整力を確保する一方 小売部門が GC までの自社需要の想定誤差に対する予備力を確保する対 応をしていることから 一部の旧一般電気事業者については 送配電部門と小売部門が確保し ている予備力の合計値が 調整力公募制度開始以前と比較して増加している ( 卸電力取引所活性化の必要性 ) 旧一般電気事業者の

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整力を確保する一方 小売部門が GC までの自社需要の想定誤差に対する予備力を確保する対 応をしていることから 一部の旧一般電気事業者については 送配電部門と小売部門が確保し ている予備力の合計値が 調整力公募制度開始以前と比較して増加している ( 卸電力取引所活性化の必要性 ) 旧一般電気事業者の

1. 調整力公募について 本年 4 月に施行された第 2 弾の改正電事法により 新しいライセンス制度が導入されたことを受け 一般送配電事業者が電力供給区域の周波数制御 需給バランス調整を行うこととなっている そのために必要な調整力を調達するにあたって 一般送配電事業者は原則として公募の方法で調達する

1. はじめに 1 需要曲線の考え方については 第 8 回検討会 (2/1) 第 9 回検討会 (3/5) において 事務局案を提示してご議論いただいている 本日は これまでの議論を踏まえて 需要曲線の設計に必要となる考え方について整理を行う 具体的には 需要曲線の設計にあたり 目標調達量 目標調達

部分供給については 例えば 以下の3パターンが考えられる ( 別紙 1 参照 ) パターン1: 区域において一般電気事業者であった小売電気事業者 ( 又は他の小売電気事業者 ) が一定量のベース供給を行い 他の小売電気事業者 ( 又は区域において一般電気事業者であった小売電気事業者 ) がを行う供給

資料 3 第 21 回制度設計専門会合事務局提出資料 ~ 卸電力市場活性化に係る事業者ヒアリング ~ 平成 29 年 8 月 28 日 ( 月 )

はじめに 1 電源 Ⅱ 事前予約の検証について 四国エリアにおいては 太陽光発電の計画差 ( 下振れ ) により十分な予備力が確保できなくなるおそれがある場合に電源 Ⅱ 事前予約を実施しています 今回 2018 年 8 月 9 月における電源 Ⅱ 事前予約の実績について事後検証を実施しました

これは 平成 27 年 12 月現在の清掃一組の清掃工場等の施設配置図です 建替え中の杉並清掃工場を除く 20 工場でごみ焼却による熱エネルギーを利用した発電を行っています 施設全体の焼却能力の規模としては 1 日当たり 11,700 トンとなります また 全工場の発電能力規模の合計は約 28 万キ

本日の内容 2 一般送配電事業者が電源 Ⅰ の公募調達を行うに当たり 広域機関は 一般送配電事業者が募集量を設定する際の基本となる考え方を示す必要がある 217 年度の調整力公募における電源 Ⅰ 必要量の基本的な考え方について改めて整理したので 電源 Ⅰ Ⅰ 必要量の考え方等についてご議論いただきた

図 2: 今後の主な市場整備等 2. ベースロード電源市場等 2.1. 契約見直しの必要性新電力がベースロード電源 ( 石炭火力 水力 原子力等 ) にアクセスすることを容易にし 小売競争を更に活性化させることを目的として ベースロード電源市場を創設するとともに ベースロード電源を保有する旧一般電気

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検討の進め方 出所 ) 第 4 回調整力の細分化及び広域調達の技術的検討に関する作業会資料 3( 赤枠削除 ) 217/chousei_sagyokai_4_haifu.html 2 第 11

表 1 小売電気事業者( 新電力とみなし小売電気事業者の総計 ) の平成 29 年 3 月分 販売電力量 ( エリア別 ) 販売電力量合計 ( 単位 :MWh) その他需要 合計 北海道 260,709 1,129,470 1,028, ,749 8,428 2,730,690 東北 1

御意見の内容 御意見に対する電力 ガス取引監視等委員会事務局の考え方ることは可能です このような訴求は 小売電気事業者が行うことを想定したものですが 消費者においても そのような訴求を行っている小売電気事業者から電気の小売供給を受け 自らが実質的に再生可能エネルギーに由来する電気を消費していることを

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資料 2 接続可能量 (2017 年度算定値 ) の算定について 平成 29 年 9 月資源エネルギー庁

前回の御議論 2 1) 第 6 回連系線利用検討会において 下記のような御意見があった 経過措置の転売を禁止することで効率性を低下させているため 転売を可能とすることについても 改めて検討すべき 経過措置が 10 年という長期であるにもかかわらず 経過措置を転売不可とすると 非効率性が増す側面もある

インバランス料金の見直しについて

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2 I. 電力小売自由化後の課題 II. 都市ガス自由化に向けての課題 III.LP ガスの課題 まとめ

安定供給の確保に係る事業者等の役割 1 第 2 段階においてライセンス制が導入された以降も安定供給を維持するためには 各事業者等がそれぞれに課された責務をしっかりと果たしていくことが求められます 特に 小売事業者が果たすべき役割は重要であり 自社顧客の需要に応じた供給力を確保するためのインセンティブ

FIT/ 非 FIT 認定設備が併存する場合の逆潮流の扱いに関する検討状況 現在 一需要家内に FIT 認定設備と非 FIT 認定設備が併存する場合には FIT 制度に基づく買取量 ( 逆潮流量 ) を正確に計量するため 非 FIT 認定設備からの逆潮流は禁止されている (FIT 法施行規則第 5

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1. インバランス精算における計画誤りの解消に向けた取組の実施状況 2. 今後のインバランス精算の在り方 1

成 29 年には小売の地域独占が撤廃され 料金規制が原則廃止される 小売全面自由化を機に 課税の公平性 を担保することは 新規参入を促進すると同時に 競争の活性化による料金抑制 更なる天然ガス利用拡大に寄与し ガスシステム改革の目的達成に資することから 抜本的な現行課税方式の見直しが必要である 2

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2 空 白

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i-1 電気事業制度についてー 1 自由化 2000 年 3 月から大口需要家に対する電力小売が自由化 その後 2004 年 4 月 2005 年 4 月と 自由化範囲が段階的に拡大 さらに 電力システム改革専門委員会での検討を踏まえ 2016 年 4 月から小売全面自由化が開始された (j-3 参

Ⅱ 主な改革内容 上記の 3 つの目的からなる電力システム改革につき 以下の 3 つの柱を中心として 大胆な改革を現実的なスケジュールの下で着実に実行する 1. 広域系統運用の拡大 電力需給のひっ迫や出力変動のある再生可能エネルギーの導入拡大に対応するため 国の監督の下に 報告徴収等により系統利用者

余白 1

監視手法に関する調査 分析 我が国の卸電力取引に係る競争状況 不正取引を監視し それを踏まえた対応を検討するための基礎資料として活用するため ( 6) の諸外国の規制当局や取引所に係る調査 分析を行う 調査に当たっては文献 インターネット 各国の規制当局及び取引所の関係者等へのヒアリングを通じ 幅広

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バイオマス比率をめぐる現状 課題と対応の方向性 1 FIT 認定を受けたバイオマス発電設備については 毎の総売電量のうち そのにおける各区分のバイオマス燃料の投入比率 ( バイオマス比率 ) を乗じた分が FIT による売電量となっている 現状 各区分のバイオマス比率については FIT 入札の落札案

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資料 4 託送供給等における インバランス精算について 平成 28 年 7 月 1 日 資源エネルギー庁

( 考慮すべき視点 ) 内管について 都市ガスでは需要家の所有資産であるがガス事業者に技術基準適合維持義務を課しており 所有資産と保安責任区分とは一致していない LPガスでは 一般にガスメータの出口より先の消費設備までが需要家の資産であり 資産区分と保安責任区分が一致している 欧米ではガスメータを境

検討結果 電力小売事業の全面自由化時 (2016 年 /4 月 ) から使用される 需要家スイッチング支援システム を中心にした スイッチング関連業務に関するルール の建付けについて 検討した結果を報告します 1. スイッチング関係ルールを 広域機関ルール として以下のように策定する ( 対象のルー

スイッチングの状況 (2017 年 3 月時点 ) 本年 3 月末時点での新電力への契約先の切替え ( スイッチング ) 件数は約 4.7%( 約 295 万件 ) 大手電力 ( 旧一般電気事業者 ) の自社内の契約の切替件数 ( 規制 自由 ) は約 4.1% ( 約 258 万件 ) であり 合

商品設計の再検討について 2 商品設計のイメージとして議論してきた調整力の要件をより詳細に検討した結果 見直しが必要と考えられえる箇所が顕在化してきたため その箇所について新たに議論をしたい なお 本資料の内容は 資料 6 需給調整市場に関する意見募集について ( 案 ) の 3 項に組み入れる予定

新電力のシェアの推移 全販売電力量に占める新電力のシェアは 216 年 4 月の全面自由化直後は約 5% だったが 217 年 5 月に 1% を超え 218 年 1 月時点では約 12% となっている 電圧別では 特別高圧 高圧分野 ( 大口需要家向け ) は時期により変動しつつも 全体的には上昇

日本市場における 2020/2030 年に向けた太陽光発電導入量予測 のポイント 2020 年までの短 中期の太陽光発電システム導入量を予測 FIT 制度や電力事業をめぐる動き等を高精度に分析して導入量予測を提示しました 2030 年までの長期の太陽光発電システム導入量を予測省エネルギー スマート社

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一体的な制度改革による総合エネルギー市場の創出 1 1 光熱費 という言葉があるように 消費者にとってエネルギー市場は一体のもの 他方で 従来 我が国のエネルギー市場は 電力 ガス 熱等の業態ごとに制度的な 市場の垣根 が存在 ( ) 石油や LP ガスは既に参入規制なく 自由な市場 一体的な制度改

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問 3. いつから小売の全面自由化が行われるのですか 答.2016 年 ( 平成 28 年 )4 月 1 日です 問 4. いつから小売電気事業者の変更申込みが可能となるのですか 答.2016 年 ( 平成 28 年 )1 月より小売電気事業者により変更申込みの事前受付が本格化し 来年 3 月以降

適正な電力取引についての指針 目次 第一部適正な電力取引についての指針の必要性と構成 1 第二部適正な電力取引についての指針 Ⅰ 小売分野における適正な電力取引の在り方 1 考え方 3 (1) 小売供給 (2) 経過措置料金による小売供給 2 公正かつ有効な競争の観点から望ましい行為及び問題となる行

女性の活躍推進に向けた公共調達及び補助金の活用に関する取組指針について

公社債の店頭売買の参考値等の発表及び売買値段に関する規則 に関する細則 の 一部改正について 平成 30 年 4 月 6 日 日本証券業協会 Ⅰ. 改正の趣旨本協会では平成 27 年 11 月 2 日より 社債の取引情報の発表制度 ( 以下 発表制度 という ) を開始しており 発表制度については

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はじめに 2 第 4~6 回作業会にて 調整力の細分化 市場化に対応するための技術的課題 および広域的な調達 運用に対する技術的課題について検討を行い 2020 年 および2020+X 年の需給調整市場の姿を提示し 第 21 回調整力及び需給バランス評価等に関する委員会にて方向性について了解を得た

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資料 6 第 8 回制度設計専門会合事務局提出資料 ~ 卸電力取引の活性化の進め方について ~ 平成 28 年 6 月 17 日 ( 金 )

個人情報の保護に関する規程(案)

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WG説明

いる 〇また 障害者の権利に関する条約 においては 障害に基づくあらゆる差別を禁止するものとされている 〇一方 成年被後見人等の権利に係る制限が設けられている制度 ( いわゆる欠格条項 ) については いわゆるノーマライゼーションやソーシャルインクルージョン ( 社会的包摂 ) を基本理念とする成年

資料2 紙類の判断の基準等の設定に係る検討経緯について

8. 内部監査部門を設置し 当社グループのコンプライアンスの状況 業務の適正性に関する内部監査を実施する 内部監査部門はその結果を 適宜 監査等委員会及び代表取締役社長に報告するものとする 9. 当社グループの財務報告の適正性の確保に向けた内部統制体制を整備 構築する 10. 取締役及び執行役員は

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2014年7月30日 東京電力株式会社

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Transcription:

卸電力市場の流動性向上の観点からの 旧一般電気事業者 ( 小売部門 ) の予備力確保の在り方について 平成 29 年 10 月 31 日電力 ガス取引監視等委員会資源エネルギー庁電力広域的運営推進機関 1. 問題の所在 ( 調整力公募開始制度以降に旧一般電気事業者が保有する予備力の状況 ) 偶発的需給変動 ( 電源の計画外停止 出力変動電源の出力変化 気温等の変動に伴う需要変動 ) に対応する供給能力については これまで 小売電気事業者が確保すべき予備力と 一般送配電事業者が確保すべき調整力の両方が含まれていると考えることが適当 1 とされてきたところである これに関し 一般送配電事業者は 一般送配電事業者が行う調整力の公募調達に係る考え方 に基づく指針 ( 以下 指針 という ) に則り 平成 29 年度分の調整力公募において 電力広域的運営推進機関における検討結果を踏まえ 平年 H3 需要 ( 年間最大 3 日平均の需要 ) 2 の 7% 相当分 3 ( 沖縄を除く平成 29 年度分の場合 以下同じ ) の調整力を調達した 他方で 電力 ガス取引監視等委員会等が旧一般電気事業者の小売部門の状況を確認したところ 偶発的需給変動の一部に含まれると考えられる小売需要の予測誤差 ( 前日からゲートクローズ ( 以下 GC という ) までの予測誤差 ) に対応するため 一部の旧一般電気事業者の小売部門では 前日時点で各コマ需要予測の 3~5% 程度の予備力を保有し また GC 時点においても各コマ需要予測の 1% 程度の予備力を保有していることが確認された 4 この点 新たなライセンス制導入に伴う調整力公募制度開始以前においては 旧一般電気事業者 ( 発電 送配電 小売 ) が前日確保すべき予備力は スポット市場 ( 前日市場 ) 入札時点 ( 前日午前 10 時時点 ) において 原則 ( エリア需要の )8% 又は最大電源ユニット相当 であった 調整力公募制度開始以降は 旧一般電気事業者の送配電部門が GC 以降のエリアの調 1 平成 26 年 9 月 18 日総合資源エネルギー調査会基本政策分科会電力システム改革小委員会制度設計ワーキンググループ ( 第 8 回 ) 2 平成 29 年度分の調整力公募においては 平成 28 年度供給計画の第 2 年度 ( 平成 29 年度 ) における平年 H3 需要の値を使用 3 現状 調整力 7% のうち 6% 相当分は託送料金で負担されている 4 これらの数値については 経済産業省 ( 資源エネルギー庁及び電力 ガス取引監視等委員会 ) 及び電力広域的運営推進機関が具体的な最低水準を設定しているものではなく 旧一般電気事業者の小売部門が各社の自主的な判断として設定しているものである 1

整力を確保する一方 小売部門が GC までの自社需要の想定誤差に対する予備力を確保する対 応をしていることから 一部の旧一般電気事業者については 送配電部門と小売部門が確保し ている予備力の合計値が 調整力公募制度開始以前と比較して増加している ( 卸電力取引所活性化の必要性 ) 旧一般電気事業者の小売部門は 適正な予備力を上回る電源分を市場に全量投入することが求められているところであるため 5 旧一般電気事業者の小売部門の予備力の増加は 卸電力取引所の売り入札量の減少に直結する 他方 近年 卸電力取引所における買い入札量が継続的に増加する中で 売り入札量は期待された水準に達していないことが 一部時間帯における価格高騰を発生させる要因の一つであると考えられるため 旧一般電気事業者の小売部門と送配電部門の合計で従来水準を大きく上回る予備力を保有することは 卸電力取引所における取引の流動性を向上させる観点から 見直しが行われる必要がある 2. 旧一般電気事業者の小売部門の予備力についての考え方 ( 供給能力に関する基本的考え方 ) 小売電気事業者は 電気事業法第 2 条の 12 第 1 項に基づき 正当な理由がある場合を除き その小売供給の相手方の需要に応じるために必要な供給能力を確保しなければならない これまでも 小売電気事業者については 通常想定される需要に対応する供給能力に加え 需要の上振れ等の可能性に対応するための一定の予備力の確保が求められてきたところである 6 同時に 需要の上振れ等により供給能力が不足する場合には 市場等から追加的な供給能力を調達することが必要とされてきたところである 特に 旧一般電気事業者の小売部門は エリアの総需要に対して依然として高いシェアを有しており その供給能力の不足は一般送配電事業者が行う需給調整業務に大きな影響を及ぼす可能性がある このため 計画値同時同量制度の下においては 実需給の 1 時間前にあたる GC 時点において 旧一般電気事業者の小売部門として計画値同時同量の達成に努めること ( 特に 供給能力の不足を発生させないよう努めること ) は重要である 逆に GC 時点においては 原則として 旧一般電気事業者の小売部門が予備力を有することは不要であると考えられる 5 電力システム改革専門委員会報告書 ( 平成 25 年 2 月 ) によると スポット市場入札時点において 原則 8% 又は最大電源ユニット相当 の予備力を確保し 時間前市場への投入時点 (GC の 4 時間前 ) において 原則 3~5% 又は最大電源ユニット相当 の予備力を確保し 少なくともそれを超える電源分を市場へ全量投入することとされてきた 6 平成 26 年 9 月 18 日総合資源エネルギー調査会基本政策分科会電力システム改革小委員会制度設計ワーキンググ ループ ( 第 8 回 ) 2

( 一時間前市場の活用可能性 ) 他方で 前述のとおり 一部の旧一般電気事業者の小売部門では 前日時点で一定の予備力を保有しているが GC 時点において供給能力の不足を発生させないための方策としては 前日時点で自社内に予備力を保有することが唯一の方策ではなく 一時間前市場 ( 当日市場 ) 等の活用も考えられるところである なお 旧一般電気事業者の小売部門が自ら保有する前日時点の予備力を削減して卸電力市場に投入し 約定した場合 買い約定した事業者が自らの電源を停止した場合を除き 全体として直ちに供給能力が削減されるものではないため 一時間前市場において買戻しが可能ではないかと考えられる また スポット市場入札時点で 3~5% 程度の予備力を保有している旧一般電気事業者の小売部門も 実需給に近づくとともに需要想定の上振れに対応する予備力の必要性は減少し 一時間前市場開場中には予備力を減少させている 減少させた予備力を旧一般電気事業者の小売部門が互いに一時間前市場に投入すれば 一時間前市場の取引の厚みが増し 仮に 供給能力の不足が生じた場合にも 買戻しが容易になる側面もあると考えられる ただし 現時点においては 一時間前市場の取引によって 旧一般電気事業者の小売部門の供給能力の不足時の買戻しを十分に行うことができるとの確証がないため 段階的に取組を進めることが適当である ( 供給能力確保義務との関係 ) これまでの関係審議会における議論においても GC 時点において 短期間に少しでも供給能力の不足を発生させることが 直ちに小売電気事業者の供給能力確保義務違反を惹起させるものではないとされてきたところである 7 とりわけ 前述のとおり 一般送配電事業者が調整力公募によって 平年 H3 需要の 7% に相当する調整力を確保しており この内数として 3 ~4% 程度の小売需要予測誤差に対応する調整力も含まれているとされる状況 8 においては 一般送配電事業者がこの調整力によって十分に対応できる範囲での供給能力の不足を 旧一般電気事業者の小売部門が卸電力市場の流動性向上に資する取組を行った結果として GC 時点において不足インバランスを発生させることがあったとしても 一時間前市場からの買戻しを含む計画値同時同量達成のための努力を適切に行うことを前提にすれば 頻繁かつ相当量の供給能力不足を発生させるものではない限り 直ちに供給能力確保義務違反となるものではないと考えられる 7 平成 26 年 9 月 18 日総合資源エネルギー調査会基本政策分科会電力システム改革小委員会制度設計ワーキンググループ ( 第 8 回 ) 8 平成 29 年 8 月 9 日電力広域的運営推進機関第 19 回調整力及び需給バランス評価等に関する委員会 3

3. 今後の対応電力 ガス取引監視等委員会として 卸電力市場の流動性を向上させる観点から 旧一般電気事業者の小売部門 ( 沖縄 北海道を除く ) に対し 以下の内容の取組を求めることとしたい なお 今後 例えば安定供給の観点から問題が生じるおそれのある又は生じた場合など 資源エネルギー庁 電力広域的運営推進機関及び一般送配電事業者からの具体的な根拠に基づく要請を踏まえ 適宜見直しを行うこととする スポット市場入札時点 ( 前日午前 10 時時点 ) において 旧一般電気事業者の小売部門は 原則として 9 翌日の自社需要の 0~1% 相当の予備力を超える電源分をスポット市場へ限界費用相当価格で投入すること 10 スポット市場入札時点以後において 旧一般電気事業者の小売部門は 需要の下振れやスポット市場の売れ残りが生じた場合は 原則として 11 自社需要の 0~1% 相当の予備力を超える電源分を一時間前市場開場以降に 順次 できる限り速やかに同市場に投入すること 旧一般電気事業者の小売部門は 一時間前市場への余剰電源投入について 入札可能量の見直し回数を可能な限り増やすなど より精緻な取組を行うこと 併せて 旧一般電気事業者の小売部門は 引き続き 需要計画及び需要予測の正確性向上を図ること GC 時点までに原則として自社需要を超える電源分を全て一時間前市場へ投入すること なお 旧一般電気事業者の小売部門へは スポット市場及び一時間前市場への電源投入のみを求めることとし その約定結果については問わないこととする このため 旧一般電気事業者の小売部門が スポット市場及び一時間前市場へ電源を投入したにもかかわらず 約定せず 結果的に GC 時点で自社需要に対して過大な供給能力を確保していることは問題ないこととする 他方で 一時間前市場における取引の厚みが十分ではなく 旧一般電気事業者の小売部門に 9 再エネ変動誤差等に対応するため 平成 29 年 5 月 31 日の制度設計専門会合 ( 第 18 回 ) においても報告されているとおり 旧一般電気事業者の小売部門が自ら保有する電源 ( 電源 Ⅱと位置づけられるもの ) を 一般送配電事業者からの要請により GC 前にスポット市場や一時間前市場に投入せずに確保する事例がみられるが 現行の調整力公募は指針に則り 電力広域的運営推進機関における議論の結果に基づき 各一般送配電事業者により実施されていることから その運用状況及び旧一般電気事業者の小売部門 ( 沖縄 北海道を除く ) の行動計画の履行状況等を踏まえ 今後 その在り方について 関係機関 ( 電力 ガス取引監視等委員会 資源エネルギー庁 電力広域的運営推進機関 ) において検討を行う 10 本取組より 旧一般電気事業者の小売部門がスポット市場へ投入する電力量の増加が見込まれるが この増加分については グロス ビディングとして各社から表明されている取引量へは影響が想定されないと考えられる 11 脚注 9 と同じ 4

よる買戻しを十分に行うことができるかとの確証がない現時点における措置として 以下の考え方に基づき 現状ではスポット市場入札時点で各コマ需要予測の 1% 超の予備力を保有する旧一般電気事業者の小売部門については 段階的に予備力削減に向けた取組を進めることを求めるとともに 旧一般電気事業者の小売部門には 具体的な行動計画の提出及びその履行状況の報告を求めることとする 平成 29 年 11 月以降 旧一般電気事業者の小売部門は スポット市場入札時点 ( 前日午前 10 時時点 ) において 原則として 12 翌日の自社需要の 2~3% 相当の予備力を超える電源分をスポット市場へ限界費用相当価格で投入することとし また スポット市場入札時点以後において 需要の下振れやスポット市場の売れ残りが生じた場合は 原則として 13 自社需要の 2~3% 相当の予備力を超える電源分を一時間前市場開場以降に 順次 できる限り速やかに同市場に投入することとする ) 1415 旧一般電気事業者の小売部門は 一時間前市場への余剰電源投入について 入札可能量の見直し回数を可能な限り増やすなど より精緻な取組を行うこと 併せて 旧一般電気事業者の小売部門は 引き続き 需要計画及び需要予測の正確性向上を図ること GC 時点までに原則として自社需要を超える電源を全て一時間前市場へ投入すること 平成 29 年 11 月以降の行動計画の履行状況等を踏まえ 安定供給の観点から特段の問題が生じると判断されない限り 16 1 年後 ( 平成 30 年 11 月 ) を目途に 他の旧一般電気事業者の小売部門と同様の運用 ( 翌日の自社需要の 0~1% 相当の予備力を超える電源分をスポット市場へ投入する等 ) を開始することとする 12 13 脚注 9 と同じ 脚注 9 と同じ 14 スポット市場においては 旧一般電気事業者の小売部門による 1 売買両建てによる 2 限界費用ベースでの 3 余剰電力の全量投入という自主的取組が行われてきたが 一時間前市場ではこのような取組は存在しない このため 旧一般電気事業者の小売部門は 一時間前市場において エリアプライスを参考に売り入札を行っていることも多く 今後の状況によって 問題が生じる場合には 一時間前市場に関する追加的な方策を検討する 15 また 一時間前市場を活用しない理由として 一部の旧一般電気事業者の小売部門からは一時間前市場の流動性の低さを指摘する声がある 一時間前市場においては 旧一般電気事業者の小売部門を中心に アイスバーグ方式 が採用されているため 市場へ余剰全量投入が行われているかの判断が外形的に容易ではなく 市場の流動性を判断し難しい状況となっている このため 経過措置期間の一時間前市場における流動性の状況を電力 ガス取引監視等委員会がモニタリングし 必要な検討を行う 16 平成 29 年 11 月以降 旧一般電気事業者の小売部門が スポット市場入札時点で 原則として 翌日の自社需要の 2~3% 相当の予備力を超える電源分をスポット市場へ投入する取組等を行った結果として 電源の解列量が増加し エリアの供給能力の減少が需給に与える影響について 安定供給上の観点から検証することとする 5