< 食育関係資料 > 学校給食の歩み 給食の始まり 山形県鶴岡町私立忠愛小学校で貧困児童を対象に昼食を出したことが学校給食の始まりと言われている 忠愛小学校での給食は おにぎり 焼き魚 漬け物で 現在の学校給食のように学校で調理されていた 戦後の学校給食 戦後 GHQ と日本政府が協議した際 GHQ のサムス大佐は米と味噌汁の給食を提案したが 日本高官は 給食のために主食を特別に配給することは不可能 と断った その後 牛乳 ( 脱脂粉乳 ) と小麦 ( 輸入小麦 ) による給食が始まった ( このことが 現代の食物アレルギー増加の根源となっていると指摘する研究者もいる ) 戦後の学校給食は 食料不足のためララ財団 ( アメリカの宗教団体を中心に起こった慈善組織 海外事業運営篤志団アメリカ協議会が 日本 朝鮮及び沖縄の救援事業を行うためにアジア救援公認団体 Licensed Agencies for Relief in Asia を設置した 頭文字をとってララLARAと呼ばれた ) からの脱脂粉乳の提供によって 昭和 22 年から始まった その後 昭和 25 年アメリカからの小麦の寄贈によって8 大都市の小学校児童に対して 給食が実施された 昭和 39 年 (1964 年 ) 文部農林次官通達 学校給食牛乳供給事業の実施について が出され 脱脂粉乳に代わって 学校給食への牛乳の本格供給が始まった 平成 4 年 7 月文部省が発行した 学校給食の手引き には 飢餓の救済を目的とした初期の学校給食から発展した現代の学校給食の役割が書かれている 1 栄養のバランスの取れた豊かな学校給食 2 望ましい食習慣を形成する学校給食 3 人間関係を豊かにする学校給食 4 多様な教育効果のある学校給食の4つが学校給食の役割として掲げられている 学校給食のあゆみ ( 年表 ) 年内容主な出来事 1889 (M22) 山形県鶴岡町私立忠愛小学校で貧困児童を対象にし 昼食を与えたのが学校給食の始まりと言われている 忠愛小学校での給食は 現在の学校給食のように 学校で調理された食事を教室で給したものであった 当時の給食は おにぎり 焼き魚 漬け物であった 大日本憲法発布 1904 日露戦争 1907 (M40) 1911 (M44) 1914 (T3) 広島 秋田で学校給食実施岩手県 静岡県 岡山県で学校給食実施東京の私立栄養研究所 ( 佐伯矩博士設立 ) で 文部省の科学研究奨励金を得て 付近の学校の児童に学校給食を実施 第 1 次世界大戦
1919 (T8) 東京府では 私立栄養研究所佐伯所長の援助をうけて ( 東京府直轄 ) 管内小学校にパンによる学校給食を実施 1918 米騒動 1923 (T12) 発学 73 号文部次官通牒 小学校児童の衛生に関する件 が発せられ る この中で 児童の栄養改善方法として学校給食が奨励された 関東大震災 1926 (T15) 学校衛生技師会議の文部大臣諮問事項の対する答申に 学校給食ノ実 施ヲ促スコト とだされる 1929 世界恐慌 1932 (S7) 文部省訓令第 18 号 学校給食臨時施設方法 が定められ はじめて 国庫補助によって貧困児童救済のための学校給食が実施された 目的 も 就学率を高めることや児童の体位向上などが目的とされていた 5.15 事件 1940 (S15) 文部省訓令第 18 号 学校給食奨励規定 で従来の貧困児だけでなく 栄養不良 身体虚弱児童も対象に含めた栄養的な学校給食の実施がは かられた 1939 第 2 次大戦 1944 (S19) 6 大都市の小学生児童約 200 万人に対し 米 みそ等を特別配給して 学校給食を実施 1945 (S20) 文部 厚生 農林三省次官通達 学校給食実施の普及奨励について が発せられ 戦後の新しい学校給食がスタートする ( 戦後の学校給食の方針が打ち出される ) 東京 神奈川 千葉の3 都県で試験給食を開始 1945 ポツダム宣言 受諾し降服 1947 (S22) 全国都市の児童約 300 万人に対し学校給食を開始 アメリカから無償で与えられた脱脂粉乳 ( ララ物資 ) で給食が始まる 日本国憲法施行 1949 (S24) ユニセフ ( 国際連合児童基金 ) からミルクの寄贈を受け ユニセフ給食が開始 大阪市では 国のユニセフ喜蔵物資による完全給食の指定を受け 精華 北中道 金塚の 3 小学校で給食を開始する 湯川秀樹ノーベル賞 1950 (S25) 8 大都市の小学生児童に対し アメリカ寄贈の小麦粉によりはじめて完 全給食を開始 大阪市全小学校児童を対象に完全給食開始する 朝鮮戦争 1951 (S26) 給食物資の財源であったガリオア資金資金 ( アメリカの占領地域救済資 金 ) が 6 月末日で打ち切られた 国庫補助による学校給食の継続を要望 する運動が全国で繰り広げられた サンフランシスコ平 和条約
1952 (S27) 小麦粉に対する半額国庫補助が開始される 4 月から 全国すべての小学校を対象に完全給食が実施 1954 (S29) 1956 (S31) 1957 (S32) アルマイト食器 大阪市学校給食協会を法人化し 財団法人大阪市給食協会 とする 第 19 国会で 学校給食法 成立 公布される 学校給食法施行令 施行規則 実施基準等が定められ 法的に学校給食の実施体制が整う これまでと違い 食事についての正しい理解や望ましい習慣をはぐくむと同時に 学校生活を豊かにし 明るい社交性を養う など 学校給食を教育の一環としてとらえていくことになる 学校給食法 が一部改正され 中学校にも適用されるようになった 夜間課程を置く高等学校における学校給食に関する法律 が公布された ( 中学校 夜間高校も法律による給食の対象に ) 盲学校 ろう学校及び養護学校の幼稚部及び高等部における学校給食に関する法律 が公布される 1953 テレビ放送始 まる ビキニ水爆実験で第 五福竜丸被爆 日ソ共同宣言 日本 の国連加盟 経済白書 もはや戦 後ではない 世界初の人工衛星打 上 1958 (S33) 1961 (S34) 文部省管理局長より 学校給食用牛乳取扱要領 が通知され 学校給食に牛乳が供給されるようになる 新学習指導要領が定められ 学校給食が学校行事等の領域に位置づけられる ( 大阪市 ) 区献立選定委員会で実施献立を選定する方式とする へき地等に対する補助制度ができる ガガーリン世界初の 有人宇宙飛行 1962 (S37) 学校給食栄養所要量の基準が改定される ( 低 高学年の 2 段階 ) 1963 (S38) 1964 (S39) 脱脂粉乳に対する国庫補助が実現し ミルク給食の全面実施が推進される 大阪市では 学校調乳 ( 脱脂粉乳 ) に加えて 一部委託乳 ( 脱脂粉乳に牛乳やビタミン C を混合した 180ml の瓶づめ ) とする ( 献立表では牛乳ではなく脱脂粉乳 ) 学校給食への牛乳の本格供給 東京オリンピック 東海道新幹線開通
1966 (S41) 高度へき地学校に対してパン ミルクの無償給食実施 1967 公害対策基本法 1968 (S43) 1969 (S44) 1970 (S45) ( 大阪市 ) パンを改善する ( 無漂白の小麦粉へ変更 ) ( 大阪市 ) 委託乳から牛乳へ変更する (200ml 瓶づめ ) 米類の利用実験 アポロ 11 号月面着陸 大阪万国博覧会 1971 (S46) 1972 (S47) 1976 (S51) 体育局長通知 学校給食の食事内容について により 標準食品構成が示される 沖縄の本土復帰で学校給食予算が計上 米飯給食が正式に位置づけられる 札幌オリンピック 1973 石油ショック 1975 ベトナム戦争 サイゴン陥落ロッキード事件 1983 東京ディズニーランド 1981 (S56) ( 大阪市 ) 月 1 回の米飯給食開始 アルマイトの食器を廃止し ポリカ ーポネード製とする 1985 (S60) ( 大阪市 ) 週 1 回の米飯給食を実施する 1986 (S61) 1988 (S63) 栄養所要量の基準が改定される ( 低 中 高学年の 3 段階になる ) 余剰教室のランチルーム使用が国の予算化 東京ドーム
1989 (H1) 1994 (H6) 学校給食 100 周年 ( 大阪市 ) 合成洗剤から石鹸に切り替える ( 大阪市 ) 肢体不自由養護学級で段階食を開始する ベルリンの壁崩壊 1991 湾岸戦争 ソ連 崩壊 1995 (H7) 阪神大震災で学校給食施設を使用した炊き出し ( 大阪市 ) はし を導入する 阪神淡路大震災 地下鉄サリン事件 1996 (H8) O-157 食中毒事件が起きる 1997 (H9) 学校給食衛生管理の基準 の制定 ( 大阪市 ) 焼き物機を導入し 献立の多様化を図る 1998 (H10) 学校栄養職員による 食に関する指導 の推進 ( 大阪市 ) サイクル献立を廃止する 長野オリンピック 2000 (H12) 食生活指針等の決定 2001 (H13) ( 大阪市 ) 週 2 回の米飯給食を実施し 無洗米を導入する 2002 (H14) ( 大阪市 ) 加工食品等の原材料表を配布する 2003 (H15) ( 大阪市 ) 週 3 回の米飯給食を実施 2004 (H16) 食に関する指導体制の整備について の答申 アテネ五輪 2005 (H17) 栄養教諭制度の実施 2006 (H18) ( 大阪市 ) 区献立選定委員会を廃止し 献立実施方式を導入する 食物アレルギー等により牛乳を飲めない児童生徒の給食費について 減額して徴収できるようにする 2007 (H19) ( 大阪市 ) 食物アレルギー個別対応給食として 卵の除去食 ( 調理最終 段階のみ ) を始める
2008 (H20) ( 大阪市 ) 食物アレルギー個別対応給食として 粉末チーズの除去食 ( 調 理最終段階のみ ) を追加する 2009 (H21) ( 大阪市 ) 食物アレルギー等によりパン 米飯を喫食できない児童生徒 の給食費についても 減額して徴収できるようにする 2011 (H23) ( 大阪市 ) 食物アレルギー個別対応給食として うずら卵の除去食 ( 調 理最終段階のみ ) を追加する 2011.3.11 東日本 大震災 2012 (H24) ( 大阪市 ) 食物アレルギー個別対応献立表 ( ブロック別 ) を発行する 食物アレルギー個別対応給食として えび ふの除去食 ( 調理最終段階 のみ ) を追加する