第 2 その他 1 各消防本部は 本通知に係る活動要領等の策定を 糸魚川市大規模火災を踏まえた 木造の建築物が多い地域などの大規模な火災につながる危険性の高い地域 の指定要領等について ( 平成 29 年 7 月 31 日付け消防消第 193 号 ) 糸魚川市大規模火災を踏まえた消防広域応援体制の強

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吹田市告示第  号

油漏洩 防油堤内 にて火災発生 9:17 火災発見 計器室に連絡 ( 発見 者 計器室 ) 発見後 速やかに計 器室に連絡してい る 出火箇所 火災の状況及び負傷者の発生状況等を確実に伝え 所内緊急通報の実施 火災発見の連絡を受 けて速やかに所内 緊急通報を実施し 水利の確保 ( 防災セ ンター 動

⑴ ⑵ ⑶ ⑵

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別紙 1 消防危第 174 号 平成 25 年 10 月 4 日 < 関係団体の長 > 殿 消防庁危険物保安室長 ガソリン携行缶本体の注意表示の充実に係るご協力のお願いについて 平素から消防行政へのご理解とご協力を賜り 厚く御礼申し上げます 平成 25 年 8 月 15 日に京都府福知山市花火大会で

ことを呼びかけます Q4. ミサイルが落下する可能性がある との情報伝達があった場合は どうすれば良いのでしょうか A4. 屋外にいる場合 近くの建物 ( できれば頑丈な建物 ) の中又は地下に避難してください 近くに適当な建物等がない場合は 物陰に身を隠すか地面に伏せ頭部を守ってください 屋内にい

屋外広告物のしおり

大規模イベント開催時の危機管理等における消防機関のあり方に関する研究結果について ( 概要 ) 研究の趣旨 現在 国際社会では各地で多様な形態のテロが発生し また NBCテロ災害等 特別な備えが必要となる事案が発生する恐れも増してきている 2019 年のラグビーワールドカップ 2020 年のオリンピ

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資料 2-3 超大規模防火対象物等における自衛消防活動に係る訓練の充実強化方策 ( 案 ) 平成 30 年 10 月 31 日 事務局

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むつみ方面団夏季訓練 ( 中継送水訓練 ) 訓練概要 水利から離れた林野火災を想定し 中継送水訓練を実施 訓練実施要領 1 訓練想定柳地区において林野火災が発生 現場から水利まで遠距離のため 長尾川から消防車にて吸水し 可搬ポンプに中継送水する さらに消防車に中継し 火点に放水する また ジェットシ




筒先進入技術等の伝承の一方策について

Q4. ミサイルは発射から何分位で日本に飛んでくるのでしょうか A4. 北朝鮮から弾道ミサイルが発射され 日本に飛来する場合 極めて短時間で日本に飛来することが予想されます 例えば 本年 2 月 7 日に北朝鮮西岸の東倉里 ( トンチャンリ ) 付近から発射された弾道ミサイルは 約 10 分後に 発

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( 社会福祉施設用作成例 ) (4) 施設管理者は, 緊急時連絡網により職員に連絡を取りましょう (5) 施設管理者は, 入所者の人数や, 避難に必要な車両や資機材等を確認し, 人員の派遣等が必要な場合は, 市 ( 町 ) 災害対策本部に要請してください (6) 避難先で使用する物資, 資機材等を準


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浸水深 自宅の状況による避難基準 河川沿いの家屋平屋建て 2 階建て以上 浸水深 3m 以上 緊急避難場所, 近隣の安全な建物へ水平避難 浸水深 50 cm ~3m 緊急避難場所, 近隣の安全な建物へ水平避難上階に垂直避難 浸水深 50 cm未満 緊急避難場所, 近隣の安全な建物へ水平避難 自宅に待

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志摩広域消防組合警防規程

第8章 災害復旧計画

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消防災第 71 号 平成 22 年 2 月 24 日 各都道府県消防防災主管部長殿 総務省消防庁国民保護 防災部防災課長 ( 公印省略 ) 公務員の消防団への入団促進について ( 通知 ) 消防団員は 普段はそれぞれに他の職業をもつ地域住民により構成され 非常災害が発生した際に 自らの地域は自らで守

その時点で改めて ミサイルが落下する可能性がある旨を伝達し 直ちに避難することを呼びかけます Q4. ミサイルが落下する可能性がある との情報伝達があった場合は どうすれば良いのでしょうか A4. 屋外にいる場合 近くの建物 ( できれば頑丈な建物 ) の中又は地下に避難してください 近くに適当な建

第 1 章実施計画の適用について 1. 実施計画の位置づけ (1) この 南海トラフ地震における具体的な応急対策活動に関する計画 に基づく宮崎県実施計画 ( 以下 実施計画 という ) は 南海トラフ地震に係る地震防災対策の推進に関する特別措置法 ( 平成 14 年法律第 92 号 以下 特措法 と


事務連絡平成 30 年 10 月 26 日 各都道府県消防防災主管課東京消防庁 各指定都市消防本部 } 殿 消防庁予防課 外国人来訪者や障害者等が利用する施設における災害情報の伝達及び避難誘導に関するガイドライン のリーフレットの配布について 2020 年東京オリンピック パラリンピック競技大会が開

できない場合は 代表消防機関代行の倉敷市消防局又は津山圏域消防組合消防本部の職員をもって充てるものとする 4 岡山県大隊に 消火 救助 救急等の任務単位毎に中隊を設けることとし 各中隊を 消火中隊等 と呼称するものとする なお 中隊長は 岡山県大隊長が指定するものとする 5 各中隊に 各車両又は付加

(2) 日本の領土 領海の上空を通過した場合 旧 1 ミサイル発射情報 避難の呼びかけ 新 ミサイル発射情報 ミサイル発射情報 先程 北朝鮮からミサイルが発射された模様です 続報が入り次第お知らせします ミサイル発射 ミサイル発射 北朝鮮からミサイルが発射された模様です 頑丈な建物や地下に避難して下

エコテックその他火災 ( 産業廃棄物 ) 概要 平成 29 年 6 月 14 日 ( 水 )17 時 00 分飯塚地区消防本部 下線部は 前回からの変更点 1 出火場所嘉麻市大隈 ( 有 ) エコテック代表者氏名代表取締役社長高山和仁 2 出火日時覚知平成 29 年 5 月 28 日 (

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H30雑踏事故防止通達(公表用)

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⑴ ⑵ ⑶ ⑷ 1


⑴ ⑵ ⑶

⑴ ⑵ ⑶

⑴ ⑵ ⑶

⑴ ⑵ ⑶

⑴ ⑵ ⑶

Q4. ミサイルは発射から何分位で日本に飛んでくるのでしょうか A4. 北朝鮮から弾道ミサイルが発射され 日本に飛来する場合 極めて短時間で日本に飛来することが予想されます 例えば 平成 28 年 2 月 7 日に北朝鮮西岸の東倉里 ( トンチャンリ ) 付近から 発射された弾道ミサイルは 約 10

(2) 異常現象と認識しているにもかかわらず 情報収集を行った後に通報することとなっている場合には 異常現象と認識した時点で通報する体制とすること (3) 従業員 ( 協力会社等の従業員を含む ) が異常現象の判断に迷うことにより通報が遅れるおそれのある場合には 異常現象の通報に関する教育 訓練の内

原議保存期間 5 年 ( 平成 27 年 12 月 31 日まで ) 各都道府県警察の長 殿 警察庁丙刑企発第 43 号 ( 参考送付先 ) 平成 22 年 2 月 25 日 各附属機関の長 警察庁刑事局長 各地方機関の長庁内各局部課長 美容外科手術を行っている医師の団体に属する会員等からの指名手配

はじめに 消防法の規定では 一定規模の建物の管理権原者は 防火管理者を定め 消防計画を作成し 防火管理上必要な業務の実施を定めています その中でも 消防計画に基づく訓練の実施は最も重要な事項です 特に特定防火対象物 ( 集会場 スーパー ホテル 病院等の不特定多数の人が出入りする施設 ) には 年

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U2. 北朝鮮のミサイルについて Q3. 北朝鮮によるミサイル発射の現状はどうなっているのか 北朝鮮は 過去に例を見ない頻度でミサイルを発射しており 平成 28 年 8 月以降 ミサイルが日本の排他的経済水域 (EEZ) 内に落下する事例も起こっています Q4. ミサイルは 発射から何分位で日本に飛

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⑵ ⑶ ⑷ ⑸ ⑴ ⑵

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○福岡県警察交通管制要綱の制定について(通達)

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事例集表紙1

(案)

第 5-1 表 防火防災訓練実施状況 ( 対象別 防災館を除く )( 平成 28 年度中 ) 町会 自治会防災市民組織女性防火組織その他の団体合 計 防災訓練 実施件数 9,403 件 1,128 件 227 件 9,812 件 17,779 件 参加人員 612,576 人 31,761 人 4,

別添 中防災第 1 1 号 平成 29 年 5 月 31 日 各指定行政機関の長各指定公共機関の代表殿 中央防災会議会長 ( 内閣総理大臣 ) 安倍晋三 梅雨期及び台風期における防災態勢の強化について 貴殿におかれては 日頃から各般の施策を通じて災害対策の推進に御尽力をいただいているところであるが

目次 1 目的 1 2 医療機関及び行政機関等との協力関係の確保 1 3 事業主体 1 (1) ドクターヘリ 1 (2) 防災消防ヘリ 1 4 定義 1 (1) ドクターヘリ基地病院 1 (2) 地域救急医療体制支援病院 1 (3) ヘリ救急搬送体制支援病院 2 (4) 出動区分 2 5 ドクターヘ

第2編 旅客営業 第4章 乗車券類の効力

時間災害状況等の推移関係機関関係機関の活動内容道府県 ( 防災本部 ) の留意事項 ( 評価の視点 ) 1 日目 3.1 地震に基因する標準災害シナリオ 9:00 (0:00) 地震発生 ( 震度 6 強 ) 特定事業所 施設等の緊急停止措置 災害拡大防止上必要な施設の手動停止操作 地震発生後 速や

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参考資料 三郷市火災予防条例の一部を改正する条例案の素案 平成 26 年 9 月 三郷市消防本部 大規模な屋外催しにおける防火管理体制の構築について 1 改正の背景 1 京都府福知山市花火大会火災平成 25 年 8 月 15 日 京都府福知山市で行われた花火大会において 死者 3 名 負傷者 56

続報を伝達しますので 引き続き屋内に避難していて下さい 弾道ミサイルが日本の上空を通過した場合には 他に追尾しているミサイルやミサイルから分離した落下物が我が国の領土 領海に落下する可能性が無いことを確認した後 弾道ミサイルが通過した旨の情報をお知らせします ((2)2) 引き続き屋内に避難する必要

すぐ連絡! すぐ実施! 杉並消防署からのお知らせ 自衛消防訓練を実施しましょう 自衛消防訓練は 火災が発生した場合に消防隊が現場に到着するまで 自衛消防 活動により 迅速 的確に人命の保護と災害の拡大防止の措置をとれるようにする ことを目的としています 訓練の種別 自主的に訓練することが必要です!

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2-1 出場体制等 1 出場体制東京消防庁における出場体制は 火災 救助 救急及び危険排除等の災害区分に応じて 普通出場 特別出場 特命出場により対応しています ⑴ 火災普通出場 市街地の一般火災及び大規模又は特殊な対象物の火災が発生した場合 火災の規模に応じて第 1 出場から第 4 出場に区分して

ウ火元責任者は 自主検査の結果 異常が認められたときは 防火管理者及び防火管理責任者 ( 工事責任者 ) に報告し 指示を受けて対処する (2) 放火対策ア建物の外周部及び階段等には 可燃性の工事用資材又は梱包材等は置かないようにする やむを得ず置く場合は整理整頓し防炎シート等で覆い保管する イ工事

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第 2-16 表 化学機動中隊の現況 ( 平成 29 年 4 月 1 日現在 ) 方 面 配 置 消 防 署 中 隊 名 第一方面 赤 坂 赤 坂化学機動中隊 第二方面 大 井 大 井化学機動中隊 第五方面 本 郷 本 郷化学機動中隊 第六方面 千 住 千 住化学機動中隊 第七方面 城 東 大 島化

ことを想定しているが これは既に違反対象物の公表制度を実施している消防本部の運用実態等を参考に 当該制度の実施に伴う事務負担やその効果等について検討を行った結果 特に都市部における建物の利用者数等による火災危険性が高いことを考慮したものである なお その他の消防本部においても政令指定都市の消防本部の

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( 活動基地及び活動区域 ) 第 5 条 航空隊の活動基地は 西八代郡市川三郷町黒沢 5375 番地に設置する山梨県警察航空基地 ( 以下 航空基地 という ) とする 2 航空隊の活動区域は 県内全域とする ( 編成 ) 第 6 条 航空隊の編成は 別表第 1 のとおりとする ( 業務 ) 第 7

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建築基準法第 43 条第 2 項第 2 号の規定による許可の同意の取扱い基準 平成 18 年 6 月 1 日東広島市建築審査会 建築基準法 ( 以下 法 という ) 第 43 条第 2 項第 2 号の規定により許可を行う場合, 次 に定める基準のいずれかに該当する建築物の敷地については, 建築審査会

目次 Ⅰ スタンドパイプセットについて 1 スタンドパイプセットの配備について 1 2 スタンドパイプセットとは 2 3 スタンドパイプセットの使用について 2 4 各種資器材の概要 3 Ⅱ 消火栓 1 概要 7 2 蕨市内における消火栓蓋の種類 7 3 消火栓の構造 8 Ⅲ 各種資機材等取扱要領

Transcription:

消防消第 290 号 平成 29 年 12 月 22 日 各都道府県消防防災主管部長 東京消防庁 各指定都市消防長 殿 消防庁消防 救急課長 ( 公印省略 ) 強風下における消防対策について 消防庁では 平成 28 年 12 月 22 日に発生した糸魚川市大規模火災を受け 糸魚川市大規模火災を踏まえた今後の消防のあり方に関する検討会の検討結果について ( 平成 29 年 5 月 19 日付け消防消第 117 号 ) により 本火災を踏まえた基本的な考え方 各消防本部において早急に取り組むべき事項 今後取り組むべき主な事項等を示したところです このうち 今後取り組むべきこととして 強風下において迅速かつ的確な消火活動を行うために飛び火警戒を含めた消火活動の具体的な要領を定めておくことや 自然水利の状況や地形などの地域の特性 弱点の分析が必要であるとされたことから 今般 新たに強風下における消防対策を策定しました 各消防本部におかれましては 本対策を参考に 地域の実情を十分踏まえた活動要領等を策定し また 既に活動要領等を策定している場合においても内容を見直し 強風下における消防対策の万全を図るようお願いいたします その際 強風下での活動に有効な放水器具や防火装備等を活用できるよう 資器材や活用要領等について 再確認していただきますよう お願いします なお 新たな車両等を整備する際には 強風下での活動に有効な放水器具の整備についてもご配慮ください また 対策の実効性が確保されるよう 必要な教育 訓練を実施していただきますよう お願いします 各都道府県消防防災主管部長におかれましては 貴都道府県内の市町村 ( 消防の事務を処理する一部事務組合等を含む ) に対して周知するとともに 適切に助言していただきますようお願いいたします なお 本通知は 消防組織法 ( 昭和 22 年法律第 226 号 ) 第 37 条の規定に基づく助言として発出するものであることを申し添えます 記 第 1 強風下における消防対策 別記のとおり

第 2 その他 1 各消防本部は 本通知に係る活動要領等の策定を 糸魚川市大規模火災を踏まえた 木造の建築物が多い地域などの大規模な火災につながる危険性の高い地域 の指定要領等について ( 平成 29 年 7 月 31 日付け消防消第 193 号 ) 糸魚川市大規模火災を踏まえた消防広域応援体制の強化について ( 平成 29 年 7 月 31 日付け消防広第 266 号 ) 及び 大規模火災発生時の消防水利確保に関する関係機関との協定等の締結について ( 平成 29 年 8 月 18 日付け消防消第 194 号 ) に係る計画等の策定と併せて行うこと 2 本通知をもって 烈風下の消防対策について ( 昭和 30 年 12 月 13 日付け国消発第 889 号 ) を廃止する 問合せ先 消防庁消防 救急課警防係守谷 伊藤 馬場電話 03-5253-7522 e-mail keibou@ml.soumu.go.jp

別記 強風下における消防対策 第 1 目的第 2 強風下の定義第 3 強風下における消防活動 1 強風下の火災の特性 2 筒先配備要領 3 水利部署 4 気象状況の情報収集及び伝達 5 消防職団員の安全管理 6 住民への情報提供等第 4 飛び火警戒要領 1 飛び火の特性 2 飛び火警戒の体制 3 飛び火警戒隊による警戒要領 4 消火活動中の各隊による警戒要領 5 上空からの警戒要領 6 付近住民に対する現場広報要領 7 自主防災組織 自衛消防隊との連携第 5 事前の対策 1 消防体制の強化 2 水利の確保 3 広報活動第 6 教育 訓練等 1 消防職団員の教育 訓練 2 住民への普及 啓発 別紙 参考 1 強風下に有効なノズルの種類及び特性 2 火の粉や燃えさしにより着火しやすい箇所 1

第 1 目的本対策は 強風下における消防としての事前対策及び火災発生時の消防隊等の活動要領等について定めるもので 消防が最大限の効果を発揮することで被害の軽減を図ることを目的とする 第 2 強風下の定義本対策における強風下とは 次を総称する 強風注意報又は暴風警報が発表されている場合 火災気象通報を受けた場合 強風注意報の発表に至らずとも 通常よりも強い風が継続するなど 消防本部が注意の必要な気象状況であると判断した場合なお 強風注意報 暴風警報及び火災気象通報の発表区分は地域毎に異なることから 各消防本部においては自己管轄区域内の発表区分について 把握する 強風となる気象条件の例 冬の季節風 日本海側における強い低気圧の通過に伴うフェーン現象 台風等 第 3 強風下における消防活動 1 強風下の火災の特性 ⑴ 強風下では火元の火勢が早期に拡大し 通常時の火災と比べて延焼速度が非常に速く 風下へ向かって扇状に広がる また 風速が大きいほど角度が狭まり 帯状に延焼する ⑵ 延焼の継続に伴い 大量の火の粉や燃えさしが風下の広い範囲に飛散することから 飛び火による火災が発生する危険性が極めて高い ⑶ 放射熱や接炎による隣棟間の延焼に加え 飛び火による火災により 延焼速度が格段に速まるとともに 同時多発的に広範囲に延焼拡大する可能性が高い ⑷ 延焼規模が拡大すると 火の粉や燃えさしが大量に発生 熱気流により高く舞いあげられる また 建物上部の開口部の破損 ( 火炎噴出 ) 屋根の燃え抜け 建物の倒壊などが発生した際には これらの状況が激しくなる そのため 火災初期を過ぎた頃から飛び火の危険性が一気に高まる ⑸ 風速が大きく異なることに伴い 火の粉や燃えさしの飛散距離は長くなる 条件によっては 火元からの飛散距離が数 100mから 1,000mに及ぶ危険性もある ⑹ 高層建築物の風下側及び建物間の路地等は 風速が増す 風が巻く等の複雑な風の影響により 接炎や飛び火による延焼の危険性が増すことがある ⑺ 複数棟が延焼している場合には火炎の立ち上がりが大きくなることから 幅員の広い道路であっても 放射熱や接炎により風下側へ延焼する場合もある 2

⑻ 風向は一定とは限らない 特に台風を含め低気圧の移動により風向が大きく変化していく場合がある ⑼ 地形や建築物の状況等が影響し 火元周辺では風が強く感じられない場合がある ⑽ 風速は常に変化する また 熱気流の影響により風が複雑に変化し 火元付近と火元から離れた風下側での風速を比較すると風下側の風速が増す可能性がある 2 筒先配備要領 ⑴ 出動各隊は火災の拡大方向を予測し 風横及び風下への延焼阻止を主眼として活動する ⑵ 周囲への延焼拡大危険が大きい場合には 延焼阻止を主眼とし 特に延焼危険方向 ( 風下側 風横側 ) に優先的に筒先を配備し 可能な限り多口放水による延焼阻止を図る ⑶ 更なる延焼の拡大のおそれが生じた場合には 地形や道路状況 建物状況を勘案し 延焼阻止線 ( 風横 風下 ) を早期に決定し 筒先を集中的に配備する なお 当該地域に火災防ぎょ計画がある場合には 計画に基づき 風位 風速を考慮して決定する ⑷ 風下側からの注水は 風圧により押し戻されて注水効果はほとんど得られないことから 筒先は風横側に優先して配備し 風下の風横側からホースを延長する なお 延焼拡大にともなう筒先の移動を考慮し 延長ホースは1,2 本多くとる ⑸ 噴霧注水や低圧の注水は風の影響で十分な効果が得られない 強風下では高圧のストレート放水を基本とし 最大流量で 可能な限り多口放水を行うこと 特に 火勢熾烈な場合には 65mm ホースを活用し 水量及び射程距離を確保できる大口径ノズル (23 mm以上のスムースノズル等 ) や放水銃を活用することが有効である ⑹ 注水は風を利用し 風速の弱い時は直接燃焼実体に注水し 風速が強い時には風に乗せて流すように斜めからストレート放水を繰り返す ⑺ 風下側などの延焼危険の高い建物へ予備注水を実施し 延焼阻止を図る 風上側への延焼の可能性もあることを念頭に 筒先を配備する ⑻ 筒先の移動転戦を行う場合は 周囲の各隊と緊密な連絡をとる 複数の筒先で防ぎょしている際には1 隊の放水中止により火勢が急激に増大する可能性があることから注意を要する ⑼ ノズルや放口の急激な開閉は ホースやポンプ等に損傷を与えるだけでなく 同一ポンプから複数口放水している場合には他の筒先に急激に圧がかかり 極めて危険であることから 開閉はゆっくり行う ⑽ 強風下の火災では飛び火の発生は比較的早い段階から始まることから 早期の段階から飛び火を考慮して部隊を配備する 後掲 : 飛び火警戒要領 3

⑾ 火勢が消防力を上回り 大火災に発展するおそれがあると判断した場合は 時機を失することなく 早期に隣接消防本部等へ応援を要請し 部隊を増強する ⑿ 隣接消防本部等へ応援要請した際には 火災の状況 交通状況等を連絡するとともに 現場指揮本部は応援部隊の集結場所を指定する また 到着した部隊に対し現場指揮本部より任務 使用水利及び防ぎょ担当面を指定する 3 水利部署 ⑴ 風横の 大量かつ継続的な放水が可能な水利 ( 自然水利や大容量の防火水槽 ) を優先的に選定する ⑵ 有効注水を確保するため 後着隊の消火栓への部署には特に注意が必要である ⑶ 長時間の活動が予想されることから 防火水槽への充水体制を確保する なお 充水体制は地域の実情に応じてあらかじめ計画しておき 火災の状況により現場指揮本部により決定する ⑷ 延焼範囲の拡大とともに 多くのポンプ車等の水利部署が必要になることから 仮設水槽等の早期要請 設置 充水に配意する 仮設水槽の手配 設置場所は事前計画に基づき 火災の状況により 現場指揮本部により決定する ⑸ 原則として 応援隊等の後着する消防隊は自然水利を選定し 現場到着時に現場指揮本部において部署位置についても確認する 4 気象状況の情報収集及び伝達 ⑴ 火災気象通報 強風注意報 暴風警報が発表された場合や 気象予報等により風が強くなることが予想されるなど 火災発生時に注意を要する気象状況となった場合には 職員に周知し 火災発生時の対応に備える ⑵ 火災出動時には 出動指令書等に記載されている風位 風速を必ず確認し 延焼拡大危険方向及び飛び火の飛散方向を予測する ⑶ 活動中に風向が大きく変化する場合があるため 消防本部や指令センター等は地域時系列予報等の情報を収集し 現場指揮本部へフィードバックできる体制をとる ⑷ 高所カメラ ヘリコプター 小型無人航空機等を活用し 上空からのライブ映像など現場付近の俯瞰情報を収集できる体制をとり 現場指揮本部等において延焼方向の予測や筒先配備などに活用する 5 消防職団員の安全管理 ⑴ 建物間や路地等に進入する際には 飛び火等により火勢が回り込み退路を断たれるおそれがあることを十分留意しながら活動し 必要により監視要員を配置するなどの措置をとる 4

⑵ 強風下での放水活動は延長ホースが風に煽られ危険性が高い また 放水が高圧かつ最大流量の場合には筒先の 1 人保持は困難であることから 放水 1 口に対する筒先担当員は2 名以上とする ⑶ 強風による火の粉や飛散物から目を保護するため 防火帽の顔面保護板 ( シールド ) を下げて活動する ⑷ 強風下においてはトタン板などの大きな部材も飛散することから 飛散物や落下物などに十分注意する 6 住民への情報提供等 ⑴ 強風下で火災が発生し 延焼のおそれがある場合等には 住民が的確に行動できるよう 市町村等と連携し 火災覚知後速やかに周辺住民に対して警戒を呼びかけるなど情報提供を行うよう努めること 後掲 : 付近住民に対する現場広報要領 ⑵ 火災の状況から延焼拡大の危険性が著しく高い場合には 市町村長が遅滞なく的確に 避難勧告 避難指示 ( 緊急 ) の発令ができるよう 該当地域等を早期に市町村に伝達する 第 4 飛び火警戒要領 1 飛び火の特性次に掲げる飛び火の特性を理解し 飛び火による火災の発生を防ぐ ⑴ 火災により発生する火の粉や燃えさしには 粉粒状のほか棒状 塊状など様々な形状や大きさのものがあり 小さなものほど飛距離が長く 大きいものほど熱量が大きく着火力が高い傾向にある ⑵ 粉粒状のものは 無数に飛散する細粉や粒であって 発生する火の粉の多くを占める 建物の内外を問わず 吹き溜まりができやすい場所に吹き寄せられたり 隙間に進入したりして炭化物が吹き溜まり これらの場所に可燃物があると容易に着火する ⑶ 棒状や塊状のものは 柱 桁 母屋 梁 胴差 棟木等の燃えさしで 粉粒状のものと比較して遠くへは飛散せず 可燃物への着火力は強い ⑷ 延焼規模が拡大すると 火の粉や燃えさしが大量に発生 熱気流により高く舞いあげられる また 建物上部の開口部の破損 ( 火炎噴出 ) 屋根の燃え抜け 建物の倒壊などが発生した際には これらの状況が激しくなる そのため 火災初期を過ぎた頃から飛び火の危険性が一気に高まる 再掲 ⑸ 風速が大きく異なることに伴い 火の粉や燃えさしの飛散距離は長くなる 条件によっては 火元からの飛散距離が数 100mから 1,000mに及ぶ危険性もある 再掲 ⑹ 昭和初期など古い年代に製造された屋根瓦やスレートは 隙間から火の粉が侵入し 早期に着火に至る可能性がある 5

⑺ 近年製造された屋根瓦やスレートであっても 外観上は隙間が無いように見えても 微細な火の粉が侵入し 時間の経過とともに堆積して着火に至ることもあるので警戒が必要である ⑻ 下葺き材に木片や樹皮など燃えやすいものが用いられている場合や 葺き土が用いられていない場合には より早期に野地板等への延焼に至る可能性がある ⑼ 火の粉の飛散方向 範囲は 風下になびく火煙等により視認が困難な状況となるおそれがある また 昼間の場合に微細な火の粉等は視認不可能であるので十分注意する必要がある 2 飛び火警戒の体制 ⑴ 強風下の火災においては 飛び火は必ず発生するものと考え 現場最高指揮者は早期の段階で出場部隊又は消防団の中から特定の部隊を飛び火警戒に当て 警戒体制を確立する ⑵ 火の粉の飛散が激しく 飛び火による火災発生危険が大であると予測される場合は 飛び火警戒に当たる隊 ( 以下 飛び火警戒隊 という ) を増強する ⑶ 飛び火警戒隊が複数の隊で構成される場合は 消防吏員の中から指揮者 ( 以下 飛び火警戒隊長 という ) を指定し 飛び火警戒範囲の指揮を担当させる ただし 消防隊が到着する前又は消防本部を置かない市町村については 消防団員の中から指揮者を指定し 対応する ⑷ 飛び火警戒隊長は 警戒拠点 高所見張所等を設定するとともに 高所見張員 巡ら班 巡行警戒班及び待機要員等をもって警戒に当たる ⑸ 現場最高指揮者は 消防団に対し 飛び火警戒隊長と協力して現場広報等飛び火警戒に当たるよう要請する ア飛び火警戒隊長は 消防団の警戒区域及び警戒方法等を具体的に示す イ警戒拠点と消防団との連絡手段の確保に努める 3 飛び火警戒隊による警戒要領 ⑴ 警戒拠点は 飛び火の警戒に適当な位置に設定し 飛び火情報又は飛び火による火災発生の有無の情報等の把握に努め 必要により警戒員 資機材等の増強を行うとともに 現場指揮本部 高所見張所 巡ら班及び巡行警戒班と相互に連絡手段を確保しておく ⑵ 高所見張所は 周辺の階層の高い建物の屋上等に設定し 高所見張員は 火の粉の飛散 落下状況 飛び火による火災の発生等の状況を携帯無線機等により飛び火警戒隊長に報告する なお 状況により はしご車などの活用も考慮する ただし はしご車の性能はメーカー 車種 製作年度により性能が異なることから 強風下における伸梯については各車両の特性を把握した上で実施すること 6

⑶ 巡ら班は 2 名 1 組で編成し 主にポンプ車の進入できない道路 路地裏などを巡ら警戒し 着火しやすい箇所への火の粉や燃えさしの落下がないか確認する また 拡声器等を活用して住民に注意喚起する 状況により 消火器やジェットシューターなどの準備にも配意する ⑷ 巡行警戒は ポンプ車や広報車等の消防車両 ( 可能な限り水槽付ポンプ車 ) により行い 着火しやすい箇所への火の粉や燃えさしの落下がないか確認する また 車両拡声器を活用して住民に注意喚起する ⑸ 飛び火警戒隊長は火の粉の飛散状況及び警戒実施状況を現場指揮本部に定期的に報告する ⑹ 飛び火警戒隊長は飛び火火災を発見した際には直ちに現場指揮本部へ報告するとともに 必要な措置をとる ⑺ 飛び火警戒は原則として当該火災が鎮火するまで実施するものとし 警戒体制の縮小 解除は現場最高指揮者の下命による ⑻ 飛び火警戒隊長は 引き揚げに際し 消防団又は町会役員の責任者等に対して警戒の実施状況等を説明し 以後の警戒について十分配意するよう要請する 4 消火活動中の各隊による警戒要領 ⑴ 火災現場に出動している各隊は 飛び火についても最大限の関心を払う ⑵ 飛び火の危険方向又は落下範囲において活動中の各隊は 車両付近に即時に対応できるホースを準備しておき 飛び火による火災発生時に対処する 5 上空からの警戒要領 ⑴ 航空隊は火災の延焼状況 延焼方向とともに飛び火の方向や落下範囲等の情報を現場指揮本部 ( 消防指令センター等経由を含む ) へ報告するとともに 飛び火火災の発見に努める ⑵ 小型無人航空機等を活用し 現場指揮本部等において上空からの状況把握に努める 6 付近住民に対する現場広報要領飛び火警戒隊及び風下等の火の粉の落下が認められる区域に部署し 当該火災の消防活動に従事している隊は 付近住民に対して拡声器等を活用し 飛び火による火災の防止に関する広報を実施する ⑴ 窓及びドア等の開口部は閉め 屋内に火の粉が入らないようにする ⑵ 水バケツ等を使いやすい場所に準備する ⑶ 建物内外を随時見回って 発煙箇所等の発見に努め 発見したら直ちに初期消火に当たるとともに 付近にいる消防隊員等に伝える又は 119 番通報する 7

⑷ 火の粉が屋外に干している洗濯物 特に布団等に付着していないかよく確認し 速やかに屋内に取り込む ⑸ 火の粉が激しく落下している屋根や家の周囲等には事前に散水する等の予防措置をとる ⑹ 危険物を扱う事業所等には特に注意喚起する 7 自主防災組織 自衛消防隊等との連携 ⑴ 飛び火警戒隊は事業所の管理者又は自衛消防隊長に対して 自衛の対策をとるように指導する ⑵ 状況により 自主防災組織の責任者に飛び火の警戒を要請する この場合 警戒の実施場所や要領等を具体的に伝達する 第 5 事前の対策 1 消防体制の強化 ⑴ 強風下では火災防ぎょ計画等を策定している地域は延焼拡大の危険性が高く 多くの部隊を投入することが必要になることから 各消防本部等においては 第一出動から部隊を増隊するなど 常備消防及び消防団の出動のための具体的な基準をあらかじめ定めておく また 強風下では初動の段階から多くの消防力を迅速かつ的確に投入するため 非番の職員や消防団員をあらかじめ確保する非常招集基準を定め 消防体制の強化を図る ⑵ 強風下においては 署所敷地外での訓練中止 積載ホースの増強 大口径ノズル等資機材の準備を行うなど 各消防本部において 地域の実情を踏まえた消防体制強化のための具体的な要領等を あらかじめ定めておく 特に 各消防本部においては保有する放水器具を再点検し 強風下での消火活動に備えること ⑶ 隣接消防本部等への応援要請については 火災の発生場所や気象条件等の判断基準をあらかじめ定めておき 基準に該当する場合は 管内の消防力を最大限投入すると同時に 応援要請を行うよう計画をしておく 2 水利の確保 ⑴ 強風下では多くの筒先による大量放水が必要となることから 十分な消火用水を確保するため 事前に水利の選定及び確保要領について計画する ⑵ 多くの部隊が集結することを想定し 仮設水槽の手配や設置場所 防火水槽 仮設水槽への充水活動及び水道事業者に対する消火栓の増圧手配などについて 事前に計画する 8

⑶ 充水活動については 大型水槽車やポンプ車等による中継によるほか 給水活動等についての協定を締結している民間事業者等の所有するコンクリートミキサー車等や 地方整備局等の排水ポンプ車等を活用するなど 地域の実情に応じてあらかじめ検討しておく 3 広報活動 ⑴ 各消防本部において 火災警報の発令時や火災気象通報を受けた場合など 火災発生前の警戒のための広報活動基準をあらかじめ定めておく ⑵ 各消防本部においては 市町村と連携し 強風下で火災が発生し 延焼のおそれがある場合等には 火災覚知後速やかに周辺住民に対する警戒呼びかけなどの情報提供を行うことができるよう 防災行政無線 ( 戸別受信機を含む ) や緊急速報メール 登録制メールなど複数の手段により 確実に伝達できる体制を構築する 第 6 教育 訓練等 1 消防職団員の教育 訓練 ⑴ 強風下における放水活動 ( 大口径ノズルの活用等 ) 及び延焼阻止線の設定について 実動訓練を実施する ⑵ 火災防ぎょ計画等を策定している地域などにおいて強風下での火災が発生したことを想定した図上訓練や実動訓練を実施し 消防職団員の活動能力の向上を図る 2 住民への普及 啓発消防本部等は市町村と連携し 次について取り組む ⑴ 平素から住民に対し 木造の建築物が多い地域などの大規模な火災につながる危険性の高い地域を確認し 強風下における火災や飛び火の特性も含めて 火災発生及び延焼リスクを周知する ⑵ 早めの避難行動をとるべき避難行動要支援者 高齢者 幼児などの要配慮者 ( 以下 要配慮者等 という ) 以外の周辺住民及び自主防災組織等が 安全かつ的確に初期消火を行うことができるよう どの程度まで住民が対応するかを地域の状況に応じてあらかじめ定めるとともに 資機材の操作方法等の習得訓練を実施する ⑶ 消防警戒区域外の火元から離れた場所であっても 要配慮者等以外の周辺住民及び自主防災組織等が 自身の安全が確保できる範囲内で的確に火災状況の監視 延焼防止 飛び火警戒 早期通報などの活動を行うことができるよう その周知及び訓練を実施する また 火の粉や燃えさしにより着火しやすい箇所について 画像等を用いて周知し 飛び火による出火防止の普及啓発を図る ⑷ 周辺住民に対する声かけ 呼びかけなど避難誘導を行うため 避難勧告 避難指示 ( 緊急 ) の発令状況や現場の状況の変化を 市町村 消防 警察 自主防災組織等の各機関等で確実に伝達 共有する体制を確保する 9

特に 要配慮者等については 避難までの時間を要することから 避難準備 高 齢者等避難開始 を活用するなど 住民及び自主防災組織等が連携して早めの避難行 動が取れるよう 避難のタイミングや方法等についてあらかじめ定め 訓練を行う 10

別紙 参考 1 強風下に有効なノズルの種類及び特性 ⑴ スムースノズル直上放水専用ノズルで 各種ノズルの中で最も損失が少なく 最大放水射程を得ることができる 一般的に使用されているノズルの口径は 16~29mm 程度である 放水反動力の限界は 1 人保持で約 200N 2 人保持で約 300Nである 放水量とノズル口径及び反動力は表のとおり表ノズル口径及びノズル圧力別放水量 (L/min)[ 放水反動力 (N)] 圧力口径 0.3 MPa 0.4 MPa 0.5 MPa 0.6 MPa 0.7 MPa 19 mm 412[162] 476[217] 532[271] 583[325] 630[379] 20 mm 457[180] 527[240] 590[300] 646[360] 698[420] 21 mm 504[198] 581[265] 650[331] 775[397] 837[463] 23 mm 604[238] 698[317] 780[397] 854[476] 923[555] 26 mm 772[304] 891[406] 997[507] 1,092[608] 1,180[710] 29 mm 960[378] 1,109[505] 1,240[631] 1,358[757] 1,467[883] 38 mm 1,649[650] 1,904[866] 2,129[1083] 2,332[1300] 2,519[1516] ⑵ 放水銃木造大規模建築物の火災あるいは延焼拡大火災 強風時の火災等大規模火災時には高圧大量放水による長射程の強力な放水が求められる この場合の放水反動力は非常に強く 人力での管そう保持 操作は不可能であり 放水銃はこのような火災時に使用する 2 火の粉や燃えさしにより着火しやすい箇所屋根 軒裏 下見板張り ( 1) の外壁 窓等の開口部 パラペット ( 2) 裏側 屋根伏谷部分 ベランダや建物周囲の燃えやすい物件 ( 洗濯物 ウッドデッキ等 ) 1 板の長手方向を水平に張った壁の仕上げ方法 2 建物の屋上や屋根等の端部に立ち上がった低い壁 瓦 火の粉を伴う風 瓦の隙間から火の粉が侵入 下見板張り 火の粉により着火しやすい箇所 ( 例 ) < 断面図 > 11