(15) 熟練者と未熟練者の比較によるクイックリフトトレーニング動作時における力発揮メカニズムの検討 161 (15) 熟練者と未熟練者の比較によるクイックリフトトレー ニング動作時における力発揮メカニズムの検討 長尾秀行 1, 山田洋 2, 小河原慶太 2, 有賀誠司 1 3, 小金澤鋼一 1 東海大学スポーツ医科学研究所, 2 東海大学体育学部, 3 東海大学工学部 要旨本研究の目的は, 力発揮能力改善を目的としたトレーニングであるクイックリフト ( 以下 QL) 動作時の力発揮特性とそのメカニズムを検討することである. 代表的な QL であるパワークリーンを対象に挙上重量が大きい者と小さい者各 6 名の動作分析の結果, 最大挙上重量が大きい者は, 下肢関節最大トルクとセグメント間のエネルギの流出入量が大きく, 特有の反動動作が見られた. さらに, 最大挙上重量が大きい者と小さい者各 1 名の筋電図分析と動作分析の結果, 挙上重量が大きい者と小さい者間の下肢関節伸展筋の筋活動度は同等で, 屈筋と伸筋の筋活動から推定した関節剛性と関節トルク立ち上がり速度は挙上重量が大きい者の方が反動動作の前後において大きな値を示した. このことから,QL 時の大きな力発揮には下肢関節の剛性を巧みに制御し, エネルギ伝達の効率化を図る必要があることが示された. キーワード : 動作解析, 筋電図, 関節トルク, 関節トルク立ち上がり速度, 関節剛性 1. はじめに競技スポーツにおいて, 大きな力を発揮することと, その大きな力を短時間で発揮することは, パフォーマンスに影響する重要な要因である. この大きな力を短時間で発揮する能力は,Explosive Force Production( 爆発的力発揮能力 ) と言われ, 力の変化率, すなわち力の立ち上がり速度 1,2) (Rate of Force Development, 以下 RFD) によって定量化される, 身体運動における力発揮特性の一つである. 3 山本 ) は, スポーツ活動時におけるジャンプやランニングのように, 身体に体重が瞬間的に作用する動作の場合は, 筋が出力を要する時間は.1 ~.2 秒 ほどであるため,RFD が重要であると指摘している. 大きな力発揮能力および爆発的力発揮能力の向上を目的としたトレーニングに, クイックリフト (Quick Lift, 以下 QL) トレーニングが挙げられ, 今日広く実践されている 4 ).QL トレーニングとは, ウェイトリフティング競技に見られるように, 地面に置いてあるバーベルを主に下肢関節の伸展運動によって素早く挙上する動作によるトレーニングである ( 図 1). この QL トレーニングの有効性を示すものとして,Hori et al. 5 ) は, スプリント走および垂直跳といった競技スポーツの場面において多く見受けられる動作パフォーマンスと,QL の最大挙上重量間に正の相関関係があることを報告している. また,QL が力発揮能力の向上に有用であることを
162 バイオメカニズム 23 図 1 代表的なクイックリフトのパワークリーン示すものとして,QL の最大挙上重量と,QL 時の下肢関節における最大伸展関節トルク, 関節トルクパワー, 関節トルク立ち上がり速度 (Rate of Torque Development, 以下 RTD) 間に正の相関関係が認められたことが報告されている 6 ). 爆発的力発揮能力に関する報告はスポーツ動作に関連したものに限らず, 単関節運動を対象とした基礎的研究も多い. それらではトレーニング前後で関節トルク, RTD および筋活動の変化を比較検討し,RTD は低負荷高速運動トレーニング並びに高負荷トレーニングによって増大することと,RTD の増大にトレーニングによる積分筋電図 (iemg) とその傾き (ΔiEMG/Δt) の増大, すなわち神経系の改善が影響したことが明らかにされている 7~9). これらのことから,QL トレーニングは, 筋活動様式を変化させ, 力発揮能力および競技パフォーマンスを向上させるものと考えられる. また, 競技パフォーマンスを向上させることを目的とした研究では, トレーニング前後で動作および関節トルクの変化に加え, エネルギの変化を検討しているものもある 1,11). それらでは, 動作と力発揮の変化の要因を明らかにし, 身体運動の特徴をエネルギの観点から説明することの有効性を示している. 著者らは以前に, 最も代表的な QL であるパワークリーン (Power Clean, 以下 PC) を対象に, 下肢における力学的エネルギの流れを分析し力発揮メカニズムについて報告した 12). しかし, 力発揮のメカニズムに関するエネルギの観点からの説明は, 身体運動全体を捉えているものの, それを担う筋活動について更に検討を加えることで, より多くの知見を得られると考える.QL はトレーニングとしてのみならず, その最大挙上重量は多くの競技種目のアス リートの体力測定にも活用されており,QL 動作時の力発揮メカニズムのさらなる解明は, トレーニングの目的や測定の意義をより明確にし, 戦略的なトレーニングの一助となると考える. 本研究の目的は,QL 動作時の力発揮特性とそのメカニズムを運動学, 動力学および筋電図学的観点から総合的に検討することを目的とした. 本稿は, 以前著者らが報告した 12) PC 時の下肢における力学的エネルギの流れについて概説する実験 1 と, 筋電図学的分析を行った実験 2 から成る総合論文である. なお実験 2 において, 実験 1 と同様の結果である箇所は, 紙面の都合上データの図表は割愛する. 2. 実験 1:PC 時における力学的エネルギの伝達実験 1 においては, 運動学的および動力学的観点から,QL 動作時の力発揮のメカニズムを検討する. そのために PC の最大挙上重量が大きい者と小さい者の下肢関節で発揮された関節トルク, 関節トルクパワーおよびセグメント間における力学的エネルギの伝達量の相違を比較検討する. 2.1 方法 (1) 被験者被験者は, 日本トレーニング指導者協会の認定トレーニング指導者資格を有する者から, 大学入学後 1 ヶ月以内に PC の指導を受けたことがある健常な男子学生 12 名 ( 年齢 :2.2±2.2 歳, 身長 :174.1 ±5.9 cm, 体重 :67.6±6.1 kg,mean±sd) であった. なお, 本研究は最大挙上重量を競うウェイトリフティング競技に関する研究ではなく, 他の競技のパフォーマンス向上のための知見を得るための研究であるため, 被験者はウェイトリフティング競技経験のない者とした. 被験者には, 測定の内容や危険性について事前に説明し, 測定の参加への同意を得た. 被験者は,PC の最大挙上重量の値 (Power Clean Max : PCmax) を体重 (Body Weight : BW) で除した値 (PCmax/BW) を指標に群分けを行った. 本研究においては,PCmax/BW が 1.
(15) 熟練者と未熟練者の比較によるクイックリフトトレーニング動作時における力発揮メカニズムの検討 163 以上の者 6 名を熟練群 ( 年齢 :21.2±.9 歳, 身長 : 175.7±2.1 cm, 体重 : 71.7±5. kg, PCmax : 82.5±12.6 kg, PCmax/BW : 1.21±.2) とし, PCmax/BW が 1. 未満の者 6 名を未熟練群 ( 年齢 :19.2±1.1 歳, 身長 :172.1±2.2 cm, 体重 : 64.5±3.9 kg, PCmax : 52.5±8.2 kg, PCmax/ BW:.81±.1) とした. (2) 測定試技は,PC とし, 挙上重量は最大挙上重量の 7 % とした. バーベルは動作開始時に地面に置いてある状態からとした. 試技の成否の判定は, 挙上したバーベルを両手で保持したまま鎖骨上に乗せ, 静止できた場合を成功と判断し分析対象とした. なお被験者には試技を全力で行うよう口頭で指示し, 動作に関する統制は行わなかった.PC 動作は,1st pull( 動作開始 ~バーベルの膝関節通過まで ), Scoop(~バーベルの股関節通過まで ),2nd pull(~ バーベルの速度消失まで ) の 3 つの局面に区分し解析を行った ( 図 2).PC は上肢の動作もともなうが, それは主に 2nd pull 局面後から静止までにおいてで, 分析範囲ではバーベルを上肢に垂下した状態である. そのため, 本研究における分析範囲においては, 上肢の動作や筋力は結果に大きな影響を及ぼさないと考える. 試技中の動作の記録には高速度デジタルカメラ (EX-F1,CASIO 社製 ) を用い, 被験者の前方左右斜め約 45 度方向, 距離約 8 m の位置にレンズ高約 1.2 m で 2 台設置し, 被験者およびバーベルの全てが写るように画角を調節した. なお, 映像データはサンプリング周波数 3 Hz, シャッタースピード 1 ms で記録した. 測定に際しては, 被験者の体表の解剖学的骨棘状点と末端部 ( 頭頂, 左右耳珠, 胸骨上縁, 肩峰, 肘関節内外側, 手首関 節内外側, 第三中手骨遠位端, 肋骨下端, 大転子, 膝関節内外側, 足関節内外側, 踵, つま先 ) およびバーベルの両端にマーカを貼付し, 計測点とした. また, 試技中の床反力データをフォースプレート (T.K.K.1273a, T.K.K 社製 ) を用いて 1 Hz で記録した. なお, フォースプレートからの出力信号はアンプ (AS253,NEC 社製 ) および A/D 変換を介し, 映像データと同期して記録した. 床反力データは, 分析の際には映像データと同じ 3 Hz にリサンプリングを行った. (3) 分析記録した映像データより, 映像解析ソフト (Frame-DIAS Ⅳ, DKH 社製 ) を用いて 3 次元 DLT 法 (Direct Linear Transformation) により被験者の体表に貼付したマーカの位置座標を算出した. ただし, 分析に際しては, 四肢の位置座標については左右の中点の位置座標を求め, 矢上面における 2 次元の平面運動として分析した. また, 股関節, 膝関節および足関節角度を算出した. 得られた位置座標および関節角度データは残差解析法 13) によって最適遮断周波数 (5. ~ 9.5 Hz) を求め, Butterworth 型デジタルフィルタを用いて平滑化した. それらの運動学的データおよび床反力データより, 股関節, 膝関節および足関節における関節の関節トルク, 関節力および関節トルクパワー ( 以下 JTP), 関節力パワー ( 以下 JFP) を求めた. なお, 身体モデルは足部, 下腿部および大腿部の 3 リンクから成る剛体リンクモデルとし, 各セグメントの部分重心位置, 部分質量および慣性モーメントは阿江 14) のデータに基づいて推定した. さらに, 各局面に要した時間で,JTP と JFP を積分することで, 関節トルクおよび関節力によって隣接するセグメントに作用 Start 1st pull Scoop 2nd pull Bar passing through the knee Bar passing through the hip 図 2 PC 動作の局面構造 Vaertical Bar velocity = Standstill
164 バイオメカニズム 23 した仕事 ( 以下,Kt および Kf) を算出し, セグメントに流出入した力学的エネルギの指標とした. なお, 足部と地面との間にエネルギの移行はないと仮定した. 群間の各パラメータの平均値の統計学的有意差の検定には対応のない t-test を行った. 統計学的有意水準は危険率 5 % 未満とした. 2.2 結果および考察の概説 図 3 に熟練群および未熟練群のそれぞれの代表例における下肢関節角度, 関節トルクおよび関節トルクパワーを示す. これらに基づいた分析の結果, 以下のことが示された. (1)Scoop 局面から 2nd pull 局面において熟練群には未熟練群にはみられない膝関節の屈曲 伸展運動がみられ, その同時期に床反力が減少 増大しており, 抜重をしていることが示された ( 図 4). このことから, 熟練群には PC 時に反動をつける ダブルニーベント 15) (Double knee bend 以下 DKB) が身についていたと考えられる.DKB のように反 Angle [rad] Torque [Nm/kg] Torque power [W/kg] 3 2 1 1st pull 6 4 2-2 Scoop 2nd pull Fz Hip Knee Ankle 3 2 1-1..2.4.6.8 1...2.4.6.8 1. Time [sec] 図 3 各群における PC 時の下肢関節角度, トルクおよびトルクパワーの代表例関節トルクおよびトルクパワーは正と負の値がそれぞれ伸展と屈曲トルクを示す. 長尾ら 12) より. Knee Angle [ rad ] 3 2 1st pull Scoop 2nd pull 1st pull Scoop 2nd pull 25 2 15 1 5 1 2 4 6 8 1 2 4 6 8 1 Normalized time [%] 図 4 PC 時の膝関節角度および床反力データは時間を分析範囲で規格化し, 太線と細線がそれぞれ平均値と標準偏差を示す. 右図の床反力は被験者の体重で除した値を示す. 図中上部の矢印は各群における平均の局面を示す. 長尾ら 12) より. 動を利用した動作は, 筋と直列弾性要素である腱を含む筋腱複合体の伸張 短縮サイクル (Stretchshortening cycle 以下,SSC) を発生させると言われ, その有効性は予備緊張による筋の活性化や弾性要素によるエネルギの貯蔵とエネルギの再利用が挙げられ, 競技スポーツにおいて重要視されている 16,17). このことから, 熟練群は PC 動作時の下肢 Force [ N/kg ] 関節周りの筋群において,SSC による効果を活用できる状態にあったと推察できる. (2) 図 5 に示した,PC 時の下肢関節を介したエネルギの流れより,1st pull 局面における力学的エネルギは, 両群とも下腿部から大腿部, 体幹部と遠位のセグメントから近位のセグメントへと流れている ( 図 5 A). この力学的エネルギの流れは, 主に下肢関節周りの伸展筋群の短縮性収縮に起因し, 体幹部の力学的エネルギを増大させ, 上方への動きに役立っていたと考えられる.Scoop 局面においては, 熟練群と未熟練群で力学的エネルギの流れは方向が異なっていた ( 図 5 B). 熟練群は, 体幹から大腿部, 下腿部と近位のセグメントから遠位のセグメントへと力学的エネルギが流れており,1st pull 局面に体幹部で増大した力学的エネルギを再び下肢へと伝達させその力学的エネルギを増大させている. 一方, 未熟練群の力学的エネルギの流れる方向は,1st pull 局面から Scoop 局面にかけて変化を示していない. 熟練群は Kt によっても大腿部および下腿部にエネルギが流入していることと合わせると, 下肢のエネルギが顕著に増大していたと考えられる. さらに, 熟練群は Scoop 局面において DKB による反動
(15) 熟練者と未熟練者の比較によるクイックリフトトレーニング動作時における力発揮メカニズムの検討 165 Work [ J/kg ] Work [ J/kg ] Kt -2 Kf A: 1st pull 4 *p <.5 p <.1 2-4 4 2-2 -4 Ankle Knee Hip Ankle Knee Hip B: Scoop C: 2nd pull 1 2 Ankle * Knee Hip 1 Ankle Knee Hip -1-1 -2 1 2 * 1 Ankle Knee Hip Ankle Knee Hip -1-1 -2 図 5 PC 時に関節を介して隣接するセグメントに作用した仕事上段および下段がそれぞれ JTP の積分値および JFP の積分値を示す. また, 正の値はその関節を介して遠位のセグメントにエネルギが流れたことを示し, 負の値はその関節を介して近位のセグメントにエネルギが流れたことを示す. 長尾ら 12) より. づけ動作を行うことによって, 下肢の筋群が SSC を起こし弾性エネルギを貯蔵していたと考えられる時期でもあり, 力学的エネルギの増大と符合する. このことから, 熟練群は下肢セグメントにおいて力学的エネルギを筋腱複合体に弾性エネルギとして貯蔵し, 再利用が可能な状態であったと推察できる. 2nd pull 局面において, 熟練群は Scoop 局面で大腿部および下腿部で増大した力学的エネルギを再び体幹部に伝達させている ( 図 5 C). また, 全ての関節において熟練群は未熟練群に比べ Kt,Kf が大きな絶対値を示している. このことから,2nd pull 局面において熟練群は未熟練群よりも下肢において大きなエネルギの流れを発生させていたといえる. また, 熟練群の Kf は近位であるほど大きい傾向を示した. 熟練群は Scoop 局面での DKB による SSC の発生により, 下肢関節周りの筋群の直列弾性要素に弾性エネルギを貯蔵していたと考えると, 続く 2 nd pull 局面における下肢関節の伸展運動のために, 下肢筋群の予備緊張によって貯蔵された弾性エネルギを再利用していたと考えられる. その結果, 熟練群はエネルギを有効に利用して隣接するセグメントに伝達させ, 下肢関節において大きな関節トルクおよび関節トルクパワーを発揮することができたと推察できる. PC という高負荷状況下かつ最大努力の早い動作時における,SSC にともなう上記のバイオメカニ クス的特徴が,PC の最大挙上重量および競技パフォーマンスに影響を与えている要因であることが考えられた. 3. 実験 2:PC 時の下肢筋活動実験 2 においては, 主に下肢筋活動の分析によって,QL 時の力発揮のメカニズムを検討する. そのために,PC 時の下肢関節伸筋群および屈筋群における表面筋電図を分析し, 筋活動と動作および力発揮能力との関係性を検討する. 3.1 方法 (1) 被験者被験者は, 実験 1 と異なる男子学生 2 名とした. その他の条件は実験 1 の被験者と同じである. また, 実験 1 と同様の基準に基づいて, 被験者を熟練群と未熟練群に群分けを行った ( 表 1). (2) 測定試技は PC とし, 挙上重量, 統制方法および局面構造も実験 1 と同じであった.PC 動作の測定には, モーションキャプチャシステム (Mac3D,Motion Analysis 社製 ) を用い, 実験 1 と同じ計測点に貼付した計測用のマーカの 3 次元位置座標を記録した ( フレームレート :25 fps, 露光時間 :1/1 sec). また, それと同期して, フォースプレート (FP69
166 バイオメカニズム 23 表 1 全被験者および群別の身体的特徴と PC の最大挙上重量 Variable All Group ( n = 2 ) ( n = 1 ) ( n = 1 ) Age [ yr ] 2.3 ( 1.49 ) 21.4 ( 2.1 ) 2.3 (.95 ) Height [ m ] 1.72 (.5 ) 1.7 (.6 ) 1.73 (.4 ) BW [ kg ] 67.29 ( 5.45 ) 67. ( 6.6 ) 68.1 ( 5.99 ) Fat [ % ] 12.95 ( 2.71 ) 13.4 ( 2.5 ) 12.86 ( 3.3 ) LBM [ kg ] 58.27 ( 4.41 ) 58.17 ( 4.38 ) 59.26 ( 4.6 ) PCmax [ kg ] 67.25 ( 9.69 ) 8. ( 6.87 ) 54.5 ( 6.85 ) %PCmax [ ] 1. (.23 ) 1.2 (.1 ).81 (.12 ) Represents statistically significant Mean ( S.D. ) difference between the groups p <.1-15,Bertec 社製 ) を用いて床反力を記録し, 加えて, 下肢 6 筋の表面筋電図 (electromyography, 以下 EMG) を 1 Hz で記録した.EMG は大臀筋 (gluteus maximus, 以下 GM), 大腿直筋 (rectus femoris, 以下 RF), 内側広筋 (vastus medialis, 以下 VM), 大腿二頭筋 (biceps femoris, 以下 BF), 前脛骨筋 (tibialis anterior, 以下 TA), 腓腹筋 (gastrocnemius, 以下 GC) の筋腹から導出した. 被験筋には Active 電極 (DL-14,S&ME 社製 ) を皮膚表面に剃毛および研磨処理後に貼付した. 床反力データと同様に,EMG の出力データは A/D 変換を介し, モーションキャプチャシステムで同期して記録した. 後の分析で筋活動度を正規化するために, 試技時の EMG 計測に先立ち, 各筋における最大随意収縮時の EMG をそれぞれ 3. 秒間記録した. 測定肢位は,GM は伏臥位での股関節伸展, RF および VM は座位での膝関節伸展,BF は伏臥位での膝関節屈曲,TA は座位での足関節背屈, GC は長座位での足関節底屈であった. なお, 最大随意収縮は測定の前日に被験者ごとに練習をした. (3) 分析測定により得られた計測点の 3 次元座標値は残差解析法 13) によって最適遮断周波数 (8. ~ 11. Hz) を求め,Butterworth 型デジタルフィルタを用いて平滑化し, 実験 1 と同様に下肢関節角度を求めた. また, 剛体リンクモデルを用いて, 下肢関節トルクを算出した. さらに, 関節トルクを時間微分することで RTD を求めた. 記録した EMG データは, 解析に先立ち 2 ~ 5 Hz のバンドパスフィルタにより平滑化を行いモーションアーチファクトを除去した. 群間で筋活動度を比較するため,EMG より二乗平均平方根 (Root mean square, 以下 RMS) を算出し,RMS を最大随意収縮時における RMS で除すことによって相対化した % RMS を求めた. なお, 最大随意収縮時の RMS は,.1 秒間の振幅が最大になる区画より求めた. 本研究では,EMG から関節における剛性を推定するために式 (1) で示す, 関節剛性指標値 (Joint Stiffness Index Value, 以下 JSI) を導入した. JSI= 2(%RMS flx %RMS ext ) /(%RMS flx +%RMS ext ) (1) 式 (1) 中の %RMS flx と %RMS ex はそれぞれ屈筋および伸筋の %RMS を示す. 一般に関節回りの屈筋と伸筋が同時に収縮し, 双方の収縮力が高いと関節は剛性が高くなることを考慮し 18), 屈筋と伸筋の 共収縮の度合いが高く, かつ屈筋と伸筋の活動度が高いとほど 1 % に近づき,%RMS flx と %RMS ex のどちらか, あるいは双方が小さな値の場合は % 5 : JSI : CI : %RMSext : %RMSflx Time [sec] 図 6 JSI と CI のモデル計算結果の比較位相がずれている正弦波を %RMS ext および %RMS flx として JSI および CI を算出している. [%] 1
(15) 熟練者と未熟練者の比較によるクイックリフトトレーニング動作時における力発揮メカニズムの検討 167 5 Hip -5 Knee Ankle -1..2.4.6..2.4.6 Time [ sec ] RTD [ Nm/s/kg ]1 1st pull Scoop 2nd pull 1st pull Scoop 2nd pull 図 7 各群における PC 時の RTD に近づく指標値とした. 関節の剛性の推定にはこれまでは,CI( 共収縮値,co-contraction index) 19) が用いられていたが,CI は屈筋と伸筋の活動度が低くても双方の値が近いほど大きな値を示す指標であるため, 剛性の推定には適さないと考える. 図 6 に示した JSI と CI の比較より,CI は屈筋と伸筋が共に低値であっても大きな値を返してしまう. 本研究における屈筋と伸筋の組み合わせは, 股関節で GM と RF, 膝関節で VM と BF, 足関節で TA と GC として分析を行った. なお, これらの組み合わせには多関節筋が含まれているため,JSI は共収縮による関節の剛性を正確に評価せず過大評価または過小評価してしまう可能性もあることに留意して結果を解釈する必要がある. 群間の各パラメータの平均値の統計学的有意差の検定には対応のない t-test を行った. 統計学的有意水準は危険率 5 % 未満とした. 3.2 結果および考察 (1) 反動動作実験 1 と同様に,Scoop 局面から 2nd pull 局面において熟練群は, 膝関節の屈曲 伸展運動および床反力鉛直成分の減少による DKB 動作, すなわち反動動作が見られた. (2) 関節トルク, トルクパワーおよび RTD 図 7 に熟練群および未熟練群の代表例における下肢関節の RTD を示した. 熟練群の下肢関節最大 RTD は,Scoop 局面に発現し, 一方未熟練群は 2nd pull 局面に発現していることが見て取れる. 図 Peak RTD [Nm/s/kg] 1 5 p <.1 8 には, 最大 RTD の各群における平均値と標準偏差を示した. 最大伸展 RTD は実験 1 の最大関節トルクと同様に, 膝関節および股関節において群間に統計学的有意差が認められ, 熟練群の方が未熟練群よりも大きな値を示した (p<.1). また熟練群の各関節の最大 RTD は, 床反力の減少から増大へと切り替わる Scoop 局面において発現していた. このことから, 熟練群の方が未熟練群よりも優れた力発揮能力を有していたと考えられる. (3) 下肢筋活動度図 9 に下肢筋群の %RMS を示した. なおデータは, 時間を分析範囲で規格化し, 規格化時間 5 % 毎に各群の平均値と標準偏差を示している. また, 図 1 に各群における下肢筋群の最大 %RMS の平均値と標準偏差を示した. 下肢筋活動度である %RMS は, 下肢関節の伸筋である GM,VM および GC において, その最大値に群間に有意差は認められなかった. 一方, 下肢関節屈筋の最大 % RMS は RF,TA において群間に有意差が認められ, 熟練群の方が未熟練群よりも有意に大きな値を示した (p<.5). Ankle Knee Hip 図 8 PC 時の各群における最大 RTD の比較
168 バイオメカニズム 23 %RMS [ % ] %RMS [ % ] %RMS [ % ] 1 1st pull Scoop 2nd pull 1st pull Scoop 2nd pull 75 : GM 5 : RF 25 1 : VM 75 : BF 5 25 1 : GC 75 : TA 5 25 2 4 6 8 1 2 4 6 8 1 Normalized Time [ % ] 図 9 PC 時の各群における下肢筋群の %RMS Peak %RMS [ % ] *p <.5 1 75 5 25 Extensor muscle Flexor muscle GM VM GC RF BF TA 図 1 PC 時の各群における最大 %RMS このことから, 下肢関節伸筋群の収縮による張力のみが, 熟練群における下肢関節の大きな伸展関節トルクおよび RTD 発揮の要因ではないと考えられる. (4) 下肢関節の剛性図 11 に下肢筋群の % RMS から, 式 1 によって推定した, 下肢関節の剛性の指標値である JSI を示した. なおデータは, 時間を分析範囲で規格化し, 規格化時間 5 % 毎に各群の平均値と標準偏差を示している. また, 図 12 に各群における下肢関節の最大 JSI の平均値と標準偏差を示した. 各関節における最大 JSI は, 膝関節および股関節において群間に有意差が認められ, 熟練群の方が未 熟練群よりも有意に大きな値を示した (p<.5, p<.1). 図 11 より, 熟練群は抜重動作である DKB の開始時期である 1st pull 局面終盤から Scoop 局面にかけて, 足関節における JSI が増大し, 膝および股関節においては低下した. この足関節の剛性の増大は, 共収縮に伴う筋の粘弾性によって関節自由度を低下させることによる姿勢の安定化を図った姿勢制御戦略 2) と,SSC に伴う筋の粘弾性によるエネルギ貯蔵 16,17) を示すものと考えられる. 続く, 下肢関節が最大伸展位で最大伸展トルクを示す Scoop 局面終盤から 2nd pull 局面にかけては, 膝 股関節において JSI が増大し, 足関節では低下している. すなわち下肢関節の JSI は, 足関節と膝 股関節は関節剛性において相反的制御をしている. 一方で, 未熟練群においては, 各関節における JSI に時間的な著しい変化はみられない. このことから, 熟練群の下肢関節における大きな力発揮能力には, 下肢関節の剛性が影響していると考えられる. (5) 実験 2 のまとめ (1) 熟練群には, 実験 1 と同様に,Scoop 局面から 2nd pull 局面において膝関節の屈曲 伸展運動
(15) 熟練者と未熟練者の比較によるクイックリフトトレーニング動作時における力発揮メカニズムの検討 169 JSI [ % ] 1 1st pull Scoop 2nd pull 1st pull Scoop 2nd pull 75 Hip 5 Knee Ankle 25 2 4 6 8 1 2 4 6 8 1 Normalized Time [ % ] 図 11 各群における PC 時の JSI Peak JSI [%] 1 5 *p <.5 p <.1 * 関節においては, 足関節の JSI の変化と相反する様相を示し, その下肢関節剛性の技巧的制御が, 力発揮能力に影響していることが考えられた. 4. 総合考察 Ankle Knee Hip 図 12 PC 時の各群における最大 JSI の比較および床反力の減少, すなわち, ウェイトリフティング選手特有の DKB による抜重動作がみられた. (2) 爆発的力発揮能力の指標である, 関節トルクの時間微分で定義された RTD は, 股関節および膝関節において熟練群の方が未熟練群よりも有意に大きな値を示した. このことから, 熟練群の方が未熟練群よりも優れた力発揮能力を有していたと考えられる. (3) 下肢筋群の筋活動度 % RMS は, 下肢関節伸展筋である GM,VM および GC はその最大値において群間に有意差は認められなかった. 一方で, RF および TA においては, その最大値において群間に有意差は認められ, 熟練群の方が未熟練群よりも大きな値を示した. このことから, 熟練群における大きな伸展 RTD および関節トルクの発揮の要因は下肢関節伸展筋群の筋活動度のみではないと考えられた. (4)%RMS より推定した下肢関節剛性の指標値である JSI は, 股関節および膝関節において, その最大値に群間に有意差が認められ, 熟練群の方が未熟練群よりも有意に大きな値を示した. また, 足関節の最大 JSI は反動動作の開始期にみられ, 股 膝 本章においては, 実験 1 および実験 2 において得られた結果および考察を総合することによって, QL 動作時の力発揮特性とそのメカニズムを検討する. 4.1 QL 動作時の力発揮メカニズムについて実験 1 では, 熟練群は PC 時の DKB による反動付けにより, 下肢関節周りの筋群において SSC が発生していたこと. さらに, エネルギの分析より, 下肢筋群のセグメントに貯蔵されたエネルギが再利用され, 近位のセグメントに伝達されたことによって, 熟練群は大きな下肢関節トルクおよびトルクパワーが発揮できたと結論付けた. 一方, 下肢関節トルクに加え, 爆発的力発揮能力の指標である RTD および下肢筋群の筋活動を分析した実験 2 では, 股関節および膝関節において最大伸展 RTD は熟練群の方が未熟練群よりも大きな値を示したが, それらの関節の伸筋の筋活動度に違いは見られなかった. しかし, 伸筋と屈筋の筋活動度より推定した関節の剛性は, 熟練群の方が未熟練群よりも大きな値を示した. RTD と関節剛性の関係性について,Bojsen et al. 8 ) は, 超音波を用いて反動を付けた跳躍動作時における関節の stiffness を求め,RTD と stiffness 間および stiffness と跳躍パフォーマンス間に正の相
17 バイオメカニズム 23 関関係があることを示し, 高い stiffness がエネルギーロスの少ない効率的な力の伝達を可能にすると論じた.Avela et al. 21) は, 反動を付けた跳躍動作を分析し,SSC によるエネルギの再利用および伝達には, 筋腱の stiffness が大きく影響していることを指摘している. 本稿の分析対象である PC も跳躍動作と同様に下肢関節の同時伸展運動であることから, 実験 1 で示された熟練群の大きなエネルギの伝達は, 関節の剛性が影響していたと考えられる. また,Mutungi et al. 22) は, 筋は伸張速度が大きいほど筋腱および筋膜の stiffness が増大することを報告し,Hoffer et al. 23) は, 速い筋収縮時に負荷が大きいほど, 筋は高い stiffness を発生することを報告している. 自体重に加えバーベルを保持した高負荷状況下といえる PC 時の SSC は, これらの速い筋の伸張, 速い筋収縮時の大きな負荷といった条件に当てはまり, 熟練群の PC 時の DKB 前後における下肢関節の JSI の増大と符合する. これらのことから,PC 時における熟練群の大きな関節トルクおよび RTD の発揮は, 抜重動作である DKB に伴う下肢関節の SSC の時期において関節剛性を巧みに制御することによって, 効率的なエネルギの伝達ができたことがその要因と考えられる. その発生機序の一つとして,Scoop 局面において足関節が高剛性状態時には股 膝関節は低剛性状態であり, 続く 2nd pull 局面での最大関節トルクおよび RTD 発揮時には足関節が低剛性状態, 股 膝関節は高剛性状態となる相反的作用があったことを本研究で示した. 5. まとめ本稿は,QL 動作時の力発揮特性とそのメカニズムを明らかにするために, 代表例的な QL である PC を対象として, その熟練群および未熟練群を運動学, 動力学および筋電図学的観点から総合的に比較検討した. 分析の結果, 挙上重量が大きい熟練群は,PC 時に膝関節の屈曲 伸展運動による抜重動作である DKB によって, 下肢関節周りの筋群において SSC が発生し, 遠位から近位のセグメントへ 大きなエネルギの伝達がされていたと考えられた. また, 下肢関節伸筋群の筋活動度は群間に違いは見られなかったが, 下肢関節周りの筋活動度より推定した関節の剛性は, 熟練群は DKB の前後で増大していた. これらのことから,PC 時の大きな力発揮のメカニズムは, 下肢関節伸展筋群の筋活動のみがその要因ではなく, 抜重動作である DKB にともなう下肢関節の SSC によって, 下肢関節の剛性が増大し, 効率的エネルギ伝達ができたことが要因と考えられる. 参考文献 1) Aagaard P., Simonsen B. E., Andersen L. J., Madnusson P., Dyhre-poulsen P.: Inceased rate of force development and neural drive of human skeletal muscle following resistance training. J Appl Physiol, 93, 1318-1326, (22). 2) Stone M.H.: NSCA position stance literature review explosive exercise. Natl Strength Conditioning Assoc J, 15, 7-15, (1993). 3) 山本利春 : 力の立ち上がりの評価, 瞬時発揮筋力の重要性, 月刊トレーニングジャーナル,1,56-6,(1998). 4) 堀成宏 : オリンピックウェイトリフティングのストレングス & コンディショニングプログラムへの応用 1. ストレングス & コンディショニング,11(2),47,NSCA ジャパン,(24). 5) Hori N, Newton U, Nosaka K, Stone H: Weightlifting exercise enhance athletic performance that requires high-load speed strength. Strength Cond J, 12(1), 12-17, (25). 6) 長尾秀行, 有賀誠司, 山田洋, 小河原慶太, 小山孟志, 小金澤鋼一 : クイックリフト動作時における関節トルク立ち上がり速度の分析 ; 最大挙上重量との関係性および動作パターンの相違に着目して, トレーニング科学,25 (4),291-32,(214). 7) Aagaard P., Simonsen B. E., Andersen L. J., Madnusson P., Dyhre-poulsen P.: Inceased rate of force development and neural drive of human skeletal muscle following resistance training. J Appl Physiol, 93, 1318-1326, (22). 8) Bojsen-Møller J., Magnusson P. S., Rasmussen R. L., Kjaer M. Aagaard P.: Muscle performance during maximal siometric and dynamic contractions is influenced by the stiffness of the tendinous structures, J Appl Physiol, 99, 986-994, (25). 9) Cutsem V. M., Duchateau J., Hainaut K.: Changes in single motor nuit behaviour contribute to the increase in contraction speed after dynamic training in humans, J Physiol, 513(1), 295-35, (1998). 1) 法元康二, 阿江通良 : 力学的エネルギー利用の有効性からみたアテネオリンピック男子 2 km 競歩におけるメダリストと日本人選手の比較. 陸上競技研究紀要,2, 38-46,(26).
(15) 熟練者と未熟練者の比較によるクイックリフトトレーニング動作時における力発揮メカニズムの検討 171 11) 窪康之, 阿江通良, 藤井範久 : 技術トレーニングによる動作の変化に関するバイオメカニクス的研究 メディシンボールのバック投げにおける力学的エネルギーの流れに着目して. バイオメカニクス研究,3(3),17-178, (1999). 12) 長尾秀行, 山田洋, 小河原慶太, 宮崎彰吾, 有賀誠司, 小金澤鋼一 : パワークリーンにおける下肢の力学的特性. バイオメカニクス研究,16(4),26-219,(213). 13) Wells RP, Winter DA. Assessment of signal and noise in the kinematics of normal, pathological and sporting gaits. Proc. Special Conf. Can. Soc. Biomech., London, 92-93, (198). 14) 阿江通良 : 日本人幼児およびアスリートの身体部分慣性係数,Japanese Journal of Sports Science,15(3),155-162,(1996). 15) 船渡和男, 関口脩 : ウェイトリフティングの力の出し方. Jpn Jpn J Sports Sci,8(1),688-695,(1989). 16) Kurokawa S, Fukunaga T, Fukashiro S: Behavior of fascicles and tendinous structures of human gastrocnemius during vertical jumping. J Apple Physiol, 9(4), 1349-1358, (21). 17) 深代千之 : 反動動作のバイオメカニクス 伸張 短縮サ イクルにおける筋 腱複合体の動態. 体育学研究,45 (4),457-471,(2). 18) Ettema C, Huijing A.: Skeletal muscle stiffness in static and dynamic contraction, J Biomech, 27, 1361-1368, (1994). 19) Falconer M., Winter D.: Quantitative assessment of cocontraction at the ankle in waling, Electromyogr Clin Neurophysiol, 25, 135-149, (1985). 2) 伊藤宏司, 伊藤正美 : 生体とロボットにおける運動制御, 14, 計測自動制御学会,(1991). 21) Avela J, Komi P.Reduced: stretch reflex sensitivity and muscle stiffness after long-lasting stretch-shortening cycle exercise in humans, Eur J Appl Physiol. 78, 43-41, (1998). 22) Mutungi G., Ranatunga K.: The viscous, viscoelastic and elastic characteristics of resting fast and slow mammalian (rat)muscle fibres. J Physiol,, 496, 827-836, (1996). 23) Hoffer J., Andreassen S.: Regulation of soleus muscle stiffness in premammillary cats: intrinsic and reflex components. J Neurophysiol 45(2), 267-285, (1981).
172 バイオメカニズム 23 Study of Force Production in Quick Lift Training Motion by Comparison between and Subjects Hideyuki NAGAO 1, Hiroshi YAMADA 2, Keita OGAWARA 2, Seiji ARUGA 1, Koich KOGANEZAWA 3 1 Research Institute of Sports Medical Science, Tokai University, Tokai University, 2 School of Physical Education, Tokai University, 3 School of Engineering, Tokai University Abstract The purpose of the research is to investigate power clean (PC)motion, a quick lift training aimed at improving explosive force generation, to clarify its mechanism from a biomechanical point of view. In the first experiments, the subjects were divided into two groups, 6 in a skilled group and 6 in an unskilled group, according to their lifting weight limits. The trajectory of lower limb joints during PC was recorded by a motion capture system and joint kinetics data were calculated from the obtained data. The results of the first experiments indicated that all skilled subjects showed greater peak joint torque, and greater torque power than those of the unskilled subjects. They also displayed a counter movement called the short stretching cycle (SSC)typically shown in skilled PC motion. The investigations of joint torque power and joint force power in phase transition during PC suggested some energy flow between adjacent segments must occur to effectively utilize the target areas. The second experiment was performed with different subjects; 1 skilled and 1 unskilled, in which the joint torque and its rate of torque development (RTD)were calculated from the obtained data. Joint stiffness was evaluated from a newly established joint stiffness index (JSI)calculated from EMG of agonist and antagonist muscle pairs. Experimental results indicated that skilled subjects showed large muscle activity in flexor muscles but extensor activity was almost equivalent to that of the unskilled. JSI and RTD were larger than those of unskilled subjects at the time of the counter movement phase. These results suggest that the skilled subjects conducted a dexterous control of joint stiffness during SSC to effectively transmit a large amount of energy to exert a large lifting force during PC. Key Words: Motion Analysis, EMG, Joint torque, Rate of torque development, Joint stiffness