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下肢病変の予防と異常の早期発見に 向けての透析室看護師の取り組み ~ 明日の透析患者さんの足のために ~ 大久保病院 -9-

テーマ名 大久保病院 下肢病変の予防と異常の早期発見に向けての 透析室看護師の取り組み ~ 明日の透析患者さんの足のために ~ サークル名あしなおし隊メンバー名透析室 髙橋令央奈 武政利枝大澤佳子 ( 透析看護認定看護師 ) 藤井彰子 ( 糖尿病看護認定看護師 ) 1 テーマ選定理由今 透析患者のフットケアが注目され必要となっている その背景にあるのは 第一に重症下肢虚血患者の増加 第二に医療制度の変革である 我が国では 慢性維持透析を受けている透析患者の高齢化 糖尿病性腎症患者の増加 長期透析患者の増加 ( 合併症 ) が進み 1.6% の患者が四肢切断の既往がある 定期的に足を観察しケアすることが 下肢病変の予防と早期発見につながり 透析患者の QOL を高く保つため有効であると考えた 2 現状と問題点多くの患者は 足は痛くないし歩けるから大丈夫 という認識であり 医療従事者も患者からの訴えがない限り 靴下を脱がせてまで足を観察するという意識はなく 透析中はバイタルや除水など透析治療を優先していた 患者もスタッフも足病変についての知識や認識が不十分であり 目の前にある足病変のリスクを重要視していないという現状があった 3 改善策透析室の看護師全員が 患者の足を適切に観察できるよう糖尿病看護認定看護師による勉強会を開催し 観察方法やポイントを習得した 患者に説明し同意を得た上で 足を観察する取り決めを設けた 月 1 回 透析室看護師が患者の足を観察する 足の日 を設定し運用方法を検討した 人工腎臓下肢末梢動脈疾患指導管理加算の取り漏れを防止するため フットケア外来足チェック表 下肢チェック済カード を作成し また糖尿病看護認定看護師と連携するための情報共有ツールをつくった 4 今後の取組み定期的な下肢の観察を実施することで 下肢病変に対する患者 スタッフの意識の向上 患者サービスの向上 フットケア外来との連携の強化 人工腎臓下肢末梢動脈疾患指導管理加算取得による収益向上が計れた 患者が自主的に自分の足を観察し 何らかの異常があれば自ら看護師に報告することができるよう指導し 生活環境に合わせたセルフケア方法を指導していくよう引き続き取り組んでいく -11-

テーマ名 大久保病院 下肢病変の予防と異常の早期発見に向けての 透析室看護師の取り組み ~ 明日の透析患者さんの足のために ~ サークル名あしなおし隊メンバー名透析室 髙橋令央奈 武政利枝大澤佳子 ( 透析看護認定看護師 ) 藤井彰子 ( 糖尿病看護認定看護師 ) 1 テーマ選定理由今 透析患者のフットケアが注目され必要となっている その背景にあるのは 第一に重症下肢虚血患者の増加 第二に医療制度の変革である 我が国では慢性維持透析を受けている患者数は年々増え続け 予想をはるかに上回った 32 万人を超えており これは日本の人口の 400 人に 1 人が透析していることになる 透析患者の高齢化 糖尿病性腎症患者の増加 長期透析患者の増加 ( 合併症 ) が進み 更に 2025 年問題を深刻化させている ( 新規導入患者の平均年齢は 69 歳 2014 年統計より ) 透析患者のうち 1.6% が四肢切断の既往がある (2007 年統計より ) 透析患者の QOL を高く保つためには 下肢病変の予防と早期発見を心がけ 適切なフットケアを行うことが求められている 国は 平成 28 年度診療報酬改定において 人口腎臓下肢末梢動脈疾患指導管理加算 ( 月 1 回を限度として 100 点 ) を新設した これは 下肢末梢動脈疾患重症度等を評価し療養上必要な指導管理を行った場合算定できる 当院は この加算をとるための施設基準を満たしていると判断され導入が決定した 透析室では 慢性維持透析患者の下肢末梢動脈疾患の血流障害を適切に評価し 早期に治療できるようフットケア外来を開設している糖尿病看護認定看護師と連携を図り 2016 年 4 月から月に1 回下肢の評価を行った 今回 透析室看護師のフットケアに関する知識を深め 定期的な下肢の観察の実施 透析患者の下肢に対する意識の向上 フットケア外来との連携の強化 人工腎臓下肢末梢動脈疾患指導管理加算の収益向上が計れたのでここに報告する 2 現状と問題点今までは 足の変形や痛み しびれ等の問題がある場合 フットケア外来を受診する人 透析室スタッフに相談する人など様々であった しかし一方で 性格や病識の違いにより訴えのない患者もおり その場合は透析中に患者の靴下やタイツを脱がせてまで足を観察することはなかった 多くの患者は 足は単なる移動手段の一つであり 自分の足は痛くないので大丈夫 という認識があったと思われる また 多少足に問題があっても たかが水虫 などと自分で対処しがちであることが考えられる 透析室看護師も透析中はバイ -12-

タル変化やモニター管理 除水管理などの透析治療を優先していたため 足を観察するという意識はなかった 上記 2 点から 患者 スタッフ共に目の前にある足病変のリスクを重要視していない現状があった 3 改善策実施方法 : 糖尿病看護認定看護師による勉強会を数回にわけて開催し 透析室の看護師全員が共通の認識を持ち 患者の足を確認できるよう観察方法やポイントを習得した ( 写真 1) 写真 1 糖尿病看護認定看護師による勉強会風景 月 1 回足を観察する日を 足の日 とし 患者に説明し同意を得た上で実施 ( 写真 2) 患者への 足の日 アナウンスとして透析室入口と男女ロッカーに掲示 ( 図 1) 足の日 は その日の担当看護師が除水設定などを確認後 患者の状態が比較的安定している時に実施 現在フットケア外来で使用している フットケア外来足チェック表 を活用し 患者の足を観察していく その結果を電子カルテに入力して 下肢末梢動脈疾患指導管理加算 をとる仕組みを作成 ( 写真 3) -13-

( 写真 2) 足チェック実施風景 ( 写真 3) 電子カルテに入力 足の日 以外に入院した新規患者は 初回の透析時に担当看護師が実施 実施漏れがないよう または重複して実施することがないように 下肢チェック済カード に実施日を記入し 透析患者ホルダーのポケットに入れ スタッフ間での連携を図れるようにした ( 図 2) 糖尿病看護認定看護師と連携するための情報共有ツールを作成 ( 図 1) 患者さんへの案内 ( 図 2) 下肢チェック済みカード 下肢チェック済カード 大久保花子様 実施日 : 10/16 日 < 経過 > 4 月 : 月末の 29 30 日実施患者 67 名中 66 名実施 ( 未実施 1 名 ) 算定済件数実績 63 名 4 名算定漏れ 5 月 : 定期採血が2 週目だったため 第 3 週の月 (16 日 ) 火(17 日 ) 実施患者 106 名中 95 名実施 ( 未実施 11 名 ) 算定済件数実績 89 名 10 名算定漏れ -14-

5 月の足チェック後 看護師へのアンケートを行った結果 月 火は定期採血や除水量の調整が必要な患者が多いなどの業務量が多いため 水 木に実施した方がよい という意見が多数寄せられたため 6 月より第 2 週の水 木曜日に変更した 6 月 : 定期採血の翌週 第 3 週の水 (15 日 ) 木(16 日 ) 実施 足の日 実施日までの退院患者が多く算定漏れが多い患者 116 名中 108 名実施 ( 未実施 8 名 ) 算定済件数実績 106 名 3 名算定漏れスタッフから 今日足チェックせずに退院したら今月分の算定はとれないのでは? 退院日にも足チェックした方がよいのか? 等 足チェック実施に関して気にかける看護師が増えてきた 漏れなく実施するため 足の日 を月初めに実施するという運用方法に変更 土曜日 祝日はスタッフの数が少ないため実施しない 月末に患者アンケートを実施し 足チェックに関して意見を聞くと 足や爪をよく見るようになった 参考になった 薬を処方してもらって足がとてもすべすべになった など足チェックに対して満足している意見が多くあり 7 月 :1 日 ( 金 ) 7 日 ( 木 ) 実施 7 月 2 日から 7 月 7 日までの退院患者 3 名 ( 火 木 土の透析患者 ) については QC スタッフで足チェックを実施患者 115 名中 114 名実施 ( 未実施 1 名 ) 算定済件数実績 109 名 5 名算定漏れ医事課から送られてくる 下肢末梢動脈疾患指導加算の算定表 を確認すると 何件か算定漏れがあることに気付く 理由を医事課に確認した結果 システムエラーが1 件 あとは事務処理上のミスで削除してしまっていた事が判明 医事課と連携を図ることによりコスト漏れをなくしていくことになった 8 月 :3 日 ( 水 ) 4 日 ( 木 ) 実施患者 103 名中 102 名実施 ( 未実施 1 名 ) 算定済件数実績 99 名 3 名算定漏れ新規入院の患者の足チェックをした看護師より 下肢チェックをしたが この足は糖尿病看護認定看護師に見てもらった方がよいのでは? など足病変がある患者に関して報告があがり 連携を図ることができるようになってきた ここで 未実施 1 名となっている患者について説明する < 足チェックの実際 > 4 月 29 日足の日チェック実施結果 左右第 1 趾裏 左右足裏数ヵ所胼胝 ( 左右足裏第 1 趾約 1cm 1 cmと第 3 趾約 1.5 cm 1.5 cm胼胝あり ) 自身で市販薬を使用し治療しているがなかなか治らないので 一度フットケア外来を受診して効果がでるようであれば治療の継続を希望された 5 月 27 日透析時に糖尿病看護認定看護師にみてもらう 6 月以降は フットケアの看護師にみてもらっているから見なくてよい と透析室での足チェックに関しては未実施となっているが フットケア外来に関しては満足し -15-

ており 月に 1 回ペースで定期的にフットケア外来に通っている そのため糖尿病看護認定看護師への橋渡しはできており連携は図れていると考える 9 月 :1 日 ( 木 ) 2 日 ( 金 ) 実施患者 109 名中 108 名実施 ( 未実施 1 名 ) 算定済件数実績 104 名 5 名算定漏れ足の日以外にも患者から 次回のフットケア外来はいつか 最近爪が巻き込んできて痛いので見て欲しい 最近 革靴履き過ぎたかな? 足が急に悪くなった気がするので見て欲しい 入院患者からも 自分で爪を切ったら深爪してしまったから見て欲しい など 患者が自主的に足や爪の変化に注意深く観察しており スタッフに相談するようになってきている 結果 (1) 下肢に対する患者 スタッフの意識向上 < 患者 > タイツを脱ぎたくないと言っていた患者が 足の日にはタイツを脱いで入室し自主的に足を見せてくれるようになった 足病変に対し意識をしてもらえるようになった 患者アンケートでは こんなに良くなるなら早くみてもらえばよかった という意見多数あり 患者満足度向上にも繋がった ( 図 3) 図 3 患者満足度アンケート結果 < 看護師 > 4 月から下肢の勉強会を繰り返し行い モノフィラメントの適切な使い方を習得した フットケア観察の共通認識及び標準化が図れ より質の高いケアが行えている シャント肢だけでなく 下肢も観察することで下肢病変の発生を未然に防ぐことができており スタッフの意識向上に繋がっている -16-

(2) フットケア外来や他部署との連携強化医師 フットケア外来 病棟 医事課などと連携を図ることで チーム医療を提供しており 各部署とのコミュニケーションの向上にも繋がった (3) 下肢末梢動脈指導管理加算収益向上 QC 活動開始 2 か月で平均 76.000 円の算定 4 月から 9 月までの集計 ( 活動開始 6 か月 ) は合計 570 件で 570.000 円収益あり 月平均約 10 万円の算定となる これらの結果から経営改善効果換算額は年間約 120 万になることが予測される コストの取り漏れが減り コスト意識向上にも繋がった 4 今後の取組み爪や足を健康に保つことは転倒 歩行困難などを予防し いつまでも自分の足で歩けることは QOL を高く保つことにつながる そのためには予防的な介入や早期発見が重要であり 医療従事者によるフットケア セルフケア教育は欠かせない 定期的な下肢の観察の実施することで 下肢病変に対する患者 スタッフの意識の向上 患者サービスの向上 フットケア外来や他部署との連携の強化 ひいては人工腎臓下肢末梢動脈疾患指導管理加算の収益向上に繋がっている 患者が自主的に自分の足を観察して 何らかの異常があれば自ら看護師に報告することができるよう患者の生活環境に合わせたセルフケア方法を指導していくよう引き続き取り組んでいく -17-