税効果会計シリーズ(3)_法定実効税率

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設例 [ 設例 1] 法定実効税率の算定方法 [ 設例 2] 改正地方税法等が決算日以前に成立し 当該改正地方税法等を受けた改正条例が当該決算日に成立していない場合の法定実効税率の算定 本適用指針の公表による他の会計基準等についての修正 -2-

受取利息及び受取配当金等に課される源泉所得税 35 外国法人税 36 適用時期等 38-2-

改正法人税法により平成 24 年 4 月 1 日以後に開始する事業年度については法人税率が 30% から 25.5% に引き下げられ また 復興財源確保法により平成 24 年 4 月 1 日から平成 27 年 3 月 31 日までの間に開始する事業年度については基準法人税額の 10% が復興特別法人

会計処理 29 当事業年度の所得等に対する法人税 住民税及び事業税等 29 更正等による追徴及び還付 30 追徴税額について課税を不服として法的手段を取る場合の取扱い 34 開示 36 当事業年度の所得等に対する法人税 住民税及び事業税等 37 受取利息及び受取配当金等に課される源泉所得税 38 外

企業結合ステップ2に関連するJICPA実務指針等の改正について⑦・連結税効果実務指針(その2)

業結合ステップ2に関連するJICPA実務指針等の改正について⑧・連結税効果実務指針(その3)

第 298 回企業会計基準委員会 資料番号 日付 審議事項 (2)-4 DT 年 10 月 23 日 プロジェクト 項目 税効果会計 今後の検討の進め方 本資料の目的 1. 本資料は 繰延税金資産の回収可能性に関わるグループ 2 の検討状況を踏まえ 今 後の検討の進め方につ

税効果会計シリーズ(7)_「個別財務諸表における繰延税金資産及び繰延税金負債の計上」

03-08_会計監査(収益認識に関するインダストリー別③)小売業-ポイント制度、商品券

税されるときは 給与等課税事由が生じた日 ( 権利行使日 ) に 法人において 当該役務提供に係る費用の額が損金に算入されますので ( 法人税法第 54 条第 1 項 ) ストック オプションの付与時において将来減算一時差異に該当し 税効果会計の対象となります Q3: 削除 Ⅱ 中間財務諸表等におけ

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IFRS基礎講座 IAS第12号 法人所得税

Microsoft Word - 公開草案「中小企業の会計に関する指針」新旧対照表

参考 企業会計基準第 25 号 ( 平成 22 年 6 月 ) からの改正点 平成 24 年 6 月 29 日 企業会計基準第 25 号 包括利益の表示に関する会計基準 の設例 企業会計基準第 25 号 包括利益の表示に関する会計基準 ( 平成 22 年 6 月 30 日 ) の設例を次のように改正

貸借対照表 (2019 年 3 月 31 日現在 ) ( 単位 : 千円 ) 科目 金額 科目 金額 ( 資産の部 ) ( 負債の部 ) 流動資産 3,784,729 流動負債 244,841 現金及び預金 3,621,845 リース債務 94,106 前払費用 156,652 未払金 18,745

平成20年2月

有形固定資産シリーズ(7)_資産除去債務②

3. 改正の内容 法人税における収益認識等について 収益認識時の価額及び収益の認識時期について法令上明確化される 返品調整引当金制度及び延払基準 ( 長期割賦販売等 ) が廃止となる 内容改正前改正後 収益認識時の価額をそれぞれ以下とする ( 資産の販売若しくは譲渡時の価額 ) 原則として資産の引渡

貸借対照表 平成 28 年 3 月 31 日現在 ( 単位 : 千円 ) 科 目 金 額 科 目 金 額 資産の部 負債の部 流動資産 (63,628,517) 流動負債 (72,772,267) 現金及び預金 33,016,731 買掛金 379,893 売掛金 426,495 未払金 38,59

適用時期 5. 本実務対応報告は 公表日以後最初に終了する事業年度のみに適用する ただし 平成 28 年 4 月 1 日以後最初に終了する事業年度が本実務対応報告の公表日前に終了している場合には 当該事業年度に本実務対応報告を適用することができる 議決 6. 本実務対応報告は 第 338 回企業会計

[2] 株式の場合 (1) 発行会社以外に譲渡した場合株式の譲渡による譲渡所得は 上記の 不動産の場合 と同様に 譲渡収入から取得費および譲渡費用を控除した金額とされます (2) 発行会社に譲渡した場合株式を発行会社に譲渡した場合は 一定の場合を除いて 売却価格を 資本金等の払戻し と 留保利益の分

CONTENTS 第 1 章法人税における純資産の部の取扱い Q1-1 法人税における純資産の部の区分... 2 Q1-2 純資産の部の区分 ( 法人税と会計の違い )... 4 Q1-3 別表調整... 7 Q1-4 資本金等の額についての政令の規定 Q1-5 利益積立金額についての政

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第28期貸借対照表

Microsoft Word - 決箊喬å‚−表紎_18年度(第26æœ�ï¼›

法人税 住民税及び事業税等に関する会計基準 ( 案 ) について PwC あらた有限責任監査法人第 3 製造 流通 サービス部パートナー市原順二 はじめに 2016 年 11 月 9 日 企業会計基準委員会は企業会計基準公開草案第 59 号 法人税 住民税及び事業税等に関する会計基準 ( 案 )(

[2] 財務上の影響 自己株式を 取得 した場合には 通常の有価証券の Ⅰ. 株主資本 ように資産に計上することはせず 株主との間の資本取 1. 資本金 引と考え その取得原価をもって純資産の部の株主資本 2. 資本剰余金 (1) 資本準備金 から控除します そのため 貸借対照表上の表示は金額 (2

改正された事項 ( 平成 23 年 12 月 2 日公布 施行 ) 増税 減税 1. 復興増税 企業関係 法人税額の 10% を 3 年間上乗せ 法人税の臨時増税 復興特別法人税の創設 1 復興特別法人税の内容 a. 納税義務者は? 法人 ( 収益事業を行うなどの人格のない社団等及び法人課税信託の引

営業活動によるキャッシュ フロー の区分には 税引前当期純利益 減価償却費などの非資金損益項目 有価証券売却損益などの投資活動や財務活動の区分に含まれる損益項目 営業活動に係る資産 負債の増減 利息および配当金の受取額等が表示されます この中で 小計欄 ( 1) の上と下で性質が異なる取引が表示され

Microsoft Word - zeisyou9記載の手引.doc

Q1 法人事業税の負担変動の軽減措置とは どのような制度ですか? A. 平成 27 年度税制改正により導入された 外形標準課税の拡大 ( 所得割の税率引き下げ及び付加価値割 資本割の税率引き上げ ) によって生じる税負担の変動の影響を緩和する措置で 付加価値額が一定以下の法人を対象に税負担の増加につ


営業報告書

Microsoft Word - メルマガQ&A(23.8.1問2)利益剰余金の資本組入(父確認中)

公開草案なお 重要性が乏しい場合には当該注記を省略できる 現行 適用時期等 平成 XX 年改正の本適用指針 ( 以下 平成 XX 年改正適用指針 という ) は 公表日以後適用する 適用時期等 結論の背景経緯 平成 24 年 1 月 31 日付で 厚生労働省通知 厚生年金基金

た電磁的方法(電子的方法 磁気的方法その他の人の知覚によっては認識することができない十七電磁的方の法省に令よのる規提定出により総務大臣に提出する書類は これらの書類の記載事項を記録し方法をいう 以下この条において同じ )に係る記録媒体により提出することができる認た識総す務る大こ臣とがが別でにき告な示

財務諸表 金融商品取引法第 193 条の 2 第 1 項の規定に基づき 当社の貸借対照表 損益計算書 株主資本等変動計算書及び附属明細表については 有限責任あずさ監査法人の監査証明を受けております 貸借対照表 科目 ( 資産の部 ) 流動資産 平成 27 年度末平成 28 年 3 月 31 日現在

実務対応報告第 7 号 連結納税制度を適用する場合の税効果会計に関する当面の取扱い ( その 2) 平成 15 年 2 月 6 日改正平成 22 年 6 月 30 日最終改正平成 27 年 1 月 16 日企業会計基準委員会 目的 実務対応報告第 5 号 連結納税制度を適用する場合の税効果会計に関す

日本基準でいう 法人税等 に相当するものです 繰延税金負債 将来加算一時差異に関連して将来の期に課される税額をいいます 繰延税金資産 将来減算一時差異 税務上の欠損金の繰越し 税額控除の繰越し に関連して将来の期に 回収されることとなる税額をいいます 一時差異 ある資産または負債の財政状態計算書上の

平成30年3月決算における税務上の留意事項

平成29年3月決算の会計処理に関する留意事項

第 3 期決算公告 (2018 年 6 月 29 日開示 ) 東京都江東区木場一丁目 5 番 65 号 りそなアセットマネジメント株式会社 代表取締役西岡明彦 貸借対照表 (2018 年 3 月 31 日現在 ) 科目金額科目金額 ( 単位 : 円 ) 資産の部 流動資産 負債の部 流動負債 預金

表紙 EDINET 提出書類 寺崎電気産業株式会社 (E0176 訂正有価証券報告書 提出書類 根拠条文 提出先 提出日 有価証券報告書の訂正報告書金融商品取引法第 24 条の2 第 1 項近畿財務局長平成 30 年 9 月 21 日 事業年度 第 38 期 ( 自平成 29 年 4 月 1 日至平

平成23年度税制改正の主要項目

第 21 期貸借対照表 平成 29 年 6 月 15 日 東京都千代田区一番町 29 番地 2 さわかみ投信株式会社 代表取締役社長澤上龍 流動資産 現金及び預金 直販顧客分別金信託 未収委託者報酬 前払費用 繰延税金資産 その他 固定資産 ( 有形固定資産 ) 建物 器具備品 リース資産 ( 無形

計 算 書 類


「経済政策論(後期)《運営方法と予定表(1997、三井)


第6期決算公告

税効果会計.docx

平成29年3月決算における税務上の留意事項

「経済政策論(後期)《運営方法と予定表(1997、三井)

「中小企業の会計に関する指針《新旧対照表

1 繰越控除適用事業年度の申告書提出の時点で判定して 連続して 提出していることが要件である その時点で提出されていない事業年度があれば事後的に提出しても要件は満たさない 2 確定申告書を提出 とは白色申告でも可 4. 欠損金の繰越控除期間に誤りはないか青色欠損金の繰越期間は 最近でも図表 1 のよ

2. 訂正箇所 (1)36ページ 4. 連結財務諸表 (9) 連結財務諸表に関する注記事項 ( 税効果会計関係 ) 訂正前 前連結会計年度 当連結会計年度 繰越欠損金賞与引当金たな卸資産評価損未実現損益未払事業税退職金その他の合計 8,077 千円 37,550 千円 63,409 千円 11,94

第10期

02_(案の2①)概要資料(不均一)

目次 1. 回収可能性適用指針の公表について (1) 公表の経緯 (2) 税効果会計プロジェクトの全体像 (3) 適用時期 2. 回収可能性適用指針の概要 (1) 繰延税金資産の回収可能性の基本的な考え方 (2) 課税所得と一時差異等加減算前課税所得 (3) 企業の分類に応じた取扱い総論 (4) 各

平成20年度の税制改正により、地域間の税源偏在を是正するため、消費税を含む税体系の抜本的な改革が行われるまでの間の暫定的措置として、法人事業税の一部を分離し、地方法人特別税及び地方法人特別譲与税が創設されました

四半期決算の会計処理に関する留意事項

Microsoft Word - zeisyou6記載の手引.doc

新・NPO法人申請マニュアル.pwd

株 主 各 位                          平成19年6月1日

投資法人の資本の払戻 し直前の税務上の資本 金等の額 投資法人の資本の払戻し 直前の発行済投資口総数 投資法人の資本の払戻し総額 * 一定割合 = 投資法人の税務上の前期末純資産価額 ( 注 3) ( 小数第 3 位未満を切上げ ) ( 注 2) 譲渡収入の金額 = 資本の払戻し額 -みなし配当金額

第4期電子公告(東京)

平成30年公認会計士試験

利益積立金額第 10 章税法上の資本の部 第 2 節利益積立金額 利益積立金額とは 法人の所得の金額のうち留保されているものをいう ( 法 21 十八 ) この利益積立金額は 法人の所得として課税済みの金額であり それが株主等に配当等された場合には二重課税の調整を要し また 特定同族会社の留保金課税

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Microsoft Word - 247_資本連結実務指針等の改正

Report

図表 1 将来減算一時差異とは 課税所得の計算上 差異が生じたときに加算され 将来解消するときに減算されるものです 税効果会計の適用において最も取り扱う機会が多いのが将来減算一時差異です 貸倒引当金の損金算入限度超過額 賞与引当金及び退職給付引当金の額 減価償却費の損金算入限度超過額 棚卸資産等に係

その他資本剰余金の処分による配当を受けた株主の

目 次 問 1 法人税法における当初申告要件及び適用額の制限に関する改正の概要 1 問 2 租税特別措置法における当初申告要件及び適用額の制限に関する改正の概要 3 問 3 法人税法における当初申告要件 ( 所得税額控除の例 ) 5 問 4 法人税法における適用額の制限 ( 所得税額控除の例 ) 6

目的 1. 本会計基準は 企業会計審議会が平成 10 年 10 月に公表した 税効果会計に係る会計基準 ( 以下 税効果会計基準 という ) 及び 税効果会計に係る会計基準注解 ( 以下 税効果会計基準注解 という ) のうち開示に関する事項を改正することを目的とする 会計基準 開示表示 2. 税効

[ テキストを入力 ] 貸借対照表 ( 平成 28 年 3 月 31 日現在 ) ( 単位 : 千円 ) 科 目 金 額 科 目 金 額 ( 資 産 の 部 ) ( 負 債 の 部 ) 流 動 資 産 54,445,301 流 動 負 債 49,249,578 現 金 及 び 預 金 3,101,2

税額控除限度額の計算この制度による税額控除限度額は 次の算式により計算します ( 措法 42 の 112) 税額控除限度額 = 特定機械装置等の取得価額 税額控除割合 ( 当期の法人税額の 20% 相当額を限度 ) 上記算式の税額控除割合は 次に掲げる区分に応じ それぞれ次の割合となります 特定機械

( 資産の部 ) ( 負債の部 ) Ⅰ 特定資産の部 1. 流動負債 366,211,036 1 年内返済予定 1. 流動資産 580,621,275 特定社債 302,000,000 信託預金 580,621,275 事業未払金 2,363, 固定資産 6,029,788,716 未払

第3 法非適用企業の状況

計算書類 貸 損 借益 対計 照算 表書 株主資本等変動計算書 個 別 注 記 表 自 : 年 4 月 1 日 至 : 年 3 月 3 1 日 株式会社ウイン インターナショナル

に相当する金額を反映して分割対価が低くなっているはずですが 分割法人において移転する資産及び負債の譲渡損益は計上されませんので 分割法人において この退職給付債務に相当する金額を損金の額とする余地はないこととなります (2) 分割承継法人適格分割によって退職給付債務を移転する場合には 分割法人の負債

障財源化分とする経過措置を講ずる (4) その他所要の措置を講ずる 2 消費税率の引上げ時期の変更に伴う措置 ( 国税 ) (1) 消費税の軽減税率制度の導入時期を平成 31 年 10 月 1 日とする (2) 適格請求書等保存方式が導入されるまでの間の措置について 次の措置を講ずる 1 売上げを税

(2) 源泉分離課税制度源泉分離課税制度とは 他の所得と全く分離して 所得を支払う者 ( 銀行 証券会社等 ) がその所得の支払の際に 一定の税率で所得税を源泉徴収し それだけで所得税の納税が完結するものです 1 対象となる所得代表的なものとして 預金等の利子所得 定期積金の給付補てん金等があります

決算公告 貸借対照表 ( 平成 27 年 3 月 31 日現在 ) ( 単位 : 千円 ) 科 目 金 額 科 目 金 額 ( 資 産 の 部 ) ( 負 債 の 部 ) Ⅰ流 動 資 産 4,229,277 Ⅰ. 流 動 負 債 1,081,448 一年内返済予定現金及び預金 2,861,145

営 業 報 告 書

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第20号様式記載要領

【表紙】

平成28年3月決算の会計処理に関する留意事項

保険業務に係る情報提供料は 請求人の事業に基づいた収入であるとは いえない 第 4 審理員意見書の結論 本件各審査請求は理由がないから 行政不服審査法 4 5 条 2 項によ り 棄却すべきである 第 5 調査審議の経過 審査会は 本件諮問について 以下のように審議した 年月日 審議経過 平成 30

9 試験研究費の額に係る法人税額の特別控除額 2 10 還付法人税額等の控除額 3 11 退職年金等積立金に係る法人税額 4 12 課税標準となる法人税額又は個別帰属法人税額及びその法人税割額 の5の欄 ) リース特別控除取戻税額( 別表 1(2) の5の欄又は別表 1(3)

6 課税上の取扱い日本の居住者又は日本法人である投資主及び投資法人に関する課税上の一般的な取扱いは 下記のとおりです なお 税法等の改正 税務当局等による解釈 運用の変更により 以下の内容は変更されることがあります また 個々の投資主の固有の事情によっては異なる取扱いが行われることがあります (1)

Taro-入門ⅡA jtd

Microsoft Word - 非適格合併の諸問題 HP用

本実務対応報告の概要 以下の概要は 本実務対応報告の内容を要約したものです 範囲 ( 本実務対応報告第 3 項 ) 本実務対応報告は 資金決済法に規定する仮想通貨を対象とする ただし 自己 ( 自己の関係会社を含む ) の発行した資金決済法に規定する仮想通貨は除く 仮想通貨交換業者又はが保有する仮想

Microsoft Word - 本文.docx

第9期決算公告 平成27年6月15日

粉飾決算と過年度損益修正 1. 概要 経営上の諸般の事情により やむを得ず粉飾して架空売上や架空在庫を計上する場合があります 前期以前の 過年度の決算が間違っていた場合は 会計上は当期の期首で修正できます ただし 過年度の損失を当期に損金算入すれば その事業年度に損金計上すべきであり 過年度の損失は

下では特別償却と対比するため 特別控除については 特に断らない限り特定の機械や設備等の資産を取得した場合を前提として説明することとします 特別控除 内容 個別の制度例 特定の機械や設備等の資産を取得して事業の用に供したときや 特定の費用を支出したときなどに 取得価額や支出した費用の額等 一定割合 の

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会計 監査 税効果会計シリーズ (3) 法定実効税率 おう公認会計士淡河 ごたかᅠ貴 え 絵 はじめに 税効果会計シリーズでは 税効果会計に関する会計処理及び開示の基本的な内容をQ& 方式で連載している 繰延税金資産及び繰延税金負債は 一時差異等に法定実効税率を乗じて算定される 前号では一時差異等をテーマに解説したことから 本号では 税効果会計の対象となる税金について確認したうえで 法定実効税率の算定方法 ( 地方税における超過課税による税率の取扱いを含む ) をテーマに解説する なお 本稿は 2017 年 6 月に公表された公開草案 ( 企業会計基準適用指針公開草案第 58 号 税効果会計に係る会計基準の適用指針 ( 案 ) ( 以下 税効果適用指針案 という )) を基に記載している Q1 税効果会計の対象となる税金 税効果会計の対象となる税金にはどのようなものがあるか 税効果会計の対象となる税金は 法人税その他利益に関連する金額を課税標準とする税金である ( 税効果適用指針案第 4 項 ( 2) 参照 ) 具体的には 主に法人税 ( 留保金課税を除く ) 地方法人税 ( 所得割 ) 住民税( 法人税割 ) 及び事業税 ( 所得割 ) である 解説 1. 税効果会計の対象となる税金 税効果会計は 法人税その他利益に関連する金額を課税標準とする税金の額を適切に期間配分することにより 法人税等を控除する前の当期純利益と法人税等を合理的に対応させることを目的とする手続である ( 税効果会計に係る会計基準 第一 ) とされている したがって 以下のように利益に関連する金額を課税標準とする税金が税効果会計の対象となる 法人税及び事業税 ( 所得割 ) 法人税及び事業税 ( 所得割 ) の課税標準は 各事業年度の課税所得の金額とされている ( 法人税法第 21 条及び第 22 条並びに地方税法第 72 条の23 参照 ) 各事業年度の課税所得は 利益を基礎として 算定されるため 税効果会計の対象とされている なお 外国子会社からの配当等の額に係る外国源泉所得税は 当該子会社の利益に関する金額を課税標準とする税金と考えられ ( 企業会計基準第 27 号 法人税 住民税及び事業税等に関する会計基準 ( 以下 法人税等会計基準 という ) 第 40 項参照 ) 税効果会計の対象とされている 地方法人税及び住民税 ( 法人税割 ) 地方法人税及び住民税 ( 道府県民税及び市町村民税 )( 法人税割 ) の課税標準は 各事業年度の法人税額とされている ( 地方法人税法第 9 条並びに地方税法第 53 条及び第 292 条参照 ) 各事業年度の法人税額は 課税所得及び利益を基礎として算定されるため 税効果会計の対象とされている 2. 税効果会計の対象とならない税金 一方で 以下のように利益に関連する金額を課税標準とする税金とはいえないものについては 税効果会計の対象とはならない 法人税 ( 特定同族会社に適用される留保金課税 ) 特定同族会社に適用される留保金課税は 各事業年度の留保金額が一定の額を超える場合に追加して課される税金 ( 法人税法第 67 条参照 ) であり 利益に関連する金額を課税標準とする税金ではない ( 税効果適用指針案第 90 項参照 ) 住民税 ( 均等割 ) 住民税 ( 均等割 ) は 利益にかかわらず一定の額が課されるため 税効果会計の対象に含まれない 事業税 ( 付加価値割 ) 事業税 ( 付加価値割 ) の課税標準は 企業の活動価値を表すと考えられ 課税所得とは異なる考え方に基づき算定されるため 利益に関連する金額を課税標準とする税金ではないとされている ( 法人税等会計基準第 37 項参照 ) 事業税 ( 資本割 ) 事業税 ( 資本割 ) の課税標準は 各事業年度の資本金等の額であり 利益に関連する金額を課税標準とする税金ではないため 税効果会計の対象に含まれない 事業税 ( 収入割 ) 事業税 ( 収入割 ) の課税標準は 各事業年度の収入の額であり 利益に関連する金額を課税標準とす 2 テクニカルセンター会計情報 Vol. 496 / 2017. 12 2017. For information, contact Deloitte Touche Tohmatsu LLC.

る税金ではないため 税効果会計の対象に含まれない なお 事業税 ( 収入割 ) は 特定の業種に課されるものであり その表示科目は各業種の特殊性を踏まえて別途定められている 2016 年度税制改正において 地方法人特別税等に関する暫定措置法が廃止されることが規定されたため ( 地方税法等の一部を改正する等の法律 第 9 条参照 ) 税効果適用指針案においては 地方法人特別税に関する取 扱いは定められていないが 地方法人特別税等に関する暫定措置法が廃止されるまでの間 地方法人特別税の課税標準は 事業税の所得割額又は収入割額の標準税率相当額とされており 事業税 ( 所得割 ) 又は事業税 ( 収入割額 ) と同様に取り扱うこととなると考えられる 税金の種類ごとに税効果会計の対象かどうかを図表に示すと ( 図表 1) のようになる なお 以下の図表では 参考までに損益計算書の表示区分又は勘定科目についても記載している ( 図表 1) 税金の種類 税効果会計の対象及び損益計算書の表示区分又は勘定科目 税金の種類 税効果会計の対象かどうか ( 参考 ) 損益計算書の表示区分又は勘定科目 法人税 ( 下記を除く ) 対象 ( 留保金課税 ) 対象外 法人税 住民税及び事業税 地方法人税対象法人税 住民税及び事業税 住民税 ( 法人税割 ) 対象 ( 均等割 ) 対象外 法人税 住民税及び事業税 事業税 ( 所得割 ) 対象法人税 住民税及び事業税 ( 付加価値割 ) 対象外 ( 資本割 ) 対象外 (*2) 原則として 販売費及び一般管理費 ( 収入割 ) 対象外 - (*3) 地方法人特別税 ( 所得割 ) 対象法人税 住民税及び事業税 ( 収入割 ) 対象外 - (*3) 消費税対象外 - (*4) 固定資産税対象外 - (*5) (*6) 事業所税対象外売上原価又は販売費及び一般管理費 法人税等会計基準第 9 項参照 (*2) 事業税 ( 付加価値割及び資本割 ) は 原則として 損益計算書の販売費及び一般管理費として表示する ただし 合理的な配分方法に基づきその一部を売上原価として表示することができる ( 法人税等会計基準第 10 項参照 ) (*3) 事業税 ( 収入割 ) 及び地方法人特別税 ( 収入割 ) は 電気供給業 ガス供給業 保険業などの特定の業種に課されるものであり その表示区分及び勘定科目等は各業種の特殊性を踏まえて 特定業種における規則等に定められている (*4) 消費税については 日本公認会計士協会の消費税の会計処理に関するプロジェクトチームより 消費税の会計処理について ( 中間報告 ) が公表されている (*5) 固定資産税について 表示区分や勘定科目は定められていないが 一般的に 売上原価又は販売費及び一般管理費として表示していると考えられる (*6)1999 年 4 月に日本公認会計士協会から公表された監査 保証実務委員会実務指針第 63 号 諸税金に関する会計処理及び表示に係る監査上の取扱い ( 法人税等会計基準の公表に伴い廃止されている ) には 以下が記載されていた 事業に係る事業所税当該事業年度の事業に係る事業所税は 損益計算書の製造原価項目又は営業費用項目とし その未納付額は 未払事業所税 等その内容を示す適当な名称を付した科目で貸借対照表に表示する ただし その金額が重要でない場合には 未払金その他適当な科目に含めて表示することができる 新増設に係る事業所税当該事業年度の新増設に係る事業所税は 当該新増設に係る固定資産の取得価額に算入することができる 上述した事業所税の取扱いは 一般的に事業所税の金額的な重要性が高いとは言えず 営業費用等で会計処理を行っている実務が浸透していることから 法人税等会計基準に踏襲されていないが 現在でも実務における一定の指針になると考えられる テクニカルセンター会計情報 Vol. 496 / 2017. 12 2017. For information, contact Deloitte Touche Tohmatsu LLC. 3

Q2 法定実効税率 ( 総論 ) 繰延税金資産又は繰延税金負債は いつ時点の税法に基づき算定されるか また 法定実効税率は どのように算定されるか 事業税額 ( 所得割 ) = 課税所得 事業税率合計税額 = 課税所得 { 法人税率 (1+ 地方法人税率 + 住民税率 )+ 事業税率 } 合計税額法人税率 (1+ 地方法人税率合計税率 = = 課税所得 + 住民税率 )+ 事業税率 解 繰延税金資産及び繰延税金負債の額は 決算日にお いて国会で成立している税法に基づき 回収又は支 払が行われると見込まれる期の税率により算定され る 法定実効税率は 以下の算式により算定される 法人税率 (1+ 地方法人税率 + 住民税率 )+ 事業税率法定実効税率 = 複数の事業所を有する場合 代表的な事業所 ( 例え ば 本社所在地 主な所得源泉地 ) に適用されてい る税率を基に法定実効税率を算定することが考えら れる 説 1. 繰延税金資産又は繰延税金負債の計算に用いる税法 2016 年 3 月以前は 繰延税金資産又は繰延税金負債 の額は 決算日において公布されている税法に規定され ている税率に基づき算定することとされていたが 3 月 末日を決算日とする企業において 当事業年度に税法を 改正するための法律が当該決算日前までに国会で成立し ていても 官報による公布が当該決算日間際までなされ ないことが多く 決算手続や業績予測等の実務的な対応 に困難を伴うなどの意見が聞かれた このため 2016 年 3 月に企業会計基準適用指針第 27 号 税効果会計に適用する税率に関する適用指針 ( 以 下 税率適用指針 という ) が公表され (*7) 実務を 安定的に行うことができるようにする観点から 繰延税 金資産又は繰延税金負債の額は 決算日において国会で 成立している税法に基づき算定することとされた ( 税効 果適用指針案第 46 項及び第 47 項参照 ) (*7) 税率適用指針は 税効果適用指針案が最終化された場合 当該適用指針に統合されることが提案されている 2. 法定実効税率の算定 地方法人税及び住民税 ( 法人税割 ) の税率は法人税額 を課税標準として定められていることを考慮すると 法 人税 地方法人税 住民税及び事業税 ( 所得割 ) の税金 の額 ( 以下 合計税額 という ) 並びに課税所得に対 する合計税額の割合 ( 以下 合計税率 という ) は 以下のとおり算定される 法人税額 地方法人税額 = 課税所得 法人税率 = 課税所得 法人税率 地方法人税率 住民税額 ( 法人税割 )= 課税所得 法人税率 住民税率 また 事業税 ( 所得割 ) は 実際に納付する事業年度 の課税所得又は税務上の欠損金の計算上 損金に算入さ れることを勘案すると 法定実効税率は 合計税率か ら 事業税率に法定実効税率を乗じた数値を控除して求 められる 法定実効税率 = 合計税率 - 事業税率 法定実効税率 ( ) 法定実効税率 = 合計税率 合計税率法定実効税率 = したがって 上述の算式に合計税率をあてはめると 以下の算式が求められる 法人税率 (1+ 地方法人税率 + 住民税率 )+ 事業税率法定実効税率 = なお 地方法人特別税等に関する暫定措置法が廃止さ れるまでの間 法定実効税率の算式における 事業税 率 に地方法人特別税の税率が含まれていない場合の法 定実効税率の計算式を参考として示すと 次のとおりで ある ( 参考 ) 事業税率 に地方法人特別税の税率が含まれていない場合の法定実効税率 (*10) ) (*8) (*9) 法人税率 ( 1+ 地方法人税率 + 住民税率法定実効税率 =+ 地方法人特別税率 事業税の税率 + 事業税の税率 (*8) 1+ 地方法人特別税率 事業税の税率 + 事業税の税率 (*9) (*8) 事業税 ( 所得割 ) の標準税率 (*9) 各地方公共団体が条例で規定した事業税 ( 所得割 ) の税率 ( 標準税率又は超過課税による税率 ) (*10) 各地方公共団体が条例で規定した住民税 ( 法人税割 ) の税率 ( 標準税率又は超過課税による税率 ) 法定実効税率の算定にあたり 複数の事業所を有する 場合 地方税 ( 住民税及び事業税 ) の税率が 当該事業 所の所在地である都道府県ごと又は市町村ごとに異なる ケースがある この場合 代表的な事業所 ( 例えば 本 社所在地 主な所得源泉地 ) に適用されている税率を基 に法定実効税率を算定することが考えられる ( 税効果適 用指針案 [ 設例 10] 参照 ) 4 テクニカルセンター会計情報 Vol. 496 / 2017. 12 2017. For information, contact Deloitte Touche Tohmatsu LLC.

Q3 法定実効税率 ( 地方税 ) 決算日までに改正地方税法が成立した場合 住民税又は事業税の税率について どのような点に留意する必要があるか 決算日までに改正地方税法が成立した場合 改正地方 税法等を受けた改正条例の成立の状況に留意し 当該状 況に応じて 法定実効税率の算定に用いる住民税又は事 業税の税率を検討する必要がある (( 図表 2) を参照 ) ( 図表 2) 改正地方税法等を受けた改正条例の成立の状況と住民税又は事業税の税率の関係 改正条例の成立の状況 改正地方税法等を受けた改正条例が 決算日以前に成立している場合 改正地方税法等を受けた改正条例が 決算日以前に成立していない場合 法定実効税率の算定に用いる住民税又は事業税の税率 改正地方税法等を受けた改正条例に規定されている税率 ( 標準税率又は超過課税による税率 ) 標準税率改正地方税法等に規定されている標準税率又は超過課税による税率改正地方税法等に規定されている標準税率に 改正前の条例に規定されている超過課税による税率が改正直前の地方税法等の標準税率を超える差分を考慮する税率 解 説 1. 標準税率と超過課税による税率の変更 住民税又は事業税の税率は 国会で成立した改正地方 (*11) 税法等が規定する標準税率及び制限税率 (*12) に対 応して 法人に適用する税率 すなわち住民税又は事業 税の標準税率又は超過課税による税率 (*13) を規定する 改正条例が地方公共団体の議会等で成立する (*14) こと により変更される (*11) 標準税率とは 地方公共団体が課税する場合に地方税法で通常よるべきとされている税率をいう (*12) 制限税率とは 地方公共団体が超過課税による税率で課税する場合においても超えることのできない税率で 地方税法に規定されているものをいう (*13) 超過課税による税率とは 標準税率を超える税率で 地方公共団体が課税することが地方税法で認められているものをいう (*14) 地方公共団体の議会で成立する場合のほか 地方公共団体の長による専決処分で成立することがあると考えられる 例えば 法人の事業税 ( 所得割 ) について 標準税 率 制限税率及び超過課税による税率の関係を図表に示 すと ( 図表 3) のようになる ( 図表 3) 標準税率 制限税率及び超過課税による税率の関係 前提 1. 地方税法に 事業税 ( 所得割 ) の標準税率は 5.0% である旨が規定されているとする 2. 同法に 標準税率を超える税率で事業税を課する場合 標準税率に 1.2 を乗じた率を超える税率で課することができない旨が規定されているとする 3. 上述の税法の規定を受けて 地方公共団体では 事業税 ( 所得割 ) の税率を 5.8% と条例に規定した 解説 上記において 事業税 ( 所得割 ) の標準税率 制限税率及び 地方公共団体の超過課税による税率は 以下のとおりである 標準税率 5.0% 制限税率 6.0%(6.0%=5.0% 1.2) 地方公共団体の超過課税による税率 5.8% 地方税法において規定されている税率 制限税率 6.0% 標準税率 5.0% 地方公共団体は 5.0% から 6.0% の間で実際に法人に課す税率を設定できる 条例において規定されている税率 超過課税による税率 5.8% 地方公共団体が 実際に標準税率を超える税率 5.8% で 法人に課すことを決めた場合 5.8% という税率を 超過課税による税率 という テクニカルセンター会計情報 Vol. 496 / 2017. 12 2017. For information, contact Deloitte Touche Tohmatsu LLC. 5

2. 決算日までに改正地方税法が成立し 改正地方税法等を受けた改正条例が 決算日以前に成立している場合の取扱い 決算日までに改正地方税法が成立し 改正地方税法等 を受けた改正条例が決算日以前に成立している場合 当 該改正条例に規定されている税率 ( 標準税率又は超過課 税による税率 ) による ( 税効果適用指針案第 48 項 ( 1) 参 照 ) 3. 決算日までに改正地方税法が成立し 改正地方税法等を受けた改正条例が 決算日以前に成立していない場合の取扱い 決算日までに改正地方税法が成立し 改正地方税法等 を受けた改正条例が決算日以前に成立していない場合 仮に当該決算日において成立している条例に規定されて いる税率 ( 標準税率又は超過課税による税率 ) によると すれば 改正直前の地方税法等に規定されていた標準税 率及び制限税率に基づいて決定された税率を用いること となる この場合 毎年度の税制改正において 通常 法人税 法等を改正するための法律及び地方税法等を改正するた めの法律が同日に成立していることを踏まえると 当該 税制改正の内容の一部しか繰延税金資産及び繰延税金負 債の額に反映されず 結果として税制改正の趣旨が反映 されない可能性がある このため 決算日において成立している条例に標準税 率で課税することが規定されているか 超過課税による 税率で課税することが規定されているかに応じて 税制 改正の趣旨を反映させる観点から 次のように取り扱う こととされている ( 税効果適用指針案第 48 項 ( 2) 参照 ) 標準税率で課税することが規定されている場合 住民税又は事業税の税率は 改正地方税法等に 規定されている標準税率による 超過課税による税率で課税することが規定されて いる場合 住民税又は事業税の税率は 改正地方税法等に 規定されている標準税率に 当該決算日において 成立している条例に規定されている超過課税によ る税率が改正直前の地方税法等の標準税率を超え る差分を考慮する税率による 当該差分を考慮する税率を算定するにあたって は 例えば 次の 2 つの方法がある 方法 1 差分を考慮する税率 = 改正地方税法等における標準税率 +( 決算日における超過課税による税率 - 改正直前の地方税法等における標準税率 ) 方法 2 差分を考慮する税率 = 改正地方税法等における標準税率 ( 決算日における超過課税による税率 改正直前の地方税法等における標準税率 ) なお いずれの方法によっても 結果として得 られた税率が 改正地方税法等に規定されている 制限税率を超える場合は 当該制限税率とする 以 上 6 テクニカルセンター会計情報 Vol. 496 / 2017. 12 2017. For information, contact Deloitte Touche Tohmatsu LLC.