名古屋大学大学院医学研究科特論 @ 基礎棟会議室 1 平成 30 年 6 月 7 日 ( 水 ) 初学者のための漢方入門セミナー ~ 漢方診察を知らなくても使える漢方 ~ 瑞心会渡辺病院副院長兼診療統括部長中村了
本日 頻出するテクニカルターム 生薬 植物の根 茎 葉 実 あるいは鉱物などで 薬効が期待されるもの 例 : 芍薬 大棗 生姜 神菊 蝉退 石膏 桂皮 附子 葛根 麻黄 甘草 などなど 方剤 漢方医などが 東洋医学的根拠により より効果的な薬効を引きだすために組み合わせた生薬群 例 : 葛根湯 八味地黄丸 安中散 芍薬甘草湯 大建中湯 など
本日 頻出するテクニカルターム コーヒー飲料にたとえたイメージ 個々の生薬の量および種類の加減 エキス剤煎じ薬 インスタントコーヒー 豆から挽いたコーヒー 不可能 可能 有効性やや低め高い 利便性持ち運び 服用が容易煎じ 服用が面倒 日本での処方状況 多くの医師が使用 50 名ほどの医師のみ
本日 頻出するテクニカルターム 気 血 津液 定義 西洋医学で表現 不足 ( 虚 ) 邪 ( 実 ) 気元気の元 ATP 気虚気滞 血赤い液状成分血液血虚血瘀 津液赤くない液状成分 組織液 リンパ液 陰虚 湿 痰
漢方診察を知らなくても使える漢方 データの裏付けのある方剤
データの裏付けのある方剤その 1 五苓散も頭痛に効くと言われている 五苓散が重くどんよりと締められるように後頭部が痛む頭痛に効く??? 本当か?!! Φyto Vol.1 No.3 1999 pp8-15 慢性頭痛の臨床疫学研究と移動性低気圧に関する考察 - 五苓散有効例と無効例の症例対照研究 -
データの裏付けのある方剤その 1 調査 1: 頭痛に対する五苓散の有効要因 症状 五苓散有効 五苓散無効 p オッズ比 症状が雨の前日に悪化 ( はい / いいえ ) (19/2) (2/19) 0.0025 16.3 風邪をひきやすい ( はい / いいえ ) (7/14) (14/7) 0.045 0.26 手が冷たい ( はい / いいえ ) (7/14) (14/7) 0.035 0.24 動悸 ( はい / いいえ ) (4/17) (10/11) 0.039 0.22 足が冷える ( はい / いいえ ) (13/8) (18/3) 0.0064 0.22 脈の強さ ( 无力 / 普通 ) (3/15) (8/12) 0.054 0.2 息切れ ( はい / いいえ ) (2/19) (7/14) 0.053 0.17 めまい ( はい / いいえ ) (8/13) (15/6) 0.017 0.16 胸苦しい ( はい / いいえ ) (1/20) (6/15) 0.073 0.13 月経量 ( 多い+ 少ない / 中 ) (1/11) (4/5) 0.083 0.12 舌苔色 ( 白以外 / 白 ) (1/20) (6/15) 0.054 0.11 立ちくらみ ( はい / いいえ ) (7/14) (17/4) 0.0031 0.1 不安が強い ( はい / いいえ ) (9/12) (18/3) 0.0055 0.093 月経血に母指頭大の血塊混入 ( はい / いいえ ) (4/8) (8/1) 0.024 0.052
データの裏付けのある方剤その 2 Functional Dyspepsia に対する方剤 安中散 ( 華奢な体格の胃痛 ) 平胃散 ( 食べ過ぎの胃部不定愁訴 ) 六君子湯 ( 胃もたれタイプ ) 半夏瀉心湯 ( 腹鳴 痞える感じの胃部不定愁訴 ) 人参湯 ( 冷えて痛む ) 柴胡桂枝湯 ( 頭痛 関節痛をともなう胃炎 ) 黄連湯 ( がっちりした体格のストレス性胃炎 ) などなど 漢方薬は 西洋医学に勝てるのか?!! それぞれの漢方薬の本当の有効要因は? Φyto Vol.2 No.3 2000 pp.4~13 胃部不定愁訴における漢方治療の臨床疫学研究
データの裏付けのある方剤その 2 分析 1: 有効率の比較 ( 有効群 = 著効 + 有効無効群 = やや有効 + 無効 ) コントロール群 ( シメチジン + テプレノン ) 漢方処方群 症例数有効無効有効率 49 32 17 65.50% 第一回処方 89 65 24 73.00% 第二回処方 20 10 10 50.00% 第一回 + 第二回 109 75 34 68.80% 漢方総合 89 75 14 84.30%
分析 2:Functional Dyspepsia のエヴィデンス ( 平胃散 ) 要 因 Odds 比 95% 信頼区間 性別 女 (19/31) 男 (12/12) 999 0~999 塩辛いもの 好き (26/31) 嫌い (5/12) 0.14 0.03~0.61 脂こいもの 好き (21/25) 嫌い (10/18) 0.24 0.06~0.98 平胃散 耳が遠い いいえ (25/37) はい (6/6) 999 0~999 胸が苦しい いいえ (30/39) はい (1/4) 0.1 0.01~1.08 足しびれ いいえ (26/38) はい (5/5) 999 0~999 腹がゴロゴロ いいえ (22/26) はい (9/17) 0.21 0.05~0.85 身長 155cm以下 (9/18) 156cm以上 (22/25) 7.33 1.61~33.5 体重 53kg以下 (11/21) 54kg (20/22) 9.09 1.68~49.1 脈の強さ 弱 (6/12) 中 (23/28) 4.6 1.04~20.4 BMI 22 以下 (15/24) 22 以上 (16/19) 2.5 0.50~11.6
分析 2:Functional Dyspepsia のエヴィデンス ( 半夏瀉心湯 ) 要 因 Odds 比 95% 信頼区間 げっぷ 出ない (16/24) 出る (8/8) 999 0~999 牛乳 毎日飲む (10/17) 飲まない (14/15) 9.8 1.04~92.7 コーヒー 毎日飲む (9/16) 飲まない (15/16) 11.7 1.23~111 耳が遠い いいえ (16/24) はい (8/8) 999 0~999 半夏瀉心湯 舌苔色白 (22/27) 白以外 (2/5) 0.15 0.02~1.11 脈の強さ弱 (5/10) 中 (17/20) 5.67 0.99~32.4 胸脇部の圧痛なし (18/18) 軽 (4/6) 0 0~999 なし (18/18) 強 中 (2/8) 0 0~999 腹直筋の緊張軟弱 (9/9) 普通 (14/20) 0 0~999 上腹部全体の堅さ 軟弱 (9/9) 強 (1/2) 0 0~999 軟弱 (8/8) 普通 (15/22) 0 0~999 軟弱 (8/8) 強 (1/2) 0 0~999
分析 2:Functional Dyspepsia のエヴィデンス ( 柴胡桂枝湯 ) 要因 Odds 比 95% 信頼区間 塩辛いもの好き (7/19) 嫌い (7/9) 6 0.97~37.3 寒がりいいえ (9/10) はい (5/18) 0.04 0.004~ 0.43 柴胡桂枝湯 口が粘るいいえ (9/10) はい (5/18) 0.17 0.03~1.04 足膝重いいいえ (9/10) はい (5/18) 0 0~999 夜間尿回数 1 回以下 (12/18) 2 回以上 (2/10) 0.13 0.02~0.78 脈弦なし (8/21) あり (6/7) 9.75 0.98~96.6 顔のくすみなし (14/23) あり (0/5) 0 0~999 胸脇部の圧痛なし (2/11) 強 中 (9/13) 10.1 1.47~69.9
データの裏付けのある方剤その 3 ほてり に対する方剤 ほてり ( 更年期 高血圧 薬剤の副作用 内分泌疾患など ) に関する西洋医学的治療は 限られている 漢方治療も 肝火上炎に竜胆瀉肝湯 肝虚熱に加味逍遙散 肝陽上亢に天麻鈎藤飲 陰虚火旺に知柏地黄丸など各種治療があるものの 随伴症状としてのほてり治療の記載は多いが 主訴としてのほてりの記述は乏しい 名古屋百合会において 単純に熱を取り去る黄連解毒湯という方剤が 各種中医学的診断に関わらず有効性が高い臨床経験があった はたして その効果は いかほどか?!! Φyto Vol.4 No.1 2002 pp.6~13 ほてりに対する黄連解毒湯の効果についての臨床疫学研究
データの裏付けのある方剤その 3 随伴症状はさまざまで 一定の傾向が無い 気虚 : 疲れやすい疲れやすい食後眠たい腎虚 : 足 腰 膝がだるい夜間尿がある虚ではない : 尿が勢いよく出る 熱証 : 暑がり口渇水をよく飲む寒証 : 熱い食べ物が好き 湿証 : 頭痛 頭重感がある 肩がこる むくみがある 陰虚 : 口渇 解析 1: 有効率 45.1%(23 名 /51 名 )
データの裏付けのある方剤その 3 解析 2: 有効要因 問診項目 理学所見 回答 所見 a ( 有効率 ) 回答 所見 b ( 有効率 ) p 値 b に対する a のOdds 95% 信頼区間 甘いものを食べる回数は? 毎日一回以上 (10/12) 時々ないしほとんど食べない (13/39) 0.007 10.00 1.91~52.5 腹直筋の緊張 普通ないし強 (21/37) 軟弱 (2/14) 0.013 7.88 1.54~40.3 日本茶を飲みますか? 毎日 3 杯以上 (21/39) 時々ないしほとんど飲まない (2/12) 0.035 5.83 1.13~30.2 上腹部全体の堅さが普通以上 普通以上 (20/36) 軟弱 (3/15) 0.027 5.00 1.20~20.8 筋肉の引きつりがありますか? はい (15/23) いいえ (8/28) 0.011 4.69 1.43~15.4 汗をかきにくいですか? はい (8/11) いいえ (15/40) 0.047 4.44 1.02~19.4 果物は食べますか? 毎日食べる (12/20) 時々ないしほとんど食べない (11/31) 0.090 2.73 0.99~8.69
データの裏付けのある方剤その 3 解析 2: 無効要因 問診項目 理学所見 回答 所見 a ( 有効率 ) 回答 所見 b ( 有効率 ) p 値 b に対する a のOdds 95% 信頼区間 BMI( 多い ) 23kg/ m2以上 (7/26) 23kg/ m2未満 (16/25) 0.010 0.21 0.06~0.68 汗をよくかきますか? はい (13/37) いいえ (10/14) 0.026 0.22 0.06~0.83 夜間の尿の回数は? 一回以上 (11/35) なし (12/16) 0.026 0.24 0.07~0.84 体重 ( 多い ) 55kg以上 (7/25) 55kg未満 (16/26) 0.019 0.24 0.08~0.79 落ち込みやすいですか? はい (8/26) いいえ (15/25) 0.039 0.30 0.09~0.94 口が渇きますか? はい (8/26) いいえ (15/25) 0.039 0.30 0.09~0.94 歯痕 あり (10/30) なし (13/21) 0.047 0.31 0.10~0.98 アルコールを飲みますか? 飲む (4/15) ほとんど飲まない (19/36) 0.095 0.33 0.09~1.22 不安が強い方ですか? はい (11/31) いいえ (12/20) 0.090 0.36 0.12~1.17
データの裏付けのある方剤その 3 結局 黄連解毒湯のほてりに対する有効 無効要因は 1 甘いものとお茶が好きで筋緊張の強い痩せ型 汗と夜間尿が少ない人に有効 2 太って汗かきで夜間尿が多く腹力が弱く歯痕を認めるようないわゆる 水太り の人には無効 3ほてりの原因疾患と考えられる高血圧 更年期障害 Caブロッカーの服用はとくに有効 無効要因にはならない 4 心身症的な訴えをともなうと無効
データの裏付けのある方剤まとめ 五苓散 雨の前日に悪化する頭痛 平胃散 脂っこいものや塩辛いものが好きな体格の良い男性の FD 半夏瀉心湯 ゲップの出る腹部の軟らかい FD 柴胡桂枝湯 胸胸部が堅めで弦脈を呈する FD 黄連解毒湯 痩せ型で汗と夜間尿が少ないほてり 甘いものとお茶が好きであれば なおよい 水太りは無効 心身症は無効 ただし 有効 無効要因を無視しても有効率 45.1%!
漢方診察を知らなくても使える漢方 経験則で使える方剤
経験則で使える方剤 筋肉がつったら 芍薬甘草湯 ( 芍薬 甘草 ) 定期的に服用するなら 桂枝加芍薬湯 芍薬 + 桂枝湯 ( 桂枝 芍薬 生姜 大棗 甘草 ) あまり熱が派手に出ていない鼻風邪 咽が痛み出した風邪には 麻黄附子細辛湯 ( 麻黄 附子 細辛 ) 温めながら エフェドリン ( 麻黄 ) で気管支拡張?
経験則で使える方剤 風邪の後 咳だけ続く 吸入ステロイド剤 (+LABA) も有効だが 滋陰降火湯もなかなか有効 実際には 鎮咳剤 吸入ス剤とともに処方 無効であれば 煎じ薬に変更することが多い 肩こりに 葛根湯 風邪薬としては 案外使えない ( 後背部がこわばって ゾクゾクする風邪の初期 汗が出るまで飲み続けることが必要 ) 胃腸の弱い人にもご用心!( 麻黄による胃腸障害あり )
経験則で使える方剤 動悸に 炙甘草湯 ガソリン不足でエンジン ( 心臓 ) が 不具合を起こしている不整脈であればピッタリだが ガソリンが燃え盛ってエンジントラブルが 起きているのであれば鎮火を要する 明け方に下痢で起きる過敏性腸症候群 (IBS) に 真武湯が有効明け方の下痢のことを 五更泄瀉と呼ぶ潰瘍性大腸炎などIBS 以外の腸疾患であっても有効
経験則で使える方剤 痰が多いなあ ( 誤嚥 COPDなどがベース ) 去痰剤も効果ないし 二陳湯を試してみよう! 陳皮 半夏 茯苓が痰とり生薬 平胃散を加えて平陳湯で!! ( 利水剤である蒼朮も加えて力ずくで痰とり強化 ) 胃腸が弱くて痰がたまる人には四君子湯を加えて六君子湯で!!(2+4=6!) その他柴陥湯 竹筎温胆湯 清肺湯 滋陰至宝湯など 同病異治
経験則で使える方剤 慢性呼吸器疾患による息切れ 倦怠感が 黄耆建中湯が効果的なことが多い 褥瘡がなかなか治らない 黄耆建中湯が効果的なことがある 黄耆建中湯 桂枝加芍薬湯 ( 桂皮 芍薬 生姜 大棗 甘草 )+ 黄耆桂枝加芍薬湯 : 胃腸をパワーアップしながら全身に気をめぐらせる黄耆 : 肺の気を補い 全身の皮膚表面に気をめぐらせる 異病同治
漢方診察を知らなくても使える漢方 西洋医学を超える方剤
西洋医学を超える方剤 Φyto Vol.7 No.1 2005 pp4~9 特集 / 黄耆のクレアチニン低下作用 慢性腎不全における 黄耆のクレアチニン低下作用
西洋医学を超える方剤 性別 年例 処方 投薬前 Cre/K 2か月後 6か月後 9か月後 12か月後 24か月後 1 HK 65 F 黄耆桂枝芍薬知母湯 1.9/5.7 2.0/5.6-1.6/4.2 1.6/4.3 2 KK 76 M 黄耆十薬茅根酸棗仁 2.8/4.9 2.2/4.7 2.1/- - 2.1/4.6 1.9/5.0 3 IY 61 M 黄耆茅根十薬 1.9/6.7 1.7/5.6 1.7/5.2 1.5/6.8 1.3/4.8 1.5/5.6 4 KM 61 M 黄耆赤芍附子茯苓白朮など 1.7/4.7 1.9/4.5 1.8/4.7 1.5/5.2 1.4/- 5 KT 56 M 黄耆十薬茅根 1.6/4.7 1.1/- 1.1/- 1.2/4.5 1.2/4.5 6 NN 59 F 黄耆十薬茅根大棗 2.3/4/1 2.1/4.3 1.9/4.4 1.8/4.9 1.7/4.5 7 YN 72 M 黄耆茅根 1.7/4.8 1.3/4.8 1.3/4.1 8 AS 39 M 黄耆十薬茅根栝梠仁など 1.6/4.8 1.4/4.3 1.4/4.4 1.3/4.4 1.2/4.9 1.9/4.8 9 HT 61 M 黄耆赤芍十薬茅根 2.9/5.3 2.6/5.6 漢方薬を自己中断 K 制限食開始
西洋医学を超える方剤 養腎降濁湯 ( 煎じ ) 黄耆 芍薬 甘草 半夏 栝梠仁茯苓 山帰来 その他 高雄病院故 江部洋一郎先生創作 要注意クレメジン アーガメイトゼリーは漢方を吸着するので 中止すべきカリメートはOK 甘草で血圧上昇する人が たまにいる
漢方のいろは 漢方の各種理論 ( 流派 ) の違いを含めて
漢方薬の特徴 1 生薬 ( 主に植物の根 茎 葉 実または鉱物等 ) を組み合わせて 煎じたものを内服させる治療 ( 最近は 乳糖を基材としたエキス剤もある ) 2 器質的疾患よりも機能的疾患において 有効性が高い 3 致死的副作用が西洋医学に比べ少ない 4 症状と症候で診断がなされる 5 処方した薬剤が効果があったことをもって 診断の正当性が証明される (NERD などの診断に類似 )
漢方の流派 日本漢方 江戸時代より日本において発達 もともとの中国医学の理論に疑問を抱き 症候と腹証を中心とした診断を元に処方 ( 方剤 ) を考える方証相対を原則とする 吉益東洞の考え方が強く反映されている 中医学 古来中国伝統医学として今日まで受け継がれている医学 症状 脈 舌 腹などの診察所見を元に 陰陽 虚実 五臓六腑 気血津などの鑑別診断をもとに 生薬を組み合わせて処方を考える
漢方の流派 中西医結合 西洋医学の診断をベースに 中医学的診断を加えて漢方薬の使用方法を模索する方法で 中国において発達している 最近は 漢方薬の注射薬なども存在する 経方医学 名古屋百合会流 京都の高雄病院において 傷寒論を読み解くことにより 個々の生薬のはたらきを 独自の気 血 津のベクトル解剖学にあてはめて解明し 現在も発展しつづける医学理論 気は三焦を流れるため 経方医学は 三焦論 とも言われる これまでの漢方処方の効果を臨床疫学にて検証したり 古典における病態を現代医学的に翻訳する試みを続ける
気の流れの解剖 生理学 皮 肌 肉 杏仁 黄芩 ( ベクトル生薬 ) 麻黄 皮 肌 芍薬 桂皮 肝胆 鼻 膈 口 咽頭 肺 胸 心下 胃 腸 頭部 石膏 大黄 心心包 血 脾 腎 閉鎖循環系 絡 柴胡 枳実 便 膀胱 尿
脈の詳細 ( 難経など ) 短脈などをみる 寸 関 尺の脈は 関前の脈 = 一分 2 mm 一寸 2.3 cm一寸九分 4.4 cm六分 1.4 cm 六分六分六分一寸八分??? 一寸九分
脈の部位別臓腑的意義 ( 内経 難経など ) 右 左 尺 = 大腸 腎 関 = 胃 寸 = 肺 尺 = 腎 膀胱 関 = 肝 寸 = 心
脈の種類 遅 数浮 沈大 小 ( 細 ) 滑 ( 洪 ) 渋長 ( 弦緊 ) 短硬 軟有力 无力 脈拍数触れ方の深さ脈の太さ触れ方の速度触れる部位の長さ脈の硬度脈拍の強さ 脈を触れる深さ 軽按 ( 浮かどうか?) 中按 ( スクリーニング ) 重按 ( 有力 无力滑 渋硬 軟弦 )
経方医学 ( 腹証はどうみる?) 基本的に 足は曲げさせない 腹の力を抜いた状態で 痛みがあるか? ( あれば T+) 緊張感 ( 抵抗 ) があるか? ( あれば H+)
舌診に関する論文 歯痕の有所見率は 20~40 歳代で74~82% φyto Vol.2 No.1 2000 pp4~11 歯痕と気滞 食滞などの症状が有意に関連 φyto Vol.2 No.1 2000 pp4~11 膩苔とアルコール摂取は無関係 φyto Vol.2 No.1 2000 pp12~15 膩苔と喫煙 横隔膜から上の症状は有意に関連 φyto Vol.2 No.1 2000 pp12~15
漢方のいろはのまとめ 漢方診療の根拠となる体系は 日本漢方 中医学 中西医結合 経方医学 名古屋百合会流などさまざま 漢方診察の基本は 病歴とともに 脈診 腹診 舌診が用いられる 漢方診断の根拠は データ一発診断から 方証相対 寒熱 虚実 気 血 津の状況 気の流れ ( 三焦論 ) の鑑別までいろいろ 漢方診療における診断の正しさは 処方の効果をもって証明される ( 処方 = 検査 治療効果 = 確定診断 )
まとめ 本日の Take-Home Message
まとめ 雨の前日の頭痛には 五苓散! Functional Dyspepsiaは さまざまな処方の選択肢がある! ほてりに何も考えず黄連解毒湯処方でも 有効率 45.1%! CKD( 慢性腎臓病 ) には 黄耆建中湯! 多くの医師に頻回に処方されて成果を上げた経験則処方は 臨床現場で有用 漢方処方理論には 日本漢方 中医学 中西医結合 経方医学 名古屋百合会流 などがある 初診時にはデータ一発漢方 経験則が スピーディーで有用 難治例には 経方医学 中医学などで理論づけて漢方的病態を解き明かつつ治療していく必要がある ( ただし 方剤の構成の中における生薬個々の役目や漢方的な脈 舌 腹診を習得する必要がある )
参考文献 Φyto Vol.1 No.3 pp8-15 慢性頭痛の臨床疫学研究と移動性低気圧に関する考察 Φyto Vol.2 No.3 pp4-13 胃部不定愁訴における漢方治療の臨床疫学研究 Φyto Vol.7 No.1 pp4-9 慢性腎不全における黄耆の血清クレアチニン低下作用 経方医学 1 著 江部洋一郎ら東洋学術出版社 経方脈学著 江部洋一郎ら東洋学術出版社 漢方処方の構成と適用著 森雄材医歯薬出版株式会社