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リンゴ黒星病、うどんこ病防除にサルバトーレME、フルーツセイバーが有効である

PowerPoint プレゼンテーション

PowerPoint プレゼンテーション

1 著者が長い間研究してきた核果類(モモ スモモ オウトウ)のうち スモモとオウトウは結実が不安定で いかに安定して結実させるかが大きな課題になっている これに対し モモの結実確保は比較的容易だが 食味のばらつき を指摘されることが多い 品質の揃った果実を安定してとる モモではこれが課題であり 実現

2. 摘花の実施早期の摘花 摘果は 良好な果実肥大や翌年の花芽確保のために また 適正樹勢の維持のために重要な作業となる 仕上げ摘果を満開 30 日後までに終了することを目標に作業計画を立てる そのために摘花を積極的に行い 落花後の摘果作業の時間短縮を図る 腋芽花の他 生育不良の花そう 枝の直上直下


H25 農作物技術情報第5号 果樹(H )

2 カンキツの摘果 夏秋梢伸長抑制剤 1. 使用薬剤 ターム水溶剤 ( 1-ナフタレン酢酸ナトリウム 22%) 2. 対象品種 カンキツ 3. 対象樹 樹勢の安定した樹 ( 健全樹 ) 対象品種 使用時期 使用目的 使用方法 一次生理落果発生期 立木全面散布 摘果 温州ミカン ( 満開 10~ 20

ジベレリン協和液剤 ( 第 6006 号 ) 2/ 年 6 月 13 日付け 25 不知火 はるみ 3 回以内 水腐れ軽減 0.5 ~1ppm 500L/10a 着色終期但し 収穫 7 日前まで 果実 ぽんかん 水腐れ軽減 0.5ppm 500L/10a 着色始期 ~4 分

Microsoft Word - cap4-2013chugoku-hirosima

圃場試験場所 : 県農業研究センター 作物残留試験 ( C-N ) 圃場試験明細書 1/6 圃場試験明細書 1. 分析対象物質 およびその代謝物 2. 被験物質 (1) 名称 液剤 (2) 有効成分名および含有率 :10% (3) ロット番号 ABC 試験作物名オクラ品種名アーリーファ

本日のお話 つなぐことの意味 技術の効果 ( 第一期実用技術開発事業 ) 現地実証と産地への実用化 適用樹種拡大研究への発展 更なる共同研究 実用化に向けて

H23 農作物技術情報 第5号 果樹(H )

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はやみ [ 成果情報名 ]9 月下旬から出荷でき 食味が優れる極早生温州ミカン 早味かん [ 要約 ] 早味かん は ゆら早生 の珠心胚実生から育成し ゆら早生 より着色 成熟が早く 9 月下旬から出荷できる極早生温州である 日南 1 号 より減酸が早く 糖酸比は高く良食味で じょうのう膜が薄くて食

果樹の生育概況

隔年結果

果樹の生育概況

新梢では窒素や燐酸より吸収割合が約 2 分の1にまで低下している カルシウム : 窒素, 燐酸, カリとは異なり葉が52% で最も多く, ついで果実の22% で, 他の部位は著しく少ない マグネシウム : カルシウムと同様に葉が最も多く, ついで果実, 根の順で, 他の成分に比べて根の吸収割合が高い

Taro-08緊急間伐最終.jtd

Ⅰ 収穫量及び作柄概況 - 7 -

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果樹の生育概況

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目 1 導入にあたって 1 2 品種特性 2 3 苗木の植え付け 1. 植え付け方法 4 2. 植え付け後の管理 4 3. 栽植距離 4 4 若木の管理 1.H 型短梢せん定樹の管理 7 2.WH 型短梢せん定樹の管理 9 5 整枝せん定 1. 短梢せん定 短梢せん定での強樹勢対策 12

大型の捕虫網 ( 径 42cm) を使用し 1 地区 5 地点の払い落し法により調査する 越冬後の5~6 月の指標植物としては結実しているクワ サクラ ヒイラギ及び開花中のミカン 新梢伸長中のキリが適しており また 新成虫が出現する7 月以降の好適な指標植物として結実したスギ ヒノキ サワラ ヒイラ

ハウス栽培におけるマンゴーの結実習性 松田 昇 平良武康 ( 沖縄県立農業大学校 沖縄県農林水産部園芸振興課 ) NoboruMATsuDAandTakeyasuTAIRA:Researchesontheaspectof fruitsetofmangointheplastichouse 1はじめに沖

Ⅲ-2-(1)施設野菜

緒言 カンキツ類では着果過多を防ぎ, 適度な着果とするため摘果は必須の作業である. その目的は隔年結果の防止, 品質向上などさまざまであるが, 最も大きなねらいは目標とする大きさの果実を生産することにある. 目標とする果実の大きさはカンキツの種類によって異なっており, それは市場で

梢の発生が期待できるよう9月には必ず仕上げ摘果を徹底し 適正葉果比に仕上げましょう 着果量が中庸以上の樹では早生温州では9月中 普通温州では10 月上旬までに行いましょう(表2) ⑴着果過多樹着果量が多く肥大が悪い樹は 商品性の低い小玉果や傷果 病害虫被害果を中心に早急に

2 ブドウの病害虫

メラレウカ苗生産技術の検討 供試品種は レッドジェム, レボリューションゴールド を用い, 挿し木を行う前日に枝を採取し, 直ちに水につけ持ち帰り, 挿し穂の基部径を 0.8~1.2mm,1.8~2.2mm,2.8~3.3mm で切り分けた後, 長さ約 8cm, 基部から 3cm の葉を除いた状態に

別紙 8. 2 使用上の注意 (1) ぶどう 1 ぶどうに関する作物名中の品種による区分は ジベレリンに対するぶどうの反応性の違い を考慮した区分なので ぶどうの品種がどの区分 ( 品種群 ) に該当するか 病害虫防除所等関係機関に確認してから使用すること 2 下記 3の ぶどうの品種による区分 に

 

トマト 等級階級箱詰定数 1 個重量パック詰め 3L g 以上 ( 定数基準 ) 2L g~250g 2 個 L g~200g 3 個 C M g~160g 4 個 S g~130g 56 個 1 パックは 400g 500g を標

03クリの低樹高仕立て.indd

Microsoft PowerPoint _40


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秋植え花壇の楽しみ方


作業別の留意事項 ここに紹介します留意事項は りんごを栽培する際に特に留意すべき内容を列記したものです また 栽培方法によっては該当しない内容も含まれます 実際の栽培にあたっては 地域の普及指導センターや JA 等に問い合わせいただき 園地条件や品種に適した施肥設計 栽培方法等に基づき栽培してくださ

バンカーシート 利用マニュアル 2017年版(第一版)

機械化作業に適したカキ軽労化栽培技術 機械化作業に適したカキ軽労化栽培技術 三輪直邦 * **, 坂川和也 The Improvement of the Mechanized Cultivation Technology for Labor-Saving on Japanese Persimmon


0.45m1.00m 1.00m 1.00m 0.33m 0.33m 0.33m 0.45m 1.00m 2

スライド 1

Ⅱ 生産情報 1 生育概況 4 月の気温が平年より低く推移したため 各樹種の生育は平年より遅れている 五戸 ( りんご研究所県南果樹部 ) では 発芽日が平年に比べておうとうの 佐藤錦 で2 日 西洋なしの ラ フランス で2 日 ゼネラル レクラーク で3 日 日本なしの 幸水 で2 日 ももの

緑化計画作成の手引き 26年4月版

Ⅱ りんご生産情報 1 果実肥大 作業の進み 病害虫の動き (1) 果実肥大 8 月 1 日現在での果実肥大は 7 月下旬の高温の影響で肥大の伸びが鈍ったものの 概ね平年並みから平年を上回っている 果実肥大 (8 月 1 日現在 横径 :cm 平年比:%) 地 域 年 つがる ジョナゴールド ふ じ

5 事務局 審査会の事務局は 福島県農林水産部農業振興課におく 第 5 奨励品種決定調査の実施県は 奨励品種の決定に当たっては 奨励品種決定調査を行うものとする 1 奨励品種決定調査の種類 (1) 基本調査供試される品種について 県内での普及に適するか否かについて 栽培試験等によりその特性の概略を明

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強い乾燥をうけるとこはん症の発生原因となりますので例年こはん症が発生する園では土壌改良をします ⑴土壌pHの改良土壌の最適pHは5.5~6.5です 苦土石灰施用後数年経過すると酸性になりますので何年も施用していない園では本年は施用しましょう 葉の縁がチョコレート色の斑点が発

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溶液栽培システムを利用した熱帯果樹栽培

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Ⅱ 生産情報 1 生育概況五戸 ( りんご研究所県南果樹部 ) では おうとうの 佐藤錦 ももの あかつき が平年より4 日早く開花日となった 黒石 ( りんご研究所 ) では おうとうの 佐藤錦 が平年より6 日早く開花日となった 生育ステージ (5 月 2 日現在 りんご研究所県南果樹部 ) 樹

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2 作物名 温州みかん ( 苗木 ) 及び 温州みかん の使用目的 花芽抑制による樹勢の維持 使用濃度 シ ヘ レリン 2.5ppm の使用方法 立木全面散布又は枝別散布( マシン油乳剤 60~80 倍液に加用 ) を以下のとおり 立木全面散布又は枝別散布 ( マシン油乳剤 60~80 倍液又は展着

1 作物名     2 作付圃場 3 実施年度   4 担当

研究情報 渋ガキ 刀根早生 果実の海外輸出流通技術の開発 かき もも研究所主任研究員 岩橋信博 これまでかき もも研究所ではカキの海外輸出のため 改良ダンボールや 1 メチルシクロプロペン (1-MCP) を活かした出荷技術の確立に取り組んできました 改良ダンボールは水分ストレスを抑制し 1-MCP

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付図・表

07.報文_及川ら-二校目.indd

Microsoft PowerPoint - 口頭発表_折り畳み自転車

Microsoft Word - ジベレリン明治液剤_ _.doc

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作物名

高等学校「保健」補助教材「災害の発生と安全・健康~3.11を忘れない~」 第3章

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Ⅱ りんご生産情報 1 生育 作業の進み 病害虫の動き (1) 生育ステージふじの落花日は 黒石 ( りんご研究所 ) で平年より2 日早い5 月 15 日 五戸 ( 県南果樹部 ) で平年より2 日早い5 月 18 日であった 満開日 ( 月. 日 ) 地域年つがるジョナゴールド王林ふじ 黒 石

Ⅱ りんご生産情報 1 果実肥大 作業の進み (1) 果実肥大 9 月 11 日現在の果実肥大は 概ね平年並みから平年を上回っている 果実肥大 (9 月 11 日現在 横径 :cm 平年比:%) 地 域 年 つがる ジョナゴールド ふ じ 本 年 黒 石 平 年 (

附則この要領は 平成 4 年 1 月 16 日より施行する この要領は 平成 12 年 4 月 3 日より施行する この要領は 平成 30 年 4 月 1 日より施行する 2

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梅調味廃液を利用利用したした高窒素高窒素 低臭鶏糞堆肥低臭鶏糞堆肥の製造 ~ 鶏糞への梅調味廃液添加でアンモニア揮散を抑制 ~ 和歌山県農業試験場橋本真穂 1. はじめに和歌山県内の梅干製造過程で発生する梅調味廃液は 年間 1 万 8 千トンにのぼる そのうち1 万トンが廃棄されており処理コストや処

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◆12-1ぶどう生産目標

~ 二次的な被害を防止する ~ 第 6 節 1 図 御嶽山における降灰後の土石流に関するシミュレーション計算結果 平成 26 年 9 月の御嶽山噴火後 土砂災害防止法に基づく緊急調査が国土交通省により実施され 降灰後の土石流に関するシミュレーション結果が公表された これにより関係市町村は

ている果粒と健全な果粒を選別し, 各 10 果粒の果皮表面や果皮断面を観察した. 発生部位については, 亀裂の長さや果皮色を調査した. また, 果皮をカミソリで切断し, 発生部 位の果皮断面を観察し, 亀裂の長さや果皮色を調査した. 調査には, 細胞レベルで対象の色や形を鮮 明に写し, 観察できるデ

茨城県農業総合センター園芸研究所研究報告第 13 号 半促成メロンの 4 月穫り栽培における品種選定および保温方法 金子賢一 小河原孝司 薄史暁 佐久間文雄 SelectionofUsefulCultivarsandaMethodofHeatInsulationinSe

スプレーストック採花時期 採花物調査の結果を表 2 に示した スプレーストックは主軸だけでなく 主軸の下部から発生する側枝も採花できるため 主軸と側枝を分けて調査を行った 主軸と側枝では 側枝の方が先に採花が始まった 側枝について 1 区は春彼岸前に採花が終了した 3 区 4 区は春彼岸の期間中に採

(1) 購入苗 品種 サイズ 苗数 購入日 ( 植付日 ) くろがね 大玉 2 本 4 月 24 日 マイボーイ 中玉 3 本 4 月 24 日 愛娘 小玉 3 本 5 月 2 日 黒姫 小玉 3 本 5 月 2 日 縞王 大玉 1 本 5 月 16 日 合計 11 本 平成 26 年スイカ作り 2

ニホンナシの盛土式根圏制御栽培法 この盛土式根域制限栽培法 ( 以下 根圏制御栽培 ) は 遮根シートにより地面と隔離した培土量 150 Lの盛土に苗を植付け 樹齢 生育時期別に測定した吸水量に基づき 樹の成長に合わせて設定した灌水を行うことができる 培地を盛土にすることで滞水による湿害の発生がなく

6 三重県農業研究所報告 :33 号 (211) 試験 1: 開花時期の調査 24 年に ピンクス マンモス 8 年生 3 樹および同樹齢の ヒラリー ホワイト 1 樹を供試し, 両品種の開花時期を調査した. 開花が始まった5 月 26 日から, ほぼ終了した7 月 7 日の期間中に週 2 日程度の

無印良品 2012 自転車 カタログ

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資料 1 3 小規模附属物点検要領 ( 案 ) の制定について Ministry of Land, Infrastructure, Transport and Tourism

園学研.(Hort. Res. (Japan)) 6 (1) : 総説 気候温暖化が落葉果樹の休眠, 開花現象に及ぼす影響 本條 均 宇都宮大学農学部 栃木県宇都宮市峰町 350 Effects of Global Warming on Dormancy and

BIT -2-

課題名

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津波警報等の留意事項津波警報等の利用にあたっては 以下の点に留意する必要があります 沿岸に近い海域で大きな地震が発生した場合 津波警報等の発表が津波の襲来に間に合わない場合があります 沿岸部で大きな揺れを感じた場合は 津波警報等の発表を待たず 直ちに避難行動を起こす必要があります 津波警報等は 最新


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作物の種類かぼちゃ 104(08003) 1 次必須 14 果実のひだ 5 株 5 果観察無極浅 い 極深 い 15 果皮の地色 5 株 5 果観察白灰黄灰緑緑橙赤褐黒 地色は最も大きい面積のものとし 2 色 が同じ面積ならば薄いほうを地色とする 16 果皮の模様の色 5 株 5 果観察無白灰黄灰緑

Transcription:

凍霜害による被害樹の事故対策技術の確立 試験成績書 ( 平成 14 年度即時対応試験成績書 ) 平成 15 年 3 月福島県農林水産技術会議福島県果樹試験場 目次 Ⅰ 背景と目的 Ⅱ 試験成績 1 凍霜害によるニホンナシ被害樹の追跡調査と事後対策技術の確立 (1) 幸水 の被害程度別に分類した果実の生育 (2) 幸水 の被害程度別に分類した果実肥大と商品果実の割合 (3) 幸水 の凍霜害発生後の新梢生育と樹勢調整技術の確立 (4) 幸水 の新梢短裁処理による樹体におよぼす影響 (5) 豊水 の被害程度別に分類した果実の生育 2 凍霜害によるブドウ被害樹の追跡調査と事後対策技術の確立 (1) 被害後の新梢と花穂の生育 ( 展葉 6~7 枚期 ) (2) 被害程度別樹の新梢生育 ( 展葉 8~9 枚期 ) (3) 被害程度別樹の芽の種類による新梢と副梢の生育 (4) 被害程度別樹の花穂の生育 ( 展葉 8~9 枚期 ) (5) 開花直前期の被害程度別樹の生育状況 (6) 被害程度別樹の満開 50 日の樹相診断 (7) 花穂形成時の着房数と着粒数 (8) 被害程度別の果実品質 (9) 被害樹へのジベレリン処理による花 ( 果 ) 房への影響 (10) 被害樹へのジベレリン処理による果実品質への影響 (11) 被害樹へのジベレリン処理時期の違いによる果実品質に対する影響 (12) 被害樹の有核果と無核果の果実品質への影響 (13) 被害程度と落葉期の新梢状態 (14) 被害樹へのジベレリン処理による落葉期の新梢への影響 (15) 花穂被害程度別の新梢及び果房の生育 (16) 被害花穂へのジベレリン処理が着房数に及ぼす影響試験結果の概要 1 晩霜害によるニホンナシ 幸水 豊水 の被害様相と対策技術 2 晩霜害によるブドウ 巨峰 の被害様相と対策技術 試験担当者果樹試験場栽培部主任研究員 齋藤 義雄 増子 俊明 副主任研究員松野 英行 協力機関 福島県県中農林事務所須賀川農業普及所 福島県県北農林事務所伊達農業普及所

凍霜害による被害樹の事故対策技術の確立 Ⅰ 背景と目的 4 月 27 日 ~29 日未明 中通りを中心に発生した降霜による被害で 日本ナシでは果実表皮および種子の障害 ブドウでは新梢葉の枯死や花穂の障害が発生した 今回の凍霜害は生育ステージが進んだ段階で遭遇したため 本県では希な症状であり 特にブドウでは30 年ぶりの被害となった 本試験では これら被害を受けた樹について継続して調査を行い果実の生産性 商品性の確認 および翌年の生産量確保のための樹勢管理技術について検討し今後の凍霜害対策の基礎資料とする Ⅱ 試験成績 1 凍霜害によるニホンナシ被害樹の追跡調査と事後対策技術の確立 (1) 幸水 の被害程度別に分類した果実の生育 1. 目的凍霜害による 幸水 の果実の生育を調査する 2. 方法 (1) 調査場所福島県須賀川市仁井田地区 (2) 気象概況 4 月 28 日未明 気温がおよそ-3 まで急激に低下した ( 現地観測による ) (3) 調査樹 2 本主枝 幸水 樹齢およそ 20 年 満開 4 月 20 日 開花後の管理は慣行栽培による (4) 調査方法およそ満開後一ヶ月に ( 開花盛 4 月 20 日 調査日 5 月 13 日 ) 果実の被害程度に応じて0~4の5 段階に分類し ( 図 1) 主客時期まで追跡調査を行った 画像記録を主に 経過を調査した 3. 結果の概要 (1) 被害程度別に分類した果実の生育経過は図 2に示したとおりであった (2) 満開後 1ヶ月時点では浮き皮症状が治癒しているケースが多く 被害程度の判断が難しかった 主に果皮のわずかな色の差 ( 褐変 色抜け ) で判断せざるを得なかった 収穫時は一部で褐変サビがみられる程度の障害として残った (3) 被害程度 2 以上の亀裂や変形 果実全体の褐変等重症の果実は収穫時まで商品性はなかった 被害程度 4の果実は幼果時の亀裂の治癒痕跡がはっきりと目立ち それに伴いサビ状の紋様 変形が著しかった (4) 被害程度別の果実品質は外観の被害程度に応じた一定の傾向は認められなかった (5) 本年の現地選果実績は JAすかがわ岩瀬内で選果場によって判断が異なった 被害程度 1の収穫果実 ( 果面に浮き皮症状治癒後のサビ状の紋様が確認できる果実 ) を規格品に組み込み出荷する選果場と 一切のサビ状障害を認めず個選共選で別系統で出荷する選果場の2 種類に分かれた (6) 以上のことから凍霜害に見舞われた際 出荷の可否の判断は 亀裂の有無が重要であると思われる (7) なお 凍霜害により浮き皮症状をともなった収穫果実は 収穫時の共販体制の判断に大きく左右される したがって 凍霜害発生後速やかに収穫量予測を行い 浮き皮症状果実の販売方針を決定し それに従って生産者に対し浮き皮症状果実の対処方法を伝達する必要があると思われる

程度 0 1 2 3 4 凍霜害直後画像 症赤道よりていあ部に著しい深い亀裂 健全な果実果皮に浮き皮果実全面に亀裂状かけて軽微な亀裂変形 変色 図 1 被害程度の区分 被害程度 1 被害程度 2 被害程度 3 満開後 1 ヶ月 満開後 2 ヶ月 収穫直前 図 2 被害程度別にみた果実肥大経過 (2-1) 注 ) 同被害程度において必ずしも同一果実ではない

幸水 豊水 満開後 1 ヶ月 満開後 2 ヶ月 満開後 4 ヶ月 ( 幸水 は収 穫直前 ) 収穫果実 図 2 被害程度別にみた果実肥大経過 (2-2) 注 ) 同被害程度において必ずしも同一果実ではない

(2) 幸水 の被害程度別に分類した果実肥大と商品果実の割合 1. 目的凍霜害による 幸水 の初期被害程度が果実肥大および商品化率へ及ぼす影響を調査する 2. 方法 (1) 調査場所福島県須賀川市仁井田地区 (2) 気象概況 4 月 28 日未明 気温が-3 まで急激に低下した ( 現地観測による ) (3) 調査樹 2 本主枝 幸水 樹齢およそ 20 年 満開 4 月 20 日 開花後の管理は慣行栽培による (4) 調査方法満開後約 1ヶ月より定期的に調査を実施し 樹の被害程度ごとに結実率 新梢新潮 収穫時の果実について調査を実施した 危害程度を結実率および正常果率により達観的観察で甚 中 軽の3 段階に分類し これに該当しそうな樹を選び出し追跡調査を実施した なお 最終的には一果そう一果を基本とし 第一回の調査後 一果そうに果実が複数個着果している花そうについてすべて一果に摘果した 3. 結果の概要 (1) 満開後約 1ヶ月 予備摘果実施前に任意に選び出した4 樹についてそれぞれ側枝 5 本ずつラベルし 果そう当たり全着果数 ( 全着果数 / 全果そう数 ) 全花被害果そう率 ( 未結実果そう数 / 全果そう数 ) 無被害果実率 ( 無被害果実数 / 全果そう数 ) の3 項目について調査した これらの結果に基づき危害程度甚 (2 樹 ) 中 (1 樹 ) 軽 (1 樹 ) に分類し 継続的に追跡調査を実施した (2) 上記の分類に従い満開 2ヶ月後の調査では果実径 着荷数 ( 左記の2 項目については任意に抽出した側枝 5 本 ) 調査を実施した 果実肥大に被害の程度に応じた一定の傾向が認められた すなわち被害程度が大きい樹では着果数の多少にかかわらず果実肥大が鈍化する傾向が見られた 着果率がNO.4の樹で低いのは比較的凍霜害が軽微で 初期着果数が他の区と比較して多かったため 摘果作業が加わったためと思われる (3) 収穫直前の調査では樹上での果実外観による分類を行った 果実の商品果率 ( 規格品 規格外 ) は被害程度が軽であるとほとんどの果実が出荷可能であったのに対し 被害程度が中あるいは甚の樹はともに4 割程度が出荷不可能であった

表 1 開花 1 ヶ月後の被害状況 樹 No. 被害程度 側枝 No. 全着果数 果そう数 果そう当たり 全花被害 全着果数果そう率 (%) 無被害果実率 (%) 果そう数果実数側枝単位樹単位側枝単位樹単位側枝単位樹単位 11 12 14 0.86 6 42.86 0 0 12 8 11 0.73 8 72.73 0 0 3 甚 13 25 14 1.79 1.10a 4 28.57 53.47a 6 0.43 0.10a 14 26 14 1.86 5 35.71 1 0.07 15 4 16 0.25 14 87.5 0 0 6 13 7 1.86 1 14.29 3 0.43 7 29 10 2.9 2 20 11 1.1 2 甚 8 49 17 2.88 1.91a 3 17.65 29.28ab 18 1.06 0.58a 9 5 9 0.56 4 44.44 2 0.22 10 16 12 1.33 6 50 1 0.08 1 25 7 3.57 0 0 11 1.57 2 14 10 1.4 4 40 7 0.7 1 中 3 35 7 5 2.93ab 0 0 9.67b 14 2 1.17a 4 20 12 1.67 1 8.33 7 0.58 5 27 9 3 0 0 9 1 16 23 5 4.6 0 0 16 3.2 17 31 10 3.1 0 0 14 1.4 4 軽 18 78 13 6 4.19b 0 0 2.22b 50 3.85 2.55b 19 26 9 2.89 1 11.11 11 1.22 20 57 13 4.38 0 0 40 3.08 低い : 被害大 低い : 被害大 低い : 被害大 高い : 被害小 高い : 被害小 高い : 被害小 テューキーの多重比較により異符号間は危険率で 5% で有意差あり 全花被害 無被害 果そう当たり 表 2 開花 2 ヶ月後の果実および新梢調査結果 樹 No. 被害程度 縦径 (mm) 横径 (mm) 全着果数 着果率 (%) ( 第 2 回 / 第 1 回 ) 3 24.2 27.4 27 36.5 甚 2 26.3 29.3 43 38.4 1 中 26.2 29.3 41 33.9 4 軽 27.5 31.7 58 27 果実被害程度 1 商品果 ( 規格品 ) 2 商品果 ( 規格外品 ) 3 出荷不可 ( 溝状の被害痕 変形 ていあ部のみ ) 4 出荷不可 ( 溝状の被害痕 変形 全面 ) 図 1 果実外観による被害程度分類

(3) 幸水 の凍霜害発生後の新梢生育と樹勢調節技術の確立 1. 目的 凍霜害による 幸水 の新梢への影響と新梢管理による樹勢調節技術について検討 する 2. 方法 (1) 調査場所福島県須賀川市仁井田地区 (2) 気象概況 4 月 28 日未明 気温が -3 まで急激に低下した ( 現地観測による ) (3) 調査樹 2 本主枝 幸水 樹齢およそ 20 年生 満開 4 月 20 日 開花後の管 (4) 調査方法 理は慣行栽培による ( 予備枝誘引実施 ) 満開後約 1 ヶ月より定期的に調査を実施し 樹の被害程度ごとに結実率 新梢伸 長 収穫時の果実について調査を実施した 被害程度を結実率および正常果率によ り達観的観察で甚 中 軽の 3 段階に分類し これに該当しそうな樹を選び出し追 跡調査を実施した これらの樹とは別に No.2 の樹に隣接し 凍霜害による被害程度が同程度と思わ れる 1 樹を選定し 満開後約 2 ヶ月 (6 月 13 日 ) に夏期せん定を実施した区を設定 した 剪除する枝は主枝部背面から発生した徒長枝と 側枝部は先端部新梢 2 本と 側枝基部新梢 1 本 ( 更新候補枝として ) を残し それ以外の新梢は果そう基部のロ ゼット状についている葉を残しすべて剪除した ロゼット状が認められない副芽枝 は 2~3 芽残して剪除した 3. 結果の概要 (1) 夏期せん定の総せん定量は 3.6 kgに達した (2) 樹の分類は課題 (2) に準じる (3) 満開後 2 ヶ月の調査では樹全体の新梢発生数を調査した 被害程度に応じた一定 の傾向は見られなかった (4) 収穫直前の調査では新梢停止率 ( 予備枝 ) を調査した 被害程度に応じた一定の 傾向は見られなかった これは調査時期が遅すぎたことも一因にあげられる (5) 各樹から 13~17 本の予備枝を選び 落葉後の腋花芽分化率を調査したが 被害程 度に応じた一定の傾向は見られなかった 一方夏期せん定実施樹は腋花芽分化率が 高く さらに被害樹にみられるような予備枝の二次伸長もほとんど見られなかった したがって満開後 60 日以降に実施する夏期せん定は気象災害発生時 樹勢バランス の乱れが予想される樹体への樹勢調節 腋花芽分化率の保持には有効な手法と考え られた

(4) 幸水 の新梢短裁処理による樹体におよぼす影響 1. 目的凍霜害を受けた 幸水 の新梢の短裁処理の影響を調査する 2. 方法 (1) 調査場所福島県須賀川市仁井田地区 (2) 気象概況 4 月 28 日未明 気温が -3 まで急激に低下した ( 現地観測による ) (3) 調査樹 2 本主枝 幸水 樹齢およそ 20 年生 満開 4 月 20 日 (4) 調査方法課題 (3) において夏期せん定を実施した樹 1 本を調査の対象とした 夏期せん定実施時期満開後約 1ヶ月の6 月 13 日で1 回のみの処理とし それ以降は全く処理をしなかった 剪除する枝は課題 (3) 同様 主枝部背面から発生した徒長枝と 側枝部は先端部新梢 2 本と側枝基部新梢 1 本 ( 更新候補枝として ) を残し 果そう基部のロゼット状についている葉を残しすべて剪除した また ロゼット状態が認められない副芽枝は2~3 芽残して短裁した 対照区は課題 (2) におけるNo.2の樹とした 3. 結果の概要 (1) 夏期せん定の総せん定量は3.6kgに達した (2) 満開後約 2ヶ月の新梢短裁により良好な短果枝および腋花芽の着生が認められた 短裁した節からの徒長も少なく 翌年の良好な結果枝が確保できた 一方の無処理区では副芽枝および腋花芽の徒長が多く 翌年の結果枝としては利用困難な側枝形態であった (3) このことから 気象災害発生時 着果過少等により樹勢が乱れ 特に樹勢が強まり 新梢の過繁茂等が予想される時は満開後 60 日頃の夏期せん定が短果枝育成による結実部確保に有効であることが示唆された

図 1 副芽枝新梢短裁処理により着生した頂芽 図 2 副芽枝新梢の短裁部位

(5) 豊水 の被害程度別に分類した果実の生育 1. 目的 2. 方法 凍霜害による 豊水 の果実生育を調査する (1) 調査場所福島県須賀川市和田地区 (2) 気象概況 4 月 28 日未明 気温が -3 まで急激に低下した ( 現地観測による ) (3) 調査樹 4 本主枝 豊水 樹齢およそ 20 年 満開 4 月 20 日 開花後の管理は 慣行栽培による (4) 調査方法およそ満開後一ヶ月に ( 開花盛り 4 月 20 日 調査日 5 月 13 日 ) 果実 3. 結果の概要 の害程度に応じて 0~4 の 5 段階に分類し ( 同課題 (1) 報告に準 じる ) 収穫時期まで追跡調査を行った (1) 被害程度別に分類した果実の生育経過は図 1~3 に示したとおりである ( 被害程 度 0 および 4 は省略 ) (2) 浮き皮症状は 幸水 と比較してコルク層による果皮色が濃いため ごく一部 で収穫時までサビ紋様が目立ったものの 生育に伴って痕跡が目立たなくなるケー スが多かった (3) 亀裂による変形も 幸水 と比較すると回復力が強く 溝も当初の印象よりも浅 くなる果実が多かった このため被害程度 2 の果実は一部で亀裂によるサビ紋様は 残るもののほぼ整形果に近い果形まで回復する果実もみられた (4) 被害程度 4 についてはすべての果実が斜形や変形が著しく 全く商品価値が期待 できない果実となった (5) 豊水 の出荷形態も課題 (1) の 幸水 同様の取り扱いとなった (6) 以上のことから 豊水 は 幸水 と比較してサビ紋様 軽微な亀裂の面で回 復力が強く 被害程度 2( ごく軽微な亀裂 ) 程度までなら今回の出荷規格に見合う 果実が生産できたことから 今後の凍霜害被害時の基礎資料になるものと思われる (7) 被害程度別の果実品質調査結果 ( データ省略 ) では 外観で大きく差が生じるも のの果実品質面で一定の傾向は認められなかった

被害程度 1 被害程度 2 被害程度 3 図 1 満開後 1 ヶ月の果実の形状 被害程度 1 被害程度 2 被害程度 3 図 2 満開後 2 ヶ月の果実の形状 被害程度 1 被害程度 2 被害程度 3 図 3 注 ) 収穫果実の形状被害程度別に必ずしも同一果実ではない

2 凍霜害によるブドウ被害樹の追跡調査と事後対策技術の確立 (1) 被害後の新梢と花穂の生育 ( 展葉 6~7 枚期 ) 1. 目的 4 月 27 28 29 日の連続した 3 日間の未明に 中通り地域を中心に発生した降霜 (-2 ~-4 ) のため 本県のブドウでは 30 年ぶりの凍霜害を受けた 本試験では これら被害を受けた樹について継続して調査を行い 生産性 商品性の確認及び翌年の生産量確保のための樹勢管理技術について検討し 今後の凍霜害対策の基礎資料とする 2. 方法調査場所 : 伊達郡保原町上保原 (H 氏ブドウ園 ) 供試品種 : 巨峰 (10 年生自根 ) 3 樹調査方法 : 被害後 16 日 (5 月 14 日 ) に 同一園内で被害程度の異なった樹を 3 段階 ( 被害程度 : 甚 中 軽 ) で選別し ( 分類基準 : 表 1) 被害程度別樹ごとに 5 本の側枝を選び 1 側枝当たり新梢 3 本にラベルし 新梢と花穂の被害程度について分類した ( 分類基準 : 表 2) 3. 結果の概要 (1) 凍霜害発生時の生育ステージは 新梢長 5~10cm 展葉数 3~4 枚であった 被害状況は 葉の褐変 新梢の変色 ( 水浸状の濃緑色 ) や新梢先端部の枯死であった (2) 5 月 14 日の調査では 園内の樹の植栽場所や生育ステージにより 被害程度は様々であった 被害程度の甚だしい場所では 新梢先端部が褐変し その部位以外は水浸状の濃緑色に変色したが 新梢は生存しており副梢の発生が認められた (3) 花穂の状態は新梢の被害程度が軽いものは伸長していたが 被害の著しいものは発育が劣り 花蕾の大きさにもばらつきが認められた (4) 被害を受けた花穂は 程度の軽いものでも先端部の生育が劣り 湾曲するものが多かった また 程度の著しいものでは生育が停止していた (5) 被害を受けた花蕾は生育が劣り 赤味を帯びたり褐変しており 花蕾を切断すると内部が黒変していた (6) 新梢の被害程度と花穂の被害程度の間に相関関係が認められ 新梢の被害程度により花穂の被害状態を判断することが可能であることが確認された 表 1 凍霜害被害樹の分類基準被害程度樹の被害症状甚樹の全体の主芽新梢の80% 以上が指数 2 以上の被害を受けた樹中樹の全体の主芽新梢の80% 以上が指数 1~2の被害を受けた樹軽樹の全体の主芽新梢の80% 以上が指数 0~1の被害を受けた樹 表 2 凍霜害被害樹の新梢及び花穂の被害指数の分類基準 被害指数 症 状 新梢 0 正常 1 葉枯死あり 新梢伸長 2 葉枯死あり 新梢伸長停止 3 新梢先端枯死 花穂 0 正常 1 軽 ( 先端部湾曲 赤色素発生 ) 2 中 ( 生育不良 ) 3 甚 ( 生育停止 )

図 1 指数 1 指数 2 指数 3 基部葉の軽い褐変 葉全体の褐変枯死 葉全体の褐変枯死 先端部正常生長 先端部生長劣る 先端部の枯死 新梢の被害指数の区分 図 2 表 1 指数 0 指数 1 指数 2 指数 3 ( 正常 ) ( 先端部曲 ) ( 生育不良 ) ( 生長停止 ) 果穂の被害指数の区分 新梢被害程度と花穂被害程度の相関 図 3 花らいの障害

図 4 新梢被害指数と花穂被害指数との関係 図 5 新梢被害指数 図 6 新梢被害と第 2 花穂の被害