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はじめに 高齢者施設等で抵抗力が低い利用者をケアするには 介護スタッフの感染予防が必要です 施設は重度の利用者が中心になり さまざまな基礎疾患を抱えているため 感染しやすい状態の方が急増しています 介護スタッフが感染源にならないための予防策と 介護スタッフ自身の安全なケアの方法が重要となってきます

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資料 3 3 社会福祉施設におけるウエルシュ菌の 汚染実態調査について

平成 19 年度安全情報 所属八王子市保健所 項目 テーマ 内容 社会福祉施設におけるウエルシュ菌の汚染実態について 平成 16 年度に 管内の高齢者施設 2 施設でノロウイルスの集団感染が発生した その際の調査で エンテロトキシン産生性ウエルシュ菌 ( 以下 ウエルシュ菌 という ) が 施設の拭取り検査で陽性率 37.3% 入居者 調理従事者 介護人等を対象とした検便で陽性率 23.0% と 高率に検出された 調査目的や背景 このため平成 17 年度に 他の施設 ( 高齢者施設 3 施設 保育園 1 施設 事業所 1 施設 ) の汚染実態調査を行ったところ 拭取り検査の陽性が 1.3% 検便では 1.0% とウエルシュ菌の検出率は低かった 以上のことから 平成 16 年度の事例は 当該施設固有の問題であったのかを検証するため 平成 18 年度は改めて当該 2 施設について 検査検体数を増し ウエルシュ菌の検査を重点的に実施した 検査の結果 入居者のふん便からウエルシュ菌が検出され 陽性率は 26.7% であった また 拭取り検査の陽性率は 11.0% であった 検出された血清型は施設 A では拭取りでは TW2 型が検出され 入居者からは他の血清型が検出され TW2 型が検出されたのは 1 人のみであった 施設 B からは全て同一の血清型 (TW47 調査結果 型 ) が検出された 両施設とも拭取り検査から ふん便由来の汚染が疑われる箇所での検出が目立った 今回の調査においてウエルシュ菌は入居者のふん便由来で施設内の環境を汚染していることが強く示唆された 施設 B に関しては 16 年度に検出された血清型と同一のものであるため 継続汚染の可能性も考えられた 対象業種 集団給食施設 今回の調査で 社会福祉施設におけるウエルシュ菌による汚染が示唆された 今後の取組みの方向性 抵抗力の低下している入居者が施設内でウエルシュ菌に感染する可能性が十分に考えられる 汚染の拡大を防ぎ 食堂や厨房に汚染を持ち込まないよう 特にふん便由来の汚染が考えられる施設について 常に重点的に清掃 消毒を行うよう指導していく 平成 17 年度社会福祉施設におけるウエルシュ菌の汚染実態調査について上記 ( 調査目的や背景 ) 内容 添付資料 平成 18 年度社会福祉施設におけるウエルシュ菌の汚染実態調査について上記 ( 調査結果 ) 内容 特別養護老人ホームにおける環境由来と思われるエンテロトキシン産生 Clostridium perfringens による集団下痢症

2 八王子保健所 社会福祉施設におけるウェルシュ菌の汚染実態調査について ( 継続 ) 1 目的平成 16 年度 ( 平成 17 年 2 月から 3 月にかけて ) に 管内高齢者施設 2 施設でノロウイルスの集団感染が発生した その際 エンテロトキシン産生性ウェルシュ菌 ( 以下 ウェルシュ菌 という ) が 施設の拭取り検査で 83 検体中 31 検体 ( 陽性率 37.3%) 入居者 調理従事者 介護人等を対象とした検便で 74 検体中 17 検体 ( 陽性率 23.0%) と 高率に検出された このことから 平成 17 年度に 他の施設におけるウェルシュ菌による汚染を把握するため 高齢者施設 3 施設 保育園 1 施設 八王子保健所 ( 対照 ) の汚染実態調査を行ったところ 拭取り検査で 151 検体中 2 検体 (1.3%) が陽性であった また 施設の入居者の検便で 45 検体中 5 検体 (11.1%) 調理従事者等の検便 42 検体中 2 検体 (4.8%) が陽性であった いずれも 平成 16 年度と比べウェルシュ菌の検出率は低く また アンケートによる行動調査でもウェルシュ菌が高率に検出された理由は明確にできなかった 以上のことから 平成 16 年度の事例は 当該施設固有の問題であったのかを検証するため 改めて 当該 2 施設について 検査検体数を増やし ウェルシュ菌の検査を重点的に実施した 2 調査方法 (1) 実施期間平成 18 年 11 月 ~12 月 (2) 対象施設高齢者施設 2 施設 ( 以下 施設 A 施設 B という ) (3) 調査方法調理場 入居者の居室等の拭取り検査を実施するとともに 調理従事者や入居者の検便を行った ア拭取り検査施設の調理場 居室等 100 検体 ( 施設 A:50 検体 施設 B:50 検体 ) イ検便検査施設の調理従事者 10 名 ( 施設 A:5 名 施設 B:5 名 ) 施設の職員 8 名 ( 施設 A:3 名 施設 B:5 名 ) 施設の入居者 30 名 ( 施設 A:15 名 施設 B:15 名 ) (4) 検査機関 健康安全研究センター食中毒細菌研究室 3 検査結果 (1) 施設 A 生活環境 ( 施設拭取り検査及び水 ) の検査において 50 検体中 9 検体 (18.0%) 入居者のふん便 15 検体中 4 検体 (26.7%) からウェルシュ菌を検出した 拭取り箇所及び検査結果の詳細は 別添 1 のとおりである ウェルシュ菌を検出した拭取り9 検体の内 トイレ ( 洋式 女性用 ) 関係 3 箇所からウェルシュ菌が検出されたことは特徴的である また 洗濯室の汚物洗濯用シンクレバーや 洗濯機内部 浴槽の内側等 ふん便由来の汚染が疑われる箇所での検出が目立った 血清型の分布は 表 1のとおりである

拭取りで 陽性だった検体全てから TW2 型が検出された 入居者の検便からは別型の TW62 型 TW25 型などが検出された 入居者で TW2 型が検出されたのは 1 名のみであった 聞き取り調査の結果 検便でウェルシュ菌が陽性であった 4 名は 2 名ずつ同室であった 同室であることと その血清型の相関は不明である なお 保菌者は全員健康で オムツ 等の利用者はいない 調理従事者及び職員からはウェルシュ菌は検出されなかった 表 1 施設 A の血清型分布 1 汚染実態調査時 ( 平成 18 年 12 月 19 日 22 日実施 ) ウェルシュ内訳検体数 (+) TW2 TW2,UT TW2,62 TW62 TW25 UT 拭取り 調理室 10 環境 39 9 23.1% 8 1 水 1 入居者 15 4 26.7% 1 1 1 1 検便 調理従事者 5 職員 3 合計 73 13 8(61.5%) 1(7.6%) 1(7.6%) 1(7.6%) 1(7.6%) 1(7.6%) 2 集団感染発生時 ( 平成 17 年 3 月 8 日から11 日の間実施 ) ウェルシュ内訳検体数 (+) UT TW70 TW61,63,UT TW34,UT TW65 TW12,UT 拭取り 調理室 15 0 環境 29 13 44.8% 13 水 2 1 50.0% 1 検食 16 0 入居者 19 12 63.2% 9 1 1 1 1 1 検便 調理従事者 9 2 22.2% 1 職員 26 1 3.8% 1 合計 116 29 25(86.2%) 1(3.4%) 1(3.4%) 1(3.4%) 1(3.4%) 1(3.4%) (2) 施設 B 生活環境 ( 施設拭取り検査及び水 ) の検査において 50 検体中 2 検体 (4.0%) 入居者の検便 15 検体中 4 検体 (26.7%) からウェルシュ菌を検出した 拭取り箇所及び結果の詳細は 別添 2 のとおりである ウェルシュ菌を検出した拭取り 2 検体は トイレの便座及び 同じトイレの水栓レバーである このトイレのレバーはボタン式で 明らかに肉眼で汚れが確認できる状況であり ふん便由来の汚染が強く疑われた 血清型の分布は 表 2のとおりである 拭取り及び検便から検出されたウェルシュ菌の血清型は 全て TW47 型であった 拭取りでウェルシュ菌を検出したトイレは 女性用洋式の共用トイレであることと 陽性であった入居者 4 名中 3 名が女性であったことは 保菌者のふん便からトイレで感染が広がった可能性が考えられた 保菌者は施設 A と同様に 全員健康で オムツの利用者はいない 4 名とも部屋は異なっている 調理従事者及び職員からはウェルシュ菌は検出されなかった なお この施設では 16 年度にノロウイルスによる感染症が発生した際 調理従事者及び生活環境から TW47 型のウェルシュ菌を多く検出している 文献によると 過去にウェルシュ菌が多く検出された施設で その時に検出されたウェルシュ菌と同血清型のウェルシュ菌によって 1 年後に下痢症を起した事例の報告もあり

今回の施設も 過去のウェルシュ菌が残存していたことも考えられ 大変興味深い 表 2 施設 B の血清型分布 1 汚染実態調査時 ( 平成 18 年 12 月 12 日実施 ) ウェルシュ検体数 (+) 拭取り 検便 内訳 TW47 調理室 10 環境 37 2 5.4% 2 3 水 入居者 15 4 26.7% 4 調理従事者 5 職員 5 合計 75 6 6(100%) 2 集団感染発生時 ( 平成 17 年 2 月 28 日から3 月 8 日実施 ) ウェルシュ内訳検体数 (+) TW47 TW47,H5 TW47,UT H5 H5,UT UT 拭取り 調理室 15 0 環境 24 18 75.0% 8 5 2 1 1 1 水 4 0 検食 34 1 2.9% 1 検便調理従事者 13 2 15.4% 2 職員 7 0 合計 97 21 11(53.4%) 5(23.8%) 2(9,5%) 1(4.8%) 1(4.8%) 1(4.8%) 4 考察及びまとめ (1) 検便の結果施設 A B とも調理従事者及び職員からウェルシュ菌は検出されなかったが 2 施設の入居者 30 名中 8 名 (26.7%) からウェルシュ菌が検出された いずれの施設も 26.7% の検出率であった これは 平成 17 年度に実施した他の施設での検便のウェルシュ菌の検出率 (11.1%) より高く 平成 16 年度のノロウイルスによる感染症が発生していた時の検出率 23.0% とほぼ同じであった 今回再調査した施設は 調査時に感染症や食中毒が発生していない状態であったが 入居者はある程度のウェルシュ菌を保菌していることが確認された (2) 施設の拭取り検査 2 施設 100 検体中 11 検体 (11.0%) からウェルシュ菌が検出された 16 年度の 37.3% に比べると低いが トイレ 洗濯室等からの検出が目立った また 施設 B からは 以前と同じ血清型のウェルシュ菌が多く検出された ウェルシュ菌は 高齢者福祉施設や病院等で 食中毒の集団発生とは異なる下痢症の原因となる事例が報告されている また ノロウイルスの感染症の発生時に ノロウイルスと共に 同一血清型のウェルシュ菌が多数分離される事例が他にも報告されている このような場合 ウェルシュ菌の関与について不明な点が多く 今回の再調査でも 当該施設で 16 年度に ノロウイルス感染発生時に検出されたウェルシュ菌において 同一血清型が多かった理由を特定できなかった 今回の調査で ウェルシュ菌は 入居者のふん便由来で施設内の環境を汚染していることが強く示唆された ノロウイルス等の感染症の発生時に 抵抗力の低下している入居者が

施設内でウェルシュ菌に感染し 食中毒やその他の集団下痢症の原因となる可能性が十分考えられる ウェルシュ菌の汚染を拡大させず さらに食堂 厨房に汚染持ち込まないように 特にふん便由来の汚染が考えられるトイレ 洗濯室等の共用設備について常に重点的に清掃 消毒を行うことが重要である

平成 18 年度事業計画拭取り箇所 ( 施設 A)12 月 19 日 ( 火 ) 実施 番号 拭取り場所 ウエルシュ菌 血清型 1 調理場ノブ ( 内側 ) 調理場関係 ( ) 2 調理場ノブ ( 外側 ) 調理場関係 ( ) 3 シンク ( 仕込み用 ) 使用中 調理場関係 ( ) 4 シンク ( 食洗機横シンク ) 調理場関係 ( ) 5 従業員用トイレ ( 便座 ) 東棟 1 階 調理場関係 ( ) 6 従業員用トイレ ( 水洗ボタン ) 東棟 1 階 調理場関係 ( ) 7 冷蔵庫取っ手 ( 仕込み済み ) 調理場関係 ( ) 8 まな板 ( 調理済み ) 調理場関係 ( ) 9 盛り付け台 (2 階食堂 ) 調理場関係 ( ) 10 シンク盛り付け用 (2 階食堂 ) 調理場関係 ( ) 11 1 号棟 2 階食堂横出入り口床 環境 ( ) 12 1 号棟 2 階食堂横てすり 環境 ( ) 13 1 号棟 2 階 2 寮エアコン吹き出し口 環境 ( ) 14 1 号棟 2 階 2 寮タタミ ( 押入れ前 ) 環境 トキシン産生菌 TW2 15 1 号棟 2 階洗面所給湯器お湯のコック 環境 ( ) 16 1 号棟 2 階トイレ入口 環境 ( ) 17 1 号棟 1 階トイレ水栓レバー 環境 ( ) 18 1 号棟 1 階トイレ便座 環境 トキシン産生菌 TW2,UT 19 1 号棟 2 階トイレ水栓レバー 環境 ( ) 20 1 号棟 2 階トイレ便座 環境 トキシン産生菌 TW2 21 洗濯室 ( 職員用ドラム ) 環境 ( ) 22 洗濯室汚物洗濯用 ( シンクレバー ) 環境 トキシン産生菌 TW2 23 洗濯室汚物洗濯用 ( シンク ) 環境 ( ) 24 東棟洗濯室 ( 洗濯機内部 ) 環境 トキシン産生菌 TW2 25 東棟洗濯室 ( シンク ) 環境 ( ) 26 食堂床 ( 入口付近の暖房の下 ) 環境 ( ) 27 食堂 ( 入口付近暖房吹き出し口 ) 環境 トキシン産生菌 TW2 28 食堂入口の手洗い機 環境 ( ) 29 食堂入口手洗いの補助棒 環境 ( ) 30 食堂テーブル 環境 ( ) 31 東棟 2 階 216 号室出入り口床 環境 ( ) 32 東棟 2 階 216 号室ベランダへの出入り口取っ手 環境 ( ) 33 東棟 2 階 216 号室トイレ水栓レバー 環境 ( ) 34 東棟 2 階 216 号室トイレ便座 環境 トキシン産生菌 TW2 35 東棟 2 階談話室冷蔵庫取っ手 環境 ( ) 36 東棟 2 階談話室シンク 環境 ( ) 37 東棟 2 階談話室テーブル 環境 ( ) 38 東棟 2 階談話室エアコン吹き出し口 環境 ( ) 39 1 号棟 1 階東側 114 号室出入り口床 環境 ( ) 40 1 号棟 1 階東側 114 号室庭への出入り口取っ手 環境 ( ) 41 女性用風呂入口取っ手 環境 ( ) 42 女性用風呂エアコン吹き出し口 環境 ( ) 43 女性用風呂冷水機上レバー 環境 トキシン産生菌 TW2 44 女性用風呂混合水栓レバー 環境 ( ) 45 女性用風呂排水溝ふた ( 浴槽内 カラン下 ) 環境 ( ) 46 女性用風呂介助手すり ( 浴槽内 ) 環境 ( ) 47 女性用風呂トイレノブ ( 内側 ) 環境 ( ) 48 女性用風呂イス 環境 ( ) 49 女性用風呂浴槽内側 環境 トキシン産生菌 TW2 50 女性用風呂浴槽のお湯 水 ( )

番号検体名 ( 検便検査 12 月 19 日回収分 ) ウエルシュ菌 血清型 1 入居者 ( 女性 89) 検便 トキシン産生菌 TW62 2 入居者 ( 女性 88) 検便 ( ) 3 入居者 ( 女性 70) 検便 ( ) 4 入居者 ( 男性 77) 検便 トキシン産生菌 TW2,62 5 入居者 ( 男性 72) 検便 トキシン産生菌 UT 6 入居者 ( 女性 76) 検便 ( ) 7 調理従事者 ( 男性 41) 検便 ( ) 8 介護人 ( 女性 53) 検便 ( ) 9 介護人 ( 男性 52) 検便 ( ) 番号検体名 ( 検便検査 12 月 22 日回収分 ) ウエルシュ菌 血清型 1 調理従事者 ( 男性 23) 検便 ( ) 2 調理従事者 ( 女性 58) 検便 ( ) 3 調理従事者 ( 男性 22) 検便 ( ) 4 調理従事者 ( 女性 36) 検便 ( ) 5 介護人 ( 女性 53) 検便 ( ) 6 入居者 ( 男性 74) 検便 ( ) 7 入居者 ( 男性 79) 検便 ( ) 8 入居者 ( 女性 95) 検便 ( ) 9 入居者 ( 女性 73) 検便 ( ) 10 入居者 ( 男性 86) 検便 ( ) 11 入居者 ( 女性 85) 検便 トキシン産生菌 TW25 12 入居者 ( 女性 81) 検便 ( ) 13 入居者 ( 男性 66) 検便 ( ) 14 入居者 ( 男性 64) 検便 ( )

平成 18 年度八王子保健所独自事業 ( 施設 B)12 月 12 日 ( 火 ) 実施 番号 拭取り場所 ウエルシュ菌 血清型 1 調理場出入口ノブ ( 内側 ) 調理場 ( ) 2 シンク内面 ( 仕込み用 ) 使用中 調理場 ( ) 3 1 槽シンク ( 調理用 ) 内面 調理場 ( ) 4 従業員用トイレ ( 便座 ) 調理場 ( ) 5 従業員用トイレ ( 内側ノブ ) 調理場 ( ) 6 調理場出入口内側床 調理場 ( ) 7 盛付け台表面 調理場 ( ) 8 器具洗浄用 1 槽シンク内面 調理場 ( ) 9 調理済み食品用冷蔵庫取手 調理場 ( ) 10 調理済食品用ポリまな板 調理場 ( ) 11 樹 407 室エアコン吹き出し口 環境 ( ) 12 樹 407 室タタミ ( 入って左奥 ) 環境 ( ) 13 樹 407 室トイレ ( 外側ノブ ) 環境 ( ) 14 樹 4 階給湯室共同冷蔵庫内中段棚 環境 ( ) 15 樹 4 階娯楽室床 環境 ( ) 16 樹 207 室エアコン吹き出し口 環境 ( ) 17 樹 207 室タタミ ( 入って左奥 ) 環境 ( ) 18 樹 207 室トイレ ( 外側ノブ ) 環境 ( ) 19 樹 2 階娯楽室 ( 右側エアコン吹出し口 ) 環境 ( ) 20 樹 2 階娯楽室左手前床 環境 ( ) 21 竹 323 室ベット下床 環境 ( ) 22 竹 323 室机上面 環境 ( ) 23 竹 323 室洗面台照明上 環境 ( ) 24 竹 323 室ドア取っ手 ( 外側 ) 環境 ( ) 25 竹 3 階談話コーナー右シンク下床 環境 ( ) 26 竹 3 階談話コーナー右シンク内面 環境 ( ) 27 竹 421 室ナースコール照明上 環境 ( ) 28 竹 421 室テーブル上 環境 ( ) 29 竹 421 室洗面台照明上 環境 ( ) 30 樹 4 階職員用手前トイレ水栓レバー 環境 ( ) 31 樹 4 階職員用手前トイレ便座 環境 ( ) 32 竹 1 階入居者女性共用トイレ水栓レバー 環境 トキシン産生菌 TW47 33 竹 1 階入居者女性共用トイレ便座 環境 トキシン産生菌 TW47 34 樹 入居者用洗濯室洗濯機ドラム内面 環境 ( ) 35 樹 3 階職員用洗濯室手前洗濯機ドラム 環境 ( ) 36 竹 3 階介助用洗濯室右洗濯機ドラム 環境 ( ) 37 竹 3 階入居者用洗濯室中央洗濯機ドラム 環境 ( ) 38 竹 2 階女性用風呂内車椅子 環境 ( ) 39 樹 3 階トイレ汚物処理槽内面 環境 ( ) 40 竹 3 階介助用洗濯室汚物処理槽内面 環境 ( ) 41 竹 1 階食堂舞台右手前床 環境 ( ) 42 竹 1 階食堂右から2 台目手洗いレバー 環境 ( ) 43 竹 2 階女性用風呂浴槽内面 環境 ( ) 44 竹 2 階女性用風呂浴槽内のお湯 水 ( ) 45 樹 2 階女性用風呂内ポリ椅子 環境 ( ) 46 樹 2 階女性用風呂浴槽内面 環境 ( ) 47 竹 女性用風呂ポリ椅子 環境 ( ) 48 竹 女性用風呂浴槽内面 環境 ( ) 49 樹 女性用風呂浴槽内のお湯 水 ( ) 50 竹 女性用風呂浴槽内のお湯 水 ( )

番号検体名 ( 検便検査 12 月 12 日回収分 ) ウエルシュ菌血清型 1 入居者 ( 男性 72) 検便 ( ) 2 入居者 ( 女性 81) 検便 トキシン産生菌 TW47 3 入居者 ( 男性 74) 検便 ( ) 4 入居者 ( 男性 69) 検便 ( ) 5 入居者 ( 男性 75) 検便 トキシン産生菌 TW47 6 入居者 ( 女性 70) 検便 トキシン産生菌 TW47 7 入居者 ( 男性 76) 検便 ( ) 8 入居者 ( 女性 74) 検便 ( ) 9 入居者 ( 女性 83) 検便 ( ) 10 入居者 ( 女性 82) 検便 ( ) 11 入居者 ( 女性 86) 検便 ( ) 12 入居者 ( 女性 79) 検便 ( ) 13 入居者 ( 男性 71) 検便 ( ) 14 入居者 ( 男性 70) 検便 ( ) 15 入居者 ( 女性 77) 検便 トキシン産生菌 TW47 16 職員 ( 女性 34) 検便 ( ) 17 職員 ( 女性 30) 検便 ( ) 18 職員 ( 男性 66) 検便 ( ) 19 職員 ( 男性 28) 検便 ( ) 20 職員 ( 女性 24) 検便 ( ) 21 調理従事者 ( 男性 25) 検便 ( ) 22 調理従事者 ( 女性 51) 検便 ( ) 23 調理従事者 ( 男性 18) 検便 ( ) 24 調理従事者 ( 女性 21) 検便 ( ) 25 調理従事者 ( 女性 31) 検便 ( )

2 八王子保健所 社会福祉施設におけるウェルシュ菌の汚染実態調査について ( 新規 ) 1 目的平成 17 年 2~3 月にかけて 当所管内の高齢者施設 2 施設でノロウイルス集団感染が発生し その際実施した細菌検査で エンテロトキシン産生性ウェルシュ菌 ( 以下ウェルシュ菌 ) が両施設の入所者 調理従事者 介護者の糞便及び拭取り検体 ( 入所者の居室 ) から検出された 2 施設において汚染実態が確認されたことから これが高齢者施設一般の状況であるとすれば 重大な事態を招く恐れがあることが懸念される このため これらの施設における食中毒の発生を未然に防止するために 高齢者施設におけるウェルシュ菌による汚染実態調査を実施した 2 調査方法 (1) 実施期間平成 17 年 10 月 ~11 月 (2) 対象施設管内高齢者施設 3 施設と その対照として保育園 八王子保健所を選定して調査を行った 高齢者施設 3 施設 ( 以後 施設 A 施設 B 施設 C とする ) 保育園 1 施設 ( 以後 施設 D とする ) 八王子保健所 (3) 調査方法調理場 入居者の居室等の拭取り検査を実施するとともに 調理従事者や入居者の検便を行った 検便に協力してもらった調理従事者や入居者に対して 生活習慣などについてアンケートを行い ウェルシュ菌による汚染の可能性について調査した なお 調査は当所保健対策課感染症対策係との協力により実施した (4) 検査依頼機関健康安全研究センター食中毒細菌研究室 3 検査結果 (1) 拭取り検査 5 施設 151 検体 ( 施設 A 29 検体 施設 B25 検体 施設 C 23 検体 施設 D 36 検体 八王子保健所 38 検体 ) を検査し 2 検体からウェルシュ菌が検出された ( 陽性率 1.3%) 内訳は 施設 Cでの 1 検体 ( 陽性率 4.3%) 八王子保健所での 1 検体 ( 陽性率 2.6%) であった 他は全て ウェルシュ菌は陰性であった

なお 詳細は別添 1 に示した通りである (2) 検便検査調理従事者検便では 施設 A~D の 4 施設 42 名 ( 施設 A 20 名 施設 B 8 名 施設 C 10 名 施設 D 4 名 ) に協力してもらい 2 名からウェルシュ菌が検出された ( 陽性率 4.8%) 内訳は 施設 A で 1 名 ( 陽性率 5%) 施設 C で 1 名 ( 陽性率 10%) であった 入所者検便では 施設 A~C の 3 施設 45 名 ( 施設 A 8 名 施設 B 22 名 施設 C 15 名 ) に協力してもらい 5 名からウェルシュ菌が検出された ( 陽性率 11.1%) 内訳は 施設 A で 2 名 ( 陽性率 25%) 施設 B で 2 名 ( 陽性率 9.1%) 施設 C で 1 名 ( 陽性率 6.7%) であった なお 詳細は別添 2 に示した通りである (3) アンケート調査今回の検便協力者の施設 A~D の 4 施設の調理従事者及び 施設 A~C の 3 施設の入所者について 生活習慣などに関するアンケートを行った 施設 D については アンケートの協力を得られなかった その結果 ウェルシュ菌陽性者のうち 施設 A の調理従事者 1 名については入所者との接触があり 園芸 農作業を行うこともあることが判明したが これ以外は ウェルシュ菌保菌に結びつく結果は得られなかった なお そのアンケート内容は 別添 3 及び別添 4の通りである また アンケートの集計結果を別添 5 に示した 4 考察入所者では 5 名からウェルシュ菌が検出されていることから 一般的には高齢者がウェルシュ菌を保菌しやすいと思われた しかし 年齢ごとで有意差があるとは認め難かった 拭取り検査では 全体的にウェルシュ菌の陽性率は低く 2 検体が検出されたのみであった 施設 C のトイレ前床 (6F 22 号室 ) のウェルシュ菌は3 種の血清型が混合検出された このうち TW47 は 同施設 6F 入所者の検便からも検出されているので この入所者となんらかの関連が考えられた 拭取りに関しては ウェルシュ菌検出率が全体的に低く 特徴ある傾向は見出しにくかったが 保健所での拭取りで検出されたのは 講堂の床であり 前日に心の健康フェスティバルが開催されたため 外来者の靴について持ち込まれたことが推察された アンケートでは 陽性者のうち 施設 A の調理従事者 1 名以外は ウェルシュ菌保菌に結びつく結果は得られておらず 他の陽性者の保菌した経路について推察し難かった 5 まとめ本事業では 高齢者のウェルシュ菌検出がある程度みられるなどの傾向はみられたものの 特徴的なデータは得られなかった 本事業は 本年度が初めてであり 本調査結果を踏まえ 実施期間について検討を行うなどして 来年も継続して行う予定である