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301226更新 (薬局)平成29 年度に実施した個別指導指摘事項(溶け込み)

第3章 指導・監査等の実施

薬事法における病院及び医師に対する主な規制について 特定生物由来製品に係る説明 ( 法第 68 条の 7 平成 14 年改正 ) 特定生物由来製品の特性を踏まえ 製剤のリスクとベネフィットについて患者に説明を行い 理解を得るように努めることを これを取り扱う医師等の医療関係者に義務づけたもの ( 特

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Microsoft Word _正当理由通知(薬局医薬品) (反映)

3 薬局サービス等 (1) 健康サポート薬局である旨の表示 健康サポート薬局 である旨を表示している場合 健康サポート薬局 とは かかりつけ薬剤師 薬局としての基本的な機能に加えて積極的な健康サポート機能 ( 地域住民による主体的な健康の維持 増進を支援する機能 ) をする薬局をいいます (2) 相

( 様式第 6) 病院の管理及び運営に関する諸記録の閲覧方法に関する書類 病院の管理及び運営に関する諸記録の閲覧方法 計画 現状の別 1. 計画 2. 現状 閲 覧 責 任 者 氏 名 閲 覧 担 当 者 氏 名 閲覧の求めに応じる場所 閲覧の手続の概要 ( 注 ) 既に医療法施行規則第 9 条の

政策課題分析シリーズ14(本文4)

により算定する ただし 処方せんの受付回 数が 1 月に 600 回以下の保険薬局を除く により算定する 注の削除 注 4 別に厚生労働大臣が定める施設基準に適合 ( 削除 ) しているものとして地方厚生局長等に届け出た保険薬局において調剤した場合には 基準調剤加算として所定点数に32 点を加算する

001

政策課題分析シリーズ14(本文2)

平成 30 年度調剤報酬改定に係る 都薬によくある問い合わせ ( 平成 28 年 ) 調剤基本料 1 ( 平成 30 年 ) 調剤基本料 1 の場合は提出不要 様式 87 の 3 地域支援体制加算の施設基準に係る届出書添付書類 2 麻薬小売業者免許証の番号 ( 届出する全薬局 ) 該当番号を記載 3

健康サポート薬局の届出に係る添付書類ひながた ( 参考様式 ) ~ 目次 ~ Ⅰ かかりつけ薬局の基本的機能に関する書類別添 1 省令手順書の記載が確認できる書類別添 2 勤務表別添 3 お薬手帳の意義 役割及び利用方法の説明又は指導のための資料別添 4 かかりつけ薬剤師 薬局の意義及び役割等の説明

2 保険者協議会からの意見 ( 医療法第 30 条の 4 第 14 項の規定に基づく意見聴取 ) (1) 照会日平成 28 年 3 月 3 日 ( 同日開催の保険者協議会において説明も実施 ) (2) 期限平成 28 年 3 月 30 日 (3) 意見数 25 件 ( 総論 3 件 各論 22 件

在宅医療の現状と課題

山梨県地域医療再生計画 ( 峡南医療圏 : 救急 在宅医療に重点化 ) 現状 社保鰍沢病院 (158 床 ) 常勤医 9 名 実施後 社保鰍沢病院 峡南病院 (40 床 ) 3 名 市川三郷町立病院 (100 床 ) 7 名 峡南病院 救急の重点化 県下で最も過疎 高齢化が進行 飯富病院 (87 床

愛知県アルコール健康障害対策推進計画 の概要 Ⅰ はじめに 1 計画策定の趣旨酒類は私たちの生活に豊かさと潤いを与える一方で 多量の飲酒 未成年者や妊婦の飲酒等の不適切な飲酒は アルコール健康障害の原因となる アルコール健康障害は 本人の健康問題だけでなく 家族への深刻な影響や飲酒運転 自殺等の重大

地方消費者行政強化作戦 への対応どこに住んでいても質の高い相談 救済を受けられる地域体制を整備し 消費者の安全 安心を確保するため 平成 29 年度までに 地方消費者行政強化作戦 の完全達成を目指す < 政策目標 1> 相談体制の空白地域の解消 全ての市町村に消費生活相談窓口が設置されており 目標を

「患者のための薬局ビジョン」実現のためのアクションプラン検討委員会報告書(報告書本編)

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3 医療安全管理委員会病院長のもと 国府台病院における医療事故防止対策 発生した医療事故について速やかに適切な対応を図るための審議は 医療安全管理委員会において行うものとする リスクの把握 分析 改善 評価にあたっては 個人ではなく システムの問題としてとらえ 医療安全管理委員会を中心として 国府台

I

2 院内処方 ( 入院外 投薬 ) 及び院外処方 ( 薬局調剤 ) における薬剤点数薬剤点数階級別件数の構成割合を入院外の投薬 ( 以下 院内処方 という ) 薬局調剤( 以下 院外処方 という ) 別にみると ともに 500 点未満 が最も多く それぞれ 67.0% 59.4% となっている また

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4 研修について考慮する事項 1. 研修の対象者 a. 職種横断的な研修か 限定した職種への研修か b. 部署 部門を横断する研修か 部署及び部門別か c. 職種別の研修か 2. 研修内容とプログラム a. 研修の企画においては 対象者や研修内容に応じて開催時刻を考慮する b. 全員への周知が必要な


Point

資料 1 薬の処方せんの使用期間の徒過の防止について 現状 処方せんの使用期間は 交付の日を含めて 4 日以内 ただし 特殊の事情があると認められる場合は 医師の判断により延長が可能 医療機関が用いる処方せんの使用期間欄の記載は 文字が小さく患者が見落としやすい 処方せんに使用期間を記載すること以外

都道府県単位での肝炎対策を推進するための計画を策定するなど 地域の実情に応じた肝炎対策を推進することが明記された さらに 近年の状況等を踏まえ 平成 28 年 6 月に基本指針の改正を行い 肝炎対策の全体的な施策目標を設定すること等が追記された 都は 肝炎をめぐる都内の状況や基本指針の改正を踏まえ

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こうすればうまくいく! 薬剤師による処方提案

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地域医療構想の概要 1 地域医療構想の位置づけ 平成 25 年 3 月に 医療法に基づき 本県の疾病対策及び医療提供体制の基本方針である第 6 期岐阜県保健医療計画を策定した 平成 27 年 4 月に施行された改正医療法に基づき 保健医療計画の一部として 将来 (2025 年 ) あるべき医療提供体

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3 電子情報処理組織の使用による請求又は光ディスク等を用いた請求により療養の給付費等の請求を行うこと ( 以下 レセプト電子請求 という ) が義務付けられた保険医療機関 ( 正当な理由を有する400 床未満の病院及び診療所を除く なお 400 床未満の病院にあっては 平成 27 年度末までに限る

子宮頸がん予防措置の実施の推進に関する法律案要綱

京都府がん対策推進条例をここに公布する 平成 23 年 3 月 18 日 京都府知事山田啓二 京都府条例第 7 号 京都府がん対策推進条例 目次 第 1 章 総則 ( 第 1 条 - 第 6 条 ) 第 2 章 がん対策に関する施策 ( 第 7 条 - 第 15 条 ) 第 3 章 がん対策の推進

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に効果のあった医療機関及び薬局での事例 ( 学会ガイドライン STOPP クラ イテリア プレアボイド等 ) の収集と分析を行う必要がある 2. 高齢者の多剤服用 ( ポリファーマシー ) 対策のためのガイドライン等 高齢者の薬物動態等を踏まえた投与量の調整 ( 止めどき 減らしどき ) や薬物相互

3 歯科医療 ( 救護 ) 対策 管内の歯科医療機関の所在地等のリスト整理 緊急連絡網整備 管内の災害拠点病院 救護病院等の緊急時連絡先の確認 歯科関連医薬品の整備 ( 含そう剤等 ) 自治会 住民への情報伝達方法の確認 病院及び歯科診療所での災害準備の周知広報 - 2 -

患者のための薬局ビジョン 実現のための アクションプラン検討委員会報告書 ~ かかりつけ薬剤師 薬局となるための具体的な取組集 ~ 平成 29 年 3 月 31 日 患者のための薬局ビジョン 実現のための アクションプラン検討委員会

④資料2ー2

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1 1 調査の目的 調査の概要 1 平成 28 年 4 月より レセプトの電子請求を行っている保険医療機関及び保険薬局について 公費負担医療に係る給付により自己負担がない患者 ( 全額公費負担の患者を除く ) から求めがあった場合にも明細書の発行が義務づけられたことを踏まえ 保険医療機関 保険薬局及


01 【北海道】

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査を実施し 必要に応じ適切な措置を講ずること (2) 本品の警告 効能 効果 性能 用法 用量及び使用方法は以下のとお りであるので 特段の留意をお願いすること なお その他の使用上の注意については 添付文書を参照されたいこと 警告 1 本品投与後に重篤な有害事象の発現が認められていること 及び本品

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■● 糖尿病

更に検討が必要な事項等 ( 抜粋 ) 平成 30 年 9 月 28 日第 6 回医薬品医療機器制度部会資料 2( 抜粋 ) テーマ 3 薬局 薬剤師のあり方 医薬品の安全な入手 (1) 医薬分業とかかりつけ薬剤師 薬局について 処方箋受取率が 70% を超えて医薬分業が進展し 医療保険では調剤医療費

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下の図は 平成 25 年 8 月 28 日の社会保障審議会介護保険部会資料であるが 平成 27 年度以降 在宅医療連携拠点事業は 介護保険法の中での恒久的な制度として位置づけられる計画である 在宅医療 介護の連携推進についてのイメージでは 介護の中心的機関である地域包括支援センターと医療サイドから医

保険薬局の薬剤師による 在宅医療とは 急激に進む高齢化社会と相次ぐ医療 介護制度の改正により ご自宅や施設で医療を受ける患者様がますます増えてきています このような背景のもと 処方箋を受け付けた薬局の薬剤師が 調剤したお薬を持ってご自宅や施設に直接お伺いし お薬の服用方法を説明するものです この際に

2 成分が同一の剤形変更 例 タケプロンOD 錠 15mg タケプロンカプセル 15mg ユリーフOD 錠 4mg ユリーフ錠 4mg コカールドライシロップ 40% カロナール細粒 20% ( 粉砕 ) レボフロキサシン錠 500mg レボフロキサシン細粒 10% 患者に説明 ( 価格 服用方法等

本院における「医療にかかる安全管理のための指針」(以後指針と記載する)を周知していただくために下記の質問への回答をお願い致します

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居宅介護支援 契約時の説明について問 131 今回の改正により 利用者の意思に基づいた契約であることを確保するため 利用者やその家族に対して 利用者はケアプランに位置付ける居宅サービス事業所について 複数の事業所の紹介を求めることが可能であること等を説明することを義務づけ それに違反した場合は報酬が

かかりつけ薬剤師について 新 かかりつけ薬剤師指導料 70 点 かかりつけ薬剤師 薬局の評価一元的 継続的な服薬管理の評価 主な算定要件 患者の同意が必要 同意を得た次の来局時以降に算定可能となる 患者の署名付きの同意書を作成した上で保管し 患者の薬剤服用歴にその旨を記載すること 患者 1 人に対し

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第三者評価結果表 施設名救護施設下関梅花園 評価対象 Ⅰ 福祉サービスの基本方針と組織 評価項目 a b c Na 判断の理由 1 理念 基本方針 (1) 理念 基本方針が確立されている 1 理念が明文化されている 理念は明文化され 法人の中長期計画や事業団ホームページ上にも記 載されており その内

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2. 検討 ~ 医療に関する事故の特殊性など (1) 医師等による医療行為における事故 医師等が患者に対してどのような医療行為を施すべきかという判断は 医師等の医学的な専門知識 技能に加え 医師等の経験 患者の体質 その時の患者の容態 使用可能な医療機器等の設備等に基づきなされるものである ( 個別

第 2 章計画の推進及び進行管理 1 計画の推進 県 市町村及び県民が 関係機関等と相互に連携を図りながら 県民の歯 口腔の健康づくりを推進します 県における推進 (1) 全県的な推進 県全域の課題を踏まえた基本的施策や方向性を示すとともに 取組の成果について継続的な評価を行い 県民の生涯を通じた歯

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に 正当な理由がない限り無償で交付しなければならないものであるとともに 交付が義務付けられている領収証は 指定訪問看護の費用額算定表における訪問看護基本療養費 訪問看護管理療養費 訪問看護情報提供療養費及び訪問看護ターミナルケア療養費の別に金額の内訳の分かるものとし 別紙様式 4を標準とするものであ

医療法人高幡会大西病院 日本慢性期医療協会統計 2016 年度

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資料 1-2 高齢者の医薬品適正使用の指針 ( 総論編 ) ( 案 ) お寄せいただいたご意見の概要とご意見に対する考え方 意見件数 :24 件 意見の概要に記載された内容は 基本的にいただいたご意見から抜粋したものですが 明らかな誤字や変換ミス等については 修正しております No. ご意見の内容

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資料 4 医療等に関する個人情報 の範囲について 検討事項 医療等分野において情報の利活用と保護を推進する観点から 医療等に関する個人情報 の範囲をどのように定めるべきか 個別法の対象となる個人情報としては まずは 医療機関などにおいて取り扱われる個人情報が考えられるが そのほかに 介護関係 保健関

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第 6 章 医療提供体制の整備

第 1 節安全 安心な医療の提供 1 医療の安全確保 1 現状と課題 (1) 医療安全相談体制等 現 状 課 題 県庁に 医療安全支援センター を設置するとともに 保健所に医療安全相談窓口を設置し 患者 家族等からの苦情 相談への対応や相談内容等の医療機関への情報提 医療提供者と受療者間の問題解決が円滑に行えるよう 医療安全支援センターや医療安全相談窓口において 適切な相談対応や助言 情報提供等を行う必要があります 供を行っています 相談内容は 医療機関 職員の態度 言動に関するもの 診断 治 療への不信等に関するものが多い傾向にあ ります ( 図表 6-1-1-1 図表 6-1-1-2) 医療施設の開設者や管理者は 患者や家族からの相談に適切に応ずるよう努める必要 医療施設における相談窓口の自主的な設置を促進する必要があります がありますが 病院における相談窓口設置 割合は91.4% となっています ( 平成 29 (2017) 年 4 月末現在 ) 病院が提供する医療サービスについて 公益財団法人日本医療機能評価機構等が第三 病院機能評価 の受審を促進するとともに 認定結果の周知を図る必要があります 者の立場で行う 病院機能評価事業 が実 施されており 56 病院が評価認定を受け ています ( 平成 29(2017) 年 4 月現在 ) 第 6 章 医療提供体制の整備 図表 6-1-1-1 医療安全相談件数の推移 ( 単位 : 件 ) H23 H24 H25 H26 H27 H28 年度 (2011) (2012) (2013) (2014) (2015) (2016) 件数 556 565 491 594 564 579 ( 資料 : 岡山県医療推進課 ) 図表 6-1-1-2 医療相談の相談内容の推移 ( 単位 : 件 ) 区 分 H23 H24 H25 H26 H27 H28 (2011) (2012) (2013) (2014) (2015) (2016) 職員の態度 言動 274 272 252 365 268 282 診断 治療への不信等 57 26 24 29 89 59 診療報酬 自己負担等 28 25 25 18 16 30 院内感染 医療事故等 24 39 23 16 23 27 その他 173 203 167 166 168 181 合 計 556 565 491 594 564 579 ( 資料 : 岡山県医療推進課 ) 69

(2) 医療の安全確保対策 現状課題 病院 診療所 助産所の管理者は 医療安全対策や院内感染防止対策 医薬品や医療機器に係る安全管理体制の確保などに関し 安全管理のための指針整備や職員に対する研修の実施 安全確保を目的とした改善のための方策等を実施する必要があり 県では 医療法に基づく立入検査時にその状況を確認しています 平成 27(2015) 年 10 月に施行された医療事故調査制度について 関係機関へ制度の周知を図っています 〇近年 美容医療サービス等について ホームページ上に不適切な記載があるとの情報や医療を受ける者の理解と同意が十分に得られていないことに起因する苦情等が寄せられています 医療機関等において 管理者はもとより職員も含め 施設をあげて医療安全対策や院内感染対策等に積極的に取り組むよう支援し 医療安全対策等の充実を図る必要があります 〇美容医療サービス等を行う医療機関のホームページ等について 適切な指導等を行う必要があります また 医師 歯科医師等の医療の担い手は 医療を提供するに当たり 適切な説明を行い 医療を受ける者の理解を得るよう努める必要があります 2 施策の方向 項目施策の方向 医療安全相談体制等 医療の安全確保対策 医療安全支援センターや保健所の医療安全相談に対応する職員の資質向上に努め 適切な相談対応や助言を行うことで 患者 家族等の不安の解消や 患者と医療機関との信頼関係の構築を推進します すべての病院に相談窓口が設置されるよう 医療機関の開設者や管理者に設置を働きかけるなど 患者や家族からの相談に適切に応ずる体制の充実を図ります 関係団体等と連携しながら 病院機能評価 の受審を促進し 認定施設数の増加を図ります また 認定施設について県ホームページで周知を図ります 医療機関への立入検査等を通じて 医療安全対策などの安全管理体制の確保状況を把握し 医療機関における自主的な取組を促進するとともに 医療機関職員に対する研修の実施や相談対応 助言等を行い 医療安全対策の一層の充実強化を図ります また 院内感染や医療事故に関する情報等を医療関係団体等を通じて迅速に周知します 〇美容医療サービス等について 医療安全支援センターに寄せられた情報を活用するとともに 消費者行政担当部署とも連携しながら必要な指導等を行います 70

3 数値目標 項 目 現 状 149 病院 91.4% 病院における相談窓口設置割合 H29.4 (2017) 34.4% 病院における第三者評価機構 (56 病院 ) (( 公財 ) 日本医療機能評価機構等 ) による H29.4 認定病院割合 (2017) 平成 35 年度末目標 (2023) 全病院 100% 全病院の50% (82 病院 ) 第 6 章 医療提供体制の整備 71

2 医療機能情報の提供 1 現状と課題 現 状 課 題 医療を受ける者が保健医療サービスの選択を適切に行うことができるよう 病院等 ( 病院 診療所 助産所 薬局 ) は その有する機能を県に報告し 県では おかやま医療情報ネット により インターネット すべての医療機関等に報告するよう促すとともに 最新の情報を県民に提供する必要があります また おかやま医療情報ネット を広く周知し 積極的な活用の促進を図る必要があります を通じて報告内容を県民に公表していま す ( 図表 6-1-2-1) 法定報告率は 病院 98.8 % 診療所 94.2 % 歯科診療所 94.5% 助産所 73.5% 薬局 81.2% と なっています ( 平成 29(2017) 年 6 月 1 日現在 ) 医療機能及び薬局機能情報提供制度医療を受ける者が病院等 ( 病院 診療所 助産所及び薬局 ) の選択を適切に行うために必要な情報について 県への報告を義務付けるとともに 病院等でも閲覧に供することとなっています また 県においては インターネットを用いて公表することとしています 公表項目は 管理 運営及びサービス等に関する事項 提供サービスや医療連携体制に関する事項 医療の実績 結果等に関する事項に分類され 病院 55 項目 一般診療所 49 項目 歯科診療所 30 項目 助産所 26 項目 薬局 29 項目を定めています 72

図表 6-1-2-1 おかやま医療情報ネット 第 6 章 医療提供体制の整備 ( 資料 : 岡山県医療推進課 ) 2 施策の方向 項目施策の方向 医療機能情報提供制度 及び患者 家族への情 報提供等 患者やその家族等が十分な情報を得て医療機関等の選択を適切に行えるよう 医療機関等に対し 診療情報等の定期的な報告を求めるとともに おかやま医療情報ネット により インターネットを通じて情報提供します また 県民に対し この情報提供システムを広報媒体等を活用して広く周知し 積極的な活用の促進を図ります 73

第 2 節医薬分業の定着支援 1 現状と課題 (1) 処方箋応需体制の整備 現 状 課 題 薬局は医療提供施設として位置づけられて 医師 歯科医師が安心して処方箋を発行し おり 開局時間以外でも調剤を行うことが 患者が安心して調剤を受けられるよう 処 できる体制が求められています 方箋受入体制の整備に努める必要がありま す (2) かかりつけ薬局の育成 現 状 課 題 病院 診療所の周辺に位置する薬局 ( いわ かかりつけ薬局 を持つことのメリットに ゆる門前薬局 ) が多く見受けられ 患者の ついて 県民に理解を深めてもらう必要が 服薬情報の一元的な把握などの機能が必ず あります しも発揮できていない状況です 〇薬局の休日 夜間対応 在宅対応の体制を 〇院内投薬に比べて薬局調剤の患者負担が大 整えるとともに 地域の医療機関や訪問看 きく それに見合うサービスの向上や分業 護ステーション等の多職種 他機関との連 の効果などが実感できていないと指摘され 携を積極的に行っていく必要があります ています かかりつけ薬局複数の医療機関が発行した処方箋の調剤や服薬指導 その患者の薬歴管理が一元的に行われ 地域住民が信頼して医薬品について相談できる機能を持った薬局のことです メリットとしては 薬剤師が薬歴管理や服薬指導を行うことにより 薬物療法の有効性と安全性が向上すること また 医師 歯科医師と薬剤師で相互に確認が行われることにより 投与薬剤間の相互作用 重複投与等が未然に防止できることや 効能 効果 副作用等に関する情報の交換を通じて より安全性の高い薬の投与が期待できることなどが挙げられます 平成 28(2016) 年 10 月からは かかりつけ薬局の機能に健康サポート機能を備えた健康サポート薬局制度が始まり おかやま医療情報ネット により県民に情報提供しています 74

(3) 効果的な普及啓発の実施現状課題 お薬手帳 をまだ持っていない 又は複数 より安全な薬物療法を進めるため お薬手冊持っている場合には 適切な薬学的管理 帳の重要性を普及啓発する必要がありま指導ができないおそれがあります す 〇お薬手帳の一冊化 集約化などの取組を行う必要があります お薬手帳お薬手帳は 処方された薬の名前や用法 用量などの記録 ( 薬歴といいます ) を残すための手帳です 病院等で受診する場合や薬局で調剤してもらう場合などにお薬手帳を提示することで 投与薬剤間の相互作用 重複投与等を確認することができ 適切な医療を受けることができます 岡山県薬剤師会では 長期の服用歴管理が可能で 携帯性が高く 忘れにくいなどのメリットがある電子版お薬手帳を活用して 健康サポート情報を発信するモデル事業に平成 28(2016) 年度から取り組んでいます 第 6 章 医療提供体制の整備 (4) 地域の実情に応じた医薬分業の推進 現 状 課 題 院外処方箋の受取率は 全国平均 70.0% 地域の実情に応じた医薬分業を進める必要 に比べ61.9% と低く 特に県南地域での があります 分業率 ( 処方箋受取率 ) が低い状況にあり ます ( 図表 6-2-1-2) 図表 6-2-1-1 処方箋枚数の推移 ( 単位 : 千枚 ) 年 度 昭和 49 (1974) 昭和 60 (1985) 平成 10 (1998) 平成 23 (2011) 平成 24 (2012) 平成 25 (2013) 平成 26 (2014) 平成 27 (2015) 岡山県 168 1,900 5,572 10,713 10,817 10,821 10,970 11,099 全国 7,300 110,701 400,061 746,888 758,876 763,034 775,585 788,184 ( 資料 : 岡山県薬剤師会 日本薬剤師会 ) 75

図表 6-2-1-2 処方箋受取率の推移 ( 単位 :%) 年度 平成 23 (2011) 平成 24 (2012) 平成 25 (2013) 平成 26 (2014) 平成 27 (2015) 二次保健医療圏 県南東部 54.4 56.1 57.2 58.6 60.1 県南西部 48.3 49.1 49.4 51.2 53.0 高梁 新見 66.9 70.9 71.7 72.7 73.4 真 庭 68.5 69.1 68.2 69.3 69.9 津山 英田 74.8 74.4 74.7 75.6 76.9 岡山県 57.0 58.2 58.8 60.4 61.9 全国 65.1 66.1 67.0 68.7 70.0 ( 資料 : 岡山県医薬安全課 長寿社会課 日本薬剤師会 ) ( 注 ) 二次保健医療圏の数値は 国保分のみです 2 施策の方向 項目施策の方向 処方箋応需体制の整備 充実かかりつけ薬局の育成効果的な普及啓発の実施地域の実情に応じた医薬分業の推進 〇薬局における医薬品の備蓄や医薬品情報の収集 提供 休日 夜間の処方箋応需などの体制の整備 充実を支援します かかりつけ薬局を岡山県薬剤師会と連携して育成し 県民への普及 定着に努めます かかりつけ薬局のメリットが県民に正しく理解されるよう 薬と健康の週間 (10 月 17 日 ~23 日 ) 事業や新聞 ラジオ テレビ等の広報媒体などあらゆる機会を活用し 積極的な啓発活動に取り組みます お薬手帳の重要性 有益性について広く周知するとともに 医療機関 薬局間におけるより安全な薬物療法の推進に努めます 地域における医師会 歯科医師会及び薬剤師会など関係者と連携し 地域の実情に応じた医薬分業を推進します 3 数値目標 処方箋受取率 項目現状 61.9% H27 年度 (2015) 平成 35 年度末目標 (2023) 70.0% 76