外壁の劣化対策と省エネ化を一度に解決 外断熱改修補助金活用のポイント - 福祉施設での導入事例 東邦レオ株式会社 外断熱事業部 和田清栄
省エネルギーフェア 2013 外断熱セミナー 本日お伝えしたいこと 1 日本の建築が抱える 老朽化 という課題 2 外断熱による老朽化対策 3 外断熱による省エネ改修事例紹介 - 和歌山県福祉施設での導入事例 - 4 省エネ改修で活用できる補助金制度 - 建築物省エネ改修推進事業 -
1 日本の建築が抱える 老朽化 という課題
築 25 年以上が経過し 老朽化したストックが増え続けています
老朽化対策が必要な学校施設の割合 全国の公立小中学校の 73% が築年数 25 年以上を経過
老朽化対策が必要な賃貸マンションの割合 東京都における 53% の賃貸マンションが築年数 25 年以上を経過
老朽化対策が必要な分譲マンションの割合 マンション実態調査結果 東京都都市整備局 東京都における 48% の分譲マンションが築年数 25 年以上を経過
構造体の耐震改修の次は 長期に渡って 安全に使い続けるための 長寿命化改修を施すことが重要です
外壁の劣化 1- コンクリートの中性化 - 中性化が進行すると鉄筋腐食 鉄筋膨張 コンクリートひび割れ 雨水の侵入 鉄筋腐食 繰り返しの悪循環に陥る 対策 : 耐久性の高い外装材を使用する ( 外断熱高耐候型塗料など ) 9
外壁の劣化 2- 外壁等の落下 - 外壁の落下は 入居者への危険 第三者被害 風評被害 資産価値減少など 様々なリスクが生じる 平成 20 年の建築基準法改正により 所有者による建物の定期点検 報告が義務化された 対策 : 建物全体を保全する外壁剥落防止工法の採用 10
屋上の劣化 - 漏水 - 建物内への漏水事故を防ぐための定期点検 メンテナンスが重要です 対策 : 高耐久 高効率のもの メンテナンスしやすくしておく 11
2 外断熱による老朽化対策 - 省エネ 長寿命化改修 -
外断熱による老朽化対策 RC 用湿式外断熱システム 後張り工法 断熱材と外装仕上が一体化 8 kg / m2と軽量化老朽化した建物に負荷の少ない接着工法 13
外断熱イメージ 内断熱 外断熱 コンクリート躯体が外気温度に影響されず 安定することで熱による膨張収縮による挙動が軽減され 劣化の進行が抑制される 14
外断熱改修で得られるメリット 1 コンクリート中性化の抑制効果 外断熱の中性化進行グラフ 外断熱をした場合 中性化の進行が 1/3 程度に抑制されるといわれる 15
外断熱改修で得られるメリット 2 タイルやコンクリート片などの落下防止効果 エクセルピンネット外断熱工法 外壁剥落防止機能を持つ外断熱により 外壁全体を落下リスクから保全する 16
外断熱改修で得られるメリット 3 省エネルギー効果と室内環境の改善 外壁の断熱性能と蓄熱効果が高まることで 冷暖房効率が向上し空調費の削減に繋がる
長寿命化改修に寄与する外断熱 コンクリートの中性化対策 外壁などの落下防止対策 省エネ化 外装のリニューアル 18
3 外断熱による省エネ改修事例 - 和歌山県某福祉施設 -
特別養護老人ホーム ( 和歌山県 ) 改修前
省エネ改修計画 改修前 改修後 外壁 塗装 外断熱工法 ( 外装仕上げ込み ) 断熱材厚さ 70mm 窓 アルミサッシ 単層ガラス アルミサッシ 普通複層ガラス 当初は 色あせや汚れがひどくなった外壁の改修を検討 設計の提案により 外壁のリニューアルと省エネが同時に出来る 外断熱改修を実施
外断熱改修 施工状況
実測比較データ 内断熱 内断熱 外断熱 内断熱 外断熱 外断熱 同じ立地条件に建つ 内断熱の棟 と 外断熱の棟 に温度計測装置を設置して温度状況を比較
実測比較データ 2011 年 3 月 青色は外断熱の部屋 赤色は内断熱の部屋 内断熱棟は最低室温が外断熱棟に比べて低いため 空調の負荷も高くなる
実測比較データ 2011 年 7 月 外断熱の棟は比較的上下が少ないが 内断熱の棟は室温の変化が激しい これにより空調負荷が増大 温度変化による入居者の身体への負担が大きくなる 青色は外断熱の部屋 赤色は内断熱の部屋
エネルギーの見える化 デマンド監視装置 デマンド監視装置 ここからFOMA 通信でデータセンターに送信されます 電力量計 CTからの情報を電力量計に送信 CT CT をケーブルに設置
2011 年夏季ピーク時のデマンド値 前年のピーク値 14 時 ~15 時がピーク 食洗機が稼動する時間帯 外断熱のコンクリート蓄熱を活かし 食洗機の運転時間中は 空調を一時的に止めることを提案
2011 年夏季ピーク時のデマンド値 前年のピーク値 14 時 ~15 時がピーク 食洗機が稼動する時間帯 食洗機の運転時間中に空調を一時的に止めることで 14 時 ~15 時デマンドの急激な上昇を抑制
デマンド値とエネルギー消費量比較 2010 年 2011 年 削減率 省エネ改修前 省エネ改修後 8 月 137kw 90kw 34.3% 34.3% 減 9 月 121kw 75kw 38.0% 10 月 51kw 44kw 13.7% 11 月 79kw 57kw 27.8% 12 月 113kw 83kw 26.5% 2010 年 8 月消費電力量 59,244kwh 2011 年 8 月消費電力量 35,775kwh 8 月分約 36 万円年間約 200 万円削減 39.6% 減
お客様の声 各フロアで冬は暖かく 夏は涼しい室内環境になりました 暖房設定が25 20 になり 運転時間も大幅に減少しました 契約電力の数値が約半分になり 予想を上回る省エネ効果に驚いています 施設本部長 T 様
4 省エネ改修で活用できる補助金 - 建築物省エネ改修推進事業 ( 国交省 )-
建築物省エネ改修推進事業 目的 : 建築物の省エネルギー 省 CO2 対策を推進 するため 民間などが行う建築物の省エネル ギー改修に対して支援する 工事対象 : 省エネ化 それに伴う耐震化 バリアフリー化 空調更新 補助率 :1/3( 上限 5,000 万円 ) 耐震化バリアフリー化を実施する場合は 2,500 万円の上乗せ
対象要件 1 躯体 ( 外壁 窓 屋根 ) の断熱化が必須 2 改修後 15% 以上の省エネ効果が見込める 3 総事業費が500 万円以上 42 年間のエネルギー計測 報告
建築物省エネ改修推進事業採択実績 審査あり 全案件が採択されるわけではありません 東邦レオでは 4 年間で 20 件以上の申請をお手伝いをしました 96% の採択率でした 全体は 21 年度以降で 67% の採択率
採択されるためのポイント 1 躯体 ( 外壁 窓 屋根 ) の断熱化が必須 2 改修割合の高い案件が優先されます 3 より断熱効果の高い改修案件が優先されます 詳細な省エネ率を計算することをおすすめします 4 公募期間が短いため 事前準備をしておく 改修計画省エネ計算概算見積もりなど
国交省の重点施策 ( 平成 26 年度 ) 1 耐震化 国民の安全 安心の確保 2 省エネ化 地域の活性化と豊かな暮らしの実現 3 長寿命化 中古住宅流通 リフォーム促進等住宅市場活性化
省エネ改修で活用できる補助金 補助金事業来年度の方向性 国交省平成 26 年度予算概算要求内容より ストック重視の方針見通し
建築物省エネ改修推進事業事例 国立大学法人鹿児島大学 国土交通省省エネ改修補助事業 外壁 窓 改修前 コンクリート t150mm タイル アルミサッシ 単層ガラス 改修後 コンクリート t150mm 外断熱工法 ( 外装仕上まで含む ) 断熱材厚 50mm アルミサッシ 普通複層ガラス 改修前 改修後
建築物省エネ改修推進事業事例 テナントビル ( 大阪市 ) 国土交通省省エネ改修補助事業 外壁 窓 改修前 コンクリート t150mm 塗装 アルミサッシ 単層ガラス 改修後 コンクリート t150mm 外断熱工法 ( 外装仕上まで含む ) 断熱材厚 50mm アルミサッシ 一部 Low-e 複層ガラス 一部空調も改修 改修前 改修後
建築物省エネ改修推進事業事例 金沢信用金庫有松支店様 改修前 国土交通省省エネ改修補助事業 改修後 外壁 窓 コンクリート t150mm 塗装 アルミサッシ 単層ガラス コンクリート t150mm 外断熱工法 ( 外装仕上まで含む ) 断熱材厚 50mm アルミサッシ 複層ガラス 一部空調も改修 改修前 改修後
長期優良化リフォーム推進事業 優先課題推進枠 省エネ改修推進事業から住宅の補助事業を分離 新設予定 目的 リフォームした既存住宅 集合住宅を 長期優良住宅として評価する基準の整備と合わせ 住宅の長寿命化に資するリフォームの先進的な取り組みを支援する 工事対象 省エネ化耐震化劣化対策 補助率 1/3( 上限戸数 100 万円 ) 対象要件や基準数値など詳細は未定
外断熱による長寿命化改修 コンクリートの中性化対策 外壁などの落下防止対策 省エネ化 外装のリニューアル 国の重点施策に沿った修繕工事のため補助金の活用が可能となる 42
私たちでお手伝いできること 私たちは外断熱による長寿命化改修を提案しています 来年度は建物ストック改修に関する補助金事業が 重点的に用意される見込みです 補助金申請のお手伝いなど 是非ご相談ください ご清聴ありがとうございました