既存施設のアクセシビリティ改修について

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○新潟県高齢者、障害者等の移動等の円滑化の促進に関する法律施行細則

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1 目次 2 背景 目的 指針 設備 整備基準 対策 保守 大会終了後 進捗状況の把握およびフォローアップ / 7

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便所 縮尺 福祉型便房のある便所の構造 福祉型便房並びに腰掛便座及び手すりの 設けられた便房の構造並びに床置式の小便器の構造 手すり 縮尺 外形 両端部及びわん曲部の構造並びに傾斜路及び階段の両端部の構造 視覚障害者用 床材 縮尺 視覚障害者用床材及び周囲の床材の仕上げ材料 仕上げ方法 色及び形 状


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大阪府福祉のまちづくり条例ガイドライン平成 29 年 12 月 4-1 障がい者等の便所内の動作例 杖使用者 ( 片マヒ ) 脳血管障がいなどにより 身体の片側の機能がマヒしている場合 姿勢保持のために体を預けられる手すりが有効です 1 便器に近づき 手すりのそばに杖を置きます POINT 便器の前

ウ エ ( エ ) ホーム上に車両ドアの位置を表示する点状ブロックを設置してほしいとの要望があります ( オ ) ホーム上にあるエレベーターの案内サインが少なく, 位置が分かりにくいことが現地調査の 結果, 課題 問題点として挙げられます ( カ ) ホームに設置されている電光式の列車運行案内表示板

Tokyo 2020 アクセシビリティ・ガイドライン

2) 行政機能ゾーニングについて新庁舎の整備において 各部署の庁内配置については 来庁舎の利便性と職員の業務効率の向上等の観点から以下のように考えます 1 町民の利用頻度が高い部署の考え方 相談 窓口 情報提供 の機能を有する町民の利用頻度が高い部署は 町民の利便性と来庁のしやすさに配慮して 1 階

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非常時のための設備 乗降ロビー 制御装置 かご内に設ける制御装置 ( 車いす使用者が利用しやすい位置及びその他の位置に制御装置を設ける場合にあっては 当該その他の位置に設けるものに限る ) に 停電等の非常の場合に外部の対応の状況を表示する聴覚障害者に配慮した装置を設けること 乗降ロビーは 高低差が

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1 以上の出入口を適合させる ( 段を併設する場合は 90 以上 ) ( 傾斜路の高さ 16 以下の場合は 1/8 以下 ) ( ウ ) 踊場 ( 踏幅 150 以上 ) の設置 ( 高さ 75 以内ごとに設置 ) ( エ ) 傾斜路の手すりの設置 ( オ ) 壁のない傾斜路には 左右の縁端部には脱

4. エレベータホール ( 設置する場合 ) 5. エレベーター ( 設置する場合 ) 6. 共用廊下 共用階段 ること 共用玄関等からの見通しが確保されていない場合には 見通しを補完する対策が講じられていること 照明設備 1 共用メールコーナーの照明設備は 床面において50ルクス以上の平均水平面照

設計内容説明書 ( バリアフリー性 : 等級 3 対応 ) 専用部分 ( 第二面 ) 手すり 通路及び出入口の幅員 ( 日常生活空間 ) 寝室 便所及び浴室 ( 日常生活空間 ) 廊下階段 ( 開放されている側 ) 転落防止 手すり子 通路 出入口 ( バルコニー勝手口を除く ) 浴室 便所 特定寝

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1. 実現を目指すサービスのイメージ 高齢者や障害者 ベビーカー利用者など 誰もがストレス無く自由に活動できるユニバーサル社会の構築のため あらゆる人々が自由にかつ自立的に移動できる環境の整備が必要 ICT を活用した歩行者移動支援サービスでは 個人の身体状況やニーズに応じて移動を支援する様々な情報

東京都江戸東京博物館

用に供するものをいう ) の昇降路の出入口に接するは 水平とすること ( ウ ) 壁面には 突出物を設けないこと ただし やむを得ず突出物を設ける場合にあっては 視覚障害者の通行の安全上支障が生じないよう必要な措置を講ずること ( エ ) 特定施設を利用する者の休憩の用に供するための設備を適切な位置

東京 2020 オリンピック競技大会 公式チケット概要の公表について 1 公表までの経緯 平成 30 年 7 月 18 日 IOC 理事会において 東京 2020 オリンピック競技大会公式チケットの価格帯等を承認 平成 30 年 7 月 20 日組織委員会が概要を公表 2 公表内容 (1) チケット

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1 計画概要 多摩障害者スポーツセンター改修工事の概要について 3 建物概要 工事場所 : 東京都国立市富士見台二丁目 1 番 1 号 (JR 中央線国立駅バス 国立高校前 下車徒歩 4 分 JR 南武線谷保駅徒歩 10 分 ) 敷地面積 9, m2 ( 案内図 ) 駅 駅 竣工年 施設

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用語集

手すり かご内の左右両面の側板に 手すりを設けること 手すり取り付け高さは 75cm~ 85cm 程度とする 非常時のための設備 乗降ロビー 制御装置 標識 ( 再掲 ) かごの大きさ 制御装置 音声案内 ( 戸の閉鎖 ) 制御装置の点字表示等 音声案内 ( 昇降方向 ) 制御装置の形状点状ブロック

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2. 現状の建物における物流に関する問題点 大きな懸念は オリンピックを契機として建設される大規模建築物をはじめ 今後新しく建造される施設において 物資の搬入や搬出を円滑に行うことが可能かどうかという点である 現存する百貨店や複合商業ビル等の大規模建築物では 物流に配慮されて建設されたものは少ないと

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ガイドライン分割5

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移動等円滑化経路を構成するエレベーターの規定である ( 停止階の規定やかご及び昇降路の出入口に関する規定など ) 適合義務の対象となる建築物のうち床面積の合計が 500 m2以上の建築物については エレベーター等の設置義務が発生する (500 m2未満の建築物における任意設置するエレベーターに対して

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はじめに 本書の特徴と使い方 本格的な基本テキスト 容易に内容が分かるように平易な文章で要点を整理し また多くのイラスト 表 写真などを載せてヴィジュアルなものにした 用語 メモ 太字 はじめに 本書の特徴と使い方 3

資料 2 福島県輸送連絡調整会議 ( 第 2 回 ) 関係者及び観客輸送ルートについて 2018 年 3 月 20 日

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医療機能分化連携推進事業 1 対象事業者 病床を有する医療機関 2 支援対象 既存病床を回復期病床に転換する際に必要となる施設 設備整備費 設備整備 H27~ 継続対象リハビリを行うための治療機器や訓練機器等の導入経費 物理療法を実施するための 超音波治療器や温浴療法用装置の導入事業例 運動療法を実

14 補助金算出表

別添 事業者向け放課後等デイサービス自己評価表 及び 保護者等向け放課後等デイサービス評価表 について 放課後等デイサービスガイドライン ( 以下 ガイドライン ) は 放課後等デイサービス事業所における自己評価に活用されることを想定して作成されたものですが 各事業所で簡易に自己評価を行うことができ

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1 趣旨このガイドラインは 日本国内の公道 ( 道路交通法 ( 昭和 35 年法律第 105 号 ) 第 2 条第 1 項第 1 号に規定する 道路 をいう 以下同じ ) において 自動走行システム ( 加速 操舵 制動のうち複数の操作を一度に行い 又はその全てを行うシステムをいう 以下同じ ) を

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この冊子の見方 事例についての提案 についての バリアフリー法により適合が課せられている整備基準 バリアフリー法により整備が求められている整備基準 整備基準の詳細は, バリアフリー法, バリアフリー条例を確認してください


江東区 「自転車条例」の手引

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目次 ( )

資料 2-3 超大規模防火対象物等における自衛消防活動に係る訓練の充実強化方策 ( 案 ) 平成 30 年 10 月 31 日 事務局

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高齢者、障害者等の移動等の円滑化の促進に関する法律(バリアフリー法)

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資料 1① 道路のバリアフリー化 ①道路バリアフリー基準 道路管理者は その管理する道路を道路に関するバリアフリー基準 道路移動円滑化基準 に適合 するように努めなければなりません 生活関連施設間の道路のうち 高齢者 障害者等が通常徒歩で 利用する道路を国土交通大臣が指定し 特定道路とします 道路移

東京2020参画プログラム ガイドライン 2018年7月版

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第 2 章横断面の構成 2-1 総則 道路の横断面の基本的な考え方 必要とされる交通機能や空間機能に応じて, 構成要素の組合せ と 総幅員 総幅員 双方の観点から検討 必要とされる道路の機能の設定 通行機能 交通機能アクセス機能 滞留機能 環境空間 防災空間 空間機能 収容空間 市街地形成 横断面構

世論調査

104 開校年月日をお答えください 今年度 1 年以上 2 年未満 2 年以上 3 年未満 5 年以上 10 年未満 10 年以上 20 年未満 20 年以上 聴覚障害 知的障害 肢体不自由 病弱

N 施工位置 : 帯広市西 条南 丁目 番地 ( 帯広市民文化ホール ) N 工事用車両搬出入路 クロスゲート W = ガードフェンス H =. ( 総長. ) 道路境界線 < 敷地 建物概要 > 敷地面積:. 建築面積:. 延床面積( 全体 ) :. 附近見取図 道道八千代帯広線 ( 幅員. )

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東京2020参画プログラム ガイドライン 2018年7月版

大久保駅周辺地区 施設及び場所 事業概要 事業主体 進捗 近鉄大久保駅 多機能トイレ改良 スロープ手すり 近畿日本鉄道 JR 新田駅 エレベータ 多機能トイレ改良 スロープ手すり 交通エコロジー モビリティー財団 バス 低床バスの導入 バス事業者 市道大久保名木線 視覚障がい者用ブロックの整備 宇治

第 2 意見調査計画書は おおむね 2020 年東京オリンピック パラリンピック環境アセスメント指針 ( 実施段階環境アセスメント及びフォローアップ編 ) に従って作成されたものであると認められる なお 2020 年東京オリンピック パラリンピック競技大会実施段階環境影響評価書案 を作成するに当たっ

Q 6 本会場施設や大会期間中の練習会場施設で応募することはできますか? できません 本会場及び大会期間中練習会場 ( 公式練習会場 ) は本大会の 1 週間 ~ 数ヶ月 前は会場準備に向けて設営が行われ 他目的での利用が困難となる状況が想定されます Q 7 練習施設の IF 基準確認を行ってもらう

大津市避難所運営マニュアル

三視覚障害者誘導用ブロック視覚障害者に対する誘導又は段差の存在等の 警告若しくは注意喚起を行うために路面に敷設されるブロックをいう 第二章歩道等 ( 歩道 ) 第三条道路 ( 自転車歩行者道を設ける道路を除く ) には 歩道を設けるものとする ( 有効幅員 ) 第四条歩道の有効幅員は 道路構造令第十

Ⅰ. 公共建築物 B. 施設設備 B-7 客室 寝室 整備の基本的な考え方 (1) 宿泊機能を持つ施設においては 高齢者や障害者などに配慮した客室 寝室を設ける その他の客室においても 出 の段差解消等基本的な整備を う (2) 視覚障害者や聴覚障害者への施設利 案内 ( 緊急時 非常時を含む )

夜久野ふれあいプラザ施設概要 保有施設 バリアフリー トイレ男女共用 - 毛布 テレビ ラジオ FAX スロープ 防災無線 - ブルーシート 12 タオル 300 枚 バスタオル 50 枚 懐中電灯 1 乾電池 ( 単一型 ) 6 カセットコンロ 2020 年 8 月 1 台 ダンボール間仕切りセッ

( 原文 ) International Paralympic Committee Adenauerallee Bonn, Germany Tel: (49) Fax: (49)

内訳明細書 No 項 目 規 格 / 仕 様 数量 単位 0 競技エリア 0 ( 施 ) 養生シート 施設備品 950 m2 0 ( 施 ) 卓球台 施設備品 24 台 0 ( 施 ) 防球フェンス 施設備品 246 枚 0 ( 施 ) 椅子 施設備品 選手用 384 脚 0 ( 施 ) 椅子 施設

国等の庁舎におけるバリアフリー推進に関する行政相談 ~石川行政苦情処理委員会の意見を踏まえたあっせんに対する回答~

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者のために個室や隔離したスペースを確保する 身近な福祉避難所 また 一般の避難所や身近な避難所では避難生活が困難な要配慮者を避難させるために 社会福祉施設等に開設する 福祉避難所 と重層的に福祉避難所を設置することを想定している (2) 要配慮者とは福祉避難所の対象者として想定されるのは 法律上 要


問 合 せ 先 避 難 経 路 / 豊 田 キャンパス 総 務 課 身 の 安 全 を 確 保 し 落 ちついて 指 示 に 従 って 下 さい 豊 田 キャンパス 多 目 的 トイレ 設 置 場 所 設 置 場 所 設 置 位 置 本 館 ( 号 館 ) 階 玄 関 ホール 右 側 号 館 階 ホ

別紙 40 東京都市計画高度地区の変更 都市計画高度地区を次のように変更する 面積欄の ( ) 内は変更前を示す 種類面積建築物の高さの最高限度又は最低限度備考 第 1 種 約 ha 建築物の各部分の高さ ( 地盤面からの高さによる 以下同じ ) は 当該部分から前面道路の反対側の境界線 高度地区

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国土技術政策総合研究所 研究資料

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Taro-別紙2

施策1

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することが適当であることから 本通達では 特定施設の敷地の用に供される土地等には 土地又は土地の上に存する権利を取得した時において 現に特定施設の敷地の用に供されているもの及び特定施設の敷地の用に供されることが確実であると認められるものが該当することを明らかにしている なお 取得の時において特定施設

1 見出し1

絶対高さ制限を定める高度地区についてのQ&A

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概観図面 展示 セミナー室フロア全体レイアウト 1F 2 北通用口 7 1 エレヘ ーターホール Mini Mori カ ーテ ン 6 正面出入口 6 談話室 7 1F 荷解倉庫 2F エレヘ ーターホール 3 ( 吹き抜け部分 ) 8 2F 倉庫 9 応接室 (1) 10 応接室

Transcription:

資料 21 平成 29 年 5 月 24 日都立競技施設第 4 回アクセシビリティ ワークショップ 既存施設のアクセシビリティ改修について ( 共通編 ) 東京都オリンピック パラリンピック準備局 大会施設部施設整備第二課

改修の基本方針 <Tokyo2020 アクセシビリティ ガイドラインの規定 > 新設会場 可能な限り 推奨基準 の実現を目指す 既存会場 可能な限り 標準基準 の実現を目指す ただし例外的に 構造上の理由等によってやむを得ず標準基準を満たせないと認められる場合は 少なくとも現行の 国の遵守基準 は満たすものとする 大会時及び大会後の利用ニーズ 会場施設の規模 用途 現場の物理的制約や維持管理上の課題等に応じて 施設ごとにこれらの基準を組み合わせて対応する場合がある < 既存都立スポーツ施設の方針 > 既存都立スポーツ施設については 施設の特性や今後の更新予定を勘案する必要があるが 出来る限り 推奨基準の実現を目指す ただし 既存施設では 既存の構造躯体や限られたスペースを有効に活用する必要があり 建築構造上 改修が困難な場合がある ( 改修が困難な場合の例 ) 車いす席の増設範囲は 観客席や通路の形状により制約を受ける エレベーターや廊下幅の拡張 スロープの傾斜改善などは 柱 壁等の制約がある 過去に実施したバリアフリー改修などにより 一定程度のバリアフリー化が図られている場合には 将来更新するという選択肢も含め 合理的な検討が必要

改修内容検討の流れと考え方 < Tokyo2020 アクセシビリティ ガイドラインの規定 > 組織委員会は 適用対象施設の所有者等に対し ガイドラインに即した施設建設 改修工事を実施するよう依頼し まずは恒常的な施設としての環境整備を働きかける ただし 恒常的な環境整備が困難場合 仮設による整備 ソフト的対応 ( ボランティアによるサポート等 ) により ガイドラインを踏まえたサービス水準を確保する < 既存都立スポーツ施設の対応 > 1 Tokyo2020 アクセシビリティ ガイドラインに基づき 施設の適合状況を調査 2 不適合箇所について 適合措置を検討 3 改修工事により適合できるものについて 設計を進める 4 人的対応など運営面での適合措置が必要なものについては そのことを施設管理者に周知する 5 東京 2020 大会などで通常とは異なる施設利用をする際には 適合状況調査結果を基に必要に応じて仮設などの対応をしてもらう

主な改修方針 1 車いす使用者用スペース及び同伴者用座席の改修の考え方 2.2.2 会場の座席 2.2.2.1 アクセシブルな座席オリンピック パラリンピック大会を除き どのようなスポーツイベントでもアクセシブルな座席の最低要件は 総座席数の 0.50% である [ 座席の比率 ] オリンピック大会会場 0.75% パラリンピック大会会場 1.0~1.2% 2.2.2.2. 同伴者用座席同伴者用座席は 車いすでアクセシブルな座席と同じ割合 ( 前述のとおり 0.5~1.2%) で 車いす用区画の後ではなく 横に準備する 2.2.2.5 同等の視線車いす使用者のアクセシブルな座席と前席の床の高さの差は 前席の観客が立ち上がった際にも観覧が可能となるよう 舞台やスクリーン 競技スペース等へのサイトライン ( 可視線 ) を確保したものとする < 車いす席 同伴者席の増設 > 可能な限り総座席数の 1.0% を確保 困難な場合は 0.5% 以上を確保 < サイトラインの確保 > 前席の人が立ち上がった際も同等の視界確保を検討 < 設え > 運用に応じてレイアウト変更できるよう 同伴者用座席は可動席とする

主な改修方針 2 付加アメニティ座席の設置の考え方 2.2.2 会場の座席 2.2.2.3 付加アメニティ座席付加 ( エンハンスト ) アメニティ座席は 車いすを使用していないが 歩行困難である場合や補助犬ユーザー 足腰 長身 横幅が広い等何らかの理由で配慮された席が必要な人のための席を設置する 当該座席は 設置前方と片側のスペースを通常より広く取っている < 付加アメニティ座席の設置 > 補助犬ユーザー 足腰 長身 横幅が広い等何らかの理由で配慮された席が必要な人のため前方と側方に広いスペースを確保した座席を設置 また 設置に際しては 運用に応じて椅子を追加設置可能な設えとする < 設計例 >

主な改修方針 3 トイレの改修の考え方 2.2.3 トイレ 2.2.3.1 主要原則多機能トイレを補完し 機能を分散して配置できるよう 男女別のトイレ内に以下の 2 種類の便房を設置する 簡易型多機能便房 個別機能を備えた便房 2.2.3.2 数と割合 アクセシブルなトイレ ( 多機能トイレ 簡易型多機能便房 ) を必要としている利用者 15 人に 1 か所の割合で設置が妥当 < 車いす対応トイレの増設 > ガイドラインを踏まえ 必要に応じて 増設等を検討 < 機能分散 > オストメイト洗浄装置やおむつ交換台 ( ベビーベッド ) などを車いす対応トイレ ( 男女共用 ) や男子トイレ 女子トイレに分散して配置 車いす対応トイレ 車いす対応トイレ ( 多機能トイレ ) 男女共用 おむつ交換台 ( ベビーベッド ) 車いす対応便房 ( 簡易型多機能便房 ) 個別機能を備えた便房 ( 手すり オストメイト洗浄装置等 ) <Tokyo2020 アクセシビリティ ガイドラインより抜粋の上加工 >

主な改修方針 4 手すり 点状ブロックの改修の考え方 2.1.3.2.4 手すり手すりは階段の両側に取り付けなければならない 幅員が 3,000mm を超える場合には 中央にも設置する 廊下等の手すりの端や曲がり角および階段の始終点などの要所には 現在位置や行き先などを点字及び普通文字 ( 墨字 ) で表示することが望ましい 2.2.2.4 安全への配慮座席エリアの階段部は 危険防止のため階段降り口に点状ブロックを設置すること < 手すりの設置 > 可能な限り階段両側に手すりを設置 現在位置や行き先などの点字表示 < 点状ブロックの設置 > 階段昇降口に点状ブロックを設置

主な改修方針 5 エレベーター改修の考え方 2.1.8.1 エレベーターエレベーターは 傾斜路や勾配をつけた通路を設けることができない場合 建物や施設の高低差を解消するのに不可欠である すべてのエレベーターは 国内関係法規に定められた安全に係る技術基準に従って設計 運用され 安全な運転を行う 競技会場や選手村については 必要な数 必要な場所に設置するが 一度に多くの車いす使用者が集中し稼動力が低下する時間帯があるため エレベーターのかごの大きさ 設置数 配置等を十分に検討する エレベーターの設置場所については 主要な経路に隣接して設置する < エレベーターの増設 > 車いす使用者用スペースへのアクセス経路に 傾斜路など高低差を解消する手段が充分でない場合や 高低差が大きい箇所について 設置を検討する < 既存エレベーター改修 > エレベーターかごのサイズアップは 建築構造上 困難であるが 老朽化の状況も勘案しながら モニター設置や点字表示など聴覚障害や視覚障害などへの対応を検討する

施設改修概要一覧 ( 観客席 トイレ エレベーターの数 ) 東京体育館 東京辰巳国際水泳場 東京スタジアム ( スタジアム棟 ) 武蔵野の森総合スポーツプラザ オリンピック : 卓球パラリンピック : 卓球 オリンピック : 水球 オリンピック : サッカー近代五種ラグビー オリンピック : バドミントン近代五種 ( フェンシング ) パラリンピック : 車椅子バスケットボール 現状改修案現状改修案現状改修案現状改修案 総座席数 ( 固定席 ) 6,030 5,280 3,600 3,513 49,930 47,872 6,662 6,018 観客席 車いす使用者用スペース 2 階 : 29 同伴者用座席 付加アメニティ席 2 階 : 55 (1.04%) 2 階 : 55 (1.04%) 2 階 : 47 (0.89%) 2 階 : 20 2 階 : 36 (1.02%) 2 階 : 36 以上 (1.02%) 2 階 : 18 (0.51%) 3 階 : 342 1 階 : 52 3 階 : 276 1 階 : 52 (0.68%) 3 階 : 276 1 階 : 52 (0.68%) 3 階 : 72 (0.15%) 3 階 : 1 3 階 : 69 (1.14%) 3 階 : 55 (0.91%) 4 階 : 36 3 階 : 26 (1.03%) 車いす対応トイレ 11 11 5 10 15 26 9 9 トイレ 観客用 2 階 : 4 2 階 : 4 2 階 : 1 1 階 : 1 2 階 : 3 3 階 : 5 1 階外 : 3 3 階 : 14 1 階 : 4 1 階外 : 3 4 階 : 1 3 階 : 3 4 階 : 1 3 階 : 3 その他 1 階 : 1 地下 1 階 : 4 1 階 : 1 地下 1 階 : 4 地下 1 階 : 3 地下 1 階 : 3 1 階外 : 1 地下 1 階 : 4 1 階外 : 1 地下 1 階 : 4 1 階 : 3 1 階 : 3 エレベーター 2 3 ( 新設 EV は 24 人乗 ) < 推奨基準サイズ > 2 3 ( 新設 EV は 24 人乗 ) < 推奨基準サイズ > 7 9 ( 新設 EV は 30 人乗 ) < 推奨基準以上 > 5 5 東京体育館 東京辰巳国際水泳場 東京スタジアムについては 引き続き実施設計で検討を行うため 上表の内容については変更となる場合がある

これまでワークショップでいただいた主な意見への対応状況 項目 東京体育館 東京辰巳国際水泳場 東京スタジアム ( スタジアム棟 ) 武蔵野の森総合スポーツプラザ 1 トイレ 車いすトイレ以外への機能分散 車いすスペースを有しない男女共用トイレの設置 オストメイト洗浄装置やベビーベッドなどを車いす対応トイレ ( 男女共用 ) や男子トイレ 女子トイレに分散して配置する スペースが確保できないため 設置困難 スペースが確保できないため 設置困難 但し 車いす対応トイレ ( 男女共用 ) を追加設置 スペースが確保できないため 設置スペースが確保できないため 設置困難 困難 但し 車いす対応便房を追加設置 手すり付トイレの複数配置トイレ内のボタン配置の統一個室トイレのドア鍵の仕様個室トイレ内の災害認知方法 2 観客席 複数の便房に手すりを設置することを検討中 可能な限り統一することを検討中 施錠状態が視覚的に判別できるようになっている フラッシュライトを可能な限り設置することを検討中 館内放送が聞こえるようになっている 複数の便房に手すりを設置する 可能な限り統一する 観客が主に使用するトイレの全ての便房にフラッシュライトを設置する 館内放送が聞こえるようになっている 車いす席の垂直 水平分散配置 水平分散配置を行う 災害時に安全に避難できる階に車いす席を配置する必要があるため 垂直分散は困難 垂直分散 水平分散配置を行う 水平分散配置を行う 災害時に安全に避難できる階に車いす席を配置する必要があるため 垂直分散は困難 付加アメニティ席の垂直 水平分散配置 車いす席 同伴者席 付加アメニティ席の仕様 ( 固定式 可動式 充電用コンセント カップホルダー等 ) 水平分散配置を行う 前方と側方に広いスペースを確保できる場所が限られているため 垂直分散は困難 同伴者席は可動席を検討しており 必要に応じて様々なレイアウトが可能 充電用コンセントは 設置数 設置場所について検討中 可動席のため カップホルダー無し 垂直 水平分散配置を行う 同伴者席は可動席としており 必要に応じて様々なレイアウトが可能 充電用コンセントは 設置数 設置場所について検討する予定 可動席のため カップホルダー無し 手がかりの設置 現状 設置無し 構造的に設置困難 現状 急傾斜の箇所に設置済み 構造的に増設困難 現状 設置無し 両側設置困難のため 片側設置を行う 注意喚起の点状ブロックの設置 不足箇所に追加設置を検討中 不足箇所に追加設置を行う

これまでワークショップでいただいた主な意見への対応状況 項目 東京体育館 東京辰巳国際水泳場 東京スタジアム ( スタジアム棟 ) 武蔵野の森総合スポーツプラザ 3 情報保障音声案内設備の設置集団補聴設備の設置大型モニターの設置 設置可能な箇所を検討中 ただし 観客席に面した位置にあるトイレについては 観戦等に影響があるため設置できない 設置無し 自由な席の選択ができるよう 機器貸出による対応を検討中 設置されている イベント時には必要に応じてイベント主催者が追加設置する場合も想定される 設置済み ただし 観客席に面した場所にあるトイレについては 観戦等に影響があるため設置していない 大型スクリーンが見やすいメインスタンド中央付近に設置されている エレベーターの閉じ込め対策 4 その他 新設するエレベーターについてモニター設置等を検討中 応答状態が視覚的に判別できるようにボタンを改修 救護室の配置 ( 看護師の配置含む ) スペースが確保できないため 恒久設置困難 但し 医務室 休憩室は有 また イベントにより一時的に救護室として会議室等を使用する場合有 看護師の配置は運用にて対応 スペースが確保できないため 恒久設置困難 但し 医務室 休憩室は有 看護師の配置は運用にて対応 コンコース階に救護室有 コンコース階以外の観客利用階には スペースが確保できないため追加設置困難 看護師の配置は運用にて対応 喫煙室を改修し 観客利用階に救護室を設置する 看護師の配置は運用にて対応 サイン計画 階段の段鼻の色彩 異性介助の為の男女共用更衣室の設置 ピクトグラムを中心としたサイン計画を検討中 選手 観客の主要動線上の階段で コントラストが不足している箇所について 改修することを検討中 プール棟には設置されている その他のエリアはスペースが確保できないため 設置困難 スペースが確保できないため 設置困難 今後の検討により 必要になった場合は追加で改修を行う 選手 観客の主要動線上の階段で コントラストが不足している箇所について 改修する 選手エリアに設置されている