26 回カテーテルアブレーション委員会公開研究会述抄録第 O23 心尖部瘤の心外膜側アブレーションが奏功した中部閉 塞性肥大型心筋症に伴う心室頻拍の 例 水谷吉晶, 因田恭也, 伊藤唯宏, 長尾知行, 奥村諭, 加藤寛之, 柳澤哲, 山本寿彦, 石川真司, 吉田直樹, 平井真理 2, 室原豊明 名古

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A B V1 Ⅱ Ⅲ 45 V1 Ⅱ V3 Ⅲ V3 avr V4 avr avl avl V4 V5 V5 V6 V6 図 1 体表面12誘導心電図 A 発作時 心拍数220bpm 右軸偏位のregularなwide QRS頻拍を認めた B 非発作時 ベラパミル投与後 洞調律に服した 心拍数112

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1. 期外収縮 正常なリズムより早いタイミングで心収縮が起きる場合を期外収縮と呼び期外収縮の発生場所によって 心房性期外収縮と心室性期外収縮があります 期外収縮は最も発生頻度の高い不整脈で わずかな期外収縮は多くの健康な人でも発生します また 年齢とともに発生頻度が高くなり 小学生でもみられる事もあ

Clinical Training 2007

Ⅰ-A ICD 頻回作動した Brugada 症候群に対して Quinidine で VF 抑制に著効した一例 京都大学医学部附属病院循環器内科 八幡光彦 早野護 加藤義紘 土井孝浩 静田聡 症例は 36 歳男性 父親が 34 歳で睡眠中に突然死されている患者で, 夜間から早朝にかけて の睡眠中の下

頻拍性不整脈 tachyarrhythmias 速く異常な電気興奮が頻拍性不整脈の原因となります. 様々な種類の頻拍性不整脈を鑑別する上で 12 誘導心電図が有用です. その原因の発生部位により以下のように分類されます. 心室性頻拍 : 心室内に頻拍の発生源が存在. 心室頻拍 心室細動 上室性頻拍

1 正常洞調律 ;NSR(Normal Sinus Rhythm) 最初は正常洞調律です P 波があり R-R 間隔が正常で心拍数は 60~100 回 / 分 モニター心電図ではわかりにくいのですが P-Q 時間は 0.2 秒以内 QRS 群は 0.1 秒以内 ST 部分は基線に戻っています 2 S

37表紙

AT Termination

心臓 ol.42 SUPPL メインテートÑ ワソランÑ タンボコールÑ 21 メインテートÑ アーチストÑ ヘルベッサーÑ メインテートÑ ワソランÑ ベプリコールÑ サンリズムÑ シベノールÑ プロノンÑ ピメノールÑ 2001年 2009年 1st session 心房中隔起源P

を示しています これを 2:1 房室ブロックと言います 設問 3 正解 :1 ブルガダ型心電図正解率 96% この心電図の所見は 心拍数 56/ 分 P-P 間隔 R-R 間隔一定の洞調律 電気軸正常です 異常 Q 波は認めません ST 部分をみると特に V1 V2 誘導で正常では基線上にあるべき

心房細動1章[ ].indd

恒久型ペースメーカー椊え込み術

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Ⅰ-A 三尖弁輪峡部のブロックライン作成中に頻拍様式が変化し 右心房側壁の切開線 を同定して治療し得た開心術後心房頻拍の 1 例 国立病院機構京都医療センター循環器内科 (1) 臨床工学科 (2) 安珍守 (1) 柳澤雅美 (2) 中村健志 (2) 小川尚 (1) 赤尾昌治 (1) 背景 Super

カテーテルアブレーション治療のご説明

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カテーテルアブレーション関連秋季大会 205 CP3 部分肺静脈還流異常を伴った心房細動の一例 下條将史, 淡路喜史, 石原敏和, 風間信吾, 岩田悦男, 近藤清乃, 岩川直樹, 青山盛彦, 谷村大輔, 加藤俊昭, 佐野宏明, 加藤林也 名古屋掖済会病院循環器内科 症例は 68 歳男性 数か月前より

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心電図読解入門

Ⅰ-A His 束近傍起源の PVC 非持続性 VT に対してカテーテルアブレーションを行った 3 症例 高清会高井病院 循環器科 夏山謙次 山口和重 篠原昇一 上田一也山崎雅裕 佐々木靖之 久我由紀子 辻本充吉田尚弘 浅輪浩一郎 木戸淳道 西田育功 臨床工学技師 山口千晶 古賀和也 小川聡 His

循環器 Cardiology 年月日時限担当者担当科講義主題 平成 23 年 6 月 6 日 ( 月 ) 2 限目 (10:40 12:10) 平成 23 年 6 月 17 日 ( 金 ) 2 限目 (10:40 12:10) 平成 23 年 6 月 20 日 ( 月 ) 2 限目 (10:40 1

超音波セミナー「症例から学ぶ」 ~こんな技術・知識が役立った!!検査から報告書作成まで~ 心臓領域

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症例報告 12 誘導ホルターにて心室細動および植込み型除細動 器の作動を観察しえた症例におけるアブレーション治 療効果の評価と発症機序の考察 心室期外収縮の連結 期 先行 RR 時間の解析を通して 丸山 清水 恵理 1) 力 1) 佐藤 実 2) 小松 博史 3) 澁谷 斉 1) 1) 北海道大学病

35表紙

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心電図がキライな理由 胸部誘導の肋間がわかりにくい 電極の付け間違いをしていないか不安 結果を聞かれるのがイヤ 患者が女性だと ちょっと 難解な用語ばかり AF? AFL? VT? VF? PSVT? SPVC? PVC? VPC? APC? あぁぁー??? 2

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心電図判読講座  ~第一回 肥大・拡大~

第18回阪神アブレーション電気生理研究会

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ストラクチャークラブ ジャパン COI 開示 発表者名 : 高木祐介 演題発表に関連し, 開示すべき COI 関係にある 企業などはありません.

セッション 座長横山泰廣 ( 聖路加国際病院循環器内科 ) Chaired Poster Session 古荘浩司 ( 金沢大学附属病院循環器内科 ) PVC/VT-idiopathic 3/OHD CP03 CP04 CP05 CP06 CP07 CP08 CP09 CP0 Verapamil 投

埼玉医科大学電子シラバス

第4回平岡不整脈研究会 プログラム

口述抄録発作性心房細動に対するクライオバルーンアブレー カテーテルアブレーション関連秋季大会 205 OS3 心房細動アブレーション中に冠攣縮による左右冠動脈 同時閉塞を来し心肺停止に陥った 症例 中村俊博, 麻生明見 国立病院機構九州医療センター循環器内科 症例は 5X 歳, 男性 発作性心房細動

概要 214 心室中隔欠損を伴う肺動脈閉鎖症 215 ファロー四徴症 216 両大血管右室起始症 1. 概要ファロー四徴症類縁疾患とは ファロー四徴症に類似の血行動態をとる疾患群であり ファロー四徴症 心室中隔欠損を伴う肺動脈閉鎖 両大血管右室起始症が含まれる 心室中隔欠損を伴う肺動脈閉鎖症は ファ

第 3 節心筋梗塞等の心血管疾患 , % % % %

第 26 回 カテーテルアブレーション 委 員 会 公 開 研 究 会 CP3 新 たに 出 現 した 室 房 伝 導 路 の 診 断 にペーシング 周 期 の 異 なるpara Hisian pacingが 有 用 であった 例 金 山 純 二, 野 田 崇, 木 村 義 隆, 丸 山 将 広,

98 心臓 Vol.47 SUPPL.1 (2015) 第 27 回心臓性急死研究会 重症不整脈に難渋した急性心筋梗塞の 1 例 山田桂嗣 櫻木 悟 市川啓之 谷本匡史 三木崇史 大塚寛昭 山本和彦 川本健治 田中屋真智子 片山祐介 抄録症例は 50 歳代女性.2013 年 10 月下旬, 胸痛を主

心臓血管外科カリキュラム Ⅰ. 目的と特徴心臓血管外科は心臓 大血管及び末梢血管など循環器系疾患の外科的治療を行う診療科です 循環器は全身の酸素 栄養供給に欠くべからざるシステムであり 生体の恒常性維持において 非常に重要な役割をはたしています その異常は生命にとって致命的な状態となり 様々な疾患


心電図検査 設問 歳 女性 右胸心の 12 誘導心電図を図 1 に示す 正しいものはどれか a. I 誘導で P 波 QRS 波 T 波は陰性である b. avr 誘導で T 波は陽性である c. 胸部誘導 V1~V6 のすべてで R/S>1 である d. 広範囲な前壁中隔心筋梗塞を疑う

P. 1 P9. Introducer P10. ) ) 2 P11. 1 P12. polytetrafluoroethylene 1 P13. P14. P15. 1 P16. twiddler syndrome 1 P1. h 141

口述抄録アブレーションカテーテルの単極誘導電位におけるノ カテーテルアブレーション関連秋季大会 2015 CO-O1 心室性不整脈に対する PaSo TM の新しい使用方法 一柳宏 1, 因田恭也 2, 佐藤有紀 1, 服部哲斎 1, 吉田直樹 2, 相木一輝 1, 西本暁彦 1, 藤掛祐美 1,

生理検査部門 ( 日 ) 富山市民病院検査科浅井泰代

胸痛の鑑別診断持続時間である程度の鑑別ができる 数秒から1 分期外収縮筋 骨格系の痛み 心因性 30 分以内 狭心症食道痙攣 逆流性食道炎 30 分以上 急性心筋梗塞 解離性大動脈瘤 肺塞栓症 急性心膜炎自然気胸 胸膜炎胃 十二指腸潰瘍 胆嚢炎 胆石症帯状疱疹 急性心筋梗塞の心電図変化 R P T

72 心臓 Vol.48 SUPPL CHS NASA 図1 初診時 Holter 心電図 単形性心室頻拍(VT)を認めた VT の頻拍周期は開始時 80 分(左)から 205 分(右)へ加 速を認め 40 秒持続した後に停止した 図2 Ⅰ V1 Ⅱ V2 Ⅲ V3 avr V4 av

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203 3D スペックルトラッキング解析値の検討 木村尚貴 1) 正木友二 1) 山元政志 1) 秋鹿典子 1) 的場友里恵 1) 野田千恵子 1) 長友昌志 1) 柿本裕一 1) 独立行政法人労働者健康福祉機構大阪労災病院 1) はじめに スペックルトラッキング法は組織の動きを解析する手法の一つで

第18回阪神アブレーション電気生理研究会

CCU で扱っている疾患としては 心筋梗塞を含む冠動脈疾患 重症心不全 致死性不整脈 大動脈疾患 肺血栓塞栓症 劇症型心筋炎など あらゆる循環器救急疾患に 24 時間対応できる体制を整えており 内訳としては ( 図 2) に示すように心筋梗塞を含む冠動脈疾患 急性大動脈解離を含む血管疾患 心不全など

セッション 座長熊谷浩司 ( 群馬県立心臓血管センター循環器内科 ) Chaired Poster Session 寺田健 ( 秋田県立脳血管研究センター循環器診療部 ) VT/PVC CP0 CP CP2 CP3 CP4 CP5 CP6 CP7 CP8 aorto-mitral continuit

研究協力施設における検討例 病理解剖症例 80 代男性 東京逓信病院症例 1 検討の概要ルギローシスとして矛盾しない ( 図 1) 臨床診断 慢性壊死性肺アスペルギルス症 臨床経過概要 30 年前より糖尿病で当院通院 12 年前に狭心症で CABG 施行 2 年前にも肺炎で入院したが 1 年前に慢性

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P69 Simultaneous map 機能を用いて,sustained VT ablationの際にvoltage mapとpvc mappingを行い,pvcのfocusを特定し良好な結果が得られた2 例 堀 裕一, 中原志朗, 塚田直史, 岡野亜紀子, 虎渓則孝, 久内 格, 酒井 良彦 獨

心房細動の機序と疫学を知が, そもそもなぜ心房細動が出るようになるかの機序はさらに知見が不足している. 心房細動の発症頻度は明らかに年齢依存性を呈している上, 多くの研究で心房線維化との関連が示唆されている 2,3). 高率に心房細動を自然発症する実験モデル, 特に人間の lone AF に相当する

症例報告書の記入における注意点 1 必須ではない項目 データ 斜線を引くこと 未取得 / 未測定の項目 2 血圧平均値 小数点以下は切り捨てとする 3 治験薬服薬状況 前回来院 今回来院までの服薬状況を記載する服薬無しの場合は 1 日投与量を 0 錠 とし 0 錠となった日付を特定すること < 演習

症例 Brugada 症候群を含む特発性心室細動症例に対するカテーテルアブレーションについて Purkinje 線維起源の心室期外収縮を契機とした特発性心室細動に対しアブレーションが奏功した若年男性の 1 例 河合俊輔向井靖高瀬進坂本和生井上修二朗樗木晶子大井啓司砂川賢二 症例は 35 歳男性. 自

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日本内科学会雑誌第106巻第2号

第6章 循環器系

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Transcription:

O2 心外膜側に存在する心室頻拍回路の推定に前室間静脈 遠位部からのエントレインメントが有用であった拡張 型心筋症の 例 篠田康俊, 五十嵐都, 黒木健志, 町野毅, 油井慶晃, 小川孝二郎, 蔡榮鴻, 深田光敬, タリブアハメド, 関口幸夫, 野上昭彦, 青沼和隆 筑波大学医学医療系循環器内科 症例 拡張型心筋症の 56 歳, 女性 心室頻拍 (VT) による CRTD 頻回作動のため入院となった VT は右脚ブロック型, 下方軸,2bpm であり, 高周波カテーテルアブレーションが行われた 心内膜側に低電位領域 (LVA) は認められなかった VT 中には前室間静脈 (AIVV) 遠位部が最早期興奮部位であり, 同部位から entrainment pacing を施行すると concealed entrainment が得られた AIVV 遠位部をはさむように左室側, 右室側の心内膜側から通電 (irrigation catheter, 最大 40W) するも,VT は完全には抑制されなかった ヶ月後に再度 VT storm となり, 再度アブレーション を行った 心外膜側からマッピングを行ったところ, 広範囲に癒着しており, カテーテル操作に難渋したため Agilis シースを用いた 心外膜側の voltage mapping では, 前回心内膜側焼灼部位の対側に心室中隔をはさむように 2 つの LVA を認め, その間を共通路として 8 の字形に旋回する VT 回路が判明した 共通路内では VT 中に mid diastolic potential(mdp) が記録され, 同部位での pacemap は良好であった ( 刺激 -QRS 時間 80ms) 同部位への通電開始後.5 秒で VT は停止した その後 LVA 間峡部に線状焼灼を行い VT は誘発不能となった 以後 7 ヶ月の経過で,VT 再発を認めていない 結語 AIVV 遠位部の電位が心室頻拍の回路の推定に有用であり, 心外膜起源の難治性心室頻拍のアブレーションに成功した O22 心室頻拍に対する心外膜アプローチでのマッピングアブレーションとコンタクトフォースの検討 北村健, 深水誠二, 吉田精孝, 河村岩成, 中田晃裕, 森山勇一, 荒井研, 宮澤聡, 貝原俊樹, 麻喜幹博, 名内雅宏, 福岡裕人, 青山祐也, 北條林太郎, 小宮山浩大, 手島保, 西㟢光弘 2, 櫻田春水 3 4, 平岡昌和 東京都立広尾病院循環器科, 2 横浜南共済病院循環器内科, 3 東京都立保健医療公社大久保病院循環器内科, 4 取手北相馬医師会病院 心外膜アプローチによりマッピング / アブレーションを施行した心室頻拍 (VT) 症例でコンタクトフォース (CF) を評価した 3 症例を経験したため報告する 3 症例はいずれも器質的心疾患を有し, 心内膜アプローチでのアブレーション後に VT が再発し ICD 適切作動をきたした症例だった 剣状突起下アプローチで心外膜腔にアプローチした 3.5mm のイリゲーションカテーテル (Thermocool Smarttouch,Biosense-Webstar) を使用した 症例 は 59 歳男性 不整脈源性右室心筋症 (ARVC) の患者で心外膜側の voltage map は右室 心外膜が全体的に低電位領域となっており, 心外膜側右室下壁を中心に substrate modification を加えた 症例 2 は 60 歳男性 原因不明の低心機能患者で右室下壁, 左室後側壁に低電位領域を認め, 心外膜側右室下壁を中心に substrate modification を加えた 症例 3 は心サルコイドーシスの 73 歳女性 心外膜アプローチで心外膜の voltage map を行ったが低電位領域は認められなかった Voltage map 作成時の 3 症例での総ポイント数は 662 ポイントで平均 220±42.5 ポイントだった 平均 CF 値は 0.4±9.5g だった 心外膜アプローチで CF を用いてマッピング / アブレーションを行った 3 症例を経験したため考察を含め報告する 66

26 回カテーテルアブレーション委員会公開研究会述抄録第 O23 心尖部瘤の心外膜側アブレーションが奏功した中部閉 塞性肥大型心筋症に伴う心室頻拍の 例 水谷吉晶, 因田恭也, 伊藤唯宏, 長尾知行, 奥村諭, 加藤寛之, 柳澤哲, 山本寿彦, 石川真司, 吉田直樹, 平井真理 2, 室原豊明 名古屋大学医学部付属病院循環器内科, 2 名古屋大学 医学部保健学科 症例は 83 歳男性 中部閉塞性肥大型心筋症の既往があり,EF=23% と低心機能 電気的除細動を要する心室頻拍 (VT) を認め CRT-D 移植術を施行したが, その後 VT による頻回のショック作動があり, 心内膜側からのカテーテルアブレーションとなった VT は単形性で左脚ブロック型, 上方軸 左室心尖部瘤を合併しており,voltage map では心尖部瘤が low voltage area(lva) であった しかし, 心内膜側には VT の QRS に先行する電位は認めず, 心外膜側からのアプローチとした 心尖部心外膜側は LVA であり, 洞調律中に isolated delayed potentials を認めた clinical O24 開胸下 cryoablationにより electrical stormがコントロールされた拡張型心筋症の 例 : 心室頻拍 ablationにおける心外膜アプローチの限界 堀内大輔, 木村正臣 2, 金城貴彦 2, 伊藤太平 2, 佐々木憲一 2, 佐々木真吾 2, 奥村謙 弘前大学大学院医学研究科不整脈先進治療学講座, 2 弘前大学大学院医学研究科循環呼吸腎臓内科学講座 症例は拡張型心筋症合併の持続性心室頻拍 (VT) に対して ICD が植込まれた 64 歳男性 治療抵抗性 VT storm に心内膜側から高周波アブレーション (CA) を施行した 下方軸 + 右脚ブロック型の VT, 上方軸 + 右脚ブロック型の VT2 を認め,VT の activation map が作成可能であった 左室基部前側壁に異常低電位を認め, 最早期興奮部位の電位は QRS 起始部に一致するのみで, 通電は無効, 多形性 VT に移行した 心外膜側起源が疑われたため, 後日, 心外膜アプローチによる CA を行った VT の activation map で,QRS より 82msec 先行する分裂電位を認め,concealed VT は容易に誘発され,VT 中の血行動態は安定していた 瘤の下壁側最早期興奮部位にて concealed entrainment が得られ,St-QRS=MDP-QRS を認め PPI も一致した 同部位が critical isthmus の micro-reentrant VT と判断し通電 VT は 2.5 秒で停止し, 誘発不能となった その後はショック作動も無く経過良好である 心尖部瘤の心外膜側アブレーションが奏功した中部閉塞性肥大型心筋症に伴う心室頻拍を経験したので報告する entrainment が確認され, 同部位への通電中に VT は停止した 遅延電位部にも追加通電を行い, 一旦は誘発不能となった しかし翌日再発し, 開胸下に cryoablation を施行した 心外膜側 CA 部には脂肪組織の限局的欠損を認めるのみで, 心筋への CA は不十分であった VT の activation mapping で起源は脂肪組織下に同定され, 脂肪組織を剥離, 直接心筋に対する cryoablation により VT はすべて誘発不能となった 術後の電気生理検査では 3~4 連発の非持続性 VT と nonclinical VT が誘発され, 心内膜異常電位部に広範囲に CA を追加した その後,VT 再発はなく, 退院となった 経皮的心外膜アプローチの限界と開胸下 cryoablation の有用性が示された 口67

O25 拡張相肥大型心筋症症例の心室頻拍ストームに対する 心外膜 心内膜両アプローチによるカテーテルアブレー ションの病理的考察 中島健三郎, 宮本康二, 野田崇, 松山高明 2, 木村義隆, 丸山将広, 三嶋剛, 金山純一, 鎌倉令, 廣瀬紗也子, 上島彩子, 和田暢, 中島育太郎, 石橋耕平, 岡村英夫, 相庭武司, 鎌倉史郎, 植田初江 2, 草野研吾 国立循環器病研究センター心臓血管内科部門不整脈 科, 2 国立循環器病研究センター臨床検査部臨床病理科 行った 心臓は心外膜の脂肪沈着が多く, 通電による心筋壊死は心内膜側からは最深部で 4-6mm ( 点線 ) まで達していたが, 心外膜側からはそれより浅く, 心外膜脂肪を越えて心筋が焼灼された部分は -2mm であった ( 実線 ) 心外膜側からのアプローチが必要であった VT 症例の病理学的報告は少なく, 文献的考察を含めて報告する 症例は 73 歳男性 67 歳時に拡張相肥大型心筋症と診断 以後, 心不全増悪を繰り返し, 維持透析もされていた 70 歳時に CRT-D を留置 3 年後に心室頻拍 (VT) ストームとなった 薬物治療では VT の抑制は不十分で, 心内膜および心外膜からのアプローチにてカテーテルアブレーションを行った 左室心尖部側壁を中心とした両方向からの通電で,clinical VT は消失したが, 異なる形態の VT が出現 薬物治療の調節でこの VT は抑制されたが, 感染を契機に心不全が増悪し, アブレーションから約 か月半後に死亡 病理解剖を O26 難治性心室頻拍に対し心内膜 心外膜アブレーションおよびバイポーラアブレーションを施行した肥大型心筋症の 例 川上大志, 永井啓行, 藤井昭, 中川裕彦, 飯尾千春子, 藤本香織, 河野珠美, 上谷晃由, 西村和久, 井上勝次, 鈴木純, 大木元明義, 大蔵隆文, 里見和浩 2, 檜垣實男 愛媛大学大学院循環器 呼吸器 腎高血圧内科学講座, 2 東京医科大学八王子医療センター循環器内科 症例は 48 歳男性 肥大型心筋症で他院通院中に心室頻拍 (VT)storm を生じ, アブレーション目的で紹介された VT は左脚ブロック型, 北西軸, 頻拍周期 656ms であり, 心臓電気生理検査で manifest entrainment を認めるリエントリー性 VT であった VT 中に両心室の心内膜 activation map を作成したところ, 心尖部中隔に最早期興奮部位を認める巣状興奮パターンを呈した しかし, 右室 左室ともに最早期局所電位の先行度は不良であり, 心内膜からの通電では VT は一過性に停止するも再発持続した 3D マップ上の両心室間通電距離は 7mm と離れており, 肥大した中 隔起源を疑わせる所見であった そこでセカンドセッションでバイポーラアブレーションを施行した 左右の心室にアブレーションカテーテルを挿入し, 心尖部中隔の最早期興奮部位を挟み込み通電を施行したが VT は停止しなかった そのため, 心窩部アプローチによる心外膜アブレーションを行った 心外膜には左室前側壁の広範囲に低電位領域を認め, 同領域中央に必須緩徐伝導路を同定でき, 同部位への通電で VT は停止した 同 VT の回路は肥大した中隔および心外膜に存在していたと推測された 肥大型心筋症に発症した同一 VT に対し,3 種類のアブレーション方法を検討し得た貴重な症例であり報告する 68

26 回カテーテルアブレーション委員会公開研究会述抄録第 O27 左室心内膜, 心外膜側の SURF(simultaneous unipolar RF 通電 ) が有効であった拡張型心筋症に合併する心室 頻拍の 例 今井元, 小川恭弘, 許聖服, 根岸陽輔, 村瀬陽介, 尾竹範朗, 沢田博章, 荒尾嘉人, 川口克廣 2, 副島京子 小牧市民病院循環器内科, 2 杏林大学医学部付属病院 循環器内科 器質的心疾患に伴う心室頻拍 (VT) は, しばしば心外膜側や心筋中層にリエントリーが存在するため, 心内膜側, 心外膜アブレーションに加えて,bipolar ablation の有効性が報告されている しかし bipolar ablation では焼灼する一側しか抵抗や温度が測定できないため,pop, 血栓などの合併症を十分に予防することができないのが欠点である 症例は 60 歳代男性で 998 年より拡張型心筋症と VT で他院経過観察中であった 203 年春より持続性 VT( 右脚ブロック 下方軸 右軸変位 ) が出現するようになり入院され, 当院へ紹介され 5 月に st session を行った 左室後側壁基部寄に O28 心室筋深層起源の心室頻拍に対して bi-polar ablation が有用であった 例 福沢公二, 吉田明弘, 小西弘樹 2, 中西智之 2, 山下宗一郎 2, 松本晃典 2, 市掘博俊 2, 兵庫聖大 2, 今田宙士 2 2, 平田健一 神戸大学大学院医学研究科内科学講座循環器内科学分野不整脈先端治療学部門, 2 神戸大学大学院医学研究科内科学講座循環器内科学分野 症例 肺サルコイドーシスと糖尿病既往のある 40 代男性 動悸を主訴に近医受診, 断続的に心拍数 30/ 分前後の多源性心室頻拍 (VT) を認め, 精査加療目的に当院転院となった VT は第 3 群薬,β ブロッカー, ステロイド不応性のため ablation を行った ( st session, 心内膜マッピング ) 最も高頻度に出現する VT は右室心尖部横隔面を最早期とする focal pattern であった 同部位への通電で VT は停止したが, 通電終了後 VT は再発を繰り返した 後日, 心外膜マッピングを行った (2 nd session) 心内膜最早期部位の心外膜側も focal pattern であった 心外膜からの通電効果も一過 低電位かつ拡張期電位の領域 (.3cm 2 ) を認め, 同部を通電して VT は持続しなくなった しかしほぼ同型の VT 再発を認め同年 7 月に ICD を移植し, 内服変更したが頻回作動あるため同年 2 月に 2nd session を行った 心内膜および心外膜側よりアプローチし後側壁基部寄りの心外膜側に広範に低電位領域 (3.8cm 2 ) を認め, その一部で拡張期電位を認めた 同部を通電したものの VT は抑制されなかった このため両側同時に unipolar で通電したところ心室頻拍が誘発できなくなった 同時に unipolar 通電を行うことでより深部への焼灼が可能であったと考えられる 性であり,VT は心筋深層起源と判断した 右室横隔面最早期部位の内膜 外膜側に irrigation カテーテルを配し ( 図参照 ), カスタムメイドシステムを用いて bi-polar 通電を行い, 同 VT は抑制された 結語 近年, 心筋深層や中隔起源 VT に対する bi-polar ablation の有効性に関する報告が散見される 症例提示と若干の実験 文献的考察を加え報告する 口69

O29 左室緻密化障害に合併した polymorphic VT stormに 対してシベンゾリン静注と Purkinje 電位を指標とした アブレーションが有効であった 例 花木裕一, 安西耕, 小松雄樹, 成瀬代士久, 小和瀬晋弥, 黒崎健司 2, 野上昭彦 横浜労災病院不整脈科, 2 筑波大学医学医療系循環器 内科 53 歳女性 意識消失を伴う polymorphic VT (PVT, 平均周期 90ms)storm に対してカテーテルアブレーション (RFCA) を施行した QT 間隔は正常で, 心エコーで左室緻密化障害を認めた PVT のトリガーとなる心室性期外収縮 (VPC) の連結期は 290-320ms と短く, はじめの数拍は常に同一であった VPC 数は 73/day と少なかったが, トリガー VPC は高率に PVT に移行した 左室内に低電位領域はなく, 手技開始時に VPC は認められず, 頻回刺激 プログラム刺激による誘発性もなかった 左脚後枝領域にカテーテルを留置すると,Purkinje 電位記録部位において QRS onset から 70ms 遅れた delayed Purkinje 電位 (DP) を認めた 刺激出力や連結期を変えてペーシングすると, 刺激 -QRS 間隔の変化とともに QRS 波形が変化し, それに伴い DP が出現したり消失したりする所見が観察された また,DP は刺激周期の短縮により Wenckebach block を示した シベンゾリン 70mg を静注したところ,DP は QRS からさらに遅延した それとともに VPC が spontaneous に出現するようになり, 心房頻回刺激による PVT の誘発も可能となった 後枝領域に認めた DP 部位を中心に Purkinje 電位を指標とした RFCA を施行し, 最終的には PVT の非誘発性を確認し手技を終了した 術後は周期 550ms の非持続性単形性 VT を一過性に認めたが慢性期には消失した その後抗不整脈薬なしに VT の再発を認めていない O30 左脚後枝領域 Purkinje network 起源のVF triggerと心外膜起源 VT へのアブレーションにより VT/VF storm から脱却し得た左室緻密化障害の 例 金城貴士, 鈴木均, 野寺穣, 上岡正志, 神山美之, 国井浩行, 竹石恭知, 福田浩二 2, 下川宏明 2, 関口幸夫 3, 野上昭彦 3 3, 青沼和隆 福島県立医科大学循環器 血液内科学講座, 2 東北大学大学院循環器内科学, 3 筑波大学医学医療系循環器内科 症例は 20 歳代女性 VF から心肺停止に至り, 左室緻密化障害と診断され ICD およびアミオダロンが導入された その後も VT/VF storm にて PCPS を要した既往がある 204 年 2 月 ICD 作動にて当院受診 多源性 VPC を認め,ICD 記録で VF への作動が確認された その後多形性 単形性 VT および VF が出現し,PCPS 導入にて VT/VF は抑制された PCPS 離脱試みるも VT/VF storm となり, 第 5 病日にアブレーション (CA) を施行した 左室心尖部後側壁に瘤形成を認めたが心内膜側に低電位領域を認めず,clinical VT の pace map を指標に焼灼を行い終了した 第 7 病日 PCPS 離脱したが再度 VT/VF storm となり,PCPS 再導入し 2nd session を施行した 左室瘤心尖部中隔境界部に隣接する, 左脚後枝および後乳頭筋基部で, カテ刺激により容易に多形性 VT および VF が誘発された Purkinje network からの trigger の可能性を疑い, 同領域への焼灼にて, 多形性 VT および VF は誘発不能となった その後, 右脚ブロック型 下方軸の単形性 VT が誘発された 心室瘤心外膜側に低電位領域を認め,VT 中に低電位領域基部側境界部に diastolic fragmented potential を伴う緩徐伝導部位が同定され, 同部位への焼灼により VT は停止した 術後一過性の多形性 VT が出現するも時間経過とともに収束し, 退院となった Purkinje network 起源の VF trigger と心外膜側起源 VT への CA で,VT/VF storm を脱却し得た左室緻密化障害の 例を経験した 70

26 回カテーテルアブレーション委員会公開研究会述抄録第 O3 動脈弁上における small prepotential 記録部位でペーシ ング delay を伴う perfect pace mapping の所見が得られ た流出路心室期外収縮の 2 例 金地嘉久, 蜂谷仁, 岩澤仁, 臼井英祐, 市原登, 高木崇光, 黒井章央, 中村浩章, 宮崎晋介, 谷口宏史, 家坂義人 土浦協同病院循環器センター内科 症例 は 39 歳男性 心電図で左脚ブロック型下方軸,I 誘導 R S R, 移行帯 V 2-V 3 の VPC を認めた 右室流出路において activation mapping を施行したが, 局所電位先行度は 54ms にとどまり poor pace mapping の所見であった 大動脈弁右冠尖における詳細な mapping によって QRS 開始点から 70ms 先行する小さな discrete prepotential を確認した 症例 2 は 48 歳男性 左脚ブロック型下方軸,I 誘導 RSR, 移行帯 V3-V4 の VPC を認めた 右室流出路前中隔から中中隔にかけて good pace mapping と VPC 時 QRS 開始点から 52ms 先行する局所電位を認めた 同部では通電中のみの O32 右室流出路に至るpreferential conductionを有した肺動脈起源心室性期外収縮の 例 村本容崇, 鈴木篤, 樋口晃司, 檮木優哉, 松本彩和, 笠野健介, 立花恵子, 大西隆行, 小林一士, 大西祐子, 梅澤滋男, 丹羽明博, 山内康照 2 3, 平尾見三 平塚共済病院循環器科, 2 武蔵野赤十字病院循環器科, 3 東京医科歯科大学医学部附属病院不整脈センター 症例は 60 歳男性 検診で心室性期外収縮 (PVC) を指摘された 2 誘導心電図で PVC は左脚ブロック型, 下方軸で,I 誘導陽性であった また R/S 移行帯は V4 で,II III avf 誘導の R 波高は 0.92mV,0.76mV,0.85mV であった ホルター心電図では 23,865 回 / 日の PVC を認めた 電気生理学的検査では, 右室流出路 (RVOT) の後壁側において局所電位が QRS より 32ms 先行し, 同部位で perfect pacemap が得られ, 刺激から QRS までの時間 (St-QRS) は 40ms であった 同部位で通電を行ったが PVC は消失しなかった このため肺動脈内のマッピングを行ったところ, 前壁の極 VPC 消失にとどまった 肺動脈弁上方で mapping を行ったところ,QRS 開始点に 58ms 先行する prepotential を認めた 動脈弁上において良好な早期性を示す small prepotential を見出し S-QRS は局所電位の早期性と一致した 同部における pace mapping は perfect であり, アブレーションに成功した 2 例を経験した 大動脈弁上 / 肺動脈弁上における small prepotential を記録するための詳細な mapping が不可欠であった めて限局された部位のみに電位を認めた 同部位で QRS より 62ms 先行する最早期興奮を認め,perfect pacemap が得られ, さらに St-QRS は 6ms であった 同部位での焼灼を行ったところ, 通電直後より PVC は消失し, 以後全くみられなくなった 本症例で RVOT 後壁側, 肺動脈内の 2 ヵ所で perfect pacemap が得られたが, 成功部位である肺動脈内からのペーシングで St-QRS が延長しており, また,3D マッピング上では初回に通電を行った RVOT 後壁側から肺動脈内成功部位までの距離は 20mm 以上と考えられることから,PVC は肺動脈内に起源を有し,preferential conduction pathway を介して RVOT 後壁側に exit を有していた可能性が示唆された 右室流出路で perfect pacemap が得られても根治に至らない症例では, 肺動脈内まで含め最早期興奮部位を探すことが重要であると考えられた 口7

O33 無冠尖からの通電で根治したヒス束近傍起源特発性心 室頻拍の 例 森一樹, 坂部茂俊, 神山崇, 石山将希, 杉本匡史, 高村武志, 堀口昌秀, 泉大介, 世古哲哉, 笠井篤信 伊勢赤十字病院循環器内科 運動部で活躍する中学 2 年 健診で心音不整を指摘され近医受診, 非持続性心室頻拍が記録され, 当院受診 左脚ブロック様下方軸で流出路起源が疑われたが,I 誘導が高い R 型で avl も rsr 型と陽性成分が多くヒス束近傍起源と考えられた 第 回焼灼術 : 右室流出路の尾側端中隔側後方に, 局所電位が 30msec 先行し, そこでのペーシング波形が targetvpc に /2 一致する部位があり, そこの通電で VPC の消失をみたが約 7 時間後に再発した 第 2 回焼灼術 :targetvpc の局所電位は, 無冠尖で右室流出路, 右冠尖より先行することが確認され, 無冠尖低部前方のヒス束電位の記録さ れた部位から 5mm 後方へカテーテル先端を移動したところ,A/V 比は 2.4 と心房電位が明らかに大きいが,targetVPC の局所電位は 33msec 先行し, 単極誘導で急峻な立下りあり,perfect pacemap の得られる部位があり, ヒス束電位は記録されず, その部位で通電したところ永続的な消失が得られた 無冠尖は最も心房側にあり, 僧帽弁前尖と心室中隔膜様部により左室自由壁心筋の上端から隔絶されているため, 心室頻拍の起源にはなりにくい 無冠尖から最も近い心室筋は, 心室中隔心筋の右室心内膜側から無冠尖を裏打ちするように ventriculo-arterial junction を超えて extension する心室筋と考えられ, 本例ではそこに起源が存在したものと推察した 従って, 右室心内膜側からでもヒス束電位領域の後方に至適通電部位が存在した可能性は残る O34 右冠尖から左脚前枝へ架橋するpreferential conductionを認めた右冠尖起源心室性期外収縮の 例 関川雅裕, 山内康照, 山口純司, 岩井雄大, 新井紘史, 庄司聡, 川初寛道, 平尾龍彦, 宮崎亮一, 山下周, 山口徹雄, 原信博, 稲葉理, 梅本朋幸, 宮本貴庸, 尾林徹, 2 平尾見三 武蔵野赤十字病院循環器科, 2 東京医科歯科大学医学部附属病院不整脈センター 位での pace map は一致しなかったが同部位通電 3.8 秒で PVC は消失した PVC のアブレーション時, 成功通電部位での pace map は必ずしも一致しないことがしばしば認められ PVC の origin と breakthrough の部位が異なることが原因と考えられている 本症例ではその 2 点をつなぐような連続電位が記録できた稀有な 例と考えられたので報告する 症例は 58 歳 女性 健診で心室性期外収縮 (PVC) を指摘され近医を受診 Holter 心電図で 28,659 発 / 日の PVC を認め精査 加療目的に当科紹介となり, 根治希望あり心臓電気生理検査 経皮的カテーテル心筋焼灼術を施行した PVC は 2 3 avf で陽性 V で左脚ブロックパターンであった 右室流出路では activation map/pace map ともに不良であり, 大動脈弁上を mapping した 右冠尖で PVC に 00ms 先行する pre potential を再現性をもって認め, 同部の弁下では pre potential から local Purkinje potential に続くような連続電位を認めた 右冠尖の pre potential 記録部 72

26 回カテーテルアブレーション委員会公開研究会述抄録第 O35 右冠尖からの contact forceガイドの通電が有効であっ た流出路型心室性期外収縮の 例 村上央, 鶴見尚樹, 吉田雅博, 陸脩郎, 小嶋弘毅, 柴田知之, 岡田卓也, 加田賢治, 坪井直哉 独立行政法人地域医療機能推進機構中京病院循環器 内科 症例は器質的心疾患のない 49 歳男性 2009 年より多発性心室性期外収縮 (PVC) を認め一度他院でカテーテルアブレーション治療を施行するも不成功 204 年 6 月ホルター心電図で 4,076 拍 / 日 PVC は左脚ブロック, 下方軸で, 移行帯は V2/3 誘導,V6 誘導に S 波を認めなかった EPS では左冠尖に留置したカテーテルで pre-potential が記録され,QRS 開始点より 20msec 先行しており, 右室流出路, 冠静脈洞 - 大心静脈より早期性を認めた CARTO SOUND system で Valsalva 洞の geometry を作成し左冠尖から mapping を開始した 左冠尖の右冠尖寄りで QRS 開始点より 30msec 先 O36 刺激伝導系電位マッピングによって, 右脚 + 左脚後枝ブロックを合併した左脚前枝近位型 fascicular VTアブレーションを安全に行うことができた 例 増田正晴, 神田貴史, 須永晃弘, 松田祥宏, 上松正朗 関西労災病院循環器内科 症例は 50 歳男性 200 年 0 月器質的心疾患を伴わない VT( 右脚ブロック右軸偏移 ) を頻回に発症しカテーテルアブレーション (CA) を施行された 電気生理検査にて左脚前枝近位型の fascicular VT を疑われたが, 体表面心電図にて洞調律時に右脚ブロック右軸偏移を認めていたため完全房室ブロックのリスクが高いと考え, 十分な通電はできなかった その後外来でベラパミルにていったん治まっていた VT の頻度が増加傾向であり, 本人の根治希望が強いため 204 年 5 月再カテーテルアブレーションを施行する方針とした まず 3D mapping system を用いて洞調律中の左室 行する pre-potential が記録された 同部位で平均 contact force(cf)0g,25-30w で通電を施行したが無効であった 次に右冠尖内の mapping を施行し,QRS 開始点より 38msec 先行する電位が記録され,pace map は捕捉されなかったが同部位で通電を開始した 始め 2-3g の CF, 出力 25W の通電では PVC は消失しなかったが, 徐々に CF を上げるようにカテーテルを操作し, 平均 8g の CF が得られた 25W の通電で PVC の消失を認めた 右冠尖からの CF ガイドの通電が有効であった心室性期外収縮の 例を経験したので報告する 脚枝, プルキンエ電位記録部位を同定した VT は少量アドレナリン投与下の心房頻回刺激でのみ誘発できたが, 数秒で停止したため, 十分な頻拍回路の検証はできなかった 左脚前枝と後枝の間の中中隔付近で VT 中に前収縮期電位が観察されたため, 同部位を中心にアブレーションを施行した なおその際に洞調律中に脚枝, プルキンエ電位が観察された部位にはアブレーションが及ばないよう配慮した その後 VT は誘発されず, 房室伝導能や QRS 波形にも変化を認めなかった 退院後も VT は全く認めていない 右脚 + 左脚後枝ブロックを呈する症例に対して左脚前枝近位部型 fascicular VT に対するアブレーションを詳細な刺激伝導系電位マッピングを行うことで安全に施行し得た 例を経験したので報告する 口73

O37 完全右脚ブロック症例に発生した左脚ブロック型脚間 リエントリーの 例 林洋史, 宮内靖史, 林明聡, 岩崎雄樹, 淀川顕司, 坪井一平, 高橋健太, 伊藤かな子, 岡英一郎, 藤本雄飛, 清水渉, 北村光信 2, 2 山本剛 日本医科大学循環器内科学, 2 日本医科大学心臓血管 集中治療科 症例は 70 歳, 男性 胸部圧迫感のため当院を受診し, 心拍数 60bpm 左脚ブロック型 wide QRS 頻拍を認め, 房室解離があることから心室頻拍 (VT) と診断 除細動直後に storm となり, 鎮静 挿管管理の上アミオダロンを静注で VT を抑制 EF40%, 冠動脈に有意狭窄なく拡張型心筋症 (DCM) と診断し, 待機的にアブレーションを施行 洞調律時 QRS 波形は完全右脚ブロックであったが, 右脚領域をペーシングすると右脚が選択的に捕捉され, 近位での刺激では刺激から 300msec 後に VT 時と同一の LBBB 型 QRS 波を生じた 遠位右脚も選択的に捕捉され,30msec 後に同一の LBBB 型 QRS 波が生じた このことから, 右脚に緩徐伝導部位が存在することが示唆され, 洞調律中にはその delay のために右脚ブロックを示したと考えられた プログラム刺激では逆行性 His 波から 220msec 後に続き同一の左脚ブロック型 QRS 波形の心室エコーが誘発された この心室エコーは左脚を上行, 右脚を緩徐に順行する脚間リエントリーが機序と考えられた 右脚領域を広範囲に焼灼し心室エコーは誘発不能となった 洞調律中右脚ブロックであっても緩徐な伝導が存在し脚間リエントリーが生じ得ることが示された VT 症例を経験したので報告する O38 EnSite NavXを使用し仮性検索の部位を想定しカテーテルアブレーションに成功した特発性左室起源心室頻拍の 例 神田茂孝, 出口喜昭 2, 藤林大輔 3, 小林義典 東海大学医学部内科学系循環器内科, 2 麻生総合病院内科, 3 東海大学医学部付属八王子病院循環器内科 近であり同部位にて良好な pace mapping を得た (0-2/2) VT 中の関心領域において diastolic potential(p) および pre sysytolic potential(p2) を認め irrigated catheter により VT 中に通電を行い開始 7 秒後に洞調律化した 洞調律中の ablation catheter の電位は QRS 後方に VT 時の sequence とは異なる diastolic potential を認め P-P2 の block に成功したと判断した EnSite NavX を用いて左室 geometry を作成し ILVT の RFCA に成功した例は報告が少ないため今回報告とした 症例は 50 歳男性 200 年動悸とともに 88bpm の右脚ブロック + 左軸偏位型 wide QRS tachycardia(wqt) を認めた 特発性左室起源心室頻拍を疑いベラパミル内服にて経過観察していたが 203 年内服中断時に再度動悸とともに前回同様の WQT(99bpm) を認め,ILVT を疑い RFCA 施行となった EPS では RVOT から期外刺激 (600/240) にて再現性を持って以前と同一波形の WQT( 頻拍周期 :360msec) が誘発された 血行動態破綻しなかったため VT 中に EnSite NavX にて左室 activation mapping を作成し, 最早期は仮性腱索と思われる部位近傍の左脚後枝 中中隔付 74

26 回カテーテルアブレーション委員会公開研究会述抄録第 O39 カテーテルアブレーション治療が奏功したプルキンエ 起源心室細動の 例 伊藤唯宏, 因田恭也, 長尾知行, 水谷吉晶, 奥村諭, 加藤寛之, 柳澤哲, 山本寿彦, 石川真司, 紅林伸丈 3, 吉田直樹, 平井真理 2, 室原豊明 名古屋大学大学院医学系研究科循環器内科学, 2 名古 屋大学医学部保健学科, 3 中東遠総合医療センター循 環器内科 症例は 43 歳女性 頻回の torsade de pointes (TdP) による意識消失のため救急搬送され, 特発性心室細動の診断にて ICD 移植術を施行されたが, その後も反復する心室細動発作を認めたためカテーテルアブレーションを行った 発作時の心電図では, 頻発する心室期外収縮 (VPC) と, それを契機とする TdP を認めた TdP のトリガーとなった VPC は, 単独で出現する VPC と morphology が一致しており, この VPC を治療対象とした VPC の activation map では左脚後枝領域に最早期興奮部位を認める focal pattern を示し, 同部位では VPC の QRS onset に 25msec 先行するプルキン O40 長期間持続した器質的心疾患のない促進性心室固有調律の若年症例 村上雄二, 井上修二朗, 向井靖, 樗木晶子 2, 砂川賢二 九州大学病院循環器内科, 2 九州大学医学部医学研究院保健学科 症例は 7 歳女性 4 歳時に小児科で促進性心室固有調律 (AIVR) と診断された 無症状で心機能も良好なため, 以後は小児科で近年まで無投薬で経過観察されてきた 心室調律もしくは slow VT の心拍数は 90bpm 台で, 安静時は wide QRS 波形だが運動負荷にて洞調律心拍数が 0bpm 以上に上昇すると洞調律支配となり narrow QRS への変化が確認されてきた 洞調律は十分な心拍上昇があり運動耐容能は正常だったが, ホルター心電図では主に安静時に AIVR の wide QRS 波形が 50%/ 日を占めていた 高校生になり, ごく軽度の心室拡大 BNP 上昇傾向を認めたことからアブ エ電位を認めた 以上より, 左脚後枝領域プルキンエ繊維由来の VPC を契機とした特発性心室細動と診断した プルキンエ電位の最早期興奮部位に通電を行ったところ acceleration を認め, その後 VPC は消失した 術後は心室細動発作なく経過している 本症例のような Short-coupled variant of TdP については, 少数の症例報告が散見されるが, 比較的稀な病態であり多少の考察を加えて報告する レーション目的で当科紹介となった AIVR の QRS 波形は PDI>0.6 で, 起源は LCC,GCV 遠位部もしくは心外膜側が考えられ,CARTO を併用し早期性を検討した LCC の LCA 入口部の左前下方に pre-potential を伴う最早期部位を認め, 同部位の pace mapping で perfect map であった 同部位への通電にて速やかに AIVR は停止し洞調律となった 術後は全く出現しなくなり, 以後再発を認めていない 幼少期より高校まで AIVR が持続していた症例で比較的希有と思われるため報告する 口75