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1. 免疫学概論 免疫とは何か 異物 ( 病原体 ) による侵略を防ぐ生体固有の防御機構 免疫系 = 防衛省 炎症 = 部隊の派遣から撤収まで 免疫系の特徴 ⅰ) 自己と非自己とを識別する ⅱ) 侵入因子間の差異を認識する ( 特異的反応 ) ⅲ) 侵入因子を記憶し 再侵入に対してより強い反応を起こ

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医学部医学科 2 年免疫学講義 10/27/2016 第 9 章 -1: 体液性免疫応答 久留米大学医学部免疫学准教授 溝口恵美子

RNA Poly IC D-IPS-1 概要 自然免疫による病原体成分の認識は炎症反応の誘導や 獲得免疫の成立に重要な役割を果たす生体防御機構です 今回 私達はウイルス RNA を模倣する合成二本鎖 RNA アナログの Poly I:C を用いて 自然免疫応答メカニズムの解析を行いました その結果

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32 章皮膚の構造と機能 a b 暗帯 (dark zone) 胚中心 (germinal center) 明帯 (light zone) c 辺縁帯 (marginal zone) マントル帯 子として Th0 から誘導され,IL-23 刺激により生存維持される. 上皮細胞や線維芽細胞を介して好中

読んで見てわかる免疫腫瘍

リンパ組織における抗原特異的なナイーブ T 細胞の捕捉と活性化 捕捉 活性化 ナイーブT 細胞末梢循環中移動所属リンパ節でAgを提示した樹状細胞に出会う TCR を介して活性化される 5 日以内 エフェクター T 細胞 Ag 認識後 5 日以内に増加 リンパ節を出て局所へ移動

研究の中間報告

図形の表現 5 チャートの作成 1, 作成チャート 右図は 平成 23 年 10 月 8 日付け朝日新聞 3 面より 下図は実際作成した図です 2, 樹状細胞について本年のノーベル医学生理学賞は 樹状細胞 を発見した功績に対して 米ロックフェラー大のラルフ スタインマン教授が選ばれた この樹状細胞は

免疫学過去問まとめ

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卵管の自然免疫による感染防御機能 Toll 様受容体 (TLR) は微生物成分を認識して サイトカインを発現させて自然免疫応答を誘導し また適応免疫応答にも寄与すると考えられています ニワトリでは TLR-1(type1 と 2) -2(type1 と 2) -3~ の 10

図 B 細胞受容体を介した NF-κB 活性化モデル

70,71 図 2.32, 図 2.33, 図 2.34 C3b,Bb C3bBb 70,71 図 2.32, 図 2.33, 図 2.34 C3b2,Bb C3b2Bb 72 7 行目 C3 転換酵素 (C4b2b) C3 転換酵素 (C4b2a) 91 図 2.50 キャプション 12 行目 リ

ウシの免疫機能と乳腺免疫 球は.8 ~ 24.3% T 細胞は 33.5 ~ 42.7% B 細胞は 28.5 ~ 36.2% 単球は 6.9 ~ 8.9% で推移し 有意な変動は認められなかった T 細胞サブセットの割合は γδ T 細胞が最も高く 43.4 ~ 48.3% で CD4 + T 細

第5章 体液

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報道発表資料 2006 年 6 月 21 日 独立行政法人理化学研究所 アレルギー反応を制御する新たなメカニズムを発見 - 謎の免疫細胞 記憶型 T 細胞 がアレルギー反応に必須 - ポイント アレルギー発症の細胞を可視化する緑色蛍光マウスの開発により解明 分化 発生等で重要なノッチ分子への情報伝達

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の感染が阻止されるという いわゆる 二度なし現象 の原理であり 予防接種 ( ワクチン ) を行う根拠でもあります 特定の抗原を認識する記憶 B 細胞は体内を循環していますがその数は非常に少なく その中で抗原に遭遇した僅かな記憶 B 細胞が著しく増殖し 効率良く形質細胞に分化することが 大量の抗体産

年219 番 生体防御のしくみとその破綻 (Immunity in Host Defense and Disease) 責任者: 黒田悦史主任教授 免疫学 黒田悦史主任教授 安田好文講師 2中平雅清講師 松下一史講師 目的 (1) 病原体や異物の侵入から宿主を守る 免疫系を中心とした生体防御機構を理

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報道発表資料 2006 年 8 月 7 日 独立行政法人理化学研究所 国立大学法人大阪大学 栄養素 亜鉛 は免疫のシグナル - 免疫系の活性化に細胞内亜鉛濃度が関与 - ポイント 亜鉛が免疫応答を制御 亜鉛がシグナル伝達分子として作用する 免疫の新領域を開拓独立行政法人理化学研究所 ( 野依良治理事

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研究成果の概要 今回発表した研究では 独自に開発した B 細胞初代培養法 ( 誘導性胚中心様 B (igb) 細胞培養法 ; 野嶋ら, Nat. Commun. 2011) を用いて 膜型 IgE と他のクラスの抗原受容体を培養した B 細胞に発現させ それらの機能を比較しました その結果 他のクラ

報道発表資料 2007 年 4 月 30 日 独立行政法人理化学研究所 炎症反応を制御する新たなメカニズムを解明 - アレルギー 炎症性疾患の病態解明に新たな手掛かり - ポイント 免疫反応を正常に終息させる必須の分子は核内タンパク質 PDLIM2 炎症反応にかかわる転写因子を分解に導く新制御メカニ

5. T 細胞 TCR( 抗原受容体 ) を発現 抗原断片と MHC の複合体を認識 機能的に以下の 3 つに分類できる ヘルパー T 細胞免疫の応答の調節 免疫機構の制御 (Th1 細胞,Th2 細胞,Th17 細胞など ) 細胞傷害性 ( キラー )T 細胞標的細胞を傷害制御性 T 細胞 T 細

免疫本試29本試験模範解答_YM

図 Mincle シグナルのマクロファージでの働き

病原体に対する障壁 ( 第一の防衛 ) 小腸のパネート細胞に産生される抗菌ペプチド 杯細胞によって産生されたムチンによって保護されたゾーン 物理的障壁 : 化学的障壁 : 微生物学的障壁 : 上皮細胞 粘液 涙鼻腔の線毛 液体 気体の流れ 低 ph ( 例外 ピロリ菌 ) 酵素 ( リソチーム ペプ

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2. Tハイブリドーマによる抗原認識二重特異性を有する (BALB/c X C57BL/6)F 1 T 細胞ハイブリドーマを作製した このT 細胞ハイブリドーマは I-A d に拘束された抗原 KLH と自己の I-A b 単独を二重に認識した 外来抗原に反応するT 細胞が自己のMHCによって絶えず

のと期待されます 本研究成果は 2011 年 4 月 5 日 ( 英国時間 ) に英国オンライン科学雑誌 Nature Communications で公開されます また 本研究成果は JST 戦略的創造研究推進事業チーム型研究 (CREST) の研究領域 アレルギー疾患 自己免疫疾患などの発症機構

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く 細胞傷害活性の無い CD4 + ヘルパー T 細胞が必須と判明した 吉田らは 1988 年 C57BL/6 マウスが腹腔内に移植した BALB/c マウス由来の Meth A 腫瘍細胞 (CTL 耐性細胞株 ) を拒絶すること 1991 年 同種異系移植によって誘導されるマクロファージ (AIM

感覚細胞 網膜 retina の模式図 光 脳へ 神経節細胞 介在神経 光受容体細胞 人の網膜 薄明では 109個 網膜周辺部に分布 形だけ 6 錐体細胞 色の識別 3x10 個 色は認識 Cone cell 感度は低い 網膜中心部に分布 できない 桿体細胞 明暗のみ Rod cell 感度は高い

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研究目的 1. 電波ばく露による免疫細胞への影響に関する研究 我々の体には 恒常性を保つために 生体内に侵入した異物を生体外に排除する 免疫と呼ばれる防御システムが存在する 免疫力の低下は感染を引き起こしやすくなり 健康を損ないやすくなる そこで 2 10W/kgのSARで電波ばく露を行い 免疫細胞

3 樹状細胞 dendritic cell( 以下 DC) 全 の組織に広く分布する 表 に存在するものはとくに Langerhans 細胞と呼ばれる 最も強 な抗原提 能 を持つ 抗原提 に特化した細胞 (Antigen presenting cell, APC) 組織内で外来抗原を取り込むと 所

従来のペプチド免疫療法の問題点 樹状細胞 CTL CTL CTL CTL CTL CTL CTL CTL 腫瘍組織 腫瘍細胞を殺す 細胞傷害性 T 細胞 (CTL) の大半は 腫瘍の存在に気づかず 血管内を通り過ぎている! 腫瘍抗原の提示を考えると それは当然! 2

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第一章自然免疫活性化物質による T 細胞機能の修飾に関する検討自然免疫は 感染の初期段階において重要な防御機構である 自然免疫を担当する細胞は パターン認識受容体 (Pattern Recognition Receptors:PRRs) を介して PAMPs の特異的な構造を検知する 機能性食品は

60 秒でわかるプレスリリース 2006 年 4 月 21 日 独立行政法人理化学研究所 敗血症の本質にせまる 新規治療法開発 大きく前進 - 制御性樹状細胞を用い 敗血症の治療に世界で初めて成功 - 敗血症 は 細菌などの微生物による感染が全身に広がって 発熱や機能障害などの急激な炎症反応が引き起


免疫リンパ球療法とは はじめに あなたは免疫細胞 ( 以下免疫と言います ) の役割を知っていますか 免疫という言葉はよく耳にしますね では 身体で免疫は何をしているのでしょう? 免疫の大きな役割は 外から身体に侵入してくる病原菌や異物からあなたの身体を守る ことです あなたの身体には自分を守る 病

目次 1. 抗体治療とは? 2. 免疫とは? 3. 免疫の働きとは? 4. 抗体が主役の免疫とは? 5. 抗体とは? 6. 抗体の構造とは? 7. 抗体の種類とは? 8. 抗体の働きとは? 9. 抗体医薬品とは? 10. 抗体医薬品の特徴とは? 10. モノクローナル抗体とは? 11. モノクローナ

研究の詳細な説明 1. 背景細菌 ウイルス ワクチンなどの抗原が人の体内に入るとリンパ組織の中で胚中心が形成されます メモリー B 細胞は胚中心に存在する胚中心 B 細胞から誘導されてくること知られています しかし その誘導の仕組みについてはよくわかっておらず その仕組みの解明は重要な課題として残っ

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報道関係者各位 平成 26 年 1 月 20 日 国立大学法人筑波大学 動脈硬化の進行を促進するたんぱく質を発見 研究成果のポイント 1. 日本人の死因の第 2 位と第 4 位である心疾患 脳血管疾患のほとんどの原因は動脈硬化である 2. 酸化されたコレステロールを取り込んだマクロファージが大量に血

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汎発性膿疱性乾癬のうちインターロイキン 36 受容体拮抗因子欠損症の病態の解明と治療法の開発について ポイント 厚生労働省の難治性疾患克服事業における臨床調査研究対象疾患 指定難病の 1 つである汎発性膿疱性乾癬のうち 尋常性乾癬を併発しないものはインターロイキン 36 1 受容体拮抗因子欠損症 (

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2017 年度茨城キリスト教大学入学試験問題 生物基礎 (A 日程 ) ( 解答は解答用紙に記入すること ) Ⅰ ヒトの肝臓とその働きに関する記述である 以下の設問に答えなさい 肝臓は ( ア ) という構造単位が集まってできている器官である 肝臓に入る血管には, 酸素を 運ぶ肝動脈と栄養素を運ぶ

< 背景 > HMGB1 は 真核生物に存在する分子量 30 kda の非ヒストン DNA 結合タンパク質であり クロマチン構造変換因子として機能し 転写制御および DNA の修復に関与します 一方 HMGB1 は 組織の損傷や壊死によって細胞外へ分泌された場合 炎症性サイトカイン遺伝子の発現を増強

アレルギーの臨床 2010年1月号 (立ち読み)

無顆粒球症

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今後の展開現在でも 自己免疫疾患の発症機構については不明な点が多くあります 今回の発見により 今後自己免疫疾患の発症機構の理解が大きく前進すると共に 今まで見過ごされてきたイントロン残存の重要性が 生体反応の様々な局面で明らかにされることが期待されます 図 1 Jmjd6 欠損型の胸腺をヌードマウス

八村敏志 TCR が発現しない. 抗原の経口投与 DO11.1 TCR トランスジェニックマウスに経口免疫寛容を誘導するために 粗精製 OVA を mg/ml の濃度で溶解した水溶液を作製し 7 日間自由摂取させた また Foxp3 の発現を検討する実験では RAG / OVA3 3 マウスおよび

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ヒト胎盤における


第11回 化学物質の環境リスクに関する国際シンポジウム 発表資料

( 様式甲 5) 学位論文内容の要旨 論文提出者氏名 論文審査担当者 主査 教授 森脇真一 井上善博 副査副査 教授教授 東 治 人 上 田 晃 一 副査 教授 朝日通雄 主論文題名 Transgene number-dependent, gene expression rate-independe

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考えられている 一部の痒疹反応は, 長時間持続する蕁麻疹様の反応から始まり, 持続性の丘疹や結節を形成するに至る マウスでは IgE 存在下に抗原を投与すると, 即時型アレルギー反応, 遅発型アレルギー反応に引き続いて, 好塩基球依存性の第 3 相反応 (IgE-CAI: IgE-dependent

研究の詳細な説明 1. 背景病原微生物は 様々なタンパク質を作ることにより宿主の生体防御システムに対抗しています その分子メカニズムの一つとして病原微生物のタンパク質分解酵素が宿主の抗体を切断 分解することが知られております 抗体が切断 分解されると宿主は病原微生物を排除することが出来なくなります

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るマウスを解析したところ XCR1 陽性樹状細胞欠失マウスと同様に 腸管 T 細胞の減少が認められました さらに XCL1 の発現が 脾臓やリンパ節の T 細胞に比較して 腸管組織の T 細胞において高いこと そして 腸管内で T 細胞と XCR1 陽性樹状細胞が密に相互作用していることも明らかにな

妊娠認識および胎盤形成時のウシ子宮におけるI型IFNシグナル調節機構に関する研究 [全文の要約]

9. 免疫

8) 抗体について,B A) 抗体は 主に γ 領域に存在する B) 単一のモノクローナル抗体を産生する 9) リンパ節について,C B) リンパ節におけるクラススイッチは二次リンパ濾胞の胚中心で起こる C)HEV( 高内皮性細静脈 ) はリンパ節傍皮質に存在する 10)B 細胞について C) メモ

研究成果報告書

界では年間約 2700 万人が敗血症を発症し その多くを発展途上国の乳幼児が占めています 抗菌薬などの発症早期の治療法の進歩が見られるものの 先進国でも高齢者が発症後数ヶ月の 間に新たな感染症にかかって亡くなる例が多いことが知られています 発症早期には 全身に広がった感染によって炎症反応が過剰になり

抵抗性遺伝子によりつくられた蛋白質が 細胞内に留まる例も知られています その場 合 細胞内の抵抗性遺伝子産物と細胞膜を貫通する植物因子が結合した状態で存在し 細胞膜貫通因子で病原菌のavr 蛋白質を認識します Avr 蛋白質が認識されると 抵抗性遺伝子産物と細胞膜貫通因子は解離し 遊離した抵抗性遺伝

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ランゲルハンス細胞の過去まず LC の過去についてお話しします LC は 1868 年に 当時ドイツのベルリン大学の医学生であった Paul Langerhans により発見されました しかしながら 当初は 細胞の形状から神経のように見えたため 神経細胞と勘違いされていました その後 約 100 年


10,000 L 30,000 50,000 L 30,000 50,000 L 図 1 白血球増加の主な初期対応 表 1 好中球増加 ( 好中球 >8,000/μL) の疾患 1 CML 2 / G CSF 太字は頻度の高い疾患 32

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生命科学を目指す諸君へ B BCR II MHC TCR T NK T I MHC T CTL 図 1 IL-1 TNFα NK T MHC TCR T T T I-MHC T (CTL) II-MHC T T CTL B 動する 自然免疫はマクロファージなどが持つ異物セン

原提示細胞によって調査すること 2 イベントの異なる黄砂のアレルギー喘息への影響を評価すること 3 黄砂に付着している微生物成分 (LPS 真菌 ) や化学物質 ( タール成分 ) のアレルギー喘息や花粉症への影響を評価すること 4 アレルギー喘息等の増悪メカニズムを 病原体分子パターン認識受容体

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能性を示した < 方法 > M-CSF RANKL VEGF-C Ds-Red それぞれの全長 cdnaを レトロウイルスを用いてHeLa 細胞に遺伝子導入した これによりM-CSFとDs-Redを発現するHeLa 細胞 (HeLa-M) RANKLと Ds-Redを発現するHeLa 細胞 (HeL

Transcription:

Host defense against infection : Immunity Recognition of MHC and peptide

continuous attack!

α/β (

免疫担当細胞のいろいろ B細胞 T 細胞 リンパ系 造血幹細胞 NK 細胞 白血球 樹状細胞 好中球好酸球好塩基球 顆粒球多形核白血球 骨髄系 マクロファージ単球 血小板 赤血球

Innate Immunity

自然免疫軍団のプレイヤーたち 日常繰り返されている病原菌の感染に対するルーチンワーク 好中球 Neutrophil 微生物を食べて殺し 炎症を誘導する マクロファージ Macrophage 何でも食べて警報を出す NK( ナチュラルキラー ) 細胞 Natural killer ウイルス感染細胞 ガン細胞を殺す 樹状細胞 Dendritic Cells 抗原提示 獲得免疫の入り口 補体系 Comprement 蛋白質 微生物の認識 障害 炎症誘導 & 抗体のエフェクター

好中球 多形核白血球顆粒球 neutrophil polymorphnuclear Leukocyte (PMN), granulocyte 最前線の殺し屋 分葉した核を持つ ( 単核 ) 全白血球の50-70% 短命 炎症部位へ遊走貪食の主役 lysosomeが発達 顆粒の中には抗菌ペプチド ( キャスリシジン ) ミエロパーオキシダーゼ ムラミダーゼ等の殺菌力を持つ酵素が充満している Fc レセプター 補体レセプター TLR2,4陽性抗体や補体によって活性化され 活性酸素 ( 殺菌 組織破壊 ) を産生 炎症の主役 好酸球 eosinophil 顆粒内にMBP(mojor basic protein) を持ち 寄生虫の排除に働く 好塩基球 basophil Fc εr ヒスタミン顆粒を持ち マスト細胞と同様 アレルギー応答に関わる

マクロファージ 単球 macrophage, monocyte 貪食 殺菌 掃除 & 警報発令 単核食細胞 末梢血中で単球 分化してマクロファージ肝臓 ( クッパー細胞 ) 肺胞マクロファージ貪食作用 飲作用リソソーム ( 加水分解酵素 ) 顆粒 マンノース受容体 C3b Fcレセプター スカベンジャーレセプター TLRs 活性化してIL-1 IL-6 TNF α( 炎症性サイトカイン) IFNγ( 細胞免疫活性化サイトカイン ) 各種ケモカインを産生 好中球などを誘引 活性化 活性酸素 NO産生によって殺菌アポトーシスで死んだ細胞をすぐさま除去する 単球 ( 血中 ) ビーズを貪食したマクロファージ

NK 細胞 Natural killer cell 異変した細胞を除去する 大型顆粒リンパ球 パーフォリンによる細胞障害 CD16, CD56, NKR-P1, IL-2Rβ 陽性 分化に Id2, IL-15 が必要 ウイルス感染細胞 ガン化した細胞 クラスIの発現を失った細胞を殺す FcRによる抗体依存性細胞障害 IFNγ TNFα産生 細胞障害 MICA ( ストレス誘導 ) クラス I MHC NKG2D(DAP10) NKR-P1 (ITAM) 殺す クラス I MHC HLA-G/E ( 胎盤 ) KIR (ITIM) 殺すシグナルを阻害 Missing self theory

樹状細胞 dendritic cell 抗原提示 - 自然免疫と獲得免疫の橋渡し役 CD11c 陽性 樹状ランゲルハンス細胞 血中 組織中にも未熟型 骨髄系 ( リンパ系 プラズマサイトイド系 ) TLRs マンノースレセプター FcR 陽性 貪食能 末梢 ( 局所 ) で抗原を取り込んで成熟 リンパ説へ移動 ナイーブT 細胞へ抗原を提示する 成熟型はクラスII MHC 共刺激分子 (CD86, CD40) を発現 細胞外から取り込んだ抗原でもクラスI 載せることができる ( クロスプレゼンテーション ) Plamsacytoid DC (TLR9でIFN α産生 ) IDC( 胸腺内 ) FDC( 胚中心 )

補体系 ( 別経路 古典経路 ) 抗原を排除し 炎症を引き起こす 抗原抗体複合体 ( 古典経路 ) あるいは細菌成分 ( 別経路 ) によって活性化される 細菌細胞壁マンナン + MBL( レクチン) レクチン経路 細菌 & 自然抗体 ( IgM) 複合体 C1q 細菌表面多糖構造 古典経路 別経路 C3 分解 C3a C3b アナフィラトキシン 炎症 (C3a ヒスタミン放出 C5a 走化性因子 ) C5,6,8,9 ( 膜溶解 MAC) オプソニン化 C3b-CD21 貪食 * 補体だけでなく 抗体も FcR を介してオプソニン化する

NKT γ γδ T αβ γ δ γ DN-αβT (CD8αα IEL) γ B1 CD5 B2

TLR (Toll-like receptors) パターン認識レセプター ショウジョウバエの体軸決定に関与する遺伝子として取られた マクロファージ 好中球 樹状細胞 B 細胞に発現多くの細菌に共通な成分 ( LPS, ペプチドグリカン ) に結合 NF-κBの活性化を介してサイトカイン産生を誘導 TLRs リガンド TLR2 リポ蛋白 ペプチドグリカン TLR4 LPS( リポ多糖 ) TLR5 フラジェリン( 鞭毛蛋白 ) TLR9 非メチル化 CpG DNA TLR3 ウイルス二本鎖 RNA? 2+6 マイコプラズマ由来リポ蛋白 TLR1 TLR2とヘテロダイマー形成 7,8,10 機能不明 PAMP = Pathogen Associated Molecular Pattern

細菌の表層 グラム陽性細菌 グラム陰性細菌 リポテイコ酸 テイコ酸 LPS ペプチドグリカン NAG NAM ペプチドグリカン テイコ酸 LPS

細菌のべん毛 細菌の DNA フラジェリン 非メチル化 CpG DNA

TLR のシグナル伝達 IRF3/7 IFNα,β 転写因子 サイトカイン産生

細菌の侵入に対する免疫応答 IgE マスト細胞 ( 肥満細胞 ) ヒスタミン放出 血管透過性亢進 自然抗体 IgM ( 補体主経路 ) アナフィラトキシン 補体系 溶菌 特異抗原 多糖 MBL ( 補体別経路 ) TLR 好中球 活性酸素産生 貪食 細菌 PAMP 脂質セラミド ストレス / 異常ウイルス感染 MICA ガングリオシド TLR TCR マクロファージ TLR NKR-P1 NKG2D オプソニン化 樹状細胞 plasmacytoid DC (IFNα 産生 ) γδ T 細胞, DN-T NKT 細胞 NK 細胞 IL-4, IFNγ リンパ節 IL-12, IFNγ IFNγ 炎症性サイトカイン産生 ケモカイン産生 T 細胞へ抗原提示 サイトカイン産生 細胞破壊 発熱 炎症 好中球 Μφ の動員 ( 誘引 ) 獲得免疫 Th1/2 分化 抗体産生 CTL

自然免疫から獲得免疫へ 末梢組織 樹状細胞 ( 未熟 ) 抗原を貪食 PAMP / TLR 樹状細胞 ( 成熟 ) class II B7-2(CD86), CD40 CCR7 ケモカインレセプター 抗原提示分子 補助因子 ケモカイン SLC CXCL9 CCL21 リンパ節 (HEV) DC, T領域 樹状細胞 ( 活性化 ) 抗原提示 ナイーブ T 細胞 Th1,2 CTL 特異的 T 細胞活性化 ヘルプ B 細胞活性化 クラススイッチ体細胞突然変異 胚中心 (GC) 抗体産生細胞

Acquired Immunity (Adaptive Immunity)

獲得免疫 - 抗原特異的な認識による免疫応答 何が来ても大丈夫!? 高度に制御されたバックアップシステム 遺伝子再構成 クローン選択 T細胞の胸腺内分化 T細胞の正 負の選択 DP 死 DP CD4-SP ランダムに再構成したTCR DP CD8-SP DP DP 死 T 細胞 B 細胞だけが遺伝子再構成することができる ( ランダム ) T 細胞 B 細胞のみが抗原特異的な免疫応答を担うことが出来る T 細胞のみが自己と非自己を見分けることが出来る

獲得免疫の役割 T 細胞 (Th1 2, Tr Tr, CTL, CTL) Th1 IL-2 IFNγ TNFβ 産生細胞性免疫 (CTL マクロファージ活性化) 細胞内寄生細菌結核菌 リステリア クラミジア STAT6, GATA-3, c-maf Th2 IL-4 5 6 13 産生液性免疫 ( 抗体産生 ) IgE アレルギー細胞外で増える細菌 原虫 ウイルス STAT4, T-bet 誰が方向を決めるか? バランス遺伝的背景もある Th1: IL-12 (DC) IFNγ (NK) Th2: IL-4 (NKT) DC1 (myeloid), DC2(lymphoid), pdc(ifnα) Tr 調節性 T 細胞 CD25 陽性 CD4-T 細胞 末梢性寛容 IL-10, TGF-β産生 Foxp3 CTL キラー T 細胞 ウイルス感染細胞 腫瘍化細胞を殺す B 細胞 (B2 B2) ) と抗体産生 骨髄から分化 抗原をIg 経由で特異的に取り込んだB 細胞はTh2のヘルプにより抗体産生細胞へと分化 ( 脾臓 リンパ節 骨髄 ) 胚中心 (germiinal center) にて FDC によって提示された抗原抗体複合体クラススイッチ (IL-4 IgE) 体細胞突然変異により高親和性抗体の選択 AID (Activation Induced cytidine Deaminase) RNA editing enzyme

まとめ ( ダイジェスト ) 細菌 マンノースペプチドグリカン LPS べん毛細菌 DNA ( 微生物に特徴的なパターン分子 ) TLR レクチン補体系自然抗体 自然免疫 貪食炎症 ( 発熱 発赤 膨張 ) 殺菌白血球浸潤 その他の非自己成分 DC が捕食 獲得免疫 特異抗体特異キラー細胞 メモリー B T 細胞

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