震災対策編第 3 章震災応急対策計画第 19 節災害時要援護者への配慮 を把握し 関係機関と連携し確保する 次の緊急援護を実施する場合にも 必要と なるマンパワー 日常生活及び福祉サービスに必要な物資を同様に確保する 県は 状況を把握し 関係機関との調整及び必要な支援を行う イ緊急援護 ( ア )

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アンケート調査の概要 目的東南海 南海地震発生時の業務継続について 四国内の各市町村における取り組み状況や課題等を把握し 今後の地域防災力の強化に資することを目的としてアンケート調査を実施 実施時期平成 21 年 11 月 回答数 徳島県 24 市町村 香川県 17 市町 愛媛県 20 市町 高知県

資料1 受援計画策定ガイドラインの構成イメージ

大津市避難所運営マニュアル

3 歯科医療 ( 救護 ) 対策 管内の歯科医療機関の所在地等のリスト整理 緊急連絡網整備 管内の災害拠点病院 救護病院等の緊急時連絡先の確認 歯科関連医薬品の整備 ( 含そう剤等 ) 自治会 住民への情報伝達方法の確認 病院及び歯科診療所での災害準備の周知広報 - 2 -

二戸市地域防災計画 ( 震災編 ) の一部修正の新旧対照表現行改正案 目次 ( 震災編 ) 目次 ( 震災編 ) 第 1 章総則 第 1 章総則 第 1 節 計画の目的 351 第 2 節 計画の性格 352 第 2 節の2 災害時における個人情報の取り扱い 352 第 3 節 防災関係機関の責務及

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事務連絡平成 24 年 4 月 20 日 都道府県各指定都市介護保険担当主管部 ( 局 ) 御中中核市 厚生労働省老健局総務課高齢者支援課振興課老人保健課 大規模災害時における被災施設から他施設への避難 職員派遣 在宅介護者に対する安全確保対策等について 平成 23 年 3 月 11 日に発生した東

事業継続計画(BCP)作成用調査ワークシート

職員の運営能力の強化 避難所担当職員研修の実施 全庁対象の避難所担当職員研修(5 回開催で約 400 名参加 ) 区毎の避難所担当職員研修 男女共同参画の視点に立った避難所づくり 共助による災害時要援護者支援の取り組みについて説明 各区災害対策本部との連絡 避難所内の課題解決の調整など 地域団体等へ

国土技術政策総合研究所 研究資料

要配慮者支援班の業務 1 配慮が必要な人の情報把握 (1) 情報把握 総務班名簿係と連携し 避難所利用者 ( 避難所以外の場所に滞在する人を含む ) のうち 配慮が必要な人を グループごとに把握する 避難支援のための個別計画がある場合は 内容を確認する (2) 聞き取り 避難所利用者でつくるグループ

大規模災害対策マニュアル

( 社会福祉施設用作成例 ) (4) 施設管理者は, 緊急時連絡網により職員に連絡を取りましょう (5) 施設管理者は, 入所者の人数や, 避難に必要な車両や資機材等を確認し, 人員の派遣等が必要な場合は, 市 ( 町 ) 災害対策本部に要請してください (6) 避難先で使用する物資, 資機材等を準

東京事務所版 BCP 実施要領目次応急頁 < 第 1グループ> 直ちに実施する業務 1 事務所における死傷者の救護や搬送 応急救護を行う一時的な救護スペースの設置 運営 備蓄の設置 医療機関への搬送 1 2 事務所に緊急避難してきた県民や旅行者等への対応 避難 一次避難スペースの運営 指定避難所への

02一般災害対策編-第3章.indd

(溶け込み)大阪事務所BCP【実施要領】

奈良県ライフライン 情報共有発信マニュアル 第 3.3 版 平成 24 年 7 月 奈良県ライフライン防災対策連絡会

イ留意事項 ( ア ) 対処基本方針が廃止された場合は 救援の継続や復帰のための措置について 何らかの措置により行います ( イ ) 復帰のための措置 a 誘導以外の措置 b 市長 知事による誘導 (2) 別紙第 1 情報計画 参照 2 構想 (1) 活動方針市 ( 環境防災課ほか各課 ) は 県

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4 災害時における他機関 他施設との協定の締結状況災害時に他機関 他施設との協定を結んでいる施設は 97 施設で 1 か所と締結している施設が多くありました 締結先は 地元自治会 町内会 病院 近隣施設 社会福祉施設 物流会社 福祉ネットワーク 市町村等でした 図 2 災害時における他機関 他施設と

Microsoft Word - 目次

第 1 章実施計画の適用について 1. 実施計画の位置づけ (1) この 南海トラフ地震における具体的な応急対策活動に関する計画 に基づく宮崎県実施計画 ( 以下 実施計画 という ) は 南海トラフ地震に係る地震防災対策の推進に関する特別措置法 ( 平成 14 年法律第 92 号 以下 特措法 と

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第 5 部 南海トラフ地震防災対策推進計画

島原市地域防災計画

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☆配布資料_熊本地震検証

本編表紙&目次.

はじめに 道では 北海道行政基本条例 に基づき 道政の基本的な方向を総合的に示す計画として 新 北海道総合計画 を策定し 政策展開の基本方向の一つとして 安心で心豊かな北海道ライフスタイル を掲げ 安全 安心な生活の確保 に向け 防災 減災の体制づくり を進めています 保健福祉部では 特に 子ども

障害者 ( 児 ) 防災アンケートの主旨 アンケートの概要 Ⅰ 避難に関すること Ⅱ 情報伝達に関すること Ⅲ 避難所及びその環境に関すること Ⅳ 日頃の備えに関すること 障害者 ( 児 ) 防災アンケート < 配布用 >

防災業務計画 株式会社ローソン

者のために個室や隔離したスペースを確保する 身近な福祉避難所 また 一般の避難所や身近な避難所では避難生活が困難な要配慮者を避難させるために 社会福祉施設等に開設する 福祉避難所 と重層的に福祉避難所を設置することを想定している (2) 要配慮者とは福祉避難所の対象者として想定されるのは 法律上 要

PowerPoint プレゼンテーション

( ウ ) 交通管制被災区域への車両の流入抑制及び緊急交通路を確保するための信号制御等の交通管制を行う (3) 警察官 自衛官及び消防吏員による措置命令警察官は 通行禁止区域等において 車両その他の物件が緊急通行車両の通行の妨害となることにより災害応急対策の実施に著しい支障が生じるおそれがあると認め

目次 はじめに P3 1 災害 緊急の範囲 P3 2 時間と場所を考慮した対応の必要性 P3 3 時間ごとの対応 P4 4 場所ごとの対応 P5 5 デジタルサイネージの提供コンテンツ P6 6 緊急時を意識したデジタルサイネージシステム P6 7 情報の切替 復帰の条件 P7 8 緊急運用体制 P

- 総目次 - - 本編 - 第 1 章総則 第 2 章 災害予防計画 第 3 章 風水害応急対策計画 第 4 章 震災応急対策計画 第 5 章 大規模事故等応急対策計画 第 6 章 災害復旧復興計画 - 資料編 -

周南市版地域ケア会議 運用マニュアル 1 地域ケア会議の定義 地域ケア会議は 地域包括支援センターまたは市町村が主催し 設置 運営する 行政職員をはじめ 地域の関係者から構成される会議体 と定義されています 地域ケア会議の構成員は 会議の目的に応じ 行政職員 センター職員 介護支援専門員 介護サービ

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Microsoft Word - GH.docx22.docx

新規文書1

( 災害医療調整本部の所管事務 ) 第 4 条災害医療調整本部は 次の事務をつかさどる (1) 全県域を対象とした医療資源の配置調整及び患者搬送調整に関すること (2) 国や他都道府県等に対する医療支援の要請及び受入れと その派遣調整に関すること (3) 地域災害医療対策会議の支援に関すること (4

平成24年度

揖斐川町デイサービスセンター運営規程

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4 被災生活の環境整備主な修正概要 避難所毎に運営マニュアルを作成し 避難所の良好な生活環境を確保するための運営基準等を明確にしておく 避難所運営マニュアルの作成 訓練等を通じて 住民の避難所の運営管理に必要な知識の普及に努める 県 DMAT( 災害時派遣医療チーム ) の活動終了以降の医療提供体制

第 1 大規模地震 火災に関する調査研究 市民部 消防組合 35 第 2 出火防止 初期消火体制の確立 市民部 消防組合 35 第 3 消防力の増強 市民部 消防組合 35 第 4 防災資機材の整備 市民部 消防組合 36 第 5 節震災に強い地域 ( 社会 ) づくり 37 第 1 自主防災組織の


( 県の責務 ) 第三条県は 地震防災に関する総合的な施策を策定し 及びこれを実施する責務を有する 2 県は 市町村 自主防災組織その他防災関係機関等と連携して 地震防災対策を推進しなければならない 3 県は 地震に関する調査及び研究を行い その成果を県民 事業者及び市町村に公表するとともに 地震防

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防災業務計画(第3編 東海地震防災強化計画)

事業者名称 ( 事業者番号 ): 地域密着型特別養護老人ホームきいと ( ) 提供サービス名 : 地域密着型介護老人福祉施設 TEL 評価年月日 :H30 年 3 月 7 日 評価結果整理表 共通項目 Ⅰ 福祉サービスの基本方針と組織 1 理念 基本方針

目 次 第 1 計画の目的 1 第 2 平常時における取組 1 1 地域防災計画 全体計画 個別計画 1 2 避難行動要支援者名簿の作成等 1 (1) 要配慮者の把握 1 (2) 避難行動要支援者名簿の作成 2 (3) 避難行動要支援者名簿の更新と情報の共有 2 (4) 個人情報の取扱方針 3 (5

第3回検討会_質の向上WG検討状況報告

みやこ町地域防災計画

人的応援 研修 訓練の実施 県受援マニュアル及び災害時緊急連絡員活動マニュアルを踏まえた研修 訓練の強化 () マニュアルに基づく研修 訓練県が策定する 応援職員における奈良県への受入及び市町村への短期派遣マニュアル 及び 災害時緊急連絡員活動マニュアル に基づき 災害時に役立つ実働的な訓練や研修を

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の課題フェイズごとの食に関する問題 大規模な水害や地震が起きると ライフラインが寸断されたり家屋が倒壊 損傷したりして自宅で食事を摂ることができなくなります しばらくすると支援物資が運ばれてきますが 道路の寸断により時間がかかり食料が手に入りにくい状況も想定されます また 避難所や野外へ避難する人が

第3章 指導・監査等の実施

子宮頸がん予防措置の実施の推進に関する法律案要綱

別紙7

避難所講演資料

第3編 災害応急対策

高齢者虐待防止対応マニュアル別冊 6 関係機関との連携 (1) 各機関の役割 市町村や地域包括支援センター等の関係機関は それぞれ対応可能な範囲があります 範囲を超えた対応は行うことができません また 事例によって関係機関の対応を依頼する場合があります 市町村が中心となるコアメンバー会議によって 大

[平常時及び災害時におけるそれぞれの役割]災害時におけるペットの救護対策ガイドライン

第356 第 3 章 災害応急対策計画 (2) 本部の設置場所 (3) 関係機関との連絡 2. 本部の組織 本部の設置場所は 原則として浦安市災害対策本部室とする 関係機関との連絡が必要な場合は 関係機関連絡室 を設置し 警察 自衛隊 ライフライン等から連絡要員の派遣を要請し 連絡 調整にあたる 本

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Microsoft Word - 01【表紙・目次】.doc

災害時要援護者支援マニュアル策定ガイドライン

第 2 項交通応急対策 災害時には 道路 橋梁等の道路施設が被災するとともに 倒壊建物 がれき等による障害物や 緊急車両 一般車両による交通渋滞が発生し 緊急輸送等に支障をきたすおそれがある 町民等の避難 災害応急対策員の輸送および救助 救護のための資材 物資の輸送を確実に行うため 迅速かつ適切に交

防災マニュアル 戸室 2 丁目自治会自主防災隊 自主防災隊組織図 任務と各役割 厚木市災害時要援護者支援制度実施要綱 要援護者支援体制について 戸室地区災害時における要援護者支援の活動プラン 要援護者への支援活動内容 災害時の要援護者支援に係る戸別訪問調査表 支援者連絡表 神奈川県立厚木高校避難所運


1 東日本大震災での多くの被害が発生!! 平成 23 年 2011 年 3 月 11 日に発生した東日本大震災は 三陸沖を震源としたマグニ チュード 9.0 仙台市内での最大震度 6 強 宮城野区 という巨大な地震でした 東部沿岸地域では 推定 7.1m 仙台港 もの津波により 家屋の浸水やライフラ

⑤5 地方公共団体における検証等に関する調査結果

Taro-07_学校体育・健康教育(学

「南九州から南西諸島における総合的防災研究の推進と地域防災体制の構築」報告書

大阪市防災 減災条例 目次第 1 章総則 ( 第 1 条 - 第 3 条 ) 第 2 章本市の責務 ( 第 4 条 - 第 7 条 ) 第 3 章市民の責務 ( 第 8 条 ) 第 4 章事業者の責務 ( 第 9 条 ) 第 5 章災害予防 応急対策 ( 第 10 条 - 第 25 条 ) 第 6

( 平成 20 年 10 月版 ) 国内事故対策要領 ~ 事件 事故発生時の連絡体制と初動対応について ~ 社団法人全国旅行業協会


スライド 1

平成17年7月11日(月)

04 Ⅳ 2(防災).xls


個人情報保護制度の体系 個人情報の保護に関する法律 ( 個人情報保護法 ) 基本理念国及び地方公共団体の責務 施策基本方針の策定等 ( 第 1 章 ~ 第 3 章 ) 個人情報取扱事業者の義務等 ( 第 4 章 ~ 第 6 章 ) 個人情報保護委員会ガイドライン等 基本法制 行政機関


H25 港南区区民意識調査

(2) 本部の設置場所本部の設置場所は 原則として浦安市集合事務所 301 会議室とする (3) 関係機関との連絡体制関係機関との連絡が必要な場合は 関係機関連絡室 を浦安市集合事務所に設置し 警察 自衛隊 ライフライン等から連絡要員の派遣を要請し 連絡 調整にあたる 連絡室は 浦安市集合事務所内に

目次 1 目的 1 2 医療機関及び行政機関等との協力関係の確保 1 3 事業主体 1 (1) ドクターヘリ 1 (2) 防災消防ヘリ 1 4 定義 1 (1) ドクターヘリ基地病院 1 (2) 地域救急医療体制支援病院 1 (3) ヘリ救急搬送体制支援病院 2 (4) 出動区分 2 5 ドクターヘ

平成29年度 障害者白書(PDF版)

なお 本通知は 地方自治法 ( 昭和 22 年法律第 67 号 ) 第 245 条の 4 第 1 項の規 定に基づく技術的助言として発出するものであることを申し添える 2

まちの新しい介護保険について 1. 制度のしくみについて 東温市 ( 保険者 ) 制度を運営し 介護サービスを整備します 要介護認定を行います 保険料を徴収し 保険証を交付します 東温市地域包括支援センター ( 東温市社会福祉協議会内 ) ~ 高齢者への総合的な支援 ( 包括的支援事業 )~ 介護予

病院機構災害医療センター ( 以下 災害医療センター という ) に DMAT 事務局を設置する 都道府県は 通常時に DMAT 運用計画の策定 医療機関等との協定の締結等を行い 災害時に 計画に基づき DMAT を運用し 活動に必要な支援 ( 情報収集 連絡 調整 人員又は物資の提供等 ) を行う

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第6章  特殊災害対策計画


千葉県 地域包括ケアシステム構築に向けた取組事例 1 市区町村名 銚子市 2 人口 ( 1) 68,930 人平成 25 年 4 月 1 日現在 ( ) 3 高齢化率 ( 1) 65 歳以上人口 20,936 人 ( 高齢化率 30.37%) ( ) (65 歳以上 75 歳以上それぞれについて記載

Transcription:

震災対策編第 3 章震災応急対策計画第 19 節災害時要援護者への配慮 第 19 節災害時要援護者への配慮 災害時においては 災害時要援護者 は行動等に制約があり 迅速 的確な行動を取りにくく 自力による危険回避活動や避難行動に困難を伴うことが多いことから 被災しやすい このため 災害時要援護者に対し 安全確保や各個人の心身の健康状態 ニーズ等に特段の配慮を行い 地域住民等とも連携を取りながらきめ細かな各種支援対策を積極的に推進する 主な実施担当 ( 福 ) 総務班 ( 福 ) 避難収容班 ( 各 ) 応援班 ( 福 ) 援護班 防災関係機関等 東部保健福祉事務所 石巻警察署 河北警察署 石巻地区消防本部 各消防署 地域災害拠点病院 その他防災関係機関 1 高齢者 障害者等への対応災害時には 一般的に災害時要援護者と考えられる 高齢者 障害者 乳幼児 妊産婦等 ( 以下 要援護者 という ) に加え 災害を契機に新たに要援護者となる者に対し 救助 避難誘導 福祉サービスの提供等を状況変化に応じて的確に行うことが必要である このため 市は 災害の発生に備え 個人情報保護に配慮しつつ 災害時要援護者名簿を整備し 災害発生時に効果的に利用することで 要援護者に対する援護が適切に行われるよう努める (1) 安全確保ア社会福祉施設等在所者市は 施設在所者 ( 入所者 従事者等 ) の安否確認を迅速に行い 施設の構造や利用者の身体的特徴を考慮した避難誘導等を行うとともに 施設の危険箇所等の応急修理を行う 県は 状況を把握し 必要な支援を行う イ社会福祉施設等以外の要援護者市は あらかじめ登録された要援護者の在宅情報に基づき 在宅の要援護者の安否確認を 社会福祉協議会 民生委員 町内会等の自主防災組織等との連携支援のもの迅速に行うほか 状況に応じ避難誘導等を行い 避難所等を中心に被災による新たな要援護者を把握する また 未登録の要援護者に対しても 自治会や町内会などとの連携により把握に努める 県は 状況を把握し 必要な支援を行う (2) 援護体制の確立と実施 ア施設従事者及び必要な物資の確保 市は 施設従事者の不足や 日常生活及び福祉サービスに必要な物資の不足状況 - 237 -

震災対策編第 3 章震災応急対策計画第 19 節災害時要援護者への配慮 を把握し 関係機関と連携し確保する 次の緊急援護を実施する場合にも 必要と なるマンパワー 日常生活及び福祉サービスに必要な物資を同様に確保する 県は 状況を把握し 関係機関との調整及び必要な支援を行う イ緊急援護 ( ア ) 受け入れ可能施設の把握 市は 関係機関と連携し 被災による要援護者の受入れ可能な社会福祉施設 民間賃貸住宅 旅館 ホテル等を把握する 県は 状況を把握し 必要な支援を行う ( イ ) 福祉避難所の開設 市は 福祉避難所の対象となる避難者がおり 福祉避難所の開設が必要と判 断する場合は 福祉避難所を開設し 関係機関及び各避難所に対し 福祉避難 所の開設について周知するよう努める ( ウ ) 相互協力体制 市は 社会福祉協議会 民生委員 ケアマネジャー 介護職員等の福祉サー ビス提供者 障害者団体等の福祉関係者 要援護者の近隣住民 ( 自主防災組織 等 ) ボランティア組織などとの連携により 要援護者の安全確保に関する相互 協力体制により援護を行う ウ対策実施上の時期区分 災害時要援護者支援対策については 市災害時要援護者支援マニュアルに基づき 実施し 災害発生後の事態の推移によっては その都度市社会福祉協議会その他協 力団体並びに民生委員等と協議して決定し 概ね次の 3 つの時期区分に基づき段階 的に行う 区分期間の目安措置の目安 災害発生初期の緊急措置 ( 避難所開設初期 ) 住宅移転 帰宅等の準備措置 ( 避難所開設後期 ) 住宅移転 帰宅期 ( 避難所閉鎖以降 ) 災害発生後 7 日目まで 災害発生後 8 日目以降 1 4 日目まで 災害発生後 1 5 日目以降 災害時要援護者 の安否確認 所在把握 避難所その他所在地における応急的な介助支援 災害時要援護者専用避難所の確保及び必要な移送措置 避難所その他所在地における設備の補修 新設 災害時要援護者向け住宅供給ニーズの把握と供給の推進 災害時要援護者向け広報活動及び相談業務 避難所その他所在地における設備の補修 新設 避難所その他所在地における巡回ケアサービス 災害時要援護者専用避難所の確保及び必要な移送措置 災害時要援護者向け住宅供給計画の作成及び建設等 災害時要援護者向け広報活動及び相談業務 仮設住宅その他所在地における巡回ケアサービス 長期ケアサービス体制確立に関して必要な措置並びに平常時地域福祉システムへの移行計画の検討 その他災害時要援護者に関する広報活動及び相談業務 - 238 -

(3) 福祉避難所の設置 ア目的 津波災害対策編第 3 章津波災害応急対策第 19 節災害時要援護者への配慮 一般避難所において 生活が困難な高齢者 障害者等介助を要する避難者 ( 災害 時要援護者 ) を収容し 避難生活を支援する イ設置基準 一般避難所に災害時要援護者が多数避難した場合 災害対策本部長は二次避難所 として福祉避難所を設置する 福祉避難所は 原則的に障害者施設 介護保険施設など設備が充実した民間の施 設を優先的に設置することとする ただし 民間施設の収容人数等により収容が困 難な場合は 公共施設への設置を行う ウ体制 福祉避難所は 災対健康部及び災対福祉部が運営し 医師 看護師の派遣を必要 とする場合は 災対病院部等と協議し派遣を要請する エ活動内容 ( ア ) 要援護者受入要請の受付 ( 避難収容班 ( 保護課 ) 又は避難所運営班から受け る ) ( イ ) 要援護者の受入搬送 ( 搬送車の運行 ) ( ウ ) 要援護者の搬送用車両及び燃料の確保 ( エ ) 介護 援護用資機材の調達 ( 介護ベッド 簡易トイレ等 ) ( オ ) 要援護者の介護支援 ( ただし 原則 介護は家族が行う ) ( カ ) 医療機関への交通手段の確保 ( バスの運行など ) (4) 避難所での援護ア援護体制と支援市は 要援護者が避難所に避難した場合には 福祉団体関係者や福祉ボランティアに加え 必要に応じガイドヘルパーや手話通訳者などによる援護体制を確立する 特に 障害者用の装具 医薬品 育児用品 介護用品などの福祉用品は代替が難しく 被災直後は確保が難しい面もあることから 近隣福祉施設へ支援を要請するなど速やかに対処する イ健康状態への配慮アレルギー症状や糖尿病 高血圧などの食事療法が必要な要援護者に対しては 事前の聞き取り調査等から得られる情報をもとに個別に対処する 特に避難場所での健康状態を把握し 応急仮設住宅や高齢者 障害者向け応急仮設住宅等への優先的入居に努める また 要援護者に向けた情報の提供についても 十分配慮する ウ専門職による相談対応市は 被災地及び避難所における要援護者等に対し 災害によるショック及び避難生活の長期化に対応するため 社会福祉士 介護福祉士 児童相談員等の専門職による相談等の対応を行う エ福祉避難所への移送 - 239 -

津波災害対策編第 3 章津波災害応急対策第 19 節災害時要援護者への配慮 市は 指定避難所に避難した要援護者について 福祉避難所への移送が必要と判 断する場合は 開設した福祉避難所に移送を行う (5) 応急仮設住宅の設置応急仮設住宅への入居に当たっては 要援護者に十分配慮し 特に高齢者 障害者は避難所等での健康状態に応じて 応急仮設住宅への優先的入居や 高齢者 障害者に配慮した応急仮設住宅の設置等に努める また 入居者が従来のコミュニティーを維持できるよう配慮する (6) 被災者総合支援センターの活用災対福祉部長は 災害時要援護者対策 の一環として 関係各部長と連携し関係団体 専門ボランティア等の協力を得て 市本庁舎内に設置される予定の被災者総合支援センターに 高齢者や障害者 日本語を話さない外国人 人工透析者等のいわゆる 災害時要援護者 が 市の行う救助救援サービスや生活復旧支援サービス等を支障なく受けられるよう必要な要員の確保その他の措置を講ずるよう努める (7) 児童の保護等のための情報伝達市は 被災者に対し 掲示板 広報紙等の活用 報道機関の協力 インターネット等の活用により 要保護児童を発見した際の保護及び児童相談所等に対する通報への協力を呼びかけるとともに 利用可能な児童福祉サービスの状況 児童福祉施設の被災状況及び復旧状況等について的確な情報提供を行う 2 外国人支援対応県及び市は 災害時に迅速に外国人の安否確認を行うとともに 外国人が孤立しないよう必要な情報を収集し 提供を行うものとする (1) 市は 把握している在住外国人の現状やニーズを基に作成した防災計画に従い必要な対策を講じる (2) 市は 外国人の迅速な安否確認を行うと共に 大使館及び日本赤十字社等を通して 照会のあった在住外国人について安否確認を行い 調査結果を依頼先に連絡する (3) 市は 状況に応じ広報車や防災無線等により 外国語による広報も行い 外国人の 安全かつ迅速な避難誘導を行う (4) 市は ライフライン等の復旧状況 食糧 水 生活必需品の配布 避難所 医療 ごみ 入浴等の生活や災害に関連する災害情報等を掲示する場合 災害時多言語表示 シート等による外国語での掲示も行い 外国人の不安の解消を図る (5) 県は テレビ ラジオ インターネット等を活用し 外国語による災害情報を提供 し外国人の不安の解消を図る - 240 -

津波災害対策編第 3 章津波災害応急対策第 19 節災害時要援護者への配慮 (6) 県は 通訳ボランティア制度を活用し 必要に応じ 市に通訳者を派遣する また この制度により通訳者が充足できない場合は 必要に応じ 他都道府県 地 域国際化協会 国際交流団体 大学等に通訳者の派遣を要請する (7) 県は 在日外国大使館や日本赤十字社等を通して外国から照会のある在住外国人の 安否確認について 市町村や関係機関の協力を得て調査し 回答する また 外国人 の被災が確認された場合は 直ちに母国の在日大使館に連絡するものとする (8) 県及び市は 宮城県国際化協会 地域の国際交流団体等と協力し 相談窓口を設け るなど 外国人からの身近な相談に対応することにより 外国人の不安の解消や問題 の解決を図る 3 旅行客への対応県は 災害時の旅行客の被災状況について 日本旅行業協会東北支部及び全国旅行業協会宮城県支部から情報を収集し 状況の把握に努めるとともに 災害応急対策の実施に際して関係機関等から情報提供の要請があった際には 迅速に提供する また 旅行社向けの宿泊情報や交通情報等を様々な言語や方法により県の施設やホームページ 観光地 主要ターミナルへ提示し情報提供を行う 市内の旅館 ホテル等の観光施設管理者は 災害時は的確に観光客の避難誘導を行い 安全確保に努める また 災対産業部は 災害時の観光客の被災状況について 日本旅行業協会東北支部及び全国旅行業協会宮城県支部から情報を収集し 状況の把握に努めるとともに 災害応急対策の実施に際して関係機関等から情報提供の要請があった際には 速やかに提供を行う 道路損壊等により孤立した観光客等の救出 移送活動について 関係機関と連携を図り迅速かつ的確に行う 4 社会福祉施設等に係る対策 (1) 入所者 利用者の安全確保ア各社会福祉施設等の管理者は あらかじめ定めた避難誘導方法に従い 速やかに入所者 利用者の安全を確保する イ個々の入所者 利用者のニーズに応じた医療施設及び社会福祉施設等の受入先を確保し 施設入所者の移送を援助する また 援護の必要性の高い被災者を優先的に隣接する地域の社会福祉施設等に入所させる (2) 市への応援要請等 ア社会福祉施設等の管理者は 日常生活用品及び人員の不足数について 市に対し 他の施設からの応援のあっせんを要請する - 241 -

津波災害対策編第 3 章津波災害応急対策第 19 節災害時要援護者への配慮 イ社会福祉施設等の管理者は それぞれの施設で保有する資機材を相互に活用する ことにより 被災地の社会福祉施設等の支援を行う (3) 市及び県の支援活動ア市と県は ライフラインの復旧について 当該社会福祉施設等の早期の機能回復が図られるように優先的な対応を各事業者へ要請する イライフラインの復旧までの間 施設管理者は 社会福祉施設等で備蓄している水 食糧 生活必需品等を入所者に配布するなどの対応をとるものとする ただし それらが不足する場合は 施設管理者の協力要請に基づき 市及び県が当該物資等を提供するなど必要な措置を講ずる ウ市は ボランティア 自治会組織 近隣住民等へ情報提供などを実施し 人員を確保する 5 応援要請先となる県その他関係機関 団体等の目安 災対保健福祉部長及び災対総務部長は その他災害時要援護者 の災害時における当 面の応急的措置対策を迅速かつ適切に行うため 次に示す事項を目安として速やかに応 援 協力を要請する 項目 観光客及び外国人 難病患者 人工透析患者 食物アレルギー 応援要請先となる機関 団体 要請先機関 団体等 外務省 ( 各国大使館 公使館 領事館等への連絡 仲介を含む ) 県 ( 保健福祉部 産業経済部 ) 県警本部 石巻警察署 河北警察署 ユネスコ協会 周辺各大学 各種支援 相互扶助組織 日本放送協会 仙台放送局 新聞 テレビ ラジオその他報道機関 県国際交流協会 国際交流団体 日赤宮城県支部 日本旅行業協会東北支部 全国旅行 業協会宮城県支部 その他各支援 相互扶助組織 厚生労働省 県 ( 保健福祉部 東部保健福祉事務所 ) 日赤宮城県 支部 宮城県医師会 石巻市医師会及び桃生郡医師会 石巻市社 会福祉協議会 市ボランティアセンター ミヤコーバス ( 株 ) 各 支援 相互扶助組織 県 ( 保健福祉部 東部保健福祉事務所 ) 日赤宮城県支部 日本透 析医学会 日本透析医会 宮城県医師会 石巻市医師会及び桃生 郡医師会 全国腎臓病患者連絡協議会 その他各支援 相互扶助 組織 ミヤコーバス ( 株 ) 県 ( 保健福祉部 東部保健福祉事務所 ) 日赤宮城県支部 石巻市 医師会及び桃生郡医師会 その他各支援 相互扶助組織 - 242 -