Microsoft PowerPoint - .I.V e.L.X.g.pV1_13_ ppt[ p]

Similar documents
Microsoft Word - プロービングの鉄則.doc

RMS(Root Mean Square value 実効値 ) 実効値は AC の電圧と電流両方の値を規定する 最も一般的で便利な値です AC 波形の実効値はその波形から得られる パワーのレベルを示すものであり AC 信号の最も重要な属性となります 実効値の計算は AC の電流波形と それによって

降圧コンバータIC のスナバ回路 : パワーマネジメント

入門書 目次 はじめに...4 シグナル インテグリティ シグナル インテグリティの重要性... 5 シグナル インテグリティが問題となる理由... 5 デジタル信号のアナログ的な要素... 6 オシロスコープ 波形と波形の測定... 7 波形の種類... 8 正弦波..

Microsoft PowerPoint - 9.Analog.ppt

dsA4

<4D F736F F D D834F B835E5F8FDA8DD C E646F63>

arduino プログラミング課題集 ( Ver /06/01 ) arduino と各種ボードを組み合わせ 制御するためのプログラミングを学 ぼう! 1 入出力ポートの設定と利用方法 (1) 制御( コントロール ) する とは 外部装置( ペリフェラル ) が必要とする信号をマイ

LED特性の自動計測ver3.1改.pptx

周波数特性解析

32 演算増幅回路

PicoScope 4262 Data Sheet

ディエンベディングとは冶具やケーブルによる観測信号の劣化を S パラメータデータを利用して計算により補正する TX 冶具ケーブル 被測定物の出力 De-Embedding 冶具 ケーブル等の影響を受けた波形 冶具 ケーブル等の S パラメータデータ TX 被測定物の出力 冶具 ケーブル等の影響のない

Microsoft Word - SPARQアプリケーションノートGating_3.docx

CCD リニアイメージセンサ用駆動回路 C CCD リニアイメージセンサ (S11155/S ) 用 C は 当社製 CCDリニアイメージセンサ S11155/S 用に開発された駆動回路です S11155/S11156-

Microsoft Word - N-TM307取扱説明書.doc

49Z qxd (Page 1)

実験 : 2-1. 波形取得 &1 章のおさらいまずは Ch.1 のプローブ ( 黄色 ) を赤外線 LED のアノード (+ 側 ) GND のプローブ ( 黒色 ) を GND に接続しましょう 接続の仕方が分からない場合は 図 2-C の回路図のように接続してください このあたりに ch.1

InfiniiVision シリーズクイックガイド 目次 基本操作 FFT( スペクトル解析 ) p.14 フロントパネル p.3 デジタル電圧計 p.15 画面上の表示 p.4 マスクテスト p.16 フロントパネル基本操作方法 p.5 デフォルト設定とプローブの接続プローブ減衰比設定と容量補正

PIC の書き込み解説 PICライターを使うときに間違った使い方を見受ける 書き込み失敗の原因は知識不足にある やってはいけないことをしている 単に失敗だけならまだしも部品を壊してしまう 正しい知識を身に着けよう 書き込みに必要なピンと意味 ICSPを意識した回路設計の必要性 ICSP:In Cir

形式 :PDU 計装用プラグイン形変換器 M UNIT シリーズ パルス分周変換器 ( レンジ可変形 ) 主な機能と特長 パルス入力信号を分周 絶縁して単位パルス出力信号に変換 センサ用電源内蔵 パルス分周比は前面のスイッチで可変 出力は均等パルス オープンコレクタ 電圧パルス リレー接点パルス出力

Microsoft Word - XPC4ソフトマニュアル.doc

形式 :WYPD 絶縁 2 出力計装用変換器 W UNIT シリーズ パルスアイソレータ ( センサ用電源付 2 出力形 ) 主な機能と特長 パルス入力信号を絶縁して各種のパルス出力信号に変換 オープンコレクタ 電圧パルス リレー接点パルス出力を用意 センサ用電源内蔵 耐電圧 2000V AC 密着

RLC 共振回路 概要 RLC 回路は, ラジオや通信工学, 発信器などに広く使われる. この回路の目的は, 特定の周波数のときに大きな電流を得ることである. 使い方には, 周波数を設定し外へ発する, 外部からの周波数に合わせて同調する, がある. このように, 周波数を扱うことから, 交流を考える

電流プローブと計測の基礎 (Tektronix 編 ) 電圧波形は違うのが当たり前 オームの法則 ( 図 1) により 電流は抵抗器によって電圧に変換することができます 電流波形を観測 するとき 電流経路に抵抗器を挿入し電圧に変換後 電圧波形として電圧プローブで観測する手法が あります この手法にお

S0027&S0028 取扱説明書 1-1 充電をするには 1-2 電源を入れるには 1-3 電源を切るには 1-4 充電が少なくなった場合 1-5 動作切り替え 目次 2-1 動画録画 2-2 静止画撮影 2-3 PC で再生するには 3-1 録画装置を HDMI コードでテレビモニターに繋いで使

CMOS リニアイメージセンサ用駆動回路 C CMOS リニアイメージセンサ S 等用 C は当社製 CMOSリニアイメージセンサ S 等用に開発された駆動回路です USB 2.0インターフェースを用いて C と PCを接続

絶対最大定格 (T a =25 ) 項目記号定格単位 入力電圧 V IN 消費電力 P D (7805~7810) 35 (7812~7815) 35 (7818~7824) 40 TO-220F 16(T C 70 ) TO (T C 25 ) 1(Ta=25 ) V W 接合部温度

p.3 p 各種パラメータとデータシート N Package Power Dissipation 670mW ( N Package)

インターリーブADCでのタイミングスキュー影響のデジタル補正技術

データ シート オシロスコープ チャンネルと USB は してフローティング C C 電圧 イン シャーシ 電 に絶縁された Isolated-channel 技術により 1000V rms の最大フローティング電圧を実現 4 つの絶縁入力チャンネルを装備し どのような信号入力にも容易に対応可能 電

例 e 指数関数的に減衰する信号を h( a < + a a すると, それらのラプラス変換は, H ( ) { e } e インパルス応答が h( a < ( ただし a >, U( ) { } となるシステムにステップ信号 ( y( のラプラス変換 Y () は, Y ( ) H ( ) X (

<8AEE B43979D985F F196DA C8E323893FA>

フィードバック ~ 様々な電子回路の性質 ~ 実験 (1) 目的実験 (1) では 非反転増幅器の増幅率や位相差が 回路を構成する抵抗値や入力信号の周波数によってどのように変わるのかを調べる 実験方法 図 1 のような自由振動回路を組み オペアンプの + 入力端子を接地したときの出力電圧 が 0 と

DVIOUT

データ シート 正確な測定のためのデジタル精度 最高 100MHz の周波数帯域で最大 1GS/s のサンプル レートを達成 この性能を低価格で実現したデジタル オシロスコープです テクトロニクス独自のサンプリング技術により 周波数帯域に対して最低でも 10 倍のリアルタイム サンプリング ( 全チ

CMOS リニアイメージセンサ用駆動回路 C10808 シリーズ 蓄積時間の可変機能付き 高精度駆動回路 C10808 シリーズは 電流出力タイプ CMOS リニアイメージセンサ S10111~S10114 シリーズ S10121~S10124 シリーズ (-01) 用に設計された駆動回路です セン

NJM78L00S 3 端子正定電圧電源 概要 NJM78L00S は Io=100mA の 3 端子正定電圧電源です 既存の NJM78L00 と比較し 出力電圧精度の向上 動作温度範囲の拡大 セラミックコンデンサ対応および 3.3V の出力電圧もラインアップしました 外形図 特長 出力電流 10

THS3000シリーズ・ハンドヘルド・オシロスコープ・データ・シート

CF-7200 ポータブルFFT アナライザ「打撃試験で周波数応答関数を測定する操作手順」

オーバーサンプリングによる ADC12 の高分解能

Microsoft Word - QEX_2014_feb.doc

AI1608AYUSB手順V3

Microsoft PowerPoint pptx

RF-ASE トレーニング

スライド 1

データ シート 波形をすばやく簡単に取込むことが可能 拡張演算機能により FFT をすばやく実行可能 TBS1000 シリーズは 学校 大学の要求に応じて設計されたデジタル オシロスコープです 数多くの機能ツールが内蔵されており 容易に学習し 簡単に操作できるため オシロスコープを初めて使うユーザ

TBS2000シリーズ・デジタル・オシロスコープ・データ・シート

回路シミュレーションに必要な電子部品の SPICE モデル 回路シミュレータでシミュレーションを行うためには 使用する部品に対応した SPICE モデル が必要です SPICE モデルは 回路のシミュレーションを行うために必要な電子部品の振る舞い が記述されており いわば 回路シミュレーション用の部

NJM78L00 3 端子正定電圧電源 概要高利得誤差増幅器, 温度補償回路, 定電圧ダイオードなどにより構成され, さらに内部に電流制限回路, 熱暴走に対する保護回路を有する, 高性能安定化電源用素子で, ツェナーダイオード / 抵抗の組合せ回路に比べ出力インピーダンスが改良され, 無効電流が小さ

オシロスコープ入門

Microsoft PowerPoint - ip02_01.ppt [互換モード]

dsA4

ファームウェア書き換え説明書 目次 はじめに... 2 書き換え前に... 2 接続図... 2 書き換え手順... 3 (1) ファームウェアファイルの準備... 3 (2) 接続準備... 3 (3) ファームウェア書き換え準備 (4) ファームウェア書き換え準備 (

PowerPoint プレゼンテーション

NJM78M00 3 端子正定電圧電源 概要 NJM78M00 シリーズは,NJM78L00 シリーズを更に高性能化した安定化電源用 ICです 出力電流が 500mA と大きいので, 余裕ある回路設計が可能になります 用途はテレビ, ステレオ, 等の民生用機器から通信機, 測定器等の工業用電子機器迄

LAeq(LX)を10分毎に24時間繰り返し測定し自動保存する

Microsoft PowerPoint - 第06章振幅変調.pptx

2. 仕様 電源 :USB バスパワー (USB 入力の 5V 電源を使用します ) 出力 : 3.5mm ステレオジャック アナログステレオ出力 最大 20mArms 対応ヘッドホンインピーダンス 1Ω~500Ω RCA ピンジャック アナログ 2ch 出力 (L R) ラインレベル ヘッドホンア

第 5 章復調回路 古橋武 5.1 組み立て 5.2 理論 ダイオードの特性と復調波形 バイアス回路と復調波形 復調回路 (II) 5.3 倍電圧検波回路 倍電圧検波回路 (I) バイアス回路付き倍電圧検波回路 本稿の Web ページ ht

漏電監視端末 SW150LF/LF8 漏電監視 漏電監視 ZCT 最大 4 個まで取り付けられます ZCT 最大 8 個まで取り付けられます SW150LF 端子台 温度監視 SW150LF8 端子台 温度センサー最大 4 個まで取り付けられます 接点入力合計 4 点 ( 最大 ) 2

形式 :KAPU プラグイン形 FA 用変換器 K UNIT シリーズ アナログパルス変換器 ( レンジ可変形 ) 主な機能と特長 直流入力信号を単位パルス信号に変換 オープンコレクタ 5V 電圧パルス リレー接点出力を用意 出力周波数レンジは前面から可変 ドロップアウトは前面から可変 耐電圧 20

スライド 1

(3) E-I 特性の傾きが出力コンダクタンス である 添え字 は utput( 出力 ) を意味する (4) E-BE 特性の傾きが電圧帰還率 r である 添え字 r は rrs( 逆 ) を表す 定数の値は, トランジスタの種類によって異なるばかりでなく, 同一のトランジスタでも,I, E, 周

Microsoft Word - PS Audio PowerPlant 使㆗ã†fiㆪㆊ_ docx

オペアンプの容量負荷による発振について

データ シート 波形をすばやく簡単に取込むことが可能 スクリーン ショットや波形データを USB メモリに保存可能 TDS1000B シリーズ オシロスコープ 簡単操作で即日フル稼動 TDS1000Bシリーズ デジタル オシロスコープは 卓越した性能と操作性を低価格で提供します 高いデジタル精度を実

目次 1. ダイナミックレンジとは 不思議な体験 三つの信号の関係 測定 ダイナミックレンジまとめ

Rev G 超音波探傷器調整手順 (G タイプ ) 図 1 初期画面 Gタイプの共通項目 初期画面は, 測定範囲が100mmで音速は3230m/sである ゲート1の起点は20mm で幅が20mm, ゲート2は起点は60mmで幅が20mm, ゲート高さはそれぞれ10% になっている 向

電気的特性 (Ta=25 C) 項目 記号 条件 Min. Typ. Max. 単位 読み出し周波数 * 3 fop khz ラインレート * Hz 変換ゲイン Gc ゲイン =2-5 - e-/adu トリガ出力電圧 Highレベル Vdd V -

TO: Katie Magee

Microsoft PowerPoint pptx

Taro-DSノート

名称 型名 SiC ゲートドライバー SDM1810 仕様書 適用 本仕様書は SiC-MOSFET 一体取付形 2 回路ゲートドライバー SDM1810 について適用いたします 2. 概要本ドライバーは ROHM 社製 2ch 入り 180A/1200V クラス SiC-MOSFET

データ シート 拡張トリガにより すばやく 簡単に波形が取込み可能 テクトロニクス独自のデジタル リアルタイム サンプリングにより 他のオシロスコープでは見落としてしまう信号細部まで観測可能 手頃な価格で多彩な機能と性能を実現 TDS2000C シリーズは 手頃な価格で多彩な機能と性能を実現したデジ

VLSI工学

Microsoft PowerPoint pptx

elm1117hh_jp.indd

TBS1000シリーズ・デジタル・オシロスコープ・データ・シート

dsA4

GL7000_vol5_1

複数ポイントの測定を実施し その平均値を取得するには? SENS:VOLT:DC:NPLC 10 CALC:FUNC AVER;STAT ON // DCV 測定, レンジ 1V, 桁半表示 5 // 積分時間を 10 に設定 // 演算機能 ( 平均値 ) を ON に設定 CALC:AVER:A

WinCT-AD4212D オペレーションマニュアルVer.1.01

PowerPoint プレゼンテーション

TBS1000Bシリーズ・デジタル・オシロスコープ・データ・シート

ComputerArchitecture.ppt

ディジタル・オシロスコープ実践活用法

計測コラム emm182号用

形式 :WJPAD 絶縁 2 出力計装用変換器 W UNIT シリーズ 本製品は生産中止となりました 代替機種として WJPAD2 をご検討下さい パルスアナログ変換器 ( センサ用電源付 スペックソフト形 ) 主な機能と特長 パルス入力信号を直流出力信号に変換 センサ用電源内蔵 無電圧接点パルス

Microsoft PowerPoint - C7_rev2009.pptx

タッチパネル式表示ユニットの装着や システム組み込みにも対応した次世代データ収録器 誕生 各種ユニットを着脱可能 アンプユニットは最大10ユニットまで混在装着可能 1 最大で10台のアンプユニットが取付けでき 本体ユニット1台で最大112chの多チャネル測定が可能です 表示ユニットは本体ユニットへの

アプリケーション ノート USB 2.0 物理レイヤ テスト はじめに USB 2.0 対応のデバイス設計 特性評価および動作確認に携わっているエンジニアは 製品の市場投入のスピードアップを日々迫られています 当社の測定パッケージでは USB-IF(USB Implements Forum, Inc

スライド 1

dsA4

Microsoft Word 実験10オシロ(Ver16)P1-2.doc

NJU7291 概要 ウォッチドッグタイマ内蔵システムリセット IC NJU7291 は 電源電圧の瞬断や低下などの異常を瞬時に検出して リセット信号を発生する電源電圧監視用 IC です ウォッチドッグタイマが内蔵されており 各種マイコンシステムに フェイル セーフ機能を持たせることができます 特徴

-2 外からみたプロセッサ GND VCC CLK A0 A1 A2 A3 A4 A A6 A7 A8 A9 A10 A11 A12 A13 A14 A1 A16 A17 A18 A19 D0 D1 D2 D3 D4 D D6 D7 D8 D9 D10 D11 D12 D13 D14 D1 MEMR

アナログ回路 I 参考資料 版 LTspice を用いたアナログ回路 I の再現 第 2 回目の内容 電通大 先進理工 坂本克好 [ 目的と内容について ] この文章の目的は 電気通信大学 先進理工学科におけるアナログ回路 I の第二回目の実験内容について LTspice を用

dsA4

形式 :RPPD 計装用プラグイン形変換器 M UNIT シリーズ パルスアイソレータ ( センサ用電源付 ロータリエンコーダ用 ) 主な機能と特長 ロータリエンコーダの 2 相パルス入力信号を絶縁して各種の 2 相パルス出力信号に変換 オープンコレクタ 電圧パルス パワーフォト MOS リレー R

Transcription:

オシロスコープ入門講義テキスト 日本テクトロニクス株式会社

目次 はじめに 4 第 1 章オシロスコープとは 7 第 2 章アナログ部 13 第 3 章周波数帯域 立上り時間 31 第 4 章デジタル部 41 第 5 章遅延取込 ズーム 53 第 6 章アクイジション 59 第 7 章自動測定 カーソル測定 71 付録 77 3 オシロスコープ入門

はじめに 画面の説明 トリガ ポジション (P16) トリガレベル (P15) トリガレベル の電圧値 (P15) 波形のゼロ電圧 電圧軸の設定値 時間軸の設定値 トリガ ソース (P20) トリガ スロープ (P15) 遅延時間設定 (P54) またはトリガ ポジション (P1 6) 4 オシロスコープ入門

はじめに オシロスコープ操作部分の説明 粗調整 : 選択 : 汎用ノブ : クイックメニュー :P79 このボタンを押してから汎用ノブ ポジション ノブを回すと設定値を大きく変更できます 移動できるカーソルを切り替えます カーソル移動 メニューにおける数値設定を行います よく使用するメニューがここにあります レベル ( トリガ ): トリガ レベルを設定します ポジション : それぞれ垂直 水平方向へ波形を移動させます RUN/STOP: 波形の取り込みを開始 / 停止します SINGLE SEQ ( 単発波形取込 ): CH1~REF: 波形の選択 表示を行います 単発波形を捉えるために使用します ボタンを押すと 信号の待ち受け用に設定が変わり RUN/STOP ボタンで解除できます 波形 OFF: 選択された波形を非表示にします AUTOSET: 垂直 / 水平軸 トリガを自動的に設定します 波形輝度 : スケール ( 垂直軸 / 電圧 ): スケール ( 水平軸 / 時間 ): フ ローフ 補正用端子 : P19 波形の表示輝度を調整します 1div あたりの電圧値を設定します 1div あたりの時間を設定します プローブ補正用信号下側はグランド (GN D) です 遅延取込 (DELA Y):P54 トリガイベントに対して遅延取り込みを行います ズーム :P56 波形の任意部分を拡大表示します 5 オシロスコープ入門

信号発生ボードの説明 はじめに 1. 電源はACアダプタか9V 乾電池を使用してください 約 1 時間後に自動で電源が切れます 2. プローブを接続する際は 必ず近くのグランド (GND) も接続してください 3. 実習時 プローブ接続ポイントは基板上の番号となります ( 例 :TP2は2) 4.TestPoint(TP)A Bはフックチップを外して 先端のピンをポイントにあててください 5. 回路ボード コネクタの金属部分はグランドです フックチップを外して先端のピンを上からさせば グランド リードを使わずに ( 短いグランドで ) 信号も同時にとることができます 6. 接続はプローブのグランド リードを初めに配線し 次に先端を測定ポイントに配線します Test PointA 電源 Test PointB ボタンを 2 回押し アナログとデジタルの両方のランプが点灯していることを確認してください Single Shot ( 単発信号 ) Test Point(TP)16 を使用 する際 このボタンを押さないと信号は出ません 回路ボードコネクタ (TP16 と同じ信号 ) 6 オシロスコープ入門

第 1 章 目次 (1) オシロスコープとは 8 (2) オシロスコープの種類 9 7 オシロスコープ入門

(1) オシロスコープとは 電気信号の時間的変化を波形として表示する装置 あらゆる物理現象も電気に変換できれば観測可能 ( 物理現象変換器電気信号 ) 8 オシロスコープ入門

(2) オシロスコープの種類 アナログ リアルタイム オシロスコープ (ART) Analog Real Time Oscilloscope デジタル ストレージ オシロスコープ (DSO) Digital Storage Oscilloscope デジタル フォスファ オシロスコープ (DPO) Digital Phosphor Oscilloscope 9 オシロスコープ入門

アナログ リアルタイム オシロスコープ (ART) 入力信号を直接ブラウン管の管面に輝線として表示するオシロスコープ < 特徴 > リアルタイム性が優れている ( デッド タイムが短い ) 信号の明るさで 波形の頻度情報が得られる 単発および繰り返し頻度の少ない現象に不向き 観測結果の保存方法 写真 波形解析 不可 垂直増幅器 遅延線 ディスプレイ 増幅器 トリガ回路 水平増幅器 スイープ信号 10 オシロスコープ入門

デジタル ストレージ オシロスコープ (DSO) 入力信号を一旦 A /D 変換器でデジタル データに変換後 そのデータをメモリに保存し ブラウン管または LCD に波形を再生させ表示するオシロスコープ < 特徴 > 単発信号でも補足可能 観測結果の保存方法 電子化が可能 波形解析 デジタル データとして PC 等での解析 本体単体でも可能 全現象に対し観測できる時間が短い ( デッド タイムが長い ) 表示される波形に頻度情報が失われる ( 平面的 X,Y の情報のみ ) 増幅器 A/D 変換器 波形取込みメモリ ディスプレイ 表示用メモリ マイクロフ ロセッサ 11 オシロスコープ入門

デジタル フォスファ オシロスコープ (DPO) 入力信号を一旦 A /D 変換器でデジタル データに変換するところまでは DSO と同じだが その後の処理でフォスファ ( 蛍光体 ) をデジタル的に表現するオシロスコープ < 特徴 > 単発信号も取り込み可能 アナログ オシロスコープに近いリアルタイム性 ( デッド タイムが短い ) 波形の頻度情報が得られる (3 次元表示 解析 ) DPX CRT の蛍光体を表現する回路 増幅器 A/D 変換器 入力波形テ ータの圧縮と蓄積をする回路 表示用メモリ テ ィスフ レイ マイクロフ ロセッサ 12 オシロスコープ入門

第 2 章 目次 (1) オシロスコープの設定 14 オシロスコープ測定上の注意 15 (2) プローブ 16 (3) 入力カップリング 18 (4) トリガの設定 20 (5) トリガ ポジション 21 (6) トリガ ソース 22 (7) トリガ カップリング 24 (8) トリガ モード 26 (9) トリガ ホールドオフ 28 13 オシロスコープ入門

(1) オシロスコープの設定 Volts/div Sec/div Volts/div: 電圧軸 1div( 目盛り ) 当たりの電圧値を設定 (= 振幅表示の大きさを設定 ) Sec/div: 時間軸 1div( 目盛り ) 当たりの時間の長さを設定 (= 時間表示の幅を設定 ) トリガ : 波形表示の基準を設定 14 オシロスコープ入門

オシロスコープ測定上の注意 1. オシロ測定前のチェック (1) 機器に適合した電源コード プラグ ヒューズが使用されているかを確認します (2) 感電防止のため必ず保護用接地端子のあるコンセントに3ピン プラグを差し込みます (3) 電源を投入してから20 分間ウォームアップします (4) プローブの補正を行います 2. オシロ測定上の注意点 (1) 最大入力電圧の範囲内で測定します ( 特に50Ω 入力時 最大入力電圧は数 Vになります ) (2) 被測定信号に対して周波数帯域に余裕があるか確認します 3. プローブ使用上の注意点 (1) 最大入力電圧の範囲内で測定します (2) 本体の周波数帯域に適したプローブを用いているかどうか確認します (3) 高速パルス信号を測定するときはできる限り短いグランド リードを使用します (4) 接続の際は GNDリードを被測定物へ配線してから プローブ先端を接触させます (5) 取り外す際は プローブ先端を外してから GNDリードを外します 15 オシロスコープ入門

(2) プローブ 被測定回路からの信号をオシロスコープへ導く被測定回路に与える影響 ( 負荷効果 ) を軽減 容量を調整するトリマ キャパシタ 9MΩ 10pF~ 数 10pF 1MΩ BNC コネクタ 等価回路 (10:1 プローブ ) C2 はオシロスコープの機器により異なる固有の値 ( 浮遊容量 ) R2 は一般的なオシロスコープでは 1MΩ 周波数に関係なく一定の減衰比を得る条件 R1C1=R2C2 16 オシロスコープ入門

実習 プローブ補正 プローブの容量補正が正しく行われていないと測定誤差の大きな原因となります 精度の高い測定を行うためには 測定前に必ずプローブの補正を行う必要があります [ 信号源との接続 ] CH1:Probe Compensation Signal [ 操作手順 ] 1. 工場出荷時の初期設定 を行います保存 / 呼出 2. ボタンを押します 工場出荷時設定呼出 3. OK を選択 垂直軸 4. ボタンを押します 帯域制限 5. 20MHz を選択 プローブの補正不足 6. 1.00V/div 7. 400μs/div 8. トリガ レベル :2.50V 9. 垂直ポジションを調整 10. トリガ レベル約 2.5V 最適なプローブ補正 11. 調整用ドライバでプローブの容量を調整します ( プローブの機種によりトリマ キャパシタの調整位置は異なります また形状は+と-の2 種類がありますので 調整個所に合ったドライバをご使用ください ) 調整個所 [ 参考 ] クイックメニュー でも選択できます プローブの補正過大 17 オシロスコープ入門

(3) 入力カップリング 入力信号のどの成分をオシロスコープに接続するかを選択する AC GND DC 入力の BNC コネクタ DC 直流 交流すべての成分を観測通常使用するもの AC 交流成分のみを観測直流成分が邪魔をし 適切な表示が得られない時に使用 GND グランドグランドレベルを確認したい時に使用 + 0 AC + 0 - - 18 オシロスコープ入門

実習 入力カップリング 入力カップリングの違いと その使用方法を確認します [ 信号源との接続 ] CH1:TPB(P6 参照 プローブのフックチップをはずしてください ) [ オシロスコープの設定 ] 工場出荷時の初期設定 にします 200mV/div 100μs/div [ 操作手順 ] トリガ レベル :800mV 1. 詳細を観測するために電圧軸の感度を上げます (100mVへ) 波形が画面から外れたので垂直軸ポジションつまみで中央に移動します 直流成分が多いので 画面内に戻りません 垂直軸 2. を選択 結合 3. A C を選びます 波形をポジションつまみで画面中央に移動し トリガ レベルを0Vにします ( 直流成分が入力されないので さらに垂直方向へ拡大することもできます ) [ 参考 ] クイックメニュー でも選択できます 19 オシロスコープ入門

(4) トリガの設定 安定した波形を表示させるために設定する トリガ点 波形表示の基準点レベルとスロープで設定 トリガ点 トリガ レベル トリガ スロープ (+) トリガ スロープ (-) トリガ点 トリガ レベル トリガ レベルを正しく設定しないと波形は安定しません 20 オシロスコープ入門

(5) トリガ ポジション トリガ点を画面上左右に動かすことができる機能 (DSO DPO のみ ) トリガ点 プリトリガ ポストトリガ 管面 ポストトリガ センタートリガ プリトリガ プリトリガ トリガ点より前の現象 ( 原因を観測 ) ポストトリガ トリガ点より後ろの現象 ( 結果を観測 ) 21 オシロスコープ入門

(6) トリガ ソース どの入力信号にトリガ点を設けるかを選択する CH1 CH2 CH1とCH2は非同期な信号 CH1 CH2 オシロスコープの表示 トリガ ソースを CH1 としたら CH1 のみ波形表示が安定 CH1 CH2 オシロスコープの表示 トリガ ソースを CH2 としたら CH2 のみ波形表示が安定 ヒント! 観測したい信号のチャンネルとトリガ ソースは基本的に一致していなくてはいけません 複数チャンネルを同時に観測する際は 信号間に一定の同期関係があれば 一番繰り返しが遅い信号をトリガ ソースにするとすべての波形が安定します 22 オシロスコープ入門

実習 トリガ ソース 安定した波形表示のために必要なトリガ ソースについて理解します [ 信号源との接続 ] CH1:Probe Compensation Signal [ オシロスコープの設定 ] 工場出荷時の初期設定 にします 1.00V/div 200μs/div トリガ レベル :2.50V [ 操作手順 ] 垂直ポジションを調整 1. トリガ ソースと表示チャンネルが同じなので波形が安定していることを確認します トリガ 2. ボタンを押します ソース 3. CH2 を選択 4. トリガ ソースと表示チャンネルが異なっているので波形表示が不安定になりますソース 5. CH1 を選択 波形が安定して表示されることを確認します [ 参考 ] クイックメニュー でも選択ができます 23 オシロスコープ入門

(7) トリガ カップリング トリガ回路に入力信号成分を結合する方法 DC カップリング AC カップリング 10Hz LF REJ カップリング HF REJ カップリング 80kHz 30kHz 24 オシロスコープ入門

実習 トリガ カップリング 安定した波形表示のために必要なトリガ カップリングについて理解します [ 信号源との接続 ] CH1:TPA [ オシロスコープの設定 ] 工場出荷時の初期設定 にします (P6 参照 プローブのフックチップをはずしてください ) 200mV/div 20.0μs/div トリガ レベル :800mV [ 操作手順 ] 1. トリガ カップリングがDCであると ノイズにより波形が安定しませんトリガ 2. ボタンを押します 結合高周波除去 3. を選択 4. ノイズがのっていても波形が安定しています [ 参考 ] クイック メニュー でも選択できます ( 実習が終りましたら トリガ カップリングを DC 結合に戻します ) 25 オシロスコープ入門

(8) トリガモード トリガのかけ方 ノーマル モード トリガがかかった時のみ波形を表示 ( 時間軸が遅い場合に使用 ) オート モード トリガが一定時間かからないとフリーランになって トリガを強制的にかけて 波形を表示 ( 時間軸が遅い場合は使用不可 ) 数 10ms~ 数 100ms シングル モード トリガがかかったら 1 回だけ波形を表示 26 オシロスコープ入門

実習 トリガ モード トリガ モードを切り替え その違いを確認します [ 信号源との接続 ] CH1:TP16 ( ボタンを押さないと信号は出ません ) [ オシロスコープの設定 ] 工場出荷時の初期設定 にします 200mV/div 100ns/div トリガ レベル :300mV [ 操作手順 ] トリガ 1. ボタンを押します モードとホールドオフ 2. を選択 オート モードであることを 確認し 基板上の SINGLE SHOT ボタンを数回押す 3. オート モードのまま トリガ レベルを 900mV にし SINGLE SHOT ボタンを再び押す トリガ レベルが外れているので波形が表示されません ( もし表示される場合には トリガ レベルを 1V にしてください ) 4. ノーマルを選択 トリガ レベルを300mVに戻して SINGLE SHOTボタンを数回押す 5. ノーマル モードのまま トリガ レベルを900mVにし SINGLE SHOTボタンを押し オート モードとの違いを確認します トリガ信号が発生されないので 前に表示した波形をそのまま保持しています 6. トリガ レベルを 300mV に戻して ボタンを押すと LED が点灯し 画面右上に トリガ待ち が 表示されます 波形が暗く表示されるので あらかじめ波形輝度つまみで明るくしておきます基板上のSINGLE SHOTボタンを数回押す一度しかトリガ信号を受け付けていないことが確認できます 解除方法 : で元に戻ります [ 参考 ] クイック メニュー でも選択ができます 27 オシロスコープ入門

(9) トリガ ホールドオフ 1 回波形を表示し 次のトリガ点を受け付けられるまでの時間 可変して表示を安定させることができる トリガレベル ホールドオフ時間 ホールドオフ時間 管面表示 ホールドオフ時間を変えて不要なトリガを省き 表示を安定させることができる トリガレベル 最小のホールドオフの管面表示 ( 波形表示が不安定 ) 最小のホールドオフ時間 最小のホールドオフ時間 最小のホールドオフ時間 ホールドオフを長く調整した管面表示 ( 波形表示が安定 ) トリガレベル 長くしたホールドオフ時間 長くしたホールドオフ時間 28 オシロスコープ入門

実習 トリガ ホールドオフ 不安定な波形がホールドオフ時間を変えることにより 安定することを確認します [ 信号源との接続 ] CH1:TP5 [ オシロスコープの設定 ] 工場出荷時の初期設定 にします 1V/div 100ns/div トリガ レベル :2.00V [ 操作手順 ] トリガ 1. ボタンを押します モードとホールドオフ 2. を選択 ( 汎用ノブ ) ホールト オフ 3. ( 時間 ) を選択し で s ホールドオフ時間を設定します波形が安定するまで時間をゆっくり変えてみてください粗調整 (5μs~6μs) ( を押してからノブを回すと値を大きく 変えられます ) 29 オシロスコープ入門

第 3 章 目次 (1) 周波数帯域とは 32 (2) 信号源を接続した場合の立上り時間 35 (3) 立上り時間 36 (4) 立上り時間の誤差 38 (5) まとめ 39 31 オシロスコープ入門

(1) 周波数帯域とは 表示される電圧振幅 ( 出力電圧 ) が入力電圧と比較して 3dB 下がった周波数 周波数帯域を超えた信号でも観測できるが 波形は忠実に再現できない ( 表示振幅が小さくなる ) 周波数帯域 0dB 減衰比 -3dB AC 結合の周波数帯域 -12dB f 2f 周波数 ガウシャン カーブ 32 オシロスコープ入門

周波数帯域とは オシロスコープの周波数特性はガウシャン カーブに類似 ガウシャン カーブにするとパルス特性がよい 周波数帯域と同じ周波数の信号を観測すると約 30% の振幅誤差となる 60MHz 80MHz 100MHz 10MHz 20MHz 30MHz 40MHz 50MHz 70MHz 90MHz 100 3% % 95% 97% 90% 85% 減衰比 80% 75% ガウシャン カーブ 周波数 70% 70.7% (-3dB) 33 オシロスコープ入門

< 参考 > 周波数特性とパルス特性 電 圧 -3dB A B C 周波数 周波数特性 リンギング オーバーシュート 電 圧 A B C 時間 パルス特性 34 オシロスコープ入門

(2) 信号源を接続した場合の立上り時間 信号 オシロスコープの表示 Ts : 信号そのものの立上り時間 T : 表示波形の立上り時間 T= Ts 2 +To 2 To: オシロスコープ固有の立上り時間 35 オシロスコープ入門

(3) 立上り時間 オシロスコープ固有の立上り時間 立上り時間が 0 秒の理想的なパルス波形 To: オシロスコープ固有の立上り時間 To(sec)= 0.35 f(hz) f: オシロスコープの周波数帯域 式を変形して To(nsec)= 350 f(mhz) *1 *1: 機種により 350~420 の値になります 36 オシロスコープ入門

< 参考 > RC の積分回路に立上り時間 0 秒のパルス波形を入力した時の出力波形の立上り時間 RC 積分回路で時間 t における電圧 v は次式で 表わされます RC v=e(1-e ) 時間 t10 における電圧 v10 は - - v 10:0.1E=E(1-e RC ) t 10=-RC loge 0.9 t t10 100% 90% 50% t90 - v 90 :0.9E=E(1-e RC ) t 90=-RC loge 0.1 立上り時間は Tr=t 90-t 10 より となります Tr=RC(loge 0.9-loge 0.1) =RC loge9 2.2RC また 3dB 減衰点周波数は R = f= 従って立上り時間は となります Tr 2.2RC と f= Tr= 1 2πRC 0.35 f より より このように立上り時間は 0.35 を 3dB 減衰点の 周波数で割った値に等しくなります 1 ωc 1 2πRC 10% E:100% V90:90% V 50% V10: 10% t Tr Tr ガウシャンカーブ R 入力 C 出力 Tr=0 Tr 2.2RC 37 オシロスコープ入門

(4) 立上り時間の誤差 入力信号とオシロスコープの固有の立上り時間の関係 100 40 立上り時間の増加率 ( 誤差 ) (%) 10 3 2 1 2 3 4 10 Ts/To 立上り時間の測定誤差を 3% にするには... Ts To 1 4 To 4 Ts 38 オシロスコープ入門

(5) まとめ 測定誤差を 3% 以内にするには 振幅測定 : 測定周波数の3 倍以上の周波数帯域が必要 立上り時間測定 : To 1 4 Ts To: オシロスコープの固有の立上り時間 Ts: 信号の立上り時間 39 オシロスコープ入門

実習 異なる帯域での立上り時間差 異なる周波数帯域で立上り時間の違いを比べてみましょう [ 信号源との接続 ] CH1:TP16( ボタンを押さないと信号は出ません ) [ オシロスコープの設定 ] 工場出荷時の初期設定 にします 200mV/div 10.0ns/div [ 操作手順 ] トリガ レベル :300mV 1. シングル モードにして 波形を表示させます を選択 基板上の SINGLE SHOT ボタンを押し信号を発生させます パルス波形のオーバーシュートが観測できます ( もう一度取込むときは再度 を押します波形輝度つまみで明るさを調整してください ) 2. 帯域制限を使い 一時的に周波数帯域が低いオシロスコープとして 立上り時間を比較します垂直軸 3. ボタンを押します 帯域制限 4. 20MHz を選択 もう一度 を選択し 基板上の SINGLE SHOT ボタンを押し 信号を発生させます立上り時間も遅くなり 信号の形も変わってしまいました [ 参考 ] クイックメニュー でシングル モードを解除できます でも選択できます ( 実習が終りましたら帯域を全帯域に戻します ) 高速信号を周波数帯域が低いオシロスコープで見ると あたかも低速信号の様に 見えてしまうので使用するオシロスコープの周波数帯域には気を付けましょう 40 オシロスコープ入門

第 4 章 目次 (1) デジタル化 42 (2) サンプリング 43 (3) サンプル レート 44 (4) 時間軸とサンプル レート 45 (5) サンプリングの方法 48 (6) 垂直分解能 49 (7) レコード長 ( メモリ長 ) 50 (8) デッド タイム 51 (9) チャンネル数 52 41 オシロスコープ入門

(1) デジタル化 電圧 ( 連続的 ) 入力信号 ( アナログ ) 時間 ( 連続的 ) サンプリング クロック 電圧 ( 連続的 ) 標本化 時間 ( 離散的 ) サンプリング クロック 電圧 ( 離散的 ) 量子化 時間 ( 離散的 ) 時間 コード化 電圧 3 4 5 4 3 1 1 1 3 4 5 4 3 42 オシロスコープ入門

(2) サンプリング 入力信号を水平 ( 時間 ) 方向へ一定の間隔で電圧値を取り込むこと 入力波形 サンプリング クロック 点を サンプル ポイント といい ポイントとポイントの間を サンプル間隔 といいます 43 オシロスコープ入門

(3) サンプル レート 1 秒間に何回サンプリングをするかという水平 ( 時間 ) 方向の細かさを表わす性能 単位 : サンプル / 秒 (S/s) 低速サンプル レート サンプル間隔が広い 時間軸の設定が遅い 高速サンプル レート サンプル間隔が狭い 時間軸の設定が速い サンプル レートを Hz で表わすと 周波数帯域 ( 例 :DC~100MHz) と混同するために S/s を用います 44 オシロスコープ入門

(4) 時間軸とサンプル レート 1div あたりのデータ ポイント数 (point/div) を知れば サンプル レート (S/s) は時間軸 (sec/div) の設定から導ける 1div 当たりのポイント数は レコード長の 1/10 になります TDS3000B シリーズのレコード長 500 ポイントの場合は 1div 当たり 50 ポイントになります ( レコード長 10000 ポイントの場合は 1div あたり 1000 ポイント ) サンプル間隔 = 時間軸の設定 (sec/div) point/div サンプル レート = 1 サンプル間隔 サンプル レート = point/div 時間軸の設定 (sec/div) 45 オシロスコープ入門

実習 時間軸とサンプルレート サンプル レートの違いによる信号の見え方を確認します [ 信号源との接続 ] CH1:TP16 ( ボタンを押さないと信号は出ません ) [ オシロスコープの設定 ] 工場出荷時の初期設定 にします 200mV/div 100ns/div トリガ レベル :300mV [ 操作手順 ] 1. 一時的にDSOに近づけるためにメモリ長を切り替えます 波形取込 2. を押す 水平分解能 3. 高速トリカ を選択 4. ノーマル トリガで信号を観測します トリガ 5. を押す モードとホールドオフ 6. ノーマルを選択 7. 基板上の SINGLE SHOT ボタンを押し 信号を発生させます 時間軸を遅い設定に変えていき その都度ボタンを押し 信号の変化を観測します 100n/div 1μs/div 10μs/div 46 オシロスコープ入門

実習 時間軸とサンプルレート < 入力信号 > 時間軸 :100ns サンプル間隔 :2ns サンプル レート :500MS/s < 管面表示 > 500point/10div サンプル間隔 2ns この間隔が 2ns 時間軸 :1μs サンプル間隔 :20ns サンプル レート :50MS/s 500point/10div サンプル間隔 20ns この間隔が 20ns 時間軸 :10μs サンプル間隔 :200ns サンプル レート :5MS/s 500point/10div サンプル間隔 200ns この間隔が 200ns 47 オシロスコープ入門

(5) サンプリングの方法 実時間サンプリング (Real Time Sampling) 1 回の取込みでデータ ポイントを取る方法 ( 単発信号 繰り返し信号で使用可能 ) 等価時間サンプリング (Equivalent Time Sampling) 数回の取込みでデータ ポイントを取る方法 ( 繰り返し信号のみ使用可能 ) 1 回目 2 回目 3 回目 4 回目 メモリが埋まるまでサンプリングを繰り返します 48 オシロスコープ入門

(6) 垂直分解能 垂直 ( 電圧 ) 方向の細かさを表わす性能 単位 : ビット レベル (n ビット =2 n レベル ) 8div 256 レベル (8 ヒ ット ) 10.24div 1divあたり25レベルなのは 256レベルを8divで分割 (256/8=32) するのではなく 256レベルを10.24divで分割 (256/10.24=25) しているため 49 オシロスコープ入門

(7) レコード長 ( メモリ長 ) 同じ記録時間でも水平分解能を上げて見る ( 高速サンプル レート ) には長いメモリ長が必要です 単位 : ポイントメモリ長が1000ポイントの場合 1μs( サンプル間隔 ) 1000ポイント=1ms( 記録時間 ) 入力信号 サンプリング クロック 表示波形 メモリ長が100k(10 万 ) ポイントの場合 10ns( サンプル間隔 ) 100000ポイント=1ms( 記録時間 ) 入力信号 サンプリング クロック 表示波形 50 オシロスコープ入門

(8) デッド タイム 入力信号を取り込み処理し 表示するまでの時間デッド タイム中に入力された信号は表示できません デッド タイム ART DPO 管面表示 間欠的なパルス ( 異常パルス ) デッド タイム DSO 管面表示 入力信号をできる限り表示するために オシロスコープの選択 設定には気を付けましょう 51 オシロスコープ入門

(9) チャンネル数 チャンネル数と A/D コンバータの関係 複数チャンネル同時に使用しても最高サンプル レートは変わらない 同時に使用しているチャンネル数で最高サンプル レートが変わる 52 オシロスコープ入門

第 5 章 目次 (1) 遅延取込 (DELAY) 54 (2) ズーム 56 53 オシロスコープ入門

(1) 遅延取込 (DELAY) トリガ点より遅らせたところからの波形を 水平方向へ拡大 ( 高速サンプルで再取込みするため 実際に時間分解能が向上する ) 波形取込みを停止した後は拡大不可 この信号を拡大して観測したい 時間軸を速くするとトリガ点より拡大されてしまうので 見たい信号が管面から消えてしまう 観測したい信号が管面に表示される様に遅延時間を設定します 54 オシロスコープ入門

実習 遅延取込 データ ポイントを減らさずに任意の場所を拡大して観測しましょう [ 信号源との接続 ] CH1:TP4 [ オシロスコープの設定 ] 工場出荷時の初期設定 にします 1.00V/div 1.00μs/div トリガ レベル :2.50V クイックメニューから波形取込みの高速を選択します [ 操作手順 ] 1. で囲まれた信号のうち最も右端の波形を拡大して観測してみます 2. ボタンを押し Delayモードを解除 (LEDランプは消灯) 3. 波形を拡大するために時間軸を200ns/divにします ( 水平軸ポジションつまみを使用しても 観測したい波形が十分な大きさで画面に現れません ) 元の1μs/divに戻します 4. 遅延取込で見てみます を押します (LED ランプが点灯 ) 5. 画面の中央から拡大されますので も使用し 最も右端の波形を拡大して観測します (1μs~20ns/div) トリガ点からの遅延時間 55 オシロスコープ入門

(2) ズーム 波形を表示上拡大する機能 ( 実際の垂直 / 水平分解能は向上しない ) 波形取込みを停止した状態でも拡大可能 拡大 56 オシロスコープ入門

実習 ズーム 全体を見ながら一部分のみ拡大して 詳細を観測してみましょう [ 信号源との接続 ] CH1:TP4 [ オシロスコープの設定 ] 2.00V/div 1.00μs/div トリガ レベル :2.40V クイックメニューから波形取込みの高速を選択します ボタンを押し Delayモードを解除 ( LEDランプは消灯 ) [ 操作手順 ] 1. ボタンを押し 波形取込みを停止 2. を押すと管面が上下に 2 分割され 上部 [ ] 内が拡大され 下部に表示されます で拡大率 ([ ] の幅 ) を で拡大部分を変更できます 3. で垂直方向に拡大することもできます をもう 1 度押すと元に戻ります 57 オシロスコープ入門

第 6 章 目次 (1) ピーク ディテクト 60 (2) エンベロープ 62 (3) アベレージ 64 < 参考 > どのような処理をしているの? 66 (4) エイリアシング 68 (5)DSOでエイリアシングを防止するには 70 59 オシロスコープ入門

(1) ピーク ディテクト (Peak Detect) サンプル クロック間に発生した信号のピークを検出遅い時間軸でも高速なグリッチを的確に捉えることが可能 実際の信号 サンプル モード ピーク ディテクト モード グリッチがとれない サンプル クロック サンプル クロック 60 オシロスコープ入門

実習 ピークディテクト サンプル間に埋もれてしまうグリッチが捉えられていることを確認します [ 信号源との接続 ] CH1:TP15( 振幅が変化する信号です ) [ オシロスコープの設定 ] 工場出荷時の初期設定 にします 1.00V/div 20.0ms/div トリガ レベル :800mV [ 操作手順 ] 1. 波形表示を安定させるため高周波を除去します トリガ 2. ボタンを押します 結合 3. を選択 波形取込 4. ボタンを押します 高周波除去 モード 5. を選択 初期設定の サンプル モードで信号を観測します 6. ヒ ーク検出にモードを切り替えると グリッチが検出されていることが確認できます ( 波形輝度つまみで明るくします ) [ 参考 ] クイックメニュー でも波形取り込みモードの切り替えができます 61 オシロスコープ入門

(2) エンベロープ (Envelope) 複数回取り込んだ波形の最大値 最小値のみを表示ノイズなどの変動量を観測する際便利 1 回目の取り込み 2 回目の取り込み 3 回目の取り込み エンベロープ波形 62 オシロスコープ入門

実習 エンベロープ 指定した取込回数でのノイズの変動量を包絡線として表示されることを確認します [ 信号源との接続 ] CH1:TP15( 振幅が変化する信号です ) [ オシロスコープの設定 ] 1.00V/div 20.0ms/div トリガ レベル :800mV [ 操作手順 ] 波形取込 1. ボタンを押します 2. モードを選択 サンプル モードで 信号を観測します トリガ 3. ボタンを押します 結合 4. を選択 高周波除去 グリッチでトリガが不安定になるのをふせぎます 5. エンヘ ローフ にモードを切り替えると 信号の変動量が蓄積され 観測できます で 波形取込回数を設定可能 回数は 2 回から まで設定することができます [ 参考 ] クイックメニュー でも波形取り込みモードの切り替えができます 63 オシロスコープ入門

(3) アベレージ (Average) 複数回取り込んだ波形の平均値を表示するランダム ノイズを除去し 垂直分解能が向上 64 オシロスコープ入門

実習 アベレージ 指定した取込回数での平均化した波形を確認します [ 信号源との接続 ] CH1:TPA [ オシロスコープの設定 ] 工場出荷時の初期設定 にします (P6 参照 プローブのフックチップをはずしてください ) 200mV/div 100μs/div トリガ レベル :800mV [ 操作手順 ] 1. 波形が不安定の場合は トリガ カップリングを高周波除去にします 波形取込 2. ボタンを押します モード 3. を選択 サンプル モードで信号を観測します 4. アヘ レーシ にモードを切り替えると 信号のノイズが平均化されました で 波形取込回数を設定可能 回数は2 回から512 回 ( 機種により異なる ) まで設定することができます [ 参考 ] クイックメニュー でも波形取り込みモードの切り替えができます ( 実習が終りましたら トリガ カップリングを DC 結合に戻します ) 65 オシロスコープ入門

< 参考 > どのような処理をしているの? 一般的なオシロスコープの場合 時間軸の設定に伴いサンプル レートが変わります しかし最新のオシロスコープの中には最も高速なサンプル レートで常にサンプリングを行っているものがあります しかしメモリに格納し表示するサンプル ポイントは 時間軸とメモリ長によって決められたものとなり 下図の様な処理を行っています 下図の一区切りをサンプル インターバルといい そのインターバルの中のポイント数はその時の時間軸の設定により変わります 遅い時間軸 インターバル内のポイント数が多い速い時間軸 インターバル内のポイント数が少ない サンプル モード ( 通常のモード ) インターバル内の一番左端のサンプル ポイントのみメモリに格納します サンプル インターバル 内部でデジタイズされたサンプル ポイント 画面表示されたサンプル ポイント アベレージ モードサンプル モードと同じポイントを保存します 信号が繰り返し入力されることにより平均を演算します 単発信号 (1 回 ) では平均することはできません ハイレゾ (Hi-Res) モード各インターバル内で平均を取り その平均値をメモリに格納しますノイズの多い単発信号でもノイズを除去することができます サンプル インターバル 内部でデジタイズされたサンプル ポイント 画面表示されたサンプル ポイント 66 オシロスコープ入門

< 参考 > どのような処理をしているの? エンベロープ モード 2 つのインターバルを 1 組と考え その中で最大 最小ポイントのみをメモリに格納します 指定した回数分の波形を取込み 重ねて表示していきます サンプル インターバル 内部でデジタイズされたサンプル ポイント 画面表示されたサンプル ポイント ピーク ディテクト ( ピーク検出 ) モード 2 つのインターバルを 1 組と考え その中で最大 最小ポイントのみをメモリに格納します サンプル モードでは取りこぼしてしまうピークを見つけだしてくれます サンプル インターバル 内部でデジタイズされたサンプル ポイント 画面表示されたサンプル ポイント 67 オシロスコープ入門

(4) エイリアシング DSO を使用した時 信号周波数とサンプル レートの関係により表示される 偽り の波形 入力信号 サンプル クロック 表示波形 ( エイリアシング ) エイリアシングにならないためには信号周波数に対して 2 倍を越える速さでサンプリングする 例 :1MHz の信号ならば 2MS/s を越えるサンプル レートにする 68 オシロスコープ入門

(4) エイリアシング サンプル モードと比較してエンベロープ ピーク ディテクト モードに切り替えると 波形が大きく異なるので識別できます エイリアシングの状態 ( サンプル モード使用 ) エイリアシングを確認 ( ピーク ディテクト モード使用 ) 波形が大きく異なります エイリアシングでなければ エンベロープ ピーク ディテクト モードを使用しても 波形が上図の様に大きく異なることはありません 69 オシロスコープ入門

(5)DSO でエイリアシングを防止するには 速い時間軸から遅い時間軸にする ( 例 :ns/div μs/div ms/div) サンプル モードをノーマル モードではなくピークディテクトまたはエンベロープにして 波形が大きく異ならないか確認する Auto Setup 機能を使う 70 オシロスコープ入門

第 7 章 目次 (1) 測定についての注意 72 (2) 波形パラメータ 73 (3) カーソルと自動測定について 74 (4) 演習問題 75 71 オシロスコープ入門

(1) 測定についての注意 管面一杯に測定したい部分の波形を拡大しましょう エラーメッセージに気を付けましょう 立上り時間を測定する際 立上り部分を水平方向に拡大 ( 時間軸を速い設定 ) しましょう 72 オシロスコープ入門

(2) 波形パラメータ オーバーシュート 周期 100% 90% トップ ライン 50% パルス幅 振幅 P-P 最大値 10% 0% ベース ライン GND 立上り時間 立下り時間 オフセット 最小値 ベース ライン 信号の下のレベルで安定しているところ(0%) トップ ライン 信号の上のレベルで安定しているところ(100%) 振幅 ベース ラインからトップ ラインまでの電圧オフセット GNDレベルからベース ラインまでの電圧立上り時間 振幅の10% から90% に達するまでの時間立下り時間 振幅の90% から10% に達するまでの時間周期 振幅の50% を基準にして 次の繰り返しの同一ポイントまでの時間 ( 周波数 =1/ 周期 ) パルス幅 振幅の50% から50% までの時間 ( 正 負あり ) 最大値 GNDから信号の一番高い電圧までの値最小値 GNDから信号の一番低い電圧までの値 P-P =Peak to Peak 最大値から最小値を引いた電圧値 73 オシロスコープ入門

(3) カーソルと自動測定について カーソルの使い方 カーソル 機能 水平ハ ー + = Δ V 選択 クイックメニュー でも選択できます 自動測定の使い方 波形測定 測定項目の選択 振幅 = Δ V 測定値の下にエラーメッセージが出ると その値は正しくありませんメッセージが消えるようにオシロスコープの設定を変えてください 74 オシロスコープ入門

(4) 測定問題 1. プローブ補正用信号 ( オシロスコープ本体 ) a. 振幅 V b. 周波数 Hz c. 立上り時間 (10%~90%) s 2.TP4 周期 s モード を使用すると エラーメッセージが消えます 3.TP4 バースト幅 s この幅を測定 75 オシロスコープ入門

(4) 測定問題 4.TP15 ピーク - ピーク V モード を使用し できるだけデータを蓄積させて観測しましょう トリガ結合は を使用します 5.TP5 印の負パルス幅 s を使えば 任意の場所を自動測定できます 76 オシロスコープ入門

付録 目次 (1) 設定 波形の保存 呼出し 消去 78 (2) クイック メニュー 79 (3) プローブの種類 80 (4) グランド リードの長さによる信号表示の変化 81 オシロスコープ用語集 82 77 オシロスコープ入門

(1) 設定 波形の保存 呼出し 消去 設定の保存 呼出し方法 保存 / 呼出 設定の保存 設定の呼出 設定 設定 オシロスコープ本体に 10 設定まで保存できます 波形の保存 呼出し方法 保存 / 呼出 波形の保存 波形の呼出 Ref Ref に オシロスコープ本体に 4 波形まで保存できます 設定 波形の消去方法 ユーティリティ TekSecure メモリ消去 OK 工場出荷時設定呼出以外の保存されている設定 波形を一括消去できます 78 オシロスコープ入門

(2) クイックメニュー 良く使用する操作個所を 1 つにまとめたメニューです クイックメニュー クイックメニューツリー 垂直軸 結合:DC/AC/ グランド 入力抵抗:1MΩ/50Ω 帯域制限: 全帯域 /20MHz ( 機種によって異なります ) 波形取り込み 水平分解能: 高速 / ノーマル モード: サンプル / ピーク / アベレ-ジ / エンベロープアベレージとエンベロープは汎用ノブで取り込み回数を指定可能 カーソル カーソル: オフ / 水平 / 垂直 トリガ Aトリガの種類: エッジ / ビデオ ( 機種によって異なります ) モード: オート / ノーマル ソース:Ch1/Ch2/Ch3/Ch4/ 切替 / 外部 / 外部 /10/AC 電源 ( 機種によって異なります ) 結合:DC/ ノイズ / 高周波除去 / 低周波除去 スロープ: 立上り / 立下り 79 オシロスコープ入門

(3) プローブの種類 汎用受動プローブ 最も一般的に使用されているプローブ 安価 機械的に強い 受動プローブ Passive Probe ±400V 程度までの広い電圧範囲に対応 高電圧受動フ ローフ 電圧プローブ Voltage Probe 高い減衰比を持ったプローブ FET プローブ プローブ (Probe) 能動プローブ Active Probe FET などの回路素子を利用することにより 信号を減衰させずに高インピーダンス 低入力容量を実現したプローブ 差動プローブ Differential Probe 同相信号除去を目的としたプローブで 差動信号のシングルエンド化をプローブ内で行う 電流プローブ Current Probe 受動プローブ Passive Probe 能動プローブ Active Probe 受動電流プローブ 電流を測定をするプローブアンプが付いていない 能動電流プローブ 電流を測定をするプローブアンプが付いている 80 オシロスコープ入門

(4) グランド リードの長さによる信号表示の変化 グランド リードにより 信号にリンギングがのってしまいます できるだけグランド リードは短く使用します TP16 と回路ボード コネクタで違いを確認できます グランド リードが長い場合 グランド リードが短い ( 使わない ) 場合 やり方 : フック チップを外し 回路ボード コネクタにピンをさします 81 オシロスコープ入門

オシロスコープ用語集 <ア> AC 結合 (AC Coupling) 交流成分のみを回路に結合する方法 A/Dコンバータ アナログ信号をデジタル信号に変換する素子 A / D 変換とは標本化 量子化 コード化を経てデジタル 信号にすること ECL(Emitter Coupled Logic) ロジックICを構成する基本回路の一種 FFT(Fast Fourier Transform) 高速フーリエ変換の意 ( 周波数分析に利用される ) FET(Field Effect Transistor) 電界効果トランジスタの意 HF-REJカップリング 高周波除去結合 (High Frequency Reject Coupling) LF-REJカップリング 低周波除去結合 (Low Frequency Reject Coupling) IEEE 米国の電気電子技術者協会 (Institute of Electrical and Electronic Engineers) LSB(Least Significant Bit) 最下位のビット MSB(Most Significant Bit) 最上位のビット X-Y 表示 CH 1の信号を水平増幅回路に接続し CH 2の信号を垂 直増幅回路に接続した時の表示 (2 信号の位相比較などに使用 ) アクイジション 取込みのこと (Acquisition) アッテネータ 減衰器 ( 電圧や電流を正確な比率で減衰させる素子 ) アップデート レート =アクイジション レート アベレージング 平均化の意 ( 指定した回数取込んだ波形データの平均 値のみを表示する機能 ランダムノイズを除去することが できる ) アナログ リアルタイム オシロスコープ (Analog Real Time Oscilloscope =ART) 電子ビームを掃引させることにより表示するオシロスコー プ イクイバレントタイム サンプリング (Equivalent Time Sampling) = 等価時間サンプリング インターポレーション = 補間 (Interpolation) エイリアシング 入力信号の周波数成分の2 倍以下でサンプリングし時に 現れる偽りの波形 (DSOのみ DPOでは起こらない ) エッジ トリガ トリガタイプの1 種 設定したスロープの立上りエッジ ま たは立下りエッジでトリガします エンベロープ 包絡線の意 ( 波形データの最大値と最小値を表示する機 能 ) オートセット アップ 入力信号を検知し 電圧軸 時間軸 トリガ等の設定を自 動的に設定し波形を表示する機能 オート トリガ 入力信号とは無関係にトリガ信号を自動的に発生させる モード 82 オシロスコープ入門

オシロスコープ用語集 オーバー ドライブ ある入力許容範囲を越えて動作させることオシロスコープ固有の立上り時間 オシロスコープに立上り時間 0 秒のパルス波を入たした時の表示波形の立上り時間 To(s)=0.35/f(Hz) * f= 周波数帯域 To=オシロスコープの固有の立上り時間 <カ> ガウシャン カーブ 統計学に使用される正規分布の曲線 カップリング 結合の意 ( 入力 トリガカップリング等がある ) キャリブレータ出力 オシロスコープから出力されている校正用の信号 ( プローブの補正で使用される ) グリッチ 非常に幅の細いひげ状の信号 グリッチ トリガ トリガタイプの1 種 正 負または正負のいずれかの指定 した時間幅以下 または以上のグリッチを検出するとトリガします ゲート測定 限られた領域のみを自動測定すること コード化 ( 符号化 ) 標本化 量子化されたデータを二進数に変換すること コミュニケーション トリガ トリガタイプの1 種 デジタル通信信号のようなシリアル データのパターンが設定されたパターンと一致した場合を 検出してトリガをかけます <サ> CRT(Cathode Ray Tube) 陰極線管 ( ブラウン管 ) GPIB(General Purpose Interface Bus) 8ビットのパラレル インタフェース 国際規格で決められている通信手段の一種 サイン補間 表示に必要なデータ ポイントが足りない場合 サンプリン グで得られたデータとデータの間をsinx/xを関数として 演算し データを補う方法の1つ ( 他 : 直線補間 ) サンプル ( サンプリング ) 標本化の意 (A/D 変換するため離散的な値とすること ) サンプル インターバル サンプル間隔の意 ( サンプルするクロック信号の周期 ) サンプリング周波数 サンプルするクロック信号の周波数 サンプル クロックが 高速になるほど時間分解能は向上する サンプル レート 時間軸方向のサンプリングの細かさを表わす単位 ( 単位 : サンプル / 秒 ) 1 秒間での取込んだデータ ポイント数で表わされる 実効ストレージ周波数帯域 設定した時のサンプル レートで波形を再現できる限界 周波数 (Useful Storage Bandwidth =USB) 実効ストレージ立上り時間 設定した時のサンプル レートで再現できる限界の立上り 時間 (Useful Storage Rise Time =USR) 実時間サンプリング 入力アナログ波形に対し1 回の取込みで設定した (Real Time Sampling) サンプル間隔に基づいてサンプリングする方式 83 オシロスコープ入門

オシロスコープ用語集 周波数帯域 入力信号をどこまで歪になく増幅できるかという性能 通常 出力電圧が入力信号の電圧と比較して-3dB (70%) になる点の周波数までの帯域幅のことをいう垂直分解能 電圧軸方向のサンプリングの細かさを表わす ( 単位 : ビット ) nビット=2 n レベルに量子化されるステート トリガ トリガタイプの1 種 最大 3チャンネルまでのブール関数が真のときに1つのチャンネルのトランジションでトリガしますストレージ 蓄積するの意スムージング アベレージと同様に表示波形を平均化しノイズを取り除く機能 1 回の波形取込みで数ポイントづつ移動平均するため 単発信号に利用できる サンプリング速度が遅い時は効果を発揮せずセットアップ / ホールド トリガ トリガタイプの1 種 クロックとデータ入力間のセットアップ時間 ホールド時間の違反を検出するとトリガします セットアップ / ホールド時間は負の値も設定できますセルフ テスト 自己診断機能掃引 (Sweep) 電子ビームを左から右へ ( 水平方向 ) に移動させること < タ > db( デシベル ) 対数で倍率を表現した単位 2つの電力 P2 P1の比 P2/P1を対数で示したlog(P2/P1) をベル B で表わすその1/10のデシベルを使うことが多い 10log(P2/P1)=デシベル db * 電圧デシベルは20log 直流および交流成分を回路に結合する方法 DC 結合 (DC Coupling) TTL (Transistor-Transistor Logic) ロジック回路を構成する基本回路の一種帯域制限 (Bandwidth Limit) オシロスコープ自体の周波数帯域を( フィルタを通し ) 制限して使用する機能タイムアウト トリガ トリガタイプの1 種 無信号のまま 正または負の指定した時間幅を越えるとトリガします立上り時間 (Rise Time) パルス波のベースラインからトップラインまでを100% とした時の10% から90% に到達するまでの時間遅延掃引 観測波形のトリガ点からある時間経過した任意の1 部分を拡大表示する機能 直線補間 表示に必要なデータ ポイント数が足りない場合 サンプリングで得られたデータとデータの間を直線的に演算しデータを補う方法 ( 他 : 補間 ) デジタル ストレージ オシロスコープ (Digital Storage Oscilloscope =DSO) 入力信号をデータに変換 保存して波形表示するオシロスコープ波形データ転送 単発波形の観測などが容易にできる 84 オシロスコープ入門

オシロスコープ用語集 デジタル フォスファ オシロスコープ (Digital Phosphor Oscilloscope =DPO) DSOより高速に波形処理ができ デジタルの利便性を持ち3 次元処理により波形表示はARTの様になるオシロスコープデッド タイム 1 度波形を取込み後 次波形の取込みを開始するまでの時間 デジタルのオシロスコープで内部処理にかかる時間伝播遅延時間 ロジックのデバイスゲートに入力されて出力されるまでの時間等価時間サンプリング 実時間サンプリングでは十分にサンプリングできない高速 (Equivalent Time Sampling) な信号をデジタル化するために複数回取込むことによって 1つの波形を作り上げるサンプリング方式 繰り返し信号のみ有効トランジション トリガ トリガタイプの1 種 指定された時間以下 あるいは以上の信号の正または負のエッジを検出するとトリガしますトリガ (Trigger) ( 銃の引き金からきた言葉 ) 波形を表示するきっかけとなる <ナ> ナイキストのサンプリング定理 入力アナログ信号 ( サイン波 ) の2 倍を超える周波数でサン プリングすれば元の波形に再生することができるという定 理 (= 元の波形に再生できる周波数はサンプリング周波数 の1/2の周波数まで ) ナイキスト周波数 サンプリング周波数の1/2の周波数のこと 入力カップリング 入力信号のどの成分をオシロスコープ内部に結合するかを選択する部分 通常はAC GND DC 結合がある <ハ> パーセプチャル エイリアシング 人間の眼の錯覚で起こるエイリアシングのこと パターン トリガ トリガタイプの1 種 すべての入力チャンネルの論理的な組 合せが選択した論理条件と一致あるいは不一致を指定し た時間検出するとトリガします パルス幅トリガ トリガタイプの1 種 正または負のパルス幅が指定した範囲 内 あるいは範囲外にあるとトリガします ピーク ディテクト ( 検出 ) サンプル間の最大値と最小値を捕らえて表示する機能 サンプル レートが遅くとも通常捕らえられない高速なグリッ チを捕らえることが可能 フォスファ (Phosphor) 蛍光体のこと フォスファにより3 次元表示を可能とする プリトリガ トリガ以前の現象 ポイント メモリ長の単位 ポストトリガ トリガ以降の現象 補間 (Interpolation) 表示に必要なデータ ポイント数が足りない時に演算してデータを補う機能のこと ( サイン補間 直線補間 ) 85 オシロスコープ入門

オシロスコープ用語集 <マ> マイクロプロセッサ ソフトウェアに基づいて制御及び処理を行うLSI メモリ長 データを記録 ( 蓄積 ) できる量 <ヤ> USB(Useful Storage Bandwidth) = 実効ストレージ周波数帯域 USR(Useful Storage Rise time) = 実効ストレージ立上り時間 <ラ> ラント トリガ トリガタイプの1 種 2つのスレッショルドの片方を横切ってから残りの一方を横切る前に 最初に横切ったスレッショルドを再度横切った 指定した幅のパルスを検出するとトリガしますリアルタイム サンプリング = 実時間サンプリング (Real Time Sampling) リファレンス メモリ 波形データを保存しておくメモリのこと 86 オシロスコープ入門

Copyright (C) Tektronix Japan, Ltd. All rights reserved 本テキストの無断複製 転載を禁じます発行 :2004 年 5 月日本テクトロニクス株式会社