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相続税の節税対策としての生前贈与 相続税 贈与税はともに相手に渡る財産の金額に対して累進的な税率により税金がかかりま す そこで 相続税の税率よりも低い税率で贈与をすれば 相続税の節税になります 下の 図で相続税と贈与税税率を確認して下さい 贈与税は 相続税に比べ 基礎控除額が低く さらに税率が高く

(2) 父母 ( 祖父母 ) から子 ( 孫 ) への住宅取得等資金の贈不 父母 ( 祖父母 ) など直系尊属から その子 ( 孫 ) へ居住用の家屋の新築 取得または増改築のための金銭 ( 住宅取得等資金 ) を贈不した場合 表の通りの金額について贈不税が非課税となります また 贈不税の基礎控除

相続税・贈与税の基礎と近年の改正点

住宅取得等資金贈与の非課税特例 教育資金一括贈与の非課税特例 結婚 子育て資金贈与の非課税特例 相続時精算課税制度 贈与者 贈与年の 1 月 1 日現在で 60 歳以上の父母または祖父母 受贈者 贈与者の直系卑属 ( 子 孫 ひ孫等 ) で贈与の年の 1 月 1 日現在 20 歳以上 受贈年の合計所

2015 年 1 月いよいよ施行! 相続税増税の影響と対策 Part 1 相続税はどう変わる? 影響は? Part 2 相続税の負担を軽減するには?

[2] 税率構造の見直し 相続税の税率構造が現行の6 段階から8 段階に変更されるとともに 最高税率が 50% から 55% に引き上げられることとなりました ただし 各法定相続人の取得金額が2 億円以下の場合の税率は と変わりありません この改正は 平成 27 年 1 月 1 日以後に相続または遺

税制改正を踏まえた生前贈与方法の検討<訂正版>

Microsoft Word - 第53号 相続税、贈与税に関する税制改正大綱の内容

Microsoft Word - 第67号 来年からの贈与税改正と相続時精算課税を選択する際の注意点

2011年税制改正のポイント

平成 25 年度税制改正解説相続税 ~ 基礎控除の引き下げ 税率構造の見直し等 法定相続人の数と基礎控除法定相続人の数と基礎控除 法定相続人の数 1 人 2 人 3 人 4 人 5 人 60,000 千円 70,000 千円 80,000 千円 90,000 千円 100,000 千円 36,000

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Ⅰ ワンルームマンション経営と節税 税務署 確定申告 税金還付 20 万 ~30 万円 ワンルーム家賃収入ローン元利返済サラリーマンマンション A 氏 1 戸所有月 70,000 円月 60,000 円 銀行 年 30,000 円 月 8,000 円 固定資産税 管理会社 1 ワンルームマンション投

3種類の贈与税非課税制度を使いこなす

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5 適用手続 ⑴ 相続時精算課税の適用を受けようとする受贈者は 贈与を受けた財産に係る贈与税の申告期間内に 相続時精算課税選択届出書 ( 贈与者ごとに作成が必要 ) を贈与税の申告書に添付して 納税地の所轄税務署長に提出する ( 相法 21の92) なお 提出された当該届出書は撤回することができない

税金読本(13-2)直系尊属からの贈与の贈与税非課税制度

暦年課税の贈与を毎年する人のデータ 暦年課税の贈与は 現金を贈与するのか不動産を贈与するのかで違ってきます 土地は路線価方式または倍率方式で評価し建物は固定資産税評価額で評価しますので 現金での贈与の場合よりも税率は低くなります ただし不動産の贈与では 土地や建物の贈与または共有持分の贈与になります

(2) みなし相続財産ものか13 第1 章12 2 課税される 相続財産 の範囲 海外にある財産も課税対象となる 贈与税の暦年課税適用財産も 3 年以内は課税対象となる 葬式費用 墓地や墓碑 仏壇 仏具等は非課税 相続税の課税対象となる相続財産は (1) 被相続人が亡くなったときに所有していた財産

相続人の居住用または事業用の宅地については2 割または5 割評価にするという小規模宅地等の評価減の特例があるが 平成 22 年度税制改正により 原則として申告期限まで居住または事業を継続していなければ適用が認められなくなっている 今回 基礎控除額が引き下げられることと合わせ 都市部の独居老人が亡くな

スライド 1

このうち 申告納税額がある方 ( 納税人員 ) は640 万 8 千人で は41 兆 4,298 億円 申告納税額は3 兆 2,037 億円となっており 平成 28 年分と比較すると 人数 (+0.6%) (+ 3.4%) 及び申告納税額 (+4.6%) はいずれも増加しました 所得者区分別の状況イ

配偶者の税額軽減特例の有利な受け方 配偶者がいる場合の 相続税の具体的な計算例は以下の通りです 1. 設例 自宅 預貯金等の相続財産の遺産額 =2 億円 法定相続人 = 配偶者 + 子 2 人の合計 3 人 実際の遺産分割は 法定相続分の通りとする 未成年者控除 外国税額控除 生命保険金の非課税枠金

2011年度税制改正大綱(相続・贈与税)

目 次 最近における相続税の課税割合 負担割合及び税収の推移 1 地価公示価格指数と基礎控除(58 年 =100) の推移 2 最近における相続税の税率構造の推移 3 小規模宅地等の課税の特例の推移 4 相続税負担の推移( 東京都区部のケース ) 5 ( 補足資料 ) 相続税の概要 6 相続税の仕組

4.住宅取得等資金の非課税の適用を受ける場合編

13. 平成 29 年 4 月に中古住宅とその敷地を取得した場合 当該敷地の取得に係る不動産取得税の税額から 1/2 に相当する額が減額される 14. 家屋の改築により家屋の取得とみなされた場合 当該改築により増加した価格を課税標準として不動産 取得税が課税される 15. 不動産取得税は 相続 贈与

スライド 1

税法入門コース 相続税 学習スケジュール 回数学習テーマ内容 第 1 回 第 2 回 第 3 回 第 4 回 第 4 回 第 1 章 第 2 章 第 2 章 第 3 章 第 4 章 第 4 章 第 5 章 テーマ 1 相続税 贈与税とは? テーマ 2 用語の説明 テーマ 1 相続人となれる人は? テ

(3) 年金所得者公的年金等の収入金額が400 万円以下であり かつ その公的年金等の全部が源泉徴収の対象となる場合において公的年金等に係る雑所得以外の所得金額が20 万円以下である場合には 確定申告の必要はありません また 上記 (2) 又は (3) に該当する方であっても 医療費控除や住宅借入金

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未成年者控除 障害者控除の見直し 未成年者控除 障害者控除 6 万円 20 歳に達するまでの年数 6 万円 ( 特別障害者 :12 万円 ) 85 歳に達するまでの年数 10 万円 20 歳に達するまでの年数 10 万円 ( 特別障害者 :20 万円 ) 85 歳に達するまでの年数 小規模宅地等につ

(1) 相続税の納税猶予制度の概要 項目 納税猶予対象資産 ( 特定事業用資産 ) 納税猶予額 被相続人の要件 内容 被相続人の事業 ( 不動産貸付事業等を除く ) の用に供されていた次の資産 1 土地 ( 面積 400 m2までの部分に限る ) 2 建物 ( 床面積 800 m2までの部分に限る

相続税 贈与税の基本がよくわかる! 誰が相続人になるの? 税額はどのようにして求めるの? 土地 建物の評価はどうするの? 住宅取得資金の贈与は最大 3,000 万円が非課税に? 教育資金や結婚 子育て資金の贈与は非課税に? 新しくできる配偶者居住権ってどんなもの? etc.

教育資金の一括贈与に係る非課税特例の創設

教育資金の一括贈与に係る贈与税の非課税措置のポイント 1 平成 25 年 4 月 1 日から平成 31 年 3 月 31 日までの間に行われた 直系尊属 ( 祖父母 父母さまなど ) からの書面による贈与により取得したご資金を お孫さまなどの名義の口座にお預入れした場合に 実際に教育資金として支払わ

日興証券

問題 1 1 問題 1 1 納税義務者 相続税の納税義務者及び課税財産の範囲 課税価格 1 納税義務者 ⑴ 次に掲げる者は 相続税を納める義務がある 1 居住無制限納税義務者 ( 法 1 の 3 1 一 ) 相続又は遺贈により財産を取得した個人でその財産を取得した時において法施行地に住所を有するもの

税調第18回総会 資料2-2

基本資料1-平成25年税制改正ポイント(表紙).pdf

相続税計算 例 不動産等の評価財産の課税評価額が 4 億 8 千万円 生命保険金の受取額が 2 千万円 現金 預金等が 4 千万円 ローン等の債務及び葬式費用等が 3 千万円である場合の相続税を計算します 相続人は妻と 2 人の子供の 3 人です ( 評価額を計算するには専門知識を要します 必ず概算

4.住宅取得等資金の非課税の適用を受ける場合編

一戸建ての自宅を所有している人のデータ 東京都内やその近郊など路線価の高い宅地に一戸建ての自宅を所有し その他に預貯金や有価証券を保有している人の相続税シミュレーションになります 路線価が高いと自宅の敷地の面積が広くなくても その宅地の評価額は高額になりますので この宅地に対して小規模宅地等の特例が

スマート贈与へ わたす スマート贈与 円で一定額 を 翌年から 大切な方に 毎年 わたす 外貨の高金利 積極運用でふやしながら 価格変動を吸収 一般的な外貨運用商品のお受取りイメージ 用商品のお受取りイメ 相続財産を減らす効果もある スマー スマート だね 夢のプレゼント の ジ お受取りイメージ


平成29年 住宅リフォーム税制の手引き 本編_概要

テキスト編 第 1 章相続税 贈与税とはなにか 目次 1 相続税が課税される理由 1 2 どれくらいの遺産がある場合 相続税は課税されるか 2 3 贈与税が課税される理由 3 4 相続税と贈与税の関係 4 第 2 章相続人と相続分 1 相続人と相続順位 5 2 相続の承認と放棄 14 3 相続人の相

ラリーマン 相続税の申告は? 45 相続税の申告はどのようにすればよいのでしょうか 相続が開始したことを知った日 ( 通常は被相続人が死亡した日 ) の翌日から 10 か月以内に 被相続人の住所 地の所轄税務署に申告し 相続税を納付する必要があります 申告書を提出する人が 2 名以上いる場合は 共同

1.修正申告書を作成する場合の共通の手順編

おき 太郎様 Inheritance Report 相続診断書 税理士法人おき会計 平成 28 年 7 月 20 日作成

第25回税制調査会 総25-1

20年度「応用課程・ビデオ問題」

叔父から財産の贈与(1~3) を受けた場合 1/1 12/31 2/1 3/15 相選養続択与子贈時届贈精出縁与算書与 1組課提2 税出3 暦年課税相続時精算課税 養子縁組前の贈与 1については 暦年課税により贈与税額を計算し 養子縁組以後の贈与 2 及び 3は 相続時精算課税により贈与税額を計算し

<ライフプランニング>

住宅取得等資金の贈与に係る贈与税の非課税制度の改正

4. 平成 27 年度税制改正の概要 (1) 住宅の取得に関わる税制 登録免許税 不動産取得税 改正項目ヘ ーシ 改正内容 所有権保存登記 所有権移転登記 所有権の信託 抵当権設定の登記の軽減措置 税率の軽減措置 宅地評価土地の課税標準の軽減措置 軽減税率の適用期限を平成 27 年 3

配偶者がいる人の一次相続と二次相続のデータ 被相続人に配偶者がいる一次相続と 配偶者がいない二次相続の相続税シミュレーションを行います 配偶者の税額軽減は その節税効果が大きいために一次相続で相続税を大幅に減額することができますが 次の二次相続では想定外の相続税が発生することがあります 配偶者がいる

東京太郎様 Inheritance Report 相続診断書 弁護士法人 税理士法人リーガル東京 平成 30 年 8 月 20 日作成

A. 受贈者に一定の債務を負担させることを条件に 財産を贈与することを 負担付贈与 といいます 本ケースでは 夫は1 妻の住宅ローン債務を引き受ける代わりに 2 妻の自宅の所有権持分を取得する ( 持分の贈与を受ける 以下持分と記載 ) ことになります したがって 夫は1と2を合わせ 妻から負担付贈

1. 贈与税のながれ はじめに行う作業 1 データの 新規追加 2 税理士登録 3 受贈者登録 4 贈与者登録 贈与税申告書の作成 5 贈与税申告書 の作成 その他の帳票作成 印刷 6 税務代理権限証書 の作成 印刷 2

法人会の税制改正に関する提言の主な実現事項 ( 速報版 ) 本年 1 月 29 日に 平成 25 年度税制改正大綱 が閣議決定されました 平成 25 年度税制改正では 成長と富の創出 の実現に向けた税制上の措置が講じられるともに 社会保障と税の一体改革 を着実に実施するため 所得税 資産税についても

ご利用案内

3.相続時精算課税の適用を受ける場合編

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1.一般の贈与の場合(暦年課税)編

Q1 市県民税 ( 住民税 ) とはどんな税金ですか? A1 その年の1 月 1 日現在 市内に住所がある個人に対し 前年中の所得 ( 給与 年金 営業 不動産 譲渡などの所得 ) に応じて課税されます また その年の1 月 1 日現在市内に住所がなくても 市内に事務所 事業所又は家屋敷があれば課税

相続の基礎 ~ 「相続」を学ぼう!! ~ 生前贈与①有価証券

[2] 株式の場合 (1) 発行会社以外に譲渡した場合株式の譲渡による譲渡所得は 上記の 不動産の場合 と同様に 譲渡収入から取得費および譲渡費用を控除した金額とされます (2) 発行会社に譲渡した場合株式を発行会社に譲渡した場合は 一定の場合を除いて 売却価格を 資本金等の払戻し と 留保利益の分

例題 1 下記の事項につき ア ~ エのうち正しいものを 1 つ 選んでください 所得税および住民税の生命保険料控除 地震保険料控除についてア. 平成 23 年 12 月締結契約で 一般生命保険料の年間正味払込保険料が75,000 円の場合 この契約に係る所得税の生命保険料控除額は 38,750 円

野村資本市場研究所|顕著に現れた相続税制改正の影響-課税対象者は8割増、課税割合は過去最高の8%へ-(PDF)

2 税額控除等の計算 ( 単位 : 円 ) 項目対象者計算過程金額 答案用紙 Chapter2 問題 3 課税価格の計算 Ⅰ 相続人及び受遺者の相続税の課税価格の計算 1 分割財産価額の計算 ( 単位 : 千円 ) 2 みなし取得財産価額の計算 ( 単位 : 千円 ) 取得者財産の種類計算過程金額

海外財産の相続 : 事例研究 ~ 米国の財産の相続手続き ( 第 4 回 ) 三輪壮一氏三菱 UFJ 信託銀行株式会社リテール受託業務部海外相続相談グループ米国税理士 これまで 海外に財産を保有する場合の 海外相続リスク の存在 特にプロベイト手続き等の相続手続きの煩雑さについて 米国の例を基に説明

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事業承継税制の概要 事業承継税制は である受贈者 相続人等が 円滑化法の認定を受けている非上場会社の株式等を贈与又は相続等により取得した場合において その非上場株式等に係る贈与税 相続税について 一定の要件のもと その納税を猶予し の死亡等により 納税が猶予されている贈与税 相続税の納付が免除される

相続税の総額の計算法定相続分であん分課税遺産総額実際の相続割合であん分超過累進税率の適用税価格の合計額の総額税額 基礎控除額遺産に係る相続税の基礎知識 (1) 相続税の計算過程 相続人が配偶者と子 2 人の場合課法定相続分 法定相続分 税額 算出税額 法定相続分 税額 相続税算出税額 税額控除相続人

Microsoft Word - 平成15年税制改正(2).doc

3.相続時精算課税の適用を受ける場合編

公共債の税金について Q 公共債の利子に対する税金はどのようになっていますか? 平成 28 年 1 月 1 日以後に個人のお客様が支払いを受ける国債や地方債などの特定公社債 ( 注 1) の利子については 申告分離課税の対象となります なお 利子の支払いを受ける際に源泉徴収 ( 注 2) された税金

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公共債の税金について Q 公共債の利子に対する税金はどのようになっていますか? 平成 28 年 1 月 1 日以後に個人のお客様が支払いを受ける国債や地方債などの特定公社債 ( 注 1) の利子については 申告分離課税の対象となります なお 利子の支払いを受ける際に源泉徴収 ( 注 2) された税金

特別障害者一人につき 75 万円を所得から控除することができます 障害者控除は 扶養控除の適用がない16 歳未満の扶養親族を有する場合においても適用されます ⑶ 心身障害者扶養共済掛金の控除 P128 条例の規定により地方公共団体が実施するいわゆる心身障害者扶養共済制度による契約で一定の要件を備えて

内に 耐火建築物以外の建物についてはその購入の日以前 20 年以内に建築されたものであること 地震に対する安全上必要な構造方法に関する技術的基準又はこれに準ずるものに適合する一定の中古住宅 を 平成 17 年 4 月 1 日以降に取得した場合には 築年数に関係なく適用が受けられます (56ページ 一

自宅の他に賃貸マンションと駐車場を所有している人のデータ 自宅の他に賃貸マンションと駐車場を所有している人の 法定相続人の数と相続財産および債務のデータから相続税を試算します 賃貸マンションについては全室が賃貸用かどうか 駐車場については舗装がしてあるかどうかで評価額が違ってくることがあります また

金庫株を活用した事業承継対策 1. 概要 非上場株式を相続して相続税が発生する場合は 相続で取得した自社株を相続税の申告期限後 3 年以内に金 庫株すればみなし配当課税しない (= 譲渡所得とする ) 特例があります ( 措置法 9 条の 7) 所得税の特例の内容 ( 自己株式をみなし配当課税しない

相続診断士試験

コピー又は web からダウンロードしてご使用ください 答案用紙 Chapter1 問題 1 個人とみなされる納税義務者 Ⅰ 相続人及び受遺者の相続税の課税価格の計算 1 遺贈財産価額の計算 ( 単位 : 千円 ) 取得者財産の種類計算過程金額 2 生前贈与加算される贈与財産の額の計算 ( 単位 :

cf 遺贈 : 遺言によって財産が移転 遺贈者 贈与税の対象となる贈与 死亡時 遺言 一方的な意思表示 受遺者 相続税 財産を取得した受贈者 ( 個人 ) にかかる税金 贈与者 財産 受贈者 個人 個人 贈与税 法人 個人 所得税 ( 一時所得か給与所得 ) 個人 法人 法人税 2

記号 欄 税務署長 年 月 日提出 書きかた 住所地を所轄する税務署名を記入します 申告書の提出年月日を記入します 平成 年分 住所 氏名 及び フリガナ の中に 30 と記入します 住所 住所地の郵便番号及び電話番号を記入します 申告をする人の氏名及びフリガナを記入します フリガナの濁点 や半濁点

未成年者が口座開設者となり 原則として その親権者等が未成年者を代理して運用管理等を行います ジュニアNISA 口座に受け入れることができる上場株式等の新規投資による受入限度額 ( 非課税枠 ) は年間 80 万円です その非課税期間は最長で5 年間となります 一般のNISAの場合は 新規投資による

PowerPoint プレゼンテーション

土地の譲渡に対する課税 農地に限らず 土地を売却し 譲渡益が発生すると その譲渡益に対して所得税又は法人税などが課税される 個人 ( 所得税 ) 税額 = 譲渡所得金額 15%( ) 譲渡所得金額 = 譲渡収入金額 - ( 取得費 + 譲渡費用 ) 取得後 5 年以内に土地を売却した場合の税率は30

金融商品と資金運用

である 12 遺留分とは 遺言の内容にかかわらず一定の相続人が確実に受け取ることができる一定の 割合のことである 直系尊属のみが相続人である場合は 被相続人の財産の 1/3 その 他の場合には 被相続人の財産の 1/2 である ただし 兄弟姉妹には遺留分はない 13 相続の放棄は 被相続人の生前に行

相続診断士試験

原稿4.xls

4.更正の請求書を作成する場合の共通の手順編

注 1 認定住宅とは 認定長期優良住宅及び認定低炭素住宅をいう 注 2 平成 26 年 4 月から平成 29 年 12 月までの欄の金額は 認定住宅の対価の額又は費用の額に含まれる消費税等の税率が 8% 又は 10% である場合の金額であり それ以外の場合における借入限度額は 3,000 万円とする

N 譲渡所得は 売却した土地や借地権 建物などの所有期間によって 長期譲渡所得 と 短期譲渡所得 に分けられ それぞれに定められた税率を乗じて税額を計算します この長期と短期の区分は 土地や借地権 建物などの場合は 売却した資産が 譲渡した年の1 月 1 日における所有期間が5 年以下のとき 短期譲

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218 年 9 月版 本資料は情報提供を目的としたものであり 特定の商品を推奨または勧誘するものではありません 本資料に記載のデータは 信頼できる情報に基づき構成されていますが 内容の正確性 完全性については保証するものではありません また グラフの結果数値については 原則として出典元のデータをそのまま掲載していますので 四捨五入によりが1% にならないものがあります 本資料に記載の税務のお取扱いは218 年 7 月現在のものです 法令改正などにより税務のお取扱いが変更となった場合には 変更後の内容が適用されますのでご注意ください また 個別のお取扱いについては 税理士などの専門家または所轄の税務署にご確認のうえ ご自身の責任においてご判断ください 贈与について考える本 監修 : 鴨田真一郎 ( 公認会計士 税理士 ) 生前に財産をわたして大切な家族を応援したい 大切なご家族 子子孫 生活資金 住宅購入資金 結婚資金 教育資金 など [ お問合せ先 ] [ 資料作成 ] 218 年 9 月版 F51781 コンサルティング推進部 S18187(218.8.27)

生前贈与の活用を考えてみませんか? 生前贈与 と聞いて何を想いますか? 生前贈与のメリット ( 親 祖父母など ) いずれ引継ぐお金だから今のうちにわたして有効に使ってほしい 自分たちのお金で子や孫のよろこぶ顔が見たい 1 ご家族のよろこぶ顔が見られます 手続きが面倒? 2 子子孫 自分の意思で いつ 誰に いくら 贈与するか決められます を減らせたらいいな 税金はかかるのかなぁ 3 を減らして相続税の負担を軽減できる可能性があります ( 子 孫など ) 大切なご家族 資産に対する 想い を実現するために生前贈与という方法があります 1 ご家族の生活費や教育費などに活用できます ( 使いみち自由 ) 子子孫 生前贈与の活用を考えてみませんか? P.1 目次 生前贈与の留意点は? P.11 2 生活資金教育資金住宅購入資金結婚資金 贈与税の基礎控除 (11 万円 ) を毎年使えます なぜ生前贈与を活用される方がふえているのですか? P.3 生命保険で生前贈与ができることをご存じですか? P.13 贈与に関する税金はどのようなものですか? P.5 生前贈与には 税務上どのような効果がありますか? P.7 ご参考 ❶ ご参考 ❷ 生命保険金には相続税の非課税枠があります P.15 贈与税に関する特例措置があります P.17 贈与を する人 受ける人 どちらにもメリットがあります 生前贈与をより効果的に行うポイントは? P.9 1 2

なぜ生前贈与を活用される方がふえているのですか? 生前贈与の活用状況 ( 暦年課税の課税状況 ) 国税庁 平成 28 年統計年報 より作成 生前贈与がふえている背景 1 贈与を受けた人の数 1 相続税の基礎控除額が引き下げられました は増加傾向にあります 相続税の基礎控除額 215 年 1 月相続税の改正 法定相続人が 3 人の場合 ( 人 ) 5, 4, 3, 292,559 311,163 351,1 388,86 43,683 388,16 214 年 12 月以前の相続 215 年 1 月以後の相続 5, 万円 +(1, 万円 法定相続人の数 ) 3, 万円 +(6 万円 法定相続人の数 ) 8, 万円まで非課税 4,8 万円まで非課税 2, 増加傾向 相続税の課税対象となった方が増加しました 1, < 相続税の課税対象者 > 211 212 213 214 215 216 ( 年 ) 211 年約 3 万人 215 年 216 年約 4 万人に ( 人 ) 12, 1, 8, 8 割増! 13,43 15,88 6, 54,421 56,239 2 課税ベースの贈与額 ( 取得財産価額 ) 4, 2, 贈与額も拡大しています ( 億円 ) 16, 12,247 12, 1,2 1,38 15,514 14,95 13,954 2 213 214 215 216 ( 年 ) 国税庁 平成 28 年分の相続税の申告状況について および各年版より作成 高額な財産を相続する方の税負担が重くなりました 214 年 12 月 31 日以前 215 年 1 月 1 日以降 法定相続分に応じた各相続人の取得金額 税率 (%) 控除額 ( 万円 ) 税率 (%) 控除額 ( 万円 ) 8, 4, 増加傾向 1, 万円超 3, 万円超 1, 万円以下 3, 万円以下 5, 万円以下 1 15 2 ー 5 2 1 15 2 ー 5 2 211 212 213 214 215 216 ( 年 ) 211 年約 1 兆円 215 年 216 年約 1.4 兆円に 5, 万円超 1 億円超 2 億円超 3 億円超 6 億円超 1 億円以下 2 億円以下 3 億円以下 6 億円以下 3 4 5 7 1,7 4,7 3 4 45 5 55 税率アップ! 7 1,7 2,7 4,2 7,2 大切なご家族へ 元気なうちに資産をわたす方がふえています 相続税の課税が強化されたことで 生前贈与の活用が注目されるようになりました 3 4

贈与に関する税金はどのようなものですか? ❶ 暦年課税 生前贈与の一般的な課税方法として 暦年課税 があります 贈与税額 = (1 年間に贈与を受けた財産の価額の額 基礎控除 11 万円 ) 税率 控除額 贈与税の税額速算表 基礎控除後の課税価額 (A) 税率 (B) 控除額 (C) 税率 (B) 控除額 (C) 2 万円以下 1% 1% 3 万円以下 15% 1 万円 4 万円以下 2% 25 万円 15% 1 万円 6 万円以下 3% 65 万円 2% 3 万円 1, 万円以下 4% 125 万円 3% 9 万円 1,5 万円以下 45% 175 万円 4% 19 万円 3, 万円以下 5% 25 万円 45% 265 万円 4,5 万円以下 5% 415 万円 55% 4 万円 4,5 万円超 55% 64 万円 * 直系尊属とは 父母 祖父母などのことです <1 年間に贈与を受けた価額別の計算例 > ( ご参考 ) 贈与税額早見表 11 万円 2 万円 3 万円 5 万円 1, 万円 5, 万円 1, 万円 基礎控除後の課税価額 (A) (B) (C) 贈与税は 財産を取得した受贈者 ( ) に対してかかる税金です 1 年間 (1 月 1 日 ~12 月 31 日 ) に贈与された財産が基礎控除額である 11 万円以下であれば 贈与税はかかりません 贈与税がかかる場合には 財産を贈与された翌年の 2 月 1 日から 3 月 15 日までの間に 受贈者が贈与税の申告 納付をする必要があります 11 万円の贈与を受けた場合 3 万円の贈与を受けた場合 贈与額基礎控除 11 万円控除前 一般の贈与 一般の贈与 万円 9 万円 19 万円 53 万円 231 万円 2,289.5 万円 5,39.5 万円 2 歳以上の者が直系尊属から贈与を受けた場合 (11 万円 11 万円 ) が となるため 贈与税はかかりません (3 万円 11 万円 ) 1% =19 万円が贈与税額となります (A) (B) (C) 2 歳以上の者が直系尊属から贈与を受けた場合 万円 9 万円 19 万円 48.5 万円 177 万円 2,49.5 万円 4,799.5 万円 ❷ 相続時精算課税制度 贈与税には暦年課税以外に 相続時精算課税 という制度があります この制度では 贈与者 ( ) が亡くなった時の相続税の計算上 にこの制度を適用した贈与額 ( 贈与時の時価 ) を加算して相続税額を計算します この制度を利用すると 一度に大きな財産を移転することができます 原則 相続税の軽減効果はありませんが 将来値上がりしそうな財産を贈与すると 相続税の軽減につながる可能性があります 暦年課税と相続時精算課税暦年課税贈与者制限なし 受贈者 制度の適用 選択変更 控除額 贈与税の計算! 制限なし 特段の手続不要 相続時精算課税への変更可能 年間 11 万円 (1 年間の受贈財産の価額 11 万円 ) 税率 控除額 生前贈与の税務上の留意点 相続時精算課税 贈与の年の 1 月 1 日において 6 歳以上の親または祖父母 贈与の年の 1 月 1 日において 2 歳以上の子または孫 制度選択年の翌年 3 月 15 日までに選択届出が必要 ( 受贈者が届出書を最初の贈与税の申告書に添付 ) 一度選択すると暦年課税への変更不可 累計 2,5 万円 ( 受贈財産の価額 ( 累計 )2,5 万円 ) 税率 2% 暦年課税の基礎控除額は ( 受贈者 )1 人につき 年間 11 万円となります < イメージ > 11 万円 11 万円 年間贈与額 22 万円 定期贈与 ( 定期金に関する権利の贈与 ) に注意が必要です たとえば 1, 万円を 1 年間にわたって毎年 1 万円ずつ贈与する という約束のもとに行われる贈与です この場合 約束した年に 1 年間にわたり毎年 1 万円ずつ受け取る権利 に対して贈与税がかかります 相続開始前 3 年以内のは 相続税の課税対象になります 贈与税 あり が 相続または遺贈 ( 遺言によって遺言者の財産を贈与すること ) により財産を取得した場合 相続開始前 3 年以内の贈与は 相続税の課税対象になります また 基礎控除額 11 万円以下の贈与や死亡した年の贈与も同じです * 課税対象になったの価額に対応する贈与税の額は 対象となった人の相続税の計算上 控除されます 孫に贈与した場合の取扱い相続人ではない孫へのは 相続税の課税対象となりません ただし 孫が取得するがある場合 ( 例えば 生命保険において死亡保険金受取人になっている場合など ) 相続開始前 3 年以内のは 相続税の課税対象となります 扶養義務者 ( 父母や祖父母 ) から 生活費 または 教育費 の贈与を受けた場合の取扱い通常必要と認められるものについては贈与税の課税対象となりません 生活費 とは 通常の日常生活を営むのに必要な費用または治療費や養育費等をいい 教育費 とは通常必要と認められる学費 教材費 文具費等をいいます 5 6

生前贈与には 税務上どのような効果がありますか? 生前贈与でを減らせます 年間 11 万円の贈与税の基礎控除を活用してみませんか? 生前贈与を 1 年間実行した場合の効果 毎年 少しずつお子さまやお孫さまなどに財産を贈与していくことで 税負担を軽減できる場合があります 例えば が2 億円 ( 相続税評価額 基礎控除前 ) 法定相続人が子 2 人の場合 毎年 11 万円の範囲内で生前贈与 贈与税はゼロ ケース 1 ケース 2 基礎控除の範囲内で贈与 ケース 3 基礎控除を超えて贈与 が減り 相続税の負担が軽減 贈与しない 毎年 11 万円ずつ 1 年間 子 2 人にそれぞれ贈与 毎年 3 万円ずつ 1 年間 子 2 人にそれぞれ贈与 これだけでも大きな効果はありそうですが さらに年間 11 万円を超えて贈与することも考えられます 毎年 11 万円を超えて生前贈与 贈与税の支払い 大きくが減り 相続税の負担がさらに軽減 2 億円 贈与税 相続税 3,34 万円 3,34 万円 1 億 7,8 万円 贈与税相続税 2,2 万円 2,68 万円 ケース 1 との差額 66 万円 万円 2,68 万円 相続税が軽減 1 億 4, 万円 贈与税相続税 6, 万円 38 万円 1,56 万円 1,94 万円 ケース 1 との差額 1,4 万円 贈与税と相続税のがさらに軽減 相続開始前 3 年以内のは に加算されて相続税が計算されますが 上記の試算は考慮していません 生前贈与を 1 年間実行した後に相続が発生したものと仮定しており 相続の発生時期によっては上記の試算と異なる場合があります 1 年後に大きな差となります 具体的な効果を 8 ページで確認してみましょう 早めに生前贈与を始めることで 相続税額を軽減する効果が高まります 7 8

生前贈与をより効果的に行うポイントは? 1 ポイント 早めに始める 贈与税の基礎控除 (11 万円 ) を毎年活用でき 税負担の軽減効果も大きくなります 相続開始前 3 年以内の贈与は に加算されることも考慮しましょう 9ページ 3 相続とのバランス ポイント 相続税と贈与税の 負担率 を比較することが 贈与金額を決める目安となります 例えば が2 億円 法定相続人が配偶者と子 2 人 (2 歳以上 ) の場合 1 年間 2 年間 1 年 2 年 11 万円 1 年 =1,1 万円 11 万円 2 年 =2,2 万円 1 相続税の負担率 表 1 において 2 億円 と 配偶者がいる場合 子 2 人 の交差する部分を確認 相続税の負担率は 6.8% 2 贈与税の負担率 表 2 において (2 歳以上の者が受贈者の場合 ) 贈与税の負担率が 6.8% を下回り かつ最も近い部分を探す贈与税の負担率 6.3% を確認 3 生前贈与額の目安 その年の生前贈与額の目安は 1 人あたり 3 万円が上限になることを確認 2 ポイント より多くの人に贈与する 贈与税の基礎控除 (11 万円 ) は 受贈者 ( ) がそれぞれ活用できます そのため 年間 11 万円 人数分の財産が非課税の扱いとなります 3 ポイント 11 万円 11 万円 11 万円 長男 長女 孫 33 万円を非課税で贈与 相続とのバランスを考える 一度に多額の財産を贈与すると 贈与税の負担が重くなります 一方で 相続税の課税対象となるを圧縮する側面もあります 財産 贈与税の負担率 % 相続税の負担率 % 贈与税の基礎控除 (11 万円 ) を超えて贈与し 贈与税を納付したほうが 結果として全体の税負担が軽減されることがあります * 贈与額の検討にあたっては 現在および将来の生活費等を考慮する必要があります それぞれの 負担率を考慮しましょう 表 1 相続税の負担率 ( 基礎控除前 ) * 負担率は各相続人が法定相続分により相続し 配偶者がいる場合は 配偶者の税額軽減 の特例を適用したときの相続税額をで除した数値 ( 小数第 2 位を四捨五入 ) です 表 2 a 5, 万円 8, 万円 1 億円 1.5 億円 2 億円 3 億円 贈与税の負担率 贈与金額 ( 基礎控除前 ) 配偶者がいる場合 配偶者がいない場合 子 1 人 子 2 人 子 3 人 子 1 人 子 2 人 子 3 人.8% 2.9% 3.9%.2% 2.2% 3.2%.% 1.7% 2.6% 3.2% 8.5% 12.2% 1.6% 5.9% 7.7%.4% 4.1% 6.3% 6.1% 5.% 4.4% 19.1% 12.3% 9.6% 8.4% 6.8% 1 6.1% 24.3% 16.7% 12.3% 11.5% 9.5% 8.5% 3.6% 23.1% 18.2% 2 歳以上の者が直系尊属から一般の贈与贈与を受けた場合 b 贈与税額負担率 (b a) b 贈与税額負担率 (b a) 11 万円以下 2 万円 9 万円 4.5% 9 万円 4.5% 3 万円 3 19 万円 6.3% 19 万円 6.3% 4 万円 5 万円 6 万円 7 万円 8 万円 9 万円 1, 万円 33.5 万円 53 万円 82 万円 112 万円 151 万円 191 万円 231 万円 8.4% 1.6% 13.7% 16.% 18.9% 21.2% 23.1% 33.5 万円 48.5 万円 68 万円 88 万円 117 万円 147 万円 177 万円 8.4% 9.7% 11.3% 12.6% 14.6% 16.3% 17.7% * 負担率は小数第 2 位を四捨五入して表示しています * 贈与を重ねていくとの価額が減少し 相続税の負担率が下がることになります 2 相続税の負担率 6.8% 効果的な生前贈与を行うには 3 つのポイントをおさえて 事前にしっかりとした見通しを立てておきましょう 9 1

生前贈与の留意点は? 贈与チェックリスト 贈与の認識 あげます もらいます チェック ❶ 贈与について 子 ( 孫 ) が もらう ことを認識している 民法第 549 条によると 贈与は自己の財産を無償で相手に与える意思表示をし 相手が受諾することによって効力が生じるとしています 勝手に子 ( 孫 ) の口座に振り込んだだけでは贈与とはなりません 贈与成立 チェック ❷ 子 ( 孫 ) 名義の預金口座に振込み 預金口座の通帳や印鑑は 子 ( 孫 ) が管理する 長男長女孫 名義預金 口座名義は子 ( 孫 ) であっても 実際は親がその口座を開き預金をしていたり 通帳 印鑑 キャッシュカードなどを管理している場合 名義預金 として 親の財産と認定されることがあるので注意が必要です 自分の想いとは違う使われ方をするのでは? 親が通帳 印鑑などを管理 贈与契約書 贈与契約書 チェック ❸ 贈与のたびに 贈与契約書を作成する 贈与契約書 贈与を行うときには 贈与契約書を作成し 当事者が署名 押印しておけば 後日 贈与があったことを証明することができます 贈与契約書がない場合は 贈与の事実を証明する必要があり できないと贈与はなかったものとされ に加算されてしまう可能性があります 第 1 条 贈与者第一太郎 ( 以下 甲 という ) と受贈者第一一郎 ( 以下 乙 という ) は 本日 以下の通り贈与契約を締結した 甲は乙に対して 下記現金を贈与することを約し 乙はこれを受諾した 現金 金 3,, 円 第 2 条甲は 年 月 日までに当該金額を乙指定の銀行口座に振り込むものとする 上記契約の証として本書 2 通を作成し 甲 乙各 1 通を保有する 年 月 日贈与者甲 ( 住所 ) 東京都品川区大崎 丁目 番 号 また 他の相続人ともめる原因を作ってしまうかもしれません しかし 贈与のたびに贈与契約書を作成するのは煩雑ではないでしょうか ( 氏名 ) 第一太郎 受贈者乙 ( 住所 ) 東京都品川区大崎 丁目 番 号 ( 氏名 ) 第一一郎 受贈者の親権者 上記契約の締結について同意します チェック ❹ ( 贈与税を納める場合 ) 贈与税の申告を行い 申告書の控えを保管する 申告書 贈与税の申告 納付 1 年間のの額が基礎控除 11 万円を超える場合には 贈与税の申告と納付が必要です 未成年者の場合 親権者も署名 押印します 贈与税の申告は 贈与を受けた翌年の 2 月 1 日から 3 月 15 日までの間に 贈与を受けた人 が行います 贈与を する人 受ける人 両方の意思表示と 贈与の記録を残すことがポイントです 11 12

保険料生命保険で生前贈与ができることをご存じですか? 生命保険を活用すれば 面倒な手続きが不要です 一般的な暦年贈与の対応 1 贈与契約書の作成 贈与の記録を残すため 贈与のたびに 贈与契約書 を作成する必要があります 生命保険を活用 贈与契約書の作成は不要です 保険会社が発行するお支払通知を贈与の記録として使えます 生命保険を使った生前贈与のしくみ 贈与契約書 贈与契約書 作成不要 ( 贈与者 ) < 暦年贈与に対応した一般的な 生存給付金付保険 のイメージ > 生時金で払込み一 が毎年お受け取り 前贈与 ( 受贈者 ) 2 振込み手続き の口座から の口座に振込み手続きが必要です 毎年振込 振込みの手間が省けます の口座へ保険会社が振り込みます 振込不要 しくみ が保険料を一時金で払い込み が毎年受け取ることで 生前贈与できます 1つの契約で複数人に贈与できます や受取割合は自由に変更できます * 商品によって取扱いは異なります 31 人ずつの手続き 贈与のたびに 1 人ずつ手続きが必要です 贈与契約書贈与契約書贈与契約書 1つの契約で複数人に贈与できます 贈与税の基礎控除 (11 万円 ) を手間なく使えます 保険証券 一般的な暦年贈与で必要とされる 毎年の贈与契約書の作成 贈与者の口座から受贈者の口座への振込み が不要です ( 保険会社から郵送される支払通知が贈与の記録になります ) 贈与税の基礎控除 11 万円も手間なく使えます * 暦年贈与とは 暦年課税のしくみを用いた贈与のことです * 商品によって取扱いは異なります 生命保険を活用すれば 比較的かんたんに生前贈与できます! 13 14

ご参考 ❶ 生命保険金には相続税の非課税枠があります 生命保険金の非課税枠 相続税法第 12 条 非課税枠 = 5 万円 法定相続人の数 * 契約者 (= 保険料負担者 ) と被保険者が同一で 死亡保険金受取人が相続人である場合 他の死亡保険金などと合算のうえ適用されます 計算例 A さん ( 契約者 被保険者 ) 法定相続人が 2 人の場合 長男 長女 5 万円 2 名 =1, 万円が 相続税の非課税枠となります 受取人が 1 人しか指定されていない場合でも 法定相続人数分の非課税枠が適用されます 相続税額を軽減する効果があります 生命保険を活用した効果 カッコ内は法定相続人の数です 生前贈与と終身保険を組み合わせると 例えば 生前贈与贈与税の基礎控除毎年 11 万円 が2 億円 ( 相続税評価額 基礎控除前 ) 法定相続人が子 2 人の場合ケース1 ケース2 贈与しない保険も活用しない ダブルで使えます 基礎控除の範囲内で贈与 毎年 11 万円ずつ 1 年間 子 2 人にそれぞれ贈与 終身保険生命保険金の非課税枠 5 万円 法定相続人数 ケース 3 さらに終身保険を活用 死亡保険金 1, 万円を準備 配偶者あり ( 一次相続 ) 遺産総額 ( 基礎控除前 ) 5, 万円 8, 万円 1 億円 1.5 億円 2 億円 3 億円 生命保険未加入 4 235 385 92 1,67 3,46 子 1 人 2 1, 万円の非課税枠活用 16 31 78 1,52 3,26 軽減効果 4 75 75 14 15 2 生命保険未加入 1 175 315 748 1,35 2,86 子 2 人 3 子 3 人 4 1,5 万円の生命保険 2, 万円の軽減効果非課税枠活用未加入非課税枠活用 85 27 612 1,163 2,598 1 9 18 136 187 262 138 263 665 1,218 2,54 3 138 49 993 2,24 ( 万円 ) 軽減効果 18 125 175 225 3 2 億円 贈与税 相続税 3,34 万円 3,34 万円 1 億 7,8 万円 贈与税相続税 2,2 万円 万円 2,68 万円 2,68 万円 ケース 1 との差 66 万円 2,2 万円死亡保険金 1, 万円 1 億 6,8 万円 贈与税相続税 万円 2,38 万円 2,38 万円 ケース 1 との差 96 万円 配偶者なし ( 二次相続 ) 遺産総額 ( 基礎控除前 ) 5, 万円 8, 万円 1 億円 1.5 億円 2 億円 3 億円 生命保険未加入 16 68 1,22 2,86 4,86 9,18 子 1 人 1 子 2 人 2 子 3 人 3 5 万円の非課税枠活用 9 58 1,7 2,66 4,66 8,955 軽減効果 7 1 15 2 2 225 生命保険未加入 8 47 77 1,84 3,34 6,92 1, 万円の非課税枠活用 32 62 1,56 3,4 6,52 軽減効果 8 15 15 28 3 4 生命保険未加入 2 33 63 1,44 2,46 5,46 1,5 万円の非課税枠活用 17 45 1,155 2,14 5,1 ( 万円 ) 軽減効果 2 16 225 285 32 45 * 配偶者の税額軽減を法定相続分まで活用するものとします 他の税額控除は考慮していません * 子は成人とし 孫の養子縁組はないものとします * 法定相続分どおりに遺産を取得した場合の相続税額となります 各相続人は遺産取得割合に応じてこの金額を按分して納税します * 税額は概算数値です 相続税が軽減 相続開始前 3 年以内のは に加算されて相続税が計算されますが 上記の試算は考慮していません 生前贈与を 1 年間実行した後に相続が発生したものと仮定しており 相続の発生時期によっては上記の試算と異なる場合があります たとえば こんなタイプの終身保険が活用できます 一般的な終身保険 ( 一定期間経過後に死亡保険金額が大きくなるタイプ ) のイメージ 保険料時払 契約一* 上記ケース 3 の試算は このタイプの終身保険の死亡保険金額の増加を考慮しておりません 死亡保険金額さらに相続税が軽減 一生涯保障一時払保険料を上回る死亡保障を得られるタイプの終身保険 なるべく多くのこしてあげたいね 生命保険を活用した生前贈与と死亡保険金の準備で 相続税の軽減効果がさらに期待できます 15 16

ご参考 ❷ 贈与税に関する特例措置があります * 制度の詳細については 国税庁のホームページに掲載されています 贈与税の配偶者控除 夫婦間での自宅の贈与 または居住用不動産 の購入 建築の資金の贈与が行われた場合 最高 2, 万円まで控除できる特例です 配偶者控除額 2, 万円 ( 贈与税の基礎控除 11 万円と併用可能 ) 主な要件 住宅取得等資金贈与の非課税措置 215 年 1 月 1 日から 221 年 12 月 31 日までの 間に 父母 祖父母から住宅取得等資金の贈与を受けた場合 一定の要件を満たすときは 所定の非課税限度額までの金額について贈与税が非課税となります ( 贈与税の基礎控除 11 万円と併用可能 ) < 非課税の限度額一覧表 > 住宅用家屋の取得等に係る契約の締結期間 216 年 1 月 1 日 ~219 年 3 月 31 日 219 年 4 月 1 日 ~22 年 3 月 31 日 22 年 4 月 1 日 ~221 年 3 月 31 日 婚姻期間が2 年以上であること 自分が住むための国内の居住用不動産 またはその購入資金であること 贈与のあった翌年 3 月 15 日までに入居し その後も引続き居住する見込みであること 過去に同じ配偶者との間で この特例の適用を受けていないこと 省エネ 耐震 バリアフリー住宅 1,2 万円 1,2 万円 1, 万円 左記以外の一般住宅 7 万円 7 万円 5 万円 221 年 4 月 1 日 ~221 年 12 月 31 日 8 万円 3 万円 218 年 9 月 1 日現在 消費税 1% への増税は219 年 1 月まで延期されています 主な要件 右記以外消費税 1% が適用される場合 省エネ 耐震 バリアフリー住宅 3, 万円 1,5 万円 1,2 万円 左記以外の一般住宅 2,5 万円 1, 万円 7 万円 贈与を受けた時に受贈者が日本国内に住所を有していること 贈与を受けた時に受贈者が贈与者の直系卑属 ( 贈与者は受贈者の直系尊属 ) であること 贈与を受けた年の1 月 1 日において受贈者が2 歳以上であること 贈与を受けた年の年分の所得税に係る所得金額が2, 万円以下であること 贈与を受けた年の翌年 3 月 15 日までに 住宅取得等資金の全額を充てて住宅用の家屋の新築等をすること 贈与を受けた年の翌年 3 月 15 日までにその家屋に居住しているか または同日以後遅滞なく居住することが確実であると見込まれること 教育資金の一括贈与の非課税措置 直系尊属の父母 祖父母が 子 孫の教育資金を一括で贈与する場合 一定の金額までを非課税とする特例を受けることができます 適用を受けるためには 1 直系尊属からの贈与であること 2 子や孫は3 歳未満であること 3 は金融機関に信託 預入れ等をすること等の条件を満たす必要があります 非課税限度額 教育資金の範囲 その他 1,5 万円 * 学校等以外に支払う金銭については 5 万円が限度 ( 贈与税の基礎控除 11 万円と併用可能 ) 学校等への入学金や授業料 通学定期券代 留学渡航費 結婚 子育て資金の一括贈与の非課税措置 直系尊属の父母 祖父母が 子 孫の結婚 子育て資金を 一括で贈与する場合 一定の金額までを非課税とする特例を受けることができます 適用を受けるためには 1 直系尊属からの贈与であること 2 子や孫は2 歳以上 5 歳未満であること 3 は金融機関に信託 預入れ等をすること等の条件を満たす必要があります 非課税限度額 結婚 子育て資金の範囲 その他 教育資金 学校等以外の塾や習い事の月謝など ( 学校等以外に支払う金銭については 5 万円が限度 ) 教育資金の使途は 金融機関が領収書などをチェックし 書類を保管 子や孫が3 歳に達した日に金融機関との管理契約は終了 使い残しや教育資金以外の支払いに充てられた金銭があれば 贈与税が課税 管理期間中に贈与者が死亡した場合 資金残額があったとしても 贈与者の死亡による相続税の課税関係は生じない 213 年 4 月 1 日から219 年 3 月 31 日までの措置 1, 万円 * 結婚に際して支払う金銭については 3 万円が限度 ( 贈与税の基礎控除 11 万円と併用可能 ) 結婚資金 挙式費用や新居の住居費などの結婚費用 ( 結婚に際して支払う金銭については 3 万円が限度 ) 不妊治療費や出産費用 子の保育費などの子育て資金 結婚 子育て資金の使途は 金融機関が領収書などをチェックし 書類を保管 子や孫が5 歳に達した日に金融機関との管理契約は終了 使い残しや結婚 子育て資金以外の支払いに充てられた金銭があれば 贈与税が課税 管理期間中に贈与者が死亡した場合 資金残額は贈与者から相続等により取得したこととされる 215 年 4 月 1 日から219 年 3 月 31 日までの措置 17 18