3.7GHz 帯, 4.5GHz 帯の検討

Similar documents
3.7GHz 帯, 4.5GHz 帯の検討

航空無線航行システム (DME) 干渉検討イメージ DME:Distance Measuring Equipment( 距離測定装置 ) 960MHz から 1,215MHz までの周波数の電波を使用し 航空機において 当該航空機から地表の定点までの見通し距離を測定するための設備 SSR:Secon

参考資料 3-11 MCA との周波数共用検討

送信信号合成モジュール開発資料

1 第 5 回情報通信審議会作業班資料資料 60 作 5-2 干渉評価検討結果 1. 評価基準の違いによる離隔距離について - エントランス回線システムにおける机上計算 - 2. アンテナモデルに対する差分 平成 27 年 3 月 6 日 パナソニック株式会社

資料 2028-AHG-3-2 情報通信審議会情報通信技術分科会公共無線システム委員会技術的条件作業班既存放送業務との検討アドホックグループ 検討用資料 平成 21 年 12 月 9 日 1

平成 25 年度 情報通信審議会情報通信技術分科会 携帯電話等高度化委員会報告 ( 案 ) 諮問第 81 号 携帯電話等の周波数有効利用方策 のうち 第 4 世代移動通信システム (IMT-Advanced) の技術的条件

150MHz 帯デジタルデータ通信設備のキャリアセンスの技術的条件 ( 案 ) 資料 - 作 4-4

新世代モバイル通信システム委員会技術検討作業班における検討状況 資料 6-6

資料 STL/TTL 作 5-3 報告書作成に向けた検討提案 株式会社 NHK アイテック 株式会社日立国際電気

<4D F736F F D CA C8E DA8E9F814195CA CC955C8E862E646F63>

電波法関係審査基準 ( 平成 13 年 1 月 6 日総務省訓令第 67 号 ) の一部を改正する訓令案新旧対照表 ( 下線部は変更箇所を示す ) 改正案 現行 別紙 2 ( 第 5 条関係 ) 無線局の目的別審査基準 別紙 2 ( 第 5 条関係 ) 無線局の目的別審査基準 第 1 ( 略 ) 第

新世代モバイル通信システム委員会技術検討作業班における検討状況 資料 8-1

資料1-2 5GHz帯無線LANの周波数拡張に係る技術的条件の検討開始

CONTENTS 1 移動通信市場の動向 ( 契約者数 トラフィック状況 等 ) 2 LTE-Advancedに関する国際標準化動向 等 3 将来のLTE-Advancedサービスの展望 4 LTE-Advanced 高度化への要望 1

他無線システムとの干渉検討とラボ内試験の実施方法について

1 2.4GHz 帯周波数の使用状況 概要 国際分配 ( 第三地域 ) の概要 固定 移動 移動衛星 ( ) 無線標定 無線測位衛星 ( ) 固定移動無線標定アマチュア 固定移動無線標定 固定固定衛星 ( ) 移動 移動衛星 ( ) 固定固定衛星 ( ) 移動 放送衛星 固定移動 放送衛星 航空移動

技術検討作業班ヒアリング資料 資料 12-1 技術検討作業班における 主な議題について 2019 年 3 月 27 日 株式会社 NTT ドコモ Copyright 2019 NTT DOCOMO, INC. All Rights Reserved.

. 干渉調査の進め方 () 調査概要被干渉局の許容干渉レベルに対する所要改善量を求める なお 被干渉局の干渉評価の尺度として 許容干渉レベルの他に相応しい尺度がある場合は 当該尺度との関係について求める また 電波天文に対しては 地形による遮蔽効果を加味し 地理的な住み分けの検討を行う () 検討条

報道資料

<4D F736F F F696E74202D208EFC A6D95DB939982C98AD682B782E988D38CA98F9182CC8E518D6C8E9197BF5F E707074>

< 目次 > 1 LTE-Advanced の高度化について 2 5G に向けた取組状況について 3 < 参考 >5G(28GHz 帯 ) の共用検討について

0 資料 GHz 帯空間伝送型ワイヤレス電力伝送システム の共用検討状況 ブロードバンドワイヤレスフォーラム (BWF)

資料 12-5 新世代モバイル通信システム委員会技術検討作業班説明資料 BWA 高度化 (WiMAX R3.0) 及び定期検査の要望について 2019 年 3 月 27 日 UQ コミュニケーションズ株式会社 Copyright UQ Communications Inc. 1

.2GHz 帯及び TV ホワイトスペース帯における電波伝搬調査結果 (2) ) 見通し屋外電波伝搬調査 各周波数帯における到達距離およびダイバシティ効果 送受信間の距離や移動による影響を表 に示す場所で確認した 調査した結果 図 2で示すように 800MHz 帯 ホワイトスペース帯.2GHz 帯で

帯電話加入数携帯電話加入者数の推移 年 9 月末現在加入数 ( 人口普及率 ) 携帯電話: 約 13,930 万加入 (108.8%) 第 3 世代携帯電話 (3G): 約 10,730 万加入 (83.8%) 3.9 世代携帯電話 (LTE): 約 3,200 万加入 (25.0%)

(1000 字を超える長文のため 以下に主な意見趣旨を抜粋 ) 150MHz 帯生体検知通報システムについて 山岳救助用を含めて 142.5~ MHz と ~146.99MHz としたらどうか 登山者検知通報システムについては時間的なチャネル共用が可能のため 当該システムにお

Microsoft Word - 文書 1

Microsoft Word - STD-T93−TŠv.doc

資料 2-1 VHF 帯での利用を計画する 具体的システムの提案について 平成 30 年 12 月 21 日 ( 株 )NTT ドコモ 2018 NTT DOCOMO, INC. All Rights Reserved.

UWB(Ultra Wide Band: 超広帯域 ) 無線システムについて UWB 無線システムの概要 UWB 無線システムとは : 非常に広い帯域幅にわたって電力を拡散させて 数百 Mbps 規模の高速通信を可能とする無線システム 電力 (W/MHz)

平成25年度電波の利用状況調査の評価について


自営無線ブロードバンドシステム導入のための 周波数共用に関する調査検討報告書 平成 24 年 3 月 自営無線ブロードバンドシステム導入のための 周波数共用に関する調査検討会

我が国の電波の使用状況 ( 整理基準 ) (1) 本資料は 電波法において 電波 と定義されている 3000GHz 以下の電波について 我が国における周波数帯ごとの使用状況を図示したものです (2) 各周波数帯において複数の用途がある場合は 代表的なものを記載しています また 多段になっているものは

面は 水平 垂直及び円偏波 ( 右旋及び左旋 ) であること ( キ ) 800MHz 帯の周波数の電波を使用する無線局については 下図以上の特性のフィルターを挿入すること ( キ ) 1,000MHz 以上の電波を使用する無線局の送信空中線の最大輻射の方向は 次に掲げる区分に従い それぞれに掲げる

<4D F736F F F696E74202D208E9197BF33302D C9F93A28FF38BB5817A A91D196B390FC4C414E82CC8EFC D18A6792A C98C5782E98B5A8F FF08C8F82CC8C9F93A E B8CDD8AB B83685D>

資料1-5 5GHz帯におけるレーダーの概要

国内周波数分配の脚注 J1 8.3kHz 未満の周波数の割当ては 8.3kHz 以上の周波数帯を使用する業務に有害な混信を生じさせないことを条件とする J2 気象援助業務によるこの周波数帯の使用は 受信用に限る 当該周波数帯において 気象援助業務の局は 2013 年 1 月 1 日前に無線通信局に通

平成19年度・地球工学研究所の知的財産に関する報告会 - 資料集

別紙

PowerPoint プレゼンテーション

Microsoft Word - H5-611 送信タイミング等.doc

920MHz 帯 RFID の屋外利用等に関する技術的条件 調査検討報告書概要 2017 年 10 月 19 日 電気興業株式会社

不必要な電波 ( 不要電波 ) をできる限り低減させるため 平成 17 年に無線設備のスプリアス発射の強度について 許容値の改正が行われました 詳細は 総務省の電波利用ホームページをご覧下さい

(Microsoft Word -

資料 ISDB-T SB 信号から FM 受信機への干渉実験結果 1 実験の目的および方法 実験の目的 90~108MHz 帯のISDB-T SB 信号からFM 放送波への影響について干渉実験を行う 実験方法 FM 放送波を 89.9MHz に ISDB-T SB 信号を 90~10

Microsoft Word - 04 【別添】基本的方針案v5.docx

PowerPoint プレゼンテーション

1.千葉工業大学(長)修正版

資料2-3 要求条件案.doc

CONTENTS 1. 放送 と モバイル の違い 2. モバイルデータトラヒックの現状と推移予測 3. スマホによる動画視聴の現状 4. トラヒック急増への対応状況 5. 5G で目指す世界 6. モバイルによる4K/8K 動画同時配信の実現性 7. 5G における4K/8K 動画サービスのイメー

資料 3 第 4 世代移動通信システムに関する 公開ヒアリング資料 2014 年 1 月 23 日 Copyright 2014 eaccess Ltd. All rights reserved

資料 UWB 作 1-3 情報通信審議会情報通信技術分科会陸上無線通信委員会 UWB 無線システム屋外利用検討作業班 ( 第 1 回 ) 2018 年 6 月 15 日 UWB 無線システムに関する海外動向 FMMC 一般財団法人マルチメディア振興センター 1

スライド 1

我が国の電波の使用状況 ( 整理基準 ) (1) 本資料は 電波法において 電波 と定義されている 3000GHz 以下の電波について 我が国における周波数帯ごとの使用状況を図示したものです (2) 各周波数帯において複数の用途がある場合は 代表的なものを記載しています また 多段になっているものは

背景 オフィスや家庭での無線 LAN 利用に加えて スマートフォンの普及に伴い空港 駅や競技場 イベント会場におけるモバイルデータ オフロードが増えています さらに モノがインターネットにつながる IoT *2 (Internet of Things) などの進展によって 無線 LAN の通信量 (

Microsoft PowerPoint - 資料3-1_技術試験(案).ppt

資料 920 作 MHz 帯小電力無線システムの高度化に係る技術基準の見直し ( 案 ) 狭帯域の周波数使用方法 電波の型式の追加 送信時間制限の緩和 空中線利得の見直し

Microsoft PowerPoint - PM4 安川_無線の基礎及びISA100.11a技術の特徴g.pptx

基本的な考え方 羽田空港の機能強化は 首都圏だけでなく日本全体にとって不可欠であり 機能強化の必要性やその実現方策等について 関係自治体の協力も得ながら できる限り多くの方々に知って頂くように努める 基本的な考え方 1 羽田空港の機能強化の必要性やその実現方策等について できる限り多くの方々に知って

出岡雅也 旭健作 鈴木秀和 渡邊晃 名城大学理工学部

第1種映像伝送サービスの技術参考資料

特定基地局の開設計画に係る認定申請の受付結果について 1 第 4 世代移動通信システムの導入のための特定基地局の開設計画の認定申請を 本年 9 月 26 日 ( 金 ) から同年 10 月 27 日 ( 月 ) までの間 受け付けたところ 3 件の申請がありました < 申請者 (50 音順 )> 株

1 資料 4G 移 4-5 IMT-Advanced の導入に向けて 2012 年 9 月 5 日パナソニックモバイルコミュニケーションズ ( 株 )

点検基準・積算基準(案)デジタル陸上移動通信システム

別紙 -1 国土交通省デジタル陸上移動通信システム 点検基準 ( 案 ) 及び点検業務積算基準 ( 案 )

PowerPoint プレゼンテーション

Microsoft Word - 24_11景観.doc

スライド タイトルなし

<4D F736F F D C482CC328AD68C578B408AD682D682CC8C5097DF88C CA926D8FF32E646F63>

<4D F736F F F696E74202D2091E F12D96B390FC92CA904D82D682CC899E97702E707074>

WRC-19 における高周波数帯 ( GHz) での携帯電話周波数の確保に向けて 株式会社 NTT ドコモ 無線アクセス開発部担当部長 あたらし新 ひろゆき博行 1. はじめに 国際電気通信連合 (ITU:International Telecommunication Union) の

05_31_グローバル.indd

スライド 1

東工大PPTフォーム(ロゴのみ)左下

untitled

日本の電気通信機器の技術基準について

Microsoft Word [参考資料SIG-Ⅰ-4-1] (2in1_我が国の電波の使用状況_rev.doc

Microsoft Word 電波障害_通し頁_ doc

世界での接続機能を有するデバイス数の推移予測 様々な業界での IoT への注目 今後出現するアプリケーションやビジネスモデル 標準化やデバイス価格の低下などにより 接続デバイス数は増加すると予測 2022 年には合計 290 億のデバイスがネットワークに接続され そのうち 181 億以上は IoT

4-01_点検・積算基準(案)表紙_ヘリサット

Microsoft Word - 02__⁄T_ŒÚ”�.doc

地局装置を介して位置情報管理サーバに伝えられ 位置情報として地図上に表示することができます 利用イメージを図 2 に示します 図 2 業務用無線システムの利用イメージ 3. 中継無線システムの開発 (1) 開発の背景中継伝送路を救済する既存の災害対策用無線システムでは 156 Mbit/s または

<4D F736F F D AF92CA904D B BF8BE0955C C8E86817B C8E86816A5F E646F63>

<4D F736F F F696E74202D F B8817A93648AC E096BE8E9197BF E >

西田構成員 :2 時間単位での利点を活かすためには 前半の 1 時間をバーストモードとして 720 秒間送信を行い 後半の 1 時間では送信を行わないなど モードの切り替えが必要となる 三次主任 : 資料中では 2 日間で 500 台のアップデートが可能である記載されているが その場合 20% とい

自律的無線ネットワークによる被災情報提供システム ~避難所間ネットワーク構築技術~

Microsoft Word - 13-EM-S0402.docx

資料 5-4 APT 無線通信フォーラム (AWF) における 700MHz 帯の利用に関する検討状況 総務省

規格会議の結果

2018年1月1日以降に公示されたの電波法関係主要告示等

Mode S Daps 技術

Microsoft PowerPoint - 第06章振幅変調.pptx

3. 測定方法 測定系統図 測定風景写真

参考資料 1 移動衛星通信システムの動向 1 新移動衛星通信システム導入の背景日本では 度重なる大規模震災や災害の発生時に 地上系通信インフラに甚大な被害が発生した場合 救援 復旧活動等の分野で被災地における通信確保の手段として 移動衛星通信システムの利用が必要不可欠となる また 海外からの救援活動

<4D F736F F F696E74202D2091E FCD91BD8F6489BB82C691BD8F E835A83582E >

第5章ICT分野の基本データ276 2 無線局 我が国の無線局数は 26 年以降 一貫して増加傾向 217 年度末における無線局数 (PHSや無線 LAN 端末等の免許を要しない無線局を除く ) は 2 億 3,445 万局 ( 対前年度比 7.9% 増 ) うち携帯電話端末等の陸上移動局は2 億

<4D F736F F F696E74202D208E9197BF322D338C9F93A289EF82C98CFC82AF82C48A F18D DC58F4989FC816A>

5G の基本コンセプト 1 1 5Gは 有無線が一体となって 超高速 多数同時接続 超低遅延といった様々な要求条件に対応することが可能な優れた柔軟性を持つ あらゆる利用シナリオでユーザが満足できるエンド ツー エンドの品質を提供 必ずしも全ての要求条件に対応するネットワークを整備する必要はなく ユー

Transcription:

資料 7-2 3.7GHz 帯, 4.5GHz 帯, 28GHz 帯における 5G 導入に係る周波数共用検討 ( 株 )NTT ドコモ 2018 年 3 月 30 日

3.7GHz 帯, 4.5GHz 帯の検討

共用検討対象の無線通信システム 共用検討対象の無線通信システムは以下の通りである LTE- Advanced 3.7GHz 帯 4.5GHz 帯 5GHz 帯無線アクセスシステム 固定衛星通信 ( ダウンリンク ) 3400 3600 4200 4400 4900 5000(MHz) 航空機電波高度計 候補周波数対象システム同一 / 隣接与干渉 被干渉 3.6-4.2GHz (3.7GHz 帯 ) 4.4-4.9GHz (4.5GHz 帯 ) 固定衛星通信 ( ダウンリンク ) 同一周波数 5G 地球局等 航空機電波高度計 LTE-Advanced 隣接周波数 隣接周波数 5G 電波高度計電波高度計 5G 5G 隣接周波数 5G 5G 航空機電波高度計 5GHz 帯無線アクセスシステム 隣接周波数 隣接周波数 5G LTE-Advanced LTE-Advanced 5G 5G 電波高度計電波高度計 5G 5G 隣接周波数 5G 5G 5G 5GHz 帯無線アクセスシステム 5GHz 帯無線アクセスシステム 5G 3

固定衛星通信 ( ダウンリンク ) の地球局等との検討

地球局等 * との共存に関する前提条件 地球局等との共存を 同一周波数で実現する必要があるため 地球局等に対する基地局及び陸上移動局からの信号レベルが十分小さくなる条件でのみ基地局を設置する との条件が必要 具体的な基地局の設置条件は 基地局と地球局等との 位置関係 ( 地形 周辺建物の状況含む ) 空中線高や指向方向の設置条件 などに依存 より多くの基地局設置を行うためには 下記を考慮することが必要 低出力 低アンテナ高のスモールセル基地局や屋内基地局の活用 地球局等が存在する方向への基地局の空中線利得の低減 地球局等への干渉電力レベルが大きい場所への基地局設置の回避 地形や建物による遮蔽効果を見込んだ干渉計算の実施等 *3.6-4.2GHz の周波数における地球局の免許人が運用する 地球局 及び 受信専用設備 ( 以下 地球局等 という ) 5

地球局等との共用検討の概要 基地局設置の需要が高いと想定される三大都市圏 ( 首都圏 中京圏 近畿圏 ) において 地球局等との共存を実現しつつ どの程度の基地局数が設置可能かを評価 三大都市圏のエリア内で 昼間人口の多いメッシュ (500m 500m) に順次基地局を 1 局ずつ設置していき 基地局からの干渉電力が地球局等の許容干渉電力未満となる基地局数を算出 三大都市圏の中には いくつかの地球局等が既に設置 運用されていることから 共用の可能性がより高いと想定されるスモールセル基地局 ( 低出力 低アンテナ高 ) のパラメータを用いて設置可能な基地局数を算出 なお スモールセル基地局によるエリア展開は 都市部等の人が多く集まるエリアにおいて 小セル化によるトラヒック対策として効果的な手法 また 5G のエリア展開については マクロセル基地局が必要なケースもあると考えられるため どの程度の離隔距離を確保すればマクロセル基地局と地球局等の共存が可能性があるかについての評価を併せて実施 本資料では首都圏での結果を提示 ( 中京 近畿圏での評価を併せて実施中 ) 6

スモールセル基地局を用いた場合の評価 三大都市圏の昼間人口が多いメッシュにスモールセル基地局を 1 局ずつ順次設置し 複数の基地局からの累積干渉電力 ( アグリゲート干渉 ) が地球局等の許容干渉電力 ( 長時間干渉基準 ) 未満となる基地局数を算出 ただし昼間人口順に単純に基地局を設置していくだけでは 設置基地局数が少ない段階で許容干渉電力を超過してしまうため 以下の工夫を実施 昼間人口の多い順にメッシュを選択 当該メッシュに基地局を配置したとき 評価対象エリアの各地球局等における干渉電力を計算し すべての地球局等において 一定のしきい値以下の干渉電力である場合のみ基地局を配置 しきい値としては 地球局等の許容干渉電力 ( 長時間干渉基準 ) が -135dBm/MHz 程度であることを踏まえ -140dBm/MHz -150dBm/MHz -160dBm/MHz について検討 以上を繰り返し 地球局等における累積干渉電力が許容干渉電力 ( 長時間干渉基準 ) 未満となる最大の基地局数を算出 7

首都圏における評価結果 ( スモールセル基地局 ) 首都圏の 17 地球局等 * を考慮した上で 設置可能なスモールセル基地局数を算出 * 常設ではなく 将来にわたり不定期に短期間開設される可能性があるもの 予定 / 計画中のものを含む 基地局設置の判断を行うしきい値 ( 注 1) -140dBm/MHz -150dBm/MHz -160dBm/MHz 参考 : 準備したメッシュ数 設置可能なスモールセル基地局数 ( 注 2) 4,930 局 8,121 局 4,948 局 14,242 許容干渉電力に対するマージン 0dB 5.7dB 16.1dB - 10,000 人 ~ 181 局 160 局 94 局 204 5,000~10,000 人 333 局 259 局 133 局 414 メッシュ内昼間人口別の内訳 3,000~5,000 人 756 局 517 局 232 局 966 1,000~3,000 人 3,660 局 3,900 局 1,953 局 7,584 500~1,000 人 0 局 1,610 局 1,094 局 2,824 300~500 人 0 局 428 局 363 局 545 100~300 人 0 局 296 局 232 局 432 ~100 人 0 局 951 局 847 局 1,273 ( 注 1) 基地局のビームフォーミングアンテナ特性の最大パターンを用いて各基地局からの地球局等に対する干渉電力を計算し これらのしきい値と比較 複数の基地局からの干渉電力の累積は 同平均パターンで計算される値を用い 地球局等の許容干渉電力 ( 長時間干渉基準 ) と比較 ( 注 2) 地球局等の許容干渉電力 ( 短時間干渉基準 ) を満たすかを併せて評価して 設置可能な基地局数を算出 8

首都圏における評価結果 ( スモールセル基地局 ) 17 地球局等 ( 赤色 ) を考慮した上で 設置可能性のあるメッシュ ( 緑色 ) 基地局設置の判断を行うしきい値が -140dBm/MHz 9

首都圏における評価結果 ( スモールセル基地局 ) 17 地球局等 ( 赤色 ) を考慮した上で 設置を回避したメッシュ ( 緑色 ) 基地局設置の判断を行うしきい値が -140dBm/MHz 10

首都圏における評価結果 ( スモールセル基地局 ) < 陸上移動局からの干渉影響について > 前頁までの評価は 地球局等の許容干渉電力を満たせば 基地局を設置可能と判断しているが 地球局等の近くに設置される基地局では 当該基地局に接続する陸上移動局からの干渉電力を無視できないケースがある 例 :1 基地局と地球局等の間の電波伝搬は建物で遮蔽される一方 陸上移動局と地球局等との間は遮蔽されていないケース 2 地球局等の方向に対して 基地局の空中線はバックローブを向いているが 陸上移動局は正面を向いているケース 等 陸上移動局からの干渉電力を無視できないケースを想定し 各地球局等の周囲を基地局設置禁止エリアとすると 設置可能な基地局数は減少する 下表は スライド 8 の結果から 設置禁止エリア内の基地局数を単純に減算することで算出 ( 注 1) 設置禁止エリア内の配置可能基地局数を減算することによる別エリアでの追加の基地局設置は未考慮 ( 注 2) 地球局等の設置場所に応じて設置禁止エリアの大きさを最適化する等の精査が必要 ( 注 3) なお 半径 15km は いくつかの地球局等に対する個別の検討結果から 陸上移動局 1 局からの干渉電力が 地球局等の許容干渉電力 ( 長時間干渉基準 ) に比較して 概ね 10dB 程度低い条件となる距離として算出 15km 10dB 等の値の妥当性は 地球局等へ及ぼす干渉電力分布の分散 干渉電力が同時に大きくなる陸上移動局数 等を踏まえて精査が必要 前頁の設置可能基地局数 地球局等周囲の基地局設置禁止エリアを設けた場合の設置可能基地局数 半径 10km 半径 15km 半径 20km 4,930 局 2,544 局 1,197 局 699 局 11

首都圏における評価結果 ( スモールセル基地局 ) < 陸上移動局からの干渉影響について > 前頁の地球局等の周囲に設ける基地局設置禁止エリアの大きさは 地球局等の設置場所に応じて異なると考えられるため 地球局等毎の評価を踏まえた検討が必要である 複数の陸上移動局からのアグリゲート干渉の影響を考慮するための検討方法 / 考え方を整理する必要がある 12

首都圏における評価結果 ( マクロセル基地局 ) スモールセル基地局と同じ手法で マクロセル基地局の場合の検討を実施 17 地球局等 ( 赤色 ) を考慮した上で 設置可能性のあるメッシュ ( 緑色 ) 基地局設置の判断を行うしきい値が -140dBm/MHz 13

首都圏における評価結果 ( マクロセル基地局 ) 17 地球局等 ( 赤色 ) を考慮した上で 設置を回避したメッシュ ( 緑色 ) 地球局等の設置状況から 首都圏中心部でのマクロセル基地局の設置は難しい 基地局設置の判断を行うしきい値が -140dBm/MHz 14

中京 近畿圏における評価結果 ( スモールセル基地局 ) 首都圏と同じ手法によるスモールセル基地局に対する評価結果 中京 近畿圏の 4 地球局等を考慮 基地局設置の判断を行うしきい値 ( 注 1) -140dBm/MHz -150dBm/MHz -160dBm/MHz 参考 : 準備したメッシュ数 設置可能スモールセル基地局数 ( 注 2) 14,102 局 13,681 局 12,383 局 15,011 許容干渉電力に対するマージン 0.1dB 5.2dB 13.7dB - 10,000 人 ~ 75 局 73 局 68 局 75 5,000~10,000 人 155 局 153 局 139 局 159 メッシュ内昼間人口別の内訳 3,000~5,000 人 552 局 524 局 460 局 568 1,000~3,000 人 5,916 局 5,698 局 5,043 局 6,356 500~1,000 人 5,825 局 5,697 局 5,256 局 6,232 300~500 人 1,021 局 997 局 918 局 1,046 ~300 人 558 局 539 局 499 局 575 ( 注 1) 基地局のビームフォーミングアンテナ特性の最大パターンを用いて各基地局からの地球局等に対する干渉電力を計算し これらのしきい値と比較 複数の基地局からの干渉電力の累積は 同平均パターンで計算される値を用い 地球局等の許容干渉電力 ( 長時間干渉基準 ) と比較 ( 注 2) 地球局等の許容干渉電力 ( 短時間干渉基準 ) を満たすかを併せて評価して 設置可能な基地局数を算出 首都圏の評価と同様に 陸上移動局の影響評価 マクロセル基地局に対する評価を実施中 15

地球局等の共存で留意すべき事項 国内には免許人等が運用する地球局等だけではなく 衛星受信用機材を自ら設置している受信専用設備もあり これらの設備への干渉影響に留意する必要がある 放送事業者やその関連事業者が 受信専用設備を設置して素材収集等 事業用に衛星放送サービスを利用しているケース 一般ユーザが 国内外の衛星が配信する情報 ( 衛星放送サービスや HimawariCast サービス ) を受信しているケース 16

航空機電波高度計との検討

電波高度計との共用検討の概要 < 評価 1> 航空機が 計器進入方式による精密進入を用いて 空港に進入角度 2 度で直線進入するケース 基地局が密集して設置されている都市部に空港があるケースをモデル化して評価 着地点 高度 17 m 高度 100 m 170 進入角度 2 度 465 m 2864 m 干渉考慮範囲 32 空港敷地 半径 :194m 面積 :0.12km 2 基地局数 :12 空港敷地端 半径 :1143m 面積 :4.1km 2 基地局数 :110 18

電波高度計との共用検討の概要 < 評価 2> 精密進入の場合よりも より空港から離れたエリアで低高度で航空機が侵入するケース ( ローカライザ進入 : 高度約 95m 周回侵入 : 高度約 140m) 基地局の設置密度として 4 種類のケースをモデル化して評価 8 ローカライザの範囲 ( 空港進入時の飛行範囲 ) 滑走路 周回進入区域 4.63km 4.63km 周回進入 458 ft.(139.6m) 最低降下高 309 ft.(94.2m) ローカライザー進入 15.93km 19

電波高度計との共用検討の評価結果 基地局のビームフォーミングアンテナ特性として 平均パターンと最大パターンを考慮 帯域内干渉 帯域外干渉の各干渉基準に対する所要改善量を算出 進入形態 精密進入 ローカライザ進入 周回進入 基地局設置密度 逼迫 逼迫 高度 所要改善量 ( ガードバンド幅 0MHz の場合 ) 帯域内干渉 帯域外干渉 平均パターン最大パターン平均パターン最大パターン 17m 31.2dB 58.2dB -1.2dB 26.9dB 50m 18.7dB 39.5dB -13.7dB 7.1dB 200m 14.9dB 38.2dB -15.7dB 6.5dB 500m 13.1dB 38.1dB -14.7dB 6.5dB 19.4dB 43.2dB -13.3dB 10.9dB 都市部 31.5dB 58.1dB 10.1dB 36.7dB 94.2m 都市圏 31.5dB 58.1dB 10.1dB 36.7dB 全国 31.5dB 58.1dB 10.1dB 36.7dB 逼迫 18.3dB 42.6dB -12.8dB 10.6dB 都市部 26.5dB 52.9dB 5.1dB 31.4dB 142.6m 都市圏 26.5dB 52.9dB 5.1dB 31.4dB 全国 26.5dB 52.9dB 5.1dB 31.4dB 20

電波高度計との共用検討の評価結果 前頁で算出した所要改善量を解消するためには 以下の特性を考慮した上で ガードバンドを設ける対策が必要 帯域内干渉の改善 : 基地局の不要発射の強度 ( 含 送信フィルタ特性 ) 帯域外干渉の改善 : 電波高度計の受信フィルタ特性 3.7GHz 帯 GB GB 4.5GHz 帯 3600 4200 4400 4900 (MHz) 航空機電波高度計 基地局のビームフォーミングアンテナの指向特性における平均パターン 最大パターンの適用は 以下を考慮すると 平均パターンの方がより現実に近い干渉条件をモデル化していると想定 基地局のビームフォーミングアンテナの指向特性は 陸上移動局の位置に応じて動的に変動していること 航空機は移動しており 航空機の方向の基地局の空中線利得は動的に変動すること 21

電波高度計との共用検討 ( 追加検討 ) ヘリコプターがヘリポートに着陸するケースを想定した検討を追加で実施中 上記の検討を踏まえた上で 具体的なガードバンド幅を算出する予定 22

( 参考 ) 基地局の設置密度の想定 基地局配置は 下記の 4 パターンで検討 アグリゲート干渉の算出に当たっては 航空機からの鉛直方向を中心に片側 85 度 ( 両側 170 度 ) の角度範囲に入る基地局を考慮 170 度 干渉を考慮する基地局の存在範囲 スモールのみ 100 局 /km 2 300 局 /100km 2 ( スモール 90%, マクロ 10%) 63 局 /100km 2 ( スモール 70%, マクロ 30%) 15 局 /100km 2 ( マクロ 100%) 半径 564m (1km 2 ) 300 局 /100km 2 ( スモール 90%, マクロ 10%) (1) 逼迫地域 + 都市部 (2) 都市部 (3) 都市圏 (4) 全国 23

5GHz 帯無線アクセスシステムとの検討

5GHz 帯無線アクセスシステムとの共用検討の概要 < 基地局との検討 > 1 対 1 対向モデルを用いて検討を実施 与干渉局と被干渉局の間の離隔距離を考慮し 許容干渉レベルに対する所要改善量を算出 空中線高 離隔距離に応じた空中線指向特性を考慮 基地局のビームフォーミングアンテナの指向特性として 平均パターンと最大パターンを用いた計算を実施 空中線指向特性 空中線高 空中線高 水平距離 与干渉局 被干渉局 ( 注 )5GHz 帯無線アクセスシステムが実際に利用する周波数は 4.91GHz 以上であり 4.9-4.91GHz の 10MHz 幅はガードバンドとして利用可能 25

5GHz 帯無線アクセスシステムとの共用検討結果 < 基地局から 5GHz 帯無線アクセスシステムへの干渉検討の結果 > 与干渉局 被干渉局 帯域内干渉 所要改善量 帯域外干渉 マクロセル基地局 5GHz 帯無線アクセスシステム 70dB 程度 40~50dB 程度 スモールセル基地局 5GHz 帯無線アクセスシステム 65dB 程度 20~30dB 程度 上記の所要改善量は 基地局の空中線及び 5GHz 帯無線アクセスシステムの空中線の最大利得がお互いに正対している条件で算出 実際の設置条件における両システムの空中線指向特性を考慮すれば 所要改善量は改善 例えば 5GHz 帯無線アクセスシステムでは 最大利得を含むメインローブ方向を避ければ 空中線利得 ( 水平面 ) が 20~30dB 程度低減 基地局も空中線の正面方向を避ければ 空中線利得 ( 水平面 ) が 20~30dB 程度低減 基地局の不要発射の強度の実力値 ( 数 ~10dB 程度改善 ) 5GHz 帯無線アクセスシステムの許容干渉電力の実力値 (10dB 程度改善 ) を考慮すれば 所要改善量は改善 以上を考慮すると 帯域内干渉 帯域外干渉とも所要改善量を 0dB 以下にすることができ 共用可能である 26

5GHz 帯無線アクセスシステムとの共用検討結果 <5GHz 帯無線アクセスシステムから基地局への干渉検討の結果 > 与干渉局 被干渉局 帯域内干渉 所要改善量 帯域外干渉 5GHz 帯無線アクセスシステム 5GHz 帯無線アクセスシステム マクロセル基地局 27~32dB 程度 30dB 程度 スモールセル基地局 24~29dB 程度 25dB 程度 上記の所要改善量は 基地局の空中線及び 5GHz 帯無線アクセスシステムの空中線の最大利得がお互いに正対している条件で算出 実際の設置条件における両システムの空中線指向特性を考慮すれば 所要改善量は改善 例えば 5GHz 帯無線アクセスシステムでは 最大利得を含むメインローブ方向を避ければ 空中線利得 ( 水平面 ) が 20~30dB 程度低減 基地局も空中線の正面方向を避ければ 空中線利得 ( 水平面 ) が 20~30dB 程度低減 5G 無線アクセスシステムの不要発射の強度の実力値 (10~20dB 程度改善 ) を考慮すれば 所要改善量は改善 以上を考慮すると 帯域内干渉 帯域外干渉とも所要改善量を 0dB 以下にすることができ 共用可能である 27

5GHz 帯無線アクセスシステムとの共用検討結果 < 陸上移動局との干渉検討の結果 > モンテカルロシミュレーションを用いて検討を実施 与干渉局 被干渉局 帯域内干渉 所要改善量 帯域外干渉 陸上移動局 5GHz 帯無線アクセスシステム 最大 6dB 程度 0dB 以下 5GHz 帯無線アクセスシステム 陸上移動局最大 10dB 程度 0dB 以下 帯域内干渉について 5GHz 帯無線アクセスシステムの許容干渉電力の実力値 (10dB 程度改善 ) や 不要発射の強度の実力値 (10~20dB 程度改善 ) を考慮すると 所要改善量を 0dB 以下とすることができる 以上を考慮すると 帯域内干渉 帯域外干渉とも所要改善量を 0dB 以下にすることができ 共用可能である 28

LTE-Advanced システム 5G システムとの検討

LTE-Advanced システムとの共用検討概要 3.7GHz 帯 4.5GHz 帯を利用する 5G システムの標準仕様は TDD を用いる複信方式のみの検討が進められている したがって 3.5GHz 帯の TDD を用いる LTE-Advanced システムと 3.7GHz 帯の TDD を用いる 5G システムの間でネットワーク同期 * を実現すれば ガードバンド 0MHz により共用可能である * 各システムが利用する下り / 上りリンクの時間比率を同じ割合に設定し その送受信タイミングを時間的に同期させる 一方 LTE-Advanced システムとは異なる下り / 上りリンクの時間比率を 5G システムで用いる場合には 両システムが非同期運用となり 陸上移動局間干渉や基地局間干渉が発生する これらの干渉影響を回避 / 軽減するためには 隣接する周波数を用いる LTE-Advanced システムと 5G システムの境界部分に ガードバンドを設けることが必要になる 非同期運用における具体的かつ現実的なガードバンド幅を算出するためには 基地局や陸上移動局の不要発射の強度に関する実力値等の情報が必要になる 30

5G システムとの共用検討概要 3.7GHz 帯 4.5GHz 帯へ 5G システムを導入する場合 各周波数帯の中で複数の 5G システムが運用される可能性があるため 隣接周波数における両システムの共存を考慮する必要がある LTE-Advanced システムに対する場合と同様に TDD 同士の 5G システムを隣接周波数で運用する際にネットワーク同期を実現すれば ガードバンド 0MHz により共用可能である 一方 複数の 5G システムが異なる下り / 上りリンクの時間比率を用いる場合には 両システムが非同期運用となり 陸上移動局間干渉や基地局間干渉が発生する これらの干渉影響を回避 / 軽減するためには 隣接する周波数を用いる 5G システムの境界部分に ガードバンドを設けることが必要になる 非同期運用における具体的かつ現実的なガードバンド幅を算出するためには 基地局や陸上移動局の不要発射の強度に関する実力値等の情報が必要になる 31

3.7GHz 帯, 4.5GHz 帯の検討結果まとめ

3.7GHz 帯の検討結果まとめ 候補周波数対象システム同一 / 隣接検討結果概要 3.6-4.2GHz (3.7GHz 帯 ) 固定衛星通信 ( ダウンリンク ) 航空機電波高度計 同一周波数 隣接周波数 同一周波数で共用を実現する必要があるため 地球局等に対する基地局及び陸上移動局からの信号レベルが十分小さくなる条件でのみ基地局を設置する との条件が必要である 上記を踏まえると 首都圏の中心部では スモールセル基地局による設置に概ね制限される またスモールセル基地局でも 地球局等の設置場所にもよるが 数 km~ 数 10km ( 注 1) の離隔を取って設置を行う必要がある マクロセル基地局の展開は 首都圏の中心部では難しく 地球局等の設置場所から数 10km 以上の離隔を取って設置を行う必要がある 免許人等が運用する地球局等だけでなく 放送事業者や一般ユーザが利用する受信専用設備が存在することに留意する必要がある ガードバンドを設ければ 共用可能 ( マクロセル基地局 スモールセル基地局とも設置制限はない ) 具体的なガードバンド幅を精査中 LTE-Advanced 隣接周波数 隣接周波数で運用する際にネットワーク同期を実現すれ ば ガードバンド0MHzにより共用可能 5G 隣接周波数 非同期運用における具体的かつ現実的なガードバンド幅を算出するためには 基地局や陸上移動局の不要発射の強度に関する実力値等の情報が必要 ( 注 1) 必要な離隔距離の大きさは 地球局等の設置場所や 陸上移動局の送信 ( 上り送信 ) の有無に依存する ( 継続検討中 ) 33

4.5GHz 帯の検討結果まとめ 候補周波数対象システム同一 / 隣接検討結果概要 4.4-4.9GHz (4.5GHz 帯 ) 航空機電波高度計 5GHz 帯無線アクセスシステム 5G 隣接周波数 隣接周波数 隣接周波数 ガードバンドを設ければ 共用可能 ( マクロセル基地局 スモールセル基地局とも設置制限はない ) 具体的なガードバンド幅を精査中 空中線の指向方向の調整 装置の実力値等を考慮すれば 共用可能 ( マクロセル基地局 スモールセル基地局とも設置制限はない ) 4.9-4.91GHz の 10MHz をガードバンドとして確保可能 隣接周波数で運用する際にネットワーク同期を実現すれば ガードバンド 0MHz により共用可能 非同期運用における具体的かつ現実的なガードバンド幅を算出するためには 基地局や陸上移動局の不要発射の強度に関する実力値等の情報が必要 34

今後検討する項目 陸上移動局からの干渉を影響を考慮した地球局等の周囲における基地局設置禁止エリアの設定方法の考え方 (3.7GHz 帯 ) 航空機電波高度計との共用を実現するためのガードバンド幅の明確化 (3.7GHz 帯 4.5GHz 帯 ) 35

28GHz 帯の検討について

共用検討対象の無線通信システム 共用検討対象の無線通信システムは以下の通りである 27.5 29.5 28GHz 帯 衛星間通信 固定衛星通信 ( アップリンク ) 固定無線アクセスシステム 25.25 27 27.5 31(GHz) 小電力データ通信システム 候補周波数対象システム同一 / 隣接与干渉 被干渉 27.5-29.5GHz (28GHz 帯 ) 固定衛星通信 ( アップリンク ) 衛星間通信 小電力データ通信システム 固定無線アクセスシステム 同一周波数 隣接周波数 隣接周波数 隣接周波数 隣接周波数 5G 隣接周波数 5G 5G 5G 人工衛星局 ( 固定衛星アップリンク受信 ) 地球局 ( 衛星アップリンク送信 ) 5G 5G 人工衛星局 ( 衛星間通信アップリンク受信 ) 地球局 ( 衛星アップリンク送信 ) 5G 5G 小電力データ通信システム小電力データ通信システム 5G 5G 固定無線アクセスシステム固定無線アクセスシステム 5G 37

固定衛星通信 ( アップリンク ) (Ka 帯衛星通信システム ) との検討

Ka 帯衛星通信システムとの共用検討概要 運用中 / 計画中の Ka 帯衛星通信システムに対して 下記の 4 シナリオを検討 1 5G 基地局 静止衛星 (GSO) 2 静止衛星向け地球局 5G 基地局 3 5G 基地局 非静止衛星 (NGSO) 4 非静止衛星向け地球局 5G 基地局 39

共用検討概要 (15G 基地局 静止衛星 ) < 干渉検討の対象 > 運用中 / 計画中の静止衛星 (GSO) として以下の 3 種類を考慮 静止衛星 1 静止衛星 2 静止衛星 3 利用形態 サービスリンク フィーダリンク フィーダリンク ステータス 利用中 利用中 計画中 < 干渉検討の手法 > 基地局と静止衛星との間の伝搬モデル 自由空間伝搬損失のみ 自由空間伝搬損失及び勧告 ITU-R P.2108 に基づくクラッタ損 ( 場所率 50%) の 2 パターンを考慮 評価手法 国内の昼間人口の多いメッシュ (500m 500m) に基地局を 1 局ずつ順次配置し 複数の基地局からの累積干渉電力が 静止衛星の許容干渉電力を満たすかどうかを比較 40

評価結果 (15G 基地局 静止衛星 ) < 干渉検討の結果 > ( ) 内の数字は 約 50,000 局の基地局を配置した時点での許容干渉電力に対する残マージン 設置可能局数 ( 注 1) 静止衛星 1 ( サービスリンク ) 静止衛星 2 ( フィーダリンク ) 静止衛星 3 ( フィーダリンク ) 自由空間伝搬損失のみ 50,000 局以上 ( 約 10dB のマージン ) 50,000 局以上 ( 約 18dB のマージン ) 50,000 局以上 ( 約 10dB のマージン ) 自由空間伝搬損失 + クラッタ損 50,000 局以上 ( 約 13dB のマージン ) 50,000 局以上 ( 約 20dB のマージン ) 50,000 局以上 ( 約 12dB のマージン ) ( 注 1) 基地局のビームフォーミングアンテナ特性について 複数の基地局からの干渉電力の累積は 平均パターンで計算される値を利用 上記の結果より 十分な数の基地局数を設置することができ 基地局の設置状況を適切に管理していけば 静止衛星と共用可能である また 陸上移動局からの影響についても 基地局に比較して干渉影響が大幅に増加することはないものと考えられるため 共用可能である 41

共用検討概要 (2 静止衛星向け地球局 5G 基地局 ) < 干渉検討の対象 > 運用中 / 計画中の静止衛星向け地球局として以下を考慮 地球局 1 地球局 2-1 地球局 3-1 地球局 2-2 地球局 3-2 利用形態 サービスリンク フィーダリンク フィーダリンク ステータス 利用中 利用中 計画中 固定設置型固定設置型設置形態 固定設置型埼玉県秩父郡神奈川県横浜市設置場所及び可搬型千葉県南房総市茨城県常陸大宮市 < 干渉検討の手法 > 地球局と基地局との間の伝搬モデル 勧告 ITU-R P.452( 時間率 20%) の伝搬モデルにおいて 標高に平均建物高を加算したプロファイルを利用 評価手法 関東地方の昼間人口の多いメッシュ (500m 500m 約 14,000 メッシュ ) に基地局を 1 局ずつ配置し 各地球局からの干渉電力を基地局の許容干渉電力と比較 42

評価結果 (2 静止衛星向け地球局 5G 基地局 ) < 地球局 1 からの干渉影響 ( 注 1) > 赤線 : 地球局の許容干渉電力 地球局の空中線高 :20m 地球局の空中線高 :50m ( 注 1) 基地局のビームフォーミングアンテナ特性について 平均パターンで計算される値を利用 地球局と基地局の離隔距離が 50km 程度の地点でも 基地局の許容干渉電力を超過するケースがあるとの結果 43

評価結果 (2 静止衛星向け地球局 5G 基地局 ) < 地球局 2-1 からの干渉影響 ( 注 1) > 赤線 : 地球局の許容干渉電力 昼間人口の多い地点での評価 地球局近傍での評価 -50-100 干渉電力 [dbm/mhz] -150-200 -250 0 5 10 15 離隔距離 [km] ( 注 1) 基地局のビームフォーミングアンテナ特性について 平均パターンで計算される値を利用 地球局の近傍 (1km 程度以内 ) を除けば 基地局の許容干渉電力を満たすとの結果 44

評価結果 (2 静止衛星向け地球局 5G 基地局 ) < 地球局 2-2 からの干渉影響 ( 注 1) > 赤線 : 地球局の許容干渉電力 昼間人口の多い地点での評価 -50 地球局近傍での評価 -100 干渉電力 [dbm/mhz] -150-200 -250 0 5 10 15 離隔距離 [km] ( 注 1) 基地局のビームフォーミングアンテナ特性について 平均パターンで計算される値を利用 基地局の許容干渉電力を満たすとの結果 45

評価結果 (2 静止衛星向け地球局 5G 基地局 ) < 地球局 3-1 からの干渉影響 ( 注 1) > 赤線 : 地球局の許容干渉電力 昼間人口の多い地点での評価 -50 地球局近傍での評価 許容干渉電力 -100 干渉電力 [dbm/mhz] -150-200 -250 0 5 10 15 離隔距離 [km] ( 注 1) 基地局のビームフォーミングアンテナ特性について 平均パターンで計算される値を利用 基地局の許容干渉電力を満たすとの結果 46

評価結果 (2 静止衛星向け地球局 5G 基地局 ) < 地球局 3-2 からの干渉影響 ( 注 1) > 赤線 : 地球局の許容干渉電力 昼間人口の多い地点での評価 -50 地球局近傍での評価 許容干渉電力 -100 干渉電力 [dbm/mhz] -150-200 -250 0 5 10 15 離隔距離 [km] ( 注 1) 基地局のビームフォーミングアンテナ特性について 平均パターンで計算される値を利用 地球局の近傍 (6km 程度以内 ) を除けば 基地局の許容干渉電力を満たすとの結果 47

評価結果 (2 静止衛星向け地球局 5G 基地局 ) < まとめ > 地球局 1 地球局 2-1 地球局 3-1 地球局 2-2 地球局 3-2 利用形態 サービスリンク フィーダリンク フィーダリンク ステータス 利用中 利用中 計画中 固定設置型固定設置型設置形態 固定設置型埼玉県秩父郡神奈川県横浜市設置場所及び可搬型千葉県南房総市茨城県常陸大宮市 共用検討の結果 地球局と基地局の離隔距離が 50km 程度の地点でも 基地局の許容干渉電力を超過するケースがある 地球局の近傍 ( 数 km 程度以内 ) を除けば 基地局の許容干渉電力を満たす サービスリンクで利用中の地球局 1 とは 同一周波数での共存には課題があるため 5G システムを隣接周波数で利用することや 屋内で利用する等の方策を検討する必要がある フィーダリンクで利用中 / 予定の地球局については 地球局の近傍で必要な干渉調整を実施すれば 同一周波数の条件を含めて共用可能である 48

評価結果 (2 静止衛星向け地球局 5G 基地局 ) < 地球局 1 と 5G システムを隣接周波数で利用する場合の検討 > 隣接周波数における干渉電力の大きさは 以下のように算出される 地球局 1 が利用する周波数 離調周波数 地球局 1 の不要発射の強度の許容値 基地局が利用する周波数 この周波数に落ち込む不要発射の平均電力密度を計算し 地球局 1 の主波の電力密度と比較 周波数 地球局 1 が用いる周波数端からの離調 (MHz) 同一周波数干渉に比較した干渉電力レベルの低減量 (db) 0 13.8 10 16.2 20 18.2 50 23.0 100 28.5 上記の表より 隣接周波数で利用すれば 地球局から基地局への干渉電力レベルを低減することができる 49

評価結果 (2 静止衛星向け地球局 5G 基地局 ) < 地球局 1 が屋外利用 5G システムが屋内利用である場合の検討 > 電波伝搬における建物侵入損を計算する式が勧告 ITU-R P.2109 で与えられている 本式に基づくと 28GHz 帯における建物侵入損は以下のように計算される 100 80 建物侵入損 (db) 60 40 L_BEL(traditional) L_BEL(thermally-efficient) 建物の種別 場所率に応じた建物侵入損 5% 10% 20% 50% Traditional 4.8dB 6.9dB 10.6dB 20.1dB 20 Thermallyefficient 15.0dB 19.4dB 26.2dB 41.5dB 0 0 0.2 0.4 0.6 0.8 1 場所率 上記の結果より 5G システムを屋内で利用すれば 地球局から基地局への干渉電力レベルを低減することができる 50

共用検討概要 (35G 基地局 非静止衛星 ) < 干渉検討の対象 > 計画中の非静止衛星 (NGSO) として以下の 2 種類を考慮 < 干渉検討の手法 > 基地局と非静止衛星との間の伝搬モデル 自由空間伝搬損失のみ 自由空間伝搬損失及び勧告 ITU-R P.2108 に基づくクラッタ損 ( 場所率 50%) の 2 パターンを考慮 評価手法 非静止衛星 1 非静止衛星 2 利用形態フィーダリンクサービスリンク ステータス計画中計画中 国内の昼間人口の多いメッシュ (500m 500m) に基地局を 1 局ずつ順次配置し 複数の基地局からの累積干渉電力が 非静止衛星の許容干渉電力を満たすかどうかを比較 51

評価結果 (35G 基地局 非静止衛星 ) < 干渉検討の結果 > ( ) 内の数字は 約 50,000 局の基地局を配置した時点での許容干渉電力に対する残マージン 自由空間伝搬損失のみ 自由空間伝搬損失 + クラッタ損 非静止衛星 1 非静止衛星 2 仰角 設置可能局数 ( 注 1) 仰角 設置可能局数 ( 注 1) 5 度 約 6,000 局 15 度 約 8,100 局 30 度 60 度 5 度 30 度 60 度 50,000 局以上 ( 約 6dB のマージン ) 30 度約 32,000 局 50,000 局以上 ( 約 16dB のマージン ) 60 度 50,000 局以上 ( 約 17dB のマージン ) 15 度 50,000 局以上 ( 約 11dB のマージン ) 30 度 50,000 局以上 ( 約 12dB のマージン ) 60 度 50,000 局以上 ( 約 5dB のマージン ) 50,000 局以上 ( 約 5dB のマージン ) 50,000 局以上 ( 約 4dB のマージン ) 50,000 局以上 ( 約 6dB のマージン ) ( 注 1) 基地局のビームフォーミングアンテナ特性について 基地局からの干渉電力の累積は 平均パターンで計算される値を利用 自由空間伝搬損失のみでは 低仰角の条件において基地局の設置可能局数に制限がかかるが 低仰角の条件では 一般にクラッタ損を期待することができる その場合には 十分な数の基地局数を設置可能であり 基地局の設置状況を適切に管理していけば 共用可能である また 陸上移動局からの影響についても 基地局に比較して干渉影響が大幅に増加することはないものと考えられるため 共用可能である 52

共用検討概要 (4 非静止衛星向け地球局 5G 基地局 ) < 干渉検討の対象 > 計画中の非静止衛星向け地球局として以下を考慮 地球局 1-1 1-2 地球局 2 利用形態 フィーダリンク サービスリンク ステータス 計画中 計画中 設置場所 茨城県 山口県を想定 東京都を想定 < 干渉検討の手法 > 地球局と基地局との間の伝搬モデル 勧告 ITU-R P.452( 時間率 20%) の伝搬モデルにおいて 標高に平均建物高を加算したプロファイルを利用 評価手法 関東地方の昼間人口の多いメッシュ (500m 500m 約 14,000 メッシュ ) に基地局を 1 局ずつ配置し 各地球局からの干渉電力を基地局の許容干渉電力と比較 53

評価結果 (4 非静止衛星向け地球局 5G 基地局 ) < 地球局 1-1 からの干渉影響 ( 注 1) > 赤線 : 地球局の許容干渉電力 昼間人口の多い地点での評価 地球局近傍での評価 -50-50 -100-100 干渉電力 [dbm/mhz] -150 干渉電力 [dbm/mhz] -150-200 -200-250 0 10 20 30 40 50 60 70 80 90 100-250 0 5 10 15 離隔距離 [km] 離隔距離 [km] ( 注 1) 基地局のビームフォーミングアンテナ特性について 平均パターンで計算される値を利用 地球局の近傍 (1km 程度以内 ) を除けば 基地局の許容干渉電力を満たすとの結果 54

評価結果 (4 非静止衛星向け地球局 5G 基地局 ) < 地球局 1-2 からの干渉影響 ( 注 1) > 赤線 : 地球局の許容干渉電力 昼間人口の多い地点での評価 地球局近傍での評価 -50-50 -100-100 干渉電力 [dbm/mhz] -150 干渉電力 [dbm/mhz] -150-200 -200-250 0 10 20 30 40 50 60 70 80 90 100-250 0 5 10 15 離隔距離 [km] 離隔距離 [km] ( 注 1) 基地局のビームフォーミングアンテナ特性について 平均パターンで計算される値を利用 地球局の近傍 (6km 程度以内 ) を除けば 基地局の許容干渉電力を満たすとの結果 55

評価結果 (4 非静止衛星向け地球局 5G 基地局 ) < 地球局 2 からの干渉影響 ( 注 1) > 赤線 : 地球局の許容干渉電力 地球局の空中線高 :6m 地球局の空中線高 :15m ( 注 1) 基地局のビームフォーミングアンテナ特性について 平均パターンで計算される値を利用 56

評価結果 (4 非静止衛星向け地球局 5G 基地局 ) < 地球局 2 からの干渉影響 ( 注 1) > 赤線 : 地球局の許容干渉電力 地球局の空中線高 :30m 地球局の空中線高 :60m ( 注 1) 基地局のビームフォーミングアンテナ特性について 平均パターンで計算される値を利用 地球局の近傍 (5km 程度以内 ) で 基地局の許容干渉電力を超過するケースがある 5G システムの展開エリア内に サービスリンクの地球局 (Very Small Aperture Terminal) が潜在的に設置される可能性があるため 何らかの方策が必要である 個別の干渉調整の実現性や お互いに隣接周波数で運用することや 5G システムを屋内で利用する等の方策を検討する必要がある 57

衛星間通信システムとの検討

共用検討概要 (5G 基地局 データ中継技術衛星 ) < 干渉検討の対象 > 衛星間通信システムの静止衛星人工衛星局 ( データ中継技術衛星 ) と 隣接周波数における干渉検討を実施 なお 検討を行ったデータ中継技術衛星の運用は 2017 年 8 月に終了しているが 同様な用途での利用を想定して検討を実施 < 干渉検討の手法 > 基地局と静止衛星との間の伝搬モデル 自由空間伝搬損失のみ 自由空間伝搬損失及び勧告 ITU-R P.2108 に基づくクラッタ損 ( 場所率 50%) の 2 パターンを考慮 評価手法 国内の昼間人口の多いメッシュ (500m 500m) に基地局を 1 局ずつ順次配置し 複数の基地局からの累積干渉電力が 静止衛星の許容干渉電力を満たすかどうかを比較 59

評価結果 (5G 基地局 データ中継技術衛星 ) < 干渉検討の結果 ( 隣接周波数干渉 )> ( ) 内の数字は 約 50,000 局の基地局を配置した時点での許容干渉電力に対する残マージン 設置可能局数 ( 注 1) 自由空間伝搬損失のみ 自由空間伝搬損失 + クラッタ損 50,000 局以上 ( 約 20dB のマージン ) 50,000 局以上 ( 約 26dB のマージン ) ( 注 1) 基地局のビームフォーミングアンテナ特性について 基地局からの干渉電力の累積は 平均パターンで計算される値を利用 上記の結果より 十分な数の基地局数を設置することができ 基地局の設置状況を適切に管理していけば データ中継技術衛星と共用可能である また 陸上移動局からの影響についても 基地局に比較して干渉影響が大幅に増加することはないものと考えられるため 共用可能である 60

評価結果 ( データ中継技術衛星向け地球局 5G 基地局 ) < 干渉検討の対象 > データ中継技術衛星向けの地球局として以下を考慮 地球局 設置場所 茨城県つくば市 < 干渉検討の手法 > 地球局と基地局との間の伝搬モデル 勧告 ITU-R P.452( 時間率 20%) の伝搬モデルにおいて 標高に平均建物高を加算したプロファイルを利用 評価手法 関東地方の昼間人口の多いメッシュ (500m 500m 約 14,000 メッシュ ) に基地局を 1 局ずつ配置し 各地球局からの干渉電力を基地局の許容干渉電力と比較 61

評価結果 ( データ中継技術衛星向け地球局 5G 基地局 ) < 地球局からの干渉影響 ( 注 1) > 赤線 : 地球局の許容干渉電力 地球局 1 が用いる周波数端からの離調 (MHz) 同一周波数干渉に比較した干渉電力レベルの低減量 (db) 0 9.2 10 10.1 20 11.0 50 13.8 100 18.3 ( 注 1) 基地局のビームフォーミングアンテナ特性について 平均パターンで計算される値を利用 左図は同一周波数干渉における地球局からの干渉影響を評価した結果 隣接周波数干渉の条件として 右表の低減量を考慮すれば 地球局の近傍 (1km 程度以内 ) を除けば 基地局の許容干渉電力を満たす結果となり 共用可能である また 基地局が設置されていなければ陸上移動局が地球局の近傍で通信を行うこともないことから 陸上移動局と共用可能である 62

小電力データ通信システムとの検討

小電力データ通信システムとの共用検討の概要 < 基地局との検討 > 1 対 1 対向モデルを用いて検討を実施 与干渉局と被干渉局の間の離隔距離を考慮し 許容干渉レベルに対する所要改善量を算出 空中線高 離隔距離に応じた空中線指向特性を考慮 基地局のビームフォーミングアンテナの指向特性として 平均パターンと最大パターンを用いた計算を実施 5G 基地局空中線高 6m 小電力データ通信システム空中線高 10m 5G 基地局空中線高 6m 小電力データ通信システム空中線高 10m 水平方向角 :0 垂直方向角 :10 水平方向角 :180 垂直方向角 :0 水平方向角 :90 垂直方向角 :10 水平方向角 :180 垂直方向角 :0 水平指向 水平指向 水平指向 水平指向 パターン 1 パターン 3 5G 基地局空中線高 6m 小電力データ通信システム空中線高 10m 5G 基地局空中線高 6m 小電力データ通信システム空中線高 10m 水平方向角 :0 垂直方向角 :10 水平方向角 :90 垂直方向角 :0 水平方向角 :90 垂直方向角 :10 水平方向角 :90 垂直方向角 :0 水平指向 水平指向 水平指向 水平指向 パターン 2 パターン 4 64

小電力データ通信システムとの共用検討結果 < 基地局と小電力データ通信システムとの干渉検討の結果 > 与干渉局 被干渉局 所要改善量 ( 注 1) パターン 1 パターン 2 パターン 3 パターン 4 基地局小電力データ通信システム 41.6dB 7.6dB 8.8dB -25.2dB 小電力データ通信システム基地局 14.8dB -18.0dB -19.2dB -52.0dB ( 注 1) 基地局のビームフォーミングアンテナ特性について 平均パターンで計算される値を利用 お互いの無線局が正対する条件 ( パターン 1) を除いて 所要改善量は 10dB 以下となる 10dB 以下の所要改善量であれば 基地局の不要発射の強度や空中線指向特性の実力値 小電力無線アクセスシステムの許容干渉電力の実力値等を加味すれば 所要改善量が 0dB 以下となるケースも増えると考えられ 基地局と小電力データ通信システムの無線局は共用可能と考えられる 65

小電力データ通信システムとの共用検討結果 < 陸上移動局との検討 > モンテカルロシミュレーションを用いて検討を実施 < 陸上移動局との干渉検討の結果 > 与干渉局 被干渉局 所要改善量 ( 帯域内干渉 ) 陸上移動局 小電力データ通信システム -2.2dB 小電力データ通信システム 陸上移動局 -38.0dB 所要改善量が 0dB 以下であり 陸上移動局と小電力データ通信システムの無線局は共用可能である 66

固定無線アクセスシステムとの検討

固定無線アクセスシステムとの共用検討の概要 < 基地局との検討 > 1 対 1 対向モデルを用いて検討を実施 与干渉局と被干渉局の間の離隔距離を考慮し 許容干渉レベルに対する所要改善量を算出 空中線高 離隔距離に応じた空中線指向特性を考慮 基地局のビームフォーミングアンテナ特性として 平均パターンと最大パターンを用いた計算を実施 5G 基地局空中線高 6m 固定無線アクセスシステム空中線高 20m 5G 基地局空中線高 6m 固定無線アクセスシステム空中線高 20m 水平方向角 :0 垂直方向角 :10 水平方向角 :180 垂直方向角 :0 水平方向角 :90 垂直方向角 :10 水平方向角 :180 垂直方向角 :0 水平指向 水平指向 水平指向 水平指向 パターン 1 パターン 3 5G 基地局空中線高 6m 固定無線アクセスシステム空中線高 20m 5G 基地局空中線高 6m 固定無線アクセスシステム空中線高 20m 水平方向角 :0 垂直方向角 :10 水平方向角 :90 垂直方向角 :0 水平方向角 :90 垂直方向角 :10 水平方向角 :90 垂直方向角 :0 水平指向 水平指向 水平指向 水平指向 パターン 2 パターン 4 68

固定無線アクセスシステムとの共用検討結果 < 基地局と固定無線アクセスシステムとの干渉検討の結果 > 与干渉局 被干渉局 所要改善量 ( 注 1) パターン 1 パターン 2 パターン 3 パターン 4 基地局固定無線アクセスシステム 36.1dB -12.9dB 3.3dB -45.7dB 固定無線アクセスシステム基地局 29.5dB -3.3dB -19.6dB -52.4dB ( 注 1) 基地局のビームフォーミングアンテナ特性について 平均パターンで計算される値を利用 お互いの無線局が正対する条件 ( パターン 1) を除いて 所要改善量は大幅に改善する 基地局 固定無線アクセスシステムの無線局の双方とも免許局であることを考慮すれば サイトエンジニアリングにより後発の無線局の空中線指向方向を調整する対策や 各無線局の不要発射の強度 空中線指向特性の実力値を考慮した干渉調整を行えば 所要改善量を 0dB 以下にして 基地局と固定アクセスシステムの無線局は共用可能と考えられる 69

固定無線アクセスシステムとの共用検討結果 < 陸上移動局との検討 > モンテカルロシミュレーションを用いて検討を実施 < 陸上移動局との干渉検討の結果 > 与干渉局 被干渉局 所要改善量 ( 帯域内干渉 ) 陸上移動局 固定無線アクセスシステム 2.9dB 固定無線アクセスシステム 陸上移動局 -15.5dB 陸上移動局が与干渉局となる場合には所要改善量として 2.9dB が残るが 陸上移動局の不要発射の強度の実力値等を加味すれば 共用可能なレベルである 以上を考慮すると 陸上移動局と固定アクセスシステムの無線局は共用可能である 70

5G システムとの検討

5G システムとの共用検討概要 28GHz 帯へ 5G システムを導入する場合 当該周波数帯の中で複数の 5G システムが運用される可能性があるため 隣接周波数における両システムの共存を考慮する必要がある 5G システムを隣接周波数で運用する際に ネットワーク同期を実現すればガードバンド 0MHz により共用可能である 一方 複数の 5G システムが異なる下り / 上りリンクの時間比率を用いる場合には 両システムが非同期運用となり 陸上移動局間の干渉や基地局間の干渉が発生する これらの干渉影響を回避 / 軽減するためには 隣接する周波数を用いる 5G システムの境界部分に ガードバンドを設けることが必要になる 非同期運用における具体的かつ現実的なガードバンド幅を算出するためには 基地局や陸上移動局の不要発射の強度に関する実力値等の情報が必要になる 72

28GHz 帯の検討結果まとめ

28GHz 帯の検討結果まとめ 対象システム同一 / 隣接与干渉 被干渉 5G 静止衛星の人工衛星局 十分な数の基地局を設置することができ 基地局の設置状況を適切に管理していけば 共用可能である また 陸上移動局についても 基地局に比較して干渉影響が大幅に増加することはないと考えられる 共用可能である 固定衛星通信 ( アップリンク ) 同一周波数隣接周波数 静止衛星向けの地球局 5G サービスリンクで利用されている既存の固定型設置型 / 可搬型地球局との共用 同一周波数での共用には課題がある 隣接周波数での共用 /5Gシステムを屋内で利用する等の方策を検討する必要がある フィーダリンクで利用 / 計画されている地球局との共用 地球局の近傍 (1km 程度 ) に基地局を設置しない等 必要な干渉調整を行えば 同一周波数の条件を含めて 共用可能と考えられる 5G 非静止衛星の人工衛星局 十分な数の基地局を設置することができ 基地局の設置状況を適切に管理していけば 共用可能である また 陸上移動局についても 基地局に比較して干渉影響が大幅に増加することはないと考えられる 共用可能である 74

28GHz 帯の検討結果まとめ 対象システム同一 / 隣接与干渉 被干渉 5G 非静止衛星の人工衛星局 十分な数の基地局を設置することができ 基地局の設置状況を適切に管理していけば 共用可能である また 陸上移動局についても 基地局に比較して干渉影響が大幅に増加することはないと考えられる 共用可能である 固定衛星通信 ( アップリンク ) 同一周波数隣接周波数 非静止衛星向けの地球局 5G サービスリンクで計画されている地球局との共用 5Gシステムの展開エリア内に サービスリンクの地球局 (Very Small Aperture Terminal) が潜在的に設置される可能性があり その場合には 必要な離隔距離を確保できないケースがあるため 同一周波数での共用には課題がある 個別の干渉調整の実現性や 隣接周波数での共用 /5Gシステムを屋内で利用する等の方策を検討する必要がある フィーダリンクで計画されている地球局との共用 地球局の近傍 (1~6km 程度 ) に基地局を設置しない等 必要な干渉調整を行えば 同一周波数の条件を含めて 共用可能と考えられる 75

対象システム同一 / 隣接与干渉 被干渉 衛星間通信 小電力データ通信システム 固定無線アクセスシステム 5G 隣接周波数 隣接周波数 隣接周波数 隣接周波数 28GHz 帯の検討結果まとめ 5G 人工衛星局 ( 衛星間通信アップリンク受信 ) 十分な数の基地局数を設置することができ 基地局の設置状況を適切に管理していけば 共用可能である また 陸上移動局についても 基地局に比較して干渉影響が大幅に増加することはないものと考えられるため 共用可能である 地球局 ( 衛星アップリンク送信 ) 5G 地球局の近傍 ( 数 km 程度以内 ) において必要な干渉対策を行えば 共用可能である また 基地局が設置されていなければ陸上移動局が地球局の近傍で通信を行うこともないことから 陸上移動局と共用可能である 基地局の不要発射の強度や空中線指向特性の実力値 小電力無線アクセスシステムの許容干渉電力の実力値等を加味すれば 基地局と小電力データ通信システムの無線局は共用可能である モンテカルロシミュレーション結果より 陸上移動局と小電力データ通信システムの無線局は共用可能である 基地局 固定無線アクセスシステムの無線局の双方とも免許局であることを考慮し サイトエンジニアリングにより後発の無線局の空中線指向方向を調整する対策や 各無線局の不要発射の強度 空中線指向特性の実力値を考慮した干渉調整を行えば 基地局と固定アクセスシステムの無線局は共用可能である モンテカルロシミュレーション結果より 陸上移動局と固定無線アクセスシステムの無線局は共用可能である 隣接周波数で運用する際にネットワーク同期を実現すれば ガードバンド 0MHz により共用可能である 非同期運用における具体的かつ現実的なガードバンド幅を算出するためには 基地局や移動局の不要発射の強度に関する実力値等の情報が必要 76

今後検討する項目 静止衛星 非静止衛星のサービスリンクの地球局から 5G システムの干渉影響について 5G システムを屋内等で利用する等の方策について その有効性をさらに検討する 77