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密封小線源治療 子宮頸癌 体癌 膣癌 食道癌など 放射線治療科 放射免疫療法 ( ゼヴァリン ) 低悪性度 B 細胞リンパ腫マントル細胞リンパ腫 血液 腫瘍内科 放射線内用療法 ( ストロンチウム -89) 有痛性の転移性骨腫瘍放射線治療科 ( ヨード -131) 甲状腺がん 研究所 滋賀県立総合病

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スライド 1

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2. 転移するのですか? 悪性ですか? 移行上皮癌は 悪性の腫瘍です 通常はゆっくりと膀胱の内部で進行しますが リンパ節や肺 骨などにも転移します 特に リンパ節転移はよく見られますので 膀胱だけでなく リンパ節の検査も行うことが重要です また 移行上皮癌の細胞は尿中に浮遊していますので 診断材料や

肺癌の放射線治療

130724放射線治療説明書.pptx

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佐賀県肺がん地域連携パス様式 1 ( 臨床情報台帳 1) 患者様情報 氏名 性別 男性 女性 生年月日 住所 M T S H 西暦 電話番号 年月日 ( ) - 氏名 ( キーパーソンに ) 続柄居住地電話番号備考 ( ) - 家族構成 ( ) - ( ) - ( ) - ( ) - 担当医情報 医

1)表紙14年v0

原発不明がん はじめに がんが最初に発生した場所を 原発部位 その病巣を 原発巣 と呼びます また 原発巣のがん細胞が リンパの流れや血液の流れを介して別の場所に生着した結果つくられる病巣を 転移巣 と呼びます 通常は がんがどこから発生しているのかがはっきりしている場合が多いので その原発部位によ

を優先する場合もあります レントゲン検査や細胞診は 麻酔をかけずに実施でき 検査結果も当日わかりますので 初診時に実施しますが 組織生検は麻酔が必要なことと 検査結果が出るまで数日を要すること 骨腫瘍の場合には正確性に欠けることなどから 治療方針の決定に必要がない場合には省略されることも多い検査です

1981 年 男 全部位 C00-C , , , , ,086.5 口腔 咽頭 C00-C

外来在宅化学療法の実際

平成 29 年度九段坂病院病院指標 年齢階級別退院患者数 年代 10 代未満 10 代 20 代 30 代 40 代 50 代 60 代 70 代 80 代 90 代以上 総計 平成 29 年度 ,034 平成 28 年度 -

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70 頭頸部放射線療法 放射線化学療法

限局性前立腺がんとは がんが前立腺内にのみ存在するものをいい 周辺組織やリンパ節への局所進展あるいは骨や肺などに遠隔転移があるものは当てはまりません がんの治療において 放射線療法は治療選択肢の1つですが 従来から行われてきた放射線外部照射では周辺臓器への障害を考えると がんを根治する ( 手術と同

8 整形外科 骨肉腫 9 脳神経外科 8 0 皮膚科 皮膚腫瘍 初発中枢神経系原発悪性リンパ腫 神経膠腫 脳腫瘍 膠芽腫 頭蓋内原発胚細胞腫 膠芽腫 小児神経膠腫 /4 別紙 5( 臨床試験 治験 )

094 小細胞肺がんとはどのような肺がんですか んの 1 つです 小細胞肺がんは, 肺がんの約 15% を占めていて, 肺がんの組 織型のなかでは 3 番目に多いものです たばことの関係が強いが 小細胞肺がんは, ほかの組織型と比べて進行が速く転移しやすいため, 手術 可能な時期に発見されることは少

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「             」  説明および同意書

院内がん登録における発見経緯 来院経路 発見経緯がん発見のきっかけとなったもの 例 ) ; を受けた ; 職場の健康診断または人間ドックを受けた 他疾患で経過観察中 ; 別の病気で受診中に偶然 がん を発見した ; 解剖により がん が見つかった 来院経路 がん と診断された時に その受診をするきっ

5. 乳がん 当該疾患の診療を担当している診療科名と 専門 乳房切除 乳房温存 乳房再建 冷凍凝固摘出術 1 乳腺 内分泌外科 ( 外科 ) 形成外科 2 2 あり あり なし あり なし なし あり なし なし あり なし なし 6. 脳腫瘍 当該疾患の診療を担当している診療科名と 専

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膵臓癌について

付表 食道癌登録数 ( 自施設初回治療 癌腫 ): 施設 UICC-TNM 分類治療前ステージ別付表 食道癌登録数 ( 自施設初回治療 癌腫 原発巣切除 ): 施設 UICC-TNM 分類術後病理学的ステージ別付表 食道癌登録数 ( 自施設初回治療 癌腫 UIC

スライド 1

1. ストーマ外来 の問い合わせ窓口 1 ストーマ外来が設定されている ( はい / ) 上記外来の名称 対象となるストーマの種類 7 ストーマ外来の説明が掲載されているページのと は 手入力せずにホームページからコピーしてください 他施設でがんの診療を受けている または 診療を受けていた患者さんを

70% の患者は 20 歳未満で 30 歳以上の患者はまれです 症状は 病巣部位の間欠的な痛みや腫れが特徴です 間欠的な痛みの場合や 骨盤などに発症し かなり大きくならないと触れにくい場合は 診断が遅れることがあります 時に発熱を伴うこともあります 胸部に発症するとがん性胸水を伴う胸膜浸潤を合併する


平成29年度沖縄県がん登録事業報告 背表紙印字

NCCN2010.xls

がん登録実務について

1. ストーマ外来 の問い合わせ窓口 1 ストーマ外来が設定されている ( / ) 上記外来の名称 ストマ外来 対象となるストーマの種類 コロストーマとウロストーマ 4 大腸がん 腎がん 膀胱がん ストーマ管理 ( 腎ろう, 膀胱ろう含む ) ろう孔管理 (PEG 含む ) 尿失禁の管理 ストーマ外

腫瘍センターの稼働実績 ( 平成 29 年 8 月 ) 最終版 H28 年 8 月 H29 年 8 月 H29 年度累 H28 年 8 月 H29 年 8 月 H29 年度累 H28 年 8 月 H98 年 8 月 H29 年度累

Microsoft Word - 肺癌【編集用】

資料

BD( 寛解導入 ) 皮下注療法について お薬の名前と治療のスケジュール ( 副作用の状況を考慮して 抗がん剤の影響が強く残っていると考えられる場合は 次回の治療開始を延期することがあります ) 薬の名前作用めやすの時間 1 日目

付表 食道癌登録数 ( 自施設初回治療 癌腫 ): 施設 UICC-TNM 分類治療前ステージ別付表 食道癌登録数 ( 自施設初回治療 癌腫 原発巣切除 ): 施設 UICC-TNM 分類術後病理学的ステージ別付表 食道癌登録数 ( 自施設初回治療 癌腫 UIC

表 1. 罹患数, 罹患割合 (%), 粗罹患率, 年齢調整罹患率および累積罹患率 ; 部位別, 性別 A. 上皮内がんを除く ; 部位別, 性別 B. 上皮内がんを含む 表 2. 年齢階級別罹患数, 罹患割合 (%); 部位別, 性別 A. 上皮内がんを除く B. 上皮内がんを含む 表 3. 年齢

腫瘍センターの稼働実績 ( 平成 29 年 9 月 ) 最終版 H28 年 9 月 H29 年 9 月 H29 年度累 H28 年 9 月 H29 年 9 月 H29 年度累 H28 年 9 月 H98 年 9 月 H29 年度累

付表 登録数 : 施設 部位別 総数 1 総数 口腔咽頭 食道 胃 結腸 直腸 ( 大腸 ) 肝臓 胆嚢胆管 膵臓 喉頭 肺 骨軟部 皮膚 乳房

表 Ⅲ 46 診療記録調査 対象患者背景 n % n % 性別 1) 専門的緩和ケアの診療日数 男性 % 平均 ± 標準偏差 79.5 ± 女性 % 緩和ケア病棟入院回数 年齢 1 回 % 平均 (± 標準偏差 ) 70.4 ± 12

福島県のがん死亡の年次推移 福島県におけるがん死亡数は 女とも増加傾向にある ( 表 12) 一方 は 女とも減少傾向にあり 全国とほとんど同じ傾向にある 2012 年の全のを全国と比較すると 性では高く 女性では低くなっている 別にみると 性では膵臓 女性では大腸 膵臓 子宮でわずかな増加がみられ

はじめに 前立腺癌に対する永久留置法による小線源療法は一口で言うと 弱い放射線を出す小さな線源を前立腺内に埋め込み 前立腺内部から癌の治療を行うものです ただし すべての前立腺癌に適応できるものではありません この説明書は小線源療法についての概説です よくお読みになった上で ご不明の点があれば担当医

7. 脊髄腫瘍 : 専門とするがん : グループ指定により対応しているがん : 診療を実施していないがん 別紙 に入力したが反映されています 治療の実施 ( : 実施可 / : 実施不可 ) / 昨年の ( / ) 集学的治療 標準的治療の提供体制 : : グループ指定により対応 ( 地域がん診療病

監修 作成作成ご協力者 氏名 尾﨑敏文 所属 岡山大学大学院医歯薬学総合研究科生体機能再生 再建学講座整形外科教授

AC 療法について ( アドリアシン + エンドキサン ) おと治療のスケジュール ( 副作用の状況を考慮して 抗がん剤の影響が強く残っていると考えられる場合は 次回の治療開始を延期することがあります ) 作用めやすの時間 イメンドカプセル アロキシ注 1 日目は 抗がん剤の投与開始 60~90 分

SBOs- 3: がん診断期の患者の心身の特徴について述べることができる SBOs- 4: がん治療期 ; 化学療法を受けている患者の心身の特徴について述べることができる SBOs- 5: がん治療期 ; 放射線療法を受けている患者の心身の特徴について述べることができる SBOs- 6: がん治療期

のつながりは重要であると考える 最近の研究では不眠と抑うつや倦怠感などは互いに関連し, 同時に発現する症状, つまりクラスターとして捉え, 不眠のみならず抑うつや倦怠感へ総合的に介入することで不眠を軽減することが期待されている このようなことから睡眠障害と密接に関わりをもつ患者の身体的 QOL( 痛

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部位別がん罹患数の年次推移 ( 全年齢 ) 男性 女性

1 BNCT の内容 特長 Q1-1 BNCT とは? A1-1 原子炉や加速器から発生する中性子と反応しやすいホウ素薬剤をがん細胞に取り込ませ 中性子とホウ素薬剤との反応を利用して 正常細胞にあまり損傷を与えず がん細胞を選択的に破壊する治療法です この治療法は がん細胞と正常細胞が混在している悪

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Microsoft PowerPoint - 印刷用 DR.松浦寛 K-net配布資料.ppt [互換モード]

腹腔鏡下前立腺全摘除術について


スライド 1

放射線治療を受けられる 患者様 ご家族様へ ~ 安心 安楽に治療を受けるためのパンフレット ~ 社会医療法人孝仁会北海道大野記念病院札幌高機能放射線治療センター 北海道札幌市西区宮の沢 2 条 1 丁目 16 番 1 号 年 10 月

cm 以上の腫瘍では悪性化していることも考慮する必要があります ただし 良性腫瘍でも長期間放置すれば大きくなりますので サイズが大きいからと言って悪性とは限りません 成長速度: 悪性度の高い腫瘍では 大きくなるスピードが速くなります 腫瘍がいつからあったか 最近はどのくらいのスピードで大きくなってき

< 高知県立幡多けんみん病院 年院内がん登録 ( 詳細 )> 性 ~9 ~9 ~9 ~9 ~9 ~9 ~9 9~ 総計件数比率 口腔 咽頭食道胃結腸直腸肝臓胆嚢 胆管膵臓喉頭肺骨 軟部皮膚乳房子宮頸部子宮体部卵巣前立腺膀胱腎 他の尿路 女男女男女男女男女男女男女男女男女男女男女男女男女男女男女男女男


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1 BNCT の内容 特長 QA Q1-1 BNCT とは? A1-1 原子炉や加速器から発生する中性子と反応しやすいホウ素薬剤をがん細胞に取り込ませ 中性子とホウ素薬剤との反応を利用して 正常細胞にあまり損傷を与えず がん細胞を選択的に破壊する治療法です この治療法は がん細胞と正常細胞が混在して

付表 登録数 : 施設 部位別 総数 1 総数 口腔咽頭 食道 胃 結腸 直腸 ( 大腸 ) 肝臓 胆嚢胆管 膵臓 喉頭 肺 骨軟部 皮膚 乳房 全体


この薬を使う前に 確認すべきことは? 次の人は この薬を使用することはできません 過去にアレディア点滴静注用に含まれる成分や他のビスホスホン酸塩で過敏な反応を経験したことがある人 次の人は 慎重に使う必要があります 使い始める前に医師または薬剤師に告げてください 腎臓に重篤な障害がある人 全身状態が

学位論文の内容の要旨 論文提出者氏名 佐藤雄哉 論文審査担当者 主査田中真二 副査三宅智 明石巧 論文題目 Relationship between expression of IGFBP7 and clinicopathological variables in gastric cancer (

はじめに 緩和ケア期には四肢や顔面 体幹部に浮腫を発症することがあります また発症していたリンパ浮腫ががんの進行で悪化することもあります がんの進行を抑える抗癌剤の一部には 副作 用で重症の浮腫を来すことがあります 緩和ケア期の浮腫の要因 病態は複雑で 癌性疼痛や神経麻痺 しびれなど 浮腫を治療する

IARC/IACRにおける多重がんの判定規則改訂版のお知らせ

6 月 25 日胸腺腫 胸腺がん患者の情報交換会 & 勉強会質疑 応答 奥村教授にお聞きしたいこと 奥村教授の話 1 特徴 (1) 胸腺腫 胸腺がん カルチノイドの違いについて 胸腺腫はがんの種類か 病理学的には胸腺腫はがんではなくて正常と区別つかず機能を残したまま腫瘍化したもの 一部 転移するもの

乳がん術後連携パス

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目 次 統計の説明 部位( 中分類 ) 別男女別腫瘍数 1 部位別腫瘍数 < 総数グラフ> 2 部位別腫瘍数 < 男性グラフ> 3 部位別腫瘍数 < 女性グラフ> 4 部位( 中分類 ) 別年齢階層別腫瘍数 5 部位( 中分類 ) 別来院経路別腫瘍数 6 来院経路別腫瘍数 <グラフ> 7 部位( 中

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米国で承認された エロツズマブ という新薬について Q&A 形式でご紹介します Q&A の監修は 新潟県立がんセンター新潟病院内科臨床部長張高明先生です Q1: エロツズマブという薬が米国で承認されたと聞きましたが どのような薬ですか? エロツズマブについてエロツズマブは 患者さんで増殖しているがん

放射線併用全身化学療法 (GC+RT 療法 ) 様の予定表 No.1 月日 経過 達成目標 治療 ( 点滴 内服 ) 検査 処置 活動 安静度 リハビリ 食事 栄養指導 清潔 排泄 / 入院当日 ~ 治療前日 化学療法について理解でき 精神的に安定した状態で治療が

ポプスカイン0.75% 注シリンジ 75mg /10 院 Popscaine 75mg /10 院 / 筒 丸石 薬価 円 / 筒 効 硬膜外麻酔 用 ( 注 )1 回 150mg ( 本剤として20 院 ) までを硬膜外腔に投与 禁 大量出血やショック状態, 注射部位またはその周辺に

1. 部位別登録数年次推移 表は 部位別に登録数の推移を示しました 2015 年の登録数は 1294 件であり 2014 年と比較して 96 件増加しました 部位別の登録数は 多い順に大腸 前立腺 胃 膀胱 肺となりました また 増加件数が多い順に 皮膚で 24 件の増加 次いで膀胱 23 件の増加

1. 来院経路別件数 非紹介 30 他疾患経過 10 自主受診観察 紹介 20 他施設紹介 合計 患者数 割合 12.1% 15.7% 72.2% 100.0% 27.8% 72.2% 100.0% 来院経路別がん登録患者数 がん患者がどのような経路によって自施設を受診し

医科_第20次(追加)審査情報提供(広報用)

9 2 安 藤 勤 他 家族歴 特記事項はない の強い神経内分泌腫瘍と診断した 腫瘍細胞は切除断端 現病歴 2 0 1X 年7月2 8日に他院で右上眼瞼部の腫瘤を に露出しており 腫瘍が残存していると考えられた 図 指摘され精査目的で当院へ紹介された 約1cm の硬い 1 腫瘍で皮膚の色調は正常であ

虎ノ門医学セミナー

するものであり 分子標的治療薬の 標的 とする分子です 表 : 日本で承認されている分子標的治療薬 薬剤名 ( 商品の名称 ) 一般名 ( 国際的に用いられる名称 ) 分類 主な標的分子 対象となるがん イレッサ ゲフィニチブ 低分子 EGFR 非小細胞肺がん タルセバ エルロチニブ 低分子 EGF

A 2010 年山梨県がん罹患数 ( 全体 )( 件 ) ( 上皮内がんを除く ) 罹患数 ( 全部位 ) 5,6 6 男性 :3,339 女性 :2,327 * 祖父江班モニタリング集計表から作成 * 集計による主ながんを表示

目 次 統計の説明 部位( 中分類 ) 別男女別腫瘍数 1 部位別腫瘍数 < 総数グラフ> 2 部位別腫瘍数 < 男性グラフ> 3 部位別腫瘍数 < 女性グラフ> 4 部位( 中分類 ) 別年齢階層別腫瘍数 5 部位( 中分類 ) 別来院経路別腫瘍数 6 来院経路別腫瘍数 <グラフ> 7 部位( 中

和歌山県地域がん登録事業報告書

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第71巻5・6号(12月号)/投稿規定・目次・表2・奥付・背

肝臓の細胞が壊れるる感染があります 肝B 型慢性肝疾患とは? B 型慢性肝疾患は B 型肝炎ウイルスの感染が原因で起こる肝臓の病気です B 型肝炎ウイルスに感染すると ウイルスは肝臓の細胞で増殖します 増殖したウイルスを排除しようと体の免疫機能が働きますが ウイルスだけを狙うことができず 感染した肝

5_使用上の注意(37薬効)Web作業用.indd

減量・コース投与期間短縮の基準

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腹腔鏡補助下膀胱全摘除術の説明と同意 (2) 回腸導管小腸 ( 回腸 ) の一部を 導管として使う方法です 腸の蠕動運動を利用して尿を体外へ出します 尿はストーマから流れているため パウチという尿を溜める装具を皮膚に張りつけておく必要があります 手術手技が比較的簡単であることと合併症が少

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10038 W36-1 ワークショップ 36 関節リウマチの病因 病態 2 4 月 27 日 ( 金 ) 15:10-16:10 1 第 5 会場ホール棟 5 階 ホール B5(2) P2-203 ポスタービューイング 2 多発性筋炎 皮膚筋炎 2 4 月 27 日 ( 金 ) 12:4

Transcription:

緩和的照射 鳥取赤十字病院 米田猛

緩和医療における放射線治療 痛みの緩和 身体症状の改善や QOL ( 生活の質 ) の向上を目的として放射線 治療を行う場合を 緩和的放射線治療 という

緩和的照射の考え方 治すことよりも QOL の改善 維持が優先 予後 病状 全身状態 奏効期間と治療に要する期間など考慮

予後が短いと予測される場合 < 治療に伴う負担を少なく > 短期間での効果を期待 迅速かつ効果的な治療を目指す < 有害事象 ( 副作用 ) への配慮 > 急性有害事象 :QOL 低下の原因となるので 回避する配慮が必要 ( 腸炎 下痢 白血球の低下など ) 晩期有害事象 : あまり考慮しなくてよい

6 ヶ月以上の長期生存が 期待される場合 < より効果的で持続的な治療を目指す > より多くの総線量を使用 ( 再増悪の発症を防ぐ ) 治療期間は延長するが 根治的放射線治療になることも < 有害事象 ( 副作用 ) への配慮 > 根治的放射線治療に準じた対応 急性 晩期有害事象 : 回避するために十分な配慮を

( 転移性骨転移の予後予測 )

緩和照射を検討する症例 疼痛緩和 : 骨転移など 麻痺の改善 : 脳腫瘍 骨転移など 骨折予防 : 骨転移 嚥下障害の改善 : 食道がんなど 気道確保 :SVC 症候群など 出血の改善 : 膀胱がん 子宮頸がんなど 上大静脈症候群 腫瘍栓 :HCC の IVC や PV 塞栓など

転移性骨腫瘍 < 骨転移の罹患率 > 転移性骨腫瘍に罹患してる患者数は がん罹患者全体の 2 割 ~3 割程度 (10~15 万人程度 )

転移性骨腫瘍 < 骨転移 > 骨転移を生じやすいがん ( 肺がん 50% 乳がん 75% 前立腺がん 75% 腎がん 31%) 消化器がんの骨転移は少ない ( 結腸癌 直腸癌 胃癌 膵癌 肝癌 )17%~23% 発症しやすい部位を順に ( 腰椎 胸椎 頸椎 仙骨 ) 赤色細胞に転移しやすい 単発の骨転移は 2~3% と比較的まれ 高カルシウム血症になるケースも

骨転移の組織分類 溶骨型優位 乳がん 肺がん 甲状腺がん 神経芽細胞腫 多発性骨髄腫 造骨型優位 前立腺がん (99%) 乳がん (20%) ( 増殖はゆっくりで長期生存が多い ) 混合型 乳がん 肺がん 神経芽細胞腫 骨梁間型 転移初期の乳がん 肺小細胞がん

骨転移 骨転移では まず 原発巣から腫瘍細胞が遊離し血管内へ入り込む 次に血流と共に腫瘍細胞は流され 血管から骨へ定着して 微小転移となる そして 微少転移した転移巣へ血管新生が起こり 腫瘍が増大して 骨の融解を引き起こし 痛みを引き起こす

転移性骨腫瘍の疼痛 腫瘍組織そのものは無痛 腫瘍細胞による発痛物質や 骨の内圧の上昇や骨の機械的強度の低下による骨内や骨膜にある感覚神経の終末装置への刺激による痛み 腫瘍の直接神経根などへの浸潤 圧迫で生じる痛み

骨転移に対する治療 手術 ( 切除固定 骨セメント 除圧固定術 ) 放射線治療 - 外照射 ( 局所 半身照射 ) -RIT( メタストロン ) 鎮痛薬 神経ブロック 内分泌療法 ( ステロイドホルモン ) 骨吸収抑制剤 ( ビスフォスフォネート )

骨吸収抑制剤 < ビスホスフォネートの骨吸収抑制 > 骨に吸着した薬が破骨細胞に取り込まれ 破骨細胞のアポトーシスおよび機能喪失をもたらすことによる < ビスホスフォネートのまれで重要な副作用 > まれに腎障害と顎骨壊死がある Grade 3 以上の腎障害の頻度は 2.2% 顎骨壊死の頻度は 1.3% 前後である

< 鎮痛薬 > 鎮痛薬 まずは非オピオイド系鎮痛薬を用いる 適切に増量しても効果不十分場合は 弱オピオイド系 ( アヘン系 ) 鎮痛薬 さらに不十分なら強オピオイド系鎮痛薬モルヒネ使用 それでも効果不十分なら神経ブロック 緩和照射など考慮 がん性疼痛でのモルヒネ投与には依存が生じない 体動に伴うがん性疼痛 神経障害性疼痛や突発痛にはモルヒネが無効な場合が多い

骨転移の疼痛治療に 効果的な放射線 < 骨転移に対する放射線治療の目的 > 骨転移による痛みを軽くしたり 取り除くこと がんによる骨の骨折を予防 すること 脊髄圧迫による下半身不随などの麻痺の予防や改善

緩和的照射の線量 < 代表的な線量処方 > 40Gy/20fr/4 週 30Gy/10fr/2 週 20Gr/5fr/1 週 8Gr/1fr/1 日など < 半身照射 > 上半身 6Gy/1fr 下半身 8Gy/1fr など 予後 病状 全身状態など個々に応じて決定?

当院での緩和照射 過去 2 年 (H25.12~H27.11): 全検査数 230 件 緩和症例 :59 件約 1/4 ( 骨 49: 全脳 7: 他 3) < 緩和照射の線量処方 > 30Gy/10fr/2w(46 件 ) 78% 40Gy/20fr/4w(10 件 ) 30Gr/15fr/3w(2 件 ) 39.2Gy/22fr/4.4w(1 件 )

除痛

骨転移の疼痛緩和 全体の疼痛緩和率は 60~90% 鎮痛効果は 照射開始後 2 週程度から出現し 4 ~8 週で最大になる そのため 2 週 ~1 カ月を超える予後が期待されない症例は治療の適応とならない可能性が高い 放射線治療が終了した時点で痛みが残っていたとしても その後時間の経過とともに軽減していくことも多い 鎮痛薬が減量できるメリットは大きい 鎮痛薬不要になるのは 状況にもよるが 30~50% 程度

1 回照射 vs 分割照射 疼痛緩和効果 再照射率 8Gy 単回照射と 20~30Gy 分割照射では同等 8Gy 単回照射 20% 分割照射 8% PS 良好で長期予後が期待される患者に限れば高線量の放射線治療が考慮される 奏功期間が長い 一方 8Gy 単回照射は期待生存期間 3 カ月以内 毎日の治療が困難 原発腫瘍が増悪している患者で良い適応となる

骨折予防 骨の一番外側の骨皮質という部分が 広く破壊されている場合には多少の力でも 骨折が起こることがあります ここの骨折が起きてしまうと痛みも強くなり QOL の低下をきたすので できるだけ早い時期に照射を行うことが大切です 長期生存が期待できる場合?

四肢骨への骨転移に対する 放射線療法 病的骨折の予防に有効 荷重骨 ( 下肢 ) は歩行に影響するので特に重要 ひねりの動作 急な動きをさけるように指導する 整形外科的治療との併用を考慮する 過重骨で皮質の 50% 以上に破壊 溶骨病変が 2.5cm 以上であれば 病的骨折のリスクが高い 照射範囲 リンパ経路一部確保?

溶骨性骨転移 骨転移の症例

転移性骨腫瘍の放射線治療の 副作用 副作用は, 照射した場所によって異なり, 頸椎の場合は食道炎や嚥下障害 咽頭炎などがみられ 腰椎の場合は腸炎や下痢など 吐き気や皮膚炎もみられることがありますが軽いことが多く 重い副作用が起こることはまれです

疼痛除去のまとめ がん性疼痛を取り除くことで, 食欲も回復し, 睡眠もよくとれることから 生存率も向上する 骨転移による疼痛に対し 放射線治療の果たす役割は重要です

脳転移への緩和照射 脳転移による頭痛 吐き気 麻痺などの症状の緩和に利用される 多くの抗がん剤は血液脳関門でブロック されてしまうため 転移性脳腫瘍における放射線療法は有効な手段の一つ 放射線全脳照射 ガンマナイフなどの定位放射線治療を行う

脳腫瘍の放射線の副作用 < 急性の副作用 > 脱毛 めまい 全身倦怠感 中耳炎など 放射線の影響による一過性の頭痛, 吐き気 おう吐 けいれんなどもある 症状は軽いことが多い < 晩期性の障害 > 放射線脳壊死 重篤なものはまれである 全脳照射の場合 認知力の低下にも考慮 発症を防ぐためにも, 線量を 1 回あたり 2.5Gy 以下に抑える必要がある

脳転移症例の予後 平均生存期間 無治療 ステロイド 全脳照射 転移が1 個で原発巣制御 手術 + 全脳照射 約 1ヶ月約 2ヶ月約 3~6ヶ月 10~16ヶ月

照射による効果 脳転移の症状 60%~80% で改善される < 脳転移個数 :1 個 ~3 個で PS 良好の場合 > 定位照射を加えた方が症状改善率が良い 全脳照射に局所治療 ( 手術 定位照射 ) を加える意義はある < 局所治療後 全脳照射を行わない場合 > 生存期間に影響は及ぼさない 頭蓋内再発率は 2~3 倍に増える Follow が必要

転移性脊髄圧迫 (MSCC) 症例 前面から圧迫 後面から圧迫

転移性脊髄圧迫 脊椎の骨転移など悪性腫瘍による脊髄神経への圧迫 圧迫され傷つくと 運動麻痺や排尿排便 ( 膀胱直腸 ) 障害などがあっという間に進行しがん患者さんの QOL を永久的に著しく低下させてしまうおそれがある 緊急照射の適応 回復が見込めるゴールデンタイム 48 時間

MSCC 治療方針 脊髄浮腫の軽減のため即効性を期待してステロイドを併用する 麻痺症状が増悪する場合 後方アプローチによる椎弓切除により脊柱管内の除圧 そして椎体上下の固定 原則として固定術後は照射の適応 麻痺症状出現後は 48 時間以内の早急な対応が必要 患者が歩行可能なうちに治療開始しないと ADL ( 日常生活動作 ) の改善が望めない

転移性脊髄圧迫に対する放射線治療 分割照射 総線量が多いほど麻痺の改善効果や有効期間が長い 3Gy/10 回 2Gy/20 回 4Gy/5 回など ステロイド併用 デキサメタゾン or ベタメタゾン ( 例 :16mg/ 日 ) 手術併用と RT 単独とでは治療成績に差はない

歩行回復率 治療開始時に患者さんが歩ける状態だったかどうかで その後の回復率が全然違う 下半身が不完全マヒ ( そこそこ足が動く ) の状態では約 50%~80% の症例が緊急照射後に歩ける 完全マヒにおちいってしまうと歩行可能例は緊急照射をしても 10% 程度に激減してしまうと報告されている

歩行回復は予後に影響 < 最も重要な予後因子は歩行状態 > 歩行可能患者では 平均余命 8~12 か月 歩行不能患者では 平均余命 1 か月

症例 : 胸椎腫瘍脊椎骨全摘術 MRI 摘出椎体術後 X-P

MSCC の症状に気づきにくい? 良性の病気である変形性脊椎症や椎間板ヘルニアのじーちゃんばーちゃんの 腰が痛い 足がしびれる はよくある訴えでもあり 鎮痛剤がブラインドとなることも 症状があり MSCC を否定できなかったらぶっちゃけ緊急照射やむなし 最悪の事態を避けるため原則そのような対応を ってなことも?

止血症例

止血 < 切除不能進行胃がんに対し > 止血の奏効率 50~80% 輸血に要する頻度 量 有意に減少

上大静脈症候群 症例

上大静脈症候群 症状 呼吸苦が最も多い自覚症状であり 顔面浮腫 頭痛 上肢浮腫 咳嗽 嚥下困難もよくみられる 原因 CV カテーテルやペースメーカーのワイヤーなどの血管内器具による血栓症 閉塞は右肺もしくはリンパ節病変からの直接浸潤ないし壁外性の圧迫

肺がん気管支狭窄

まとめ 骨転移 脳転移に対する緩和的照射の役割は大きい 体のつらさ 心のつらさを緩和するケアは がん治療の土台である 生きる意欲は重要