平成 29 年度福岡県防災ハンドブック作成及び県民への普及啓発業務委託仕様書 1 委託業務の目的本事業は 平成 29 年熊本地震や平成 29 年 7 月九州北部豪雨を受けて県民の防災意識が高まっている機会を捉え 更なる防災意識の向上を図るため 県が防災ハンドブックのひな型を作成し 市町村に提供することにより 市町村における防災ハンドブックの整備 充実強化を促進するとともに 県ホームページ等の電子媒体の活用などにより 県民への普及啓発を図ることを目的とする 2 委託期間 自契約日 至平成 30 月 2 月 28 日 ( 水 ) 3 委託業務の内容 (1) 防災ハンドブックの作成及び業務 1 防災ハンドブックの構成アテーマごとの防災ハンドブック作成県が提示する次の各テーマに沿って作成すること なお 本仕様書では 各テーマに沿ったハンドブックを便宜上 編 としているが 受託者において自由にタイトルを考案してよい 基礎対策編 個別対策編 1 備蓄対策編 2 要配慮者対策編 3 避難生活編 1 冊 4 事業所防災編 5 都市型災害対策編 災害から学ぶ教訓編 1 冊イ市町村の防災ハンドブックのひな型としての目的この事業では 市町村における防災ハンドブックの整備を進めるため 防災に関する基本的な知識等のひな型を作成するものである 作成する防災ハンドブックの構成は 市町村に提供された後 市町村が保有するハザードマップや避難所情報などの資料と組み合わせることを想定したものとすること 具体的には 表紙や目次 避難所に関する情報など 市町村が自由に変更できる部分と 災害の基本的な知識に関するテキストやイラストなど市町村に変更させない部分を分け 市町村は自由に変更できる部分への資料の追加や地域の特性に応じて必要性の低い部分の削除 編や項目の順番の組み換えなどができる仕組みを想定している 1
2ハンドブックの規格等サイズページ数規格用紙色数製本方法その他印刷 2,000 部程度部数納期送付方法及び送付先 A5 版 基礎対策編:40 ページ程度 個別対策編 1 備蓄対策編 :20 ページ程度 2 要配慮者対策編 :20 ページ程度 3 避難生活編 :20 ページ程度 4 事業所対策編 :20 ページ程度 5 都市型災害対策編 :30 ページ程度 災害から学ぶ教訓編:30 ページ程度表紙及び裏表紙部分は再生コート紙 ( 紙厚 :93.5kg) 本文部分は再生マットコート紙 ( 紙厚 :48.5kg) 4 色カラー原則として中綴じとするが 針が通らない場合などは無線綴じとしてもよい 左綴じ 左開き 各ページには 視覚障がいのある人でも情報取得が可能となるよう SPコード ( 音声コード ) を記載すると共に製本加工を行う際には必要な切り込みを入れること 基礎対策編及び個別対策編:1,000 部程度 災害から学ぶ教訓編:1,000 部程度平成 30 年 2 月 28 日後日 別途県が作成する送付状 1 枚及びハンドブックを梱包し 別紙送付先に送付すること なお 送付数量については 後日県と協議のうえ決定する 3 防災ハンドブックに記載する項目 防災ハンドブックに最低限記載する項目は 次のとおりとする 基礎対策編 タイトル 目次 索引 災害への備え 項目 ハザードマップの確認方法 避難場所等の確認 緊急時の連絡方法 摘要 受託者において提案すること 項目とページ数が分かりやすいものとすること ハザードマップの取得方法や地震 津波 洪水 土 砂災害ごとのマップに掲載されている基本的な情 報について記載すること 指定避難所 指定避難場所等の確認方法を記載する こと 非常時における家庭や職場への連絡方法について 記載すること 2
3 備蓄物資必要となる備蓄の数量や品目など 基本的な知識などについて記載すること 非常持ち出し品非常持ち出し品について必要な品目などについて記載すること 自主防災組織自主防災組織の必要性 平常時及び災害時の活動 具体的な活動の実例などを記載すること また マンションの管理組合における安否確認の仕組みづくり等についても言及すること 気象情報の収集方法テレビ ラジオによる情報収集方法のほか 気象台ホームページで公表される防災気象情報の取得方法や防災メール まもるくんを紹介すること 防火対策通報方法 消火方法 火災からの逃げ方 消火器等の消火器具の操作方法などを記載すること 避難勧告等の情報避難準備 高齢者等避難開始 避難勧告 避難指示 ( 緊急 ) に関する知識やとるべき行動について記載すること 避難行動災害の発生地点から離れる水平避難や建物内の高層階に避難する垂直避難などについて知識 方法を記載すること 避難行動要支援者高齢者 障がい者 外国人等 災害の初動時に支援が必要な者に関する避難方法について記載すること 避難施設の種類指定緊急避難場所 指定避難所 広域避難所 福祉避難所 防災拠点など避難所の種類と役割について記載すること 安否確認の方法災害伝言ダイヤル 災害用伝言板 SNS を利用した安否確認の方法などについて記載すること 応急手当の方法傷病者への応急手当の方法について記載すること 災害の豆知識等日用品を使った防災グッズの作成方法など 読者に防災に関心をもってもらえるような豆知識について記載すること 発災直後 ~ 避難行動地震発生メカニズム 規模の基準 想定被害 緊急地震速報 住宅の耐震化 家具の転倒防止 地震保険 福岡県内の活断層の位置 福岡県での発生事例などについて記載すること
4 津波 高潮発生のメカニズム 津波警報 注意報 津波の大きさと想定被害などを記載すること 津波の危険が高まった際の行動として 避難方法や行うべきでない危険な行為について記載すること 台風 暴風発生のメカニズム 強さの基準 想定被害 福岡県での発生例などを記載すること 台風や暴風の危険が高まった際の行動として 避難方法や行うべきでない危険な行為について記載すること 大雨 集中豪雨発生のメカニズム 前兆現象 規模の基準 想定被害 避難行動 福岡県での発生例などについて 記載すること 土砂災害発生メカニズム 土砂災害の種類 福岡県での発生例などについて記載すること 土砂災害発生時の行動について 前兆の把握や避難行動を記載すること 竜巻発生のメカニズムや前兆の把握方法 避難行動などを記載すること 大雪 低温発生のメカニズムや福岡県での発生例などを記載すること 武力攻撃 感染症等武力攻撃発生時の避難行動や感染症への対応方法などについて記載すること 市町村独自の情報市町村における災害危険箇所 避難所の情報や緊急連絡先など市町村独自の情報を記載できるページを設けること 個別対策編 備蓄対策編項目摘要タイトル受託者において提案すること 目次 索引項目とページ数が分かりやすいものとすること 災害への備え備蓄の必要性自助や共助により備蓄が必要となる理由 公助による備蓄の内容などについて記載すること 備蓄の知識備蓄品の種類 購入方法やローリングストック法による備蓄などについて記載すること 備蓄モデル家庭での備蓄 ( 単身者 子ども世帯 高齢者世帯 ) マンションの管理組合での備蓄 自治会等の自主防災組織での備蓄 事業所での備蓄などについて
5 具体的なモデルを示して掲載すること また 実際に備蓄をしている事例についても紹介すること 非常時持ち出し品非常時持ち出し品について具体的な例を示して記載すること 要配慮者対策編項目摘要タイトル受託者において提案すること 目次 索引項目とページ数が分かりやすいものとすること 災害への備え要配慮者の基礎知識要配慮者の定義や県内の要配慮者数などについて記載すること 備蓄物資 ( 要配慮者 ) 備蓄の必要性 要配慮者に種類に応じて必要な備蓄などについて記載すること 自主防災組織要配慮者の把握方法 防災地図の作成 防災訓練 要配慮者への支援方法 安否確認方法 他の自主防災組織での活動事例などについて記載すること 地震 津波地震や津波災害における避難行動 自主防災組織等による要配慮者への避難誘導の方法などについて記載すること 風水害台風 水害 土砂災害等の風水害における避難行動 自主防災組織による要配慮者への避難誘導の方法などについて記載すること 発災直後 ~ 避難行動避難誘導の方法高齢者 傷病者 外国人 身体障がい者など要配慮者の種類に応じて必要な避難誘導の方法に関する配慮について記載すること 避難所対応避難所での要配慮者のための優先スペースの提供 要配慮者への情報提供に関する注意点などについて記載すること 避難生活編項目摘要タイトル受託者において提案すること 目次 索引項目とページ数が分かりやすいものとすること
6 災害への備え避難場所の確認市町村などが公表している避難場所について 情報の取得方法を記載すること 避難施設の種類緊急避難場所 避難所 福祉避難所など 避難所の種類や機能について記載すること 避難所運営災害発生から避難所開設までの流れや住民による自主的な避難所の運営方法などについて記載すること 避難生活車中泊車中泊が発生する原因や注意点 エコノミークラス症候群への予防策などについて記載すること ペット管理避難所におけるペットの管理方法について記載すること 要配慮者要配慮者の種類に応じ 避難所を運営するために必要な配慮 ルール作りなどについて記載すること 女性への配慮避難所における女性への配慮について記載すること 災害ボランティア災害ボランティアに参加する方法 被災者がボランティアを利用する方法 心構え 注意点などについて記載すること 在宅避難避難所への避難と在宅避難の違い 在宅避難を行う際の注意点などについて記載すること 事業所防災編項目摘要タイトル受託者において提案すること 目次 索引項目とページ数が分かりやすいものとすること 表紙事業所への配布を考慮した 興味を惹きつけるデザインとすること 災害への備え備蓄物資事業所において備蓄を行う必要性や備蓄物資の品目について記載すること また 事業所における備蓄のモデルも提示すること 業務継続計画業務継続計画を策定する必要性や企業が想定する災害 継続する業務の明確化 従業員等の安否確認の方法 取引先の被害状況の把握について記載すること また BCP を策定している企業の事例についても紹介すること
7 避難行動帰宅困難者対策帰宅困難者が発生する原因 徒歩帰宅者の受け入れ 徒歩帰宅者支援ステーションなどについて記載すること 都市型災害対策編項目摘要タイトル受託者において提案すること 目次 索引項目とページ数が分かりやすいものとすること 災害への備え備蓄物資 ( マンション ) マンションの入居者個人や管理組合が災害時に備えておくべき備蓄物資などについて記載すること また 備蓄モデルの提示や福岡県内のマンションの管理組合で実際に備蓄等を行っている事例や備蓄倉庫の活用方法などを紹介すること 管理組合の自主防災活動マンション管理組合による自主防災活動について 記載すること 地震災害の知識地震発生のメカニズム 規模の基準 福岡県での想定被害 活断層の位置 福岡県での事例などを記載すること 風水害の知識風水害発生のメカニズム 規模の基準 洪水予報の種類 前兆現象 想定被害 福岡県での発生事例などを記載すること 発災直後 ~ 避難行動地震発生時の行動マンション内 オフィス エレベーター内 地下街等の屋内で被災した場合の行動 また 市街地の路上やバス 電車等乗物内で被災した場合など 被災する場所に応じた行動について記載すること 風水害発生時の行動災害発生の前兆把握の方法や地下街等 屋内で被災した場合の行動について記載すること 帰宅困難者対策帰宅困難者対策の必要性や徒歩帰宅の方法などについて記載すること 避難生活在宅避難マンションにおける在宅避難の方法や高層難民の発生に係る注意点などについて記載すること 車中泊車中泊による避難生活について 注意点などを記載すること ペット管理避難所生活におけるペットの管理方法について記載すること
災害から学ぶ教訓編 項目全般事項タイトル目次 索引災害に関する記録災害関係者の体験談 摘要平成 28 年熊本地震及び平成 29 年 7 月九州北部豪雨などの近年の大規模災害の実例を素材に災害リスクが身近に潜むことを伝え 県民の防災意識を高めるため 体験談を中心とした教訓編を作成する 作成にあたっては 災害時の写真等を多用し 災害の臨場感が伝わりやすいよう工夫し 体験談からは災害の経験から学ぶべき部分が読者に分かりやすいものとすること 受託者において提案すること 項目とページ数が分かりやすいものとすること 気象情報や被害など 災害に関する記録を記載すること 災害に関する証言を記載すること 4 防災ハンドブックの作成係る留意事項 受託者が独自にデザイン レイアウト及び文章を考案すること また 受託者は 委託契約締結後 完成するまでの過程において 福岡県に緊密に状況を報告するとともに 随時作成状況を確認し 修正を行うこと 防災ハンドブックのデータは 福岡県に内容の了承を得た後 CD-ROM 1 枚にイラストレーターデータ及び PDF データを保存し 福岡県に納品すること 防災ハンドブックには マンガやイラスト 写真等を使用し 視覚的に県民の興味を惹き付けるような内容にすること なお 防災ハンドブックには 写真やイラスト等を1ページあたり5 点以上載せることを目安とする 防災ハンドブックの内容については 最終的に県が監修を行う 受託者が防災ハンドブック作成にあたり 福岡県が所有する災害に関する写真等の資料が必要な場合には あらかじめ県と協議を行ったうえで 県から写真等資料等の提供を受けることができる (2) 防災ハンドブックの普及啓発業務 1 特設ホームページの開設による普及啓発 現在県が設置している防災ホームページ(URL:www.bousai.pref.fukuoka.jp/index.php) に特設サイトを設け 防災ハンドブックの電子書籍を PDF で掲載し 閲覧及びダウンロードできるようにすること 現在県が設置している防災ホームページは ( 株 ) コアラが作成しており 特設サイトを開設するためには 受託者がホームページの改修等を ( 株 ) コアラに再委託する必要がある 8
開設する特設ページの内容は 受託者が企画し 最終的に県と打ち合わせのうえ決定する 2スマートフォン等ユーザーへの普及啓発 スマートフォン タブレット端末又はパソコンユーザー( スマートフォン等ユーザー ) が電子書籍出版社から防災ハンドブックを無償で入手できるようにすること また 可能であれば既存の防災アプリに防災ハンドブックを掲載すること 3その他の方法による普及啓発 上記の他に防災ハンドブックの普及及び県民への啓発のために効果的な方法があれば 県に提案することができる なお 提案された普及啓発方法の実施については 県と受託者で協議のうえ決定する 4 その他の留意事項 成果品の著作権( 著作権法 ( 昭和 45 年 5 月 6 日法律第 48 号 ) 第 27 条及び第 28 条に規定する権利を含む ) は 県に帰属し 著作権は委託費用に含むものとする また 著作者は 福岡県及び福岡県内市町村が本事業の目的において成果物を使用する場合に限り 当該団体に対して著作者人格権を行使しないものとする 本事業において 福岡県に納品された防災ハンドブックのデータは 県から県内各市町村に提供されるが 当該データは 県内各市町村が防災ハンドブックとして利用する用途の範囲内で二次利用されるものとする 成果品について著作権等に関わる問題が第三者との間で生じた場合は 全て受託者の責任とする 9