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( 別紙 ) 栽培実験計画書 栽 培 実 験 名 花粉症緩和米の生産を目的とするスギ花粉ペプチド含有イネ の栽培 実施独立行政法人 研究所名独立行政法人 農業生物資源研究所 公表年月日平成 19 年 4 月 27 日 1. 栽培実験の目的 概要 (1) 目的本栽培実験の目的本遺伝子組換えイネは スギ花粉抗原のエピトープを 7 連結したペプチド遺伝子を導入したもので 閉鎖系温室 特定網室及び農業生物資源研究所の隔離ほ場で栽培試験を行い 生物多様性への影響を評価してきました その結果 閉鎖系温室や特定網室での栽培試験では イネの形態や生育特性 有害物質の産生性 発現の安定性 花粉稔性や種子特性 ( 発芽性や休眠性など ) について非組換えイネと差異がないことが確認されました 隔離ほ場において栽培したところ 一穂粒数 玄米長 玄米厚などで統計的な有意差が見られました しかし その差異が生物多様性へ影響を与えることはないと判断して 一般ほ場における栽培認可の申請を行っています なお 本組換えイネは マウス ラット サルを用いた急性及び亜慢性毒性試験 生殖試験 各種変異原性試験 ( 復帰突然変異試験 染色体異常試験 小核試験 ) 抗原性試験などを実施し 異常がないことが確認されています 本栽培試験では 様々な安全性を確認するための試料確保のために栽培を行います (2) 概要本栽培実験では 平成 19 年 6 月上旬より平成 19 年 10 月まで ( 独 ) 農業 食品産業技術総合研究機構作物研究所の高機能隔離ほ場及び ( 独 ) 農業生物資源研究所の隔離ほ場を用いて 一般ほ場試験として当該遺伝子組換えイネの栽培を行います 2. 栽培実験に使用する第 1 種使用規程承認作物 (1) 作物の名称 : スギ花粉ペプチド含有イネ (7Crp, Oryza sativa L.)(7Crp#10) (2) 第 1 種使用規程の承認取得年月日等栽培実験に用いるスギ花粉ペプチド含有イネは 遺伝子組換え生物等の使用等の規制による生物の多様性の確保に関する法律 に基づく第 1 種使用規程承認 ( 一般ほ場栽培 ) の申請中であり 認可された以降に栽培を開始する予定です (3) 食品安全性承認又は飼料安全性承認作物の妥当性スギ花粉ペプチド含有イネは 食品安全性承認作物 飼料安全性承認作物に該当しません 3. 栽培実験の全体実施予定期間 各年度ごとの栽培開始予定期間および栽培終了予定期間 (1) 全体実施予定期間平成 19 年 6 月上旬 ~ 平成 19 年 10 月まで 作物研究所所有の高機能隔離ほ場及び生物資源研究所の隔離ほ場で栽培を行う予定です (2) 各年度毎の栽培開始予定時期及び栽培終了予定時期等平成 19 年 5 月中旬特定網室で 7Crp#10 系統およびキタアケ ( 対照品種 ) の播種 6 月上旬隔離ほ場に移植 8 月上 ~ 中旬出穂期 登熟期 9 月下旬収穫 ( 栽培終了 ) 10 月上旬脱穀 精米 10 月中旬残渣等の処理 - 1 -

4. 栽培実験を実施する区画の面積及び位置 ( 研究所等内等の区画配置関係 ) (1) 第 1 種使用規程承認作物の栽培規模 : 約 29.0a (2) 栽培実験区画の位置 : 茨城県つくば市観音台 ( 別紙図参照 ) 5. 同種栽培作物等との交雑防止措置に関する事項 (1) 交雑防止措置の内容本組換えイネの栽培区画 ( 作物研 高機能隔離ほ場 ) は研究所外の最も近いほ場から約 7 50m 離れており また 研究所内で試験栽培されている最も近いイネから約 350m 離れています 生物資源研究所隔離ほ場での栽培区画は研究所外の最も近いほ場から約 750 m 離れており 研究所内で試験栽培されている最も近いイネ ( 結実前に収穫予定 ) から約 3 0m 離れています なお 本組換えイネは食品安全性承認作物 飼料安全性承認作物に該当しないため 研究所と外部との境界近くにモチ米を栽培し 研究所外に組換えイネの花粉が飛散していないことを確認する予定です モチ米には 遺伝子組換えに用いた宿主品種 キタアケ と開花時期が茨城県では同時期となる はくちょうもち を用います 組換えイネと はくちょうもち が交雑しているかの確認は はくちょうもち に実った種子を収穫し 1 万粒以上についてキセニア現象が生じているかを確認します キセニアが見いだされた際には PCRにより組換えイネに導入された遺伝子の検出を行う予定です 6. 研究所等の内での収穫物 実験材料の混入防止措置 1 組換えイネの種子を種子貯蔵庫から育苗施設および隔離ほ場まで搬出する際には こぼれ落ちないよう密閉容器にて搬送します 2 中間管理作業 収穫作業に使用した機械 器具等は 付着した組換えイネが外に持ち出されないように 隔離ほ場外へ移動するときは入念に隔離ほ場内で洗浄を行います 3 出穂期から収穫期の期間は野鳥類による食害を防止するため防鳥網を張り 組換え種子が拡散しないようにします 4 収穫 脱穀 籾すり 精米の作業は全て隔離ほ場の敷地内で行い 作業には専用の機械を使用するかあるいは使用後に入念に隔離ほ場内で洗浄を行います 5 収穫物は密封容器に入れ 分析を行う実験室または隔離ほ場内に設置された管理棟に保管します 7. 栽培実験終了後の第 1 種使用規程承認作物の処理方法 1 収穫した種子は安全性試験の材料として密閉容器に保管し 試料用に精米 炊飯しパック米等として加工します 2 刈り取った地上部はカッターなどで細断し 隔離ほ場に残った株とともに鋤込み等により隔離ほ場内で不活性化します - 2 -

8. 栽培実験に係る情報提供に関する事項 1 栽培実験前を開始する前の情報提供等 : つくば市 茨城県及びJA 谷田部へ情報提供 今後も栽培実験の詳細について情報提供を予定 2 説明会等の計画平成 19 年 4 月 27 日計画書の公表 5 月 9 日 ~12 日栽培実験に係る説明会場所 :( 独 ) 農業生物資源研究所その他 栽培実験実施中は随時見学を受け付けるとともに 見学会を開催することも検討しています 見学会を行う場合には その詳細を当研究所ホームページに掲載するほか プレスリリース等によりお知らせします 3 近隣住民への情報提供近隣自治会の自治会長宅へ出向き栽培実験に関して情報提供を行い 各戸には回覧で栽培実験の概要と説明会等についての情報を提供します 4その他の情報提供栽培実験の実施状況については 当研究所ホームページで情報提供を行います (http://www.nias.affrc.go.jp/) 5 本栽培実験に係る連絡先 ( 独 ) 農業生物資源研究所遺伝子組換え研究推進室電話番号 :029-838-7431 7461 9. その他の必要な事項本研究は 農水省アグリバイオ実用化 産業化研究プロジェクト 第二世代遺伝子組換え作物の安全性確保技術の開発 で進めているものです ( 参考 ) これまでの開発 安全性評価の経緯 導入遺伝子の効果 当研究所ホームページで 当研究所における研究の概要を紹介しているので参照ください (http://www.nias.affrc.go.jp/) また農林水産省ホームページで遺伝子組換えに関する情報を提供している (http://www.s.affrc.go.jp/docs/anzenka/index.htm) ( 参考 ) これまでの開発 安全性評価の経緯 平成 13 年 7 月 : アグロバクテリウム法による遺伝子導入実験開始 同 13 年 9 月 : 再分化個体の検定 栽培同 13 年 10 月 : 閉鎖系温室における安全性評価試験同 15 年 5 月 : 非閉鎖系温室における環境に対する安全性評価試験同 16 年 10 月 : 隔離ほ場における生物多様性影響評価試験について 農林水産省 環境省に申請同 17 年 5 月 : 第 1 種使用の認可を得て 6 月に農業生物資源研究所の隔離ほ場において栽培開始 同 18 年 4 月 : 農業生物資源研究所の隔離ほ場において第 1 期作目の田植えを行う 同 18 年 8 月 : 第 1 期作目の収穫と 第 2 期作目の田植えを行う 同 18 年 11 月 : 第 2 期作目の収穫を行う 同 19 年 1 月 : 一般ほ場における栽培認可を農林水産省 環境省に申請 - 3 -

( 参考文献 ) Takaiwa, F. (2007) A rice-based edible vaccine expressing multiple T-cell epitopes to ionduce oral tolerance and inhibit allergy. Immunol. Allergy Clin. N. Am. 27, 129-139. Takagi, H.; Hirose, S.; Yasuda, H.; Takaiwa, F. (2006) Biochemical Safty evaluation of transgenic rice seeds expressing Tcell epitopes of Japanese cedar pollen allergens. J. Agric. Food Chem. 54, 9901-9905. Takagi, H.; Hiroi, T.; Yang, L.; Tada, Y.; Yuki, Y.; Takamura, K.; Ishimitsu, R.; Kawauchi, H.; Kiyono, H.; Takaiwa, F. (2005) A rice-based edible vaccine expressing multiple T cell epitopes induces oral tolerance for inhibition of Th2-mediated IgE responses. Proc. Natl. Acad. Sci. USA 102, 17525-17530. Takagi, H.; Saito, S.; Yang, L.; Nagasaka, S.; Nishizawa, N.; Takaiwa, F. (2005) Oral immunotherapy against a pollen allergy using a seed-based peptide vaccine. Plant Biotechnol. J. 3, 521-533. 高岩文雄 (2007) スギ花粉症を緩和する遺伝子組換えイネ開発の現況農業技術 62(1), p11-16 高木英典 高岩文雄 (2006) 食べるワクチン米を用いたアレルギーや感染症の治療戦略蛋白質核酸酵素 51(15), p2341-2345 保田浩 高岩文雄 (2006) 第 2 世代の健康機能性組換えイネ遺伝 3 月号高岩文雄 高木英典 (2006) 新しいアレルゲン特異的治療法の開発 3) 食べるワクチンの開発アレ ルギー 免疫 13, p3. 高木英典 高岩文雄 (2006) 花粉症緩和米の開発とモデルマウスを用いた有効性の評価研究ジャー ナル 27(3), p7-9 高岩文雄 (2005) 食べるワクチン " スギ花粉症緩和米 " 食品工業 12 月号 p20-28. 高岩文雄 (2005) GM 作物の成否を占う花粉症緩和米農業経営者 11 月号 (118), p39. 高岩文雄 (2005) スギ花粉症緩和米の開発 Science & Technonews Tsukuba No. 76, p24-25. 高岩文雄 (2005) 健康機能性米の開発バイオインダストリー 8, p16-24. 高岩文雄 (2005) 米の品種改良と遺伝子組換え化学と工業 58 巻 (6), p658-660. 高岩文雄 (2005) 花粉症緩和米 抗アレルギー食品開発ハンドブックサイエンスフォーラム p165-173 保田浩 高岩文雄 (2005) 遺伝子組換え技術を利用した機能性食品の開発状況 新しい遺伝子組換 え体 (GMO) の安全性評価システムガイドブック ( 田部井 日野 矢木編 ) p368-385 鈴木一矢 高岩文雄 (2005) 物質生産新しい遺伝子組換え体 (GMO) の安全性評価システムガイドブック ( 田部井 日野 矢木編 ) p400-419 高岩文雄 (2005) 有用物質生産農業および園芸 80, p110-120. 高岩文雄 鈴木一矢 (2004) 機能性成分を作物可食部に蓄積させるフードデザイン科学と工業 78, p188-196. 高岩文雄 保田浩 (2004) 植物生命科学が創る機能性食品化学と生物 42, p739-746. 高岩文雄 (2004) スギ花粉症緩和米の開発食の科学 312, p32-38. 高岩文雄 (2004) 遺伝子組み換え技術を使った機能性食品の開発について化学工業 68, p484-486. 高木英典 高岩文雄 (2003) ス 99, p 6-9. スギ花粉症に効果のあるペプチド含有米の開発ブレインテクノニュー - 4 -

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