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平成 28 年 10 月 17 日 平成 28 年度の認定看護師教育基準カリキュラムから排尿自立指導料の所定の研修として認めら れることとなりました 平成 28 年度研修生から 排泄自立指導料 算定要件 施設基準を満たすことができます 下部尿路機能障害を有する患者に対して 病棟でのケアや多職種チーム

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系統看護学講座 クイックリファレンス 2012年 母性看護学

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表. 認定看護師認定更新者活動状況調査分野別調査対象及び回収状況 配布数 回収数更新 回目更新 回目更新回数不明計 回収率 (%) 救急看護 8 0. 皮膚 排泄ケア 集中ケア 8. 緩和ケア.0 がん化学療法看護. がん性疼痛看護 感染管理.9 糖尿病看護 0.0 不妊症看

介護における尊厳の保持 自立支援 9 時間 介護職が 利用者の尊厳のある暮らしを支える専門職であることを自覚し 自立支援 介 護予防という介護 福祉サービスを提供するにあたっての基本的視点及びやってはいけ ない行動例を理解している 1 人権と尊厳を支える介護 人権と尊厳の保持 ICF QOL ノーマ

実務研修(研修記録シート)【茨城県社協版】

為化比較試験の結果が出ています ただ この Disease management というのは その国の医療事情にかなり依存したプログラム構成をしなくてはいけないということから わが国でも独自の Disease management プログラムの開発が必要ではないかということで 今回開発を試みました

認知症医療従事者等向け研修事業要領

透析看護の基本知識項目チェック確認確認終了 腎不全の病態と治療方法腎不全腎臓の構造と働き急性腎不全と慢性腎不全の病態腎不全の原疾患の病態慢性腎不全の病期と治療方法血液透析の特色腹膜透析の特色腎不全の特色 透析療法の仕組み血液透析の原理ダイアライザーの種類 適応 選択透析液供給装置の機能透析液の組成抗

パスを活用した臨床指標による慢性心不全診療イノベーション よしだ ひろゆき 福井赤十字病院クリニカルパス部会長循環器科吉田博之 緒言本邦における心不全患者数の正確なデータは存在しないが 100 万人以上と推定されている 心不全はあらゆる心疾患の終末像であり 治療の進步に伴い患者は高齢化し 高齢化社会

SBOs- 3: がん診断期の患者の心身の特徴について述べることができる SBOs- 4: がん治療期 ; 化学療法を受けている患者の心身の特徴について述べることができる SBOs- 5: がん治療期 ; 放射線療法を受けている患者の心身の特徴について述べることができる SBOs- 6: がん治療期

45101 看護学入門 1. 看護とは何かについて 定義 理念 役割から説明することができる 2. 看護の対象としての人間について説明することができる 3. 看護の提供のしくみ 看護の専門職として条件について説明することができる 4. サービス業としての看護について考え方を述べることができる 5.

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ここが知りたい かかりつけ医のための心不全の診かた

一般看護師領域 キャリアレベル ミドル (Ⅲ) 退院支援看護師育成プログラム ~ 希望を地域へつなぐ ~

14栄養・食事アセスメント(2)

3) 適切な薬物療法ができる 4) 支持的関係を確立し 個人精神療法を適切に用い 集団精神療法を学ぶ 5) 心理社会的療法 精神科リハビリテーションを行い 早期に地域に復帰させる方法を学ぶ 10. 気分障害 : 2) 病歴を聴取し 精神症状を把握し 病型の把握 診断 鑑別診断ができる 3) 人格特徴

ケア困難患者や家族への直接ケア 医療スタッフへのコンサルテーション 退院や倫理的問題を調整する調整 ケアの質を改善 向上させるための教育と研究を実践し CNS が関わることで患者の病状や日常生活機能と社会的機能が改善して 患者と家族の QOL が高まり 再入院が減少することが明らかとなってきておりま

循環器 Cardiology 年月日時限担当者担当科講義主題 平成 23 年 6 月 6 日 ( 月 ) 2 限目 (10:40 12:10) 平成 23 年 6 月 17 日 ( 金 ) 2 限目 (10:40 12:10) 平成 23 年 6 月 20 日 ( 月 ) 2 限目 (10:40 1

9(1) 介護の基本的な考え方 9() 介護に関するこころのしくみの基礎的理解 9() 介護に関するからだのしくみの基礎的理解 9(4) 生活と家事 5 9(5) 快適な居住環境整備と介護 9(6) 整容に関連したこころとからだのしくみと自立に向けた介護 4 4 理論と法的根拠に基づき介護を行うこと

H28_クリニカルラダー研修

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資料4 学士課程においてコアとなる看護実践能力と卒業時到達目標

佐賀県肺がん地域連携パス様式 1 ( 臨床情報台帳 1) 患者様情報 氏名 性別 男性 女性 生年月日 住所 M T S H 西暦 電話番号 年月日 ( ) - 氏名 ( キーパーソンに ) 続柄居住地電話番号備考 ( ) - 家族構成 ( ) - ( ) - ( ) - ( ) - 担当医情報 医

精神看護学特論 Ⅰ 2 単位 ( 春学期 ) 科目責任者浅沼奈美 ( 本学教授 ) 1. 教育目的 : 精神保健医療福祉に関する歴史と法制度や体制 国際的な動向 日本における動向および当事者の活動の変遷を学び 精神保健看護の立場から 精神保健医療福祉の体制が抱えている課題や今後のあり方について学ぶ

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2013 年度 統合実習 [ 表紙 2] 提出記録用紙 5 実習計画表 6 問題リスト 7 看護過程展開用紙 8 ( アセスメント用紙 1) 9 ( アセスメント用紙 2) 学生証番号 : KF 学生氏名 : 実習期間 : 月 日 ~ 月 日 実習施設名 : 担当教員名 : 指導者名 : 看護学科

1 発達とそのメカニズム 7/21 幼児教育 保育に関する理解を深め 適切 (1) 幼児教育 保育の意義 2 幼児教育 保育の役割と機能及び現状と課題 8/21 12/15 2/13 3 幼児教育 保育と児童福祉の関係性 12/19 な環境を構成し 個々 1 幼児期にふさわしい生活 7/21 12/

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2. 平成 9 年遠隔診療通知の 別表 に掲げられている遠隔診療の対象及び内 容は 平成 9 年遠隔診療通知の 2 留意事項 (3) イ に示しているとお り 例示であること 3. 平成 9 年遠隔診療通知の 1 基本的考え方 において 診療は 医師又は歯科医師と患者が直接対面して行われることが基本

機能分類や左室駆出率, 脳性ナトリウム利尿ペプチド (Brain Natriuretic peptide, BNP) などの心不全重症度とは独立した死亡や入院の予測因子であることが多くの研究で示されているものの, このような関連が示されなかったものもある. これらは, 抑うつと心不全重症度との密接な

総合診療

第 3 節心筋梗塞等の心血管疾患 , % % % %

看護部 : 教育理念 目標 目的 理念 看護部理念に基づき組織の中での自分の位置づけを明らかにし 主体的によりよい看護実践ができる看護職員を育成する 目標 看護職員の個々の学習ニーズを尊重し 専門職業人として成長 発達を支援するための教育環境を提供する 目的 1 看護専門職として 質の高いケアを提供

2005年 vol.17-2/1     目次・広告

< 訪問看護技術 ( 看取り 緩和ケア ) 向上のための研修 > 研修内容 :ELNEC-J 認定講師による講義 ( 座学 ):2 日間訪問看護事業所の訪問サービスに同行 見学 ( 同行研修 ):3 日講義日 :12 月 15 日 ( 土 ) 16 日 ( 日 )9:0016:30 講義場所 : 広

10050 WS2-3 ワークショップ P-129 一般演題ポスター症例 ( 感染症 ) P-050 一般演題ポスター症例 ( 合併症 )9 11 月 28 日 ( 土 ) 18:40~19:10 6 分ポスター会場 2F 桜 P-251 一般演題ポスター療

賀茂精神医療センターにおける精神科臨床研修プログラム 1. 研修の理念当院の理念である 共に生きる 社会の実現を目指す に則り 本来あるべき精神医療とは何かを 共に考えて実践していくことを最大の目標とする 将来いずれの診療科に進むことになっても リエゾン精神医学が普及した今日においては 精神疾患 症

今後のがん等における緩和ケアの更なる推進に関する検討会の進め方とスケジュールについて

診療科 血液内科 ( 専門医取得コース ) 到達目標 血液悪性腫瘍 出血性疾患 凝固異常症の診断から治療管理を含めた血液疾患一般臨床を豊富に経験し 血液専門医取得を目指す 研修日数 週 4 日 6 ヶ月 ~12 ヶ月 期間定員対象評価実技診療知識 1 年若干名専門医取得前の医師業務内容やサマリの確認

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看護師のクリニカルラダー ニ ズをとらえる力 ケアする力 協働する力 意思決定を支える力 レベル Ⅰ 定義 : 基本的な看護手順に従い必要に応じ助言を得て看護を実践する 到達目標 ; 助言を得てケアの受け手や状況 ( 場 ) のニーズをとらえる 行動目標 情報収集 1 助言を受けながら情報収集の基本

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患者さんの食のストレス解消がQOL 向上につながる 5 質疑応答 Q) 食事を摂れない人の食事指導について A) 普段は食べてはいけないと言われているものをわざと出してみる 少量なら問題ないので少しでも食べられるところを何かきっかけにする 3. 末期重症心不全患者への補助人工心臓医療 看護の現状と課

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2 年次 以降 : 授業開始は 2 週目 ~ 平成 30 年度看護学専攻 ( 研究者育成コース ) 時間割 10:30-12:00 特別研究特別研究特別研究 特別研究特別研究特別研究特別研究 特別研究特別研究 特別研究 特別研究については 担当教員と相談の上決定する 修士課程 ( 医科学獣医科学専攻

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平成21年度看護部教育研修(案)

もくじ 目的 目標 支援体制図 4 運用規準 ) 運用地域 ) 運用開始時期 ) 実施方法 4) 実施手順 5) 個人情報の取扱い 6) 運用に関する留意事項 5 資料 精神障害者の治療中断 4 精神障害者の治療中断の アセスメント項目 適用例 考え方 6

標準的な健診・保健指導の在り方に関する検討会

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医療法人高幡会大西病院 日本慢性期医療協会統計 2016 年度

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専門・認定看護師会による教育活動の実際と成果報告

13 Ⅱ-1-(2)-2 経営の改善や業務の実行性を高める取組に指導力を発揮している Ⅱ-2 福祉人材の確保 育成 Ⅱ-2-(1) 福祉人材の確保 育成計画 人事管理の体制が整備されている 14 Ⅱ-2-(1)-1 必要な福祉人材の確保 定着等に関する具体的な計画が確立し 取組が実施されている 15

事例

脂質異常症を診断できる 高尿酸血症を診断できる C. 症状 病態の経験 1. 頻度の高い症状 a 全身倦怠感 b 体重減少 体重増加 c 尿量異常 2. 緊急を要する病態 a 低血糖 b 糖尿性ケトアシドーシス 高浸透圧高血糖症候群 c 甲状腺クリーゼ d 副腎クリーゼ 副腎不全 e 粘液水腫性昏睡

2018 年度以降に入学した方が対象の科目です 2017 年度以前に入学した方は履修登録できません リング老年心理学 B 2018~ 科目コード FD2545 単位数履修方法配当年次担当教員 2 R or SR( 講義 ) 1 年以上吉川悠貴 161 基礎心理 2017 年度以前に入学した方は 本科

外科学

CCU で扱っている疾患としては 心筋梗塞を含む冠動脈疾患 重症心不全 致死性不整脈 大動脈疾患 肺血栓塞栓症 劇症型心筋炎など あらゆる循環器救急疾患に 24 時間対応できる体制を整えており 内訳としては ( 図 2) に示すように心筋梗塞を含む冠動脈疾患 急性大動脈解離を含む血管疾患 心不全など

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説明内容 1. これまでの認定看護師の実績と貢献 2. 新たに期待される認定看護師の役割 3. 新たな認定看護師制度の方針 2

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■● 糖尿病

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2. 経口移行 ( 経口維持 ) 加算 経口移行 ( 経口維持 ) 計画に相当する内容を各サービスにおけるサービス計画の中に記載する場合は その記載をもって経口移行 ( 経口維持 ) 計画の作成に代えることができる 従来どおり経口移行 ( 経口維持 ) 計画を別に作成してよい 口腔機能向上加算 口腔

リハビリテーションを受けること 以下 リハビリ 理想 病院でも自宅でも 自分が納得できる 期間や時間のリハビリを受けたい 現実: 現実: リ ビリが受けられる期間や時間は制度で リハビリが受けられる期間や時間は制度で 決 決められています いつ どこで どのように いつ どこで どのように リハビリ

はじめに 平成 27 年の日本医療機能評価機構創立 20 周年を機に 病院機能評価事業のさらなる発展を目指すため 次世代医療機能評価のアジェンダ ( 以下 アジェンダ ) を取りまとめた アジェンダでは (1) 地域医療の質向上に寄与するための評価 の実現に向け 以下 2 点の施策について検討するこ

事業者名称 ( 事業者番号 ): 地域密着型特別養護老人ホームきいと ( ) 提供サービス名 : 地域密着型介護老人福祉施設 TEL 評価年月日 :H30 年 3 月 7 日 評価結果整理表 共通項目 Ⅰ 福祉サービスの基本方針と組織 1 理念 基本方針

1. 教育理念昨今の保健医療 福祉をとりまく環境の変化は著しく 疾病構造の変化や医療の高度化に伴い 人々のヘルスケアのニーズも多様化している状況にある 看護職者は これまで以上に高い資質を備えた看護専門職としての役割の遂行や 適切な看護を提供することが求められている これらの期待に応えるために 国立

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心臓血管外科カリキュラム Ⅰ. 目的と特徴心臓血管外科は心臓 大血管及び末梢血管など循環器系疾患の外科的治療を行う診療科です 循環器は全身の酸素 栄養供給に欠くべからざるシステムであり 生体の恒常性維持において 非常に重要な役割をはたしています その異常は生命にとって致命的な状態となり 様々な疾患

緩和ケア研修会における e-learning の導 について 市 札幌病院精神医療センター副医 上村恵 ( 特定 営利活動法 本緩和医療学会委託事業委員会委員 )

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4. 構成実習内容 実習時間 単位 実習場所 成人 Ⅰ 90 時間 2 単位 横浜新都市脳神経外科病院横浜旭中央総合病院東戸塚記念病院 菊名記念病院

3 介護の基本 2 介護職の職業倫理 講師名資格等 兼任 瀬口知子 教員免許福祉 看護 有里さつき 教員免許福祉 看護 宮 ゆかり 教員免許福祉 3 介護の基本 3 介護における安全の確保とリスクマネジメント 教員免許福祉 瀬口知子 教員免許福祉 看護 有里さつき 教員免許福祉 看護 宮 ゆかり 教

基本料金明細 金額 基本利用料 ( 利用者負担金 ) 訪問看護基本療養費 (Ⅰ) 週 3 日まで (1 日 1 回につき ) 週 4 日目以降緩和 褥瘡ケアの専門看護師 ( 同一日に共同の訪問看護 ) 1 割負担 2 割負担 3 割負担 5, ,110 1,665 6,

統合失調症患者の状態と退院可能性 (2) 自傷他害奇妙な姿勢 0% 20% 40% 60% 80% 100% ないない 0% 20% 40% 60% 80% 100% 尐ない 中程度 高い 時々 毎日 症状なし 幻覚 0% 20% 40% 60% 80% 100% 症状

系統看護学講座 クイックリファレンス 2013年7月作成

健康な生活を送るために(高校生用)第2章 喫煙、飲酒と健康 その2

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助成研究演題 - 平成 23 年度国内共同研究 (39 歳以下 ) 重症心不全の集学的治療確立のための QOL 研究 東京大学医学系研究科重症心不全治療開発講座客員研究員 ( 助成時 : 東京大学医学部附属病院循環器内科日本学術振興会特別研究員 PD) 加藤尚子 私は 重症心不全の集学的治療確立のた

さらに, そのプロセスの第 2 段階において分類方法が標準化されたことにより, 文書記録, 情報交換, そして栄養ケアの影響を調べる専門能力が大いに強化されたことが認められている 以上の結果から,ADA の標準言語委員会が, 専門職が用いる特別な栄養診断の用語の分類方法を作成するために結成された そ

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認定看護師教育基準カリキュラム 分野 : 慢性心不全看護平成 28 年 3 月改正 ( 目的 ) 1. 安定期 増悪期 人生の最終段階にある慢性心不全患者とその家族に対し 熟練した看護技術を用いて水準の高い看護実践ができる能力を育成する 2. 安定期 増悪期 人生の最終段階にある慢性心不全患者とその家族の看護において 看護実践を通して他の看護職者に対して指導ができる能力を育成する 3. 安定期 増悪期 人生の最終段階にある慢性心不全患者とその家族の看護において 看護実践を通して他の看護職者に対して相談対応 支援ができる能力を育成する ( 期待される能力 ) 1. 心不全患者の身体及び認知 精神機能の的確なアセスメントができる 2. 慢性心不全患者の心不全増悪因子の評価とモニタリングができる 3. 症状緩和のためのマネジメントを行い Quality of Life を高めるための療養生活行動を支援することができる 4. 心不全の病態と慢性心不全患者の身体的 精神的 社会的な対象特性に応じて在宅療養を見据えた生活調整ができる 5. 慢性心不全患者 家族の権利を擁護し 自己決定を尊重した看護を実践できる 6. より質の高い医療を推進するため 多職種と協働し チームの一員として役割を果たすことができる 7. 慢性心不全看護の実践を通して役割モデルを示し 看護職者への指導 相談対応を行うことができる 教科目内容時間数 共通科目 < 必修 > 1. 看護管理 2. リーダーシップ 3. 情報管理 4. 看護倫理 5. 指導 6. 相談 7. 文献検索 文献講読 8. 臨床薬理学 9. 医療安全管理 < 選択 > 10. 対人関係 * 共通科目 : 教科目のねらい 参照 小計 135 小計 当該分野では 臨床薬理学 医療安全管理 を必須とする 計 135(+) 慢性心不全看護 1

教科目教科目のねらい単元時間数 1. 心不全看護概論 1) 循環器疾患の動向や心不全看護の現状と課題を理解できる 2) 所属施設内外の多職種連携における慢性心不全看護認定看護師の専門性と役割を理解できる 1) 日本における循環器疾患の動向 2) 病期における心不全看護の現状と課題 3) 多職種連携と地域医療連携 4) 心不全患者の在宅療養の現状と課題 5) 慢性心不全看護認定看護師の役割 6) 慢性心不全看護のアウトカム評価 2. 心不全の病態生理と診断及び治療 1) 心不全の定義 病態生理 心不全症状の発生機序について理解できる 2) 心不全の診断及び治療について理解できる 1) 心不全の病態生理 2) 心不全の診断と治療 ( 薬物療法と非薬物療法 ) (1) 急性心不全 (2) 慢性心不全 3) 心不全症状と発生のメカニズム (1) 呼吸困難 (2) 浮腫 (3) 動悸 倦怠感 (4) 不眠 (5) 不安 抑うつ 4) 加齢に伴う変化 ( 筋量減少 虚弱など ) 専門科目 3. 心不全の基礎疾患と合併症の診断及び治療 1) 心不全の基礎疾患と合併症の診断及び治療について理解できる 2) 心臓リハビリテーションを含む治療について理解できる 1) 心不全の診断に用いられる検査 ( 心電図 心臓超音波検査 胸部 X 線検査 心臓カテーテル検査 血液検査など ) 2) 心不全をもたらす基礎疾患の診断と治療 (1) 虚血性心疾患 (2) 弁膜疾患 (3) 心筋疾患 (4) 先天性心疾患 (5) 不整脈 (6) 肺高血圧症 3) 心不全の合併症 ( 高血圧 腎不全 糖尿病 がん COPD 貧血 睡眠時無呼吸症候群 甲状腺機能異常 ) 4) 心不全患者の心臓リハビリテーション 4. 心不全患者の身体機能と認知 精神機能の評価 1) 心不全看護における身体機能と認知 精神機能評価の意義と目的 アセスメント方法を理解できる 1) 心不全看護におけるフィジカルアセスメントの意義 目的 2) フィジカルアセスメント ( 心機能と身体活動性 ) (1) 心不全症状の評価とフィジカルアセスメント ( 問診 視診 触診 打診 聴診 ) (2) 呼吸機能のアセスメント (3) 循環機能のアセスメント (4) 栄養状態のアセスメント (5) 代謝機能のアセスメント (6) 感覚 運動機能のアセスメント 3) 認知 精神機能評価 (1) 心不全が認知 精神機能に及ぼす影響 (2) 心不全と認知機能評価 (3) 心不全と精神機能評価 慢性心不全看護 2

教科目教科目のねらい単元時間数 5. 心不全患者 家族 重要他者の理解と支援 1) 心不全患者及び家族 重要他者の心理 社会状況を理解できる 2) 心不全患者 家族 重要他者の心理 社会状況 倫理的問題を踏まえ 看護者の役割が理解できる 3) 適切なケアに必要な理論 法律 制度について理解できる 1) 心不全患者の心理 社会状況の理解 2) 心不全患者の家族 重要他者の理解 3) 心不全患者 家族への倫理的配慮 4) 支援に必要な理論 (1) 危機理論 (2) 成人学習理論 (3) セルフケアに関する理論 ( セルフケア 自己効力感 行動変容理論 価値転換理論 ) (4) 家族援助論 5) 保健医療福祉制度と法律に基づく支援 (1) 社会資源の活用 ( 身体障害者福祉法 介護保険制度 高額医療制度 障害年金など ) (2) 慢性心不全患者の在宅療養支援 専 6. 慢性心不全患者の症状マネジメント 1) 心不全患者の主な症状を理解し 症状をコントロールするためのケアが実践できる 1) 慢性心不全患者の体験している心不全症状 2) 主な症状へのケア ( 呼吸法 ポジショニング等を含む ) (1) 呼吸困難 (2) 浮腫 (3) 動悸 (4) 倦怠感 (5) 不眠 (6) 不安 抑うつ 門科目 7. 慢性心不全患者の生活調整 1) 安定期にある慢性心不全患者の危険因子管理と生活調整が実践できる 1) 慢性心不全の危険因子管理と看護 (1) 病態の理解 (2) 冠危険因子のコントロール (3) 基礎疾患のコントロール 2) 慢性心不全の生活調整 (1) 活動と休息 ( 入浴負荷を含む ) (2) 睡眠 (3) 食事と栄養 (4) 排泄 (5) 性生活 (6) 体重管理 (7) 薬物療法 (8) 感染予防 ( 免疫機能を含む ) (9) メンタルヘルス ストレスコーピング (10) 適正な社会的役割行動のためのライフサイクルの調整 (11) 緊急時の対応 8. 慢性心不全患者の療養支援 1) 急性増悪回避のための療養支援が実践できる 2) 慢性心不全患者の心臓リハビリテーションについて支援できる 1) 急性増悪回避のためのセルフケア支援 (1) セルフモニタリング技術 呼吸 血圧 脈拍 体温 体重 自覚症状 ( 呼吸困難 浮腫 動悸 倦怠感 不眠 不安 抑うつ ) 服薬管理と副作用 2) 心臓リハビリテーションを受ける患者への支援 慢性心不全看護 3

専門科目 教科目教科目のねらい単元時間数 9. 慢性心不全患者の意思決定と在宅療養支援 10. 慢性心不全患者の急性増悪時のケア 1) 非薬物療法を受ける慢性心不全患者のケアができる 2) 慢性心不全患者の在宅療養に向けたケアができる 1) 慢性心不全患者の急性増悪時のアセスメントができる 2) 急性増悪時のケアを実践できる 1) 慢性心不全患者の意思決定支援 疾患治療への理解と支援 治療決定プロセスとアドヒアランスを高める支援 ソーシャルサポート 社会資源の活用 家族 重要他者への支援 2) 非薬物療法を受ける患者への支援 (ICD CRT 植え込み患者 心移植待機患者 補助人工心臓を装着している患者 ASV を装着している患者など ) 3) 在宅療養への支援 (1) 在宅療養支援の実際 (2) 在宅酸素療法を受ける患者の支援 4) 慢性心不全患者の緩和ケア ( 人生の最終段階におけるケアを含む ) 1) 慢性心不全患者の急性増悪時のアセスメント (1) 身体状況 ( 不整脈 高血圧 心筋虚血 肺塞栓症 貧血 腎不全 低栄養 感染など ) (2) ライフサイクルと生活状況 ( 塩分 水分 アルコール 妊娠 出産など ) (3) 治療の状況 ( 服薬非遵守 治療薬の変更など ) 2) 急性増悪時のケア (1) 慢性心不全急性増悪の徴候の早期発見と早期対処 ( 重篤化回避のための身体 症状モニタリング ) 小計 255 慢性心不全看護 4

学内演習 教科目教科目のねらい単元時間数 1. 学内演習 1) 慢性心不全患者の身体及び症状を的確にモニタリングし 長期療養過程を踏まえた看護過程の展開ができる 2) 慢性心不全患者におけるコンサルテーションの具体的な展開方法について学ぶ 3) 自己の看護実践事例を振り返り 客観的 理論的分析を行い 効果的なプレゼンテーションができる 1) フィジカルアセスメント ( 心機能と身体活動性 ) (1) 心不全症状の評価とフィジカルアセスメント ( 問診 視診 触診 打診 聴診 ) 2) 慢性心不全患者の身体 症状モニタリング (1) 慢性心不全増悪因子のモニタリング (2) 慢性心不全の徴候のモニタリング 心電図 胸部 X 線検査 血液検査 酸素飽和度 3) 慢性心不全患者の看護過程の展開 (1) 情報収集とアセスメント (2) ケアプランの作成と評価 ( 評価方法, 指標も含む ) 4) 病棟 外来 在宅の継続ケアにおけるコンサルテーションの実際 (1) 慢性心不全患者の看護ケアに関するコンサルテーションプロセス 5) ケースレポート (1) 事例検討とプレゼンテーション 90 実 習 2. 臨地実習 1) 慢性心不全患者に対し 看護チームや多職種と協働しながら 水準の高い看護実践を行い 他の看護職者に対して 指導 相談対応ができる能力を高める 1) 看護過程 : 心不全の急性増悪から回復 慢性期にある患者を 2 名以上受け持ち 症状マネジメント 危険因子の評価 管理 生活調整支援 セルフケア支援に関する具体的な計画立案と実践 評価を行う 更に 実習カンファレンスにおいてそれぞれの事例検討を行い スタッフと共有する 2) 以下 (1)~(6) の事例から重複しない 2 例以上を選択し 療養支援プログラムを作成する 事例のうち 1 例は訪問看護 訪問診療を受けている在宅療養中の慢性心不全患者を含めることが望ましい (1) 再発を繰り返す慢性心不全患者 (2) 高齢の慢性心不全患者 (3) 糖尿病や腎障害などの合併症をもつ慢性心不全患者 (4) 高度先端医療を受ける慢性心不全患者 (5) 在宅療養中の慢性心不全患者 (6) 心不全による初回入院患者 3) 専門技術 ( 症状緩和のためのケア 生活調整支援 フィジカルアセスメント 重篤化回避のためのモニタリング等 ) を習得する 4) 多職種協働カンファレンスや症例検討等の場において 積極的に発言し 職種間の連携を促進することで問題解決を図る 5) 慢性心不全看護に携わる看護師に対してカンファレンスや事例検討の場を通して 指導 相談対応を行う 180 小計 270 慢性心不全看護 5

共通科目 135 時間 (+ 時間 ) 専門科目 255 時間 演習 / 実習 90/180 時間 総時間数 660 時間 (+ 時間 ) 慢性心不全看護 6