<4D F736F F D20352D318FBC8CCB8E738DC58F F5495AA90CD816A5F8F4390B38CE3816A2E646F63>

Similar documents
市町村における住民自治や住民参加、協働に関する取組状況調査

長期総合計画の計画的推進について < 部経営上の課題 取組方針 > H19 年度の各部の経営上の課題 取組方針の協議 < 行政改革 > 財政 人事など経営資源の現状分析 把握 課題についての対処方法の検討 行政改革実施計画の見直し <サマーレビュー > 懸案施策 事業の協議 < 実施計画 > 今後

PrimoPDF, Job 20

4 施策別計画 4 施策別計画 施策別計画の見方 施策の方向性を示しています 関連する施策と連携の内容を示して 取組の目標を示しています います なお 市民協働や人権 行政 施策の必要性を示しています の効率化などを内容とする まちづ 取組の現状と課題を示しています くりを進めるための基盤 である施

第4次日田市行政改革に向けての方針

三沢市行政経営推進プラン

瑞穂市行政改革大綱

施策の体系 本目標3 地域力と行政の連携がつくる人と地球に優しいまち179

(1) 当該団体が法人格を有しているか 又は法人格のない任意の団体のうち次の1~2の要件を全て満たすもの 1 代表者の定めがあること 2 団体としての意思決定の方法 事務処理及び会計処理の方法 並びに責任者等を明確にした規約その他の規定が定められていること (2) 関係市町村との協議体制を構築してい

目 次 1 章策定の趣旨 1 1 これまで経緯 1 2 さらなる行財政改革の必要性 1 2 章行財政改革の基本的な考え方 2 1 推進期間 2 2 基本方針 2 3 重点項目 2 (1) 事務 事業の効率化の推進 3 (2) 定員管理の適正化及び人材育成の推進 4 (3) 民間活力の活用 4 (4)

<4D F736F F D E E96914F955D89BF82CC906982DF95FB2E646F63>

- 目次 - Ⅰ 計画策定の趣旨等 1 Ⅱ 船橋市における自殺の現状 2 Ⅲ 船橋市の自殺対策における取組 3 Ⅳ 船橋市の自殺対策推進体制 6

Taro-1形成を戦略的に

平成 28 年度予算編成方針 我が国の経済は 景気は引き続き緩やかな回復基調を維持しているが その影響が地方経済にまで十分に行き渡っているとは言えず 我々地方の行財政運営の基本となる税等一般財源を確保するためには 臨時財政対策債に頼らざるを得ない状況が続くものと考える また 税制改正も予測されること

12_15_中期計画表紙.ai

Microsoft PowerPoint - 04-検討プロセス及び検討体制


01 【北海道】

JICA 事業評価ガイドライン ( 第 2 版 ) 独立行政法人国際協力機構 評価部 2014 年 5 月 1

総括的事項について 推進プラン全体に関するもの (2 件 ) 1 行政改革の推進プランであるにもかかわらず コスト削減に関する推進項目やプログラムが少ないのではないか 本市では 過去数次にわたる行政改革のプラン実施において 取り組む必要があると考えられる取組については 可能な限り取り組んできたところ

Microsoft Word - fcgw03wd.DOC

資料4-4 新しい時代の教育や地方創生の実現に向けた学校と地域の連携・協働の在り方と今後の推進方策について 審議のまとめ(参考資料)

Microsoft Word - 第4次計画

社会的責任に関する円卓会議の役割と協働プロジェクト 1. 役割 本円卓会議の役割は 安全 安心で持続可能な経済社会を実現するために 多様な担い手が様々な課題を 協働の力 で解決するための協働戦略を策定し その実現に向けて行動することにあります この役割を果たすために 現在 以下の担い手の代表等が参加

めざしたい将来像 市民ニーズに弾力的に応えられる活力に満ちた松戸市となるために 発展性のある健全な財政運営を実現します そのために 将来を見越して 社会資源の有効活用を図りつつ 柔軟かつ大胆な発想で歳入 歳出とも不断の見直しを行います 指標 21 年度 22 年度 2 年度 27 年度現状値 2 年

<4D F736F F D A8D CA48F43834B C E FCD817A E

ご ごに対する市の考え方 番号頁箇所の要旨対応理由等 1 市政全般 総合計画で 2026 年まで 27 万人を維持するためには どのような施策 計画があるか また 2055 年における人口と公共施設の延べ床面積の関係は 2 市政全般 総合計画で 2026 年まで人口を維持した後の市 原市政は これま

2014(平成26)年度 予算編成方針について

市民自治の捉え方 市民自治 市民参加協働 市民の自立的な活動 市の領域 協働の領域 市民の領域 市の責任と主体性によって独自に行う領域 市の主体性が強く 市民が市に協力する領域 市民と市がそれぞれの主体性のもとに協力して行う領域 市民の主体性が強く 市が市民に協力する領域 市民の責任と主体性によって

一次評価 担当課による自己評価 必要性 効率性 有効性 市民や社会のニーズを的確に捉えた事業か 民間事業者や市民が自ら実施することのできない事業か 目的 目標の達成手段として適切で 優先度の高い事業か 受益者との負担関係やは妥当な水準か 他の手段や方法とのコスト比較は十分行われているか コスト削減や

< C8E C8E DA8E9F C95742E786C73>

untitled

学生確保の見通し及び申請者としての取組状況

イ類似団体の状況 法定上限数 抜粋 30 人 ( 人口 8~ 10 万人 ) 34 人 ( 人口 10~ 14 万人 ) 定数が定数を減員の状況法定市数法定上限人2人3人4人5人6人7人8人9人上限数数より減員1と同じ (14.8%) 9 (23.1%) 10 人11 人以上 23

平成18年度標準調査票

浜田市事務事業の外部化 ( 民間委託等 ) に関する指針 の 策定について 平成 25 年 5 月浜田市行財政改革推進本部 浜田市では 平成 17 年 10 月に市町村合併を行い 平成 18 年 2 月に 浜田市行財政改革大綱 を策定して 平成 22 年度までの 5 年間で改革に取り組んできました

資料 5 総合計画の推進について 1 総合計画推進の基本的な考え方 ⑴ 第 5 次長期総合計画の体系 ( 本編 P.9) 第 5 次長期総合計画は まちの将来ビジョンとして 基本構想部分で目指すまちの姿やまちづくり戦略 5つの戦略の柱などを定め 戦略計画部分で 重点的な施策展開として 5つの戦略の柱

用への助成を除くと 住宅に関する融資や助成制度等の情報提供の充実 との回答割合が高い( 子育て住み替え意識調査 ) 以上のことから 住宅が手狭であることを理由に市外へ転出する若い世代が相当数存在し また その傾向が強まっていることがうかがえる また 住み替え後は4LDKの間取りを中心とした持ち家 (

おりとする (1) 基本構想中長期的な展望に立った 総合的かつ計画的な行政運営の指針とし 将来の都市像とまちづくりの基本理念及びまちづくりの基本目標 ( 政策目標 ) やその方向性を示すもの 平成 33 (2021) 年度から平成 42(2030) 年度までの 10 年間を計画期間とし 10 年間で

各取組は PDCA サイクルを回し効果を評価し 目標が達成できない見通しとなったときは さらなる総量の縮減や取組 体制の強化等 基本方針等を見直します [ 図表 40] [ 図表 40:PDCA サイクル ] 計画修正 Action 計画修正 Action Plan Check 計画等修正 Acti

Microsoft PowerPoint - 【150105】02-2検討プロセス及び検討体制

Microsoft Word doc

[ 2 / ] 平成 26 年 0 月 05 日 19 時 08 分 2 秒作成 ( 連絡先 ) 事務事業名 イマリンビーチ管理運営事業 事 業 群 0 観光客受け入れ体制の整備 事 業 イマリンビーチ管理運営事業 事業の計画 2 年度計画目標年度 計画

Taro-7ロジツク

県と市町村の役割分担の基準

0-1表紙

基本指針の概要 1 基本指針改定の趣旨近年 地域社会における社会的課題が多様化 複雑化する中 行政 企業 NPO 自治会などが互いに協力して課題解決に取り組み 地域社会をより住み良いものとしていくことが今後ますます重要となっています このため 従前の NPO 活動に関する基本指針 の基本的な考え方を

知創の杜 2016 vol.10

Taro-ドラッカー研修上

Microsoft Word - H180119コンパクトシティ説明用_仙台市_.doc

P10 第 2 章主要指標の見通し 第 2 章主要指標の見通し 1 人口 世帯 1 人口 世帯 (1) 人口 (1) 人口 平成 32 年 (2020 年 ) までの人口を 国勢調査 ( 平成 7 年 ~22 年 ) による男女各歳人口をもとにコーホー 平成 32 年 (2020 年 ) までの人口

平成 26 年度第 5 回 留辺蘂まちづくり協議会資料 諮問書 ( 写 )~ 留辺蘂自治区内事業の今後のあり方について 1 諮問から答申までの流れについて 3 北見市総合計画第 7 次実施計画策定方針 4 平成 26 年度臨時まちづくり協議会正副会長連絡会議資料 実践型地域雇用創造事業について 景観

<4D F736F F F696E74202D C5817A8E9197BF332D8B9F8B8B91A B8CDD8AB B83685D>

活動状況調査

観光で稼ぐ! ための手引書 観光消費の拡大と域内経済への波及をめざして ~ データに基づき観光施策を作り上げる 7 つのステップ ~ 北海道経済部観光局 平成 31 年 4 月

企業におけるコミュニケーション能力育成

スライド 1

4-(1)-ウ①

<4D F736F F F696E74202D EF8B638E9197BF82CC B A6D92E894C5816A E >

スキル領域 職種 : マーケティング スキル領域と MK 経済産業省, 独立行政法人情報処理推進機構

[ 概要版 ] 倉吉都市計画 マスタープラン素案 鳥取県倉吉市

<4D F736F F D208E9197BF E88E68EE58CA C490BA96BE95B62E444F43>

PowerPoint プレゼンテーション

平成 25 年 4 月 30 日 補助金のあり方に関するガイドライン 函館市 平成 25 年 4 月

13 (参考資料4-5)松下参考人資料(三菱総研)

Taro-全員協議会【高エネ研南】

ISO9001:2015規格要求事項解説テキスト(サンプル) 株式会社ハピネックス提供資料

1. はじめに 本格的な地方分権の時代を迎え 市民に最も身近な地方自治体は 市民ニーズに応じた政策を自ら意志決定し それを自己責任の下に実行することがこれまで以上に求められており 地方自治体の果たすべき役割や地方自治体に寄せられる期待は ますます大きくなっています このような市民からの期待に応えるた

目 次 1 実施方針 1 2 収支不足への対応 2 3 改革のテーマと目標 2 4 重点項目 3 (1) 事務事業の見直し (2) 施設運営の見直し (3) 人件費の削減 (4) 受益者負担の適正化と収入確保の工夫 5 重点項目ごとの主な取組と目標効果額 4 (1) 重点項目ごとの主な取組 (2)

スライド 1

25 周年を迎えたコミ協の新たな取組 について ( 報告 ) 20 周年に向けての見直し検討報告書 に明示された方策等の推進状況を企画総務部会で精査したところ そのほとんどが既に実施もしくは改善されていることがわかった ついては これらの事業は引き続き実施することとし 新たに 地域コミュニティ が抱

介護保険制度改正の全体図 2 総合事業のあり方の検討における基本的な考え方本市における総合事業のあり方を検討するに当たりましては 現在 予防給付として介護保険サービスを受けている対象者の状況や 本市におけるボランティア NPO 等の社会資源の状況などを踏まえるとともに 以下の事項に留意しながら検討を

併せて 先進事例を統一的なフォーマットでデータベース化する また 意欲ある地域が先進的な取組みを行った人材に 目的に応じて容易に相談できるよう 内閣官房において 各省の人材システムを再点検し 総合的なコンシェルジュ機能を強化する 各種の既存施策に加え 当面 今通常国会に提出を予定している 都市再生法

子ども・子育て支援事業計画策定業務委託 仕様書(案)

平成24年度「全国自治体の子育て支援施策に関する調査」報告書

施策吊

Microsoft Word - h26_2_1.docx

< F2D819B81798DC48C9F93A2817A8E7396AF8E5189C18FF097E18DF4>

文化庁平成 27 年度都道府県 市区町村等日本語教育担当者研修 2015 年 7 月 1 日 生活者としての外国人 に対する日本語教育の体制整備に向けた役割分担 日本語教育担当者が地域課題に挑む10のステップ よねせはるこ米勢治子 ( 東海日本語ネットワーク )

手法 という ) を検討するものとする この場合において 唯一の手法を選択することが困難であるときは 複数の手法を選択できるものとする なお 本規程の対象とする PPP/PFI 手法は次に掲げるものとする イ民間事業者が公共施設等の運営等を担う手法ロ民間事業者が公共施設等の設計 建設又は製造及び運営


3. さいたま市議会の議決すべき事件等に関する条例 ( 目的 ) 第 1 条この条例は さいたま市議会基本条例 ( 平成 21 年さいたま市条例第 55 号 ) 第 25 条の規定の趣旨にのっとり 市行政における基本的な計画の策定等を地方自治法 ( 昭和 22 年法律第 67 号 ) 第 96 条第

2 保険者協議会からの意見 ( 医療法第 30 条の 4 第 14 項の規定に基づく意見聴取 ) (1) 照会日平成 28 年 3 月 3 日 ( 同日開催の保険者協議会において説明も実施 ) (2) 期限平成 28 年 3 月 30 日 (3) 意見数 25 件 ( 総論 3 件 各論 22 件

美里町行政改革大綱(仮称)(中間報告案)

Microsoft Word - ③調査仕様書.doc

「(仮称)姫路市地域IT基本計画」の概要について

内部統制ガイドラインについて 資料

< FB96408F E4F8F648CA788C990A88E73815E8FAC969392AC967B92AC926E8BE6817A2E786477>

Taro-3PEST分析

はじめに

普通財産の売却及び利活用の基本方針

第三者評価結果表 施設名救護施設下関梅花園 評価対象 Ⅰ 福祉サービスの基本方針と組織 評価項目 a b c Na 判断の理由 1 理念 基本方針 (1) 理念 基本方針が確立されている 1 理念が明文化されている 理念は明文化され 法人の中長期計画や事業団ホームページ上にも記 載されており その内

<4D F736F F D EE888F882AB817A8E968CE3955D89BF B83678DEC90AC82CC8EE888F882AB2E646F63>

目次 市有財産活用基本方針について 1 第 1 章市有財産の現状と対象財産 2 1 市有財産 ( 土地 建物 ) の保有状況 2 2 市有財産の現状の整理 3 3 公共施設マネジメントとの関連 3 4 基本方針における対象財産 3 第 2 章市有財産の活用の推進 4 1 新たな活用における庁内要望の

3 高齢者 介護保険を取り巻く現状 1 人口 高齢化率本市は高齢化率が 45% を超えており 本計画の最終年度である 2020( 平成 32) 年度には 高齢化率 48.0% 2025( 平成 37) 年度には高齢化率 49.7% まで増加することが推計されます また 2018( 平成 30) 年以

Microsoft PowerPoint - kobetsuB4-slide-静山.ppt [互換モード]

目次

Microsoft PowerPoint _tech_siryo4.pptx

チェック式自己評価組織マネジメント分析シート カテゴリー 1 リーダーシップと意思決定 サブカテゴリー 1 事業所が目指していることの実現に向けて一丸となっている 事業所が目指していること ( 理念 ビジョン 基本方針など ) を明示している 事業所が目指していること ( 理念 基本方針

公益財団法人和歌山市文化スポーツ振興財団 ( 財団法人和歌山市都市整備公社から名称変更 ) 経営健全化 ( 自立化推進 ) 計画 ( 平成 22 年度 ~ 平成 25 年度 ) 取組結果報告 取組結果報告における各取組の最終進捗結果の説明区分基準 A ほぼ予定どおり 若しくは予定以上に進んだ B 取

Transcription:

SWOT 分析を活用した総合計画実施計画の策定 千葉県松戸市 取組の概要 人口 :470,028 人面積 :61.33 km2 松戸市総合計画第 3 次実施計画 ( 計画期間 : 平成 20 年度 ~22 年度 ) の策定にあたり 民間の経営分析手法である SWOT 分析を行政版に修正して活用した SWOT 分析は 政策分野ごとに外部環境分析と内部要因分析を実施し 事業を 成長 改善 回避 撤退 の 4 つの方向性に分類するものであるが この手法を活用することによって 選択と集中 を明確にした戦略的な実施計画の立案をめざした 取組の紹介 1 取組の背景松戸市総合計画第 2 次実施計画 ( 計画期間 : 平成 15 年度 ~19 年度 ) では 計画当初に 229 億円の一般財源不足が生じ 松戸市行財政改革計画 を平成 15 年 12 月に策定した この行革計画に基づく行財政改革の推進により 財政の健全化は維持されたものの 実施計画と併行して行財政改革計画を進めたことにより 結果として 総合計画の目指す姿や方向性が不明確となった このため 松戸市総合計画第 3 次実施計画 ( 計画期間 : 平成 20 年度 ~22 年度 ) を 選択と集中 を明確とした戦略的な計画とすることとし SWOT 分析などの戦略計画手法の活用に取り組んだ なお 計画策定の方針としては 次の3つを掲げた 1 選択と集中 を明確とした戦略的な計画とすること 2 財源の裏づけのある計画とすること 3 策定にあたっては 民間の経営手法等を活用すること

2 取組の具体的内容 実施計画策定の手順 総合計画 政策目的体系 SWOT 分析 財源推計 基本構想 基本計画 戦略策定単位 包括戦略 政策ごと戦略 財源内訳表 事業費内訳表 戦略書シート 戦略シナリオ ( 取り組み課題 ) 主な成果 目標 事業費 アクションプラン 実施計画 ( 素案 ) ニーズの増減があるもの 事前評価整理表 全事務事業 取り組み課題 主な成果 目標 事業費 目的 対象 目標 事業費 職員数 経常的なもの ニーズの把握等経営環境分析 平成 18 年 8 月に 20 歳以上の市内在住 3,000 人を無作為抽出した 第 3 次実施計画づくりのための市民ニーズ調査 を実施し 今後のまちづくりの方向性や政策分野ごとの現状評価と今後の重要度などを調査した こうして新たに収集した情報や既に市の保有する情報を整理し 市民ニーズの増減等を分析する 外部環境分析 松戸市 ( 行政及び市民 企業等 ) の強みと弱みを分析する 内部要因分析 を実施した SWOT 分析 SWOT 分析とは 市民ニーズや役割の変化 ( 外部環境 ) と松戸市の状況の変化 ( 内部要因 ) からできる4つの軸に評価する手法で 民間では主にマーケティング戦略や企業戦略立案で使われている

本市では この手法を自治体版に修正することによって 次の2つの重点化を目指した 1 市民ニーズが増加していたり 市の役割が拡大している重点領域を選択し 公共としての責任を明確にすること 2 パートナー分析によって NPO やコミュニティなどへ委譲や協働を進める領域を確定し 行政機能を純化させることなお SWOT 分析は 市全体の包括的な分析のほか 従前から行政評価で使用していた政策目的体系で設定した 23 の政策単位で分析を行った 実施計画書( 案 ) の策定 SWOT 分析からは 成長 改善 回避 撤退 の4つのマトリックス上に個々の戦略が導かれる これを 戦略書シート というワークシートに整理し 財源内訳も含めた具体的な事業プランにまとめ 財源推計と突合した この事業プランを総合計画の施策の大綱にそって再度 整理し 第 3 次実施計画 ( 案 ) を策定した 策定の体制 平成 18 年 7 月に 助役を会長とする庁内組織である 第 3 次実施計画策定会議 を設置し 計画の立案に関わる意思決定機関とした また 各分野の専門家にそれぞれの見地からの助言を頂くための補助組織として 学識経験者などで構成する 第 3 次実施計画策定有識者会議 を設置し 平成 18 年 7 月から 19 年 2 月にかけて 作業の各段階において助言を頂いた 策定に要した経費 取組に伴う事業費は 職員の人件費を除き 市民ニーズ調査委託 に係る経費と有識者会議の委員報酬や基調講演会開催経費など 約 215 万円となっている

実施計画書の掲載する SWOT 分析の例

3 取組の効果 1 影響度や重要度を整理できたので 事業の方向性を示すことができた また 説明理由も明確になった 2 他本部の政策についても議論し 現状認識や問題意識を共有化できたので 全体を俯瞰し 大きな課題の把握につながった 3 ニーズの減少に対応した事業の縮小や 市民や事業者等に委ねていく事業についても明らかにし 実施計画に組み込むことができた 4 毎年度見直しをする枠組みを導入することにより 財源と全体事業費との整合性や 経済環境の変化に対応する柔軟性が確保された 5 目指す成果 目標 事業費 を明記することにより わかりやすい計画となった 4 取組中の課題 問題点 1 新たな手法であり 先行事例も少なかったため 分析を実施する職員への研修などを繰り返し実施した 2 外部環境や内部要因を分析するための情報が整理されていなかった 3 ニーズの増大を把握し対応策を立案することに比べ ニーズの減少への対応策を立案する経験が少なかったため 事業機会やニーズの減少 に対応した 撤退分野 回避分野 の戦略立案に苦労した 4 歳入の伸びが見込めない財政状況において 事業費を財源推計内に抑える調整に時間を要した 5 住民 ( 職員 ) の反応 評価 ( 住民 ) 1 平成 19 年 7 月に 素案に対する市民意見募集 10 月に 最終案に対するパブリックコメント手続を実施した 実施計画の策定であったため 市民の意見を聞く場としては限定的ではあったが 全体として意見は少なく 総合計画の策定過程においての市民意見の反映については今後の課題と考えている ( 職員 ) 2 SWOT 分析など計画の立案に携わった職員 ( 主に各本部の企画管理室職員 ) と策定への関与が少なかった職員 ( 主に計画を実践する事業課の職員 ) の間で 課題の共有度合いに差が生じている 3 SWOT 分析の対象にならない ( ニーズの増減のない ) 経常的な事業について 自発的に改革 改善を進めることについては 今後の課題と考えている

6 今後の課題 1 SWOT 分析を実施し明らかにできた課題であっても 3 年間の実施計画期間内では 財政的制約や住民等の環境形成の進行度合いによって対応策を描けないものもあり 総合計画後期基本計画 ( 計画期間 : 平成 23 年度 ~32 年度 ) において 対応すべきものと考えている 2 戦略的なマネジメント手法を段階的に取り入れているため 今回は 実施計画の立案過程においてのみ導入した 今後 後期基本計画の策定過程においても新たな手法を活用すべきと考えており その際には 基本計画レベルで設定するビジョンや政策目標と 実施計画レベルで設定する取り組み課題の関係を明確にすることが必要と考えている 3 実施計画で設定した取り組み課題を実践していくためには 各々の職員が 自発的に 創意工夫しながら事業を推進していける気づきの場の設定など学習する組織づくりが必要と考えている 7 今後取り組む自治体に向けた助言 1 SWOT 分析を行政経営に活用する自治体の数はまだ少ないが 情報を整理し 事業の方向性を導き出す手法としては有効と考えている 本市の場合は 実施計画の立案が当面の課題であったため このような活用方法となったが SWOT 分析の活用を検討されている団体にあっては 各々の経営課題に対応した活用場面を設定する必要がある 2 SWOT 分析を自治体に合った形で実施するためには いくつかの必要な修正を行う必要があるので 独自の手法により職員だけで行う場合には困難に直面するものと思われる 3 SWOT 分析だけでは 社会的な潮流が明らかでないような政策分野においては 戦略を描くことが難しい場合があり SWOT 分析の限界を理解した上で活用することが望ましいと思われる ( 参考 ) 当該取組内容の関連ホームページ松戸市のホームページ (http://www.city.matsudo.chiba.jp/) トップページの デジタル資料館 の 計画 構想 をクリックし 以下 松戸市総合計画 実施計画 第 3 次実施計画 とクリックすると 第 3 次実施計画関連資料のデータが取得可能 担当部署 : 政策調整課