第 8 章消防 救難体制 航空災害に関する消防 救難体制等の現況 () 岩国市地域防災計画災害対策基本法第 4 条の規定に基づき 岩国市の地域における災害予防 災害応急対策及び復旧 復興に関し 市 県 指定地方行政機関 指定公共機関 指定地方公共機関 公共的団体 防災上重要な施設の管理者等 ( 以下 防災関係機関 という ) 及び市民が処理すべき事務又は業務の大綱を定め 防災活動の総合的かつ計画的な推進を図り 防災関係機関 市民がその有する全機能を有効に発揮して市の地域並びに市民の生命 身体および財産を災害から保護することを目的として 岩国市地域防災計画 が策定されている ア交通災害対策計画社会 産業の高度化 複雑化 多様化に伴い 海上災害 航空災害及び陸上交通災害など大規模な事故による災害についても防災対策の一層の充実強化が求められており 市 県 国をはじめ各防災関係機関は 連携のもと各種の応急対策を実施し 市民の生命財産の保全に努めるものとする 対策の体系 海上災害対策計画 交通災害対策計画 航空災害対策計画 陸上交通災害対策計画イ航空災害対策計画航空機の墜落炎上事故の発生又は事故発生が予想される場合 人命の確保及び被害の拡大防止 軽減を目的として防災関係機関が実施する応急対策活動について定める ( ア ) 空港の所在地 管理者 所在地空港の名称管理者 岩国市 海上自衛隊岩国航空基地 米海兵隊岩国航空基地 海上自衛隊第 航空群司令 米海兵隊岩国航空基地司令 48
( イ ) 民間航空機災害応急対策活動航空機災害が発生した場合 航空運送事業者等が必要な応急対策活動を実施することはもちろんであるが 県内で災害が発生した場合 発災地の市町 ( 消防機関 ) 県 警察 海上保安部 署及び医療機関等は 協力して被災者の救助救出 被害の拡大防止 軽減に努めることとする ウ自衛隊基地及び米軍基地航空災害対策自衛隊及び米軍が使用する飛行場の周辺において 航空事故及び航空事故に伴う災害が発生した場合 飛行場管理者 ( 自衛隊及び米軍 ) 市 県及び防災関係機関は協力して住民の生命と財産の保護を図るため応急対策活動を実施する 各基地においては 飛行場管理者 市 県 警察 消防 海上保安部 署等関係機関により 航空事故連絡協議会 が設置されており 事故発生時においては この協議会を中心に各種の応急対策を実施する ( ア ) 航空事故連絡協議会連絡協議会の名称及び構成機関 空港の名称 連絡協議会の名称 構成機関 海上自衛隊岩国航空基地米海兵隊岩国航空基地 米海兵隊岩国航空基 地周辺地域航空事故 連絡協議会 中国四国防衛局 岩国防衛事務所 海上自衛隊第 航空群 米海兵隊岩国航空基地 県 岩国市 柳井市 和木町 周防大島町 中国管区警察局 県警察本部 岩国警察署 柳井警察署 大島警察署 第六管区海上保安本部 広島海上保安部 岩国海上保安署 柳井海上保安署 岩国地区消防組合消防本部 柳井地区広域消防組合消防本部 ( この他広島県 愛媛県 香川県の関係機関で構成 ) ( イ ) 事故等発生時の措置事故等発生時において関係機関がとる応急措置等については 航空事故連絡協議会が地域の特性を踏まえ定めている 米海兵隊岩国航空基地周辺地域航空事故に関する緊急措置要綱 を基本として実施する 49
エ消防活動航空機事故により火災が発生した場合 空港管理者及び岩国消防本部は 化学消防車 化学消火剤等を活用して早期の鎮火に努める この場合において 空港管理者 岩国地区消防組合の消防力では十分な対応ができない場合は 直ちに隣接消防機関等に対して応援要請を行い 必要な消火活動を行う 岩国空港における消防 救難体制等の方向 () 岩国の現況と他港の状況ア岩国飛行場現在 岩国基地においては 岩国市地域防災計画 米海兵隊岩国航空基地周辺地域航空事故に関する緊急措置要綱 岩国地区消防組合集団救急事故時の救急救護活動計画 等において 消防 救難等の体制が整えられている 米海兵隊岩国航空基地周辺地域航空事故に関する緊急措置要綱 は 米軍又は自衛隊の航空機にかかる航空事故等が発生した場合の関係機関の緊急連絡通報及び人命の救助 消火活動 現場管理等の応急措置活動について必要な事項が定められている また 岩国地区消防組合集団救急事故時の救急救護活動計画 は 火災及び地震等の自然災害 列車の脱線 列車並びに自動車等の衝突 転覆 航空機の墜落事故 ガス爆発その他の災害又は事故で 局地的かつ短時間に多数の傷病者が発生し通常の出場体制では対応できないものを対象として 救急隊等の効率的な運用と関係機関の密接な連携を保持し 総合力をもって 迅速かつ安全に傷病者の救出救護を図ることを目的として定められている イ三沢空港三沢空港は青森県東部に位置する国内唯一の米軍 ( 空自も駐留 ) との軍民共用空港である 三沢空港においては 消防 救難体制について 民航エリアは 三沢市消防で それ以外の基地内 ( 滑走路 誘導路等 ) での災害対応は 米軍 空自で行うことを基本とし その他の緊急時を含み 人的支援や資材等の融通等を行うため 地元消防と米軍 空自と協定を締結し 相互援助体制を構築している 三沢空港 50
() 災害等に対する体制 民間空港再開後 岩国空港等においては 現況と他空港の状況を踏まえ 次の方向 で消防 救難体制を確立する必要がある ア民航ターミナル地域内三沢空港 ( 共用飛行場 ) においては 民航ターミナルエリアにおける消火救難業務について 三沢市 ( 消防本部 ) が消火救難活動を行うことを基本とし また 三沢市消防と米軍 自衛隊とは 緊急時における相互援助協定を結んでおり 岩国空港においても 民間空港エリア内は地元消防等を中心とした災害対応を基本として 三沢空港と同様の措置を講ずる必要がある イ基地内 ( 民航ターミナル地域外 ) 三沢空港においては 基地内 ( 滑走路 誘導路上等 ) では 米軍 自衛隊において消火救難活動を行うことを基本とし また 三沢市消防と米軍 自衛隊とは 緊急時における相互援助協定を結んでおり 岩国空港においても 基地内では 米軍もしくは海上自衛隊等を中心とした災害対応を基本として 三沢空港と同様の措置を講ずる必要がある () 航空安全の確保ア空港緊急計画平成 5 年 月 総務大臣が 航空安全に関する行政評価 監視の結果に基づき 航空機の安全な運行を確保するための施策として 実効性のある飛行場緊急対応体制を確保するため 緊急連絡体制図 関係機関との協定及びグリッドマップを含む空港緊急計画の策定を促進するとともに その適時適切な見直しを行うこと を 国土交通大臣に対し勧告した この中では 航空機事故等の緊急事態の発生時においては 飛行場管理者 消防機関 警察機関 医療機関等多くの関係機関が消火救難活動に携わることになるため あらかじめ各機関の役割を明確化するとともに 相互の意思の疎通 連絡調整を図ることを促している 岩国空港においてもこの勧告に沿って必要な措置を講ずる必要がある イ消火救難訓練勧告の中には 消火救難訓練を定期的かつ効果的に実施するとともに 訓練終了後の評価を的確に行うことにより 訓練の充実強化を図ることとされており 岩国空港においても 定期的かつ実践的な消火救難訓練を実施する必要がある 5
通報連絡体制 ( 案 ) 民間機の場合 発見者 岩国海上保安署 ( 海上の場合 ) 岩国空港事務所 ( 仮称 ) 岩国消防本部 医療機関 岩国警察署 岩国防衛 海上自衛隊 米海兵隊 施設事務所 岩国航空基地 岩国航空基地 岩国市 県警察本部 山口県 消防庁 ウ救急医療体制 ICAO( 国際民間航空機関 ) は 就航している最大機種を基準とする飛行場の等級分けに従い 備えておくべき救急医療資器材 ( 担架 救急セット等 ) の種類及び最低限の数量を定めている 岩国空港においても 種類 数救急医療用資材 ( 三沢空港救急医療作業車 ) 量は予想最大負傷者数を基に 地元医師会等の医療機関と調整のうえ決定し整備を行い 医療救護要員の派遣や医療資器材等の提供 又訓練や費用負担 災害補償に関すること等について 医療救護活動に関する協定 を締結する必要がある 5
予想最大負傷者数 (ICAO 基準 ) 単位 : 人 A B=A 75% B 0% B 0% B 50% 搭乗者数 負傷者数 重傷 ( 直ちに治療 ) 中等傷 ( 後ほど治療 ) 軽 傷 00 5 45 68 50 88 8 56 94 00 50 0 45 75 50 4 56 基本的な空港救難医療資器材 等級 C 中型ジェット機が就航 (B-767 等 ) 等級 D プロペラ機が就航 (YS- 等 ) 所要人数担架背骨矯正板副木救急セット点滴セット蘇生器心電図モニター呼吸器吸引機 60 58 6 4 5 5 0 0 8 救急医療用搬送車中型 小型 全長 (mm) 全幅 (mm) 全高 (mm) 総重量 (kgf) 定員 ( 人 ) 8,000,00,00 8,000 5,000,800,000 4,500 5