熊本地震から 1 年 地震に対する 備え を考える 2017 年 4 発 熊本地震が発 してから 1 年が経過しようとしています 部ガスは 東 本 震災以降 継続して 都圏の 活者の地震防災意識と実態を調査している東京ガスとともに アンケート調査を実施し 熊本地震に対する 活者の意識 実態を知るとともに 地震に対する備えの参考になるポイントを整理しましたので ご報告します トピックス 熊本地震後の行動実態 余震が続く中での自宅内にいることの不安とプライバシーの確保の観点から 避難者の約半数が 乗用車の中 で避難生活を送った 本当に備えるべき 地震対策 備蓄品 とは 地震を経験して さらに必要だと思った地震対策が 本当の意味で重要 自宅で備蓄すること ( 約 7 割 ) 次いで 家具などの転倒 移動 落下防止を施すこと 災害時の行動や連絡手段などをきめること であった さらに必要だと思った備蓄品は 水 ( 飲料水など ) が最も多く 主食( お米 レトルトご飯 乾麺など ) 懐中電灯 主菜 ( 缶詰 冷凍食品など ) であった 地震に備えるためのポイントは 費用 手間 時間 のかかる地震対策を促す工夫が必要 備蓄品を日常生活の延長として想起できるかどうかが 備蓄促進の鍵 地震発 後の 動実態 地震発 直後では約 6 割の が 屋外に避難 地震発 直後にとった 動として多かったのは 屋外に避難 家族の安否確認 メディア等で状況確認 であった 図 1. 地震発 (4 16 の本震 ) 直後にとった 動 ( 複数回答 ) 1
地震発 後の 動実態 約半数の が選んだ避難場所は 乗 の中 避難 活を送った は全体の約 55% で そのうち約半数が 乗 の中 で避難 活を送り 次いで 公共施設 となった 揺れる建物の中にいるよりも の中にいるほうが落ち着けた (40 代 性 ) や 避難所 活でストレスを受ける (30 代 性 ) といった回答もあり 余震に対する不安やプライバシーの確保などの理由から 公共施設よりも を利 する避難者が多かったと考えられる 図 2. 地震後 宅以外で避難 活を送った場所 ( 複数回答 ) 役 った情報は ヒト モノ インフラ 地震における被害 影響が残る中で 役 った情報は スーパーやコンビニなど店舗の営業情報 インフラ( 道 電気 ガス ) 復旧情報 家族 知 友 等の安否情報 などの ヒト モノ インフラ に関わるものであった 図 3. 地震後 役に ったと思う情報 ( 複数回答 ) 2
地震発 後の 動実態 若年層の多くが利 した情報媒体は SNS 情報の媒体としては テレビ が最も利 された SNS や 新聞 の利 者は 年代別で顕著な差が られ SNS は若年層ほど利 が多く 20 代では半数以上が利 していた 新聞 は年齢が いほど利 者が多かった SNS については SNS を通じて同じ被災地での状況 情報を共有できた (20 代 性 ) という 情報共有の速さにメリットを感じている回答がある で SNS 情報を鵜呑みにしてはならない (20 代 性 ) といった情報内容の精度に注意する意 もあり 活 の難しさが感じられた 図 4. 地震後 被害状況 避難場所 援物資などに関する情報を取得した 法 ( 複数回答 ) コラム 被災時に頼れるコミュニティやネットワークとは? 地震後の被害状況など様々な情報の 先として 約 4 割の が 家族や知 からの コミ を挙げていた また 地震における被害 / 影響が残る中での 活においては 何らかのコミュニティを形成し 多くの と関わりを持つことが 切との回答も多く られた 災害時にはこうした とのつながりが果たす役割に期待する は多いであろうが では 今回の地震を受け 実際に 頼れる と思ったコミュニティはどんなものがあっただろうか 年代別にみると 20 50 代では 勤務している会社 が く 60 代では ご近所づきあいのネットワーク や 地域の 治会 町内会 を挙げる が半数近かった 60 代は定年を迎える年であり 付き合いの中 が 会社 から 地域 へと移っていくためと考えられる 頃から関わることの多いコミュニティが 常時にも頼れる存在になるようだ 図 5. 地震を経験して 頼れると思うコミュニティやネットワーク ( 複数回答 上位 6 項 ) 3
地震に対する備え地震を経験してさらに必要だと思った対策は 宅で備蓄すること が約 7 割と最も多く 次いで 家具などの転倒 移動 落下防 を施すこと 災害時の 動や連絡 段などを決めること 避難経路 避難 活場所を決めること などとなった ただ それらの対策を地震後 既に実施したと回答した の割合は 宅での備蓄 でも 4 割弱 5 割強に留まっており 必要だと思ってもなかなか 動に移せていない も多いようである また 地震の前から実施していた の割合と地震後 既に実施した の割合を 較すると 宅での備蓄 や 家具の転倒 移動 落下防 は地震後に 20 ポイント前後上昇しており 動に移せているようだ 費 や時間のかかりそうな 宅の耐震補強 や 間や時間のかかりそうな ご近所の住 と付き合いの輪を広げる などは地震の前と べ きな変化は られない 地震対策を促進していくためには 特に 費 や 間や時間のかかるものに対して 何らかの 夫が必要であると思われる 図 6. 地震対策に関する意識と実態 ( 複数回答 上位 10 項 ) 費 間 時間 のかかる地震対策を促す 夫が必要 熊本地震を経験して 今までより更に必要だと思った地震対策の上位 10 項 32.9 22.7 16.2 13.4 11.0 13.2 17.4 27.1 15.5 5.4 73.7 59.2 42.2 41.7 39.5 37.8 37.5 34.2 32.4 22.9 54.2 38.3 22.9 20.5 17.7 18.9 18.8 16.4 16.1 5.8 0% 20% 40% 60% 80% あなたのご自宅で食料品 飲料水 もしくは生活用品などを備蓄することあなたのご自宅で家具などの転倒 移動 落下防止を施すこと災害時の行動や連絡手段などを決めることお住まいの地域の地形 地質 危険な場所を知ることお住まいの地域の危険度を知ること災害時の避難経路や避難生活場所を決めることご近隣の住民と付き合いの輪を広げること地震保険へ加入すること電気 ガス 水道の止め方と復旧方法を確認することあなたのご自宅に耐震補強を施すこと熊本地震前から行っていた地震対策熊本地震を経験して 今までよりも更に必要だと思った地震対策熊本地震後 既に実施した地震対策 [n=1000] 4
懐中電灯カセットコンロ生活用水寝袋 毛布(チョコレートなど)ご飯 乾麺 インスタ主菜(缶詰 冷凍食品 乾電池 予備バッテリー非常用持ち出しバッグ主食(お米 レトルトントラーメンなど)レトルト食品など)(飲料水 調理用など)菓子類地震に対する備え 備蓄品を 常使 の延 として想起できるかが 備蓄促進の鍵 地震を経験して さらに必要だと思った備蓄品は ( 飲料 など ) が最も多く 主 ( お レトルトご飯 乾麺など ) 懐中電灯 主菜 ( 詰 冷凍 品など ) に続き 活 が上位に った 地震の後すぐにお 呂の をためておけば トイレに困らなかったと思った (50 代 性 ) という声も聞かれ 実際に被災したからこそ 備蓄の必要性を感じた も多かったのではないだろうか 地震の前後で備蓄していた ( している ) の割合を 較してみると ( 飲料 など ) は地震前の 39.2% から地震後は 63.4% まで 20 ポイント以上増加しているが その他の備蓄品ではそれほど きく増えていない また 現在備蓄を っている の割合と更に必要だと思った の割合を べると 活 や 常 持ち出しバッグ は 15 ポイント以上の差がある これらは他の備蓄品と べて 常使 の延 として想起しづらいためではないだろうか 必要だと思ったとしても実際には備蓄できていないというものがあり 何らかの対応が必要であると思われる 図 7. 備蓄品に関する意識と実態 ( 複数回答 上位 10 項 ) 熊本地震前から備蓄していたもの 80% 60% 40% 20% 77.2 63.4 39.2 64.5 52.2 54.5 51.5 43.6 51.6 48.8 38.1 31.5 48.1 25.0 14.2 42.4 35.0 31.6 38.3 37.1 34.4 32.7 25.9 30.8 22.9 25.2 28.8 22.7 21.3 12.4 熊本地震を経験して 今までよりも更に必要だと思った備蓄品 熊本地震後 現在備蓄しているもの 100% 水0% 熊本地震を経験して 今までより更に必要だと思った備蓄品の上位 10 項 [n=1000] 5
コラム 都圏に関する状況 ここでは 宅での備蓄について 都圏の実施状況もみてみる 下図は図 7 で した熊本での備蓄品の備蓄状況について 都圏での回答を合わせて表したものである 都圏では どの品 も熊本地震の前から備蓄していたという の割合が かった 特に ( 飲料 調理 など ) は く 熊本の現在の備蓄状況よりも きく上回り 9 割を超えている 都圏の 活者は 常的にペットボトル飲料 を使 しているライフスタイルに加え 東 本 震災の影響もあり の備蓄が定着しているものと考えられる 図 8. 備蓄品に関する地震前後の実態 ( 複数回答 上位 10 項 1 ) 100% 94.0 80% 63.4 60% 39.2 40% 20% 0% 水(飲料水 調理用など)73.7 68.0 61.0 52.2 51.6 43.6 48.8 38.1 31.5 25.7 25.0 14.2 懐中電灯生活用水ご飯 乾麺 インスタ主菜(缶詰 冷凍食品 主食(お米 レトルトントラーメンなど)レトルト食品など)48.5 35.0 31.6 乾電池 予備バッテリー37.9 37.5 37.9 30.8 22.9 25.9 25.2 28.8 21.7 22.7 21.3 12.4 カセットコンロ寝袋 毛布(チョコレートなど)非常用持ち出しバッグ菓子類 首都圏 熊本地震前から備蓄していたもの (n=734) 2 熊本 ( 再掲 ) 熊本地震前から備蓄していたもの (n=1000) 熊本 ( 再掲 ) 熊本地震後 現在備蓄しているもの (n=1000) 1 熊本地震を経験して 今までより更に必要だと思った備蓄品 ( 熊本 ) の上位 10 項 2 東京ガス都市 活研究所都市 活レポート 熊本地震後にみる 都圏の 活者の地震防災意識と実態 より 調査概要 熊本地震に関する調査 定量調査 調査時期 :2016 年 12 調査 法 : インターネット調査 調査対象 : 熊本県在住 20 歳以上男 1000 名 20 代 30 代 40 代 50 代 60 代以上 男性 100 100 100 100 100 女性 100 100 100 100 100 西部ガス株式会社総合研究研修所 819-0162 福岡県福岡市 区今宿 421-4 https://www.saibugas.co.jp/souken/ 東京ガス株式会社都市生活研究所 105-8527 東京都港区海岸 1-5-20 http://www.toshiken.com/ この冊 に掲載した図版などの無断転写を禁じます 6