Microsoft PowerPoint ppt[読み取り専用] [互換モード]

Similar documents
は減少しています 膠原病による肺病変のなかで 関節リウマチに合併する気道病変としての細気管支炎も DPB と類似した病像を呈するため 鑑別疾患として加えておく必要があります また稀ではありますが 造血幹細胞移植後などに併発する移植後閉塞性細気管支炎も重要な疾患として知っておくといいかと思います 慢性

通常の市中肺炎の原因菌である肺炎球菌やインフルエンザ菌に加えて 誤嚥を考慮して口腔内連鎖球菌 嫌気性菌や腸管内のグラム陰性桿菌を考慮する必要があります また 緑膿菌や MRSA などの耐性菌も高齢者肺炎の患者ではしばしば検出されるため これらの菌をカバーするために広域の抗菌薬による治療が選択されるこ

Microsoft Word - 【要旨】_かぜ症候群の原因ウイルス

特別支援学校における介護職員等によるたんの吸引等(特定の者対象)研修テキスト

糖尿病診療における早期からの厳格な血糖コントロールの重要性

Microsoft PowerPoint - H27.5実技研修(呼吸器)配布資料 (2) [互換モード]

2017 年 2 月 1 日放送 ウイルス性肺炎の現状と治療戦略 国立病院機構沖縄病院統括診療部長比嘉太はじめに肺炎は実地臨床でよく遭遇するコモンディジーズの一つであると同時に 死亡率も高い重要な疾患です 肺炎の原因となる病原体は数多くあり 極めて多様な病態を呈します ウイルス感染症の診断法の進歩に

5. 死亡 (1) 死因順位の推移 ( 人口 10 万対 ) 順位年次 佐世保市長崎県全国 死因率死因率死因率 24 悪性新生物 悪性新生物 悪性新生物 悪性新生物 悪性新生物 悪性新生物 位 26 悪性新生物 350

<30358CC48B7A8AED C838B834D815B8145E4508CB E089C88A772E786477>

口腔内細菌コントロールによる感染予防

2017 年 8 月 9 日放送 結核診療における QFT-3G と T-SPOT 日本赤十字社長崎原爆諫早病院副院長福島喜代康はじめに 2015 年の本邦の新登録結核患者は 18,820 人で 前年より 1,335 人減少しました 新登録結核患者数も人口 10 万対 14.4 と減少傾向にあります

耐性菌届出基準

富士

入した場合には 経気道的な散布巣として臓側胸膜から 2-3mm 離れた内側に小葉中心性粒状影や tree-in-bud といわれる小葉中心性病変を呈しますが この所見をみた場合には呼吸器感染症を強く疑います 汎小葉性病変は 小葉間隔壁に囲まれた ほぼ 1, 2cm 四方の小葉内が細胞浸潤や滲出物ある

平成20年度 大学院シラバス(表紙)

pdf0_1ページ目

pdf0_1ページ目

<97D58FB C967B94E08F4390B32E6169>

pdf0_1ページ目

インフルエンザ(成人)

<4D F736F F D2089BB8A7797C C B B835888E790AC8C7689E6>

感染予防の為の 口腔ケアー

スライド 1


年呼吸器系の疾患 (Respiratory Disease) 責任者 : 木島貴志主任教授 長谷川誠紀主任教授 内科学呼吸器科 木島貴志主任教授 栗林康造准教授 横井崇特任准教授 三上浩司講師 南俊行講師 柴田英輔助教 金村晋吾助教 袮木芳樹助教 藤本英利子助教 外科学呼吸器外科 長谷川誠紀主任教授

頭頚部がん1部[ ].indd

<955C8E862E657073>

SpO2と血液ガス

「手術看護を知り術前・術後の看護につなげる」

2009年8月17日

2011 年 11 月 2 日放送 NHCAP の概念 長崎大学病院院長 河野茂 はじめに NHCAP という言葉を 初めて聴いたかたもいらっしゃると思いますが これは Nursing and HealthCare Associated Pneumonia の略で 日本語では 医療 介護関連肺炎 と

に 真菌の菌体成分を検出する血清診断法が利用されます 血清 βグルカン検査は 真菌の細胞壁の構成成分である 1,3-β-D-グルカンを検出する検査です ( 図 1) カンジダ属やアスペルギルス属 ニューモシスチスの細胞壁にはβグルカンが豊富に含まれており 血液検査でそれらの真菌症をスクリーニングする

000-はじめに.indd

福島県のがん死亡の年次推移 福島県におけるがん死亡数は 女とも増加傾向にある ( 表 12) 一方 は 女とも減少傾向にあり 全国とほとんど同じ傾向にある 2012 年の全のを全国と比較すると 性では高く 女性では低くなっている 別にみると 性では膵臓 女性では大腸 膵臓 子宮でわずかな増加がみられ

で言われています このような 副鼻腔炎と喘息の合併のことを 同一の気道で起こるので One airway one disease と呼ばれ久しくなっています それぐらいに 上気道と下気道の関連が密接であることが 広く認識されています また 副鼻腔炎に下気道の慢性炎症を合併する疾患としては 副鼻腔気管

pdf0_1ページ目

pdf0_1ページ目

JSEPTIC CE教材シリーズ 対象:レベル1 ICUで働く新人CE(1~3年目程度)

Microsoft PowerPoint - 2.医療費プロファイル 平成25年度(長野県・・

呼吸困難を呈し、            臨床的に閉塞性細気管支炎と  診断した犬の2例

Microsoft Word - todaypdf doc

研究協力施設における検討例 病理解剖症例 80 代男性 東京逓信病院症例 1 検討の概要ルギローシスとして矛盾しない ( 図 1) 臨床診断 慢性壊死性肺アスペルギルス症 臨床経過概要 30 年前より糖尿病で当院通院 12 年前に狭心症で CABG 施行 2 年前にも肺炎で入院したが 1 年前に慢性

平成 28 年 10 月 17 日 平成 28 年度の認定看護師教育基準カリキュラムから排尿自立指導料の所定の研修として認めら れることとなりました 平成 28 年度研修生から 排泄自立指導料 算定要件 施設基準を満たすことができます 下部尿路機能障害を有する患者に対して 病棟でのケアや多職種チーム

高齢化率が上昇する中 認定看護師は患者への直接的な看護だけでなく看護職への指導 看護体制づくりなどのさまざまな場面におけるキーパーソンとして 今後もさらなる活躍が期待されます 高齢者の生活を支える主な分野と所属状況は 以下の通りです 脳卒中リハビリテーション看護認定看護師 脳卒中発症直後から 患者の

解剖学 1

患者向医薬品ガイド

院内がん登録における発見経緯 来院経路 発見経緯がん発見のきっかけとなったもの 例 ) ; を受けた ; 職場の健康診断または人間ドックを受けた 他疾患で経過観察中 ; 別の病気で受診中に偶然 がん を発見した ; 解剖により がん が見つかった 来院経路 がん と診断された時に その受診をするきっ

医療法人高幡会大西病院 日本慢性期医療協会統計 2016 年度

認定看護師教育基準カリキュラム

KangoGakkai.indb

COPD(慢性閉塞性肺疾患)

10,000 L 30,000 50,000 L 30,000 50,000 L 図 1 白血球増加の主な初期対応 表 1 好中球増加 ( 好中球 >8,000/μL) の疾患 1 CML 2 / G CSF 太字は頻度の高い疾患 32

基準範囲の考え方 ph 7.35~ mmHg pco2 mmhg po2 mmhg HCO3 mmol/l BE mmol/l 35~45 85~105 60> 呼吸不全 21~28-2~+3 so2(%) 95~99% 静脈 pco2=45mmhg po2=40mmhg 動脈 pco

褥瘡発生率 JA 北海道厚生連帯広厚生病院 < 項目解説 > 褥瘡 ( 床ずれ ) は患者さまのQOL( 生活の質 ) を低下させ 結果的に在院日数の長期化や医療費の増大にもつながります そのため 褥瘡予防対策は患者さんに提供されるべき医療の重要な項目の1 つとなっています 褥瘡の治療はしばしば困難

「             」  説明および同意書

1. ストーマ外来 の問い合わせ窓口 1 ストーマ外来が設定されている ( / ) 上記外来の名称 ストマ外来 対象となるストーマの種類 コロストーマとウロストーマ 4 大腸がん 腎がん 膀胱がん ストーマ管理 ( 腎ろう, 膀胱ろう含む ) ろう孔管理 (PEG 含む ) 尿失禁の管理 ストーマ外

(1) 鼻腔と気管の線毛上皮 ( 線毛エスカレーターの異物排出作用 ) と粘液細胞の働き 3. 肺のしくみ (156( 図 )) 胸膜 壁側胸膜 ( 肋膜 ) 胸腔表面を被う ( 単層扁平上皮の中皮細胞からなる漿膜 ) 臓側胸膜肺の表面を被う ( 単層扁平上皮の中皮細胞からなる漿膜 ) 肺 門 気管

1. ストーマ外来 の問い合わせ窓口 1 ストーマ外来が設定されている ( はい / ) 上記外来の名称 対象となるストーマの種類 7 ストーマ外来の説明が掲載されているページのと は 手入力せずにホームページからコピーしてください 他施設でがんの診療を受けている または 診療を受けていた患者さんを

学会名 : 日本免疫不全症研究会 アンケート 1 1. アンケート 2 に回答する疾患名 (1) X 連鎖無 γ グロブリン血症 (2) 慢性肉芽腫症 2. 移行期医療に取り組むしくみあり :1 年に1 回の幹事会で 毎年 discussion している また 地区ごとの地方会で 内科の先生方にいか

別紙 1 新型インフルエンザ (1) 定義新型インフルエンザウイルスの感染による感染症である (2) 臨床的特徴咳 鼻汁又は咽頭痛等の気道の炎症に伴う症状に加えて 高熱 (38 以上 ) 熱感 全身倦怠感などがみられる また 消化器症状 ( 下痢 嘔吐 ) を伴うこともある なお 国際的連携のもとに

目次 1. 肺のはたらき 呼吸のしくみ 2.COPDとは 3.COPDの疫学 4.COPDの症状 5.COPDの身体所見 6.COPDの合併疾患 併存疾患 7.COPDの原因 8.COPDの診断の流れ 9.COPDの検査 1.COPDの治療 11.COPDの増悪期の対応 12. 終末期 COPDにつ

て 弥生時代に起こったとされています 結核は通常の肺炎とは異なり 細胞内寄生に基づく免疫反応による慢性肉芽腫性炎症であり 重篤な病変では中が腐って空洞を形成します 結核は はしかや水疱瘡と同様の空気感染をします 肺内に吸いこまれた結核菌は 肺胞マクロファージに貪食され 細胞内で増殖します 貪食された

10038 W36-1 ワークショップ 36 関節リウマチの病因 病態 2 4 月 27 日 ( 金 ) 15:10-16:10 1 第 5 会場ホール棟 5 階 ホール B5(2) P2-203 ポスタービューイング 2 多発性筋炎 皮膚筋炎 2 4 月 27 日 ( 金 ) 12:4

Transcription:

平成 22 年度指導看護師研修会 (22 年 9 月 6 日 於小倉会場 ) 人体のしくみと働き ( 呼吸器系 ) 表参道吉田病院名誉院長 安藤正幸

講義内容 1. 呼吸器系のしくみと働き 2. 喀痰を生じる疾患や病態 3. 口腔内吸引の技術及び関連するケア 4. まとめ

呼吸器系のしくみと働き

呼吸器のはたらき * 呼吸機能細胞 組織のエネルギーに必要な酸素を空気中より取り込み 代謝の結果産生される炭酸ガスを排泄する * 非呼吸機能 代謝機能 免疫機能

呼吸器のしくみ 呼吸器 気道系: 空気の通り道上気道鼻 口 咽頭 喉頭まで下気道気管から終末細気管支 肺胞系: ガス交換の場 上気道 下気道 研修会テキスト 講義 4 P67

上気道の働き 空気を暖め 湿度を加え 空気中の塵埃を捕捉する * 鼻腔で60~80% を捕捉する 10μ 以上の物質は上気道で捕捉される 研修会テキスト 講義 4 P67

下気道 上葉 上葉 中葉 下葉 下葉 研修会テキスト 講義 3 P45

肺胞管肺胞嚢気管支樹 気管 (20mm) 主気管支 (10mm) 細気管支 (1mm 以下 ) 肺胞 成人看護学 (2)p26 医学書院より引用

下気道のはたらき (1) 気管支が 2 分岐を繰り返すことにより 肺胞の総面積はテニスコート大の広さとなりガス交換に役立つ 2.54cm2 60m2 Webel, 1963 より改変 引用

下気道の働き (2) 粘液線毛輸送系により 無菌状態に保たれている 細菌 塵埃 粘液 線毛 胚細胞 気管支腺

肺胞 : ガス交換の場 肺胞の直径 :0.1~0.2 mm数 :3~5 億個総面積 : テニスコート大 大成浄志 : 内科学 医学書院

ガス交換 谷本晋一 : 呼吸不全のリハビリテーション. 南江堂 一部改変

肺胞と血管系 右心房 左心房 静脈血 CO2 動脈血 O2 臓器 組織 成人看護学 (2)p21 医学書院より引用

陰圧 からだの地図帳 講談社編より引用

肺活量 3,920ml 横隔膜低下 深吸気時 1秒量 2,910ml 横隔膜挙上 深呼気時

呼吸時の胸郭の動き 横隔膜低下 横隔膜挙上 深吸気時 深呼気時

呼吸時の胸郭の動き内肋間筋収縮外肋間筋収縮横隔膜 呼気時 吸気時 成人看護学 (2)p29 医学書院より引用

呼吸中枢 延髄 自律的調節系吸息 呼息というリズミカルな呼吸運動は延髄を中心とする呼吸中枢によってコントロールされている 随意的調節系大脳皮質も 延髄の呼吸中枢に存在する呼吸筋運動ニューロンにインパルスを送っている 換気運動は随意的に変えうる

呼吸の調整機構 自律的調節 : 無意識 呼吸数 :1 分間に全15 回 1 回換気量 :500ml 肺1 回換気量気量随意的調節 : 意識的肺活量 : 男 3~4L 女 2~3L 成人看護学 (2)p97 医学書院より引用 一部改変

小括 : 呼吸器のしくみ 呼吸器は気道系と肺胞系に分けられる 気道系は空気の通り道で 上気道と下気道に分けられる 上気道は空気を加温し 湿度を与え 空気中の塵埃を取り除く 下気道は 23 回分岐することにより呼吸面積 ( 肺胞面積 ) を拡大する 粘液下気道は線毛輸送系により無菌状態に保たれている 肺胞はガス交換の場で 酸素を取り込み 炭酸ガスを除去する 肺は外肋間筋 横隔膜の収縮で拡張し 内肋間筋の収縮と横隔膜の弛緩で収縮する 呼吸の中枢は延髄にあり 通常は無意識に行われる しかし 心臓とは異なり 自分の意志でも変えられる

喀痰を生じる疾患や病態

喀痰とは 呼吸器系 すなわち口腔 鼻腔 咽頭腔 喉頭腔 気管 気管支 肺胞などの粘膜からの分泌物の総称で 通常 咳などにより体外に喀出され 痰とよばれる 気道を閉塞し 換気量の減少をもたらす

喀痰の性状変化 膿性 ( 白血球のペルオキシダーゼ )/ 非膿性 a. 膿性 感染症粘液性 アレルギー 肺水腫 肺胞上皮癌 成人看護学 (2)p75 医学書院より引用 23

呼吸器疾患 A. 感染症 かぜ 肺炎 結核 真菌症 B. 間質性肺疾患 間質性肺炎 過敏性肺炎 塵肺 C. 気道疾患気管支喘息 慢性閉塞性肺疾患 D. 肺血栓塞栓症 E. 呼吸不全急性呼吸促迫症候群 CO2ナルコーシス F. 呼吸調節に関する疾患 G. 肺腫瘍肺癌 良性腫瘍 H. 肺 血管の形成異常 過換気症候群 睡眠時無呼吸症候群 肺分画症 動静脈瘻 I. 胸膜 縦隔 横隔膜の疾胸膜炎 気胸 胸膜腫瘍 縦隔腫瘍

微生物 ( 病原体 ) 一般細菌グラム陽性菌 : ブドウ球菌 レンサ球菌 肺炎球菌グラム陰性菌 : インフルエンサ 桿菌 変形菌 緑膿菌嫌気性菌 : 卵の腐ったような悪臭の膿汁 マイコプラズマ クラミジア ウイルス 抗酸菌 ( 結核菌 非結核性抗酸菌 ) 真菌 ( アスヘ ルキ ルス クリフ トコッカス カンシ タ ) 25

呼吸器感染症 急性上気道炎 ( かぜ症候群 インフルエンザ ) 急性気管支炎 気管支拡張症 肺炎 ( 市中肺炎 院内肺炎 日和見感染 ) 細菌性肺炎 異型肺炎原虫 ウイルスによる肺炎 * 誤嚥性肺炎 肺結核 非結核性抗酸菌症 肺真菌症 26

肺炎の胸部レントゲン写真と組織像 胸部レントゲン写真 正常肺 肺炎 浸潤影 肺の組織像

肺炎 微生物などによる肺実質の炎症である 症状 : 発熱 咳 痰 呼吸困難 胸痛 病状把握 : 意識 体温 呼吸数 チアノーセ 脱水 細菌学的検査 : 喀痰 ( 塗抹 培養 ) 血液培養 尿( 菌体成分 ) 血液検査 : 白血球増多 CRP 上昇 各種血清抗体価 ( マイコプラズマ レジオネラ クラミジア ) 一般的治療 : 安静 補液 吸入 酸素吸入 薬物治療 : 抗菌薬の選択 解熱剤 去痰剤 28

当院における肺炎の実態 平成 18 年度 療養病棟 介護病棟から一般病棟へ転棟入院した患者は40 名であった (1)40 名の男女比は1:1.7で 平均年齢は85.4 歳であった (2)40 名中 20 名 (50%) が肺炎で 全例が誤嚥性肺炎であった (3)40 名中 15 名 (37.5%) が死亡された 15 名中 8 名 (53.3%) は誤嚥性肺炎が死因であった 肺炎 ( 誤嚥性 ) は老人の友達 肺炎は老人の最後の命の灯火を吹き消す

誤嚥性肺炎 正常な嚥下 誤嚥 30 研修会テキスト講義 7 P89 より引用

高齢者の誤嚥性肺炎の原因 唾液分泌量の低下 口内乾燥 義歯や虫歯 嘔吐反射の低下 咳嗽反射の低下

誤嚥性肺炎の可能性を持つ病態 陳旧性および急性の脳血管障害 変性神経疾患と神経筋疾患 意識障害 認知症 胃食道逆流症 胃切除 ( とくに胃全摘 ) 喉頭 咽頭腫瘍 気管切開 経鼻胃管

誤嚥性肺炎診断フローチャート 発熱 喀痰 頻呼吸 頻脈 日本呼吸器学会 成人院内肺炎診療ガイドライン p60. より引用 胸部 X 線胸部 CT( 多くは両側性肺炎 ) CRP 高値 高齢者では食欲不振 日常活動低下意識障害 失禁 肺炎所見 (+) 肺炎所見 ( ー ) 人工呼吸器関連肺炎メンデルソン症候群 嚥下性肺炎 ( 通常型 ) びまん性嚥下性細気管支炎 誤嚥の直接観察嚥下機能障害の存在嚥下機能障害の可能性 確実例ほぼ確実疑い例

誤嚥性肺炎の予防と治療対策 1 顕性誤嚥対策と治療 食事介助 食事内容物の検討 ( 増粘剤の使用 ) 徹底した口腔ケア 咽頭の持続吸引 嚥下訓練 嚥下筋群の強化 ( 発声訓練 ) 経鼻胃管の長期留置の回避 胃食道逆流対策

誤嚥性肺炎の予防と治療対策 2 不顕性誤嚥対策と治療 ベッド ( 頭位 ) 挙上 口腔内細菌叢の改善 口腔内清拭 ( うがい 歯磨き ) 口腔ケア 歯科治療 脱水の改善 栄養対策 嚥下反射改善物質の投与 (ACE 阻害薬など ) 意識レベルをあげる努力 嚥下反射抑制物質の中止 ( 鎮静薬 眠剤の中止 )

小括 : 喀痰をきたす疾患 喀痰とは気道の分泌物の総称である 喀痰の性状で病態を推定できる 喀痰をきたす疾患の大半は感染症である 感染症の中でも肺炎は最も重要な疾患である 高齢者の肺炎の大半は誤嚥性肺炎である 誤嚥性肺炎は口腔内ケアで予防できる

口腔内吸引の技術及び 関連するケア からだの地図帳 p24 講談社編

口腔内吸引の必要性 人は生理的に唾液や鼻汁を分泌したり あるいは痰を出して 通常はそれを胃の中に飲み込んだり 一部は口や鼻孔から排出している ところが高齢者や脳梗塞などの患者では 嚥下障害 あるいは呼吸筋力の低下によって咳をすることができず これらの分泌物や痰を飲み込んだり あるいは口や鼻から十分排出できない このような場合に 吸引によって これらの排出を助けるということが必要になってくる 口腔内吸引は誤飲 誤嚥 肺炎等の防止 あるいは気道の確保に非常に重要である

口腔内吸引実施ガイドライン STEP 1 STEP 2 STEP 3 STEP 4 STEP 5 STEP 6 STEP 7 安全管理体制確保観察判断実施準備ケア実施結果確認片づけ評価記録

STEP 1 安全管理体制確保 ( 安全に吸引ができるものを選定すること, および救急時に備える ) 対象者の全身状態や口腔内病変の有無を観察し 吸引の適応性を確認する 看護職員が実施する必要のある対象者の目安口腔内に損傷がある口腔内に出血がある開口が困難である嘔吐反射が強い経管栄養を行っている気管切開している

STEP 2 観察判断 ( 口腔内および全身状態を観察し 吸引の必要性を確認する ) 口腔内および全身状態を観察口腔内の状態 ( 出血や損傷の有無 ) 咳反射の有無義歯の状態 ( 総義歯か部分義歯か 装着状況 ) 全身状態 ( 意識レベル 覚醒の状況 呼吸状態 ) 対象者の訴え 吸引の必要性と担当者の確認看護師と介護職員の協働か 看護師のみか

STEP 3 実施準備 ( 吸引に必要な物品を選定 収集し 対象者のもとへ運ぶ ) 吸引に必要な物品 1 吸引器 2 吸引びん 3 ディスポ手袋 4 プラスチックエプロン 5 マスク 6 酒精綿 7 サクションチューブ 8 水道水 9 コップ ( 水道水を入れる )

STEP 4 ケア実施 ( 吸引について対象者に説明し 吸引を適切かつ安全に実施する ) 1 口腔内吸引の部位は可視範囲とする 2 舌根部 咽頭後壁 口蓋扁桃部を刺激して咽頭反射を起こすことがないように注意する 2 吸引圧は 200~300mmHg 3 カテーテル挿入の目安は 15~20cm 4 吸引時間は 10~15 秒 5 吸引中の呼吸状態 ( 息を止めていないか 苦しそうでないか ) 顔色 ( 色っぽくないか 赤くないか ) 口唇色 ( 紫色になっていないか ) を観察しながら行う 51 回で吸引できない場合は患者の呼吸が落ち着いてから再度行う

1 吸引カテーテルを親指で押さえて折り曲げ吸引圧がかからないように口腔内にゆっくり入れる 2 入れたら吸引カテーテルを押さえていて親指を離し 気道粘膜を損傷しないようにカテーテルの先端を動かしながら吸引する 3 吸引が終わったらカテーテルを回転させながらゆっくり抜く

STEP 5 結果確認 対象者の吸引前の状態と吸引後の状態変化 ( 顔色 呼吸状態 脈 顔色 口唇など色など ) を観察する. 吸引した痰の量 性状 色 ( 白色 黄色 緑色 ピンク色 血性 ) 等の異常の有無を確認する STEP 6 片づけ STEP 7 評価記録

口腔ケアについて

口腔ケアについて 口腔ケアの目的 1. 誤嚥性肺炎の予防 2. 口腔疾患の予防 3.QOLの向上 口腔ケアの内容 1. 食物残渣の除去 2. 歯垢の除去 3. 舌苔の除去 4. 口腔内マッサージ 5. 舌の運動 口腔ケアの効果 1. 口腔および咽頭の細菌数の減少 2. 発熱の回数 期間の減少 3. 歯肉炎 口腔粘膜の炎症の減少 4. 口臭の軽減および摂食量の増加 5. 誤嚥性肺炎の予防

口腔ケア群と対照群の咽頭部総細菌数の変化

嚥下機能に対する器質的口腔ケアの効果 サブスタンス P 嚥下までの時間 口腔ケアによって嚥下反射の促す物質であるサブサタンス P(SP) の増加と嚥下するまでの時間 (LTSR) の短縮が認められた Yoshino,A,at al;daily Oral Care and Risk Fsctors for Pneumonlsamong Elderly Nursing Home Patients JAMA 2001 引用改定

口腔ケアと誤嚥性肺炎 口腔ケアと誤嚥性肺炎ー要介護高齢者における 2 年間の肺炎発生率ー 20% 15% 19% 10% 5% 0% 対照群 11% ケア群 Yoneyama T et al:lancet 354:515,1999

口腔内状態の評価法 口腔内状態評価法望まし状態 1 清掃状態 : 残存歯へのデンタルプラークの付着の評価指標 0: プラークがない 1: プラークが歯面の1/2 未満 2: プラークが歯面の1/2 以上 0~1 の状態にある 2 舌苔 0: なし 2: あり 0 の状態にある 3 口腔乾燥度 0: 正常唾液湿潤 1: 唾液粘性亢進 2: 唾液中に泡が見られ乾燥している 3: 粘膜にほとんど唾液が見られず著明に乾燥している 0 の状態にある 4 口臭 0: なし 1: あり 0の状態にある 5 口角炎 0: なし 1: あり 0の状態にある 6 食物残差 薬の残留 0: なし 1: あり 0の状態にある 7 義歯の汚れ 0: なし 1: あり 0の状態にある

小括 : 口腔内吸引の技術及び関連するケア 口腔内吸引について 口腔内吸引は誤飲 誤嚥 肺炎等の防止 気道の確保にきわめて重要である 口腔内吸引実施ガイドラインに沿った技術の習得に心がけることが大切である 口腔内ケアについて 口腔ケアは肺炎の原因となる口腔内細菌を減少させるので 誤嚥性肺炎の予防に役立つ 高齢者は咳反射 嚥下機能が低下しているので 誤嚥に注意する

まとめ 看護職員と介護職員の協働で肺炎を予防できる

表参道吉田病院 通町 鶴屋 浄行寺 吉田3号線白川公園 水道丁 藤崎宮 大甲橋 8 階 管理棟 7 階 一般病棟 (37 床 ) 医師 5 名 6 階 療養病棟 (42 床 ) 医師 1 名 5 階 介護病棟 (42 床 ) 医師 1 名 3,4 階 老健なでしこ医師 1 名 2 階 健診センター医師 2 名 1 階 外来 検査部門

診療科目 ( 表参道吉田病院 ) 呼吸器内科アレルギー科循環器内科消化器内科糖尿病内科腫瘍内科 睡眠時無呼吸外来禁煙外来咳外来女性乳腺内科リハビリテーション科がん免疫療法

特別養護老人ホームの健康管理 ホーム A( 定員 54 名 ) ホーム B( 定員 29 名 )

ホームAにおける肺炎発生の推移肺炎発症の推移 40 35 30 肺炎 25 20 15 10 5 0 A 看護師長採用 総数 肺炎

A 看護師長による取り組み 介護職員との協働を積極的に行った 食事介助についてその人に合った姿勢を整える注意しつつ食事介助を行うトロミ食はトロミをつけすぎないむせた場合の処置 ( タッピングや吸引 )( 看護師長 ) 口腔ケアについて食後すぐに行うスポンジブラシを使用する 身体保清について

口腔内吸引で肺炎を予防できる 看護師と介護職員との協働で肺炎を予防することができた 食事介助 口腔内吸引を含む口腔ケアが有効であった 看護職員と介護職員の連携によるケアの重要性が再確認された

おわりに 肺炎 ( 誤嚥性 ) は老人の友達 肺炎 ( 誤嚥性 ) は夜作られる 肺炎は老人の最後の命の灯火を吹き消す 予防に勝る治療はなし 口腔内吸引 口腔ケアは誤嚥性肺炎を予防する 看護職員と介護職員の連携が大切