奈良県教育委員会

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6 学校給食での地場産物活用に当たっての課題 学校給食における市町村産食材等の利用に関する調査 において 市町村に対し 学校給食で地場産物の活用を促進する上での課題について 市町村産食材と道産食材について それぞれ伺ったところ 次のような結果となりました 学校給食への地場産食材利用促進上の課題 関係

平成 28 年度 第 1 回境港市学校給食センター運営委員会 1 日時 : 平成 28 年 10 月 27 日 ( 木曜日 )10:00~ 2 場所 : 境港市学校給食センター研修室 3 内容 (1) 報告事項 1 平成 28 年度学校給食の実績について 2 学校給食センターの取組について 3 アイ


平成18年度

(2) 学校給食用物資の取扱予定数量 分類 平成 29 年度 平成 28 年度 増減 基本物資 ( 主食 ) 取扱数量 パン 17,476,000 食 17,861,000 食 385,000 食 米飯 82,894,000 食 82,695,000 食 199,000 食 めん類 9,900,00

平成 29 年度広島県立庄原特別支援学校食に関する年間指導計画小学部重複障害学級 遊びの指導 生活単元学習 給食の食材や献立について知る 正しい手洗いを身に付ける 協力して配膳ができる 給食の食材や献立について知る バランスよく, 何でも食べる 必要な水分を上手に摂取する 食後の片付けができる しっ

平成 30 年度広島県立庄原特別支援学校食に関する年間指導計画小学部重複障害学級 食べ物と健康との関わりについて知ろう 給食について知ろう 学習 遊びの指 導 生活単元 給食の食材や献立について知る 正しい手洗いを身に付ける 協力して配膳ができる 食後の片付けができる しっかりかむ習慣を身に付け,

実践内容 (1) 視点 1 教育活動全体で推進できるよう 指導体制を整備し 食に関する指導の充実 を図る 1 食育全体計画の整備既存の食育全体計画を見直し 教科 学級活動における食に関する指導の時間を確保するとともに 栄養教諭とのティーム ティーティング ( 以下 TT) についても明記した また

H26SSS報告書:奈良県

Ⅳ 第 2 次計画の目標 : 第 2 次計画で新たに設定した項目 府民主体 府民と行政と団体 行政と団体 1 内 容 新 規 栄養バランス等に配慮した食生活を送っている府民の割合 2 朝食欠食率 第 1 次計画策定時 35 現状値 第 2 次計画目標 第 2 次基本計画目標 24% 15% 60%

刈谷市食育推進計画

資料2 これまでの学校における食育の取組について

山形県教育委員会:遊佐町立藤崎小学校

02-01 ビジョンの基本的考え方

Microsoft Word - 結果概要.doc


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第2次帯広市食育推進計画(名古屋市パクリ)

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教員の専門性向上第 3 章 教員の専門性向上 第1 研修の充実 2 人材の有効活用 3 採用前からの人材養成 3章43

104 (3) 全中学校において アクティブスクール を展開 全中学校を アクティブスクール として位置付け 自校の目標 ( 値 ) や取組内容を定めた 体力向上推進計画 を作成し 取組を強力に推進している (4) スーパーアクティブスクール や アクティブライフ研究実践校 による取組中学校 47

30つながる食育推進事業成果報告書

第 4 章 地域における食育の推進 1 栄養バランスに優れた 日本型食生活 の実践 ごはんを中心に 魚 肉 牛乳 乳製品 野菜 海藻 豆類 果物 茶など多様な副食などを組み合わせて食べる 日本型食生活 は 健康的で栄養バランスにも優れている 農林水産省では 日本型食生活 の実践等を促進するため 消費

5 第 2 章 地産地消の推進 P27の説明文を次のように変更してはどうか 米飯給食は, 食事内容の多様化を図り, 栄養に配慮した米飯の正しい食習慣を身につけさせる見地から, 教育上有意義である 茶碗一杯のご飯価格は, わずか約 20 円である お米のなみだ や, ササニシキ, ひとめぼれの銘柄米の

食育に関するアンケート

< 委託業務説明書 > 1 平成 20 年度事業実施において明らかとなった課題当初企画 予定していたとおり市民に使用しやすく 親しみが持て かつ利用価値が高い食育推進に資するポータルサイトの構築に努めてきた 食育情報の発信については 簡単に行うことができるようブログを活用した情報発信の仕組みの構築を

都道府県の食品ロス削減の取組状況 1 47 都道府県全てから回答があった 平成 8 年度に食品ロス削減に関する取組を 行っている と回答したのは 4 自治体で 食品ロス削減施策に関する予算が ある と回答したのは 5 自治体であった 平成 7 年度の調査結果と比較するといずれも増加している 食品ロス

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ライフステージ別に 個人 家庭 地域 企業 行政 それぞれの分野での取組を まとめました 基本施策 1 理解と関心を深めて食育推進 個人 家庭 地域 企業 家族と 食 について話をする 感謝の気持ちを込めて いただきます ごちそうさま を言う よく噛んで味わって食べる 買い物や調理 後片付け等 食事

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2 各教科の領域別結果および状況 小学校 国語 A 書くこと 伝統的言語文化と国語の特質に関する事項 の2 領域は おおむね満足できると考えられる 話すこと 聞くこと 読むこと の2 領域は 一部課題がある 国語 B 書くこと 読むこと の領域は 一定身についているがさらに伸ばしたい 短答式はおおむ

英語教育改善プラン

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May, 2019 FNB 東京大会選手村におけるメニューの策定及び産地表示について ~ 選手村ダイニングにおける食の発信 ~ 東京 2020 大会組織委員会

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平成25~27年度間

75綾川町

広島県

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渚泊推進対策 平成 29 年 3 月に閣議決定された 観光立国推進基本計画 において 農山漁村滞在型旅行をビジネスとして実施できる体制を持った地域を平成 32 年度までに 500 地域創出することにより 農泊 の推進による農山漁村の所得向上を実現する と位置づけられたところ 農泊 を持続的なビジネス

市中学校の状況及び体力向上策 ( 学校数 : 校 生徒数 :13,836 名 ) を とした時の数値 (T 得点 ) をレーダーチャートで表示 [ ] [ ] ハンドボール ハンドボール投げ投げ H29 市中学校 H29 m 走 m 走 表中の 網掛け 数値は 平均と同等または上回っているもの 付き

食育に関するアンケート

73香川県

基本方針1 小・中学校で、子どもたちの学力を最大限に伸ばします

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事例 食生活改善推進員による食文化継承の取組 一般財団法人日本食生活協会 1ふるさと料理教室の開催 ( 静岡県協議会 ) 幼児と保護者 小 中学生を対象に だしの取り方 だしの色々な違いについて体験 だしをしっかり取る事で 減塩 につながり それが健康的な食生活につながる事を多くの人々に伝える みず

平成 26 年度努力点 1 研究主題 作って食べて食への思いを高める常安の子 - 広げよう! 食育の輪 - 2 研究主題設定の理由本校では 平成 24~25 年度の2 年間に渡り できたよ自分で というテーマの基 やてみたい できるようになりたい 分かるようになりたい と 自分の意思で意欲的に学ぶ子

資料 4-2 平成 26 年度における県の主な取組 野菜で健康大作戦事業 子ども健康促進事業について さあ始めよう! あおもり 健活 推進事業

CSR の 5 つの重要課題 食とスポーツで心と体の元気を応援 基本的な 考え 方 貢献するSDGs CSR の5 つの重要課題 の中心的対象となる SDGs の目標 食とスポーツを手掛ける企業として 食育活動 食文化の普及 スポーツの振興などを通して心と 体の健康づくりに貢献しています スポーツと

(3) 西予市 西予市産が最高! えひめの食育応援団 in 愛媛県歴史文化博物館 ( 食育講習会 ) 開催日時 平成 26 年 8 月 31 日 11 時 ~14 時 開催場所 愛媛県歴史文化博物館 入場者数 約 280 名 出演者 司会小林真三 ( 南海放送パーソナリティー愛媛の食育応援団メンバー

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高知県教育委員会

H25補助金等実績報告書(鏡)記入例

(2) 望ましい食習慣や知識の習得 ( 関連目標 ) 子どもたちが 食習慣や知識を習得することは 生涯にわたって健全な食生活を実践していくために重要です そこで 学校では家庭科や学校行事等における調理実習等の体験を通して 児童生徒が食に関する正しい知識や技能を習得できるようにするとともに 家庭での実

2 次 2 次 率 2 次 2 次 大阪教育 ( 教育 - 小中 - 保健体育 ) 69 ( 教育 - 中等 - 保健体育 ) 奈良教育 ( 教育 - 教科 - 英語 ( 中 )) 55.0 山口 ( 教育 - 学校 - 国語 ) 50.0 ( 教育 - 学校 - 英語 ) 52.5 福岡教育 (

5_【資料2】平成30年度津波防災教育実施業務の実施内容について

2 市内中学校での平和パネル展及び平和講演会会場及び開催日 : 新井中学校 パネル展 11 月 18 日 ~11 月 25 日 講演会 11 月 25 日妙高中学校 パネル展 10 月 24 日 ~10 月 28 日 講演会 10 月 28 日妙高高原中学校 パネル展 11 月 14 日 ~11 月

44 大分県

様式 Ⅰ 平成 28 年度オリンピック パラリンピック教育推進校 事業実施報告書 学校名 井手町立井手小学校 多賀小学校 泉ヶ丘中学校 全校児童 生徒数 井手小 ;222 名多賀小 ; 99 名泉ヶ丘中 ;154 名 Ⅰ スポーツへの誘い自己肯定感の醸成 Ⅱ 障害者や高齢者への理解共生社会の形成 Ⅲ

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37 香川県


農業指導情報 第 1 号能代市農業総合指導センター環境産業部農業振興課 発行平成 26 年 4 月 25 日二ツ井地域局環境産業課 確かな農産物で もうかる 農業!! 農家の皆さんを支援します!! 農家支援チームにご相談ください! 今年度 農業技術センター内に農家支援

英語教育改善プラン

講座番号講座名定員日付教員研修受講人数 6507 はじめての情報化推進担当者 ~ 学校間総合ネットの提供サービスを知る~ /6/ 生徒の理解度をアップさせる教材作成入門 G1 ~Flash を利用した教材作成の基礎 ~ /6/ 表計算

title

単元構造図の簡素化とその活用 ~ 九州体育 保健体育ネットワーク研究会 2016 ファイナル in 福岡 ~ 佐賀県伊万里市立伊万里中学校教頭福井宏和 1 はじめに伊万里市立伊万里中学校は, 平成 20 年度から平成 22 年度までの3 年間, 文部科学省 国立教育政策研究所 学力の把握に関する研究

資料 オリ パラ東京大会を契機とした GAP の推進と県産農畜水産物のプロモーション 平成 30 年 9 月 18 日 持続可能性に配慮した日本の食の魅力発信のための研修会 岐阜県農政部

基本方針 2 児童 生徒一人ひとりに応じた学習を大切にし 確かな学力の育成を図ります 基本方針 2 児童 生徒一人ひとりに応じた学習を大切にし 確かな学力の育成を図ります (1) 基礎的 基本的な学力の定着児童 生徒一人ひとりが生きる力の基盤として 基礎的 基本的な知識や技能を習得できるよう それぞ

山梨県教育委員会:甲州市立塩山北小学校

1 貴重な自然環境を継承するため 保全活動に取り組みます 指標目標の推移 指標目標 米代川やきみまち阪 風の松原などの豊かな自然を他に誇れると思う市民の割合 ( 市民意識調査 ) 松くい虫被害量 計画策定目標値 H20 年度 H21 年度 H22 年度 H23 年度 H24 年度 H19 年度 (H

45 宮崎県

第 1 章 解説 平成 27 年度 スクールソーシャルワーカー活用事業 の概要と成果等について紹介します

【H 制定】災害高機能型推進事業実施要領

5 地域再生を図るために行う事業 5-1 全体の概要 棋士のまち加古川 をより幅広く発信するため 市内外の多くの人が 将棋文化にふれる機会や将棋を通じた交流を図ることができる拠点施設を整備するとともに 日本将棋連盟の公式棋戦 加古川青流戦 の開催や将棋を活かした本市独自のソフト事業を展開する 5-2

英語教育改善プラン

マップ01

三条を召し上がれ 地産地消推進店へ行こう 三条市では 地産地消を進め 人もまちも元気な三条を実現するため 積極 的に地場農産物を使うお店を 三条市地産地消推進店 として認定しています 地産地消推進店には 認定証として Bon Appetit!! SANJO とかかれたプレー トが掲示してあります ぜ

コミュニティ・スクールの取り組み

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13:00 地産地消コーディネーターの活動紹介 ( 各 20 分 ) 1 生産者組織東京都日野市農業者 小林和男 2 中間組織塩尻市農業公社農産物流通コーディネーター村上かほり 3 栄養教諭朝日村立朝日小学校栄養教諭杉木悦子 小林さん ( 右 ) は食材供給側である生産者の立場 村上さん ( 中 )

①CSの概要

平成30年度「社会的課題に対応するための学校給食の活用事業」成果報告書

H26SSS報告書:石川県

H26SSS報告書:静岡県

つくば市地域福祉計画 骨子案

アイヌ政策に関する世論調査 の概要 平成 3 0 年 8 月内閣府政府広報室 調査対象 全国 18 歳以上の日本国籍を有する者 3,000 人 有効回収数 1,710 人 ( 回収率 57.0%) 調査時期平成 30 年 6 月 28 日 ~7 月 8 日 ( 調査員による個別面接聴取 ) 調査目的

平成 30 年度茨城県地域猫活動推進事業実施要領 第 1 目的本事業は, 地域猫活動に取り組む市町村や地域を茨城県が支援することにより, 県内に地域猫活動を普及 定着させ, 飼い主のいない猫の適正管理を図り, 快適な生活環境の保持増進に寄与することを目的とする 第 2 用語の定義この要領における用語

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目 次 1. 策定の趣旨 2 2. 基本理念 2 3. 計画の期間及び推進状況の把握 2 4. 計画の対象 2 5. 第 1 次計画 における成果と課題 2 (1) 成果 2 (2) 課題 3 6. 計画の全体構想図 3 7. 推進事業 4 (1) 家庭における読書活動の推進 4 (2) 地域 図書

公益目的支出計画実施報告

コラム授業力の向上について食育では 生涯にわたって健全な心と身体を培い豊かな人間性を育んでいきます そのためには 教師の授業力が一つの鍵になることはいうまでもありません そこで どのような授業を行えば 子どもたちに望ましい生活習慣等が定着するのか 小学校 中学校授業評価システムガイドライン ( 平成

みえ GAP チャレンジ宣言 ~ 三重から GAP 認証の輪を!~ 私たちは 農業を志す若者や農業の未来を拓こうとする生産者など 意欲と情熱に溢れる皆さんとともに 生産者の輪 生産者と消費者の輪 生産者と流通業者の輪 など 様々な輪を生み出し つなげることで GAP 認証の取得にチャレンジします そ

持続可能な教育の質の向上をめざして ~ 教員の多忙化解消プラン に基づく取組について ~ 平成 30 年 3 月 愛知県教育委員会

地域英語教材“15 Stories of Saitama-ken”(Ver.2)の開発と活用【共同研究】

スクールソーシャルワーカー (SSW) 活用事業 趣旨 いじめ 不登校 暴力行為 児童虐待などの背景には 児童生徒が置かれた様々な環境の問題が複雑に絡み合っています そのため 1 関係機関等と連携 調整するコーディネート 2 児童生徒が置かれた環境の問題 ( 家庭 友人関係等 ) への働きかけなどを

山形県米粉利用拡大プロジェクト

Transcription:

平成 29 年度社会的課題に対応するための学校給食の活用事業 成果報告書 受託者名 ホームページアドレス 奈良県教育委員会 http://www.pref.nara.jp/6286.htm 1 取組テーマ ( 研究開発テーマ : 地産地消の推進 伝統的食文化の継承 ) 地産地消の推進 学校給食における県内産食材の使用割合を向上させる 奈良県産食材を使用した郷土料理や地元で収穫された食材を使用した伝統料理を学校給食に 取り入れ 伝統的食文化の継承とともに地域への普及啓発を図る 2 推進委員会の構成 委員中村貴子 京都府立大学生命環境科学研究科農業経営学講師 委員杉本正範 河合町教育委員会事務局教育部総務課課長 委員辰巳 浩 奈良県学校給食指導研究会会長 ( 広陵町立広陵西小学校校長 ) 委員横地博子 奈良県学校給食栄養研究会会長 ( 橿原市立畝傍東小学校栄養教諭 ) 委員高垣次男 奈良県農業協同組合販売部次長 委員浦辻利宏 公益財団法人奈良県学校給食会常務理事 委員辻本智宏 奈良県農林部マーケティング課課長 委員姫野隆昭 奈良県くらし創造部消費 生活安全課課長 委員村田 理 奈良県健康福祉部健康づくり推進課課長 委員吉田浩一 奈良県教育委員会保健体育課課長 委員 計 9 名 事務局喜多豊 奈良県保健体育課健康 安全教育係課長補佐 事務局岡田禎之奈良県保健体育課健康 安全教育係係長 事務局其山勢津子奈良県保健体育課健康 安全教育係指導主事 事務局大坪昌子奈良県保健体育課健康 安全教育係指導主事 事務局 計 4 名 3 連携機関及び連携内容連携機関名京都府立大学畿央大学河合町教育委員会 JAならけん公益財団法人奈良県学校給食会 連携内容指導助言実践地域への指導指導学校給食地場産物の推進農作物の供給等農作物の供給等

4 実践内容事業目標 地産地消の推進 本県の学校給食における地場産物の活用率は 文部科学省の目標とする30% に満たず 全国的に見ても下位にある 本事業において 教育委員会 行政及び関係機関が連携し 学校給食における県内産食材の使用割合を向上させるために 以下の目標を設定する 1 学校給食における地場産生鮮野菜の供給経路の開拓 2 学校給食における地場産物活用品目の増加 3 規格外農産物の有効活用や 生鮮野菜の長期使用 調理作業効率向上のための地場産野菜の一次加工品の開発 奈良県健康長寿 21 計画 において 野菜の摂取量の割合を増やすことが健康な体の保持増進に欠くことができないことから 幼少期から野菜の摂取量を増やす取り組みが必要とされている また 奈良県産食材を使用した郷土料理は 米の栽培 収穫作業の時期に併せて 地元で収穫された食材を使用し 伝統料理として食べ継がれてきた料理が多い 学校給食での活用により 地域への普及啓発を図るため 以下の目標を設定する 1 郷土料理の掘り起こしを行い 学校給食で使用できる大量調理献立の開発を行う 2 学校給食における野菜の使用量の増加を目指す 3 家庭向けに 野菜の摂取量の増加と 郷土料理の啓発のためレシピ集の作成を行う 4 奈良に伝わる伝統的食文化を知っている子どもの割合の増加を目指す 評価指標 地産地消の推進 学校給食の地場産物活用の割合 ( 現状値 ): 平成 28 年度 11 月調査 21% 目標値 : 全国平均 26.9% 以上 ) 学校給食における規格外地場産物の使用品目数 ( 現状値 :0 品目 目標値 :1 品目以上 ) 奈良県産食材を活用した郷土料理の学校給食レシピの開発 児童が伝統的食文化について知っている割合の増加 評価方法 地産地消の推進 学校給食で地場産物を使用した割合学校給食で奈良県産の規格外農産物等一次加工品を使用した品目数 郷土料理活用献立の実施割合 児童対象のアンケート

評価指標を向上させるための仮説 ( 道筋 ) 地産地消の推進 推進会議やモデル地域でのワーキング会議を実施し 新たな供給経路を開拓する また 地場産物 ( 野菜 果物 ) 年間納入時期調査及び 学校給食年間使用野菜 果物の種類と量 単価目安を調査し 活用の促進を図ることによって 地場産物の活用率を向上させる 一次加工食品工場における加工品の形状等を検討したり 新たな地場産物の加工品を開発したりしながら 学校給食に取り入れやすい地場産物を増やす 郷土料理の発掘と 学校給食のために開発したレシピを活用し 郷土料理や伝統的食文化に触れる機会を増やす また 試食会を実施したり 親子料理教室を行ったりしながら 家庭や地域に広げていく 小学校において 行事食の掲示物を展示したり 食に関する指導を実施したりしながら 子どもたちの知識と理解を深める 実践内容 県の取組 1. 河合町をモデル地域として委託 2. 推進会議の開催 3. 地場産物紹介リーフレットの作成 県下 39 市町村給食関係者や小中高等学校に配布した 4. 報告会の開催 実践地域 ( 河合町 ) の取組 地産地消の推進 1. ワーキング会議で企画 1 地域活性課 農業委員会 まほろば夢市との連携をさらに強化 地元生産者と協議し 使用品目数の増加につなげる 町内産のきゅうりを使用した奈良漬を開発した これまで学校給食で使用できなかった農産物を取り入れることを目的に すぐに調理ができるカット食品を一次加工業者に依頼した 2JAならけん椿井営農経済センターの協力により新規農産物の納品ルートを開拓 使用可能な食材について協議し 今年度 3 品目の新たな野菜を納入した 今後も増加する方向で協議を重ねていく 2. 加工食品の開発河合町産卵を使った 厚焼卵 や 河合町産のきゅうりを使った 奈良漬 を開発した 3. 地産地消の推進 の実践に係る先進地視察研修学校給食における地産地消の活用率が高い山口県 ( 柳井市 岩国市 ) を視察して学ぶ 4. 新規メニューの開発 1 地場産物を活用した新規メニューの開発を フードコーディネーターの松田弘子氏に依頼した

2 開発したメニューを 学校給食おすすめレシピ集 にまとめ 学校給食に活用するとともに 家庭 県内の学校給食関係者に配布した 5. 校内での栽培活動と食に関する指導 1 学校支援ボランティアによる栽培指導やボランティアとの交流給食を実施した 2 栄養教諭による食に関する指導を実施した 1. 郷土料理のアレンジレシピの開発 1 郷土料理のアレンジレシピを開発し 学校給食おすすめレシピ集 にまとめ 家庭 学校給食関係者へ配布した 2 学校給食に郷土料理を多く取り入れた 2. 掲示物の作成年中行事の掲示パネルを作成した 3. 課題解決に取り組む 1 学校給食での行事食についてのアンケートを実施した (7 月 12 月 ) 2 親子料理教室を実施した ( お月見の行事食 ) 3 教科の学習と連携した食に関する指導を実施した 5 成果 地産地消の推進 (1) 成果指標 指 標 ( 河合町 ) 平成 28 年 11 月 平成 29 年 11 月 地場産物及び県内加工品活用割合 21% 33% < 目標値達成 > 町内産の使用品目数 13 品目 17 品目 規格外地場産物の使用品目数 0 品目 3 品目 ( さつまいも 里芋 柿 ) 地場産物を使った加工食品の開発 0 品目 2 品目 ( 奈良漬 厚焼卵 ) (2) 成果 河合町では 地域の農業委員の方々やJAならけん 関係部局等と連携を図ることにより 供給できる野菜等の品目数が増加し使用頻度の拡大につながった また 1 月には 100% なら の日 が達成できた この事業に取り組むことで教職員 生産者や学校支援ボランティアとの 関係が深まっている (1) 成果指標 指 標 ( 河合町 ) 平成 28 年度 平成 29 年度 郷土料理活用献立の実施数 6 品 10 品 児童が伝統的食文化について回答した数 指導前 指導後 ( 奈良県の郷土料理や特産物 その他 ) 20 品目 44 品目 (2) 成果 栄養教諭とフードコーディネーターが話し合いを重ね 大量かつ衛生的な作業が必要な学校 給食として使えるレシピ集を作成することができた また 学校給食に郷土料理を取り入れな がら 子どもたちへの 食に関する指導 に取り組むことにより 伝統的な食文化や地場産物 についての理解が深まった

6 事業の取組状況の情報発信 河合町文化祭及び産直市で事業の紹介 河合町文化会館まほろばホールで産直市が開催され 本事業内容の紹介 奈良県教育委員会が作成した 地場産リーフレット と栄養教諭が作成した 地場産物を使用した学校給食レシピ を配布した 地域の方へも地産地消の推進や伝統的食文化の継承をPRした 奈良県報告会での実践報告 日時 : 平成 30 年 2 月 2 日 ( 金 ) 午後 13 時 ~ 場所 : 河合町立文化会館まほろばホール記念講演 : 地産地消の食育は地域を元気にする 京都府立大学生命環境科学研究科農業経営学研究室講師中村貴子氏実践報告 : 奈良県における 社会的課題に対応するための学校給食の活用事業 について奈良県教育委員会事務局保健体育課指導主事其山勢津子氏 地域とともにつくる学校給食 ~ 四季彩豊かな水辺の里河合町の食育 ~ 畿央大学健康科学部健康栄養学科教授上地加容子氏河合町立河合第三小学校栄養教諭棚橋恵美参加者からは 地産地消を進めていくうえでの参考になった等の感想を多くいただいた 事業報告書配布 事業の取組内容や成果をまとめた報告書を県下 39 市町村給食関係者に配布し 地産地消の推進 やの啓発を行った 7 今後の課題 地産地消の推進 奈良県は農業従事者や野菜等の生産量が少ないうえに水産資源に恵まれていない 学校給食施設が必要とする種類や量 価格 加工品を確保するためにも 市町村が生産者 関連団体 加工業者などと情報交換できるような体制づくりを図っていく必要がある アンケート調査の結果をみても 子どもたちは郷土料理など伝統的な食文化に触れる機会が少なくなっているのがわかる また 学校給食に郷土料理や地場産物を取り入れたいところではあるが 郷土料理に使用する地場産物の種類や数量が限られていることや手に入らない食材もある 今後 県内の栄養教諭 学校栄養職員等と連携しながら 郷土料理や地場産物を給食に多く取り入れていく方策を探っていきたい