千円 36,000

2. 制度の概要 この制度は 非上場株式等の相続税 贈与税の納税猶予制度 とは異なり 自社株式に相当する出資持分の承継の取り扱いではなく 医療法人の出資者等が出資持分を放棄した場合に係る税負担を最終的に免除することにより 持分なし医療法人 に移行を促進する制度です 具体的には 持分なし医療法人 への

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1.修正申告書を作成する場合の共通の手順編

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3.相続時精算課税の適用を受ける場合編

5 適用手続 ⑴ 相続時精算課税の適用を受けようとする受贈者は 贈与を受けた財産に係る贈与税の申告期間内に 相続時精算課税選択届出書 ( 贈与者ごとに作成が必要 ) を贈与税の申告書に添付して 納税地の所轄税務署長に提出する ( 相法 21の92) なお 提出された当該届出書は撤回することができない

土地の譲渡に対する課税 農地に限らず 土地を売却し 譲渡益が発生すると その譲渡益に対して所得税又は法人税などが課税される 個人 ( 所得税 ) 税額 = 譲渡所得金額 15%( ) 譲渡所得金額 = 譲渡収入金額 - ( 取得費 + 譲渡費用 ) 取得後 5 年以内に土地を売却した場合の税率は30

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特別障害者一人につき 75 万円を所得から控除することができます 障害者控除は 扶養控除の適用がない16 歳未満の扶養親族を有する場合においても適用されます ⑶ 心身障害者扶養共済掛金の控除 P128 条例の規定により地方公共団体が実施するいわゆる心身障害者扶養共済制度による契約で一定の要件を備えて

相続税計算 例 不動産等の評価財産の課税評価額が 4 億 8 千万円 生命保険金の受取額が 2 千万円 現金 預金等が 4 千万円 ローン等の債務及び葬式費用等が 3 千万円である場合の相続税を計算します 相続人は妻と 2 人の子供の 3 人です ( 評価額を計算するには専門知識を要します 必ず概算

4.住宅取得等資金の非課税の適用を受ける場合編

東京太郎様 Inheritance Report 相続診断書 弁護士法人 税理士法人リーガル東京 平成 30 年 8 月 20 日作成

Ⅰ ワンルームマンション経営と節税 税務署 確定申告 税金還付 20 万 ~30 万円 ワンルーム家賃収入ローン元利返済サラリーマンマンション A 氏 1 戸所有月 70,000 円月 60,000 円 銀行 年 30,000 円 月 8,000 円 固定資産税 管理会社 1 ワンルームマンション投

法人会の税制改正に関する提言の主な実現事項 ( 速報版 ) 本年 1 月 29 日に 平成 25 年度税制改正大綱 が閣議決定されました 平成 25 年度税制改正では 成長と富の創出 の実現に向けた税制上の措置が講じられるともに 社会保障と税の一体改革 を着実に実施するため 所得税 資産税についても

4.住宅取得等資金の非課税の適用を受ける場合編

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3.相続時精算課税の適用を受ける場合編

このうち 申告納税額がある方 ( 納税人員 ) は640 万 8 千人で は41 兆 4,298 億円 申告納税額は3 兆 2,037 億円となっており 平成 28 年分と比較すると 人数 (+0.6%) (+ 3.4%) 及び申告納税額 (+4.6%) はいずれも増加しました 所得者区分別の状況イ

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( 相続時精算課税適用者の死亡後に特定贈与者が死亡した場合 ) (6) 相続時精算課税適用者 ( 相続税法第 21 条の9 第 5 項に規定する 相続時精算課税適用者 をいう 以下 (6) において同じ ) の死亡後に当該相続時精算課税適用者に係る特定贈与者 ( 同条第 5 項に規定する 特定贈与者

税金読本(13-2)直系尊属からの贈与の贈与税非課税制度

2011年度税制改正大綱(相続・贈与税)

事例 父 ( ) が 年 5 月 9 日に亡くなり ( 亡くなられた人のことを 被相続人 といいます ) 母 ( 国税花子 ) 私 ( 国税一郎 ) 妹 ( 税務幸子 ) の 人で父の財産を相続しました 父が残した財産は 自宅のある土地と家屋 上場株式 現金 預金 生命保険金です 父が亡くなった年分

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13. 平成 29 年 4 月に中古住宅とその敷地を取得した場合 当該敷地の取得に係る不動産取得税の税額から 1/2 に相当する額が減額される 14. 家屋の改築により家屋の取得とみなされた場合 当該改築により増加した価格を課税標準として不動産 取得税が課税される 15. 不動産取得税は 相続 贈与

相続診断士試験

叔父から財産の贈与(1~3) を受けた場合 1/1 12/31 2/1 3/15 相選養続択与子贈時届贈精出縁与算書与 1組課提2 税出3 暦年課税相続時精算課税 養子縁組前の贈与 1については 暦年課税により贈与税額を計算し 養子縁組以後の贈与 2 及び 3は 相続時精算課税により贈与税額を計算し

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税制改正を踏まえた生前贈与方法の検討<訂正版>

3.相続時精算課税の適用を受ける場合編

土地建物等の譲渡損失は 同じ年の他の土地建物等の譲渡益から差し引くことができます 差し引き後に残った譲渡益については 下記の < 計算式 2> の計算を行います なお 譲渡益から引ききれずに残ってしまった譲渡損失は 原則として 土地建物等の譲渡所得以外のその年の所得から差し引くこと ( 損益通算 )

第 5 章 N

<TAC> 無断複写 複製を禁じます ( 税 18) 相上 (8)C10-1 相続税法 上級 演習 8 テキスト 2 第 8 回 - 解答 点 - 第一問 問 1 持分の定めのない法人に対し財産の贈与又は遺贈があった場合において 税負担の不当減少を防 止

相続税

住宅取得等資金の贈与に係る贈与税の非課税制度の改正

[2] 株式の場合 (1) 発行会社以外に譲渡した場合株式の譲渡による譲渡所得は 上記の 不動産の場合 と同様に 譲渡収入から取得費および譲渡費用を控除した金額とされます (2) 発行会社に譲渡した場合株式を発行会社に譲渡した場合は 一定の場合を除いて 売却価格を 資本金等の払戻し と 留保利益の分

原稿4.xls

所令要綱

20年度「応用課程・ビデオ問題」

1 夫が亡くなったとき 40 歳以上 65 歳未満で 生計を同じくしている子がいない妻 2 遺族厚生年金と遺族基礎年金を受けていた子のある妻 (40 歳に達した当時 子がいるため遺族基礎年金を受けていた妻に限る ) が 子が 18 歳到達年度の末日に達したため 遺族基礎年金を受給できなくなったとき

税調第18回総会 資料2-2

事業承継税制の概要 事業承継税制は である受贈者 相続人等が 円滑化法の認定を受けている非上場会社の株式等を贈与又は相続等により取得した場合において その非上場株式等に係る贈与税 相続税について 一定の要件のもと その納税を猶予し の死亡等により 納税が猶予されている贈与税 相続税の納付が免除される

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未成年者控除 障害者控除の見直し 未成年者控除 障害者控除 6 万円 20 歳に達するまでの年数 6 万円 ( 特別障害者 :12 万円 ) 85 歳に達するまでの年数 10 万円 20 歳に達するまでの年数 10 万円 ( 特別障害者 :20 万円 ) 85 歳に達するまでの年数 小規模宅地等につ

教育資金の一括贈与に係る非課税特例の創設

基本資料1-平成25年税制改正ポイント(表紙).pdf

相続人の居住用または事業用の宅地については2 割または5 割評価にするという小規模宅地等の評価減の特例があるが 平成 22 年度税制改正により 原則として申告期限まで居住または事業を継続していなければ適用が認められなくなっている 今回 基礎控除額が引き下げられることと合わせ 都市部の独居老人が亡くな

例えば毎年 子供 2 人に対し110 万円づつ贈与し続けるのであれば 10 年間で2,200 万円の財産を無税で子供に移すことができます 贈与税の基礎控除額を上手く活用する方法だけでも 計画的に行うことがどれだけ大切なのかご理解いただけると思います とにかく財産を所有している人が高齢になればなるほど

1. 相続税 (1) 基礎控除額の引き下げ 1) 改正の趣旨現在 ( ) の相続税の仕組みは 下図の通りです すなわち 合計課税価格から 基礎控除額を除いた課税遺産総額が相続税の計算の対象となるため 合計課税価格が基礎控除額の範囲内である場合には 相続税が課税されません その結果として 現状の相続税

スライド 1

目 次 ページ テーマ 1 データで見る相続税申告 1~4 テーマ 2 相続税申告までのスケジュール 5 テーマ 3 相続税計算の仕組み 6~7 テーマ 4 相続税申告における実務上の問題点 8~12


3種類の贈与税非課税制度を使いこなす

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金庫株を活用した事業承継対策 1. 概要 非上場株式を相続して相続税が発生する場合は 相続で取得した自社株を相続税の申告期限後 3 年以内に金 庫株すればみなし配当課税しない (= 譲渡所得とする ) 特例があります ( 措置法 9 条の 7) 所得税の特例の内容 ( 自己株式をみなし配当課税しない

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相続税に関するチェックリスト

平成23年度税制改正の主要項目

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相続税の総額の計算法定相続分であん分課税遺産総額実際の相続割合であん分超過累進税率の適用税価格の合計額の総額税額 基礎控除額遺産に係る相続税の基礎知識 (1) 相続税の計算過程 相続人が配偶者と子 2 人の場合課法定相続分 法定相続分 税額 算出税額 法定相続分 税額 相続税算出税額 税額控除相続人

相続財産評価H30改訂_責.indd

第 4 章 医業又は歯科医業を営む個人及びが使える節税 海外の学会又は病院視察等のための海外出張を実施する 業務の遂行上直接必要である海外出張のための旅費は経費算入 海外出張の直接の動機が業務上の理由である場合 海外出張の直接の動機が特定の取引先との商談 契約の締結等病医院の業務の遂行のためであり


未成年者が口座開設者となり 原則として その親権者等が未成年者を代理して運用管理等を行います ジュニアNISA 口座に受け入れることができる上場株式等の新規投資による受入限度額 ( 非課税枠 ) は年間 80 万円です その非課税期間は最長で5 年間となります 一般のNISAの場合は 新規投資による

Transcription:

(2) みなし相続財産ものか13 第1 章12 2 課税される 相続財産 の範囲 海外にある財産も課税対象となる 贈与税の暦年課税適用財産も 3 年以内は課税対象となる 葬式費用 墓地や墓碑 仏壇 仏具等は非課税 相続税の課税対象となる相続財産は (1) 被相続人が亡くなったときに所有していた財産 (2) みなし相続財産 (3) 被相続人から取得した相続時精算課税適用財産 (4) 被相続人から相続開始前 3 年以内に取得した暦年課税適用財産です 墓地や墓碑 仏壇や仏具等は非課税財産となり 相続税はかかりません また被相続人の債務は 相続財産の価額から差し引かれますし 被相続人の葬式に際して相続人が負担した費用も 相続財産の価額から差し引かれます (1) 被相続人が亡くなったときに所有していた財産本来の相続財産で 土地や建物 事業用資産 株式や公社債などの有価証券 預貯金 現金 電話加入権 貴金属 宝石 書画骨董 家庭用動産など 金銭に見積もることができるすべての財産が相続財産となります 当然のことながら 日本国内だけでなく海外にある財産も相続財産に含まれます 被相続人の死亡に伴い 被相続人が負担した保険料に対応する死亡保険金等や生命保険契約に関する権利 死亡退職金等などが 相続によって取得したものとみなされます 生命保険契約に関する権利とは 被相続人が保険料を負担し 被相続人以外の人が契約者となっている生命保険契約で 相続開始時において まだ保険金の支払事由が発生していないものをいいます なお 死亡保険金等および死亡退職金等のうち一部は非課税財産となります ( 表 3) 表 3 非課税限度額 (500 万円 法定相続人の数 ) その相続人の受け取った保険金の合計額相続人全員の受け取った保険金の合計額 (500 万円 法定相続人の数 ) その相続人が支給を受けた退職手当金等の合計額相続人全員が支給を受けた退職手当金等の合計額 (3) 相続時精算課税適用財産 被相続人から生前に贈与を受け その際に相続時精算課税制度の適用を受けていた場合 その財産が相続財産となります その場合の財産の価額は 相続開始のときの価額ではなく贈与のときの価額で評価します 医師にとって 相続 とはどういう

(1) 暦年贈与の準備55 第2 章54 4 今日からできる相続税対策 生前贈与は非課税の範囲を慎重に見極めて実施を 贈与税の基礎控除は年間 110 万円 相続税対策にはならない非課税制度も存在 相続財産から債務や葬式費用を差し引いた金額が遺産に係る基礎控除額を超えますと 相続税の申告と納税が必要となりますので 生前贈与の非課税制度 を利用した相続税対策を検討する必要があります ただし無計画な贈与は 老後資金が不足することにもなりかねませんし 後ほど説明する 教育資金の一括贈与 制度を利用すると 子どもや孫に教育資金を贈与してもらっているという認識が薄くなる可能性もあります また祖父母や父母など直系尊属が 子どもや孫の結婚や子育て資金をそのつど援助しても非課税とされています 結婚 子育て資金の一括贈与に係る贈与税の非課税 という その直系尊属が 20 歳以上 50 歳未満の子どもや孫の結婚や子育て費用に充てるため 金融機関に 1,000 万円 ( 結婚費用については 300 万円 ) まで信託等として拠出しても贈与税は課されません しかしこの制度を利用しても 贈与した人が死亡したときに残額がある場合は その残額を相続財産に入れなければなりませんので 相続税対策にはなりません 生前贈与の非課税制度を利用して相続税対策を行う場合は 次のような制度を慎重に検討して実行する必要があります 贈与税の基礎控除が 110 万円ありますので 年間 110 万円を毎年贈与する相続税対策があります ( 15 ページ参照 ) ただし長い年月の間には 本当に贈与したのかわからなくなる場合もあります 実務上は その年に贈与したことを明らかにしておくために 110 万円を少し超えた金額 たとえば 120 万円を贈与して贈与税の申告をして贈与税を支払う手法が利用されています 贈与が 120 万円の場合の贈与税は 1 万円 (120 万円 - 基礎控除 110 万円 = 10 万円 10 万円 税率 10% = 1 万円 ) です (2) 贈与税の配偶者控除 戸籍上の婚姻期間が 20 年以上ある配偶者に 居住用財産または居住用財産を買うための資金を贈与しますと 最高 2,000 万円まで贈与税の配偶者控除を受けることができます 贈与税の基礎控除を合わせますと 2,110 万円まで贈与税がかかりません また 相続開始前 3 年以内の贈与財産は相続財産に加算しますが 配偶者控除分については加算する必要もありません なお 事実上夫婦生活をしていても 婚姻期間の計算は 婚姻の届け出をした日から贈与の日までの期間で計算し 1 年未満の端数は切り捨てられるため 19 年 11 カ月でも適用はありませんので気をつける必要があります 贈与を受けた人は 贈与税の申告期限 具体的には贈与を受けた年 今日から始めるハッピーリタイア

2 課税遺産総額の計算の準備図 67 第2 章て 2,700 万円必要となります ただこの計算例では 配偶者の税額 軽減 ( 配偶者控除 ) を利用していますので 子どもの相続税支払い分 1,350 万円が必要な納税資金となります 1 配偶者の税額軽減 ( 配偶者控除 ) とは 配偶者が実際に取得し 2 た正味の遺産額が 1 億 6,000 万円までか 配偶者の法定相続分ま でであれば 相続税の申告書の提出を条件として 配偶者に相続税がかからない制度です 3 3 しかし納税資金を準備するにあたっては 配偶者の税額軽減措置な ど税制上の特例は参考程度にして試算する必要があります なお 納税資金を確保するために 生命保険金を利用するのも 1 つ 4 の方法です 3,000 万円 + 600 万円 法定相続人の数 = 基礎控除額 遺産総額から除外される部分 注 : 被相続人に養子がいる場合 法定相続人の数に含める養子の数は 控除 実子がいるときは 1 人 ( 実子がいないときは 2 人 ) までとなります 相続税の総額 の計算においても同じです 非課税財産 1 墓所 仏壇 祭具など 非課税財産 2 国や地方公共団体 特定の公益法人に寄附した財産 3 生命保険金のうち次の額まで 500 万円 法定相続人の数 4 死亡退職金のうち次の額まで 500 万円 法定相続人の数 暮らしの税情報 平成 27 年度版 18 財産を相続したとき ( 国税庁 ) パンフレットより 66 今日から始めるハッピーリタイア

承継人を解散して清算した後に残った残余財産の帰属先は 125 第4 章124 3 相続税対策としての持分なし医療法人への移行は本当に得なのか 持分が相続財産になるということは その医療法人に資産的価値があることを意味する 子の代には相続税の節税が図れるが 解散後の残余財産は個人のもとへは返還されなくなる 遠い将来を見据えた判断を 持分の定めのある医療法人に出資した持分は 相続財産となります しかし 持分の定めのある医療法人から 持分の定めのない医療法人に移行しますと 持分がないわけですから相続財産にはなりません そこで相続税対策の一環として 医療法人を引き継ぐ子どもなど後継者がいるとき 持分の定めのある医療法人から持分の定めのない医療法人に移行することで 相続税の節税を考える場合があります しかし その医療法人の持分が相続財産になるということは その医療法人に資産的価値があることを意味します 持分の定めのある医療法人を持分の定めのない医療法人にして 医師である後継者の子どもが理事長に就任して経営を引き継いだとします 子どもの代では相続税の節税を図れますが 孫やひ孫が その医療法人を継ぐとは限りません 医療法人が解散する事由として 目的たる業務の成功の不能や社員の欠亡の場合があります 持分の定めがない医療法人ですと 医療法 1 国 2 地方公共団体 3 日本赤十字社などの公的医療機関の開設者 4 一般社団法人または一般財団法人である都道府県医師会または都市区医師会 5 持分の定めのない財団医療法人または社団医療法人に限定され 個人のもとに返還されません 今まで築き上げてきた財産が相続人たる個人に戻らなくてよいのか またその医療法人を解散しないで売却するにしても 持分のない医療法人ですので足下を見られかねません 持分の定めのある医療法人から持分の定めのない医療法人に移行したほうがよいかどうかは 一時の相続税の節税だけでなく遠い将来を見据えた上で慎重に判断する必要があります 医療法人の相続