サルモネラ食中毒とは? 症状は? 食後 6~48 時間でおう吐腹痛下痢発熱など乳幼児や高齢者は症状が重くなることもある原因になりやすい食品は? 加熱不足の卵肉などが原因になりやすい生の肉に使った包丁で切った調理済みの食品も原因に害虫やペットが菌を食品に付けてしまうことも ( 農

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ふさこいくのや
5 years ago
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1 平成 25 年 6 月 28 日農林水産省食品安全セミナー ( 微生物編 ) 資料 2-4 鶏卵のサルモネラ属菌汚染低減に向けた取組消費安全政策課微生物チーム春名美香

2 サルモネラ食中毒とは? 症状は? 食後 6~48 時間でおう吐腹痛下痢発熱など乳幼児や高齢者は症状が重くなることもある原因になりやすい食品は? 加熱不足の卵肉などが原因になりやすい生の肉に使った包丁で切った調理済みの食品も原因に害虫やペットが菌を食品に付けてしまうことも ( 農林水産省 HP 食中毒をおこす細菌ウイルス寄生虫図鑑より) 2

3 サルモネラとは? 鶏牛豚などの動物の腸管内に存在低温でも増殖できる乾燥に強い環境中で長く生きることができる鶏が感染した場合ひなでは下痢などの症状が見られることがあるが成鶏 ( おとなの鶏 ) では症状が見られない ( 一部を除く ) 3

4 患者の人から検出されたサルモネラの血清型 Enteritidis 2007 年 (1,532 株 ) Infantis Typhimurium Thompson Saintpaul その他 2011 年 (968 株 ) サルモネラの血清型とは O 抗原 ( 菌体の細胞壁 ) や H 抗原 ( 鞭毛 ) の組み合わせで種類は 2,500 以上 2012 年 (792 株 ) ( 国立感染症研究所病原微生物検出情報より ) 4

5 鶏卵のサルモネラ汚染経路感染した鶏がサルモネラを含んだふんをしそのふんが鶏卵の表面 ( 卵殻 ) に付着卵選別包装施設 (GPセンター) での卵の洗浄殺菌で多くは除去される感染した鶏の体内で卵殻が形成される前にサルモネラが卵の中に侵入 ( ごく一部の血清型部の血清型サルモネラエンテリティディスなど ) 5

6 鶏卵のサルモネラ汚染を低減するための取組鶏卵のサルモネラ総合対策指針家畜の生産段階における衛生管理ガイドライン飼料製造に係るサルモネラ対策のガイドライン卵選別包装施設の衛生管理要領食鳥卵の規格基準食品衛生法に基づく鶏の殻付き卵液卵の表示基準液卵製造施設等の衛生指導要領家庭における卵の衛生的な取扱いについて業界団体による取組 6

7 市販鶏卵のサルモネラ汚染率の調査 (2007 年度 ) 全国を 8 ブロック ( 北海道東北関東北陸東海近畿中国四国九州 ) に分け人口比率に応じて購入数を決め合計 2,030 パック (10 個入りとして ) を小売店で購入 1 パックごとに卵内容物と卵殻に分けて調査サルモネラが検出された検体についてはパックに記載のある GP センターに連絡し洗浄方法を聞き取り 7

8 国産鶏卵のサルモネラ汚染実態の調査結果卵内容物 1) 調査調査したサルモネラ ( 全血清サルモネラエンテリティティス期間卵の数型 ) 陽性の卵陽性の卵 1990~ 1992 年 264,000 個 7 個 (0.03%) 6 個 (0.02%) 卵内容物 2007 年 2,030 ハック 0 ハック (0%) 0 ハック (0%) 卵殻 2007 年 2,030 ハック 5 ハック (0.25%) 2 ハック (0.1%) 卵内容物 2) 2010~ 5,040 検体 2011 年卵約 20 個 / 検体 - 3 検体 (0.06%) 06%) 1) 仲西他 (1999 年 ) 食品衛生学雑誌 34: )Esaki 他 (2013 年 ) Epidemiology and Infection 141: 卵殻からサルモネラが検出された卵は全てパック詰めの前に温水で洗浄されていた 8

9 調査結果から農場でサルモネラが卵殻に付着し洗浄工程で完全に除去できなかった可能性がある洗浄後に GP センターでサルモネラ汚染があった可能性がある卵殻汚染であっても温度変化等によりサルモネラが卵の内部に侵入することがあるため卵を低温保存する卵を割る時に卵殻が混ざらないようにするなどの汚染の拡大防止が必要 9

10 採卵鶏の飼養 150 日 210 日 520 日前後孵化産卵開始産卵ピーク淘汰 440~460 日 700 日前後誘導換羽淘汰日齢が進むにつれて産卵率が低下したり卵殻の質卵殻の質が悪くなったりするため採卵鶏にストレス ( 給餌制限など ) を与えることにより産卵を休止させ産卵率産卵率や卵殻質などを回復させること 10

11 誘導換羽による影響誘導換羽を実施すると次のような傾向があることが報告されている鶏がサルモネラに感染しやすくなるサルモネラに感染している鶏はふんの中に大量のサルモネラを排せつするサルモネラエンテリティディスに感染している鶏の卵の内部にサルモネラエンテリティディスが侵入する割合が高くなる 11

12 採卵鶏農場のサルモネラ陽性率の調査 (2007 年度 ) 全国の採卵鶏農場に対して協力を依頼し承諾の得られた 338 農場で調査廃用 2 ヶ月以内の鶏群誘導換羽後 1 ヶ月以内の鶏群又は最高齢の鶏群の鶏舎で新鮮盲腸便 (10g) を 5 箇所から塵埃 (25g) を 1 箇所から採取 1 検体でもサルモネラが検出されればその鶏群をサルモネラ陽性鶏群とする飼養状況に関するアンケートを実施 12

13 一生管齧歯類の定期的駆除採卵鶏農場のサルモネラ陽性率の調査結果 1 ~ 飼養状況のアンケート ~ 無窓鶏舎誘導換羽卵の In-line 集卵サルモネラの定期的検査農場入口での車両消毒農場への人の立入制限衛鶏の飲用水の消毒 ( 毎日 ) 般作業服の交換作業服の交換 ( 毎日 ) 理実施している農場 (%) 13

14 採卵鶏農場のサルモネラ陽性率の調査結果 2 ~ 血清型 ~ 21% の農場 (338 農場のうち 70 農場 ) にサルモネラ陽性鶏群がいることが判明 S. Enteritidis は 3% 鶏群のサルモネラの血清型には多くの種類があることが判明 S. Enteritidis は全体の 8% サルモネラの血清型の割合 S. Cerro S. Braenderup S. Infantis S. Corvallis S. Enteritidis S. Mbandaka その他 26 種の血清型 + 血清型不明 14

15 採卵鶏農場のサルモネラ陽性率の調査結果 3 ~ 鶏舎の構造による比較 ~ 無窓 ( ウィンドウレス ) 鶏舎の農場の陽性率は開放鶏舎の農場より高い無窓鶏舎農場数うちサルモネラ陽性農場数 85 農場 44 農場 (52%) 開放鶏舎 253 農場 26 農場 (10%) 15

16 採卵鶏農場のサルモネラ陽性率の調査結果 4 ~1 ケージあたりの鶏の数による比較 ~ 農25 ( 平均 27 羽 ) 開放鶏舎 ( 平均羽羽 )) 無窓鶏舎場( 平均羽 ) 数色の濃い部分は陽性鶏群ケージあたりの鶏の数 ( 羽 ) 16

17 採卵鶏農場のサルモネラ陽性率の調査結果 5 ~ 誘導換羽の有無による比較 ~ 無窓鶏舎であって誘導換羽を実施している農場の鶏群の陽性率は実施していない農場より高い誘導換羽を実施している誘導換羽を実施していない農場数うちサルモネラ陽性農場数 63 農場 38 農場 (60%) 17 農場 4 農場 (24%) 17

18 採卵鶏農場のサルモネラ陽性率の調査結果 6 ~ 集卵の方式による陽性率の比較 ~ 無窓鶏舎であってインライン方式で集卵している農場の陽性率はインライン方式で集卵していない農場の陽性率より高いインライン方式で集卵している農場数うちサルモネラ陽性農場数 62 農場 39 農場 (63%) インライン方式でイ集卵していない 18 農場 3 農場 (17%) 18

19 無窓鶏舎であって調査結果から誘導換羽を行っている又はインライン方式で鶏卵を集卵している農場の陽性率が高いことが判明無窓鶏舎の農場の 8 割は誘導換羽を行っておりインライン方式で集卵している大規模の農場では無窓鶏舎が多いことから採卵鶏の多くは無窓鶏舎で飼養されていると考えられる 19

20 農場内鶏群のサルモネラ陽性率の調査 (2010 年 ) インライン方式で鶏卵を集卵している農場で飼養している鶏群のサルモネラ陽性率を確かめるため無窓鶏舎 (1 農場ではセミウィンドウレス鶏舎あり ) でインライン方式で集卵している 7 農場を対象 2010 年 1~3 月の間それぞれの農場の全ての鶏群のサルモネラ陽性率を調査週齢や導入された時期が同じである鶏のグループを一鶏群とする一農場当たりの鶏群数 :6~23 鶏群 20

21 農場内鶏群のサルモネラ陽性率の調査結果 1 7 農場のうち 5 農場にサルモネラ陽性鶏群が存在いることが判明 S. Enteritidis は 1 農場から検出そのうち 4 農場では飼養している鶏群の半分以上がサルモネラ陽性飼養している鶏群の合計数うちサルモネラ陽性鶏群数 C 農場 10 鶏群 5 鶏群 ( 50%) D 農場 16 鶏群 3 鶏群 ( 19%) E 農場 21 鶏群 19 鶏群 ( 90%) F 農場 22 鶏群 22 鶏群 (100%) G 農場 23 鶏群 17 鶏群 ( 74%) 21

22 農場内鶏群のサルモネラ陽性率の調査結果 2 農場内の複数の鶏群から同じ血清型のサルモネラが検出されるケースが多く見られた 23 鶏群中 17 鶏群が陽性だった G 農場では血清型保有鶏群の数 () 内は陽性鶏群の中での割合 S. Braenderup 8 鶏群 (47%) S. Cerro 9 鶏群 (53%) S. Corvallis 6 鶏群 (35%) S. Infantis 4 鶏群 (24%) 22

23 農場内鶏群のサルモネラ陽性率の調査結果 3 育成農場 ( ヒナから 120 日齢頃まで ) から採卵鶏農場に移ってからまだ日の浅い (8 日 ~17 日後 ) 鶏群もサルモネラ陽性であることが判明育成農場でサルモネラ検査を実施しており調査対象の鶏群はすべてサルモネラ未検出であったインライン方式の採卵鶏農場ではサルモネラ陰性の鶏群を導入してもすぐにサルモネラに感染してしまう可能性がある 23

24 まとめ国内の採卵鶏の多くは無窓鶏舎で飼養されておりさらに多くの無窓鶏舎では誘導換羽を行っておりインライン方式で集卵している農場単位でのオールインオールアウトが困難なためサルモネラ陰性の鶏群を導入しても鶏群の間で感染が拡大する可能性がある国内の生産方法の実態を踏まえサルモネラ汚染を低減できる方法を確立する必要がある 24

25 採卵鶏農場におけるサルモネラ汚染低減技術の確立 ( ~ 年 ) レギュラトリーサイエンス新技術開発事業現在実施されている一般衛生管理とサルモネラ汚染との関連性を調査サルモネラワクチン接種等のサルモネラ汚染低減効果の検証生産方式 ( 誘導換羽の方法鶏舎構造飼育密度等 ) とサルモネラ汚染との関連性を調査サルモネラの汚染低減に有効な対策生産方式を明らかにする 25

26 論文公表 1 Salmonella prevalence in commercial raw eggs in Japan: a survey. ( 国内の市販鶏卵のサルモネラ汚染率 ) Sasaki et al., Epidemiology and Infection 139: Risk factors for Salmonella prevalence in laying hen farms in Japan. ( 国内の採卵鶏農場におけるサルモネラ保有のリスク要因 ) Sasaki et al., Epidemiology and Infection 140:

0001 ......

0001 ...... ツリヌス菌などがあります食中毒では感染原因となる微生物の検出は重要であす ①感染型食中毒サルモネラカンピロバクターなど細菌に汚染された食品を口にすることで生きた菌自らが食中毒を引き起こすもので腸管にたどり着いた菌が腸管内でさらに増殖し腸管組織に侵入し組織を壊し炎症を起こしますこのため腹痛や下痢などの症状を引き起こしひどい場合には血便が起こります ②感染生体内毒素型食中毒