である 12 遺留分とは 遺言の内容にかかわらず一定の相続人が確実に受け取ることができる一定の 割合のことである 直系尊属のみが相続人である場合は 被相続人の財産の 1/3 その 他の場合には 被相続人の財産の 1/2 である ただし 兄弟姉妹には遺留分はない 13 相続の放棄は 被相続人の生前に行

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相続税・贈与税の基礎と近年の改正点

ラリーマン 相続税の申告は? 45 相続税の申告はどのようにすればよいのでしょうか 相続が開始したことを知った日 ( 通常は被相続人が死亡した日 ) の翌日から 10 か月以内に 被相続人の住所 地の所轄税務署に申告し 相続税を納付する必要があります 申告書を提出する人が 2 名以上いる場合は 共同

相続税 贈与税の基本がよくわかる! 誰が相続人になるの? 税額はどのようにして求めるの? 土地 建物の評価はどうするの? 住宅取得資金の贈与は最大 3,000 万円が非課税に? 教育資金や結婚 子育て資金の贈与は非課税に? 新しくできる配偶者居住権ってどんなもの? etc.

税法入門コース 相続税 学習スケジュール 回数学習テーマ内容 第 1 回 第 2 回 第 3 回 第 4 回 第 4 回 第 1 章 第 2 章 第 2 章 第 3 章 第 4 章 第 4 章 第 5 章 テーマ 1 相続税 贈与税とは? テーマ 2 用語の説明 テーマ 1 相続人となれる人は? テ

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2 税額控除等の計算 ( 単位 : 円 ) 項目対象者計算過程金額 答案用紙 Chapter2 問題 3 課税価格の計算 Ⅰ 相続人及び受遺者の相続税の課税価格の計算 1 分割財産価額の計算 ( 単位 : 千円 ) 2 みなし取得財産価額の計算 ( 単位 : 千円 ) 取得者財産の種類計算過程金額

(1) 相続税の納税猶予制度の概要 項目 納税猶予対象資産 ( 特定事業用資産 ) 納税猶予額 被相続人の要件 内容 被相続人の事業 ( 不動産貸付事業等を除く ) の用に供されていた次の資産 1 土地 ( 面積 400 m2までの部分に限る ) 2 建物 ( 床面積 800 m2までの部分に限る

相続税の節税対策としての生前贈与 相続税 贈与税はともに相手に渡る財産の金額に対して累進的な税率により税金がかかりま す そこで 相続税の税率よりも低い税率で贈与をすれば 相続税の節税になります 下の 図で相続税と贈与税税率を確認して下さい 贈与税は 相続税に比べ 基礎控除額が低く さらに税率が高く

相続診断士試験

第 1 問次の関連業法とコンプライアンスに関する各文章 ( 問 1~ 問 10) を読んで 正しいもの または適切なものには〇を 誤っているものまたは不適切なものには を 解答用紙に 記入しなさい ( 各 1 点 ) ( 問 1) 弁護士資格を有しない相続診断士が 事件性のある法律相談を無償で行うこ

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A は 全ての遺産を社会福祉施設に寄付すると遺言に書き残し死亡した A には 配偶者 B と B との間の子 C と D がある C と D 以外にも A と B との子 E もいたが E は A が死亡する前にすでに死亡しており E の子 F が残されている また A には 内妻 G との子 (

2015 年 1 月いよいよ施行! 相続税増税の影響と対策 Part 1 相続税はどう変わる? 影響は? Part 2 相続税の負担を軽減するには?

東京太郎様 Inheritance Report 相続診断書 弁護士法人 税理士法人リーガル東京 平成 30 年 8 月 20 日作成

住宅取得等資金贈与の非課税特例 教育資金一括贈与の非課税特例 結婚 子育て資金贈与の非課税特例 相続時精算課税制度 贈与者 贈与年の 1 月 1 日現在で 60 歳以上の父母または祖父母 受贈者 贈与者の直系卑属 ( 子 孫 ひ孫等 ) で贈与の年の 1 月 1 日現在 20 歳以上 受贈年の合計所

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おき 太郎様 Inheritance Report 相続診断書 税理士法人おき会計 平成 28 年 7 月 20 日作成

(2) みなし相続財産ものか13 第1 章12 2 課税される 相続財産 の範囲 海外にある財産も課税対象となる 贈与税の暦年課税適用財産も 3 年以内は課税対象となる 葬式費用 墓地や墓碑 仏壇 仏具等は非課税 相続税の課税対象となる相続財産は (1) 被相続人が亡くなったときに所有していた財産

cf 遺贈 : 遺言によって財産が移転 遺贈者 贈与税の対象となる贈与 死亡時 遺言 一方的な意思表示 受遺者 相続税 財産を取得した受贈者 ( 個人 ) にかかる税金 贈与者 財産 受贈者 個人 個人 贈与税 法人 個人 所得税 ( 一時所得か給与所得 ) 個人 法人 法人税 2

原稿4.xls

相続税計算 例 不動産等の評価財産の課税評価額が 4 億 8 千万円 生命保険金の受取額が 2 千万円 現金 預金等が 4 千万円 ローン等の債務及び葬式費用等が 3 千万円である場合の相続税を計算します 相続人は妻と 2 人の子供の 3 人です ( 評価額を計算するには専門知識を要します 必ず概算

平成 25 年度税制改正解説相続税 ~ 基礎控除の引き下げ 税率構造の見直し等 法定相続人の数と基礎控除法定相続人の数と基礎控除 法定相続人の数 1 人 2 人 3 人 4 人 5 人 60,000 千円 70,000 千円 80,000 千円 90,000 千円 100,000 千円 36,000

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暦年課税の贈与を毎年する人のデータ 暦年課税の贈与は 現金を贈与するのか不動産を贈与するのかで違ってきます 土地は路線価方式または倍率方式で評価し建物は固定資産税評価額で評価しますので 現金での贈与の場合よりも税率は低くなります ただし不動産の贈与では 土地や建物の贈与または共有持分の贈与になります

上級相続診断士練習問題 < 注意事項 > 1 試験問題用紙は 問題用紙と解答用紙からなっています 解答はすべて解答用紙に記入してください 2 試験問題用紙は 問題用紙と解答からなっています 解答はすべて解答用紙に記入してください 3 問題数 (= 解答数 ) は合計 45 問です 本試験は試験時間

5 適用手続 ⑴ 相続時精算課税の適用を受けようとする受贈者は 贈与を受けた財産に係る贈与税の申告期間内に 相続時精算課税選択届出書 ( 贈与者ごとに作成が必要 ) を贈与税の申告書に添付して 納税地の所轄税務署長に提出する ( 相法 21の92) なお 提出された当該届出書は撤回することができない

コピー又は web からダウンロードしてご使用ください 答案用紙 Chapter1 問題 1 個人とみなされる納税義務者 Ⅰ 相続人及び受遺者の相続税の課税価格の計算 1 遺贈財産価額の計算 ( 単位 : 千円 ) 取得者財産の種類計算過程金額 2 生前贈与加算される贈与財産の額の計算 ( 単位 :

13. 平成 29 年 4 月に中古住宅とその敷地を取得した場合 当該敷地の取得に係る不動産取得税の税額から 1/2 に相当する額が減額される 14. 家屋の改築により家屋の取得とみなされた場合 当該改築により増加した価格を課税標準として不動産 取得税が課税される 15. 不動産取得税は 相続 贈与

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問題 1 1 問題 1 1 納税義務者 相続税の納税義務者及び課税財産の範囲 課税価格 1 納税義務者 ⑴ 次に掲げる者は 相続税を納める義務がある 1 居住無制限納税義務者 ( 法 1 の 3 1 一 ) 相続又は遺贈により財産を取得した個人でその財産を取得した時において法施行地に住所を有するもの

[2] 税率構造の見直し 相続税の税率構造が現行の6 段階から8 段階に変更されるとともに 最高税率が 50% から 55% に引き上げられることとなりました ただし 各法定相続人の取得金額が2 億円以下の場合の税率は と変わりありません この改正は 平成 27 年 1 月 1 日以後に相続または遺

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2011年税制改正のポイント

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平成16年版 真島のわかる社労士

叔父から財産の贈与(1~3) を受けた場合 1/1 12/31 2/1 3/15 相選養続択与子贈時届贈精出縁与算書与 1組課提2 税出3 暦年課税相続時精算課税 養子縁組前の贈与 1については 暦年課税により贈与税額を計算し 養子縁組以後の贈与 2 及び 3は 相続時精算課税により贈与税額を計算し

目 次 最近における相続税の課税割合 負担割合及び税収の推移 1 地価公示価格指数と基礎控除(58 年 =100) の推移 2 最近における相続税の税率構造の推移 3 小規模宅地等の課税の特例の推移 4 相続税負担の推移( 東京都区部のケース ) 5 ( 補足資料 ) 相続税の概要 6 相続税の仕組

き一 修正申告 1 から同 ( 四 ) まで又は同 2 から同 ( 四 ) までの事由が生じた場合には 当該居住者 ( その相続人を含む ) は それぞれ次の 及び に定める日から4 月以内に 当該譲渡の日の属する年分の所得税についての修正申告書を提出し かつ 当該期限内に当該申告書の提出により納付

Microsoft Word - 第67号 来年からの贈与税改正と相続時精算課税を選択する際の注意点

(2) 父母 ( 祖父母 ) から子 ( 孫 ) への住宅取得等資金の贈不 父母 ( 祖父母 ) など直系尊属から その子 ( 孫 ) へ居住用の家屋の新築 取得または増改築のための金銭 ( 住宅取得等資金 ) を贈不した場合 表の通りの金額について贈不税が非課税となります また 贈不税の基礎控除

3.相続時精算課税の適用を受ける場合編

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相続税

相続税の総額の計算法定相続分であん分課税遺産総額実際の相続割合であん分超過累進税率の適用税価格の合計額の総額税額 基礎控除額遺産に係る相続税の基礎知識 (1) 相続税の計算過程 相続人が配偶者と子 2 人の場合課法定相続分 法定相続分 税額 算出税額 法定相続分 税額 相続税算出税額 税額控除相続人

[2] 株式の場合 (1) 発行会社以外に譲渡した場合株式の譲渡による譲渡所得は 上記の 不動産の場合 と同様に 譲渡収入から取得費および譲渡費用を控除した金額とされます (2) 発行会社に譲渡した場合株式を発行会社に譲渡した場合は 一定の場合を除いて 売却価格を 資本金等の払戻し と 留保利益の分

相続診断士試験

スライド 1

一戸建ての自宅を所有している人のデータ 東京都内やその近郊など路線価の高い宅地に一戸建ての自宅を所有し その他に預貯金や有価証券を保有している人の相続税シミュレーションになります 路線価が高いと自宅の敷地の面積が広くなくても その宅地の評価額は高額になりますので この宅地に対して小規模宅地等の特例が

土地の譲渡に対する課税 農地に限らず 土地を売却し 譲渡益が発生すると その譲渡益に対して所得税又は法人税などが課税される 個人 ( 所得税 ) 税額 = 譲渡所得金額 15%( ) 譲渡所得金額 = 譲渡収入金額 - ( 取得費 + 譲渡費用 ) 取得後 5 年以内に土地を売却した場合の税率は30

自宅の他に賃貸マンションと駐車場を所有している人のデータ 自宅の他に賃貸マンションと駐車場を所有している人の 法定相続人の数と相続財産および債務のデータから相続税を試算します 賃貸マンションについては全室が賃貸用かどうか 駐車場については舗装がしてあるかどうかで評価額が違ってくることがあります また

配偶者の税額軽減特例の有利な受け方 配偶者がいる場合の 相続税の具体的な計算例は以下の通りです 1. 設例 自宅 預貯金等の相続財産の遺産額 =2 億円 法定相続人 = 配偶者 + 子 2 人の合計 3 人 実際の遺産分割は 法定相続分の通りとする 未成年者控除 外国税額控除 生命保険金の非課税枠金

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3.相続時精算課税の適用を受ける場合編

テキスト編 第 1 章相続税 贈与税とはなにか 目次 1 相続税が課税される理由 1 2 どれくらいの遺産がある場合 相続税は課税されるか 2 3 贈与税が課税される理由 3 4 相続税と贈与税の関係 4 第 2 章相続人と相続分 1 相続人と相続順位 5 2 相続の承認と放棄 14 3 相続人の相

税制改正を踏まえた生前贈与方法の検討<訂正版>

Microsoft Word - 第53号 相続税、贈与税に関する税制改正大綱の内容

Microsoft Word 常発041号 改正相続税法等の周知について(・

相続人の居住用または事業用の宅地については2 割または5 割評価にするという小規模宅地等の評価減の特例があるが 平成 22 年度税制改正により 原則として申告期限まで居住または事業を継続していなければ適用が認められなくなっている 今回 基礎控除額が引き下げられることと合わせ 都市部の独居老人が亡くな

金融商品と資金運用

1 まずは相続の基本的なお話しから 相続とは? 相続とは人が亡くなられた際に その人の財産を一定の身分関係にある誰かが承継することです 相続において 亡くなられた方を被相続人といい 被相続人の財産を承継する方を相続人といいます 誰が相続できますか? 相続人は民法で定められており法定相続人と呼ばれます

I 相続 誰が相続するか 財産をどう分けるか 遺留分 特別受益と寄与分 ( 問題はありませんが 知識として読んでください ) 相続の欠格と相続人の廃除 相続の限定承認と放棄 財産分離...

〔問 1〕 Aは自己所有の建物をBに賃貸した

1.一般の贈与の場合(暦年課税)編

相続税に関するチェックリスト

2011年度税制改正大綱(相続・贈与税)

養子縁組制度の利用 1. 制度の概要養子には 民法上 普通養子と特別養子の 2 種類があります 養子の相続税法上の取り扱いは 以下の通りです 1 累進課税される相続税率の緩和 (3 億円超は 50%) 2 相続人の数が増えるため基礎控除枠が増加 (1,000 万円 法定相続人 ) 3 死亡保険金 死

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FP継続教育セミナー

配偶者がいる人の一次相続と二次相続のデータ 被相続人に配偶者がいる一次相続と 配偶者がいない二次相続の相続税シミュレーションを行います 配偶者の税額軽減は その節税効果が大きいために一次相続で相続税を大幅に減額することができますが 次の二次相続では想定外の相続税が発生することがあります 配偶者がいる

2. 二世帯住宅と特定居住用宅地等 [1] 区分所有なし : 外階段 / 親族が取得する場合 Q. 被相続人 A が所有する宅地の上に A の所有する建物があり 1 階に A が居住し 2 階に子 B とその家族が居住しています ( 建物内部では行き来ができない構造 ) A と B は別生計です こ

住宅取得等資金の贈与に係る贈与税の非課税制度の改正

税金の時効 税務では 時効のことを更正 決定処分の期間制限 = 除斥期間 といいます その概要は 以下の通りです 1. 国税側の除斥期間 ( 通則法 70) 1 期限内申告書を提出している場合の所得税 相続税 消費税 税額の増額更正 決定処分の可能期間 : 法定申告期限から 3 年 2 無申告の場合

特別障害者一人につき 75 万円を所得から控除することができます 障害者控除は 扶養控除の適用がない16 歳未満の扶養親族を有する場合においても適用されます ⑶ 心身障害者扶養共済掛金の控除 P128 条例の規定により地方公共団体が実施するいわゆる心身障害者扶養共済制度による契約で一定の要件を備えて

はなく 真実が判明すると その子は相続人になれない (8) 子が被相続人より先に死亡した場合には 孫が相続人となる 孫も死亡していれば曾孫が相続人となる これを代襲相続人という 3 直系尊属についての注意点被相続人の実親 養親いずれも相続人となる ただし 被相続人が特別養子の場合には その実親は相続

給与所得控除額の改正前後の比較 改正前 改正後 給与等の収入金額給与所得控除額給与等の収入金額給与所得控除額 180 万円以下 収入金額 40% 65 万円に満たない場合は 65 万円 180 万円以下 収入金額 40%-10 万円 55 万円に満たない場合は 55 万円 180 万円超 360 万

土地建物等の譲渡損失は 同じ年の他の土地建物等の譲渡益から差し引くことができます 差し引き後に残った譲渡益については 下記の < 計算式 2> の計算を行います なお 譲渡益から引ききれずに残ってしまった譲渡損失は 原則として 土地建物等の譲渡所得以外のその年の所得から差し引くこと ( 損益通算 )

(3) 年金所得者公的年金等の収入金額が400 万円以下であり かつ その公的年金等の全部が源泉徴収の対象となる場合において公的年金等に係る雑所得以外の所得金額が20 万円以下である場合には 確定申告の必要はありません また 上記 (2) 又は (3) に該当する方であっても 医療費控除や住宅借入金

未成年者控除 障害者控除の見直し 未成年者控除 障害者控除 6 万円 20 歳に達するまでの年数 6 万円 ( 特別障害者 :12 万円 ) 85 歳に達するまでの年数 10 万円 20 歳に達するまでの年数 10 万円 ( 特別障害者 :20 万円 ) 85 歳に達するまでの年数 小規模宅地等につ

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1 夫が亡くなったとき 40 歳以上 65 歳未満で 生計を同じくしている子がいない妻 2 遺族厚生年金と遺族基礎年金を受けていた子のある妻 (40 歳に達した当時 子がいるため遺族基礎年金を受けていた妻に限る ) が 子が 18 歳到達年度の末日に達したため 遺族基礎年金を受給できなくなったとき

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【自動車保険単位】

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例題 B さんは 被相続人 A から H22 年 7 月 7 日に C 社上場株式 50,000 株を相続した この年の C 社株式の株価推移は以下の通りである このとき C 社株式の相続税評価額は? ( 終値月平均値 ) 4 月平均 5 月平均 6 月平均 7 月平均 7/7 終値 500 円 5

課税遺産総額 = 各人の課税価格 ( ア ) の合計額 - 遺産に係る基礎控除額ウ相続税の総額の計算 1 課税遺産総額を法定相続人が法定相続分に応じて取得したものと仮定し 各人ごとの取得金額を計算する 2 1に税率をかけ 各人の税額を合計する (= 相続税の総額 ) エ各人の相続税額の計算相続税の総

12. 小規模宅地等の特例の見直し 1. 改正のポイント (3) 適用時期平成 30 年 4 月 1 日以後に相続又は遺贈により取得する宅地等に係る相続税について適用される ただし (2)1 の改正について 平成 30 年 3 月 31 日においての別居親族の要件を満たしていた宅地等を平成 32 年

相続税を計算してみましょう!

1.修正申告書を作成する場合の共通の手順編

1 相続税対策の必要性 生前からの対策が円満相続のカギ 11 なぜ 相続対策が必要なのか 13 事前の対策が不可欠 相続税対策の目的は財産を守ることです 相続税対策をしていれば子孫に財産を残すことができます が 何もしていないと家や事業用財産まで失ってしまいます 相続対策をしていないと? 相続になる

事業承継税制の概要 事業承継税制は である受贈者 相続人等が 円滑化法の認定を受けている非上場会社の株式等を贈与又は相続等により取得した場合において その非上場株式等に係る贈与税 相続税について 一定の要件のもと その納税を猶予し の死亡等により 納税が猶予されている贈与税 相続税の納付が免除される

債務控除できるもの できないもの 1. 概要相続税の申告で 債務控除できるものや葬式費用には 被相続人名義の銀行借入金や未納の所得税等の公租公課 未払医療費等のいわゆる債務の金額 葬式費用が挙げられます ( 相法 13) 斎場へのタクシー代や式後の飲食代なども含みますが 通常必要とされる範囲内とされ

贈与税 相続税計算ツール 注 : マクロを使用しない方は下の タブ ( シート名 ) をご使用下さい 番号 内容 下記の矢印をクリック 項目名 1 財産目録の不動産入力 資産 2 財産目録の動産入力 資産 3 死亡保険金 死亡退職金 弔慰金の入力 資産 4 金融資産 負債 費用の入力 資産 5 相続

2.配偶者控除の特例の適用を受ける場合(暦年課税)編

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相続対策としての土地有効活用

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Transcription:

FP3 級試験対策とポイント < 相続 事業承継 > 1. 相続と法律 1 被相続人の配偶者は 常に相続人となる 第一順位 ( 子 ) 第二順位 ( 直系尊属 ) 第三順 位 ( 兄弟姉妹 ) がある場合は それらの者と同順位で相続する 2 養子縁組には普通養子縁組と特別養子縁組がある 普通養子縁組は実方の血族の相続 権 養親の相続権の両方を有するが 特別養子の場合 実方の血族の相続権は失われ る 3 遺言による相続分の指定 ( 指定相続分 ) がない場合は 民法で定められた相続分 ( 法定相 続分 ) によることになる 法定相続分の割合は必ず覚える! 4 非嫡出子の相続分は嫡出子の 1/2 とする 5 代襲相続とは 被相続人の子が 相続開始以前に死亡しているとき 欠格または廃除によ り相続権を失ったとき その者の子が代襲して相続人となることである 但し相続放棄の場 合はその者の子による代襲相続は認められない 6 再代襲とは 代襲相続人が死亡している場合に その子が相続することであり 相続人が兄 弟姉妹の場合 代襲相続は認められるものの 再代襲は認められない 7 遺産分割の方法としては 指定分割 協議分割 調停分割 審判分割がある 8 財産分割の方法としては 現物分割 換地分割 代償分割の方法がある 代償分割とは 共同相続人のうち特定の相続人が相続財産を取得し 代償として その相続人が自己の固 有財産を他の相続人に支払う方法である 9 相続の放棄 限定承認は 相続の開始があったことを知った日から 3 ヶ月以内に行われなけ ればならない 行われなかった場合は単純承認したものとみなされる また 限定承認は相 続人全員で家庭裁判所へ申述しなければならない 10 遺言は 15 歳以上で かつ意思能力があれば誰でも作成でき 未成年者の場合でも 法定 代理人 ( 親 ) の同意は不要である 11 自筆証書遺言と秘密証書遺言では 家庭裁判所の検印が必要である ( 公正証書遺言につ いては不要 ) また秘密証書遺言と公正証書遺言は遺言にあたり 2 人以上の証人が必要 1

である 12 遺留分とは 遺言の内容にかかわらず一定の相続人が確実に受け取ることができる一定の 割合のことである 直系尊属のみが相続人である場合は 被相続人の財産の 1/3 その 他の場合には 被相続人の財産の 1/2 である ただし 兄弟姉妹には遺留分はない 13 相続の放棄は 被相続人の生前に行うことはできないが 遺留分の放棄はいつでも可能で ある 被相続人の生前に遺留分の放棄を行う場合には家庭裁判所の許可を得てすることが できる 2. 相続と税金 1 日本に住所を有していない納税義務者であっても 日本国籍を有していれば 原則として 国内財産も国外財産もすべての財産が相続税の課税対象となる 2 相続により財産を取得した時点において日本国内に住所を有していない相続人 ( 日本国籍 を有していない ) が国内財産と国外財産を取得した場合 国内財産のみが相続税の課税対 象となる 3 相続または遺贈により財産を取得した者が 被相続人から生前贈与により財産を取得して いる場合 相続開始前 3 年以内に贈与を受けた財産については贈与時の価額で相続財産 に加算される 4 相続税の課税対象となるのは 被相続人の本来の財産とみなし相続財産である 生命保険 金や死亡退職金 功労金などがみなし相続財産である 5 墓地 仏壇 仏具や法定相続人が取得した生命保険金 死亡退職金等の一定の額 (500 万円 法定相続人の数 ) は非課税である 6 死亡退職金等は 被相続人の死亡後 3 年以内に支払いが確定してものはみなし相続財産 として相続税の課税対象となり 3 年経過後に確定したものは一時所得として扱う 7 債務および葬式費用については 被相続人の未払い固定資産税は控除できるが 墓地購 入未払金は控除できない また法事費用や香典返礼費用も控除できない 8 相続税の課税価額を計算する際 相続を放棄した者であっても 葬式費用を負担している 場合は その金額を 取得した財産の価額から控除することができる 9 相続税の計算における基礎控除額は 5000 万円 +1000 万円 法定相続人の数 で計 2

算する 10 相続を放棄したものがいる場合には その放棄がなかったものとした場合の法定相続人の 数を数える 11 法定相続人の数に算入できる養子の数については 実子がいる場合には 1 人 実子がいな い場合には 2 人であるが 特別養子については制限はない 12 相続や遺贈によって財産を取得した者が 被相続人の一親等の血族 ( 代襲相続人を含む ) および配偶者以外の場合は その者の相続税額の 2 割に相当する金額を納付税額に加算 する また被相続人の養子となった孫 ( 代襲相続人を除く ) も 2 割加算の対象となる 13 相続税の配偶者に対する税額軽減では 配偶者の課税価額が 相続税の課税価額の合計 額に対する配偶者の法定相続分相当額を超えた場合であっても 1 億 6000 万円までであ れば課税されない ( 配偶者の税額軽減 ) ただし内縁関係にある者は対象とならない 14 相続開始時において 20 歳未満の法定相続人は 未成年者控除の適用を受けることができ る 控除額は 6 万円 20 歳に達するまでの年数 である 15 相続税の申告書は 相続の開始があったことを知った日の翌日から 10 ヶ月以内に申告書 を納税地の所管税務署長に提出しなければならない 16 相続税の延納においては 相続税額が 10 万円を超えることが条件の一つとなっている ま た 納税額が 50 万円未満で かつ 延納期間が 3 年以下の場合 を除いて担保を提供し なければならない 17 相続税を納める場合 延納から物納への変更は原則として認められていないが 例外もあ る また 贈与税の納税について物納は認められていない 3. 贈与と法律 1 贈与契約が書面による場合には取り消しできないが 書面によらない場合 ( 口頭等 ) には 履行されていない部分については取り消すことができる 2 親族とは 6 親等以内の血族 配偶者および 3 親等以内の姻族である 4. 贈与と税金 1 扶養義務者から生活費 教育費として贈与を受けた財産については 通常費用と認められ 3

る範囲で非課税となるが 有価証券の購入にあてた場合は贈与税の課税対象となる 2 法人から個人への贈与は 贈与税の非課税財産となり 所得税 ( 一時所得または給与所 得 ) の課税対象となる 3 贈与税の基礎控除額は年間 110 万円である 4 贈与税の配偶者控除では 婚姻期間が 20 年以上である配偶者からの住宅用不動産もしく は購入資金を贈与された場合に 贈与税の課税価額から 2000 万円を控除できる また 取得の翌年 3 月 15 日までに居住し その後も引き続き居住することが要件となっている 5 相続時精算課税制度は 一度選択すると後日撤回することはできず その贈与者の相続開 始まで適用されることになる 非課税枠は受贈者単位で累計 2500 万円 ( 住宅取得資金贈 与の特例の場合は 3500 万円 ) までである 6 相続時精算課税制度では 特別控除枠 2500 万円 ( または 3500 万円 ) を超える部分に対 して 一律 20% の税率が適用される 7 相続時精算課税制度 ( 住宅取得資金贈与の特例を除く ) の適用対象となるのは 贈与者は 65 歳以上の親 受贈者は 20 歳以上の子である推定相続人 ( 代襲相続人を含む ) である 5. 相続税の評価 ( 不動産 ) 1 借地権とは 借主が地代を払い 土地所有者から借りた土地に建物を建てるなどして利用 している場合の借主の権利のことをいい その評価額は 自用地価額 借地権割合 であ る 2 貸宅地とは 土地の所有者が自己の土地を貸している場合をいい 地主の底地の権利を評 価した貸宅地の評価額は 自用地価額 (1 借地権割合 ) である 3 自己の土地に建物を建築し その建物を賃貸の用に供した場合の敷地を貸家建付地とい い その評価額は 自用地価額 (1 借地権割合 借家権割合 賃貸割合 ) である 4 小規模宅地等の減額特例では 被相続人の居住用宅地を 配偶者が取得した場合には 相続税の申告期限まで引き続き所有しない場合でも 特定居住用宅地等として 240m2 ま でを対象に 80% の減額が認められる 5 小規模宅地等の減額特例の適用によって相続税がかからない場合であっても 申告は必 要である 4

6. 相続税の評価 ( 不動産以外 ) 1 ゴルフ会員権は 課税時期の取引価格 70%+ 取引価格に含まれない預託金等 によっ て評価する 2 生命保険契約に関する権利の評価は 原則として解約返戻金相当額によって評価する 3 上場株式については 課税時期の終値 課税時期の属する月の毎日の終値の平均額 課税時期の属する月の前月の毎日の終値の平均額 課税時期の属する月の全然月の 毎日の終値の平均額 の中で最も低い額で評価する 4 同族株主とは 株主の 1 人とその同族関係者の有する議決権の数の合計が議決権総数の 30% 以上を占める場合の その株主とその同族関係者をいう ただし 他に 50% 超を占 める株主グループがいる場合は その株主グループのみが同族株主となる 5 会社規模による区分に基づいて取引相場のない株式を評価する場合 従業員が 100 名以 上の会社については大会社に分類する 6 配当還元価額を求める際 過去 2 年間の配当の平均額を用いるが この配当の平均額が 2 円 50 銭未満または無配当の場合 配当の平均額を 2 円 50 銭として計算する 5