0. 試験概要 0.1. シェーマ 手術 対象 StageⅢ 結腸癌 *1 直腸 S 状部癌治癒切除症例 (CurA) PS 歳以上 8 週間以内 文書による説明と同意の取得 登録とランダム化割付割付調整因子 N 因子 *2 (N1/N1 以外 ) 施設 レジメン(mFOLFOX6/X

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0. 概要 0.1 臨床試験課題名標準化学療法に不応 不耐の切除不能進行 再発大腸癌に対する TFTD( ロンサーフ ) +Bevacizumab 併用療法の RAS 遺伝子変異有無別の有効性と安全性を確認する第 II 相試験 0.2 区分 非ランダム化第 II 相試験 0.3 目的 5-FU 系薬

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佐賀県肺がん地域連携パス様式 1 ( 臨床情報台帳 1) 患者様情報 氏名 性別 男性 女性 生年月日 住所 M T S H 西暦 電話番号 年月日 ( ) - 氏名 ( キーパーソンに ) 続柄居住地電話番号備考 ( ) - 家族構成 ( ) - ( ) - ( ) - ( ) - 担当医情報 医

FOLFOXに関しては 1990 年代終わり頃から2000 年にかけて 2つの臨床試験が実施された そのひとつであるStageⅡ/Ⅲ 結腸癌症例を対象とした5-FU/LV(de Gramont 法 ) とFOLFOX4のRCTであるMOSAIC では 5 年 DFS(67.4% vs. 73.3%

1. はじめに ステージティーエスワンこの文書は Stage Ⅲ 治癒切除胃癌症例における TS-1 術後補助化学療法の予後 予測因子および副作用発現の危険因子についての探索的研究 (JACCRO GC-07AR) という臨床研究について説明したものです この文書と私の説明のな かで わかりにくいと

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32 子宮頸癌 子宮体癌 卵巣癌での進行期分類の相違点 進行期分類の相違点 結果 考察 1 子宮頚癌ではリンパ節転移の有無を病期判定に用いない 子宮頚癌では0 期とⅠa 期では上皮内に癌がとどまっているため リンパ節転移は一般に起こらないが それ以上進行するとリンパ節転移が出現する しかし 治療方法

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33 NCCN Guidelines Version NCCN Clinical Practice Guidelines in Oncology (NCCN Guidelines ) (NCCN 腫瘍学臨床診療ガイドライン ) 非ホジキンリンパ腫 2015 年第 2 版 NCCN.or

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4 月 20 日 2 胃癌の内視鏡診断と治療 GIO: 胃癌の内視鏡診断と内視鏡治療について理解する SBO: 1. 胃癌の肉眼的分類を列記できる 2. 胃癌の内視鏡的診断を説明できる 3. 内視鏡治療の適応基準とその根拠を理解する 4. 内視鏡治療の方法 合併症を理解する 4 月 27 日 1 胃

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速報 海外で行われた CLASSIC 試験 国内で行われた J-CLASSIC-PII 試験および胃癌術後補助化学療法におけるオキサリプラチン併用療法に関する日本胃癌学会ガイドライン委員会のコメント 試験名 :CLASSIC 試験文献 : Adjuvant capecitabine and oxal

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表 1. 罹患数, 罹患割合 (%), 粗罹患率, 年齢調整罹患率および累積罹患率 ; 部位別, 性別 A. 上皮内がんを除く ; 部位別, 性別 B. 上皮内がんを含む 表 2. 年齢階級別罹患数, 罹患割合 (%); 部位別, 性別 A. 上皮内がんを除く B. 上皮内がんを含む 表 3. 年齢

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手術を支持する根拠とされていた また 非治癒因子が 1 つである患者が減量手術の良い対象と報告された しかしながら それらの報告には PS が良く合併症が少なく腫瘍量が少ない患者に好んで減量手術が行われている selection bias が明らかに存在し 化学療法単独でも か月の予後が

付表 登録数 : 施設 部位別 総数 1 総数 口腔咽頭 食道 胃 結腸 直腸 ( 大腸 ) 肝臓 胆嚢胆管 膵臓 喉頭 肺 骨軟部 皮膚 乳房 全体

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針刺し切創発生時の対応

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1.3 試験治療の設定根拠このような背景を踏まえ 本研究では 被験者の背景や治療が均一であるJACCRO GC-07 第 Ⅲ 相試験の登録症例を対象として 胃癌化学療法の予後因子および副作用リスクマーカーの探索を目的とした付随研究を実施することとした 本研究では 治療開始前の臨床検査値等の各種の因子

が 6 例 頸部後発転移を認めたものが 1 例であった (Table 2) 60 分値の DUR 値から同様に治療後の経過をみると 腫瘍消失と判定した症例の再発 転移ともに認めないものの DUR 値は 2.86 原発巣再発を認めたものは 3.00 頸部後発転移を認めたものは 3.48 であった 腫瘍

糖尿病経口薬 QOL 研究会研究 1 症例報告書 新規 2 型糖尿病患者に対する経口糖尿病薬クラス別の治療効果と QOL の相関についての臨床試験 施設名医師氏名割付群記入年月日 症例登録番号 / 被験者識別コード / 1/12

2. 転移するのですか? 悪性ですか? 移行上皮癌は 悪性の腫瘍です 通常はゆっくりと膀胱の内部で進行しますが リンパ節や肺 骨などにも転移します 特に リンパ節転移はよく見られますので 膀胱だけでなく リンパ節の検査も行うことが重要です また 移行上皮癌の細胞は尿中に浮遊していますので 診断材料や

8 整形外科 骨肉腫 9 脳神経外科 8 0 皮膚科 皮膚腫瘍 初発中枢神経系原発悪性リンパ腫 神経膠腫 脳腫瘍 膠芽腫 頭蓋内原発胚細胞腫 膠芽腫 小児神経膠腫 /4 別紙 5( 臨床試験 治験 )

学位論文の内容の要旨 論文提出者氏名 小川憲人 論文審査担当者 主査田中真二 副査北川昌伸 渡邉守 論文題目 Clinical significance of platelet derived growth factor -C and -D in gastric cancer ( 論文内容の要旨 )

性黒色腫は本邦に比べてかなり高く たとえばオーストラリアでは悪性黒色腫の発生率は日本の 100 倍といわれており 親戚に一人は悪性黒色腫がいるくらい身近な癌といわれています このあと皮膚癌の中でも比較的発生頻度の高い基底細胞癌 有棘細胞癌 ボーエン病 悪性黒色腫について本邦の統計データを詳しく紹介し

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第13回がん政策サミット 2016秋

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症例報告書の記入における注意点 1 必須ではない項目 データ 斜線を引くこと 未取得 / 未測定の項目 2 血圧平均値 小数点以下は切り捨てとする 3 治験薬服薬状況 前回来院 今回来院までの服薬状況を記載する服薬無しの場合は 1 日投与量を 0 錠 とし 0 錠となった日付を特定すること < 演習

ていない 委員長より委員について当事者および COI 確認を行い 臨床研究法の委員会構成要件を満たしていることが確認された 疾患専門家の技術専門員は 早期がんもしくは疑いの患者に対して プローブ型共焦点レーザー顕微内視鏡というものを使って 生体内で腫瘍 非腫瘍を鑑別する病理診断に近いことができるかと

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10 年相対生存率 全患者 相対生存率 (%) (Period 法 ) Key Point 1 の相対生存率は 1998 年以降やや向上した 日本で

ける発展が必要です 子宮癌肉腫の診断は主に手術進行期を決定するための子宮摘出によって得られた組織切片の病理評価に基づいて行い 組織学的にはいわゆる癌腫と肉腫の2 成分で構成されています (2 近年 子宮癌肉腫は癌腫成分が肉腫成分へ分化した結果 組織学的に2 面性をみる とみなす報告があります (1,


094 小細胞肺がんとはどのような肺がんですか んの 1 つです 小細胞肺がんは, 肺がんの約 15% を占めていて, 肺がんの組 織型のなかでは 3 番目に多いものです たばことの関係が強いが 小細胞肺がんは, ほかの組織型と比べて進行が速く転移しやすいため, 手術 可能な時期に発見されることは少

1. ストーマ外来 の問い合わせ窓口 1 ストーマ外来が設定されている ( はい / ) 上記外来の名称 対象となるストーマの種類 7 ストーマ外来の説明が掲載されているページのと は 手入力せずにホームページからコピーしてください 他施設でがんの診療を受けている または 診療を受けていた患者さんを

15 氏 名 し志 だ田 よう陽 すけ介 学位の種類学位記番号学位授与の日付学位授与の要件 博士 ( 医学 ) 甲第 632 号平成 26 年 3 月 5 日学位規則第 4 条第 1 項 ( 腫瘍外科学 ) 学位論文題目 Clinicopathological features of serrate

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D961H は AstraZeneca R&D Mӧlndal( スウェーデン ) において開発された オメプラゾールの一方の光学異性体 (S- 体 ) のみを含有するプロトンポンプ阻害剤である ネキシウム (D961H の日本における販売名 ) 錠 20 mg 及び 40 mg は を対象として

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STEP 1 検査値を使いこなすために 臨床検査の基礎知識 検査の目的は大きく 2 つ 基準範囲とは 95% ( 図 1) 図 1 基準範囲の考え方 2

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密封小線源治療 子宮頸癌 体癌 膣癌 食道癌など 放射線治療科 放射免疫療法 ( ゼヴァリン ) 低悪性度 B 細胞リンパ腫マントル細胞リンパ腫 血液 腫瘍内科 放射線内用療法 ( ストロンチウム -89) 有痛性の転移性骨腫瘍放射線治療科 ( ヨード -131) 甲状腺がん 研究所 滋賀県立総合病

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スライド 1

遠隔転移 M0: 領域リンパ節以外の転移を認めない M1: 領域リンパ節以外の転移を認める 病期 (Stage) 胃がんの治療について胃がんの治療は 病期によって異なります 胃癌治療ガイドラインによる日常診療で推奨される治療選択アルゴリズム (2014 年日本胃癌学会編 : 胃癌治療ガイドライン第

研究課題:「治癒切除不能な進行・再発の結腸・直腸癌患者に対する CapeOx間欠投与+ベバシズマブ(BV)療法多施設共同第Ⅱ相臨床試験‐VOICE試験‐」に関する計画書

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学位論文の内容の要旨 論文提出者氏名 神谷綾子 論文審査担当者 主査北川昌伸副査田中真二 石川俊平 論文題目 Prognostic value of tropomyosin-related kinases A, B, and C in gastric cancer ( 論文内容の要旨 ) < 要旨

5. 乳がん 当該疾患の診療を担当している診療科名と 専門 乳房切除 乳房温存 乳房再建 冷凍凝固摘出術 1 乳腺 内分泌外科 ( 外科 ) 形成外科 2 2 あり あり なし あり なし なし あり なし なし あり なし なし 6. 脳腫瘍 当該疾患の診療を担当している診療科名と 専

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平成 28 年 12 月 12 日 癌の転移の一種である胃癌腹膜播種 ( ふくまくはしゅ ) に特異的な新しい標的分子 synaptotagmin 8 の発見 ~ 革新的な分子標的治療薬とそのコンパニオン診断薬開発へ ~ 名古屋大学大学院医学系研究科 ( 研究科長 髙橋雅英 ) 消化器外科学の小寺泰

1. 来院経路別件数 非紹介 30 他疾患経過 10 自主受診観察 紹介 20 他施設紹介 合計 患者数 割合 12.1% 15.7% 72.2% 100.0% 27.8% 72.2% 100.0% 来院経路別がん登録患者数 がん患者がどのような経路によって自施設を受診し

医師主導治験 急性脊髄損傷患者に対する顆粒球コロニー刺激因子を用いたランダム化 プラセボ対照 二重盲検並行群間比較試験第 III 相試験 千葉大学大学院医学研究院整形外科 千葉大学医学部附属病院臨床試験部 1

院内がん登録における発見経緯 来院経路 発見経緯がん発見のきっかけとなったもの 例 ) ; を受けた ; 職場の健康診断または人間ドックを受けた 他疾患で経過観察中 ; 別の病気で受診中に偶然 がん を発見した ; 解剖により がん が見つかった 来院経路 がん と診断された時に その受診をするきっ

配偶子凍結終了時 妊孕能温存施設より直接 妊孕能温存支援施設 ( がん治療施設 ) へ連絡がん治療担当医の先生へ妊孕能温存施設より妊孕能温存治療の終了報告 治療内容をご連絡します 次回がん治療の為の患者受診日が未定の場合は受診日を御指示下さい 原疾患治療期間中 妊孕能温存施設より患者の方々へ連絡 定

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1-0 治験実施計画書の要約

平成 29 年度九段坂病院病院指標 年齢階級別退院患者数 年代 10 代未満 10 代 20 代 30 代 40 代 50 代 60 代 70 代 80 代 90 代以上 総計 平成 29 年度 ,034 平成 28 年度 -

原発不明がん はじめに がんが最初に発生した場所を 原発部位 その病巣を 原発巣 と呼びます また 原発巣のがん細胞が リンパの流れや血液の流れを介して別の場所に生着した結果つくられる病巣を 転移巣 と呼びます 通常は がんがどこから発生しているのかがはっきりしている場合が多いので その原発部位によ

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1 早期癌 表在癌の病態 食道癌は消化器癌の中でも予後不良の癌の代表であったが診断および集学的治療の進歩により予後が向上してきた. 特に早期癌の状態で発見できれば, その予後は大いに期待できるのみならず, 標準治療であるリンパ節郭清を伴う胸部食道切除に比し, 身体への侵襲が極めて小さい内視鏡的治療に

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29-28

後補助化学療法において CPT-11 の併用は推奨されていない 以上より 現在の欧米における StageⅢ 結腸癌に対する術後補助化学療法としては 5-FU/LV+L-OHP (FOLFOX FLOX) Capecitabine 5-FU/LV が標準的治療とされている 日本における大腸癌術後補助化

限局性前立腺がんとは がんが前立腺内にのみ存在するものをいい 周辺組織やリンパ節への局所進展あるいは骨や肺などに遠隔転移があるものは当てはまりません がんの治療において 放射線療法は治療選択肢の1つですが 従来から行われてきた放射線外部照射では周辺臓器への障害を考えると がんを根治する ( 手術と同

院内がん登録集計報告

Transcription:

JFMC47-1202-C3(ACHIEVE Trial) 研究課題 StageIII 結腸癌治癒切除例に対する術後補助化学療法としての mfolfox6 療法または XELOX 療法における 5-FU 系抗がん剤およびオキサリプラチンの至適投与期間に関するランダム化第 III 相比較臨床試験 ACHIEVE Trial (Adjuvant Chemotherapy for colon cancer with High EVidencE ) 研究実施計画書 Ver.1.0 2012 年 4 月 6 日 Ver.1.1 2012 年 4 月 19 日 Ver.1.2 2013 年 10 月 25 日

0. 試験概要 0.1. シェーマ 手術 対象 StageⅢ 結腸癌 *1 直腸 S 状部癌治癒切除症例 (CurA) PS 0-1 20 歳以上 8 週間以内 文書による説明と同意の取得 登録とランダム化割付割付調整因子 N 因子 *2 (N1/N1 以外 ) 施設 レジメン(mFOLFOX6/XELOX) 占居部位 (Colon/Rs/multiple) 年齢(<70 歳 / 70 歳 ) 2 週間以内 対照群 *3 : Standard 群 (S 群 ) (6 ヵ月間投与群 : Six months) 試験群 *3 : Test 群 (T 群 ) (3 ヵ月間投与群 : Three months) プロトコール治療 プロトコール治療 mfolfox6 療法 12 コース mfolfox6 療法 6 コース or or XELOX 療法 8 コース XELOX 療法 4 コース 治療スケジュール 治療スケジュール 6 ヵ月 3 ヵ月 オキサリプラチン オキサリプラチン 5-FU/l-LV or カペシタビン 5-FU/l-LV or カペシタビン 症例毎の追跡調査 ( 最終症例登録後 6 年 ) *1: 盲腸癌も含む *2: N1c (UICC TNM 7 th edition) も適格とする *3: mfolfox6 療法から XELOX 療法への変更 XELOX 療法から mfolfox6 療法への変更を認めない 1

0.2. 目的 StageⅢ 結腸癌 ( 直腸 S 状部癌含む ) 治癒切除症例を対象に 術後補助化学療法としての mfolfox6/xelox 療法の 6 ヵ月間投与法 ( 対照群 : S 群 ) に対する mfolfox6/xelox 療法の 3 ヵ月間投与法 ( 試験群 : T 群 ) の無病生存期間における非劣性を IDEA* にて統合解析する *:IDEA(International Duration Evaluation of Adjuvant chemotherapy colon cancer prospective pooled analysis) は 日本を含め世界 6 つの臨床試験グループで進行中のランダム化第 III 相試験のデータを統合解析し 上記の結果を検証する試験である 詳細については 2.8. IDEA 試験について を参照すること 主要評価項目 ( プライマリーエンドポイント ): 無病生存期間 *1 (Disease-free Survival: DFS*1) *1: IDEA 試験における DFS のイベントは 再発および死亡と定義されており 一般的には無再発生存期間 (Relapse-free Survival: RFS) を指す 副次評価項目 ( セカンダリーエンドポイント ): (1) 無病生存期間 *2 (Disease-free Survival: DFS*2) *2: イベントは再発 再発以外のがん病変 ( 二次癌 ) の発生および死亡と定義する (2) 治療成功期間 (Time to Treatment Failure: TTF) (3) 全生存期間 (Overall Survival: OS) (4) 有害事象 (5) 治療完遂率 (6) 相対用量強度 (7) リンパ節転移個数 郭清リンパ節個数 検索リンパ節個数等と予後の検討 (8) 末梢性感覚ニューロパチー ( 末梢神経症状 ) (9) 予後因子および副作用予測因子の探索 ( 付随研究 : ゲノム薬理学研究 ) 0.3. 対象症例 0.3.1. 適格基準 (1) 病理組織学的に大腸原発の腺癌と診断されている症例 (2) 手術所見及び切除標本所見による主占居部位が盲腸または結腸 直腸 S 状部と診断されている症例 *1 *1: 大腸多発癌は 2 つの浸潤癌 *2 まで適格とし 割付因子は Multiple を選択する *2: 浸潤癌とは粘膜下層以深への浸潤を認めるものと定義し粘膜内癌はカウントしない (3) D2 あるいは D3 の系統的リンパ節郭清を含む大腸切除が施行されている症例 (4) 根治度 A の手術が施行されている症例 ( 肉眼的にも顕微鏡下にも腫瘍の残存がない ) (5) 総合所見における病期が Stage III(T any N1 * /2/3 M0) である症例 ( 大腸癌取り扱い規約第 7 版補訂版 ) *: N1c(UICC TNM 7 th edition) も適格とする ( 所属リンパ節への転移を認めず かつ腫瘍塊が漿膜下層 腸間膜または腹膜ではない結腸 直腸周囲組織に認める場合 ) (6) 原発巣切除後 8 週間以内に登録可能かつ登録後 2 週間以内に治療開始可能である症例 (7) 20 歳以上の症例 (8) PS (ECOG) 0 または 1 の症例 (9) 体表面積 (BSA)(DuBois の式 ) が 2.2m 2 以下の症例 (10) 化学療法 免疫療法 放射線療法の既往がない症例 (11) 主要臓器機能について 以下の基準を満たしている症例 ( 検査値は登録前 14 日以内の最新の値とする ) 注 ) 好中球数 1,500 /mm 3 血小板数 100,000 /mm 3 2

血清クレアチニン CCr( 計算値 ) * 総ビリルビン AST および ALT CEA 施設基準値の 1.5 倍 30 ml/min 2.0 mg/dl 100 IU/L 10 ng/ml * : CCr は Cockcroft-Gault の式による計算を用いる ( 実測値は使用しない ) 男性 : CCr={(140- 年齢 ) 体重 (kg)}/{72 血清クレアチニン値 (mg/dl)} 女性 : CCr=0.85 {(140- 年齢 ) 体重 (kg)}/{72 血清クレアチニン値 (mg/dl)} (12) 試験への参加について 本試験登録前に患者本人による署名 日付が記載された同意書を得ている症例 注 ) 症例集積期間内に新たな科学的な発見があり それが既に世界的に認知された検査法などである場合には 臨床試験審査委員会において プロトコールの変更について書面審査する 0.3.2. 除外基準 (1) 虫垂癌の症例 (2) 悪性腫瘍の既往がある症例 * *: 5 年以上の無再発期間がある場合 および内視鏡的に治癒切除された粘膜内癌 ( 胃癌 大腸癌 食道癌 ) や治癒切除された子宮頸部癌 皮膚の基底細胞癌または扁平上皮癌は登録可 (3) 妊娠中または授乳中の女性 (4) 妊娠する可能性のある女性 生殖能力を有する男性 * *: 男女共に本試験治療期間中および治療後 1 ヵ月間までの期間は避妊を行うことに同意し かつ妊娠時のリスクについて理解している場 合は登録可能 (5) 本試験の登録前 30 日以内に治験に参加している症例 (6) 末梢性感覚ニューロパチー ( 末梢神経症状 Grade1 以上 ) を有している症例 (7) コントロール不能な糖尿病を有する症例 ( インスリン投与が必要な場合も含む ) (8) コントロール不能なうっ血性心不全 狭心症 高血圧 不整脈を有する症例 (9) ステロイド剤の継続的な全身投与 ( 内服又は静脈内 ) を受けている症例 (10) 神経学的または精神的に重大な疾患の既往 合併がある症例 (11) 活動性の感染症を有する症例 ( 既知の活動性 HBV HCV HIV 陽性例など ) (12) 既知の DPD 欠損が確認されている症例 (13) 5-FU l-lv オキサリプラチン カペシタビンに対してアレルギーの既往がある症例 (14) オキサリプラチンの投与歴のある症例 (15) その他 医師が当該臨床試験の参加に不適当と判断している症例 0.4. プロトコール治療本試験に登録する前に mfolfox6 療法 XELOX 療法どちらかを選択する どちらを選択するかは担当医の判断に委ねる ただし登録後に治療法を切り替えることは許容されない また オキサリプラチンに起因する有害事象で両治療法が継続困難と判断された場合は mfolfox6 療法から 5-FU/l-LV 療法 (slv5fu2 療法 ) へ XELOX 療法からカペシタビン単剤療法へ切り替える この際の 5-FU 系薬剤の再増量は許容されない * 各薬剤の投与量については 症例登録時に体表面積に基づき推奨投与量が表示される (DuBois の式 ) ので その投与量を参考に各施設にて投与量を決定すること 0.4.1. 対照群 : S 群 (6 ヵ月間投与群 ) mfolfox6 療法 3

各コース 1 日目にオキサリプラチンを 85mg/m 2 5-FU(bolus: 400mg/m 2 ) l-lv(200mg/m 2 ) を投与 1 日目 ~3 日目まで 5-FU(infusion: 2,400mg/m 2 ) を投与し 14 日目まで休薬する これを 1 コースとして 12 コース繰り返す プロトコール治療終了後は 再発あるいは本プロトコールの追跡調査が終了するまで 原病に対して 本プロトコール治療以外の術後補助化学療法は施行せず 無治療で経過観察を行う XELOX 療法各コース 1 日目にオキサリプラチン 130mg/m 2 を投与 1 日目夕 ~15 日目朝 * までカペシタビンを体表面積に基づき決定された投与量 1,000 または 750 mg/m 2 / 回 ** を朝食後と夕食後 30 分以内に 1 日 2 回経口投与し ( 計 28 回 ) その後 7 日間休薬する これを 1 コースとして 8 コース繰り返す プロトコール治療終了後は 再発あるいは本プロトコールの追跡調査が終了するまで 原病に対して 本プロトコール治療以外の術後補助化学療法は施行せず 無治療で経過観察を行う * カペシタビンの服用は 2 日目朝から服用を開始することも許容する したがって 1 日目の夕食後から服用した場合 15 日目の朝食後 2 日目朝食後から服用した場合 15 日目夕食後が最終服用になる ** カペシタビンの投与開始時用量は登録時の CCr 値 年齢によって下記の通りとする 2,000mg/m 2 /body(1,000mg/m 2 / 回 ): 50mL/min<CCr 1,500mg/m 2 /body(750mg/m 2 / 回 ): 30mL/min CCr 50mL/min または 70 歳以上 0.4.2. 試験群 : T 群 (3 ヵ月間投与群 ) mfolfox6 療法各コース 1 日目にオキサリプラチンを 85mg/m 2 5-FU(bolus: 400mg/m 2 ) l-lv(200mg/m 2 ) を投与 1 日目 ~3 日目まで 5-FU(infusion: 2,400mg/m 2 ) を投与し 14 日目まで休薬する これを 1 コースとして 6 コース繰り返す プロトコール治療終了後は 再発あるいは本プロトコールの追跡調査が終了するまで 原病に対して 本プロトコール治療以外の術後補助化学療法は施行せず 無治療で経過観察を行う XELOX 療法各コース 1 日目にオキサリプラチン 130mg/m 2 を投与 1 日目夕 ~15 日目朝 * までカペシタビンを体表面積に基づき決定された投与量 1,000 または 750 mg/m 2 / 回を朝食後と夕食後 30 分以内に 1 日 2 回経口投与し ( 計 28 回 ) その後 7 日間休薬する これを 1 コースとして 4 コース繰り返す プロトコール治療終了後は 再発あるいは本プロトコールの追跡調査が終了するまで 原病に対して 本プロトコール治療以外の術後補助化学療法は施行せず 無治療で経過観察を行う * カペシタビンの服用は 2 日目朝から服用を開始することも許容する したがって 1 日目の夕食後から服用した場合 15 日目の朝食後 2 日目朝食後から服用した場合 15 日目夕食後が最終服用になる ** カペシタビンの投与開始時用量は登録時の CCr 値 年齢によって下記の通りとする 2,000mg/m 2 /body(1,000mg/m 2 / 回 ): 50mL/min<CCr 1,500mg/m 2 /body(750mg/m 2 / 回 ): 30mL/min CCr 50mL/min または 70 歳以上 0.5. 予定症例数と試験期間 目標症例数 : 各群 600 例 2 ( 合計 :1,200 例 ) 登録期間 : 3 年間 2012 年 8 月 ~2015 年 7 月 追跡期間 : 最終症例登録後 6 年間 総試験期間 : 9 年間 2012 年 8 月 ~2021 年 7 月 4

0.6. 研究組織研究代表者 : 外科系研究代表者 森正樹 大阪大学大学院医学系研究科消化器外科 内科系研究代表者 大津敦 国立がん研究センター東病院臨床開発センター IDEA 調整代表者 吉野孝之 国立がん研究センター東病院消化管内科 プロトコール提案者 : 吉野孝之国立がん研究センター東病院消化管内科 研究参加施設 : 約 300 施設 ( 別紙 1) 研究事務局 : 財団法人がん集学的治療研究財団 5