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2 安全衛生教育の実施等 () 6 派遣労働者を雇い入れたときに雇入れ時の安全衛生教育を行 はい いいえ っています () 7 派遣労働者の派遣先事業場を変更するなど 作業内容を変更 はい いいえ したときは 当該派遣労働者に対し 作業内容変更時の安全 衛生教育を行っています ()() 8 6 及び

)各 職場復帰前 受入方針の検討 () 主治医等による 職場復帰可能 との判断 主治医又はにより 職員の職場復帰が可能となる時期が近いとの判断がなされる ( 職員本人に職場復帰医師があることが前提 ) 職員は健康管理に対して 主治医からの診断書を提出する 健康管理は 職員の職場復帰の時期 勤務内容

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23 歳までの育児のための短時間勤務制度の制度普及率について 2012 年度実績の 58.4% に対し 2013 年度は 57.7% と普及率は 0.7 ポイント低下し 目標の 65% を達成することができなかった 事業所規模別では 30 人以上規模では8 割を超える措置率となっているものの 5~2

 

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別紙 1 事故データベースへ登録する事故報告書の提出対象事故について 事故の定義は以下のとおりとする 事故の分類 事故の定義 労働災害 ( 工事作業が起因して 工事関係者が死傷した事故 ) もらい事故 ( 第三者の行為が起因して 工事関係者が死傷した事故 ) 死傷公衆災害 ( 工事作業が起因して 当

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評価項目 A Bともすべての項目に を入れてください 評価項目 A 宣言内容 ( 共通項目 ) チェック項目 取り組み結果 出来た概ね出来た出来なかった 1 経営者が率先し 健康づくりに取り組みます 健康宣言証の社内掲示など 健康づくりに関する企業方針について 従業員へ周知していますか? 経営者自身

(7)健診データの受領方法

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第 3 働き方改革 の推進などを通じた労働環境の整備 生産性の向上 非正規雇用労働者の待遇改善 長時間労働の是正 人材育成の強化 人材確保対策の推進 地方創生の推進及び労働者が安全で健康に働くことができる職場づくりなどにより 労働環境の整備 生産性の向上を図る 1 非正規雇用労働者の待遇改善 長時間

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寄附文化の醸成に係る施策の実施状況 ( 平成 26 年度に講じた施策 ) 別紙 1 < 法律 制度改正 > 総務省 ふるさと納税の制度拡充 ( 平成 27 年 4 月 1 日施行 ) 学校法人等への個人寄附に係る税額控除の要件の緩和 ( 平成 27 年 4 月 1 日施行 ) 特例控除の上限の引上げ

日本赤十字社健康保険組合特定健康診査等実施計画 Ⅰ 計画策定にあたって 1 背景及び趣旨我が国は国民皆保険のもと世界最長の平均寿命や高い保健医療水準を達成してきた しかし 急速な少子高齢化や国民の意識変化などにより大きな環境変化に直面しており 医療制度を持続可能なものにするために その構造改革が急務

ANNUAL REPORT

プレゼンテーションタイトル

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産業保健の目的 働く人々すべての身体的 精神的および社会的健康を最高度に維持増進させる 労働条件に起因する健康障害を防止し 健康に不利な諸条件から雇用中の労働者を保護する 労働者の生理学的および心理学的特徴に適合する職業環境に労働者を配置し 健康を維持する 仕事と人との適合を図る ( 国際連合の W

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平29・6・13(火) 平成29年度 神奈川県医師会 産業医部会 総会・研修会

特定健康診査等実施計画

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現状では法制度を工夫しても 違憲の疑いが強い

2) 社内外相談窓口についてまた ストレスチェック制度に基づく医師の面接指導以外にも 社内外に以下のような相談窓口が用意されています 今回のストレスチェックの結果に関わらず どなたでも利用できますので 体調面で何か気になることがあればご相談ください [ 社内相談窓口 ] 会社 部健康管理室保健師 連

下の図は 平成 25 年 8 月 28 日の社会保障審議会介護保険部会資料であるが 平成 27 年度以降 在宅医療連携拠点事業は 介護保険法の中での恒久的な制度として位置づけられる計画である 在宅医療 介護の連携推進についてのイメージでは 介護の中心的機関である地域包括支援センターと医療サイドから医

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スライド 1

3 医療安全管理委員会病院長のもと 国府台病院における医療事故防止対策 発生した医療事故について速やかに適切な対応を図るための審議は 医療安全管理委員会において行うものとする リスクの把握 分析 改善 評価にあたっては 個人ではなく システムの問題としてとらえ 医療安全管理委員会を中心として 国府台

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1. はじめに 本格的な地方分権の時代を迎え 市民に最も身近な地方自治体は 市民ニーズに応じた政策を自ら意志決定し それを自己責任の下に実行することがこれまで以上に求められており 地方自治体の果たすべき役割や地方自治体に寄せられる期待は ますます大きくなっています このような市民からの期待に応えるた

評価項目 評価ポイント 所管部局コメント 評価 国際交流に関する情報の収集及び提供事業国際交流活動への住民の参加促進事業国際理解推進事業在住外国人に対する相談事業在住外国人に対する支援事業 安定 確実な施設運営管理 公正公平な施設使用許可や地域に出向いた活動に取り組むなど新たな利用者の増加に努め 利

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2013(平成25年度) 確定拠出年金実態調査 調査結果について.PDF

きっかわ法律事務所 企業法務研究会(平成22年2月15日)資料            

(この実施計画は「高齢者の医療の確保に関する法律」第19条の規定に基づき作成し、

多くの大学においては 新入生のオリエンテーション時やサークルの代表者に 未成年者の飲酒の防止と イッキ飲み 等過剰飲酒の禁止に関する指導や啓発が行われています また 平成 27 年度からは 県保健所 精神保健福祉センター等が中心となり 大学生向けのアルコール健康障害や適正飲酒の知識に関する出前講座を

Transcription:

第 4 号議案 2012 年度活動方針 ( 案 ) Ⅰ. 活動の基本 1. はじめに (1) 北海道の労働安全衛生レベル向上活動の強化 2011 年末 ( 平成 23 年 ) の労災事故死亡者数は65 名 (12 月末確定 ) と前年に比べ大きく減少 (-29) しましたが これは2010 年末が異常に激増した結果との比較であり その前年である200 9 年の69 名と比べると微減 (-4) と言わなければなりません さらに休業 4 日以上を加えた労働災害発生状況では 6,422-64(-1.0%) と相変わらず高いレベルにあることは残念な結果です 特に道路貨物運送 (+25) や陸上貨物取扱 (+21) 設備工事業(+27) 清掃業(+29) で大幅に増加しました これらの労働災害の対策としては OSHMS( 労働安全衛生マネジメントシステム ) が有効であるとされています 小企業が多い北海道での普及に努める必要があります 一方 今職場で最大の関心事となっているストレス メンタルヘルス問題は 全国で気分障害などで100 万人が受診するという 依然として深刻な状況にあり 長時間労働と各種のハラスメントなどで押しつぶされた労働者の心と健康と雇用を守る闘いに取り組まなければなりません そのほか職場には VDT( コンピュータ端末 ) と眼精疲労 頸肩腕症候群などの上肢疲労障害 腰痛の蔓延 アスベスト関連被害の本格化など 業務に起因するさまざまな疾病 傷病とともに ナノテクノロジーや新しい化学物質が新たな問題を提起しつつあります また 最近注目されてきた 軽度外傷性脳損傷 ( MTBI) や 化学物質過敏症( CS ) の労災認定を拡大する活動も求められています NPO 法人北海道勤労者安全衛生センター設立の趣旨は 労働安全衛生の活性化と労働災害の防止が勤労者のいのちと生活を守り 雇用の安定と経済の活性化に寄与する基盤であると考えたところにあります NPO 北海道勤労者安全衛生センターは 職場におけるOSHMS( 労働安全衛生マネジメントシステム ) の普及や リスクアセスメントの取り組みなどを通じ 職場の安全衛生意識を定着させること また 従業員のコミュニケーション能力を高め 安全で安心な職場環境を創造することにより 第 11 次労働災害防止計画における北海道の目標達成に向け 各事業場における自主的な安全衛生推進諸施策の強化や 行政の提供する制度の活用に積極的な支援を行っていきます 本道における労働災害発生状況 ( 活動報告資料添付 ) (2) メンタルヘルス対策の緊急対策 ストレス メンタルヘルス問題は さらに深刻な状況となっています その中で 職場におけるメンタルヘルス発症に関わり 精神障害に係る労災申請は全国で1 千件を超えたものの その約 2 割しか認定されず 多くが業務以外の起因や個体側要因に帰されて 労働者保護が行き渡って -1-

いません 政府は2011 年末に 心理的負荷による精神障害の認定基準 を改訂しましたが この若干とは言え敷居が下がった制度整備を活用するとともに 理解の普及を図ることが重要です また メンタル不全問題への対応は 従来のセルフケアやラインケアと言った対処的な取り組みから 職場環境配慮義務 ( 安全配慮義務に含む ) の視点で 一次予防と連鎖の防止を重点にした予防的取り組みへと変化させなければなりません そのため 職場全体のストレスレベルを調査 点検する取り組みがますます重要になっており また 労働基準法改正 (2010.4.1) で強化された労働時間管理の徹底と過重 長時間労働の撲滅 産業医面談のあり方 さらには業務上外を問わす治療期間の補償ルールの明確化 円滑な職場復帰のための社会的なサポート制度とプログラム作成などを緊急に充実させる必要があります また 最大のストレス要因である各種ハラスメントの実態把握と職場環境の改善について 企業や官公庁の対処方針への助言と提案が求められます 今年度も日本産業カウンセラー協会北海道支部や 精神対話士 産業カウンセラー等の有資格者と連携し 職場におけるメンタルヘルス活動の充実をはかっていきます 安全センターは設立の主旨である 職場の安全 衛生対策 健康増進 労災 職業病 環境保全対策等の調査 研究と予防対策等の活動 を使命として 働く者の安全と健康を第一に 考え 実践していきます 今後も会員各位と協力し 設立の原点を再確認し 職場で働く仲間の安全と健康確保など 職場の要望と期待に応える取り組みをさらに強化していきます 2. 職場における安全衛生活動の活性化とネットワークの強化 改正労働安全衛生法は 予防文化の普及 を求めています 労使の 責任ある自主的取り組み がこれまで以上に重要となり 働く者の安全と健康確保は企業の責任を原則としつつ 安全衛生委員会の定例開催や活性化等について 労働組合にも大きな役割が期待されます 職場実態を一番よく知りうる労働組合が点検し 改善していく体制がなければ実効あるものにならないことも明らかです 今日では長時間労働の放置の責任について労働組合にも賠償責任が求められるようになりました ( システム開発会社エスシーシー (SCC 東京) 他 特に過労死を起こした企業名の公表も 個人情報 に当たらないと 開示請求が認められてきています ( 大阪地裁 H23.11. 10) しかし一方では 労働組合の役員任期が短くなる傾向があって 安全衛生担当 の就任任期も短く 十分な知識と実践経験が育成されないことが悩みでもあります より効率的な人材の育成プログラムと手法が求められています 北海道勤労者安全衛生センターは これらの活動に資するため 各種の労働安全研究機関 産業衛生学会 関係行政機関 産業保健推進センターなどとのネットワークに参加し これらの連携のもとで 専門家の知識 智恵を吸収する機会を設定し 全道規模の研修会 担当者会議 地域健康セミナーなどの充実を図ってきました 特に 連合本部の安全衛生活動方針に沿って 全国安全衛生センター連絡会を始め 各地の安全衛生活動や労働安全衛生 公衆衛生の向上を目的に活動する組織と連携し 研修会等へ -2-

の参加を通じて相互交流 情報交換を深めていくことが重要となっています 3. 北海道医療生協 職業病センターとの連携強化と調査 研究活動の充実 職業病対策 ( 腰痛 化学物質管理 VDT 障害 振動病 じん肺やアスベスト問題等 ) についての継続した調査研究や 生活習慣病の予防の調査 研究と啓発活動などに取り組むため 北海道医療生協 札幌緑愛病院 ( 会員 ) の 職業病センター は 働く者にとって大きなよりどころとなります 医療のみならず予防の観点も含め積極的に連携し 労働者の健康を守る取り組みを一層強化していくことが必要です また 職業病センター の全道における地域活動をサポートします 4. 地域や職場活動への貢献とホームページの充実 労働基準法 労働安全衛生法と関連する政令 省令 指針など 職場の安全衛生活動に必要な情報をタイムリーに提供するため 機関誌 安全衛生 Journal や報告書等の刊行物の発行 資料や教材の収集に努めます 安全センターのホームページは 定期的な更新に努め E-mailによる 北海道安全衛生センター情報 の継続的な発行に努めます Ⅱ. 具体的な活動目標 1. 調査 研究事業 (1) 安全衛生活動に関する実態調査と安全衛生委員会の活性化 連合労働安全衛生取り組み指針 に沿って 安全衛生委員会の未設置解消や委員会の活性化を進めるために 幅広く好事例を紹介するなど会員産別 団体や連合北海道の地域組織に役立つ資料 情報を調査し 積極的に提供して職場の安全衛生活動をサポートします 連合の 第 7 回連合安全衛生に関する調査 (2011 年 ) を参照し 第 11 次防 ( 労働災害防止計画 ) の目標達成に向けた安全衛生活動の進め方の検証や 労働組合としての問題提起のありかた ストレス メンタルヘルス対策やリスクアセスメント マネジメントシステムの展開などの具体的課題について実践 調査に取り組みます (2) POSITIVE のトレーナーセミナーの開催 労働安全衛生リスクアセスメント マネジメントシステム (OSHMS) は 職場の安全の向上とメンタルを含む衛生環境の向上に有効であるにもかかわらず 約半数の企業が実施しているに過ぎず 特に99 人以下の事業所ではまだまだ普及率 理解率が低い状況です 今年度も労働科学研究所と連携し OSHMSを各職場段階で実践的な取り組みが出来るようにするための調査 実践 -3-

研究に取り組みます OSHMSを職場で実践するためのノウハウの一つとして PDCAサイクル をベースとする取り組みが容易な POSITIVE( 労働組合主導の参加型安全衛生向上プログラム ) の職場トレーナー コア トレーナー育成に取り組みます (3) ストレス全数調査の事業化 有効な メンタルヘルス予防対策 を職場で実践する上では ストレスレベルの把握が欠かせません ハラスメントのレベル調査として国際的に使用されている NAQ-R( 職場のいじめ ハラスメント調査票 Negative Acts Questionnaire-Revised ) を活用した調査活動や 自治労 10 万人パワーハラスメント調査との比較調査 口内の酵素活性度からストレスを調べる アミラーゼ テスト など 実態把握の調査活動を活発化させ 職場全体のストレス傾向を明らかにし 1 次予防の普及に努めるとともに 将来の事業化に向けた環境整備に努めます 昨年実施した 公務職場のパワーハラスメントアンケート を 継続して民間職場にも拡大し 実施します (4) 労災保険制度の制度改正周知と審査請求のサポート 労災保険制度は 職場や通勤途上で災害にあった労働者の治療と生活 将来を保障する重要な制度ですが 業務上外の判断をする認定基準の敷居が高く 特に事実把握をめぐっての調査が不足しているため 労働者保護の機能を十分果たしているとは言えません 北海道医療生協 札幌緑愛病院 ( 会員 ) の 職業病センター と連携し じん肺 アスベスト 振動病 メンタルヘルスに関する専門医を活用して 事実に即した労働者保護の労災保険制度を実現するため 実態調査に取り組みます 前述の通り 2011 年末に精神労災の認定基準が また 現在 (2012 年 3 月 ) 石綿労災の認定基準改訂作業が山場を迎えていますので これらの周知と新基準による救済拡大の取り組みを進めます また 最近注目されてきた 軽度外傷性脳損傷 ( MTBI) や 化学物質過敏症( CS ) について調査 研究し 労災認定の拡大に資する活動を強めます < 精神障害の労災認定状況 全国と北海道 > 北海道 全国 H19 H20 H21 H22 H22 精神障害 ( 認定数 ) 51(10) 36(17) 64(11) 67(28) 1,181(308) うつ自殺 ( 認定数 ) 6(5) 4(2) 4(3) 12(2) 171(65) 認定率 19.6% 47.2% 17.2% 42.0% 26.1% -4-

2. 研修 セミナー事業 団塊世代 の大量退職の一方で若年者の職場定着率の悪化や雇用の非正規化が進展し 職場の技術的な伝承が危機に瀕するとともに 安全に関する技術と経験 が急速に失われています 今後も産別 地域の研修会やセミナーを通じ 安全衛生のレベル維持を目的とした研修の実施に努めます (1) 連合全国セイフティネットワーク集会や第 71 回中災防全国産業安全衛生大会への参加 安全専一 を掲げて労働安全運動が始められてから100 年 その節目の 第 70 回中災防全国産業安全衛生大会 が10 月 12 日に東京で開催されました いわば再スタートした労働安全衛生活動の交流機会として 第 71 回中災防全国産業安全衛生大会 ( 富山 ) に参加します また 連合全国セイフティネットワーク (SN) 集会が東京で開催される予定となっています 連合本部と連携して 全国 SN 集会の成功と 北海道の労働安全衛生レベルの向上に資する取り組みを進めます (2) 全道研修会の開催 連合北海道と共催し 北海道ブロック セイフティネットワーク集会と全道安全衛生研修会 ( 担当者会議 ) を開催します ともに現場視察など実践面を重視するとともに 知識の体系化と経験交流を含めた取り組みとなるよう努めます (3) 安全 健康セミナーの開催 各地域における安全 衛生セミナーの開催について 連合北海道の地協等と協力して取り組みます また 会員産別 ( 単組 ) や会員労働福祉団体をはじめ 企業等のセミナー開催に助言とサポート 会員職場でのセミナー等への講師派遣に取り組みます (4) ストレス メンタルヘルス対策指導者の育成 精神疾患に関する知識の習得をはじめ 職場復帰プログラムの作成指導 産業医による面接指導や労働時間管理の徹底 法的な整理など 職場での取り組みに重点を置いた対策の充実をはかるために 日本産業カウンセラー協会北海道支部と連携して 職場における メンタル対処指導者 の育成セミナーを開催します また これら指導者育成に活用するため メンタルヘルス問題の発見から治療 職場復帰 労災認定 精神疾患と法律など トータルに理解するための資料 職場におけるメンタルヘルスの改善のために を改訂 充実させます -5-

3. 相談 広報事業 (1) 機関誌 安全衛生 Journal の発行等 機関誌 安全衛生 Journal は毎月発行につとめ 安全センターの活動や調査 研究の結果などを掲載するとともに 法制度の改正や安全衛生に関するポイント解説面を充実させます また 安全衛生や労働基準に関する最新情報や各県 他団体の取り組み等の情報を提供します ホームページの充実をはかり 定期的な情報の更新に努めます また 安全衛生センター情報 (E-mail) の継続発行に努めます (2) 無料電話相談の充実 日本産業カウンセラー協会北海道支部と協力し 勤労者の相談しやすい ストレス メンタルヘルス無料電話相談 活動を充実 継続します (3) 資料 図書の収集と活用 安全衛生活動全般に関わる最新の資料や図書 ビデオなどの収集と更新を行います また 各都府県安全センター 安全衛生活動団体等と刊行物の交流 交換活動を行います 会員等への情報サービス機能を高め活用を促進するよう 所蔵する資料 図書類をリスト化し紹介していきます 4. 政策 制度に関する活動 調査 研究活動や相談活動などを通じて 労働安全衛生に関する政策 制度要求を掘り起こし 連合本部と連合北海道はもちろん 会員 地域 関係団体 医療機関などと連携して実現する活動に取り組みます 特に 北海道医療生協 札幌緑愛病院職業病センターや北海道アスベストじん肺訴訟団の活動と連携し アスベスト問題の理解促進と労災認定 救済制度の充実に努めます 各種審議会委員 労災保険審査会参与との連携 連絡体制をつくり 労働行政への意見反映や行政情報の活用に取り組みます 5. 会員拡大とネットワークの拡大 NPO の活動と体制を強化 充実するため 正会員 特別会員の拡大を進めます 以 上 -6-