モサプリドクエン酸塩錠 2.5mg アメル の安定性に関する資料 共和薬品工業株式会社 2012 年 12 月改訂 MOS-D-4(2)
目次 1. 総合評価 1 2. 湿度に対する安定性 2 3. 温度に対する安定性 4 4. 光に対する安定性 6 5. 粉砕時の安定性 8 総合評価分類 分類 分類基準全ての試験項目で変化を認めないいずれかの試験項目で 規格内 の変化を認めるいずれかの試験項目で 規格外 の変化を認める 評価基準 外観 分類評価基準 変化なし外観上の変化を ほとんど認めない場合 変化あり ( 規格内 ) わずかな色調変化 ( 退色等 ) 等を認めるが 品質上 問題とならない程度の変化であり 規格を満たしている場合 変化あり ( 規格外 ) 形状変化や著しい色調変化を認め 規格を逸脱している場合 溶出性 又は 崩壊性 分類評価基準 変化なし 規格値内の場合 変化あり ( 規格外 ) 規格値外の場合 含量 分類評価基準 変化なし 含量低下が 3% 未満の場合 変化あり ( 規格内 ) 含量低下が 3% 以上で 規格値内の場合 変化あり ( 規格外 ) 規格値外の場合 硬度 分類評価基準 変化なし 硬度変化が 30% 未満の場合 変化あり ( 規格内 ) 硬度変化が 30% 以上で 硬度が 2.0kg 重以上の場合 変化あり ( 規格外 ) 硬度変化が 30% 以上で 硬度が 2.0kg 重未満の場合 その他の試験項目 分類評価基準 変化なし 規格値内の場合 変化あり ( 規格外 ) 規格値外の場合 平成 11 年 8 月 20 日付 錠剤 カプセル剤の無包装状態での安定性試験法について ( 答申 ) ( 日本病院薬剤師会 ) 一部改変
1. 総合評価 保存条件検体包装形態 30 日目 50 日目 60 日目 90 日目 湿度 25±2 75±5%RH 錠剤遮光 開放 温度 40 錠剤 遮光 気密容器 ( 褐色ガラス瓶 ) 光 25 ( 曝光量 ) 120 万 lux hr 錠剤 気密容器 ( ガラスシャーレ ) 病院薬局における調剤時の保存条件を反映し 500lux の明るさの場所で 1 日 8 時間 1 ヵ月 25 日間照射される として 12 ヵ月間に相当する (500lux 8 時間 25 日間 12 ヵ月 =120 万 lux hr) 保存条件検体包装形態 14 日目 25 日目 35 日目 湿度 25±2 75±5%RH 粉砕 遮光 開放 遮光グラシンラミネート紙 温度 40 粉砕 遮光 気密容器 ( 褐色ガラス瓶 ) 光 25 ( 曝光量 ) 60 万 lux hr 粉砕 気密容器 ( ガラスシャーレ ) 病院薬局における調剤時の保存条件を反映し 500lux の明るさの場所で 1 日 8 時間 1 ヵ月 25 日間照射される として 6 ヵ月間に相当する (500lux 8 時間 25 日間 6 ヵ月 =60 万 lux hr) 無包装状態の場合 無包装状態における安定性は いずれの試験項目においても規格値の範囲内だったことから 90 日間 は品質上特に問題はないと判断される 粉砕状態の場合粉砕状態における安定性は 湿度条件下で 14 日目で固化が見られたが 含量については開始時と比較して変化は認められなかった その他の試験項目においては規格の範囲内だったことから モサプリドクエン酸塩錠 2.5mg アメル の粉砕品は 湿度を避けて保存することが望ましい 1
2. 湿度に対する安定性 検体 モサプリドクエン酸塩錠 2.5mg アメル ( 共和薬品工業株式会社 ) 包装形態 遮光 開放で保存 保存条件 平成 11 年 8 月 20 日付 錠剤 カプセル剤の無包装状態での安定性試験について ( 答申 ) ( 日本病院薬剤師会 ) にある 25±2 75±5%RH に設定した恒温恒湿器内に保存 試験項目および試験時期 1 性状 ( 外観 ) 4 溶出性 試験方法 日本薬局方モサプリドクエン酸塩錠に準拠 結果 1 性状 ( 外観 ) 白色のフィルムコーティング錠 変化なし変化なし変化なし 規格値 : 白色のフィルムコーティング錠 100.9 (100.0) 101.3 (100.4) 100.5 (99.6) 99.3 (98.4) 規格値 :95.0~105.0% ( ) 内は開始時を 100% として換算した値の平均値 (%) 2 分 9 秒 ~2 分 50 秒 (2 分 24 秒 ) 1 分 13 秒 ~ 1 分 53 秒 (1 分 35 秒 ) 1 分 12 秒 ~ 1 分 33 秒 (1 分 23 秒 ) 1 分 13 秒 ~ 1 分 32 秒 (1 分 22 秒 ) 参考値 : 水 60 分以内 最小値 ~ 最大値 ( ) 内は平均値 2
4 溶出性 90~97 (95) 89~94 (91) 92~96 (95) 91~92 (92) 規格値 :45 分 =80% 以上 最小値 ~ 最大値 ( ) 内は平均値 (%) 7.5~8.8 (8.0) ( ) 内は平均値 (kg) 3.3~3.6 (3.4) 3.3~4.0 (3.6) 3.5~4.5 (4.2) 考察及び結論 モサプリドクエン酸塩錠 2.5mg アメル は無包装状態において 90 日間の安定性はいずれの試験項目においても規格値の範囲内であった 以上の結果より モサプリドクエン酸塩錠 2.5mg アメル の遮光 開放保存品は 25 75%RH 90 日間の保存であれば品質上特に問題はないと判断された 3
3. 温度に対する安定性 検体 モサプリドクエン酸塩錠 2.5mg アメル ( 共和薬品工業株式会社 ) 包装形態 遮光 気密容器で保存 ( 褐色ガラス瓶 ) 保存条件 平成 11 年 8 月 20 日付 錠剤 カプセル剤の無包装状態での安定性試験について ( 答申 ) ( 日本病院薬剤師会 ) にある 40±2 に設定した恒温恒湿器内に保存 試験項目および試験時期 1 性状 ( 外観 ) 4 溶出性 試験方法 日本薬局方モサプリドクエン酸塩錠に準拠 結果 1 性状 ( 外観 ) 白色のフィルムコーティング錠 変化なし変化なし変化なし 規格値 : 白色のフィルムコーティング錠 100.9 (100.0) 100.2 (99.3) 100.8 (99.9) 100.0 (99.1) 規格値 :95.0~105.0% ( ) 内は開始時を 100% として換算した値の平均値 (%) 2 分 9 秒 ~2 分 50 秒 ( 2 分 24 秒 ) 2 分 4 秒 ~ 2 分 30 秒 ( 2 分 20 秒 ) 1 分 49 秒 ~ 2 分 57 秒 (2 分 31 秒 ) 1 分 55 秒 ~ 2 分 37 秒 (2 分 19 秒 ) 参考値 : 水 60 分以内 最小値 ~ 最大値 ( ) 内は平均値 4
4 溶出性 90~97 (95) 89~97 (96) 98~99 (99) 98~100 (99) 規格値 :45 分 =80% 以上 最小値 ~ 最大値 ( ) 内は平均値 (%) 7.5~8.8 (8.0) ( ) 内は平均値 (kg) 7.3~9.1 (7.9) 6.9~7.9 (7.5) 7.1~8.7 (7.7) 考察及び結論 モサプリドクエン酸塩錠 2.5mg アメル は無包装状態において 90 日間の安定性はいずれの試験項目においても規格値の範囲内であった 以上の結果より モサプリドクエン酸塩錠 2.5mg アメル の遮光 気密容器保存品は 40 90 日間の保存であれば品質上特に問題はないと判断された 5
4. 光に対する安定性 検体 モサプリドクエン酸塩錠 2.5mg アメル ( 共和薬品工業株式会社 ) 包装形態 気密容器で保存 ( ガラスシャーレ ) 保存条件 平成 11 年 8 月 20 日付 錠剤 カプセル剤の無包装状態での安定性試験について ( 答申 ) ( 日本病院薬剤師会 ) にある 1000Lux/hr( なりゆき温湿度 ) に 50 日間保存 ( 曝光量 120 万 lux hr) 試験項目および試験時期 1 性状 ( 外観 ) 開始時 50 日目 開始時 50 日目 開始時 50 日目 4 溶出性 開始時 50 日目 開始時 50 日目 試験方法 日本薬局方モサプリドクエン酸塩錠に準拠 結果 1 外観 開始時 白色のフィルムコーティング錠 規格値 : 白色のフィルムコーティング錠 120 万 lux hr 変化なし 開始時 100.9 (100.0) 120 万 lux hr 99.7 (98.8) 規格値 :95.0~105.0% ( ) 内は開始時を 100% として換算した値の平均値 (%) 開始時 2 分 9 秒 ~2 分 50 秒 ( 2 分 24 秒 ) 120 万 lux hr 1 分 41 秒 ~2 分 11 秒 ( 1 分 54 秒 ) 参考値 : 水 60 分以内 最小値 ~ 最大値 ( ) 内は平均値 6
4 溶出性 開始時 90~97 (95) 120 万 lux hr 99~101 (99) 規格値 :45 分 =80% 以上 最小値 ~ 最大値 ( ) 内は平均値 (%) 開始時 7.5~8.8 (8.0) ( ) 内は平均値 (kg) 120 万 lux hr 6.0~7.1 (6.5) 考察及び結論 モサプリドクエン酸塩錠 2.5mg アメル は無包装状態において 光( 曝光量 120 万 lux hr) に対する安定性はいずれの試験項目においても規格値の範囲内であった 以上の結果より モサプリドクエン酸塩錠 2.5mg アメル の気密容器保存品は 光照射保存下で品質上特に問題はないと判断された 7
5. 粉砕時の安定性 検体 モサプリドクエン酸塩錠 2.5mg アメル ( 共和薬品工業株式会社 ) 保存条件及び包装形態 湿度 :25±2 75±5%RH 遮光 開放 グラシンラミネート紙分包 温度 :40±2 遮光 気密容器( ガラス瓶 ) 光 : 総照度 60 万 Lux hr(1000lux 25 日 ) 20 気密容器( ガラス瓶 ) 試験項目および試験時期 1 性状 ( 外観 ) 開始時 14 日目 25 日目 ( 光のみ ) 35 日目 開始時 14 日目 25 日目 ( 光のみ ) 35 日目 3 質量 開始時 7 日目 30 日目 60 日目 90 日目 ( グラシンラミネート紙分包のみ ) 試験方法 日本薬局方モサプリドクエン酸塩錠に準拠 結果 1 性状 ( 外観 ) 保存条件開始時 14 日目 25 日目 (60 万 Lux hr) 35 日目 湿度 温度 光 規格値 : 白色の粉末 白色の粉末 固化振れば崩れて元に戻る 固化振っても崩れないが指で押せば元に戻る 白色の粉末白色の粉末白色の粉末 白色の粉末 白色の粉末 保存条件開始時 14 日目 25 日目 (60 万 Lux hr) 35 日目 湿度 温度 光 99.3 99.3 99.8 99.3 100.6 100.0 99.3 98.4 規格値 :95.0~105.0% 8
3 質量変化 試験項目 7 日目 30 日目 60 日目 90 日目 質量の増加率 (%) 3.0 3.5 3.3 3.3 考察及び結論 モサプリドクエン酸塩錠 2.5mg アメル は粉砕した場合において 湿度条件下で 14 日目で固化が見られたが 含量については開始時と比較して変化は認められなかった 以上の結果より モサプリドクエン酸塩錠 2.5mg アメル の粉砕品は 湿度を避けて保存することが望ましい 9