道路基盤地図情報の試行提供 道路基盤地図情報の取り組み概要 平成 22 年 12 月 国土交通省 国土技術政策総合研究所
背景 ( 地理空間情報活用推進基本法 (H19.8.29 施行 )) 基本理念 国土空間データ基盤の形成 ( 地理空間情報の整備 提供 地理情報システムや衛星測位の利用推進等による総合的 体系的な施策の実施 ) 地理空間情報の活用の推進に関する政策の相乗効果 工事完成図による道路基盤地図情報の活用 - 基盤地図情報に係る項目 (( 省令 ): 道路区域界 道路縁等 ) の取得 - 大縮尺の道路基盤地図情報を活用した基盤地図情報の更新 1
背景 ( 関連施策 ) 地理空間情報の活用推進に関する行動計画 (G 空間行動プラン ) (H20.8.1) および GIS アクションプログラム 2010(H19.3.22) 工事図面等を活用した基盤地図情報の更新技術の開発 : 工事で電子納品されるCAD 図面の情報を活用し 基盤地図情報を円滑に更新する技術や基準を開発する 道路関係図面の電子化 : 道路工事完成図等作成要領に基づく電子化を進めるなど 道路関係図面の電子化を進める 国土交通省 CALS/ECアクションプログラム 国土交通省 CALS/ECアクションプログラム2005(H18.3.15) 目標 9: 完成図を利用した管理図の蓄積 更新の迅速化 効率化 国土交通省 CALS/ECアクションプログラム2008(H21.3.31) 目標 3: 調査 計画 設計 施工 管理を通じて利用可能な電子データの利活用 (CALS/EC AP 2005 目標 9の継続実施 ) 上記施策に基づき 道路基盤地図情報の整備 利用 2
工事完成図から道路基盤地図情報へ 電子納品の成果を用いて道路基盤地図情報を整備 工事 電子納品 工事完成図 (CAD データ ) 生成 更新 道路基盤地図情報 (GIS データ ) 3
道路基盤地図情報の作成 道路工事と電子納品ー 電子納品の全面展開 (H16 年度 ~) 電子データの蓄積開始 工事完成時の電子納品に着目し 道路基盤地図情報の作成に必要なデータを取得 電子データの流通の視点から電子化の標準化の必要性 道路管理者側の DB 電子納品成果 4
道路基盤地図情報とは 道路構造を表現する大縮尺 (1/1,000) の GIS GISデータ 平面的な道路形状及び高さ情報から構成 ( 共用性の高い 30 30 地物地物 ) 図形名称 道路中心線距離標管理区域界測点車道部車道交差部道踏切道路軌道敷面島地路面電車停留所物歩道部自転車駐車場自動車駐車場植栽区画線停止線横断歩道横断歩道橋地下横断歩道建築物橋脚盛土法面切土法面斜面対策工擁壁ボックスカルバートシェッドシェルター橋梁トンネル 図形要素 面 線 点 5
道路基盤地図情報を用いた地理情報システムに期待されること 道路施設管理 上乗せ情報 上乗せ情報 共通基盤 道路管理情報の統合管理による情報の共有化 施設諸元 異常事象 占用物 工事完成図による道路の基盤地図 その他 ( 家屋, 地形など ) パトロール 占用物管理 共通利用による地図整備 更新費用の削減 6
道路基盤地図情報の利活用イメージ 道路管理業務における利活用 行政相談対応における利活用 舗装管理における利活用 境界確定における利活用 特殊車両管理 取締指導における利活用 道路パトロールにおける利活用 道路占用物件管理における利活用 工事発注図への利活用 民間における利活用 安全運転支援 渋滞回避支援における利活用 ハイブリッド自動車 電気自動車のバッテリー等の制御への利活用 7
情報共有異常情報の 道路管理業務における利活用 行政相談対応 苦情 問合せ対応 Aさん Bさん 道路管理情報の統合管理による情報の共有化 工事発注図への利活用 舗装管理 事故対応 上乗せ情報 異常事象 上乗せ情報 施設諸元 占用物 工事区間 発注図へ活用 舗装年度で色分け表示 道路基盤地図情報 ( 電子化図面 ) 道路基盤地図情報 道路占用物件管理 その他 ( 基盤地図, 数値地図等 ) 境界確定 境界確定箇所 特車管理 取締指導 道路パトロール ( 異常時含む ) パトロール結果を確認 パトロール結果を入力 境界確定箇所の情報 確認 8
行政相談対応における利活用 事務所内の各種情報を道路基盤地図情報の上で共有 苦情要望受付 ~ 対応記録管理など 一連の行政相談対応情報を蓄積 管理 登録 苦情要望 道路管理者住所 距離標 地物などから該当箇所の地図を検索 多様な情報を同一基盤上で統合管理 参照道路台帳附図 苦情要望 各センサスの観測地点等の表示 苦情 要望管理苦情要望の受付 対応処理 相談者への回答 履歴管理までを一元管理 蓄積 情報共有 月次報告書の出力 行政相談以外にも多様な情報を一覧表示 事故危険箇所 事故発生箇所 交通量常時観測局 同一箇所の背景を重ねて表示 9
舗装管理における利活用 大縮尺の利点を活かし 道路基盤地図情報に舗装状況を重ね合わせて面的かつ正確に管理 各履歴を用いた補修の優先度分析など 補修計画立案の高度化 舗装工事 表示する属性情報の指定 舗装年度によって色分け表示 補修計画作成 道路基盤地図情報上に舗装年度別で色分けした情報を重ね合わせ 視覚的にわかりやすく表現 補修箇所の優先度分析に活用し 補修計画作成を高度化 舗装年度毎の色分けを設定 舗装年度を色で表現 10
境界確定における利活用 大縮尺の道路基盤地図情報上で境界確定箇所を正確に管理 境界確定が行われた箇所の境界確定範囲と関連情報 ( 確定者 確定年月日 確定図等 ) を管理 境界確定 境界確定範囲と関連情報 ( 確定種別 ( 確定 / 未確定 ) 確定者 確定年月日等 ) を確認 添付されている関連図書 ( 申請書 確定図 確定書等 ) の閲覧 境界確定範囲を表示 確定書 確定図 関連情報の表示 11
特殊車両管理 取締指導における利活用 道路基盤地図情報の大縮尺を生かし 個別協議 接進判断の基礎資料とする 協議 審査箇所の車道部 車道交差部及び区画線を元に軌跡図と重ね合わせて通行可否を審査 個別協議箇所の確認 関東地方整備局東京国道事務所 渋谷区 申請番号 : 東国交特車第 550590 号申請期間 :H20.9.9~H21.3.23 協議箇所 : 号 #551243 障害内容 : 交差点障害車輌諸元 : 車両長 21.0 車両幅 2.5 備考欄 申請者より 9 月 9 日より定期運行の開始を希望されており なるべく早い回答を望みます 道路管理者における通行シミュレーション 協議 個別審査結果記入欄 許可 不許可 A 条件 B 条件 C 条件 D 条件 申請者作成の軌跡図 申請者作成の軌跡図 道路基盤地図上で審査 協議 12
道路パトロールにおける利活用 道路基盤地図情報の上にパトロール情報を乗せ パトロール情報を一元管理 大縮尺の図面の上で 詳細な位置情報をプロット可能 道路パトロール管理システム パトロール中 パトロールしながらリアルタイムで結果登録も可能 道路基盤地図情報の上にパトロール情報を乗せる 事務所にて 自動で蓄積 パトロール結果確認各種業務に利用 13
道路占用物件管理における利活用 道路基盤地図情報に占用物件を関連づけて管理することで 地下埋設物などの多種のインフラを正確な位置情報で一元管理することが可能 工事前の状況確認が簡便になるとともに 破断事故のリスクを低減 従来 将来 正確な位置を把握できない 14
工事発注図への利活用 整備された道路基盤地図情報を発注図として利用し 道路工事完成図を作成 道路工事完成図を用いて道路基盤地図情報を更新 更新範囲 接合 最新状況を反映した道路基盤地図情報 部分切出し 接合 接合 更新 工事区間 工事区間 CAD 編集 編集範囲 1 道路基盤地図情報から必要な部分を切り出し 工事発注図として利用 2 完成図の編集範囲から 更新が必要な部分のみ道路基盤地図情報に反映 15
舗装修繕工事発注者国土交通省 地方整備局 国道事務所 出張所電話 03-1234-3333 施工者 建設株式会社電話 03-1234-3333 民間における利活用 様々な民間ビジネスにおいても より詳細な道路情報の提供に対するニーズが増加 民間事業者 ( カーナビ 地図 占用企業 不動産等 ) などの多様な主体において 新たなサービスの実現が期待 民間 迅速な情報提供 民間地図作成 カーナビ 道路基盤地図情報 ( 一元的な蓄積 提供 ) 工事中 月 日 時 月 日 時 占用企業 不動産 道路管理者情報 工事中 月 日 時 月 日 時 舗装修繕工事 道路更新情報 発注者 施工者 国土交通省 地方整備局 国道事務所 出張所電話 03-1234-3333 建設株式会社電話 03-1234-3333 道路工事情報 災害情報 各種統計データ等 16
安全運転支援 渋滞回避支援における利活用 道路基盤地図情報の持つ道路構造情報を カーナビ等を通じて提供 道路構造状況に応じた注意喚起などを行う 道路基盤地図情報 カーナビ地図 カーブ進入危険情報提供 この先急カーブ この先路面凍結中 路車協調 む いつもよりも減速が必要だ では速すぎるのか 危なかった 標識情報提供 この先幅員減少 お このスピードしなければ 止まれお この先狭くなるのか 早めに減速しよう 止速度一定 車線の有効活用 む いつのまにか下り坂でスピードが上がっていた 減速しよう この時間帯は混雑 サグ情報提供 下さい れ減速して ま速度超過箇所情報提供 この先一時停止 む うっかりしていた 早く減速 交差点危険情報提供 ( 一時停止 ) 安全運転支援 環境負荷軽減 17
ハイブリッド自動車 電気自動車のバッテリー等の制御への利活用 道路基盤地図情報の持つ路面高さ情報を ハイブリッド自動車 電気自動車のカーナビ等に反映 最適な燃費となるようバッテリを制御 目的地までのルートにおける路面高さの状況から 給電の必要性を判定し 給電スポットを案内 従来 将来 長い下り坂だけど バッテリが満杯で充電できないなぁ この登りのあとは長い下り坂だからバッテリを使って走行しよう 下り坂で十分に給電できるぞ!! 目的地 目的地まで電気で走行するには この先 迂回して給電スポットに立ち寄ることをお勧めします 給電スポット 18