企救特別支援学校( 病弱 身体虚弱の小 中学部 高等部 ) 門司特別支援学校( 病弱 身体虚弱の小 中学部 高等部 ) 北九州特別支援学校( 肢体不自由の小 中学部 高等部 ) 八幡西特別支援学校( 病弱 身体虚弱 肢体不自由の小 中学部 高等部 ) 2 北九州市における発達障害関連の施策 (1)

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4 拠点校による授業公開及び研究成果の発表会の実施さらに, 教育委員会としては, 大原小学校での公開研究授業に向けて, 市教育委員会主任指導主事が指導案作成 検討の段階から参加し, 主に若手教員の授業づくりに関する指導に取り組む また, 毎月の定期訪問の際にはユニバーサルデザインを生かした授業づくり

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資料3-1 特別支援教育の現状について

校外教育施設について

年度 JSPS 科研費 多層指導モデルによる学習困難への地域ワイドな予防的支援に関する汎用性と効果持続性 研究代表 : 海津亜希子 ( 独立行政法人国立特別支援教育総合研究所 ) 地域ワイドで MIM の取組を実施している自治体に対する調査の内容 地域ワイドで MIM の取組を実

第 2 部 東京都発達障害教育推進計画の 具体的な展開 第 1 章小 中学校における取組 第 2 章高等学校における取組 第 3 章教員の専門性向上 第 4 章総合支援体制の充実 13

補足説明資料_教員資格認定試験

2 平成 27 年度に終了した研究課題について 研究成果報告書サマリー集や研究成果 ( 別紙 1 参照 ) の内容は 例えば下記のような場面で用いられ 貴機関や学校等での課題の改善に活用できましたか? 活用の場面研修会やセミナー所管する学校 教職員への情報提供関係機関 ( 医療 保健 福祉 教育 労

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教員の専門性向上第 3 章 教員の専門性向上 第1 研修の充実 2 人材の有効活用 3 採用前からの人材養成 3章43

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Taro-自立活動とは

2 教科に関する調査の結果 ( 各教科での % ) (1) 小学校 国語 4 年生 5 年生 6 年生 狭山市埼玉県狭山市埼玉県狭山市埼玉県 平領均域正等答別率 話すこと 聞くこと 書くこと

学力向上のための取り組み

領域別正答率 Zzzzzzzzzzzzzzzzzzzzzz んんんんんんんんんんんんん 小学校 中学校ともに 国語 A B 算数( 数学 )A B のほとんどの領域において 奈良県 全国を上回っています 小学校国語 書く B において 奈良県 全国を大きく上回っています しかし 質問紙調査では 自分

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p.1~2◇◇Ⅰ調査の概要、Ⅱ公表について、Ⅲ_1教科に対する調査の結果_0821_2改訂

教育支援資料 ~ 障害のある子供の就学手続と早期からの一貫した支援の充実 ~ 平成 25 年 10 月 文部科学省初等中等教育局特別支援教育課

教育調査 ( 教職員用 ) 1 教育計画の作成にあたって 教職員でよく話し合っていますか 度数 相対度数 (%) 累積度数累積相対度数 (%) はい どちらかといえばはい どちらかといえばいいえ いいえ 0

北見市特別支援教育の指針 平成 25 年 11 月

2 教科に関する調査の結果 (1) 平均正答率 % 小学校 中学校 4 年生 5 年生 6 年生 1 年生 2 年生 3 年生 国語算数 数学英語 狭山市 埼玉県 狭山市 61.4

平成23年度全国学力・学習状況調査問題を活用した結果の分析   資料

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年中児スクリーニングの事後支援 年中児スクリーニングの事後支援として 22 市町村が園巡回を実施しているが SST は 5 市町村の実施 ペアレントトレーニングは 7 市町村の実施に止まっており 事後支援を実施する市町村の拡大が課題 園巡回 : 専門職が保育所 幼稚園を巡回し 保育士等に指導 助言

3 調査結果 1 平成 30 年度大分県学力定着状況調査 学年 小学校 5 年生 教科 国語 算数 理科 項目 知識 活用 知識 活用 知識 活用 大分県平均正答率 大分県偏差値

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Q1 診断書等がない子どもへの合理的配慮はどう考えたらよいのか A1 診断書や障がい者手帳等の有無が 合理的配慮の提供に関する判断の基準ではありません 教育支援資料 ( 文部科学省平成 25 年 10 月 ) において 各障がいは以下のように定義されています ( 参考 ) 教育支援資料における各障が

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①H28公表資料p.1~2

平成29年度通級による指導実施状況調査結果について(別紙2)

家庭における教育

(1) 体育・保健体育の授業を改善するために

茨城県における 通級による指導 と 特別支援学級 の現状と課題 IbarakiChristianUniversityLibrary ~ 文部科学省 特別支援教育に関する調査の結果 特別支援教育資料 に基づいて茨城キリスト教大学紀要第 52 ~号社会科学 p.145~ 茨城県における 通

(2) 大阪府の委託事業 通常の学級における発達障がい等支援事業 実施期間 : 平成 25 年 4 月 ~ 平成 27 年 3 月概要 : 大阪狭山市立第三中学校区で, 幼稚園 1 園 小学校 1 校 中学校 1 校がモデルとなり, アドバイザリスタッフ ( 大阪大谷大学教授小田浩伸先生 ) や,

2 各教科の領域別結果および状況 小学校 国語 A 書くこと 伝統的言語文化と国語の特質に関する事項 の2 領域は おおむね満足できると考えられる 話すこと 聞くこと 読むこと の2 領域は 一部課題がある 国語 B 書くこと 読むこと の領域は 一定身についているがさらに伸ばしたい 短答式はおおむ

資料5 親の会が主体となって構築した発達障害児のための教材・教具データベース

山口大学教育学部附属特別支援学校通級指導教室におけるICT 活用研修プログラム開発プロジェクト 通級指導教室における ICT 活用に関するアンケート タブレット端末の活用事例 本校では 地域の特別支援教育の充実に貢献することを目的に 山口県教育委員会 山口大学と連携を図りながら

3 情緒障害 選択性かん黙等のある児童生徒については 情緒障害の状態になった時期や その要因などに応じて中心となる指導内容が異なります 例えば カウンセリング等を中心とする時期 緊張を和らげるための指導を行う時期 学習空白による遅れなどを補いながら心理的な不安定さに応じた指導を行って自信を回復する時

はじめに 我が国においては 障害者の権利に関する条約 を踏まえ 誰もが相互に人格と個性を尊重し支え合い 人々の多様な在り方を相互に認め合える 共生社会 を目指し 障がいのある者と障がいのない者が共に学ぶ仕組みである インクルーシブ教育システム の理念のもと 特別支援教育を推進していく必要があります

平成25~27年度間

公式WEBサイト_取得できる免許・資格(H27入学生~)Ver_02

010国語の観点

学習指導要領の領域等の平均正答率をみると 各教科のすべての領域でほぼ同じ値か わずかに低い値を示しています 国語では A 問題のすべての領域で 全国の平均正答率をわずかながら低い値を示しています このことから 基礎知識をしっかりと定着させるための日常的な学習活動が必要です 家庭学習が形式的になってい

小学校の結果は 国語 B 算数 A で全国平均正答率を上回っており 改善傾向が見られる しかし 国語 A 算数 B では依然として全国平均正答率を下回っており 課題が残る 中学校の結果は 国語 B 以外の教科で全国平均正答率を上回った ア平成 26 年度全国学力 学習状況調査における宇部市の平均正答

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1 国の動向 平成 17 年 1 月に中央教育審議会答申 子どもを取り巻く環境の変化を踏まえた今後の幼児教育の在り方について が出されました この答申では 幼稚園 保育所 ( 園 ) の別なく 子どもの健やかな成長のための今後の幼児教育の在り方についての考え方がまとめられています この答申を踏まえ

第 1 章総則第 1 教育課程編成の一般方針 1( 前略 ) 学校の教育活動を進めるに当たっては 各学校において 児童に生きる力をはぐくむことを目指し 創意工夫を生かした特色ある教育活動を展開する中で 基礎的 基本的な知識及び技能を確実に習得させ これらを活用して課題を解決するために必要な思考力 判

平成 28 年度全国学力 学習状況調査の結果伊達市教育委員会〇平成 28 年 4 月 19 日 ( 火 ) に実施した平成 28 年度全国学力 学習状況調査の北海道における参加状況は 下記のとおりである 北海道 伊達市 ( 星の丘小 中学校を除く ) 学校数 児童生徒数 学校数 児童生徒数 小学校

1 発達とそのメカニズム 7/21 幼児教育 保育に関する理解を深め 適切 (1) 幼児教育 保育の意義 2 幼児教育 保育の役割と機能及び現状と課題 8/21 12/15 2/13 3 幼児教育 保育と児童福祉の関係性 12/19 な環境を構成し 個々 1 幼児期にふさわしい生活 7/21 12/

通常の学級における

2 調査結果 (1) 教科に関する調査結果 全体の平均正答率では, 小 5, 中 2の全ての教科で 全国的期待値 ( 参考値 ) ( 以下 全国値 という ) との5ポイント以上の有意差は見られなかった 基礎 基本 については,5ポイント以上の有意差は見られなかったものの, 小 5 中 2ともに,

特別支援教育 教育経営研修班個人研究テーマ 教職員研修における特別支援教育に関する調査研究 高等学校教職員研修実施状況や意識調査を通して 指導主事仲本邦也 Ⅰ テーマ設定の理由 平成 19 年 4 月に 学校教育法等の一部改正に関する法律 が施行され 盲学校 聾学校 養護学校 ( 以下盲 聾 養護学

の間で動いています 今年度は特に中学校の数学 A 区分 ( 知識 に関する問題 ) の平均正答率が全 国の平均正答率より 2.4 ポイント上回り 高い正答率となっています <H9 年度からの平均正答率の経年変化を表すグラフ > * 平成 22 年度は抽出調査のためデータがありません 平

単元構造図の簡素化とその活用 ~ 九州体育 保健体育ネットワーク研究会 2016 ファイナル in 福岡 ~ 佐賀県伊万里市立伊万里中学校教頭福井宏和 1 はじめに伊万里市立伊万里中学校は, 平成 20 年度から平成 22 年度までの3 年間, 文部科学省 国立教育政策研究所 学力の把握に関する研究

(2) 国語 B 算数数学 B 知識 技能等を実生活の様々な場面に活用する力や 様々な課題解決のための構想を立て実践し 評価 改善する力などに関わる主として 活用 に関する問題です (3) 児童生徒質問紙児童生徒の生活習慣や意識等に関する調査です 3 平成 20 年度全国学力 学習状況調査の結果 (

必要性 学習指導要領の改訂により総則において情報モラルを身に付けるよう指導することを明示 背 景 ひぼう インターネット上での誹謗中傷やいじめ, 犯罪や違法 有害情報などの問題が発生している現状 情報社会に積極的に参画する態度を育てることは今後ますます重要 目 情報モラル教育とは 標 情報手段をいか

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2 全国 埼玉県 狭山市の平均正答率 ( 教科に関する調査の結果 ) ( 単位 %) (1) 小学校第 6 学年 教科ごとの区分 教科 狭山市 埼玉県 全国 国語 A 国語 B 算数 A 算数 B 学習指導要領の

■ 第一章 発達障害児に対する適切な指導 ■

平成 年度佐賀県教育センタープロジェクト研究小 中学校校内研究の在り方研究委員会 2 研究の実際 (4) 校内研究の推進 充実のための方策の実施 実践 3 教科の枠を越えた協議を目指した授業研究会 C 中学校における実践 C 中学校は 昨年度までの付箋を用いた協議の場においては 意見を出

平成 29 年度全国学力 学習状況調査の結果の概要 ( 和歌山県海草地方 ) 1 調査の概要 (1) 調査日平成 29 年 4 月 18 日 ( 火 ) (2) 調査の目的義務教育の機会均等とその水準の維持向上の観点から 全国的な児童生徒の学力や学習状況を把握 分析し 教育施策の成果と課題を検証し

学校評価保護者アンケート集計結果 2 学校は 防災や防犯についての体制作りや情報収集を適切に行っている 十分 おおむね十分 やや十分 不十分 分からない 不明

目 次 1 学力調査の概要 1 2 内容別調査結果の概要 (1) 内容別正答率 2 (2) 分類 区分別正答率 小学校国語 A( 知識 ) 国語 B( 活用 ) 3 小学校算数 A( 知識 ) 算数 B( 活用 ) 5 中学校国語 A( 知識 ) 国語 B( 活用 ) 7 中学校数学 A( 知識 )

Taro-① 平成30年度全国学力・学習状況調査の結果の概要について

国語の授業で目的に応じて資料を読み, 自分の考えを 話したり, 書いたりしている

< 先生方へ > 長崎県学力向上推進協議会では 子どもに確かな学力をつけていくためには 何 が大切か また 学力の向上を阻害している要因は何かなどについて 検討を重ね ています その中から次のようなことが指摘されました 1 家庭で毎日決まった時間に学習をする習慣をつけることが大切である 2 食事や睡

5_【資料2】平成30年度津波防災教育実施業務の実施内容について

Taro (結合)3・4ファイ

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P5 26 行目 なお 農村部は 地理的状況や通学時 間等の関係から なお 農村部は 地理的状況や通学時 間等から P5 27 行目 複式学級は 小規模化による学習面 生活面のデメリットがより顕著となる 複式学級は 教育上の課題が大きいことから ことが懸念されるなど 教育上の課題が大きいことから P

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施策吊

環境 体制整備 4 チェック項目意見 事業所評価 生活空間は 清潔で 心地よく過ごせる環境になっているか また 子ども達の活動に合わせた空間となっているか クーラーの設定温度がもう少し下がればなおよいと思いました 蒸し暑く感じました お迎え時に見学させて頂きますが とても清潔だと思

教育 学びのイノベーション事業 ( 平成 23~25 年度 ) 総務省と連携し 一人一台の情報端末や電子黒板 無線 LAN 等が整備された環境の下で 教科指導や特別支援教育において ICT を効果的に活用して 子供たちが主体的に学習する 新たな学び を創造する実証研究を実施 小学校 (10 校 )

農山漁村での宿泊体験活動の教育効果について

(2) 学習指導要領の領域別の平均正答率 1 小学校国語 A (%) 学習指導要領の領域 領 域 話すこと 聞くこと 66.6(69.2) 77.0(79.2) 書くこと 61.8(60.6) 69.3(72.8) 読むこと 69.9(70.2) 77.4(78.5) 伝統的な言語文化等 78.3(

H30全国HP

学習意欲の向上 学習習慣の確立 改訂の趣旨 今回の学習指導要領改訂に当たって 基本的な考え方の一つに学習 意欲の向上 学習習慣の確立が明示された これは 教育基本法第 6 条第 2 項 あるいは学校教育法第 30 条第 2 項の条文にある 自ら進んで学習する意欲の重視にかかわる文言を受けるものである

2 学校は 防災や防犯についての体制作りや情報収集を適切に行っている 十分 おおむね十分 やや十分 不十分 分からない 不明 計 学校は 防災や防犯についての体制作りや情報収

( 様式第 1-1 号 ) 事業計画書 幼稚園 認定こども園名 1 目的 特別支援教育の充実を図るため 支援を必要とする子どもの受入に必要な人件費等の費用に本補助金を充当する 2 内容様式第 1-2 号 1~ 3 様式第 1-3 号様式第 1-4 号様式第 1-5 号様式第 1-6 号様式第 1-7

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平成24年5月17日

目 次 1. 策定の趣旨 2 2. 基本理念 2 3. 計画の期間及び推進状況の把握 2 4. 計画の対象 2 5. 第 1 次計画 における成果と課題 2 (1) 成果 2 (2) 課題 3 6. 計画の全体構想図 3 7. 推進事業 4 (1) 家庭における読書活動の推進 4 (2) 地域 図書

1. 研究主題 学び方を身につけ, 見通しをもって意欲的に学ぶ子どもの育成 ~ 複式学級における算数科授業づくりを通して ~ 2. 主題設定の理由 本校では, 平成 22 年度から平成 24 年度までの3 年間, 生き生きと学ぶ子どもの育成 ~ 複式学級における授業づくり通して~ を研究主題に意欲的

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西ブロック学校関係者評価委員会 Ⅰ 活動の記録 1 6 月 17 日 ( 火 ) 第 1 回学校関係者評価委員会 15:30~ 栗沢中学校 2 7 月 16 日 ( 水 ) 学校視察 上幌向中学校 授業参観日 非行防止教室 3 9 月 5 日 ( 金 ) 学校視察 豊中学校 学校祭 1 日目 4 9

平成 21 年度全国学力 学習状況調査結果の概要と分析及び改善計画 調査実施期日 平成 21 年 10 月 2 日 ( 金 ) 教務部 平成 21 年 4 月 21 日 ( 火 )AM8:50~11:50 調査実施学級数等 三次市立十日市小学校第 6 学年い ろ は に組 (95 名 ) 教科に関す

1

10_皆生養護学校


平成21年度「研究の手引き」の解説(案)

S.E.N.S養成カリキュラム(2012年度版)シラバス

北九州市学力向上ステップアップ事業第Ⅱ期推進指定校 実施計画

町全体の状況を把握 分析するとともに 平均正答率については 全国 全道との比較を数値以外の文言で表現します また 質問紙調査の結果や 課題解決に向けた学力向上の取組を示します (3) 学校ごとの公表小規模校において個人が特定される恐れのあることから 学校ごとの結果公表はしません (4) 北海道版結果

1. 調査結果の概況 (1) の児童 ( 小学校 ) の状況 < 国語 A> 今年度より, ( 公立 ) と市町村立の平均正答率は整数値で表示となりました < 国語 B> 4 国語 A 平均正答率 5 国語 B 平均正答率 ( 公立 ) 74.8 ( 公立 ) 57.5 ( 公立 ) 74 ( 公立

回数テーマ学習内容学びのポイント 2 過去に行われた自閉症児の教育 2 感覚統合法によるアプローチ 認知発達を重視したアプローチ 感覚統合法における指導段階について学ぶ 自閉症児に対する感覚統合法の実際を学ぶ 感覚統合法の問題点について学ぶ 言語 認知障害説について学ぶ 自閉症児における認知障害につ

2 生活習慣や学習環境等に関する質問紙調査 児童生徒に対する調査 学校意欲 学習方法 学習環境 生活の諸側面等に関する調査 学校に対する調査 指導方法に関する取組や人的 物的な教育条件の整備の状況等に関する調査 2

Transcription:

福岡県北九州市における MIM の取組 Ⅰ 北九州市における教育環境 状況 1 北九州市における基礎情報 ( 平成 26 年 5 月 1 日現在, 人口を除く ) (1) 人口 964,700 人 (2) 学校数市立小学校 131 校, 市立中学校 62 校 市立小学校分校 1 校 (3) 児童 生徒数小学校 48,420 人, 中学校 23,987 人 (4) 通級指導教室および特別支援学級の設置状況 1 小学校 通級指導教室 13 校, 21 教室, 276 名 言語障害 2 校, 4 教室, 52 名 難聴 言語 2 校, 2 教室, 19 名 情緒障害 2 校, 5 教室, 72 名 LD ADHD 6 校, 9 教室, 124 名 弱視 1 校, 1 教室, 9 名 特別支援学級 知的障害 76 校, 102 学級, 527 名 自閉症 情緒障害 46 校, 67 学級, 357 名 難聴 4 校, 4 学級, 11 名 2 中学校通級指導教室 5 校, 7 教室, 71 名 難聴 言語 2 校, 2 教室, 13 名 情緒障害 1 校, 2 教室, 19 名 LD ADHD 2 校, 3 教室, 39 名 特別支援学級 知的障害 42 校, 58 学級, 295 名 自閉症 情緒障害 15 校, 20 学級, 117 名 難聴 2 校, 2 学級, 8 名 (5) 特別支援学校の設置状況 福岡県立の特別支援学校 2 校 北九州視覚特別支援学校( 幼稚部 小 中学部 高等部 ( 専攻課理療科 )) 小倉聴覚特別支援学校( 幼稚部 小 中学部 ) 市立特別支援学校 9 校 小倉北特別支援学校( 知的障害の小 中学部 高等部 ) 小倉南特別支援学校( 知的障害の小 中学部 高等部 ) 小池特別支援学校( 知的障害の小 中学部 高等部 ) 八幡特別支援学校( 知的障害の小 中学部 高等部 ) 特別支援学校北九州中央高等学園( 知的障害の幼稚部 小 中学部 高等部 )

企救特別支援学校( 病弱 身体虚弱の小 中学部 高等部 ) 門司特別支援学校( 病弱 身体虚弱の小 中学部 高等部 ) 北九州特別支援学校( 肢体不自由の小 中学部 高等部 ) 八幡西特別支援学校( 病弱 身体虚弱 肢体不自由の小 中学部 高等部 ) 2 北九州市における発達障害関連の施策 (1) 文部科学省の委託事業 1 早期からの教育相談 支援体制の構築事業 実施期間 : 平成 25 年度より実施 その年の3 月 31 日年次更新概要 : 早期支援コーディネーター ( 教員免許状または保育士免許状を有し, 特別支援教育に関する専門的知識 経験および実践的指導力を有する者 ) を活用し, 保健福祉局や子ども家庭局など他部局と連携して情報提供や情報収集を行い, 就学に向けた幼児期からの相談支援の充実を図っている 幼児の就学に向けた相談支援を行う際に, 支援の在り方などを保護者と一緒に考えるための資料となるリーフレットを配付した 2 特別支援学校のセンター的機能充実事業 実施期間 : 平成 26 年度より実施 毎年 3 月 31 日年次更新概要 : ア訪問相談園や学校等を訪問し, 子どもへの支援や相談を行う 小学校への移行支援などを行う イ来校相談来校する園や学校等の職員 保護者 幼児児童生徒への相談を行う ウ公開講座の開催全市公開講座, 各地公開講座を行う これまでに, キレやすい子どもたちへの理解と対応 ( アンガーマネージメントについて ), 教育的ニーズによる子どもたちへの合理的配慮 (ICT の活用について ) 等の講座を開催 エ特別支援教育連絡会小 中学校と特別支援学校, 小学校間, 中学校間等で情報交換や協議会を行う オ研修会等への参加園や学校等の依頼を受け, 研修会に参加する 特別支援教育コーディネーター連絡会議に参加する 具体的には, 小 中 高の特別支援教育コーディネーターの研修会に特別支援学校の特別支援教育コーディネーターが入り, 協議の進行や助言を行う カ教材等の紹介や貸出検査器具, 書籍, 教材等の紹介や貸出を行う キ情報発信リーフレットを配布し, 取組を紹介する ホームページ上で教材等を紹介する

(2) 県の委託事業 : なし (3) 市独自の事業 : なし 3 北九州市における学力向上関連の施策 (1) 文科科学省の委託事業 : なし (2) 県の委託事業 : なし (3) 市独自の事業 1 子どもひまわり学習塾 実施期間 : 平成 26 年度より実施概要 : 小学校 31 校, 中学校 11 校で, 週 2 回 (1 回 1 時間程度 ) 放課後等の時間に補充的な学習を支援 1 校あたり,10~20 人程度の児童生徒を対象に実施 学習指導員については, 元教師や大学生, 地域の方々など 2 多層指導モデル(MIM) 実施期間 : 平成 26 年度より実施概要 : モデル校として3 校で実施 1 年生担任と管理職及び希望者を対象とした年間 3 回の研修を実施 4 発達障害のある子ども等への支援のリソース (1) 支援員や巡回相談等の人的支援特別支援教育学習支援員概要 : 通常の学級に在籍する発達障害の可能性のある児童生徒の支援や校内支援体制整備の補助業務を行う ( 学習指導補助, 日常生活の指導補助, 安全を確保するための見守り等 ) 1 週間あたり5 日 8 時 30 分 ~15 時 30 分 ( 休憩時間 60 分間を含む ) 資格は必要なし 特別支援教育に関する基礎的な知識や理解を示している者 (2) 教材等の提供といった物的支援特記事項なし (3) 公的な相談 指導機関 1 障害者基幹相談支援センター概要 : 障害者のための第 1 次相談窓口として, 地域における相談支援の中核的な役割を担う機関 家族や本人から様々な相談を受ける よろず相談窓口 であり, 相談者の自宅に出向くなど丁寧な相談支援方法により, 障害者が自立した日常生活や社会生活を営むことができるように支援する 2 子ども総合センター概要 :18 歳になるまでの子どもにおける心身の発達の遅れ, 非行, 不登校等について, 児童福祉司や児童心理司などの専門スタッフが相談に応じる また, 虐待されている子どもや, 家族で育てることができない子どもについての相談にも応じる

3 発達障害者支援センター概要 : 自閉症等の発達障害について, 本人や家族, 関係機関, 施設等からの相談に応じ, 情報提供や助言, 関係機関との連携 調整等を行う相談支援機関 あわせて, 自閉症等の発達障害について, 普及 啓発や専門性を高めることを目的とした研修を行う 4 特別支援教育相談センター概要 : 併設の総合療育センターと連携しながら, 特別な支援の必要な幼児 児童 生徒や, その保護者, 学校等への専門的な相談支援を行う Ⅱ 北九州市における MIM の取り組み 1 MIM に取り組むことになった経緯本市における学力向上は喫緊の課題である これまでの全国学力 学習状況調査結果や CRT 結果などの分析から, また, 現場の声から児童の問題を把握する力が弱いのではないかといった課題が見えた そこから, 問題の内容を読解する力, 読みの力を付けていくための指導方法として,MIM に着目した また, 近隣の飯塚市では, 数年前から MIM に取り組み, その成果を上げていることを知り, 本年度より本市でもモデル校を3 校選考し MIM を実施するに至った 2 MIM に関する実施計画 1 MIM 実施校に関する計画初年度 ( 平成 26 年度 ) はモデル校 3 校で実施 二年目 ( 平成 27 年度 ) は市内の小学校へ実施校を公募し,61 校で実施 三年目 ( 平成 28 年度 ) は市内の小学校へ実施校を公募し,130 校に近づける予定 四年目 ( 平成 29 年度 ) から市内全校 130 校で実施予定 2 MIM に関する研修計画 ( 平成 26 年度 ) 平成 26 年 4 月 モデル校 3 校を選考 5 月 第 1 回 MIM 研修実施 7 月 第 2 回 MIM 研修実施平成 27 年 1 月 第 3 回 MIM 研修実施 3 MIM に関する事業における行政 ( 教育委員会等 ) の具体的役割 MIM の実践を充実させるために, 実施校を対象とした研修や実践報告などの場を設定する 未実施校に対しては, モデル校の成果を踏まえた MIM の紹介をする MIM を実践し児童の実態を把握する中で, 特別な支援が必要であるときには, 特別支援教育課との連携を図り児童 保護者への適切な支援を講じる

4 MIM に関する研修 (1) 平成 26 年度第 1 回 MIM 研修 (5 月 ) 1 対象者 : 第 1 学年担任と管理職および希望者 2 内容 : 通常の学級における多層指導モデル MIM の指導 3 講師 : 福岡県飯塚市立飯塚小学校通級指導教室担当教諭杉本陽子 4 参加者からの声 : MIM を子どもたちと一緒にやってみたいという意欲がわいた 手を叩いて言葉を話すことや変身ボックスを使ってカードを変身することは視覚的にもとても楽しむことができた 子どもたちと楽しみながら一緒に学ぶことを考えていきたい この教材を生かすためには, 担任とそれをサポートする体制が大事だと思う 一人もとりこぼさない という気持ちで, つまずきをしっかり分析し, 三学期の伸びを楽しみに取り組みたい 一斉指導の中では, ついていけない, わからないままみんなに合わせている子どもの気持ちに改めて気付かされた そして, つまずいてからでは遅いという考え方に賛同した MIM を使うことで, やる気をくじいたり, セルフイメージを傷つけたりする前に手だてを取り, 支援をしていければと強く思っている (2) 平成 26 年度第 2 回 MIM 研修 (7 月 ) 1 対象者 : 第 1 学年担任と管理職および希望者 2 内容 : 多層指導モデル MIM2nd ステージの具体的な指導 3 講師 : 福岡県飯塚市立飯塚小学校通級指導教室担当教諭杉本陽子 4 参加者からの声 : 演習を交えながら丁寧な講話を聴くことができ, 大変勉強になった この児童ならこのゲーム と児童の顔を思い浮かべながら演習を受け,2 学期から試してみたいと思った また, 児童への配慮や支援の仕方など具体的に話していただき, 今後の指導に生かしていきたい MIM はよく研究されて出来上がったすばらしいプログラムだと思う それだけに, ルールが細かく, バリエーションに富んでいるので, 指導者がきちんと把握する必要があるのだと思った (3) 平成 26 年度第 3 回 MIM 研修 ( 平成 27 年 1 月 ) 1 対象者 : 第 1 学年担任と管理職および希望者 2 内容 : 多層指導モデル MIM3rd ステージの具体的な指導 3 講師 : 福岡県飯塚市立飯塚小学校通級指導教室担当教諭杉本陽子 4 参加者からの声 : 分かりやすい講話を聞く中で, 校内体制づくりを管理職が行っていかないといけないことを感じた 時間設定の工夫が本校での課題になる 他の児童と比べるのではなく, 昨日の自分と比べて, できるようになったという満足感や喜びを味わわせてあげたいと思った 個別指導を必要とする子どもたちの力を伸ばせるように, 職員一丸となって取り組んでいきたいと思う 担任外がどれだけかかわれるかがポイントになると思うので, 時間を確保し, 教材の準備をしっかり行っていきたい

5 MIM に関する事業についての現時点での成果 教科書の音読につまずく児童がほとんどいなくなった 一文ずつリレー形式で音読しても, 自分の箇所がわからない児童がいなくなった 教師の話や問題文の理解ができるようになってきた 特殊音節に関する表記の間違えが圧倒的に少なくなった 6 MIM に関する事業についての現時点での課題計画的 継続的に実践していくために校内組織づくりの在り方をより具体化していく必要がある 7 MIM に関する事業を進めるにあたって期待すること MIM を実践することで確かな読みの力が高まり, 学力向上に効果的であることを実感したい 読むこと書くことにつまずきがある児童へ早期の適切な指導を行うことで, 多くの児童が学ぶことの楽しさを感じることができるようなって欲しい 8 MIM への要望 MIM の実践が, 学力向上へ効果的であることを客観的に検証するための方策やデータなどがあれば知りたい 9 今後 MIM に関する事業を進めようとしている自治体へのアドバイス メッセージ MIM の実践は, やればやるだけの成果が子どもの姿を通して見えてくる 子どもにとっても教師にとってもやり甲斐のある指導方法だと思う まずは, 身近なところからやってみるとよい ( 文責 : 北九州市教育委員会指導部指導第一課 指導主事奥浩太郎 )