日本の方が多い 表 2 は日本の癌罹患数の多い順の第 7 位までの部位とそれに対応する米国の数値と日 米比を示す 赤字と青字の意味は表 1 と同じである 表 2: 部位別の癌罹患数 : 日 米比較日 / 米 0.43 部位 罹患数 ( 日 ) (2002)( 人 ) 罹患数 ( 米 ) 罹患数比日本

Similar documents
1981 年 男 全部位 C00-C , , , , ,086.5 口腔 咽頭 C00-C

平成29年度沖縄県がん登録事業報告 背表紙印字

付表 食道癌登録数 ( 自施設初回治療 癌腫 ): 施設 UICC-TNM 分類治療前ステージ別付表 食道癌登録数 ( 自施設初回治療 癌腫 原発巣切除 ): 施設 UICC-TNM 分類術後病理学的ステージ別付表 食道癌登録数 ( 自施設初回治療 癌腫 UIC

A 2010 年山梨県がん罹患数 ( 全体 )( 件 ) ( 上皮内がんを除く ) 罹患数 ( 全部位 ) 5,6 6 男性 :3,339 女性 :2,327 * 祖父江班モニタリング集計表から作成 * 集計による主ながんを表示

Microsoft PowerPoint - tobacco

付表 食道癌登録数 ( 自施設初回治療 癌腫 ): 施設 UICC-TNM 分類治療前ステージ別付表 食道癌登録数 ( 自施設初回治療 癌腫 原発巣切除 ): 施設 UICC-TNM 分類術後病理学的ステージ別付表 食道癌登録数 ( 自施設初回治療 癌腫 UIC

付表 登録数 : 施設 部位別 総数 1 総数 口腔咽頭 食道 胃 結腸 直腸 ( 大腸 ) 肝臓 胆嚢胆管 膵臓 喉頭 肺 骨軟部 皮膚 乳房 全体

付表 登録数 : 施設 部位別 総数 1 総数 口腔咽頭 食道 胃 結腸 直腸 ( 大腸 ) 肝臓 胆嚢胆管 膵臓 喉頭 肺 骨軟部 皮膚 乳房

福島県のがん死亡の年次推移 福島県におけるがん死亡数は 女とも増加傾向にある ( 表 12) 一方 は 女とも減少傾向にあり 全国とほとんど同じ傾向にある 2012 年の全のを全国と比較すると 性では高く 女性では低くなっている 別にみると 性では膵臓 女性では大腸 膵臓 子宮でわずかな増加がみられ

表 1. 罹患数, 罹患割合 (%), 粗罹患率, 年齢調整罹患率および累積罹患率 ; 部位別, 性別 A. 上皮内がんを除く ; 部位別, 性別 B. 上皮内がんを含む 表 2. 年齢階級別罹患数, 罹患割合 (%); 部位別, 性別 A. 上皮内がんを除く B. 上皮内がんを含む 表 3. 年齢

検診マンモグラフィ CAD の費用効果分析 ( 二重読影と一人読影 +CAD の比較 ) 放射線医学総合研究所名誉研究員飯沼武 ( 医学物理士 ) ご質問やコメントは にメール下さい 要旨 日本のマンモグラフィ併用乳癌検診の普及には二重

H27栃木県のがんH27.indd

腫瘍センターの稼働実績 ( 平成 29 年 9 月 ) 最終版 H28 年 9 月 H29 年 9 月 H29 年度累 H28 年 9 月 H29 年 9 月 H29 年度累 H28 年 9 月 H98 年 9 月 H29 年度累

院内がん登録における発見経緯 来院経路 発見経緯がん発見のきっかけとなったもの 例 ) ; を受けた ; 職場の健康診断または人間ドックを受けた 他疾患で経過観察中 ; 別の病気で受診中に偶然 がん を発見した ; 解剖により がん が見つかった 来院経路 がん と診断された時に その受診をするきっ

第 2 部 : 学術集会記録 - スター - 72

腫瘍センターの稼働実績 ( 平成 29 年 8 月 ) 最終版 H28 年 8 月 H29 年 8 月 H29 年度累 H28 年 8 月 H29 年 8 月 H29 年度累 H28 年 8 月 H98 年 8 月 H29 年度累

院内がん登録について 院内がん登録とは がん ( 悪性腫瘍 ) の診断 治療 予後に関する情報を収集 整理 蓄積し 集計 解析をすることです 登録により収集された情報は 以下の目的に使用されます 診療支援 研修のための資料 がんに関する統計資料 予後調査 生存率の計測このほかにも 島根県地域がん登録

福井県がん登録は 届出漏れの少ない精度の高いがん登録を目標としてきた 平成 19 年の自主的届出登録率は 88.1% と 依然高い率を維持している また 死亡票のみで登録されたものの割合 (DCO) も 2.6% であり ここ数年間 5% を切る高い届出精度となっている 顕微鏡学的診断実施率は 84

8 整形外科 骨肉腫 9 脳神経外科 8 0 皮膚科 皮膚腫瘍 初発中枢神経系原発悪性リンパ腫 神経膠腫 脳腫瘍 膠芽腫 頭蓋内原発胚細胞腫 膠芽腫 小児神経膠腫 /4 別紙 5( 臨床試験 治験 )

< E082AA82F1936F985E8F578C768C8B89CA816989FC92F994C5816A2E786C73>

和歌山県地域がん登録事業報告書

< E082AA82F1936F985E8F578C768C8B89CA816989FC92F994C5816A2E786C73>

院内がん登録について 院内がん登録とは がん ( 悪性腫瘍 ) の診断 治療 予後に関する情報を収集 整理 蓄積し 集計 解析をすることです 登録により収集された情報は 以下の目的に使用されます 診療支援 研修のための資料 がんに関する統計資料 予後調査 生存率の計測このほかにも 島根県地域がん登録

目 次 統計の説明 部位( 中分類 ) 別男女別腫瘍数 1 部位別腫瘍数 < 総数グラフ> 2 部位別腫瘍数 < 男性グラフ> 3 部位別腫瘍数 < 女性グラフ> 4 部位( 中分類 ) 別年齢階層別腫瘍数 5 部位( 中分類 ) 別来院経路別腫瘍数 6 来院経路別腫瘍数 <グラフ> 7 部位( 中

目 次 統計の説明 部位( 中分類 ) 別男女別腫瘍数 1 部位別腫瘍数 < 総数グラフ> 2 部位別腫瘍数 < 男性グラフ> 3 部位別腫瘍数 < 女性グラフ> 4 部位( 中分類 ) 別年齢階層別腫瘍数 5 部位( 中分類 ) 別来院経路別腫瘍数 6 来院経路別腫瘍数 <グラフ> 7 部位( 中

1. 来院経路別件数 非紹介 30 他疾患経過 10 自主受診観察 紹介 20 他施設紹介 合計 患者数 割合 12.1% 15.7% 72.2% 100.0% 27.8% 72.2% 100.0% 来院経路別がん登録患者数 がん患者がどのような経路によって自施設を受診し

1. ストーマ外来 の問い合わせ窓口 1 ストーマ外来が設定されている ( / ) 上記外来の名称 ストマ外来 対象となるストーマの種類 コロストーマとウロストーマ 4 大腸がん 腎がん 膀胱がん ストーマ管理 ( 腎ろう, 膀胱ろう含む ) ろう孔管理 (PEG 含む ) 尿失禁の管理 ストーマ外

< 解説 > 年がん診療連携拠点病院等院内がん登録 3 年生存率初集 概要多くのがんでは 5 年後の生存状況が一つの治癒の目安としてこれまで用いられてきたため これまで国立がん研究センターでは診断から 5 年後の生存率を報告してきました 平成 30 年 3 月に閣議決定された第 3 が

目 次 統計の説明 部位( 中分類 ) 別男女別腫瘍数 1 部位別腫瘍数 < 総数グラフ> 2 部位別腫瘍数 < 男性グラフ> 3 部位別腫瘍数 < 女性グラフ> 4 部位( 中分類 ) 別年齢階層別腫瘍数 5 部位( 中分類 ) 別来院経路別腫瘍数 6 来院経路別腫瘍数 <グラフ> 7 部位( 中

10 年相対生存率 全患者 相対生存率 (%) (Period 法 ) Key Point 1

表紙等

肝 肝内胆管 771 人 (3.3%) 卵巣 727 人 (3.1%) 悪性リンパ腫 683 人 (2.9%) その他 4,316 人 (18.8%) の順であった 平成 23 年のり患割合と比較すると 男では結腸 直腸 膀胱 食道の割合が 女では胃 子宮 肺 直腸の割合が増加し 男の胃 前立腺 肺

< 高知県立幡多けんみん病院 年院内がん登録 ( 詳細 )> 性 ~9 ~9 ~9 ~9 ~9 ~9 ~9 9~ 総計件数比率 口腔 咽頭食道胃結腸直腸肝臓胆嚢 胆管膵臓喉頭肺骨 軟部皮膚乳房子宮頸部子宮体部卵巣前立腺膀胱腎 他の尿路 女男女男女男女男女男女男女男女男女男女男女男女男女男女男女男女男

1. ストーマ外来 の問い合わせ窓口 1 ストーマ外来が設定されている ( はい / ) 上記外来の名称 対象となるストーマの種類 7 ストーマ外来の説明が掲載されているページのと は 手入力せずにホームページからコピーしてください 他施設でがんの診療を受けている または 診療を受けていた患者さんを

院内がん登録集計報告

部位別 施設名 総数 がん診療連携拠点病院院内がん登録 2014 年集計 口腔咽頭 食道胃結腸直腸大腸肝臓 胆嚢胆管 膵臓喉頭肺 埼玉県立がんセンター 3, さいたま赤十字病院 1,456-2

1) 疾患別死亡数 死亡率 ( 七尾市 ) 死亡数 ( 総数 ) 資料 : 衛生統計報 死亡率 ( 総数 ) 人口 10 万対

膵臓癌について

密封小線源治療 子宮頸癌 体癌 膣癌 食道癌など 放射線治療科 放射免疫療法 ( ゼヴァリン ) 低悪性度 B 細胞リンパ腫マントル細胞リンパ腫 血液 腫瘍内科 放射線内用療法 ( ストロンチウム -89) 有痛性の転移性骨腫瘍放射線治療科 ( ヨード -131) 甲状腺がん 研究所 滋賀県立総合病

jphc_outcome_d_014.indd

1. 部位別登録数年次推移 表は 部位別に登録数の推移を示しました 2015 年の登録数は 1294 件であり 2014 年と比較して 96 件増加しました 部位別の登録数は 多い順に大腸 前立腺 胃 膀胱 肺となりました また 増加件数が多い順に 皮膚で 24 件の増加 次いで膀胱 23 件の増加

松江市立病院 院内がん登録 2017 年 診断症例報告書

平成17年

03 例題 (大卒)

今日の内容 1. がん対策 ( 山梨県がん対策推進条例及び山梨県がん対策推進計画 ) 2. がんデータ ( 死亡者数 罹患率など ) 3. がん検診

<4D F736F F D2091E58DE3957B82C982A882AF82E982AA82F1936F985E91E F CE936395B68FCD8F4390B38DCF979A97F082A082E8816A2E646F63>

<4D F736F F F696E74202D2082AA82F CE8DF48CA48F4389EF ACC898A91CE8DF AD8D47205B8CDD8AB B83685D>

アプローチ 第50号


リレー・フォー・ライフ くまもと 2012

<4D F736F F D20288E518D6C8E9197BF AA82F18C9F90668F64935F8EF390668AA98FA791CE8FDB8ED282CC90DD92E882C982C282A282C AD8F6F94C5817A2E646F6378>

はじめに 高知県では がんが昭和 59 年から死亡原因の第 1 位となっており 高齢化の進行により今後も増加していくと推測されます このため県では 平成 19 年 3 月に 高知県がん対策推進条例 を制定するとともに 平成 25 年 3 月には 第 2 期高知県がん対策推進計画 を策定し がん対策に

院内がん登録による生存率集計 国立研究開発法人国立がん研究センター がん対策情報センターがん登録センター

目次 Ⅰ 高知県地域がん登録事業の概要 歴史 方法... 1 (1) 情報収集方法... 1 (2) 登録対象... 1 (3) 登録 集計 解析 二次保健医療圏別および医療機関別の年別届出数... 2 Ⅱ 結 果 登録精度指標... 4 (1

石川県におけるがん登録

IARC/IACRにおける多重がんの判定規則改訂版のお知らせ

よるリスクを損失余命 ( 人年 ) として算出し その両者の比 獲得余命 / 損失余命 ( リスク ) が 1.0 を超えているか否かを適応判断のポイントとする これは長く行なわれてきた医療における適応判断の一つであると言える 4. リスクの定量的な評価本節では LNT 仮説に基づく被曝リスクを損失

目次 1 全部位の概要 1-1, 部位別登録数 1-2, 年齢階級 部位別登録数 6 1-3, 来院経路 部位別登録数 8 1-4, 患者住所 部位別登録数 9 1-, 症例区分 部位別登録数 1 1-6, 発見経緯 部位別登録数 11 2 部位別詳細 2-1, 胃 , 大腸 14 2-

1 人口動態の概況 ( 平成 24 年 1 月 ~12 月 ) (1) 出生数 < 減少 > 出生数は56,943 人で前年に比べ1,116 人減少し 出生率は人口千人に対し8.0で 前年と比べ0.2ポイント低下した (2) 死亡数 < 増加 > 死亡数は59,137 人で前年に比べ1,467 人増

5. 乳がん 当該疾患の診療を担当している診療科名と 専門 乳房切除 乳房温存 乳房再建 冷凍凝固摘出術 1 乳腺 内分泌外科 ( 外科 ) 形成外科 2 2 あり あり なし あり なし なし あり なし なし あり なし なし 6. 脳腫瘍 当該疾患の診療を担当している診療科名と 専

補遺 4 医療機関と患者会 患者支援団体での調査結果の比較 問 1 がんと診断されたのはいつですか ( 年代別 ) 診断年齢 医療機関患者会実数 (%) 実数 (%) 1.20 代 81 (1.1%) 29 (4.8%) 2.30 代 334 (4.6%) 101 (16.8%) 3.40 代 98

3 成人保健

各医療機関が専門とするがんに対する診療機能 1. 肺がん 治療の実施 (: 実施可 / : 実施不可 ) / 昨年の ( / ) 当該疾患を専門としている 開胸 胸腔鏡下 定位 小線源治療 1 呼吸器内科 8 2 呼吸器外科 3 3 腫瘍内科 放射線治療科 1 グループ指定を受ける施設との連携 昨年

スライド 1

Microsoft PowerPoint 病期分類概論 ppt[読み取り専用]

目次 Ⅰ 高知県地域がん登録事業の概要 歴史 方法... 1 (1) 情報集方法... 1 (2) 登録対象... 1 (3) 登録 集計 解析 二次保健医療圏別および医療機関別の届出数 遡り調査... 3 Ⅱ 結 果 登録精度指

10 年相対生存率 全患者 相対生存率 (%) (Period 法 ) Key Point 1 10 年相対生存率に明らかな男女差は見られない わずかではあ

特別条件付契約のしおり このたびは 当社に生命保険のお申し込みをいただき 誠にありがとうございます 本帳票は ご契約のしおり 約款 と共に大切に保管いただきますようお願いいたします

          

< A815B B83578D E9197BF5F906697C38B40945C F92F18B9F91CC90A72E786C73>

<4D F736F F F696E74202D E082C182C A682E682A E082AA82F1936F985E817C93AAE8F AA82F1945D8EEEE18

5. 死亡 (1) 死因順位の推移 ( 人口 10 万対 ) 順位年次 佐世保市長崎県全国 死因率死因率死因率 24 悪性新生物 悪性新生物 悪性新生物 悪性新生物 悪性新生物 悪性新生物 位 26 悪性新生物 350

タダラフィル

目次 1 全部位の概要 1-1, 部位別登録数 5 1-2, 年齢階級 部位別登録数 6 1-3, 来院経路 部位別登録数 8 1-4, 患者住所 部位別登録数 9 1-5, 症例区分 部位別登録数 1 1-6, 発見経緯 部位別登録数 11 2 部位別詳細 2-1, 胃 , 大腸 14

<303491E592B BC92B08AE02E786C73>

Yonago Medical Center Magazine ARCUS #20 May 2018

がん患者白書2015 <がんと婚姻・出産>

健康だより Vol.71(夏号)

15 氏 名 し志 だ田 よう陽 すけ介 学位の種類学位記番号学位授与の日付学位授与の要件 博士 ( 医学 ) 甲第 632 号平成 26 年 3 月 5 日学位規則第 4 条第 1 項 ( 腫瘍外科学 ) 学位論文題目 Clinicopathological features of serrate

2 院内がん登録による生存率集計 3 年生存率の公表の意義 国民が 科学的根拠に基づく情報を迅速に提供するため 5 年生存率より早い段階での生存率についての情報提供 2 カ年データでの 5 年生存率の公表の意義 生存率は 症例数が少ない場合は偏りが生じる 本集計では 集計対象数を確保するため 200

<4D F736F F D208A6582AA82F182CC82DC82C682DF81698AAE90AC816A815188F38DFC97702E646F63>

PowerPoint プレゼンテーション

表 PET 検査を実施する有床施設の病床数分布 病床数 表 PET 装置の種類と設置台数 割 5 床以上 床 8. PET CT 装置 床 6.5 PET 専用装置 床.5 9 床 ポジトロン CT 組みわせ型 SPECT 装置

小児がん中央機関からの報告 1 情報提供 ( 院内がん登録 ) 国立がん研究センターがん対策情報センター センター長若尾文彦 1

Microsoft PowerPoint - 資料1_ひょうごの健康状況(健康寿命修正済)

Microsoft PowerPoint - 資料3 がん検診の現状

平成 26 年 2 月 13 日 平成 25 年度第 2 回小児がん部会提供資料 大阪府における 小児がんの実態と受療動向について 大阪府小児がん連携ワーキンググループ大阪府立成人病センターがん予防情報センター

等価線量

最近 乳がんの人が増えている? 最近 芸能人で乳癌になった人多くない? 乳がんって増えているの? なったら助からないんでしょ?

都道府県別 5 年生存率集計 本章では 平成 29 年度第 1 回都道府県がん診療連携拠点病院連絡協議会がん登録部会での検討に基づき 都 道府県別の生存率について集計を行った結果を報告する なお 生存率には様々な要因が影響を与える 都道府 県別の数値を参照する前に 各都道府県のコメントを参照頂きたい

<4D F736F F D20819B947882AA82F190568B8C91CE8FC6955C2E646F63>

目 次 第 はじめに 収集項目と定義 () 収集項目 - ア診断区分イ症例区分ウ治療前ステージエ術後病理学的ステージオ進展度カ治療の有無 () 収集項目の定義とルール -5 ア年齢イ診断日ウ部位区分エ症例区分 8 の取扱いオ治療前ステージカ術後病理学的ステージキ治療に関する集計の分類定義 第 集計結

<4D F736F F F696E74202D E397C38ED282AA82F18CA48F4389EF FA89BA292E B8CDD8AB B83685D>

目次 1 部位別登録件数 2 部位別 性別登録件数( 上位 10 部位 ) 3 部位別 年齢階層別登録件数( 上位 10 部位 ) 4 部位別 組織型別登録件数 5 部位別診断時ステージ分布( 主要 5 部位 ) 6 部位別 治療行為別登録件数( 上位 10 部位 行為別件数上位 5 項目 ) 7

子宮頸がん 1. 子宮頸がんについて 子宮頸がんは子宮頸部に発生するがんです ( 図 1) 約 80% は扁平上皮がんであり 残りは腺がんですが 腺がんは扁平上皮がんよりも予後が悪いといわれています 図 1 子宮頸がんの発生部位 ヒトパピローマウイルス (HPV) 感染は子宮頸がんのリスク因子です

各報告 目 次 1 スタッフ 業務体制 31 2 業務内容 31 3 業務実績 32 (1) 平成 2 年度活動状況総括 32 (2) 平成 2 年度受診者統計 1 検査件数の推移 2 月別検査件数 3 3 検査目的別集計 3 紹介元医療機関別件数 3 病名別件数 3 施設 教育研修 3 今後の展望

僕が見た21世紀の 産婦人科医療

子として同定され 前立腺癌をはじめとした癌細胞や不死化細胞で著しい発現低下が認められ 癌抑制遺伝子として発見された Dkk-3 は前立腺癌以外にも膵臓癌 乳癌 子宮内膜癌 大腸癌 脳腫瘍 子宮頸癌など様々な癌で発現が低下し 癌抑制遺伝子としてアポトーシス促進的に働くと考えられている 先行研究では ヒ

がん にどう対処するか 田口鐵男 * はじめにがんはわが国の死亡原因の一位を占め 三人に一人はがんで亡くなっている 高齢化社会を迎え がんになる人は増える一方と考えられる いまや がんは人類最大の敵といってよい しかし 最近のがんの診断 治療の技術進歩は目覚しいものがある がんは不治の病としていまも

スライド 1

Transcription:

日 米の癌の死亡数 罹患数と5 年生存率 ASCO 特別報告 (2008 ) と がんの統計 2009 より 放射線医学総合研究所名誉研究員飯沼武 ( 医学物理士 ) ご質問 ご意見のある方は飯沼宛 t.a.inuma3391@kjd.biglobe.ne.jp にメール下さい ( 要旨 ) 本研究は 2009 年 9 月 17 日 京都市において行なわれた第 22 回日本放射線腫瘍学会総会において発表した演題を論文にしたものである 日本と米国の癌の罹患数 死亡数と 5 年生存率の現状を調べ これからの日本のがん対策に生かすことを目的とする すべての癌のうち 死亡数が最も多いのは日本 米国とも肺癌であり とくに米国の肺癌死亡の多さは驚異的でさえある 今後の日本の肺癌の死亡急増を考えると 禁煙の一次予防は勿論であるが LSCT による肺癌二次予防が重要である 米国で相対的に多い癌は前立腺癌と乳癌であり 日本で相対的に多い癌は胃癌と肝臓癌である 今後の動向に注目しなければならない 最も成績の悪い癌は日 米とも膵臓癌である 罹患数も比較的多いものであり 今後の研究が期待される 1. 本研究の背景と目的日本では 2008 年にがん対策基本法が制定され がん対策が本格的に動き出した まだまだ 整備しなければならないことは多いが 第一歩を踏み出したといえよう 一方 米国は 30 年も前に Cancer Act を制定し 日本よりは数段進んだ対策がなされている 本研究では日 米の癌の最新情報を定量的に比較し 今後のわが国のがん対策に生かすことを目的とした 米国の情報は ASCO2008 報告 1) より 日本はがんの統計 2092) より得た 2. 米 日の人口の比較 まず 基本の数値として 日 米の人口数をおさえておこう 2004 年の米国の人口は 29362 3 千人 2006 年の日本の人口は 12615 4 千人 3) であり 米 / 日比 は 2.33 日 / 米比は 0.43 である これが日 米の比較において基本の数値である 3. 部位別の癌罹患数 - 米 日比較表 1 に米国の癌罹患数の多い順の第 7 位までの部位とそれに対応する日本の数値と米 日比を示す 罹患数の赤字は前年よりも増加している部位 青字は減少している部位をあらわす 罹患数比の赤字は米国が相対的に多い部位 (>2.33) 青字は少ない部位 (<2.33) を示す また 日本の罹患数の () 内の数字は日本の順位を示している 表 1: 部位別の癌罹患数 : 米 日比較米 / 日 2.33 部位 罹患数 ( 米 ) 罹患数 ( 日 ) 罹患数比 (2002)( 人 ) 米国 / 日本 全部位 1437180 641594 2.24 1 肺 気管 215020 78745(3) 2.73 2 前立腺 186320 40062(6) 4.65 3 乳房 184450 45716(4) 4.03 4 結腸 直腸 148810 99770(2) 1.49 5 膀胱 68180 16359(12) 4.17 6 悪性リンパ腫 66120 21473(9) 3.08 7 腎臓 54360 12906(13) 4.21 注目される点は 1) 全部位では米国の罹患数が減少傾向にあるのに対し 日本が増加していること 2) 罹患数比では米の前立腺が最も多く 続いて腎臓 乳房となっている 3) 結腸 直腸は相対的には 1

日本の方が多い 表 2 は日本の癌罹患数の多い順の第 7 位までの部位とそれに対応する米国の数値と日 米比を示す 赤字と青字の意味は表 1 と同じである 表 2: 部位別の癌罹患数 : 日 米比較日 / 米 0.43 部位 罹患数 ( 日 ) (2002)( 人 ) 罹患数 ( 米 ) 罹患数比日本 / 米国 全部位 641594 1437180 0.45 1 胃 110323 21500(11) 5.13 2 結腸 直腸 99770 148810(4) 0.67 3 肺 気管 78745 215020(1) 0.37 4 乳房 45716 184450(3) 0.25 5 肝臓 42661 21370(12) 2.00 6 前立腺 40062 186320(2) 0.22 7 子宮 24240 21370(12) 1.11 注目される点は 1) 日本の罹患数第 1 位が胃癌であることである 何と米国の 5 倍である 米国では第 11 位と少ない 2) 次に 日本の多いのが肝臓癌である 3) 第 2 位の大腸と第 3 位の肺は米国でも多い 4. 部位別の癌死亡数 - 米 日比較表 3 に米国の癌死亡数の多い順の第 7 位までの部位とそれに対応する日本の数値と米 日比を示す 死亡数の赤字は前年よりも増加している部位 青字は減少している部位をあらわす 死亡数比の赤字は米国が相対的に多い部位 (>2.33) 青字は少ない部位 (<2.33) を示す また 日本の死亡数の () 内の数字は日本の順位を示している 表 3: 部位別の癌死亡数 : 米 日比較米 / 日 2.33 部位 死亡数 ( 米 ) 死亡数 ( 日 ) (2006)( 人 ) 死亡数比米国 / 日本 全部位 565650 336468 1.68 1 肺 気管 161840 65608(1) 2.47 2 結腸 直腸 49960 42172(3) 1.18 3 乳房 40930 11323(8) 3.61 4 膵臓 34290 24634(5) 1.39 5 前立腺 28660 9786(9) 2.93 6 悪性リンパ腫 19160 9206(10) 2.08 7 肝臓 18410 33599(4) 0.55 注目される点は 1) 米国の肺癌死亡の圧倒的な多さである 日本でも肺癌死亡は第 1 位であるが 米国の比ではない 2) 乳癌と前立腺癌は米国の死亡数が多く 日本の将来を暗示している 3) 膵臓癌 肝臓癌の死亡数は米 日とも比較的多い 4) 悪性リンパ腫の死亡は米国に多いが 日本では少ない 表 4 に日本の癌死亡数の多い順の第 7 位までの部位とそれに対応する米国の数値と日 米比を示す 死亡数の赤字は前年よりも増加している部位 青字は減少している部位をあらわす 死亡数比の赤字は日本が相対的に多い部位 (>0.43) 青字は少ない部位 (<0.43) を示す また 米国の死亡数の () 内の数字は日本の順位を示している 2

表 4: 部位別の癌死亡数 : 日 米比較日 / 米 0.43 部位 死亡数 ( 日 ) (2006)( 人 ) 死亡数 ( 米 ) 死亡数比日本 / 米国 全部位 336468 565650 0.59 1 肺 気管 65608 161840(1) 0.41 2 胃 50597 10880(14) 4.65 3 結腸 直腸 42172 49960(2) 0.84 4 肝臓 33599 18410(7) 1.83 5 膵臓 24634 34290(4) 0.72 6 胆のう 胆管 16841 3340(22) 5.04 7 食道 11669 14280(9) 0.82 注目される点は 1) 肺癌は日本でも 1 位であるが 米国に比べると相対的に少ない 2) 胃癌の死亡数が日本の方が圧倒的に多い 米国の死亡数は少ない 3) 胆のう 胆管癌では日本の死亡数が非常に多いが 米国は極めて少ない 5. 癌の部位別比較と考察本節では癌の部位別の日 米の比較を行い その意義を検討する 5.1) 全部位全部位の罹患数は米国が 143718 0 人 日本が 64159 4 人で 米 / 日比が 2.24 倍であり 人口比から見ると 日本の方が相対的に多くなっている 一方 死亡数は米国 56565 0 人 日本 336468 人で 米 / 日比が 1.68 倍で 相対的には日本の方が多い 罹患数に比して 死亡数は日本の方が多いことは注目すべきである 5.2) 肺癌肺癌は日 米とも最悪の癌である がん対策の中で最も緊急性の高い癌である とくに 米国では罹患数 21502 0 人で No.1 死亡数 16184 0 人で No.1 であり 死亡数は米国全癌の 29% を占め ダントツである その多さは驚異的である 一方 日本でも罹患数 7874 5 人で No.3 死亡数 6560 8 人で No.1 であり 日 米とも罹患数 死亡数が増加中である これは人口の高齢化の影響と考えられる その死亡を減らす対策として米国では禁煙対策が効果を上げつつあるが 依然として大量の肺癌死亡者が出ており 二次予防としての LSCT 検診の導入が不可欠であると考える 5.3) 胃癌日本の癌では最重要なものであり 罹患数 110323 人で No.1 死亡数 5059 7 人で肺癌に次ぐ No.2 であり 両者とも増加中である 一方 米国の胃癌は少なく罹患数 2150 0 人で No.11 死亡数 10880 人で No,14 である 胃癌は日米で最も違いの大きい癌である ただし 日本でも将来的には減少傾向にあると言われている 5.4) 前立腺癌前立腺癌は米国では非常に多い癌であり 罹患数 18632 0 人で No.2 死亡数 2866 0 人で No.5 である 一方 日本では罹患数 4006 2 人で No.6 死亡数 9786 人で No.6 である 前立腺癌は米日間で差が大きい癌の一つであるが 日本でも罹患数が急増中であり 将来が暗示され 心配である 5.5) 乳癌乳癌は米国で非常に多い癌であり 罹患数 18445 0 人で No.3 死亡数 4093 0で No.3 であり 重大な癌である 一方 日本では罹患数 4571 6 人で No.4 死亡数 1132 人で No.8 である とくに 罹患数で米日間の差があるが 日本でも急増中であり 将来が心配である 3

5.6) 結腸 直腸癌大腸癌は米国の罹患数 14881 0 人で No.4 死亡数 4996 0 人で No.2 である 日本でも罹患数 99770 人で No.2 死亡数 42172 人で No.3 であり 米日間で類似している癌であると言える しかし 相対的には罹患数 死亡数とも日本が多い また 米国では罹患数 死亡数とも減少傾向にあるが 日本では僅かではあるが 増加傾向にある点が注目される 今後の検討課題となろう 5.7) 肝臓癌肝臓癌は日本に多い癌の一つで 罹患数 42661 人で No.5 死亡数 33599 人で No.4 である 一方 米国では罹患数 2137 0 人で No.12 死亡数 18410 人で No.7 であり 比較的に少ない また 日本でも死亡数は減少しつつある 5.8) 膵臓癌膵臓癌は日米とも最も成績の悪い癌である 最大の難治癌であると言える 米国では罹患数 3768 0 人で No.8 死亡数は 34290 人で No.4 日本では罹患数が 2003 年において 22882 人で No.8 死亡数は 2007 年において 2463 4 人で No.5 と死亡数のほうが多くなっている 4 年の差で死亡数が罹患数を 上回るほど死亡率が高い癌であると言える 今後 日米とも治療成績の改善を目指して研究を進めなければならない 6. 部位別の 5 年生存率 - 米 日比較表 5 には部位別 5 年相対生存率の米日比較を示す 表 5:5 年相対生存率 : 米 日比較 ( 米国の死亡数の多い順 ) 部位 5 年相対生存率 5 年相対生存率 生存率 1996-2003(%)( 米 ) 1997-1999(%)( 日 ) 米国 / 日本 全部位 66 54.3 1.22 1 肺 気管 16(19) 25.6(18) 0.63 2 結腸 65(11) 68.9(9) 0.94 3 直腸 66(9) 65.2(10) 1.01 4 乳房 89(4) 85.5(3) 1.04 5 膵臓 5(21) 6.7(21) 0.75 6 前立腺 99(1) 75.5(7) 1.31 7 悪性リンパ腫 64(12) 49.9(14) 1.28 8 肝臓 11(20) 23.1(19) 0.48 米国で最も成績がよいのは前立腺癌であり 日本との差が大きい 悪性リンパ腫も成績がよい ( ) 内の数値は成績の順番を示す 膵臓癌が最悪である 次に 表 6 には日米の比較を示す 表 6:5 年相対生存率 : 日 米比較 ( 日本の死亡数の多い順 ) 部位 5 年相対生存率 5 年相対生存率 生存率 1997-1999(%)( 日 ) 1996-2003(%)( 米 ) 日本 / 米国 全部位 54.3 66 0.82 1 肺 気管 25.6(18) 16(19) 1.60 2 胃 62.1(11) 24(17) 2.59 3 結腸 68.9(9) 65(11) 1.06 4 直腸 65.2(10) 66(9) 0.99 5 肝臓 23.1(19) 11(20) 2.10 6 膵臓 6.7(21) 5(21) 1.34 7 胆のう 胆管 20.2(20) - - 8 食道 31.6(17) 16(19) 1.98 4

日本に多い胃癌の成績が米国に比べて非常によいことがわかる 肝臓と食道の成績も日本が良好である () 内の数値は成績のよい順番を示す 7. 部位別 5 年生存率の比較 - 考察本節では 部位別に日米の 5 年生存率を比較しながら 今後の動向を見てみよう 7.1)5 年生存率のよい部位米国では前立腺が 99% で No1 甲状腺が 97% で No.2 精巣が 96% で No.3 悪性黒色腫が 96% で No.4 乳癌が 89% で No.5 となっている それに対し 日本は甲状腺が 92.4% で No.1 精巣が 92.0% で No.2 乳癌が 85.5% で No.3 子宮体部が 76.8% で No.4 膀胱が 76.5% で No.5 となっている 前立腺は米国の成績が非常によいが 日本は 75.5% で No.7 である 乳癌 甲状腺や精巣は日 米とも良好である 7.2)5 年生存率の悪い部位これは日 米とも完全に共通である 最悪は膵臓癌で米国が 5% 日本が 6.7% で いずれも No.21 である 以下 肝臓癌が米国 11% No.20 日本 23.1% No19 肺癌が米国 16% No.19 日本が 25.6% No.18 食道癌が米国 16% No.19 日本が 31.6% No.16 である 一方 胃癌は米国では 24% で No.17 と悪いが 日本では 62.1% で No.11 であり それほど悪くないのが特徴的である いずれにしても難治癌は日 米共通であり 今後の研究課題である 7.3) 日 米で 5 年生存率に差がある部位日 米間で 5 年生存率に大きな差がある部位が存在する 日本の成績がよい部位は胃と肝臓である 胃は日本 62.1% に対し 米国 24% であり 肝臓は日本 23% に対し 米国 11% である 一方 米国の成績のよい部位は前立腺と悪性リンパ腫で 前立腺は米国 99% 日本 75.5% 悪性リンパ腫は米国 64% 日本 50% である 原因はよく判らないが 今後の検討課題である 8. 今後の展望日本と米国の癌の罹患数 死亡数と 5 年生存率を比較すると これからの日本のがん対策に影響するいくつかのポイントが挙げられる (1) 肺癌が日 米とも最悪の癌であり とくに米国の死亡数は群を抜いている 日本が将来 このようにならないように筆者は禁煙対策とともに LSCT 検診の普及を強く期待したい (2) 膵臓癌 肝臓癌 食道癌は日 米ともに 難治癌の代表格であり 肺癌とともに その死亡数を減らすために研究が世界的に必要である (3) 前立腺癌と乳癌は米国で罹患数が非常に多い癌であるが 日本もその後を追っているようである これに対する対策も重要である (4) 胃癌は日本で多い癌の最大のものである 将来は減少の可能性を示しているが 依然として日本にとっては重篤な癌であることに間違いない 以上のことから 癌死亡減少のために最も現実的な対策は一次予防と二次予防を車の両輪のごとく 回転させる以外にないと思われる すなわち 前者は禁煙と生活習慣の改善 後者は各種の癌検診の普及であると確信する 文献 1)AmericanSocietyofClinicalOncology(ASCO) 特別報告 2008 JCli noncol2009;27:812-826 (Feb102009) 2) がんの統計編集委員会 : がんの統計 09 がん研究振興財団平成 21 年 10 月 3) 厚生統計協会編 : 国民衛生の動向 2008 年.p.415 第 19 表人口 出生 死亡 乳児死亡の国際比較 5