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平成年月日判決言渡 同日原本領収 裁判所書記官

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☆ソフトウェア特許判例紹介☆ -第31号-

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最高裁○○第000100号

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控訴人は, 控訴人にも上記の退職改定をした上で平成 22 年 3 月分の特別老齢厚生年金を支給すべきであったと主張したが, 被控訴人は, 退職改定の要件として, 被保険者資格を喪失した日から起算して1か月を経過した時点で受給権者であることが必要であるところ, 控訴人は, 同年 月 日に65 歳に達し

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事実 ) ⑴ 当事者原告は, 昭和 9 年 4 月から昭和 63 年 6 月までの間, 被告に雇用されていた ⑵ 本件特許 被告は, 次の内容により特定される本件特許の出願人であり, 特許権者であった ( 甲 1ないし4, 弁論の全趣旨 ) 特許番号特許第 号登録日平成 11 年 1

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法第 20 条は, 有期契約労働者の労働条件が期間の定めがあることにより無期契約労働者の労働条件と相違する場合, その相違は, 職務の内容 ( 労働者の業務の内容及び当該業務に伴う責任の程度をいう 以下同じ ), 当該職務の内容及び配置の変更の範囲その他の事情を考慮して, 有期契約労働者にとって不合

応して 本件著作物 1 などといい, 併せて 本件各著作物 という ) の著作権者であると主張する原告が, 氏名不詳者 ( 後述する本件各動画の番号に対応して, 本件投稿者 1 などといい, 併せて 本件各投稿者 という ) が被告の提供するインターネット接続サービスを経由してインターネット上のウェ

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(1) 本件は, 歯科医師らによる自主学習グループであり, WDSC の表示を使用して歯科治療技術の勉強会を主催する活動等を行っている法人格なき社団である控訴人が, 被控訴人が企画, 編集した本件雑誌中に掲載された本件各記事において WDSC の表示を一審被告 A( 以下, 一審被告 A という )

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訂正情報書籍 170 頁 173 頁中の 特許電子図書館 が, 刊行後の 2015 年 3 月 20 日にサービスを終了し, 特許情報プラットフォーム ( BTmTopPage) へと模様替えされた よって,

1 本件は, 別紙 2 著作物目録記載の映画の著作物 ( 以下 本件著作物 という ) の著作権者であると主張する原告が, 氏名不詳者 ( 以下 本件投稿者 という ) が被告の提供するインターネット接続サービスを経由してインターネット上のウェブサイト FC2 動画 ( 以下 本件サイト という )

平成 30 年 6 月 15 日判決言渡同日原本領収裁判所書記官 平成 30 年 ( ワ ) 第 5939 号発信者情報開示請求事件 口頭弁論終結日平成 30 年 5 月 9 日 判 決 5 当事者の表示別紙当事者目録記載のとおり 主 文 1 被告は, 別紙対象目録の 原告 欄記載の各原告に対し,

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平成 30 年 10 月 26 日判決言渡同日原本領収裁判所書記官 平成 30 年 ( ワ ) 第 号発信者情報開示請求事件 口頭弁論終結日平成 30 年 9 月 28 日 判 決 5 原告 X 同訴訟代理人弁護士 上 岡 弘 明 被 告 G M O ペパボ株式会社 同訴訟代理人弁護士

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7 平成 28 年 10 月 3 日 処分庁は 法第 73 条の2 第 1 項及び条例第 43 条第 1 項の規定により 本件不動産の取得について審査請求人に対し 本件処分を行った 8 平成 28 年 11 月 25 日 審査請求人は 審査庁に対し 本件処分の取消しを求める審査請求を行った 第 4

O-27567

事実及び理由 第 1 控訴の趣旨 1 原判決を取り消す 2 被控訴人は, 原判決別紙被告方法目録記載のサービスを実施してはならない 3 被控訴人は, 前項のサービスのために用いる電話番号使用状況調査用コンピュータ及び電話番号使用状況履歴データが記録された記録媒体 ( マスター記録媒体及びマスター記録

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平成 31 年 1 月 29 日判決言渡平成 30 年 ( ネ ) 第 号商標権侵害行為差止等請求控訴事件 ( 原審東京地方裁判所平成 29 年 ( ワ ) 第 号 ) 口頭弁論終結日平成 30 年 12 月 5 日 判 決 控訴人 ジー エス エフ ケー シ ー ピー株式会

最高裁○○第000100号

た損害賠償金 2 0 万円及びこれに対する遅延損害金 6 3 万 9 円の合計 3 3 万 9 6 円 ( 以下 本件損害賠償金 J という ) を支払 った エなお, 明和地所は, 平成 2 0 年 5 月 1 6 日, 国立市に対し, 本件損害賠償 金と同額の 3 3 万 9 6 円の寄附 (

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年 10 月 18 日から支払済みまで年 5 分の割合による金員を支払え 3 被控訴人 Y1 は, 控訴人に対し,100 万円及びこれに対する平成 24 年 1 0 月 18 日から支払済みまで年 5 分の割合による金員を支払え 4 被控訴人有限会社シーエムシー リサーチ ( 以下 被控訴人リサーチ

( 以下 プロバイダ責任制限法 という )4 条 1 項に基づき, 被告が保有する発信者情報の開示を求める事案である 1 前提事実 ( 当事者間に争いのない事実並びに後掲の証拠及び弁論の全趣旨により容易に認められる事実 ) (1) 当事者 原告は, 肩書地に居住する者である ( 甲 1) 被告は,

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【資料3】商標制度に係る検討事項

1 A 所有の土地について A が B に B が C に売り渡し A から B へ B から C へそれぞれ所有権移転登記がなされた C が移転登記を受ける際に AB 間の売買契約が B の詐欺に基づくものであることを知らなかった場合で 当該登記の後に A により AB 間の売買契約が取り消された

第 2 事案の概要本件は, 原告が, 被告に対し, 氏名不詳者が被告の提供するインターネット接続サービスを利用して, インターネット上の動画共有サイトに原告が著作権を有する動画のデータをアップロードした行為により原告の公衆送信権 ( 著作権法 23 条 1 項 ) が侵害されたと主張して, 特定電気

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限され 当事者が商標を使用する能力に直接の影響はありません 異議申し立て手続きと取消手続きで最もよく見られる問題とは 混同のおそれ と 単なる記述 です TTAB は登録の内容のみを評価するため その分析の局面には 想定に基づくものもあります 通常 TTAB では どのように標章が実際の製品において

(1) 被告は, 次の商標 ( 以下 本件商標 という ) に係る商標権 ( 以下 本件商標権 という ) を有している ( 甲 25) 商標登録第 号商標の構成千鳥屋 ( 標準文字 ) 登録出願日平成 23 年 12 月 21 日設定登録日平成 25 年 2 月 8 日指定商品第

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して, 損害賠償金 330 万円及びこれに対する不法行為の後の日である平成 28 年 月 21 日 ( 原告が被告に本件請求の通知を送付した日の翌日 ) から支払済みまで民法所定の年 分の割合による遅延損害金の支払を求める事案である 1 前提事実 ( 当事者間に争いのない事実及び弁論の全趣旨により容

平成 29 年 2 月 20 日判決言渡同日原本交付裁判所書記官 平成 28 年 ( ワ ) 第 号損害賠償請求事件 口頭弁論終結日平成 29 年 2 月 7 日 判 決 原 告 マイクロソフトコーポレーション 同訴訟代理人弁護士 村 本 武 志 同 櫛 田 博 之 被 告 P1 主 文

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アフリカ知的財産ニュースレター Vol.36 はじめに 本号では リビアの最近の政治情勢に注目してみる さらに マドリッド協定議定書 ( マド リッド プロトコル ) に基づく国際商標登録 (IR) に関係する 2 つの出来事についても論じる ことにする しかし 本号の大部分は パリ条約により認めら

被告 Y は, ドライブインの経営等を目的とする有限会社である 本判決の認定によれば, 平成 21 年 9 月頃,Y 代表者は, 知人のメロン農家が熊 ( ヒグマ ) の食害に困っているとの話から, メロンを食べ過ぎた熊の様子を想定した メロン熊 という名称の, ヒグマが夕張市特産のメロンに顔を突っ

総額表示義務に関する消費税法の特例に係る不当景品類及び不当表示防止法の 適用除外についての考え方 平成 25 年 9 月 10 日一部改定平成 27 年 4 月 1 日一部改定平成 28 年 4 月 1 日一部改定平成 28 年 11 月 28 日消費者庁 第 1 はじめに 1 法律の概要等消費税の

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一括して買い受けた なお, 本件商品である コンタクトレンズ は, 本件商標の指定商品 眼鏡 に含まれる商品である (3) 使用商標は, ハートO2EXスーパー の文字からなるところ, 本件商品の容器に表示された使用商標は, ハート の文字部分だけが赤い字で, かつデザイン化されており, これに続く

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不正競争防止法 2 条 1 項 1 号の 類似 そして 混同 ( 東京地裁平成 15 年 2 月 20 日平成 13 年 ( ワ ) 第 2721 号 マイクロダイエット事件 ) 関西特許研究会 (KTK) 担当 : 弁理士松井宏記 1. はじめに我が国において 商標や標章は 商標法および不正競争防止法などによって他人の侵害行為から保護される 商標法による保護は 特許庁に商標出願をして商標登録することによって生じる商標権を有していることが大前提となる 商標権を有していれば 登録商標および指定商品又は指定役務と同一または類似の範囲における第三者の使用行為に対して差止請求権等を行使することができる 商標権を有していなければ 第三者の侵害行為からは保護されない 一方 不正競争防止法による保護は商標権の有無を問わない 不正競争防止法 2 条 1 項所定の 不正競争 に該当する他人の行為に対しては 差止請求権等を行使することができる 不正競争防止法 2 条 1 項の中でも 特に1 号が規定する 不正競争 とは以下のような行為である 他人の商品等表示( 人の業務に係る ( 略 ) 商標 標章 ( 略 )) として需要者の間に広く認識されているものと同一若しくは類似の商品等表示を使用し 又はその商品等表示を使用した商品を譲渡し ( 略 ) て 他人の商品又は営業と混同を生じさせる行為 したがって 上記規定に基づく救済を受けるためには 他人が自己の周知商品等表示と同一又は類似の表示を使用して 商品の出所に混同を生じさせることが要件となる しかし 学説においては 表示の類否に独立の意味を持たせることなく 混同のおそれが生じるときは表示も類似するという傾向が強い ( 竹田稔著 知的財産権侵害要論不正競業編 発明協会 65 頁 ) このように 不正競争防止法 2 条 1 項 1 号と商標法には 商標の 類似 なる概念が規定されているが 両法における 類似 概念の違いを明確に感じ取れるケースは少ない 今回取り上げる判決は 不正競争防止法 2 条 1 項 1 号に関する事案であり 同規定の 類

似 そして 混同 の両概念の特質を感じていただく事案として紹介する 2. 事案の概要 (1) 裁判所 : 東京地方裁判所判決日 : 平成 15 年 2 月 20 日事件番号 : 平成 13 年 ( ワ ) 第 2721 号 (2) 原告らについて原告サニーヘルスは 水に溶かして飲む粉末タイプの超低カロリー栄養食品 ( 商品名 マイクロダイエット 以下 原告商品 という ) を主力商品として製造販売している 原告日本ユニバイトは 原告商品を製造してその全量を原告サニーヘルスに販売している (3) 被告らについて被告ホルスは 原告と同種の水に溶かして飲むタイプの超低カロリー栄養食品 ( 商品名 マイクロシルエット 以下 被告商品 という ) の原料を製造し これを被告日本天然物研究所に販売している 被告日本天然物研究所は 被告ホルスから購入した原料を用いて被告商品を製造し 被告コスメディコ等に卸して販売している 被告コスメディコは 被告日本天然物研究所から購入した被告商品を小売店等に販売している (4) 原告標章の使用について原告らは 昭和 63 年 12 月頃に原告商品の販売を開始したが その容器 包装等に下記原告標章 1および2を付して使用している 原告標章 1および2: 原告サニーヘルスは 平成 2 年 1 月ころから有名雑誌に原告商品の広告を掲載し その 後も有名雑誌等を媒体とする宣伝広告を継続し 平成 12 年 9 月末までに 約 6141 万

食分の原告商品を販売した (5) 被告商標権について訴外 Aは 平成 6 年 3 月から平成 8 年 4 月まで原告サニーヘルスに勤務した元従業員であるが 同原告在職当時の平成 7 年 10 月 31 日 片仮名 マイクロシルエット を横一列に配してなる標章を商標登録出願した 被告ホルスは 原告サニーヘルスとの間で締結した業務委託契約が終了した後の平成 8 年 11 月 11 日 訴外 Aから 当時出願中であった マイクロシルエット の商標登録を受ける権利の譲渡を受けた そして 平成 9 年 7 月 18 日に上記 マイクロシルエット は商標登録された 被告ホルス所有の被告商標権の内容は下記の通り 登録第 4031480 号登録商標 区分第 30 類 ( 平成 3 年法 ) (6) 被告標章の使用について被告らは 平成 9 年初めころから 被告商品の販売を開始した 被告らは 被告商品の容器 包装等に下記被告標章 1ないし4( 本件では被告標章 5,6についても争われたが本稿では省略する ) を付して使用し 現在に至るまで使用し続けている 被告標章 1ないし4: (7) 原告らの請求

原告らは 原告標章は著名商品等表示又は周知商品等表示に該当するものであり 被告らがこれと類似する被告標章を使用する行為は 不正競争防止法 2 条 1 項 2 号又は1 号所定の不正競争行為に該当すると主張して 被告らに対して 被告標章の使用の差止め及び損害賠償等を求めた (8) 裁判所の判断 A 結論被告らが被告標章 1ないし4を使用する行為は 不正競争防止法 2 条 1 項 1 号所定の不正競争行為に該当する B 理由 1 原告標章の周知性及び著名性について原告サニーヘルスによる有名雑誌を媒体とした宣伝広告が始まって約 5 年が経過し その販売実績が約 1669 万食分に達した平成 6 年末までには 原告らが原告商品に付して使用する原告標章 ( マイクロダイエット 及び MICRODIET ) は 原告らの商品等表示として 需要者の間に広く認識されていた ( 不正競争防止法 2 条 1 項 1 号 ) ものというべきである 2 原告標章と被告標章の類否について原告標章 1と被告標章 1および2 また 原告標章 2と被告標章 3および4とを比較すると 各原告標章からは マイクロダイエット の称呼が 各被告標章からは マイクロシルエット の称呼がそれぞれ生ずるところ 前半部分が マイクロ で同一である上に 相違する ダイエット 及び シルエット の各部分も 全体が5 音であること及び語尾が エット であることにおいて共通しており その相違はさほど大きなものではないから 上記各標章から生ずる称呼は 全体として類似すると認められる さらに 原告標章及び被告標章に共通する マイクロ からは 微小 との観念が生じる一方で 相違する部分についても ダイエット からは 美容 減量 痩身等の観念を生じ シルエット からは 一般的な 影 という意味のほか 減量 痩身により得られる美しい体型という観念を生じ得るから 両者は 観念が類似するということができる そうすると被告標章と原告標章とは 称呼及び観念において類似するものである 外観においても 原告標章 1と被告標章 1および2 また 原告標章 2と被告標章 3および4では いずれも平凡な字体からなる標章であるから外観上の差異はほとんどない

以上によれば 各被告標章は 原告標章に類似するものと認められる ( なお 被告らは 被告登録商標の出願当時 既に原告標章が商標登録出願されており 商標法 4 条 1 項 10 号 11 号及び15 号の要件が吟味されたはずであるにもかかわらず 被告登録商標が登録されたのだから 原告標章と被告標章は類似しないというべきである旨主張するが 特許庁が商標登録の可否の場面において行う先願商標との類否判断と侵害訴訟の場面における裁判所の類否判断とは観点を異にする面もあり 侵害訴訟における裁判所の類否判断が特許庁の判断に拘束されるものではない ) 3 混同の有無について原告商品や被告商品のようなダイエット食品は 通信販売ないしテレビ番組を通じての販売を主たる流通形態とするものと認められるところ このような商品の需要者は 店頭で実際の商品を手に取り 吟味した上で購入するわけではない また 下記のような事実が認められる いずれも 粉末状で水に溶かして飲む超低カロリーの栄養食品であり 日常生活に必要な蛋白質 ビタミン類 ミネラル類等を摂取できる一方で 摂取カロリーだけを低く抑えることができ 健康に影響を及ぼさずにダイエットできることを最大の宣伝文句にしている商品であること いずれも ヨーグルト味 ココア味 ストロベリー味等の風味が付けられ 袋ごとに小分けされた商品が何袋か箱詰めされて このような箱詰めを基本的な販売単位として流通していること 原告商品の容器 包装においては 立方体の艶のある白色地の紙箱に 鮮やかな多色パステルカラーないし単色青色の模様を描き その下に商品名 MICRODIET を黒色ゴシック体英文字で配し その下に Maximum Weight Loss-Minimum Calories-Complete Nutrition なる表示を配して さらに これらの左側に栄養成分表を表示しているところ 被告商品の容器 包装においても ほぼ同じ大きさ 体裁の紙箱に 上記同様の多色パステルカラーないし単色青色の模様を描き その下に商品名 MICR O SILHOUETTE を黒色ゴシック体英文字で配し その下に Maximum Weight Loss-Minimum Calories-Complete Nutrition なる表示を配して さらに これらの左側にほぼ上記同様の栄養成分表を表示していること 原告商品の雑誌広告においては ダイエット効果があった実例として複数の一般需要者

が紹介されているほか 上記容器 包装を伴う箱 小分けされた商品入りの袋 商品を水に溶かしてグラスに注いだ写真等が掲載されているのに対し 被告商品の雑誌広告においては 同商品の愛用者とされる若手女性タレントが紹介されているほか 上記容器 包装を伴う箱 小分けされた商品入りの袋 商品を水に溶かしてグラスに注いだ写真等が掲載されていること 原告らは 販売促進用資料として すぐに使えるダイエットメニュー と題する冊子を作成し 使用していたところ 被告らは 原告商品名 マイクロダイエット を被告商品名 マイクロシルエット に差し替えただけで 題名が すぐに使えるダイエットメニュー で同じであるほか 冊子の中で紹介されている料理の献立 写真や イラスト 説明書きの本文に至るまで 原告ら作成にかかる上記冊子をほぼそのまま引き写した冊子を作成し 使用したこと 原告会社名と被告商品名を並べて サニーヘルスマイクロシルエット と記載した小売店作成のチラシ広告や あるいは 被告商品の写真を掲載する一方で 商品名を マイクロダイエットシルエット あるいは マイクロダイエット と表記した小売店作成のチラシ広告が散見されるほか 小売店の店頭において原告商品名が表示された商品棚に被告商品を陳列した例も見られること 上記によれば 原告商品と被告商品は いわゆる通販商品として 商品名ないし標章が商品の購入を決する際に需要者に与える印象の大きな取引形態である上に 商品としての基本的な性質が同一であるほか その宣伝や販売の手法 形態にも共通するところが少なくなく 小売店のチラシ広告や店頭販売の段階においては 原告商品と被告商品とが厳密に区別されていない例すら散見されるから 取引者や需要者の間では 両者は非常に近い種類の商品と認識されているものと認められる そうすると 原告標章に類似する被告標章を使用した被告商品を販売する行為は 原告商品との 混同を生じさせる行為 に当たるというべきである 4 登録商標使用の抗弁について被告標章は いずれも 被告登録商標と実質的に同一であり 被告登録商標の使用権の範囲内にあるものと認められる これらについては 被告らは 登録商標使用の抗弁を主張し得る 5 権利濫用の再抗弁について

訴外 Aは 原告サニーヘルスに従業員として在職中に 原告商品が好調な売れ行きを示し 原告標章が周知の商品等表示となっていることを認識しながら これと類似する被告登録商標につき商標登録出願をしたものであり 原告標章の周知性にただ乗りする意図の下に上記商標登録出願をした 被告ホルスは 原告標章が周知の商品等表示となっていることを認識しながら 訴外 Aからこれと類似する被告登録商標の商標登録を受ける権利を譲り受けており 同被告は 原告標章が周知の商品等表示となった後に被告登録商標が出願されたことを認識していたか 又は知り得べきものでありながら過失によって知らなかった 被告ホルスが商標権者として被告登録商標を使用する行為は権利濫用に該当するものであり 原告らの請求に対し 登録商標使用の抗弁を主張することは 権利の濫用に当たるものとして許されない 以上によれば 被告らが被告標章を使用する行為は 不正競争防止法 2 条 1 項 1 号の不正競争行為に該当する 3. 考察 1 不正競争防止法 2 条 1 項 1 号における 類似 と 混同 本件判決の注目すべき点として 原告標章 1 マイクロダイエット と被告標章 1 2 マイクロシルエット 原告標章 2 MICRODIET と被告標章 3 MICRO S ILHOUETTE 同 4 MICRO/SILHOUETTE を 裁判所がそれぞれ類似と判断し 原告商品と被告商品の間には出所の混同が生じると判断した点が挙げられる 不正競争防止法上の商品等表示の 類似 については 取引の実情のもとにおいて 取引者 需要者が 両者の外観 称呼 又は観念に基づく印象 記憶 連想等から両者を全体的に類似のものとして受け取るおそれがあるか否かを基準として判断するのを相当とする とされている ( 最高裁判決昭和 58.10.7) 特に 商標の類否に関しては 商標権侵害において判例の蓄積があり 商標権侵害での 商標の類似 の判断手法が不正競争防止法上の商標の類似判断において利用されることが多い 一方 その商標権侵害における 商標の類似 については 商標の類否は 同一又は類似の商品に使用された商標が外観 観念 称呼等によって取引者 需要者に与える印象

記憶 連想等を総合して全体的に考察すべきであり かつその商品の取引の実情を明らかにし得る限り その具体的な取引状況に基づいて判断すべきものである とされている ( 最高裁判決昭和 43.2.27 最高裁判決平成 9.3.11) このように 両類似の概念の判断については 似た判断基準が最高裁によって示されている しかし 本件で類似と判断された原告標章と被告標章が 商標権侵害における 類似 とも言えるかどうかについては疑問が残る 過去の商標権侵害に関する判決には 称呼 観念および外観の点から検討した場合には紛らわしいと思われるケースでも 両商標が付された商品の具体的取引の実情を参酌した上で 両商標は非類似と判断した事例は多く見受けられる ( 例えば 最近では BEAR 事件 / 東京高裁判決平成 14.12.19 がある 取引の実情を考慮して商標 BeaR と商標 Bear BEAR は非類似とされた) しかし 逆に 称呼 観念および外観の点から検討した場合には紛らわしくは無いが 具体的取引の実情を検討すれば両商標は類似との判断を行った判決はあまり無いと認識している ( なお 具体的な取引実情を考慮して類似と判断した事件として 大森林事件 / 最高裁判決平 4.9.22 がある 取引の実情を考慮した上で 大森林 と 木林森 は類似と判断された ) この点 本件は不正競争防止法 2 条 1 項 1 号のケースだが 裁判所は 原告被告の両者から提出された主張 証拠を十分に検討し 商品 商品の包装方法 そして包装箱 雑誌広告 販売促進資料等のデザインが共通していることを認定し 現実の取引において 原告商品と被告商品との間に出所の混同が生じると判断した上で 両標章は類似するという判断に至っていると考えられる まさに 商標権侵害における商標の類否判断においては 取引の実情 は両商標が非類似の方向に働く事例が多い中で 不正競争防止法 2 条 1 項 1 号の商品等表示の 類似 では 具体的取引の実情が 両表示が類似であるとの判断の方向に働く要素を十分にもっていることを示す事例であると考える 不競法 2 条 1 項 1 号の 類似 概念と商標権侵害の場面における商標の 類似 概念は 各種文献 判決において比較して述べられることが多い 本件においては この2つの 類似 概念の違いを明確に感じることができるのではなかろうか 2 登録商標使用の抗弁

被告は 被告登録商標を所有しており 被告標章の使用は被告登録商標の正当な権利行使 ( 正当な使用行為という意と解する ) である旨を登録商標使用の抗弁として述べている しかし この点は 不正競争防止法上には規定は無いが 判決理由中において示されている通り 原告標章の周知性にただ乗りする意図の下に出願され 原告標章が周知の商品等表示となっていることを認識しながら これと類似する被告登録商標の商標登録を受ける権利を譲り受けており 同被告は 原告標章が周知の商品等表示となった後に被告登録商標が出願されたことを認識していたか 又は知り得べきものでありながら過失によって知らなかったような不正行為があったにも関わらず 被告ホルスが商標権者として被告登録商標を使用する行為は権利濫用に該当するものであり 原告らの請求に対し 登録商標使用の抗弁を主張することは 権利の濫用に当たるものとして許されないとした裁判所の判断は妥当であろう 3 まとめ本件は 不正競争防止法 2 条 1 項 1 号の 類似 混同 概念の特質を感じ取れるケースとして また 登録商標を使用している場合でも 不正競争行為に該当する場合があるとして 実務者は肝に銘ずべき判決である 以上 [ 著者略歴 ] 松井宏記 1997 年関西学院大学文学部哲学科卒業 同年 あい特許事務所入所 1998 年弁理士登録 所属 専門分野 日本弁理士会 日本商標協会 関西特許研究会等 国内外商標 意匠 不正競争等