1 特集 平成 26 年 4 月 28 日東京税関 カーネーションの輸入 2013 年の輸入金額は 全国 ともに過去最大を記録 10 年前 (2003 年 ) と比較すると 2013 年は輸入量 金額ともに約 3 倍に増加 ( 全国 ) のシェアは 輸入量 金額ともに全国の約 6 割を占め 第 1 位 (2013 年 ) はじめに 5 月第 2 日曜日の 母の日 には 日頃の感謝を込めて 贈り物をする方も多いのではないでしょうか 母の日の贈り物として定着したカーネーションですが 母の日にカーネーションを贈る習慣は 20 世紀初頭にアメリカで広まったと言われています カーネーションは 母の日以外にも お彼岸 お盆 お正月などで需要があり 一年を通じ 生花店等で目にすることができます 農林水産省の統計によると 国内産の出荷数量が減少傾向にある一方 輸入品は増加しており 総流通量に対する輸入品のシェアは10 年前 (2002 年 ) の約 1 割半に対し 2012 年では約 5 割となりました 今回は 2013 年に全国及びで 輸入金額が過去最大を記録したカーネーションにスポットを当ててみました カーネーションの国産品と輸入品の流通量の推移 ( 全国 ) ( 億本 ) 5.0 輸入品 4.5 4.0 3.5 3.0 2.5 2.0 1.5 1.0 0.5 0.0 国内産 本特集の カーネーション は 次の輸入統計品目番号についてまとめたものです 2002 年 -2006 年 0603.10-050 2007 年以降 0603.12-000 (2001 年以前は カーネーションを特定できる統計品目番号がありません ) 国内産数量 : 出典農林水産省 花き生産出荷統計 切り花類カーネーションの出荷量 輸入品数量 : 出典農林水産省植物検疫所 植物検疫統計 切花カーネーションが属 するナデシコ属の検査数量
2 1. 輸入動向 輸入数量は 10 年前 (2003 年 ) に比べ 全国で約 3 倍 は約 2 倍に増加 2013 年の全国におけるカーネーションの輸入実績は 数量 9,076トン 金額 90.3 億円であり 金額で過去最大を記録し 10 年前 (2003 年 ) に比べ 数量 金額ともに約 3 倍に増加しました また では 数量 5,242トン 金額 57.9 億円であり こちらも金額で過去最大を記録し 10 年前 (2003 年 ) に比べ 数量 金額ともに約 2 倍に増加しました なお 本年 1-3 月は 全国で 数量 2,188トン 金額 22.5 億円 で 数量 1,173トン 金額 13.3 億円が輸入されており ともに前年並みの輸入量となっています また 東京港においても 船便による輸入があり 2013 年は 数量 207トン 金額 1.3 億円 本年 1-3 月は 数量 99トン 金額 0.7 億円でした 2. 月別輸入数量の推移 ( トン ) 900 800 700 600 500 400 300 200 100 0 1 月 2 月 3 月 4 月 5 月 6 月 7 月 8 月 9 月 10 月 11 月 12 月 輸入数量は 2002 年 -2013 年の平均値 全国数量数量東京港数量 輸入のピークは3 月 ~5 月 8 月 ~9 月 12 月月別に輸入数量を見ると 13 月 ~5 月 28 月 ~9 月 312 月に輸入が多いことがわかります これらの時期にピークがある理由として 1については 3 月は春彼岸 4 月 ~5 月は母の日の贈り物としての需要 2については お盆 秋彼岸の需要 3については お正月に飾る花の需要等があり それぞれ輸入量が増えるようです なお 母の日の贈り物用としては 例年 4 月下旬から 5 月の初めにかけて輸入が多くなるそうです
3 3. 原産国別輸入数量 金額シェア 3.9% 25.1% 2.9% 1.3% 9,076 トン 66.9% 4.1% 17.5% 2.3% 1.5% 2013 年全国金額 90.3 億円 74.6% が約 7 割のシェア 全国における2013 年のカーネーションの原産国別シェアを見ますと が数量 66.9% 金額 74.6% と 大きなシェアで1 位となっています 次いで が数量 25.1% 金額 17.5% で2 位となっており 上位 2カ国で輸入全体の9 割を占めています カーネーションは 赤道に近い緯度に位置する高地が 日射量が多く栽培に適しているそうで そのような環境に恵まれた国々を中心に栽培されているようです カーネーションの主要原産国について ( 取材協力 : 日本花輸出入協会 ) 主な生産地域はボゴタで 北緯 4-5 度の赤道直下 標高 2,600m 前後で日射量が豊富 昼夜の温度差もあり カーネーションの栽培に非常に適した世界最大のカーネーション栽培国です 気候的に最もカーネーション栽培に適し 品質が良く 品種も豊富で 更に日本向の航空機便がアメリカ経由 ヨーロッパ経由と豊富にあることも 大きな輸入シェアを誇る要因です 主な生産地域は昆明で 北緯 21-23 度で平均気温が20 度 (15 度から24 度 ) と 花の栽培が周年可能な常秋の気候です 手頃な価格のカーネーションの需要に対応し 輸入が伸びました 緯度は南緯 1-3 度でと同じく赤道直下に位置し 1990 年代にヨーロッパの需要で花の生産が始まりました 特にバラの生産に適していますが 品質の良いカーネーションも栽培されています 主な生産地はダラットで 北緯 11 度前後標高 1,500mで日射量も多く 花の栽培に適した常秋の気候です 2000 年前後からカーネーション バラ スプレー菊の生産がオランダの指導の下に行われました 東京港における原産国別輸入数量 金額シェア 3.2% 10.6% 2.1% 1.7% 2013 年数量 5,242 トン 82.4% 3.3% 7.8% 1.8% 1.9% 2013 年金額 57.9 億円 85.2% 6.4% 32.4% 2013 年東京港数量 207トン 61.2% 4.9% 29.5% 2013 年東京港金額 1.3 億円 東京港 65.6% 及び東京港における原産国別シェアを見ますと においては 全国に比べの割合が高くなり 数量 82.4% 金額 85.2% と 圧倒的シェアを占める一方で の割合は 数量 10.6% 金額 7.8% と低くなっています 東京港においては 原産国別シェアの内訳が変わり が数量 61.2% 金額 65.6% で1 位 が 数量 32.4% 金額 29.5% で2 位となっています
4 4. 港別シェア (2013 年 ) 大阪 8.0% 福岡空港 10.1% 羽田空港 2.6% 東京 2.3% 堺 4.5% 12.2% 2.5% 9,076 トン 57.8% 福岡空港 9.9% 12.7% 羽田空港 2.3% 堺 2.6% 大阪 5.0% 東京 1.4% 1.9% 2013 年全国金額 90.3 億円 64.1% 輸入数量 金額ともにが1 位 2013 年における港別のシェアを見ますと が数量 57.8% 金額 64.1% を占め 全国 1 位となっており 以下 2 位に 3 位に福岡空港と 上位を空港が占めています は 全国の輸入カーネーションの大半を占める産の主要な輸入拠点として 大きなシェアがあります なお 東京税関管内では 羽田空港においてもカーネーションの輸入があり 数量 2.6% のシェア となっています 14.3% 福岡空港 13.2% 原産国上位 2 カ国に係る港別シェア (2013 年 ) 1.4% 1 位 6,069 トン 71.2% 羽田空港 7.2% 9.3% 堺 17.7% 名古屋 2.7% 東京 3.0% 1.1% 神戸 2.7% 2 位 2,275 トン 24.4% 大阪 31.8% 遠距離の国からの輸入は航空便が主流近隣国からの輸入は航空便に加え 船便でも輸送 2013 年における輸入数量上位 2カ国について 港別のシェアを見ますと は 空港の割合が圧倒的である一方 は 大阪や堺等の海港が上位に入っています 等 遠距離の国からの輸入は 鮮度の良い状態で輸入するために専ら航空便で輸送される一方で 等 近隣国からの輸入は 航空便に加え 温度調節可能なコンテナーを使用した船便でも輸送されているようです
5 今後の見通し業界によれば 輸入品の状況をみると 生産地における生産コストの上昇 為替等の影響があり 輸入量が今後も増え続けることは見込めない状況ではあるものの 生産量が豊富で品質が安定している産などは 国内市場の動向により 伸びる可能性もある とのことです 取材協力 : 日本花輸出入協会 本資料に関する問い合わせ 東京税関調査部調査統計課 TEL:03-3599-6385( 直通 ) 135-8615 東京都江東区青海 2-7-11 東京港湾合同庁舎 2 階 本資料を引用する際は 東京税関の資料による旨を注記して下さい
6 ( 参考 ) カーネーションの国産品と輸入品の流通量の推移 ( 全国 ) ( 億本 ) 2002 年 2003 年 2004 年 2005 年 2006 年 2007 年 2008 年 2009 年 2010 年 2011 年 2012 年 国内産 4.6 4.6 4.5 4.4 4.1 3.9 3.9 3.7 3.4 3.3 3.1 輸入品 0.9 1.1 1.4 1.6 1.8 2.2 2.2 2.5 3.0 2.9 3.5 国内産数量 : 出典農林水産省 花き生産出荷統計 切り花類カーネーションの出荷量 輸入品数量 : 出典農林水産省植物検疫所 植物検疫統計 切花カーネーションが属するナデシコ属の検査数量 1. 輸入動向 ( トン 億円 ) 年月 全国数量 全国金額 数量金額 東京港数量 東京港金額 2002 年 2,241 26.6 1,932 24.0 2 0.0 2003 年 2,858 29.6 2,302 25.9 35 0.1 2004 年 3,857 35.0 2,875 29.6 85 0.4 2005 年 4,466 40.2 2,993 32.2 248 1.3 2006 年 5,350 47.3 2,978 33.7 377 2.6 2007 年 6,170 56.0 3,553 39.4 376 2.6 2008 年 6,299 55.8 3,767 39.5 211 0.9 2009 年 6,946 56.3 4,199 38.9 234 0.8 2010 年 7,966 67.9 4,899 46.1 194 0.9 2011 年 7,976 65.5 4,976 44.7 155 0.8 2012 年 9,592 79.4 5,886 53.5 144 0.8 2013 年 9,076 90.3 5,242 57.9 207 1.3 2013 年 1-3 月 2,210 20.2 1,314 13.4 60 0.4 2014 年 1-3 月 2,188 22.5 1,173 13.3 99 0.7 2. 月別輸入数量の推移 ( トン ) 月 全国数量 数量 東京港数量 1 月 294 181 9 2 月 323 192 10 3 月 813 508 38 4 月 595 354 21 5 月 507 325 13 6 月 273 168 7 7 月 386 237 9 8 月 579 388 14 9 月 678 447 19 10 月 434 265 12 11 月 408 253 12 12 月 776 482 27 輸入数量は 2002 年 -2013 年の平均値 3. 原産国別輸入数量 金額シェア (2013 年 ) ( キロ 千円 ) ( キロ 千円 ) ( キロ 千円 ) 国 全国数量 全国金額 国 数量 金額 国 東京港数量 東京港金額 6,069,253 6,736,875 4,319,010 4,930,548 126,936 84,345 2,275,421 1,581,312 555,718 452,423 67,302 37,972 350,846 367,194 169,964 191,270 13,253 6,351 266,059 207,551 109,248 102,857 総計 207,491 128,668 114,248 132,806 87,799 109,049 総計 9,075,827 9,025,738 総計 5,241,739 5,786,147 4. 港別シェア (2013 年 ) ( キロ 千円 ) 港 数量 金額 5,241,739 5,786,147 1,108,135 1,145,352 福岡空港 921,015 897,386 大阪 723,829 451,298 堺 404,298 230,875 羽田空港 238,612 211,937 東京 207,491 128,668 230,708 174,075 総計 9,075,827 9,025,738 原産国上位 2カ国に係る港別シェア (2013 年 ) ( キロ 千円 ) ( キロ 千円 ) 港 数量 金額 港 数量 金額 4,319,010 4,930,548 大阪 723,829 451,298 866,129 948,723 555,718 452,423 福岡空港 801,769 777,213 堺 402,747 229,805 82,345 80,391 212,253 164,708 総計 6,069,253 6,736,875 羽田空港 164,597 137,052 東京 67,302 37,972 名古屋 62,057 37,502 神戸 61,191 41,169 25,727 29,383 総計 2,275,421 1,581,312