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社会知性論集

(審31)資料5-1 住民意向調査の結果及び住民帰還等に向けた取組について

ドキュメント1


降下物中の 放射性物質 セシウムとヨウ素の降下量 福島県の経時変化 単位 MBq/km2/月 福島県双葉郡 I-131 Cs Cs-137 3 8,000,000 環境モニタリング 6,000,000 4,000,000 2,000,000 0 震災の影響等により 測定時期が2011年7

東部地域の農業 農地の復旧 復興スケジュール 平成 23 年度平成 24 年度平成 25 年度平成 26 年度平成 27 年度 市復興ビジョン 復旧 再生期 発展 創出期 仙台の復興 仮設ポンプ設置 基盤整備対策 がれき撤去 排水機能復旧 ( 排水ポンプ場 排水路の改修等 ) 堆積土砂の除去 除塩事

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はそれぞれ 4~7 歳と推定された 当該ユメカサゴの検体は 4 個体を混合したものだったことから 今回の測定値は 4 個体の平均濃度を示しており 4 個体のそれぞれの濃度を知ることは出来ない このため 測定に供さなかった魚の頭部 ( 骨等の可食部以外の部位を含む ) を細断し これを検体として個体別

平成 30 年 3 月 6 日 大熊町住民意向調査調査結果 ( 速報版 ) 復興庁 福島県 大熊町 調査の概要 1. 調査対象 : 世帯の代表者 (5,218 世帯 ) 2. 調査時期 : 平成 30 年 1 月 4 日 ~1 月 18 日 3. 調査方法 : 郵送配布 郵送回収 4. 回答者数 :

第3 復興整備計画 参考様式集

福島復興再生特別措置法の一部を改正する法律 について <1. 特定復興再生拠点区域の復興及び再生を推進するための計画制度の創設 > 従来 帰還困難区域は 将来にわたって居住を制限することを原則とした区域 として設定 平成 29 年 5 月復興庁 地元からの要望や与党からの提言を踏まえ 1 帰還困難区

東日本大震災からの復旧 復興に向けての特別意見 平成 23 年 7 月 8 日 全国町村会

平成 24 年 11 月 6 日 大熊町住民意向調査調査結果 ( 速報版 ) 復興庁福島県大熊町 調査の概要 1. 調査対象 : 全世帯主 ( 分散避難している場合は それぞれの代表者 ) 5,378 世帯 2. 調査時期 : 平成 24 年 9 月 7 日 ( 金 )~9 月 24 日 ( 月 )


( 鉱工業 ) 自動車 : 震災により東北地域の自動車部品メーカーが被害を受け 自動車生産は全国で縮小 停止していたが 現在 生産可能な車種から 操業スピードを調整しつつ再開する等の動きが出てきている 当面は 部品供給の状況にあわせた生産が行われる見通し (4 電気機械 ( 半導体 電子部品等 ):

企業経営動向調査0908

1 東日本大震災の概要 1 地震の概況等 (1) 発生日時 平成 23 年 3 月 11 日 ( 金 )14 時 46 分頃 (2) 震央地名 三陸沖 ( 北緯 38.1 度, 東経 度牡鹿半島の東約 130km) (3) 震源の深さ約 24km (4) 規模 マグニチュード9.0 (5

整理番号 10 事後評価書 ( 完了後の評価 ) 都道府県名 愛知県 関係市町村 田原市他 事業名地区名 Ⅱ 点検項目 1. 費用対効果分析の算定基礎となった要因の変化 ( 広域水産物供給基盤整備事業 ) 事業主体 愛知県 Ⅰ 基本事項 1. 地区概要 漁港名 ( 種別 ) - 漁場名 アツミガイカ

Ⅰ Ⅱ 平成 27 年 岩手県の東日本大震災津波からの復興に関する意識調査 結果 ( 速報 ) 目的 復興計画に基づいて県が行う施策 事業の実施状況や進捗に関し 県民がどの程度重要だと感じ どの程度復旧 復興を実感しているか等を毎年継続的に把握することにより 計画の実効性を高め 長期にわたる復興に向

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2. 県別の生産能力や売上の回復状況 3 県の全体では 生産能力が 8 割以上回復した業者は 4 売上が 8 割以上回復した業者は 2 生産能力が 8 割以上回復した業者は 岩手県では 5 宮城県 4 福島県 2 一方 売上が 8 割以上回復した業者は 岩手県では 4 宮城県 3 福島県 生産能力の

復興大臣 竹下亘様 要望書 平成 27 年 1 月 29 日 福島県南相馬市長桜井勝延

日本GAP協会 放射能検査プログラム 石岡市 プレゼン版

国営農地再編整備事業 ニセコ地区 事業の概要あぶたぐん本事業は 北海道南西部に位置する虻田郡ニセコ町の畑地帯において 区画整理を行い 生産性の高い基盤の形成を通じて農業の振興と耕作放棄地の解消 発生防止を図るものである 事業の目的 必要性本地区の農地は 基盤整備が遅れているため 小区画や急傾斜であり

資 料 食品中の放射性物質の最近の検出状況 平成 30 年 10 月 消費者庁食品安全委員会厚生労働省農林水産省 目次 1 農林水産物の放射性物質対策 2~ 8 2 検査の仕組み 9~15 3 検査の結果 16~25 1

資料 3 前回の小委員会の振り返りについて 多核種除去設備等処理水の取扱いに関する小委員会 事務局

Microsoft PowerPoint - 土地利用再編の特例.pptx

(2) 直接的な被害 影響の内容第 図および第 表は 直接的な被害 影響を受けた事業所の具体的な被害 影響の内容を示したものである 全体では 支店 営業店 倉庫 工場等の損壊 が 51.8% で最も多く 商品 仕掛品 原材料等の損壊 が 23.5% となっている 産業分類別で

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占めた 続いて 被災地を中心とした東北 ( 岩手県 宮城県 福島県 ) が 10.1% となっている ( 資料 2) また 食品中の放射性物質の検査の情報について 基準値超過の食品が確認された市町村では 同一品目の食品が 出荷 流通 消費されないこと について 知っている と回答した人の割合は 20

Ⅰ 収穫量及び作柄概況 - 7 -

Taro-農業被害の概要

NO. 2 事業名 埋蔵文化財発掘調査事業 ( 鹿島区 ) 事業番号 A-4-2 事業実施主体 南相馬市 交付期間 H24-H26 総交付対象事業費 55,014( 千円 ) 復興事業 ( 防災集団移転 ) に伴い市内に所在する遺跡について 発掘調査事業を実施する 鹿島区内遺跡数 9 遺跡 対象面積

(2) 原発事故の影響 (2)-1 原発事故後 約 1 年間の影響原発事故後 約 1 年の間の影響は 第 1 位では 自粛ムードで客数が減少した 顧客からの問合せ業務が増えた が約 2 割である 第 2 位では 東北産地からの食材入手先を 全て 或いは一部 西日本に変更した 東北にある工場が操業停止

1 調査概要調査手法 : 各県 300 票インターネットによるモニター調査調査時期 :2018 年 12 月 7 日 ~10 日調査対象 : 300 票宮城県 茨城県 東京都 大阪府各 300 票調査方法 : 合計 1500 票の調査を実施抽出方法 : 年層 (20 代 ~60 代 ) 男女割当法

Microsoft PowerPoint - (資料3)G7向け資料rev19.pptx

ii 8. 河川法と漁港法との調整に関する協定 ( 抄 ) 運輸省港湾局と農林省水産庁生産部とに関連ある港湾災害復旧事業の処理について 76 第 2 漁港関係災害関連事業 Ⅰ 補助金交付要綱 1. 漁港関係災害関連事業等補助金交付要綱 77 Ⅱ 災害関連漁業集落環境施設復旧事業 1. 災

東京電力原発事故による 「みやぎの農畜産物」への 影響とその対策

中間指針第四次追補に関するQ&A集

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唐津市農業委員会 農地等の利用の最適化の推進に関する指針 平成 2 9 年 11 月 8 日 唐津市農業委員会 第 1 基本的な考え方農業委員会等に関する法律 ( 昭和 26 年法律第 88 号 以下 法 といいます ) の改正法が平成 28 年 4 月 1 日に施行され 農業委員会においては 農地

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( 注 )(1) 1 の 2 の施策を推進するために必要な 農地の確保の方針 は 市町村全体における農業の健全な発展に向けた農地の確保の取り組みについて記載する (2) 農地の利用の方針 は 農業 農村の復興マスタープラン及び復興関連施策の事業計画 工程表等を踏まえ 被災農地の復旧 復興による農地の

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平成 31 年度 税制改正の概要 平成 30 年 12 月 復興庁

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激甚災害制度について

当面の事業概要 < 平成 25 年度 > 実施設計業務委託 < 平成 26 年度 > 市道 1504 号線電線共同溝整備工事 道路改築工事 < 平成 27 年度 > 市道 1504 号線電線共同溝整備工事 市道 1504,1505,1507 号線道路改築工事 < 平成 28 年度 > 市道 1504

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資料 1 復興 8 年間の現状と課題 平成 31 年 3 月 8 日

学んで、考えてみよう 除染・放射線のこと 使い方

宮城県 競争力のある大規模土地利用型経営体の育成 活動期間 : 平成 27~29 年度 ( 継続中 ) 1. 取組の背景震災により多くの生産基盤が失われ, それに起因する離農や全体的な担い手の減少, 高齢化の進行による生産力の低下が懸念されており, 持続可能な農業生産の展開を可能にする 地域営農シス

平成31年度予算概算決定額 森林整備事業 治山事業 林野公共事業 (平成30年度1次補正予算額5,199百万円 182, ,049 百万円 平成30年度第2次補正予算額 32,528百万円) 臨時 特別の措置 として31年度概算決定額44,128百万円を別途措置 対策のポイント 林業の成

P19 ~ P22 項目 (4) 県内水揚状況 ( 属地 ) 1 年別水揚状況 年次 水揚数量 水揚金額 平成 23 年 項目 2 漁業協同組別水揚状況 年次 相馬双葉 百万円 ,513 4,535 3,461 5,644 6,1 8,514 6,591 1,6

章さらに 熊本県では 平成 31(2019 年度末の完了を目指し 大規模な地表面の亀裂やずれによる被害が発生した農地や農業用施設について 創造的復興の取組として 単に 元あった姿に戻すだけでなく 大区画化と併せた農地集積を図る基盤整備事業を行うとしくまもとしましきまちあきつあそしあそだにみなみあてい

1. 調査目的 東日本大震災の影響に関するアンケート調査結果 3 月 11 日に発生した東日本大震災により 東北経済連合会会員企業も大きな影響を受けまし た 会員企業の被災状況を把握し 今後の経済活動の展望 および支援活動に資するためアンケ ート調査を行ないました 2. 調査期間平成 23 年 7


第二次 浪江町農業再生プログラム     ~平成29年度から3か年での営農再開を目指して~

3. 市街化調整区域における土地利用の調整に関し必要な事項 区域毎の面積 ( 単位 : m2 ) 区域名 市街化区域 市街化調整区域 合計 ( 別紙 ) 用途区分別面積は 市町村の農業振興地域整備計画で定められている用途区分別の面積を記入すること 土地利用調整区域毎に市街化区域と市街化調整区域それぞ

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加賀市農業委員会農地等の利用の最適化の推進に関する指針 平成 30 年 1 月 26 日制定 加賀市農業委員会 第 1 指針の目的 農業委員会等に関する法律 ( 昭和 26 年法律第 88 号 以下 法 という ) の一部改正法が平成 28 年 4 月 1 日に施行され 農業委員会においては 農地等

農林水産省より 2015 年農林業センサス結果の概要 ( 確定値 ) が公表されましたので 富山県の概要について 次のとおりお知らせいたします 2015 年農林業センサス結果の概要 ( 確定値 ) について ( 農林業経営体調査 富山県分 ) - 農業経営体数が減少する一方 法人化や経営規模の拡大が

1 水産業を巡る概況 (1) 東日本大震災による被害について平成 23 年 3 月 11 日午後 2 時 46 分, 三陸沖を震源として 平成 23 年東北地方太平洋沖地震 が発生しました 地震の規模はマグニチュード9.0を記録し, それに伴い発生した津波は, 宮城県石巻市鮎川で8.6m 以上 (

スライド 1

証料を保証当初 5 年間免除 (3) このほか 被災農林漁業者が意欲を持って経営を再開できるように 以下のとおり要請済み 1 新規融資に際しては 円滑な融通が図られるように 関係金融機関に要請 2 既往融資に関して 償還猶予などの措置を適切に講じるように 関係金融機関に要請 3 災害救助法の適用地域

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1 2 3 CONTENTS

<ハード対策の実態 > また ハード対策についてみると 防災設備として必要性が高いとされている非常用電源 電話不通時の代替通信機能 燃料備蓄が整備されている 道の駅 は 宮城など3 県内 57 駅のうち それぞれ45.6%(26 駅 ) 22.8%(13 駅 ) 17.5%(10 駅 ) といずれも

目 次 Ⅰ 集落営農数 Ⅱ 集落営農数 ( 詳細 ) 1 組織形態別集落営農数 2 農業経営を営む法人となる画の策定状況別集落営農数 3 設立年次別集落営農数 4 経営所得安定対策への加入状況別集落営農数 5 人 農地プランにおける位置づけ状況別集落営農数 (1) 中心経営体として位置づけの有無別

環境保全に関する協定書 ( 基準協定 ) 旭川市 ( 以下 甲 という ) と ( 以下 乙 という ) は, 乙が旭川市内で施工する事業 ( 以下 事業 という ) について, 次のとおり協定を締結する ( 法令等の厳守 ) 第 1 条 乙は, 事業実施に当り, 森林法, 北海道自然環境等保全条例

第1部第Ⅱ章154 漁業経営体と水揚げ 岩手県 宮城県及び福島県における平成 25(2013) 年 11 月 1 日現在の漁業経営体数は 5,658 経営体で 平成 20(2008) 年の10,062 経営体の56% となっています また 過去 1 年間の海上作業が30 日未満で経営を再開したとは言

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技術等検討小委員会 ( 第 2 回 ) 資料第 1 号 原子力発電所の 事故リスクコスト試算の考え方 原子力発電 核燃料サイクル技術等検討小委員会 ( 第 2 回 ) 平成 23 年 10 月 13 日 内閣府原子力政策担当室

東京電力(株)福島第一、第二原子力発電所事故による原子力損害の範囲の判定等に関する第二次指針

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平成 26 年度補正予算 :200 億円 1

(1) 生活排水について 地域の実状に応じ 下水道 浄化槽 農業集落排水施設 コミュニティ プラント等の生活排水処理施設の整備及び高度処理化 適正な施設維持管理等の対策を計画的に推進すること 加えて 合流式下水道の改善の取組を推進すること (2) 指定地域内事業場について これまで行われてきた汚濁負

スライド 1

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農業指導情報 第 1 号能代市農業総合指導センター環境産業部農業振興課 発行平成 26 年 4 月 25 日二ツ井地域局環境産業課 確かな農産物で もうかる 農業!! 農家の皆さんを支援します!! 農家支援チームにご相談ください! 今年度 農業技術センター内に農家支援

第1第Ⅱ章146 部( 漁港施設 ) 漁港は 漁船の係留や燃油や食料等の補給 漁獲物の陸揚げ 加工 流通等の機能が集積した水産業の基盤施設であることから 被災地の水産業の再生のためには いち早くその機能の回復を図ることが重要です このため 漁港施設の復旧については 全国的な拠点漁港や地域水産業の拠点

原子力損害賠償の進捗状況について < 原子力損害賠償のご請求 お支払い等実績 > ご請求について 個人 年 7 月 13 日現在 法人 個人事業主など ご請求書受付件数 ( 延べ件数 ) 約 2,375,000 件約 481,000 件 本賠償の状況について 本賠償の件数 ( 延べ件数

独立行政法人水資源機構事業 ぐんまようすいきんきゆうかいちく群馬用水緊急改築地区 事業の概要本事業は 群馬県の中央に位置し 関東平野の西北端 赤城 榛名及び子持山麓一帯に広がった 5 市 1 町 1 村 ( 渋川市 前橋市 桐生市 伊勢崎市 高崎市 吉岡町 榛東村 ) にまたがる農地面積 6,214

資料 4 平成 29 年 1 月 27 日記者会見 土地区画整理事業に関する土地利活用意向調査の実施結果について 復興推進本部都市整備推進室 1 土地利活用意向調査の目的 市内 4 地区の土地区画整理事業は 平成 29 年度末を目標に全ての宅地引渡しが完了できるよう鋭意工事を進めております 地権者へ

中央環境審議会廃棄物・リサイクル部会(第49回)

福島県の全量全袋検査の取組みについて(0120ver)

数値目標 事業開始前 ( 現時点 ) 平成 28 年度 (1 年目 ) 平成 29 年度 (2 年目 ) 平成 30 年度 (3 年目 ) 港湾取扱貨物量 556 万トン 4 万トン 0 万トン 20 万トン 観光入込客数 2,899.4 万人回 -9.5 万人回 1.9 万人回 1.9 万人回 7

海洋生物環境研究所研究報告 第22号

田原市農業委員会 農地等の利用の最適化の推進に関する指針 平成 30 年 3 月 23 日 田原市農業委員会 第 1 基本的な考え方農業委員会等に関する法律 ( 昭和 26 年法律第 88 号 以下 法 という ) の改正法が平成 28 年 4 月 1 日に施行され 農業委員会においては 農地等の利

重点戦略事業土地改良事業補助事業 土地改良区が行う土地改良事業 ( 用排水施設の整備等 ) について 農家負担の軽減を図るため 事業費の一部を補助した 土地改良区が行う土地改良事業 ( 用排水施設の整備等 ) について 農家負担の軽減を図るため 事業費の一部を補助する 重点戦略事業基盤整備促進事業

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テーマ 福島の今を考える 課題 今なお3万人が避難したままの福島の一次産業の今は メディアの情報とフ ィールドで体感される情報との差異は 現状に対する私たちの認識がどう変わるか 解決策 この社会的な問題を理解するためにどのようなコミュニケーションや情報 伝達が必要か 福島の被災地を実際に訪れて 一次

IAEA Report DOC

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事業に対する決議平成 25 年 2 月 19 日に関係市町及び土地改良区からなる大利根用水地区国営施設機能保全事業推進協議会において 平成 26 年度事業実施に向けた推進について了解を得たところであり 平成 25 年 3 月 14 日に千葉県大利根土地改良区総代会及び平成 25 年 3 月 29 日

調査の仕様

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Ⅰ 東日本大震災の概要 発生日時平成 23 年 3 月 11 日 14:46 マグニチュード 9.0 地震型 被災地 震度 6 弱以上県数 津波 被害の特徴 死者行方不明者 海溝型 農林水産地域中心 8 県 ( 宮城, 福島, 茨城, 栃木, 岩手, 群馬, 埼玉, 千葉 ) 各地で大津波を観測 (

Transcription:

被災地の農業 水産業の現状と課題 東日本大震災 原子力発電所事故発生後 2 年を経過して 農林水産委員会調査室 本島裕三 1. はじめに東日本大震災及び震災に伴う東京電力福島第一原子力発電所事故が発生して2 年が経過した そこで 本稿では 昨年 12 月に国土交通調査室と当室が合同で行った現地調査で訪れた地域の事例等を挙げながら 震災発生及び原子力発電所事故から2 年を経た現在の被災地の農業及び水産業の復旧 復興の課題について考えてみたい 2. 東日本大震災において被災した農業経営体及び漁業経営体の再開状況平成 23 年 3 月に発生した東日本大震災において 岩手 宮城 福島の東北 3 県の農林水産業は多大な被害を受けた 農地 農業用施設 主な漁港については おおむね3 年間での復旧を目指して これまで復旧事業が進められてきた 農業用施設のうち 主要な排水機場については 平成 24 年 8 月までに応急復旧を完了し 現在 約 7 割の機場で本格復旧を実施している状況である 農地については 除塩等を行い 25 年春までに津波被災農地の約 6 割以上で営農再開が可能となっている 漁港については 25 年 3 月段階で 被災漁港の約 4 割で陸揚げ機能の復旧が完了 水産加工施設も約 7 割で業務再開に至っている 図表 1 営農を再開できない理由 ( 複数回答 ) ( 出所 ) 東日本大震災による農業経営体の被災 復旧状況 ( 平成 25 年 3 月 11 日現在 ) ( 平成 25 年 4 月 農林水産省 ) 農林水産省が公表した平成 25 年 3 月 11 日現在の被害のあった農業経営体の経営再開状 34 ( 参議院事務局企画調整室編集 発行 )

況は 岩手県 97% 宮城県 65% 福島県 59% であるが 中でも津波被害を受けた農業経営体の営農再開割合は 岩手県 48% 宮城県 58% 福島県 20% にとどまっている 被災した農業経営体が営農を再開できない理由として 岩手県 宮城県では 耕地や施設が使用 ( 耕作 ) できない が 福島県においては 原発事故の影響 が多い ( 図表 1) また 養殖業を含む被災漁業経営体の 25 年 3 月 11 日現在の経営再開状況は 岩手県 84% 宮城県で 72% となっている 経営再開できない理由として 岩手県 宮城県では 漁港の環境が整わない ことが挙げられている ( 図表 2 3) なお 福島県は 原子力発電所事故の影響のため 海面漁業試験操業の実施にとどまっており 養殖業も再開されていない 図表 2 再開できない理由割合漁業経営体 ( 複数回答 ) 単位 :% ( 出所 ) 東日本大震災による漁業経営体の被災 復旧状況 ( 平成 25 年 3 月 11 日現在 ) ( 平成 25 年 4 月 農林水産省 ) 図表 3 再開できない理由割合養殖業経営体 ( 複数回答 ) 単位 :% ( 出所 ) 東日本大震災による漁業経営体の被災 復旧状況 ( 平成 25 年 3 月 11 日現在 ) ( 平成 25 年 4 月 農林水産省 ) 35

以上のように 農業用施設 農地 漁港等の復旧が進みつつある一方 経営再開ができ ないままの農業経営体及び漁業経営体も存在している 3. 宮城県亘理町のいちご団地造成事業に見る農業の復興に向けての課題 (1) いちご農家の被災状況及び復旧に向けた取組について宮城県亘理町は 隣接する山元町とともに 東北におけるいちごの大生産地であった 震災以前のいちごの栽培面積は 58.29ha 栽培戸数は 251 戸に上っていたが 震災において このうちの約 9 割に上る 54.46ha 232 戸の栽培農家が被災し 被害を免れたのは 3.83ha 19 戸であった 亘理町では いちご栽培の再開に向けて 生産にかかる資機材の導入 ( パイプハウス ビニール 肥料 農薬 灌水設備など ) や 畑地の除塩が行われている さらに 震災により施設が全壊したいちご生産者 8 戸について 津波被害を受けなかった内陸部の耕作放棄地を再生し いちご生産に取り組んだ これらの取組により 24 年産いちごの復旧面積は 14.06ha 25 年産は 19.25ha となった 亘理町のいちご栽培で 水はけのよい土壌 地下水 日照時間の長さなど いちご栽培向きの条件を活用して ビニールハウスによる土耕栽培が行われていた しかし 震災に伴い 地下水及びほ場の塩分濃度が高くなった このため 除塩を行う必要があったものの 土壌を入換えするための代替の土壌がなく 早期の営農再開が難しい状況であった そこで 亘理町では いちご生産を集約した生産団地を造成し 大型鉄骨ハウスでの水道水を用いた水耕栽培へ転換を図ることとし 現在 亘理町内 3か所に大型園芸施設を造成 建設するいちご団地造成事業を行っている 写真造成中の浜吉田いちご団地 ( 出所 ) 筆者撮影 ( 平成 24 年 12 月 18 日現在 ) この事業の総事業費は約 112 億円である 造成面積は浜吉田団地 :35.12ha 開墾場団地 :20.12ha 逢熊団地:9.12h の計 64.5ha( 周辺道路の造成を含む ) であり いちご栽培 36

施設 ( 農家数 99 戸 ) として大型鉄骨ハウス (1 戸あたり 2,500 平米 )103 棟 育苗施設と してパイプハウス 313 棟の建設を 平成 25 年産いちご生産に間に合わせるべく進めた (2) いちご団地造成事業から見る被災地農業の復興に向けた課題この亘理町におけるいちご団地造成事業における課題としては 1 水耕栽培の技術の普及 2 地下水より割高な水道水利用に伴う農家の負担 3 施設から排出される廃液の処理等が挙げられている このうち 技術の普及については JAみやぎから技術者が派遣されることにより解決が図られる 水道水の利用はコスト上昇をもたらすが 水耕栽培であるため 土耕栽培と違い病害虫の発生が抑えられること トラクター等の農業機械が不要になることといったメリットがある 廃液処理については 施設に浄化槽を設置し対応することになっている 一方で 亘理町のいちご農家のうち5 戸が 災害危険区域の砂地に畑を復旧させ 営農を再開した 土耕栽培による伝統の味を守ろうと水耕栽培への転換に反発していることが報道 1 されている これらの農家は 危険区域に戻った人たちは自宅や畑の改修に大金をつぎ込んでおり もう他の土地へは移れない と訴えているとのことであるが 土耕栽培ではハウスの温度管理を行う必要から住居を隣接させる必要があり 危険地域においては 被災の危険が伴う 亘理町としては 危険区域一帯を整備して大規模農地へと集積を図る方針であり いちご農家の集団移転に理解を求めたいとしている 亘理町の事例をみると 土壌表面の塩分濃度を下げることは可能であるものの 地下水の塩分濃度が高いため用水確保への影響は避けられず 土壌の入換えを行うにも入れ換えする土壌が確保できない地域でどのように農地を復旧させるか また 農業者が危険区域で営農再開した場合の対処の在り方等が課題であると思われる 4. 宮城県石巻漁港に見る水産業の復興に向けての課題 (1) 石巻漁港の復旧状況石巻漁港は 世界三大漁場の一つと言われる金華山 三陸沖の好漁場に近いことから サバ タラ イカ カツオ サンマ等の豊富な漁獲物の流通と水産加工業の拠点として全国有数の地位を占めてきた 平成 22 年は 総水揚量 128,678 トンと全国 4 位であった しかし 23 年 3 月の東日本大震災に伴う大津波により漁港区域が広範にわたり壊滅的な被害を受け 同年の総水揚量は 27,926 トンと全国 20 位まで落ち込む結果となった 石巻漁港 ( 東港 ) の水揚岸壁は 全長が 1,200m であったが 被災後 1m 以上地盤沈下したため使用できなくなったため 現在 330m を応急復興し使用している さらに約 870m を整備するが 現在約 500m が完成している また 荷さばき所についても 被災前 652m 30m (19,560m 2 ) であったが 仮設の 8,364m 2 が稼働している現状である (2) 石巻漁港における水産業復興の課題漁港施設や漁船が復旧しても 受け皿の水産加工業が復旧しなければ 水産業の復興は立ちゆかない 震災後 水産加工業については 地盤沈下を復旧するかさ上げ工事が進ま 37

ない状況があったが 石巻においては 24 年度中に8 割まで工事が完了したところである 今後 水産加工団地の再整備が課題である 水産業の復興に当たっては 漁港 漁船の復旧と同時に 漁獲物の受け皿となる加工 流通業の復旧 復興を一体的に進めることが課題であると言えよう 震災後 事業を再開する水産加工企業も増えているが 再開までの2 年間のブランクをどう埋めるのか つまり マーケティングと販路拡大をどのように行うかも課題となっている また 今回の震災に伴う原発事故の影響により 宮城県沖のタラ (1kg 以上 ) ヒラメ ( 金華山以南 宮城県沖 ) 等の魚種について 出荷制限がかかっている 石巻魚市場では 現在 毎日午前 4 時から午後 4 時まで 2 名ずつ2 交代制で簡易検知機器を使用した水揚魚の検査を実施している 水揚げされた各魚種について 基本的に1 kg 分をすり身にして検査している これは魚の放射性物質基準が kg 当たり 100bq となっていることに合わせているためである このため ノドグロ等の水揚量が少ない高級魚の場合 多くが検査に回ってしまうこともある 50bq/kg 以上が検出された場合には 県に報告し ゲルマニウム半導体検出器で精密検査することになっているとのことであるが 水揚魚種全てについて 検出限界以下が続いているとのことであった しかし 現在もなお 宮城県沖の一部魚種について出荷制限が継続しており 直近の海から水揚げできないという状況が続いている 漁船が復旧しても漁ができない あるいは風評被害により売れない等の問題も課題と言えよう 5. 福島県に見る原発事故からの農業 水産業の復旧 復興 (1) 福島県における農業 水産業の復旧状況東日本大震災及び震災に伴い発生した東京電力福島第一原子力発電所事故により 農地 森林 農林水産物などが広範囲にわたり放射性物質に汚染され 農林水産業 農山漁村に深刻な事態を招いた 特に福島県においては その影響がより深刻である 福島県の農地 農業用施設等の復旧工事については 査定完了 2,753 地区 ( 平成 25 年 3 月末現在 ) のうち着手済地区が 2,204 地区であり 進捗率は 80% となっている しかし 東日本大震災に伴う被災農地面積 ( 警戒区域含む )5,927ha のうち営農再開が可能な農地面積は 549ha と1 割に満たない水準にとどまっている また 原子力発電所事故の影響により農業生産の断念を余儀なくされた避難区域等においては 営農再開に向けた環境が整っていない 農業者の帰還や営農再開には 農地の除染と合わせて 除染終了後の農地保全管理や放れ畜対策など安心して営農ができる環境づくりに取り組む必要がある 復興庁は 福島県に基金を造成することにより 営農再開を目的として行う一連の取組を 農地の除染や住民帰還の進捗に応じて切れ目なく支援することとしている 水産業については 震災前漁船数 1,173 隻に対し 被災しなかった漁船と被災から復旧した漁船を合わせ 54% である 636 隻が稼働可能である ( 平成 25 年 3 月末現在 ) 福島県沖 38

における操業自粛は継続しており 長期化している 福島県漁業協同組合連合会は福島県地域漁業復興協議会を設置し 平成 24 年 6 月下旬から 放射性物質の値が低い海域 魚種について試験的な操業を実施している 水産庁は 漁業再開に向けた試験操業の取組を支援するとともに 高濃度に放射性物質で汚染された魚類の汚染源 汚染経路の解明等を実施することとしている (2) 原子力発電所事故対策と風評被害 損害賠償の課題原子力発電所事故の発生以後 食品等の中に含まれる放射性物質の基準値の設定 (100bq/kg) 農林水産物についての放射性物質モニタリング調査や米の作付制限 出荷制限 放射性物質の低減対策 農地 林地の除染等が行われてきた これらの取組や事故後の時間の経過により 農畜産物に含まれる放射性セシウムの値は低くなっており 平成 23 年度末までと比べ 24 年度は基準超過の比率も大幅に低下した きのこ 山菜類 水産物では 基準値を超過したものが見られるが 超過割合は減少している 被災地では土壌の除染 農林水産品等の放射性物質の検査体制の整備など 食品の安全性の取組も進められ 流通前の検査においては 基準値を超過する食品の割合は極めて少なくなっているが 消費者は依然として被災地の産品の購入や摂取をためらう意識が残っているとの指摘 2 がある 東京都中央卸売市場においては 震災以前の平成 21 年度の価格と比較して 福島県産の野菜の価格は 震災 1 年目の 23 年度は5% 減 2 年目に当たる 24 年度は 18.7% 減となり この1 年で風評被害が更に強まっているという報道 3 がある 福島県の農業を復興していくためには この風評被害対策の継続 強化が課題である また 農林水産関係に対する東京電力の損害賠償について 農林水産省の聞き取りの結果 平成 25 年 2 月末までに 合計約 4,330 億円の請求に対し 3,587 億円 ( 約 83%) が支払われたことが明らかになった 一方 原木しいたけ等の賠償は遅れている問題がある 6 終わりに震災及び原子力発電所事故からの農業及び水産業の再開に向けた課題を取り上げたが 被災地においては 仮設住宅に入居している農業者 漁業者も多い また 経営再開を困難にしている理由として 震災から2 年を経て 農業 水産業ともに営農の環境及び漁港の環境が整わないことが第一の理由として挙げられるようになってきた いまだ 安心して経営再開できる環境が十分に整備されていないと言えよう 復旧 復興を妨げている課題を早急かつ適切に解決していくことが必要であろう ( もとしまゆうぞう ) 1 読売新聞 ( 平 25.3.28) 2 食品中の放射性物質等に関する意識調査 ( 平成 25 年 3 月 11 日消費者庁 ) 3 毎日新聞 ( 平 25.3.29) 39