中医学 基礎理論と弁証 (1) 陰陽学説と気血津液 医学博士楊 達
中医学の発想と学び方 中医学の眼鏡で自然及び人 ペットをみましょう 中医学の理論思想と専門用語 及び症状分類法を覚えましょう 西洋医学と異なり 個別病変のみならず体の全体的変化を捉えて対処しましょう 処方の基本配合を理解し 生薬の配合だけではなく 処方と処方の組み合わせる方法を重視しましょう 処方の治療効果以外に 養生作用も理解しましょう
精気説 陰陽 五行学説など中国哲学を理論中核となっている中国伝統医学 ( 臨床経験医学の特徴を持つ ) 自然 社会 家庭 生物医学体系であるー病気をどう見るか 病名診断に基づかなく 発病する時点の体の症状群を纏めた 証 という診断に基づく治療を行う医学 ( 弁証論治 ) ー病気をどう分析 治療するかー時空医学の特徴がある 調節医学の特徴があり 体質を改善し 自癒力を高めて健康へ導く医学 天然素材を用いる自然医学
個人の経験個人の経験 個人の経験 個人の経験 個人の経験個人の経験個人の経験 木水 編制 : 楊達個人の経験 傷寒 火 元気論陰陽学説 生克制化 金 土 個人の経験個人の経験個人の経験 個人の経験 個人の経験 個人の経験 個人の経験 個人の経験 相生相克
中医学生理観 春風 組織胆 五臓中心論天人相応観 寒冬 気血津液 膀胱五官 肝 ( 木 ) 腎 ( 水 ) 心 ( 火 ) 肺 ( 金 ) 脾 ( 土 ) 小腸皮膚 夏火 経絡 血脈 三焦 大腸 胃 編制 : 楊達 燥 秋 皮膚 長夏 湿
弁証論治 弁: 弁別すること 証: 症候群のことで 中医学診断名である 弁証: 中医学診断過程 論治: 弁証の結果によって, 適切な治療方法を立てること 弁証論治の内容: 理 ( 生理病理 ) 法( 治療法則 ) 方 薬 証は同じであれば 治も同じ; 証は異なると 治も異なる
陰陽学説 陰陽ー古代哲学用語で 中医学方法論 中医学の分類法則である 夏至 午前 6 時 昼 12 時 午後 6 時 12 時 夜 陽長 春分 陰消 夏 陽中の陽午前夜明け 春 陰中の陽 正午 真夜 秋 陽中の陰午後日が沈む 陰中の陰 冬 陰長 秋分 陽消 冬至
分類 空間 時間 季節 性別 温度 重さ 明るさ 運動状態 陽天昼 春夏 男 熱暖 軽い 明るい 上昇 外向 運動 陰地夜 秋冬 女 寒涼 重い暗い 下降 内向 静止
陰と陽の関係 陰陽の対立 拮抗関係ー陰陽対立 陰陽の依存関係ー陰陽互根( ごこん ) 陰陽の消長関係ー陰陽消長 陰陽の転化関係ー陰陽転化
中医学への応用 組織構造の説明 生理機能の説明 病理変化の説明 診断への運用 治療への運用
組織構造への説明 分 類 部位組織構造生理機能 陽 体表背部上部外側 皮毛六腑気衛 興奮亢進活動 陰 体内腹部下部内側 筋骨五臓血営 抑制衰退静止
分類 陽 陰 疾病の性質 表証 実証 熱証 裏証 虚証 寒証 望聞問切 色が鮮やか 色つや暗い 話声高くよく響く 口数が多い 手足をよく動かす 話声は低く弱弱しい 口数が少ない 沈んでおり静かである 熱があるが寒がらない 冷たい物を飲みたがる 寒がるがあるが熱はない 口渇はない 浮 数 大 滑 実など 沈 遅 小 渋 虚など
薬性 薬味 作用 陰寒涼 ( 滋潤 ) 酸 苦 鹹沈降 収斂 陽温熱 ( 燥 ) 辛 甘 淡昇浮 発散
正常生理レベル 陽陰 陽虚ー内寒陽虚ー陰が強い ( 相対的 ) 陰虚ー内熱陰虚ー陽が強い ( 相対的 ) 陰平陽秘 ( 陰と陽のバランスが取れる ) 陽虚 ( 陽が不足 ) 陰虚 ( 陰が不足 ) 陰陽両虚 陽盛 陰盛 陰 陽とも不足 陽が強すぎ 熱 陰が強すぎ 寒
表証 発熱 悪寒あるいは悪風 頭痛 体がだるい 舌苔薄白 鼻閉で鼻汁が出る 咽喉部の異和感 咳など 解表剤を使う 寒証 冷え 温めると楽 顔面恍白 透明な痰 鼻水 小便清長 軟便または下痢 舌淡 舌苔は白で潤滑 温裏散寒剤を使う 源気と三仙を使用できる 熱証 熱がり 冷やすと楽 口渇 冷たい物をほしがる 顔が紅い 目の充血 煩躁 便秘 痰や鼻汁は黄色く粘稠 吐血 衄血 舌紅 舌苔は黄色で乾いている 清熱剤を使う 清肌を併用できる
陽虚証 面色淡白あるいは萎黄 精神不振 倦怠 脱カ感 動悸 息切れ 寒がり 四肢の冷え 自汗 舌淡胖嫩 歯痕がある 補陽剤を使う 陰虚証 五心煩熱 消痩 頬紅 口咽乾燥 盗汗 潮熱 舌紅少苔 補陰剤を使う
精の分類と働き先天の精 父と母から後天の精 水穀精微から生殖の精ー腎精とも呼び 生殖を司る臓腑の精ー各内臓の働きを生み出す元 気血の関係 : 気は血を生ずる気は血を巡らせる気は血を統制する血は気の母である 気は血の元帥 血は気の母 気の運動方式 : 昇 降 出 入 元気宗気衛気営気経絡の気臓腑の気 気 心 推動作用温煦作用防御作用気化作用固摂作用栄養作用 気旺生津 気が盛んなれば津液を生す 気随液脱 気は津液の漏れにしたがって抜かれる 気能化水 気は津液の代謝を促せる 水停気阻 水が滞れば気も滞る 全身を巡り 組織 器官に栄養分を供給し 滋養する 心により司る肝に貯蔵される脾により統制される 血 肝 腎 精 肺 経絡血脈 脾 滋養作用潤滑作用排泄作用 津液 栄養精微を含んだ透明な体液 澄んでさらさらするものは津濃厚でねっとりするものは液 津血同源
元気宗気衛気営気経絡の気臓腑の気 原気 真気 とも呼ばれる 先天の精から生まれたものが 生後は水穀の精微によって滋養 補充される 元気は生命活動の原動カである 胸中の気 宗気は肺の呼吸作用と心血の運行を推動する機能がある 衛気は 体表を保護して外邪の侵入に防ぎ 汗腺を開閉することにより体温調節をはかる 臓腑を温煦する 皮毛を潤沢にするなどの機能がある 営気は血脈中に分布しており 血液の一部分として循環することによって 全身に栄養を供給している 営気と血は一緒に脈内を走行しており 密接な関係があることから 営血 と呼ばれることが多い 経絡の気 全身各組織の間に連絡通路のはたらきである 各臓腑の機能活動のことである たとえば腎気 脾胃の気 肺気など
作用意味気血を押し流す 推動作用臓腑の生理機能を推し進める 生命活動を推進する 温煦作用体を温め 生理機能を活発にする 防御作用バリア機能として病因となる邪気の侵入を防ぎ 邪気から体を守る 固摂作用体を引き締め 正気が体から外へ漏れ出ないようにする 気化作用あるものを 別の何かに作り変える 例えば気を血に作り変える 新陳代謝 営養作用血を作る材料となり 全身を営養する
気逆気閉 気滞 気の巡りが滞る 気 気虚 気の消耗または生成不足 気陥気脱 内臓の熱 または熱邪により血に熱がこもる 血熱 汚れる流れが滞る 肝 腎 心 精腎精不足 肺 脾 津液の代謝が悪くなり 体内に滞る 痰湿 瘀血 陽気不足 寒邪により血脈が冷やされる 血寒 血 血の消耗または生成不足 血虚 経絡血脈 津液 陰液の消耗または生成不足虚熱が現れる 陰虚 津液の消耗または生成不足 津液不足
持病 過労など 元気の消耗 先天不足 後天の失調 元気の生成不足 老化 臓腑機能の低下 元気の衰弱 気虚 陽虚 冷えが目立つ 疲れやすい懶言 めまい 自汗 脈が無力 舌体嫩 舌苔白 活動後に悪化 気虚証のポイント症状 : 疲れ 元気がない 息切れ
ストレス飲食失調外邪の侵入外傷など 痰飲又は瘀血宿食 蛔虫結石など 陽気の虚弱陰寒旺盛 病理産物 気機阻滞 気滯 張り痛みケップ腸鳴音矢気イライラ脈弦など 治則 : 理気行気 ポイント症状 : 脹悶 脹痛 イライラ
気 内臓の熱 または熱邪により血に熱がこもる 血熱 肝 心 精 脾 汚れる流れが滞る 腎 肺 瘀血 陽気不足 寒邪により血脈が冷やされる 血寒 血 血の消耗または生成不足 経絡血脈 津液 血虚
血虚証は 失血過多 あるいは脾胃虚弱による生化不足 七情過度による陰血損耗などによりおこる 出血ー失血 脾胃機能の低下栄養失調寄生虫など 思慮過度ー陰血の消耗 瘀血阻絡ー血の生化力が低下 持病と久病ー血の消耗 血の生化不足 血虚 肌膚を養わないー痺れ心を養わないー動悸 失眠頭を養わないーめまいかすみ目血色がない経血の生化不足ー月経量が少ない月経の色が薄い脈が充実できないー脈が弱い 潤華を使いましょう
心機能の減退心筋疾患心拍異常心弁膜病血管の異常収縮硬化 痙攣狭窄微小血管閉塞血液粘度 凝固性増大血球凝集能の亢進血小板凝集性の増大血流の遅滞血液の動力不足微小循環障害血液の運行の阻力が増大する血液レオロジー異常血液は濃く 粘り 凝集性増加瘀血病気ストレス運動不足食生活の乱れヘビースモーカー酒の飲みすぎ環境素因の刺激生活素因病気遺伝 体質 + + 心臓素因血管素因血液素因
外傷ー出血 臓腑機能の紊乱 気滯ー血行不調気虚ー推動無力 血寒ー血行凝滞血熱ー血液粘粘 湿熱ー血行を邪魔痰火ー血行を邪魔 治則 : 活血化瘀 益気行気 気血阻滞 経絡詰まり 潜伏証 ( 異常な検査データなど ) 瘀血証 瘀血痛出血 瘀血斑腫れ物肌膚甲錯静脈瘤舌下の静脈怒張色素斑など 生活習慣病 瘀血病 心 脳疾患高脂血症動脈硬化高血圧など 瘀血証中医学メカニズムと治療
ストレス 血熱証概念 : 血熱証は血に熱があったり 熱邪が血に影響したりすることによって現れる病証で または臓腑に火熱があり 熱が血に影響したことによって発生する病証である 化熱 血熱 心肝 絡脈 衝任 血流の乱れ
主要症状 : 発熱 煩燥 皮膚に紅斑 紫斑 赤い皮膚病 鼻衄 または血を吐く 血尿 血便など出血傾向 出血の色は鮮紅など 他の症状 : イライラ のぼせ ほてり 便秘 口渇 目が充血 月経先期なお 量が多く色が赤い ; 不眠など 舌脈 : 舌質紅緯 舌苔焦黄 または少津 脈細数または弦数 治則 : 清熱涼血解毒
血寒証は 局部の脈絡が寒凝気滞のために 血行障害を引き起こして現れる証候のことである 寒邪の感受または陰寒の内盛により 血脈の運行が障害されておこるものが多い 臨床所見 手足局部に疼痛がおこる 皮膚は紫暗色で冷たい 四肢の冷え 温めると疼痛は軽減する あるいは少腹部が痛む 月経が遅れる 経色紫暗 血塊がある 舌質淡暗で舌苔白 脈沈遅渋 治法 温経散寒逐瘀
津液不足証とは津液の損傷によって全身の臓腑組織を潤すことができなくなり 乾燥の症状を表す病証である 脾胃虚弱無理のダイエット 熱盛傷津汗 嘔吐 下痢 津液の生化が不足 津液が大量に消耗 津液不足 口渇ー口を潤いできない乾燥肌ー皮膚を潤いできない尿が少ないー体液が少ない便秘ー腸を潤いできない空咳ー肺を潤いできない舌質赤いー虚熱脈細数ー虚熱
水液が全身あるいは局部に停滞することによって現れる病証である 臨床所見 痰多 痰鳴 頭重 目眩 胸悶 食欲減退脘痞 悪心嘔吐 軟便 泥状便小便不利 証候分析 痰湿が肺に影響すると痰が多く ノドにゴロゴロと痰の音がする 痰湿が頭に影響すれば目眩がしたり 頭が重く感じたりする 痰が胸中に滞ると胸がスッキリしない 痰が脾胃の運化作用に影響すれば 一連の消化吸収作用の低下による症状が現れる 痰湿が腸内に下注すれば軟便 泥状便となります 小便の出が悪いのは正常な水液代謝が行われていないことを示している 体がだるい 浮腫 痰湿が体内に停滞すると体が重だるく むくみが現れることもある 関節腫大 腹水局所に停滞すると関節が腫れたり腹水が現れることがある 舌苔白膩 脈滑体内に痰湿が停滞していることを示している
補気 行気消導 益気解毒健脾補腎 消腫解毒益気利水 補血活血益気 活血益気 活血逐瘀 利湿通絡 清熱解毒 袪風止痛