背景日本消化器内視鏡学会は 消化器内視鏡に関連した偶発症を 1983 年から 5 年毎に全国的に調査し これまでに 5 回の発表を行ってきた 5 回目の調査は 2003 年から 2007 年まで行われ その結果は 2010 年に本学会誌に公表されている 本研究は 全国調査を継続して行う目的で 200

Similar documents
課題名

12_モニタリングの実施に関する手順書 

埼玉医科大学倫理委員会

する 研究実施施設の環境 ( プライバシーの保護状態 ) について記載する < 実施方法 > どのような手順で研究を実施するのかを具体的に記載する アンケート等を用いる場合は 事前にそれらに要する時間を測定し 調査による患者への負担の度合いがわかるように記載する 調査手順で担当が複数名いる場合には

患者さんへの説明書

医療事故防止対策に関するワーキング・グループにおいて、下記の点につき協議検討する

1. ストーマ外来 の問い合わせ窓口 1 ストーマ外来が設定されている ( はい / ) 上記外来の名称 対象となるストーマの種類 7 ストーマ外来の説明が掲載されているページのと は 手入力せずにホームページからコピーしてください 他施設でがんの診療を受けている または 診療を受けていた患者さんを

3. 本事業の詳細 3.1. 運営形態手術 治療に関する情報の登録は, 本事業に参加する施設の診療科でおこなわれます. 登録されたデータは一般社団法人 National Clinical Database ( 以下,NCD) 図 1 参照 がとりまとめます.NCD は下記の学会 専門医制度と連携して

北里大学病院モニタリング 監査 調査の受け入れ標準業務手順 ( 製造販売後臨床試験 ) 第 1 条 ( 目的 ) 本手順書は 北里大学病院において製造販売後臨床試験 ( 以下 試験とする ) 依頼者 ( 試験依頼者が業務を委託した者を含む 以下同じ ) が実施する直接閲覧を伴うモニタリング ( 以下

医師主導治験取扱要覧

<4D F736F F D208CE38AFA97D58FB08CA48F438C7689E681698CE088E397C3835A E815B816A2E646F63>

臨床試験の実施計画書作成の手引き

<4D F736F F D208EA18CB182C98AD682B782E995578F808BC696B18EE88F878F E38E748EE593B1816A E7B8D732E646F637

院内がん登録における発見経緯 来院経路 発見経緯がん発見のきっかけとなったもの 例 ) ; を受けた ; 職場の健康診断または人間ドックを受けた 他疾患で経過観察中 ; 別の病気で受診中に偶然 がん を発見した ; 解剖により がん が見つかった 来院経路 がん と診断された時に その受診をするきっ

査を実施し 必要に応じ適切な措置を講ずること (2) 本品の警告 効能 効果 性能 用法 用量及び使用方法は以下のとお りであるので 特段の留意をお願いすること なお その他の使用上の注意については 添付文書を参照されたいこと 警告 1 本品投与後に重篤な有害事象の発現が認められていること 及び本品

5. 乳がん 当該疾患の診療を担当している診療科名と 専門 乳房切除 乳房温存 乳房再建 冷凍凝固摘出術 1 乳腺 内分泌外科 ( 外科 ) 形成外科 2 2 あり あり なし あり なし なし あり なし なし あり なし なし 6. 脳腫瘍 当該疾患の診療を担当している診療科名と 専

岩手医科大学医学部及び附属病院における人を対象とする医学系研究に係るモニタリング及び監査の実施に関する標準業務手順書 岩手医科大学医学部及び附属病院における 人を対象とする医学系研究に係る モニタリング及び監査の実施に関する標準業務手順書 岩手医科大学 第 1.0 版平成 29 年 10 月 1 日

< A815B B83578D E9197BF5F906697C38B40945C F92F18B9F91CC90A72E786C73>

【押印あり】日本医学会宛

Microsoft Word - 03 大腸がんパス(H30.6更新).doc

スライド 1

9 中止基準 ( 研究対象者の中止 研究全体の中止について ) 10 研究対象者への研究実施後の医療提供に関する対応 通常の診療を超える医療行為 を伴う研究を実施した場合 研究実施後において 研究対象者が研究の結果より得られた利用可能な最善の予防 診断及び治療が受けられるように努めること 11 研究

事業評価のためのチェックリスト ( 単位 : %) (2) 平成 27 年度の原発がんに対する早期がん割合を把握しましたか 肺がんでは臨床病期 Ⅰ 期がん割合 乳がんでは臨床病期 Ⅰ 期までのがん割合を指す (2-1)

標準業務手順 目次

Yonago Medical Center Magazine ARCUS #20 May 2018

1. はじめに ステージティーエスワンこの文書は Stage Ⅲ 治癒切除胃癌症例における TS-1 術後補助化学療法の予後 予測因子および副作用発現の危険因子についての探索的研究 (JACCRO GC-07AR) という臨床研究について説明したものです この文書と私の説明のな かで わかりにくいと

1. 来院経路別件数 非紹介 30 他疾患経過 10 自主受診観察 紹介 20 他施設紹介 合計 患者数 割合 12.1% 15.7% 72.2% 100.0% 27.8% 72.2% 100.0% 来院経路別がん登録患者数 がん患者がどのような経路によって自施設を受診し

針刺し切創発生時の対応


は関連する学会 専門医制度と連携しており, 今後さらに拡大していきます. 日本外科学会 ( 外科専門医 ) 日本消化器外科学会 ( 消化器外科専門医 ) 消化器外科領域については, 以下の学会が 消化器外科データベース関連学会協議会 を組織して,NCD と連携する : 日本消化器外科学会, 日本肝胆

<4D F736F F D E34208EA18CB18EE891B182AB977697CC C8E8DB782B591D682A688CB978A>

別紙様式第1

岸和田徳洲会病院 当院では以下の研究に協力し情報を提供しております この研究は 国が定めた指針に基づき 対象となる患者さまのお一人ずつから直接同意を得るかわりに 研究の目的を含む研究の実施についての情報を公開しています 研究結果は学会等で発表されることがありますが その際も個人を特定する情報は公表し

資料1_事業実施計画書

(目的)

平成 29 年度九段坂病院病院指標 年齢階級別退院患者数 年代 10 代未満 10 代 20 代 30 代 40 代 50 代 60 代 70 代 80 代 90 代以上 総計 平成 29 年度 ,034 平成 28 年度 -

当施設では 骨盤骨折に対する血管内塞栓術と殿筋壊死の関連性 に関する後ろ向き症例集積研究を行っております 骨盤骨折は交通事故や転落 転倒など種々の外傷で生じる比較的頻度の高い外傷です 当施設でも年間約 10~20 例程度の入院治療を行っております 一般的に骨盤骨折により 1000~2000mL 出血

<4D F736F F D20819B8CA48B868C7689E68F D A8CA9967B5F E646F63>

PowerPoint プレゼンテーション

2-1消化器.doc

症例報告書の記入における注意点 1 必須ではない項目 データ 斜線を引くこと 未取得 / 未測定の項目 2 血圧平均値 小数点以下は切り捨てとする 3 治験薬服薬状況 前回来院 今回来院までの服薬状況を記載する服薬無しの場合は 1 日投与量を 0 錠 とし 0 錠となった日付を特定すること < 演習

Microsoft Word - todaypdf doc

透析看護の基本知識項目チェック確認確認終了 腎不全の病態と治療方法腎不全腎臓の構造と働き急性腎不全と慢性腎不全の病態腎不全の原疾患の病態慢性腎不全の病期と治療方法血液透析の特色腹膜透析の特色腎不全の特色 透析療法の仕組み血液透析の原理ダイアライザーの種類 適応 選択透析液供給装置の機能透析液の組成抗

手順書03

しかしながら ERCP 関連手技は 通常観察の上部消化管内視鏡 ( いわゆる胃カメラ ) と異なり 長時間の治療時間を伴う場合も多く 処置中の苦痛度を増強させる要因となりえます そこで 通常 ERCP 関連手技を行う際には 鎮静麻酔薬によって眠った状態になっていただき 処置中の苦痛度を軽減しておりま

臨床研究に関する研修会1

診療情報を利用した臨床研究について 虎の門病院肝臓内科では 以下の臨床研究を実施しております この研究は 通常の診療で得られた記録をまとめるものです この案内をお読みになり ご自身がこの研究の対象者にあたると思われる方の中で ご質問がある場合 またはこの研究に 自分の診療情報を使ってほしくない とお

1. ストーマ外来 の問い合わせ窓口 1 ストーマ外来が設定されている ( / ) 上記外来の名称 ストマ外来 対象となるストーマの種類 コロストーマとウロストーマ 4 大腸がん 腎がん 膀胱がん ストーマ管理 ( 腎ろう, 膀胱ろう含む ) ろう孔管理 (PEG 含む ) 尿失禁の管理 ストーマ外

3 治験実施計画書目的 当該治験について 治験実施計画書が手順書に従い適切に作成及び改訂されていることを確認する 次の事項を調べる (1) 治験実施計画書の記載項目 ( 再生医療等製品 GCP 省令第 7 条第 1 項に規定する項目 ) (2) 治験実施計画書の作成 改訂の手順と日付 (3) 治験計

後天性血友病アンケート(Homepage用)

倫理委員会審査手順書

目 次 統計の説明 部位( 中分類 ) 別男女別腫瘍数 1 部位別腫瘍数 < 総数グラフ> 2 部位別腫瘍数 < 男性グラフ> 3 部位別腫瘍数 < 女性グラフ> 4 部位( 中分類 ) 別年齢階層別腫瘍数 5 部位( 中分類 ) 別来院経路別腫瘍数 6 来院経路別腫瘍数 <グラフ> 7 部位( 中

研究課題名 臨床研究実施計画書 研究責任者 : 独立行政法人地域医療推進機構群馬中央病院 群馬県前橋市紅雲町 1 丁目 7 番 13 号 Tel: ( 内線 )Fax: 臨床研究期間 : 年月 ~ 年月 作成日 : 年月日 ( 第 版

4 月 20 日 2 胃癌の内視鏡診断と治療 GIO: 胃癌の内視鏡診断と内視鏡治療について理解する SBO: 1. 胃癌の肉眼的分類を列記できる 2. 胃癌の内視鏡的診断を説明できる 3. 内視鏡治療の適応基準とその根拠を理解する 4. 内視鏡治療の方法 合併症を理解する 4 月 27 日 1 胃

cc2_60_06

<4D F736F F D208FC189BB8AED93E089C85F B CF8AB E646F63>

第 4 章治験責任医師の業務 目次 1. 目的と適用範囲 1 2. 治験責任医師の要件 1 3. 治験実施計画書の遵守に関する合意 1 4. 同意説明文書の作成 1 5. 治験分担医師及び治験協力者のリストの作成 2 6. 治験の実施依頼 ( 新規 変更 継続 ) 3 7. 治験の実施等の了承 3

臨床の実際 - 消化器内科編 - 本年度 ( 平成 28 年度 ) は当科の体制にも変更があり 個人的な感想としてはスクランブル体制といった感じで始まりました 近隣の先生方にはご心配ご不便をお掛けしたこととと思いまして 本年度の当科 ( 胆膵 消化管診療 ) の治療成績を一部まとめてみました ERC

料 情報の提供に関する記録 を作成する方法 ( 作成する時期 記録の媒体 作成する研究者等の氏名 別に作成する書類による代用の有無等 ) 及び保管する方法 ( 場所 第 12 の1⑴の解説 5に規定する提供元の機関における義務 8 個人情報等の取扱い ( 匿名化する場合にはその方法等を含む ) 9

消化性潰瘍(扉ページ)

目 次 1. はじめに 2. 臨床研究とは 3. 研究の目的 意義 4. 研究の対象と方法 5. 研究への自由意志参加 同意取消しの自由 6. 研究責任者 組織 7. 研究の場所 期間 8. 研究試料と情報の取り扱い 9. 研究結果の扱い 10. 研究資金源 11. 利益相反 12. 研究参加者の負

untitled

目 次 統計の説明 部位( 中分類 ) 別男女別腫瘍数 1 部位別腫瘍数 < 総数グラフ> 2 部位別腫瘍数 < 男性グラフ> 3 部位別腫瘍数 < 女性グラフ> 4 部位( 中分類 ) 別年齢階層別腫瘍数 5 部位( 中分類 ) 別来院経路別腫瘍数 6 来院経路別腫瘍数 <グラフ> 7 部位( 中

5. 死亡 (1) 死因順位の推移 ( 人口 10 万対 ) 順位年次 佐世保市長崎県全国 死因率死因率死因率 24 悪性新生物 悪性新生物 悪性新生物 悪性新生物 悪性新生物 悪性新生物 位 26 悪性新生物 350

Microsoft Word _発刊にあたって.doc

同意説明文書(見本)

Microsoft Word - JONIE-TR 患者説明書.docx

表 Ⅲ 46 診療記録調査 対象患者背景 n % n % 性別 1) 専門的緩和ケアの診療日数 男性 % 平均 ± 標準偏差 79.5 ± 女性 % 緩和ケア病棟入院回数 年齢 1 回 % 平均 (± 標準偏差 ) 70.4 ± 12

研究課題 : Niti-S 大腸ステント多施設共同前向き安全性観察研究 に関する計画書 申請者 ( 実施責任者 ) 所属埼玉医科大学総合医療センター消化管 一般外科氏名松澤岳晃 1. 背景, 意義, 目的背景 : これまで, 本邦では大腸狭窄に対する金属ステントは薬事認可も保険収載もなかったため,

京都府立医科大学附属病院

名称未設定

第2次JMARI報告書

indd

日本消化器内視鏡学会専門医研修カリキュラム 総論 1. 消化器内視鏡専門医としての研修目標 1) 消化器内視鏡医としてのプロフェッショナリズム A A 2) どのような専門医であるべきか A A 3) 消化器内視鏡専門医として心得ておくべきこと 1 消化器内視鏡医の倫理 患者の人権 A A 2 説明

                       三重大学医学部附属病院臨床研究開発センター

<様式2> 個人情報ファイル簿(単票)

臨床研究許可申請書の提出に際しての留意事項

目 次 統計の説明 部位( 中分類 ) 別男女別腫瘍数 1 部位別腫瘍数 < 総数グラフ> 2 部位別腫瘍数 < 男性グラフ> 3 部位別腫瘍数 < 女性グラフ> 4 部位( 中分類 ) 別年齢階層別腫瘍数 5 部位( 中分類 ) 別来院経路別腫瘍数 6 来院経路別腫瘍数 <グラフ> 7 部位( 中

U 開腹手術 があります で行う腎部分切除術の際には 側腹部を約 腎部分切除術 でも切除する方法はほぼ同様ですが 腹部に があります これら 開腹手術 ロボット支援腹腔鏡下腎部分切除術を受けられる方へ 腎腫瘍の治療法 腎腫瘍に対する手術療法には 腎臓全体を摘出するU 腎摘除術 Uと腫瘍とその周囲の腎

平成19年度消化器内科後期研修プログラム

PowerPoint プレゼンテーション

腹腔鏡下前立腺全摘除術について

Microsoft PowerPoint - 薬物療法専門薬剤師制度_症例サマリー例_HP掲載用.pptx

疫学研究の病院HPによる情報公開 様式の作成について

h29c04

九州大学病院の遺伝子治療臨床研究実施計画(慢性重症虚血肢(閉塞

Microsoft Word - *Xpert Flu検討 患者用説明書 修正.docx

この PDF では 大腸がんの治療方針を考えるお手伝いをします 大腸がんの治療法には 主に内視鏡的治療 外科療法 放射線療法 化学療法があります が 可能となる治療選択肢は がんの状態やあなた自身の状態によって変わります あなたのご自身の状態を知ることは大切です 不明なことは医師に相談しましょう 2

PowerPoint プレゼンテーション

正誤表 正誤箇所 誤 正 医科 - 基本診療料 -35/47 注 3 診療に係る費用 ( 注 2 及び注 4に規定する加算 注 3 診療に係る費用 ( 注 2 及び注 4に規定する加算 注の見直し 当該患者に対して行った第 2 章第 1 部医学管理等の 当該患者に対して行った第 2 章第 1 部医学

国立病院機構大阪医療センター受託研究取扱細則

新 消化器内視鏡専門医制度 専門医研修カリキュラム について 研修カリキュラムは新 消化器内視鏡専門医が修得する消化器内視鏡全分野の研修内容を網羅したものとなっている 消化器内視鏡分野は日々発展を遂げており 専門化 多様化しているため 消化器内視鏡領域をすべて理解し 達成することは不可能と思われる

クリニック用 胃カメラ ( 食道 胃 十二指腸内視鏡 ) の診療行為説明内容の確認と同意書 説明書を読んで わからない点がありましたら 質問して下さい 納得できない場合は他の医師の意見 ( セカンドオピニオン ) を聞くことをお薦めします 納得された方は同意書にご署名の上 検査当日にご提出下さい ご

宮城県立がんセンター受託研究業務手順書

アンケート回答 19 施設 ( 順不同 ) 奈良県立医科大学消化器外科順天堂大学下部消化管外科市立函館病院消化器内科調布外科消化器科内科クリニック東京都多摩がん検診センター市立旭川病院消化器病センター山形大学医学部第 2 内科産業医科大学第 1 外科国立がんセンター中央病院内視鏡部福岡大学築柴病院福

Microsoft PowerPoint _manual.ppt

葉酸とビタミンQ&A_201607改訂_ indd

Microsoft PowerPoint - 運用 [互換モード]

医療法人高幡会大西病院 日本慢性期医療協会統計 2016 年度

1)表紙14年v0

Transcription:

研究計画書 消化器内視鏡に関連した偶発症の後ろ向き全国調査 日本消化器内視鏡学会医療安全委員会 目次 背景... 2 1. 目的... 2 2. 対象並びに患者選択基準及び除外基準... 2 3. 試験デザインおよび割り付け 登録... 2 4. 患者の同意... 3 5. 観察 検査項目及び時期... 3 6. 合併症 不具合... 7 7. 中止 中断... 7 8. 予想される有害事象... 7 9. 評価... 8 10. 研究の安全性を確保するための事項... 8 11. 研究実施計画書の変更及び研究中止の手順... 8 12. 記録等の収集 公表及び保存... 8 13. 目標症例数 研究実施期間... 8 14. 研究実施体制... 9 15. 研究費の取扱い... 9 16. ヘルシンキ宣言およびGCPの遵守... 9 1

背景日本消化器内視鏡学会は 消化器内視鏡に関連した偶発症を 1983 年から 5 年毎に全国的に調査し これまでに 5 回の発表を行ってきた 5 回目の調査は 2003 年から 2007 年まで行われ その結果は 2010 年に本学会誌に公表されている 本研究は 全国調査を継続して行う目的で 2008 年から 2012 年の5 年間に生じた偶発症を新たに調査するものである 1. 目的本研究は後ろ向きに 2008 年から 2012 年の5 年間に発生した偶発症 (1 術者側の事故数 2 前処置と感染に関する偶発症発生数 3 消化器内視鏡の検査総数および偶発症発生数 ( 生検を含む観察のみ ) 4 内視鏡治療の実施例数および偶発症発生数 5 腹腔鏡における検査および治療総数と偶発症発生数 ) について調査を行う さらに 発生した偶発症の詳細を明らかにするために 各項目別にケースカードに記載 ( 入力 ) する すなわち 1ケースカード1 術者側の事故 2ケースカード2-(1) 前処置における偶発症 3ケースカード2-(2) 検査に伴う感染症 4ケースカード3 観察 ( 生検を含む ) のみの消化器内視鏡関連偶発症 5ケースカード4 内視鏡治療関連偶発症 6ケースカード5 腹腔鏡関連偶発症 ( 外科的治療は除く ) である これらを検討し 消化器内視鏡に関連した偶発症の実態を明らかにするものである 2. 対象並びに患者選択基準及び除外基準 (1) 対象 2008 年から 2012 年の5 年間に実施された消化器内視鏡検査 治療全例 (2) 選択基準 年齢 性別は問わない 入院外来の別は問わない (3) 除外基準 特にない 3. 試験デザインおよび割り付け 登録本研究は多施設共同 後ろ向き観察研究として実施する 研究責任医師または分担研究医師は 2008 年から 2012 年の5 年間に連続して実施された消化器内視鏡検査 治療全例について 実施された消化器内視鏡件数および関連して発生した偶発症件数を調査する さらに 偶発症が発生した症例についてケースカードに記載する なお ケースカードには施設名 年齢 性を除き 個人を特定する情報 ( 名前 I D 住所など) は記載 ( 入力 ) しない 調査された検査数および偶発症発生数 ケースカードは浜松医大の臨床研究用サーバーに入力する なお 調査票原本は共同研究実施機関 ( 日本消化器内視鏡学会指導施設 ) の研究責任者が保管する 入力された情報は医療安全委員会にて集計 解析し 本学会誌に 2

公表する 公表に当たり個人を特定する情報は記載しない 4. 患者の同意本調査は 2008 年から 2012 年の5 年間の間に発生した消化器内視鏡に関連した偶発症に対する後ろ向きの調査である すでに 消化器内視鏡検査 治療は行われており 新たに同意を得る必要はない しかも この5 年間に行われた消化器内視鏡検査 治療はいずれも被験者に検査の意義 目的 偶発症について説明し 同意を得たもとで行われている ただし 当該臨床研究の目的を含む研究の実施についての情報を公開しなければならない そのため 本研究では 倫理審査委員会で承認の得られた文書を研究実施施設のホームページなどに掲載することにより 情報公開を行うこととする 情報公開用文書には 以下の内容を含むものとする 1 研究の目的 ( 意義 ) 対象 方法( 利用する情報 ) 2 実施組織名 責任者名 連絡先 3 個人情報の取り扱い方法 5. 観察 検査項目および時期 (1) 試験の流れ 1) 主要目的消化器内視鏡 ( 観察 生検 治療 ) 偶発症発生の確認 登録 (2) 観察項目 測定項目 1) 主要調査項目分担研究医師は 消化器内視鏡 ( 観察 生検 治療 ) 数および 対象患者において発生した偶発症数を調べる 2) 二次調査項目分担研究医師は 対象患者について 発生した偶発症別に下記の事項をそれぞれ調べ ケースカードに記載する 1 ケースカード1 術者側の事故 年齢 性別 発生年: 検査状況: ルーチン内視鏡 緊急内視鏡 治療内視鏡 発生事故: 感染事故 消毒薬に起因する障害 感電事故 その他 転帰: 回復 後遺症あり 死亡 1. 感染事故の内訳 感染の種類:HBV 感染 HCV 感染 HIV 感染 その他 感染経路: 針刺し その他 3

感染者: 医師 コメディカル 2. 消毒液に起因する障害の内訳 消毒薬の種類: グルタールアルデヒド フタラール 強酸性水 その他 障害の種類: 眼障害 皮膚障害 喘息 その他 受障害者: 医師 コメディカル 3. 感電事故の内容 4. その他の内容 2 ケースカード2-(1) 前処置における偶発症 年齢 性別 発生年: 原疾患: 具体的に 検査の目的部位: 上部消化管 小腸 下部消化管 胆道 膵 腹腔 その他 検査( 治療 ) 目的 内容 : ルーチン内視鏡 緊急内視鏡 治療内視鏡 原因となった前処置: 咽頭麻酔薬 鼻腔麻酔薬 局所麻酔薬 鎮痙攣薬 鎮静 鎮痛薬 腸管洗浄薬 抗血栓薬の休薬 原因が同定できないが前処置に関連したもの 咽頭麻酔薬: キシロカインビスカス ( ml) キシロカイン液( ml) その他 鼻腔麻酔薬等 : キシロカインビスカス ( ml) キシロカイン液( ml) 血管収縮薬 その他 局所麻酔薬:( 具体的に ) 鎮痙薬: 臭化ブチルスコポラミン ( 筒 ) 筋注静注グルカゴン ( 筒 ) 筋注静注硫酸アトロピン ( 筒 ) 筋注静注その他 ( 具体的に ) 鎮静 鎮痛薬: ジアゼパム ( mg) 筋注静注フルニトラゼパム ( mg) 筋注静注ミダゾラム ( mg) 筋注静注塩酸ペチジン ( mg) 筋注静注ヒドロキシジン ( mg) 筋注 静注ペンタゾシン ( mg) 筋注静注その他 ( 具体的に ) 腸管洗浄薬: ビジクリア マグコロール ニフレック モビプレックス その他 抗血栓薬の休薬: 抗血小板薬 抗凝固薬 原因が同定できないが前処置に関連したもの: 偶発症の種類: 皮疹 呼吸抑制 低酸素血症 不整脈 ショック 呼吸停止 4

心停止 イレウス 腸管穿孔 腎不全 誤嚥 血栓塞栓症 その他 ( 具体的に ) 転帰: 治癒 軽快 後遺症あり ( 具体的に ) 死亡 患者との医療紛争と対応: なし あり ( 示談 裁判 : 係争中 裁判 : 和解 裁判 : 判決 ( その内容 )) その他( 具体的に ) 3 ケースカード2-(2) 検査に伴う感染症 年齢 性別 発生年: 感染症の種類:HBV HCV HIV ヘリコバクター ピロリ 敗血症( 原因菌 ) その他 ( 具体的に ) 検査部位: 上部 下部 膵胆管 その他 ( 具体的に ) 検査内容: 観察 生検 治療 造影検査 その他 ( 具体的に ) 感染経路: 注射 経内視鏡 処置具 ( 生検鉗子含む ) その他( 具体的に ) 転帰: 治癒 慢性化 死亡 その他 ( 具体的に ) 4 ケースカード3 観察 ( 生検を含む ) のみの消化器内視鏡に関連した偶発症 年齢 性別 発生年 機種など: 上部消化管スコープ ( 経鼻 ) 上部消化管スコープ( 経口 ) バルーン小腸スコープ ( 経口的 ) バルーン小腸スコープ( 経肛門的 ) 小腸スコープ ( その他 ) 大腸スコープ 側視型十二指腸スコープ(ERCP 等を含む ) バルーン小腸スコープ(ERCP) 超音波内視鏡(EUS) 専用機 ( 上部 ) EUS 専用機 ( 下部 ) EUS 専用機 ( 胆膵 ) EUS プローブ ( 上部 ) EUS プローブ ( 下部 ) 管腔内超音波検査(IDUS)( 胆管 ) IDUS( 膵管 ) 膵管スコープ 胆道 胆嚢スコープ( 経皮経肝的 ) 胆道 胆嚢スコープ ( 経口的 ) カプセル内視鏡 その他( 具体的に ) 原疾患: 具体的に 検査状況 : ルーチン内視鏡 緊急内視鏡 検査内容: 観察のみ 生検 偶発症の発生部位: 口腔 食道 胃 十二指腸 ( 球部下行部水平部主 副乳頭 ) 小腸 大腸( 盲腸上行結腸横行結腸下行結腸 S 状結腸直腸肛門 ) 胆道 膵 その他 ( 具体的に ) 偶発症の種類: 出血 ( 輸血もしくは入院を必要としたもの ) 穿孔 皮下気腫 抜去困難 鼻出血 裂創 誤嚥 気管支痙攣 頚部フレグモーネ 5

下顎骨脱臼 歯牙損傷 気胸 塞栓症 急性膵炎 急性胆道炎 腹膜炎 後腹膜炎 縦隔炎 滞留 その他 ( 具体的に ) ショック 心停止 呼吸停止原因を具体的に 偶発症の発生要因: 検査手技に関連した要因 原疾患に関連した要因 ( 具体的に ) 原疾患の治療薬に関連した要因 既往歴に関連した要因 ( 具体的に ) 不明 偶発症に対する処置: 保存的治療 内視鏡的治療 ( 具体的に ) 手術( 具体的に ) 転帰: 治癒 軽快 後遺症あり ( 具体的に ) 死亡 患者との医療紛争と対応: なし あり ( 示談 裁判 : 係争中 裁判 : 和解 裁判 : 判決 ( その内容 )) その他( 具体的に ) 5 ケースカード4 内視鏡治療関連偶発症 年齢 性別 発生年: 治療手技: 止血治療 ( 局注 クリップなど ) 静脈瘤治療( 硬化療法 EVL シアノアクリレート その他 ) 腫瘍治療( ポリペクトミー EMR ESD 熱凝固法など ) 消化管狭窄解除( バルーン ブジー ステント ) 異物除去 胃瘻増設 (PEG) PTEG ERCP 関連 (EBD EST EPBD 胆管ステント 膵管ステント ) PTCS EUS 下穿刺 その他 ( 具体的に ) 原疾患: 具体的に 治療状況 : 予定治療 緊急治療 偶発症の発生部位: 口腔 食道 胃 十二指腸 ( 球部下行部水平部主 副乳頭 ) 小腸 大腸( 盲腸上行結腸横行結腸下行結腸 S 状結腸直腸肛門 ) 胆道 膵 その他 ( 具体的に ) 偶発症の種類: 出血 ( 輸血もしくは入院を必要としたもの ) 穿孔 皮下気腫 抜去困難 裂創 誤嚥 気管支痙攣 頚部フレグモーネ 下顎骨脱臼 歯牙損傷 気胸 塞栓症 急性膵炎 急性胆道炎 腹膜炎 後腹膜炎 縦隔炎 肺炎 その他 ( 具体的に ) ショック 心停止 呼吸停止原因を具体的に 偶発症の発生要因: 検査手技に関連した要因 原疾患に関連した要因 ( 具体的に ) 原疾患の治療薬に関連した要因 既往歴に関連した要因 ( 具体的に ) 不明 偶発症に対する処置: 保存的治療 内視鏡的治療 ( 具体的に ) 手術( 具体的に ) 転帰: 治癒 軽快 後遺症あり ( 具体的に ) 死亡 患者との医療紛争と対応: なし あり ( 示談 裁判 : 係争中 裁判 : 和解 6

裁判 : 判決 ( その内容 )) その他 ( 具体的に ) 6 ケースカード5 腹腔鏡関連偶発症 ( 外科的治療は除く ) 年齢 性別 発生年 原疾患: 肝疾患 その他 ( 具体的に ) 前処置: 注射 ( 薬剤名 ) 経口薬( 薬剤名 ) 局麻使用薬剤 ( %) を ( ml) 使用 検査 治療内容: 観察のみ 肝生検 腫瘍焼灼 その他 ( 具体的に ) 気腹: なし ありの場合 ( 注射器 二連球 気腹器 自動気腹器 その他 ) 生検針: シルバーマン針 メンジニ針 トゥルーカット (Top) 針 鉗子生検 偶発症の種類: 出血 ( 輸血を必要としたもの ) 皮下気腫 穿孔( 部位 ) 胆汁性腹膜炎 化膿性腹膜炎 急性膵炎 急性胆道炎 後腹膜炎 肺塞栓 臓器損傷 ( 血管 胸管 肺 腸管 肝臓 胆管 脾臓 その他 ) その他( 具体的に ) 偶発症の発生要因: 検査手技に関連した要因 原疾患に関連した要因 ( 具体的に ) 原疾患の治療薬に関連した要因 既往歴に関連した要因 ( 具体的に ) 不明 偶発症に対する処置: 保存的治療 手術 ( 術式 ) 転帰: 治癒 軽快 後遺症あり ( 具体的に ) 死亡 患者との医事紛争と対応: ありの場合 ( 示談 裁判 ; 係争中 裁判 ; 和解裁判 ; 判決 ( その内容 )) その他( 具体的に ) 6. 合併症 不具合本研究は後ろ向きの研究であり すでに行われた内視鏡検査 治療について調査するものである 従って 新たに発生する合併症 不具合はない そのため 本研究のために 不利益あるいは危険性が増加することは無い 7. 中止 中断倫理審査委員会により中止の勧告あるいは指示があった場合には研究を中断する 主任研究者は 本研究を中止または中断した場合には 実施医療機関の長に速やかにその旨を文書で報告するとともに 研究代表者に報告する 8. 予想される有害事象通常の診療の一環として行われた消化器内視鏡に対する調査であり 本研究のために 新たな有害事象が生じる可能性極めて低い しかし 本研究は消化器内視鏡関連の偶発症を確認するものであり 有害事象そのものが調査項目である 2003 年より 2007 年までの 5 7

年間における偶発症数は検査総数 12,563,287 件のうち 前処置に関連するもの 466 件 検査 治療に関連するもの 6,776 件の計 7,242 件 (0.057%) であったと報告されている 9. 評価 15 年間に実施された内視鏡検査総数と消化器内視鏡に関連する偶発症の発生総数 2 前処置に関連する偶発症 3 感染症に関連した偶発症 4 鎮静薬の使用状況 5 機種別の偶発症数 6 手技別の偶発症数 7 偶発症の種類などを年齢 性別 原疾患などで比較し総合的に解析する 10. 研究の安全性を確保するための事項本研究は通常診療範囲内で行われるため 研究によって個人への不利益や危険性が新たに生ずる可能性は極めて少ない しかし 健康被害が発生した場合や 何らかの偶発症が生じた場合には 分担研究医師は速やかに最善の処置を適切に講じる 11. 研究実施計画書の変更及び研究中止の手順研究実施計画書の変更または中止の必要性が生じた際は 共同研究代表責任者はその内容 理由を分担研究医師に速やかに連絡する 分担研究医師は実施計画書の重大な変更または中止の場合には 各実施医療機関長へその旨を文書で報告し 了承を得る また その妥当性を各実施医療機関長の倫理審査委員会が承認していることを確認する 12. 記録等の収集 公表及び保存 (1) データの収集 公表研究担当医師は 患者から調査した事項をケースカードに記載 ( 入力 ) する ケースカードには特定の個人を識別することが可能な情報は記入 ( 入力 ) しない ケースカードは各施設の研究責任医師が厳重に管理し 施設外には個人情報の持ち出しを行わない ( 連結可能匿名化 ) 本研究結果の公表については 日本消化器内視鏡学会医療安全委員会により決定し 適切な時期に学会発表および論文投稿等を行う 学会や論文などで結果を公表する場合にも症例番号を使用し 被験者を特定できる情報は使用しない (2) 記録等の保存本研究に係る記録類 ( 倫理審査申請書類の控え 医療機関長からの通知文書 各種申請書 報告書の控え その他データの信頼性を保証するのに必要な書類または記録等 ) は 本研究終了後も各研究実施医療機関で定められた手順により適切に保存する ケースカード原本は保管期限を研究終了後 5 年間とする ケースカード原本についてさらに長期の保管を必要とする医療機関においては保管方法について日本消化器内視鏡学会医療安全委員会と各研究実施医療機関との間で協議する 8

13. 目標症例数 研究実施期間 (1) 目標症例数総内視鏡件数を 12,000,000 例と設定し そのうち最新の調査報告をもとに偶発症発生の可能性が考えられる 7,000 例を目標症例数とする < 設定理由 > 各施設により症例数は異なるが 全国の日本消化器内視鏡学会指導施設 1278 施設に研究を依頼することから上記件数は妥当であると考える (2) 研究期間対象患者エントリー期間 : 倫理審査承認後から1 年間 14. 研究実施体制 本研究は日本消化器内視鏡学会医療安全委員会が行う多施設共同研究である 日本消化 器内視鏡学会指導施設 1278 施設が参加する (1) 研究実施医療機関 1) 共同研究代表責任者日本消化器内視鏡学会安全委員会担当理事加藤元嗣北海道大学病院光学医療診療部部長 060-8648 札幌市北区北 14 条西 5 丁目 TEL: 011-716-1161 E-mail: m-kato@med.hokudai.ac.jp 2) 共同研究実施機関日本消化器内視鏡学会指導施設 1278 施設 ( 別添 3) (2) 事務局日本消化器内視鏡学会事務局事務連絡責任者 : 丹羽優子 15. 研究費の取り扱い本研究の計画 実施 報告において研究の結果および解釈に影響を及ぼすような 起こり得る利益の衝突 ( 研究者個人の利益 立場等が 研究の公正 公平な計画 実施 報告に影響を及ぼす可能性 ) は存在しない また 本研究の実施が被験者の権利 利益を損ねることはない 16. ヘルシンキ宣言および GCP の遵守 本研究は ヘルシンキ宣言ヒトを対象とする医学研究の倫理的原則 (2013 年 10 月 改正 フォルタレザ ) の精神を遵守して実施する 患者個人情報は各研究機関のみにおい 9

て特定情報を保持することとし 日本消化器内視鏡学会医療安全委員会での研究情報収集 は医学データのみとする 10