保険調剤の理解のために

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301226更新 (薬局)平成29 年度に実施した個別指導指摘事項(溶け込み)

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3 電子情報処理組織の使用による請求又は光ディスク等を用いた請求により療養の給付費等の請求を行うこと ( 以下 レセプト電子請求 という ) が義務付けられた保険医療機関 ( 正当な理由を有する400 床未満の病院及び診療所を除く なお 400 床未満の病院にあっては 平成 27 年度末までに限る

目次 Ⅰ 調剤等に関する事項 1 処方せん 1 2 調剤等 2 3 処方せん 調剤録の保存 3 Ⅱ 調剤技術料に関する事項 1 調剤料 3 2 調剤料又は調剤技術料に係る加算 3 Ⅲ 薬学管理料に関する事項 1 薬剤服用歴管理指導料 3 Ⅳ 薬剤料等の請求 1 薬剤料 5 Ⅴ 事務的事項 1 届出事

Ⅱ 調剤録等の取扱いについて

により算定する ただし 処方せんの受付回 数が 1 月に 600 回以下の保険薬局を除く により算定する 注の削除 注 4 別に厚生労働大臣が定める施設基準に適合 ( 削除 ) しているものとして地方厚生局長等に届け出た保険薬局において調剤した場合には 基準調剤加算として所定点数に32 点を加算する

に 正当な理由がない限り無償で交付しなければならないものであるとともに 交付が義務付けられている領収証は 指定訪問看護の費用額算定表における訪問看護基本療養費 訪問看護管理療養費 訪問看護情報提供療養費及び訪問看護ターミナルケア療養費の別に金額の内訳の分かるものとし 別紙様式 4を標準とするものであ

目次 Ⅰ 調剤等に関する事項 1 処方せん 1 2 調剤等 2 3 処方せん 調剤録の保存 3 Ⅱ 調剤技術料に関する事項 1 調剤料 3 2 調剤料又は調剤技術料に係る加算 3 Ⅲ 薬学管理料に関する事項 1 薬剤服用歴管理指導料 3 Ⅳ 事務的事項 1 新規 届出事項 5 2 掲示事項 5 Ⅴ

平成 29 年度版として各県の項目を統合したものです 平成 29 年度に実施した個別指導におい て保険薬局 ( 調剤 ) に改善を求めた主な 指摘事項 東北厚生局 平成 31 年 3 月

3 薬局サービス等 (1) 健康サポート薬局である旨の表示 健康サポート薬局 である旨を表示している場合 健康サポート薬局 とは かかりつけ薬剤師 薬局としての基本的な機能に加えて積極的な健康サポート機能 ( 地域住民による主体的な健康の維持 増進を支援する機能 ) をする薬局をいいます (2) 相

はじめに 監査について 最新の監査状況については 平成 25 年 1 月 31 日付けで公表 平成 23 年度における保険医療機関等の指導 監査等の実施状況について フッター 2

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Microsoft PowerPoint - 【厚労省】説明資料_ pptx

平成 30 年度調剤報酬改定に係る 都薬によくある問い合わせ ( 平成 28 年 ) 調剤基本料 1 ( 平成 30 年 ) 調剤基本料 1 の場合は提出不要 様式 87 の 3 地域支援体制加算の施設基準に係る届出書添付書類 2 麻薬小売業者免許証の番号 ( 届出する全薬局 ) 該当番号を記載 3

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Microsoft Word _正当理由通知(薬局医薬品) (反映)

ニ後発医薬品の使用に積極的に取り組んでいる旨を当該保険医療機関の見やすい場所に掲示している こと 4 施設基準 通知 第 36 の 3 外来後発医薬品使用体制加算 1 外来後発医薬品使用体制加算に関する施設基準 (1) 診療所であって 薬剤部門又は薬剤師が後発医薬品の品質 安全性 安定供給体制等の情


300416保険調剤の理解のために

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飛島村居宅介護 ( 介護予防 ) 住宅改修に係る事業者の登録及び住宅改 修費受領委任払い制度取扱要綱 ( 趣旨 ) 第 1 条 この要綱は 介護保険法 ( 平成 9 年法律第 123 号 以下 法 と いう ) 第 45 条第 1 項に規定する居宅介護住宅改修又は同法第 57 条第 1 項に規定する

薬事法における病院及び医師に対する主な規制について 特定生物由来製品に係る説明 ( 法第 68 条の 7 平成 14 年改正 ) 特定生物由来製品の特性を踏まえ 製剤のリスクとベネフィットについて患者に説明を行い 理解を得るように努めることを これを取り扱う医師等の医療関係者に義務づけたもの ( 特

2 成分が同一の剤形変更 例 タケプロンOD 錠 15mg タケプロンカプセル 15mg ユリーフOD 錠 4mg ユリーフ錠 4mg コカールドライシロップ 40% カロナール細粒 20% ( 粉砕 ) レボフロキサシン錠 500mg レボフロキサシン細粒 10% 患者に説明 ( 価格 服用方法等

議案第49号-医療福祉費支給に関する条例の一部改正【確定】

地域生活支援事業サービス提供事業者登録要綱

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社会福祉法人春栄会個人情報保護規程 ( 目的 ) 第 1 条社会福祉法人春栄会 ( 以下 本会 という ) は 基本理念のもと 個人情報の適正な取り扱いに関して 個人情報の保護に関する法律 及びその他の関連法令等を遵守し 個人情報保護に努める ( 利用目的の特定 ) 第 2 条本会が個人情報を取り扱

平成 22 年 調剤報酬改定説明会 主催社団法人茨城県薬剤師会 本日の配布資料は 診療報酬改定に関わる膨大な資料の中から 保険薬局に関係する部分を取りまとめたものです スライドの説明順とは必ずしも一致しませんので ご了承ください 1/41

政策課題分析シリーズ14(本文2)

2 成分が同一の剤形変更 例 タケプロンOD 錠 15mg タケプロンカプセル 15mg ユリーフOD 錠 4mg ユリーフ錠 4mg コカールドライシロップ 40% カロナール細粒 20% ( 粉砕 ) レボフロキサシン錠 500mg レボフロキサシン細粒 10% 患者に説明 ( 価格 服用方法等

【事務連絡】160421平成28年熊本地震による被災者に係る一部負担金等の取扱いについて

かかりつけ薬剤師について 新 かかりつけ薬剤師指導料 70 点 かかりつけ薬剤師 薬局の評価一元的 継続的な服薬管理の評価 主な算定要件 患者の同意が必要 同意を得た次の来局時以降に算定可能となる 患者の署名付きの同意書を作成した上で保管し 患者の薬剤服用歴にその旨を記載すること 患者 1 人に対し

Ⅲ-3 試用医薬品に関する基準 平成 10 年 1 月 20 日公正取引委員会届出改定平成 13 年 3 月 19 日公正取引委員会届出改定平成 16 年 5 月 25 日公正取引委員会届出改定平成 17 年 3 月 29 日公正取引委員会届出改定平成 26 年 6 月 16 日公正取引委員会 消費

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( 支給対象者等 ) 第 3 条医療費の支給の対象となる者 ( 以下 支給対象者 という ) は 次の各号に該当する母子家庭の母 父子家庭の父及びこれらの者に扶養されている児童並びに養育者に扶養されている父母のない児童とする (1) 本市に住所 ( 配偶者からの暴力を受けること等により本市への住所の

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( 条例第 4 条第 1 項に規定する額 ) 第 4 条条例第 4 条第 1 項に規定する額は 病院若しくは診療所等 ( 保険薬局を除く ) の診療報酬明細書 ( 訪問看護診療費明細書を含む ) 又は医療保険各法に定める療養費支給申請書ごとに 次の各号に掲げる区分に対し定める額とする なお 医療に関

事務連絡 平成 26 年 9 月 5 日 地方厚生 ( 支 ) 局医療課都道府県民生主管部 ( 局 ) 国民健康保険主管課 ( 部 ) 都道府県後期高齢者医療主管部 ( 局 ) 後期高齢者医療主管課 ( 部 ) 御中 厚生労働省保険局医療課 疑義解釈資料の送付について ( その 9) 診療報酬の算定

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厚生年金保険の保険給付及び国民年金の給付の支払の遅延に係る加算金の支給に関する法律

粕屋町重度障害者医療費の支給に関する条例

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Point

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薬局を利用するために必要な情報の掲示 ( 薬事法第 9 条の 4) 次の事項について 掲示板等により 薬局内に掲示 しなければなりません また 第 3 については 特定販売を行うことについての広告をする場合 ホームページ等に表示しなければなりません < 具体例 > 第 1 薬局の管理及び運営に関する

社会福祉法人○○会 個人情報保護規程

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Ⅰ バイタルリンク 利用申込書 ( 様式 1-1)( 様式 ) の手続 バイタルリンク を利用する者 ( 以下 システム利用者 という ) は 小松島市医師会長宛に あらかじ め次の手順による手続きが必要になります 新規登録手続の手順 1 <システム利用者 ( 医療 介護事業者 )>

資料 1 薬の処方せんの使用期間の徒過の防止について 現状 処方せんの使用期間は 交付の日を含めて 4 日以内 ただし 特殊の事情があると認められる場合は 医師の判断により延長が可能 医療機関が用いる処方せんの使用期間欄の記載は 文字が小さく患者が見落としやすい 処方せんに使用期間を記載すること以外

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第 3 条市長は 前条に規定する申請に基づいて医療費の給付を受けることができる者であることを確認したときは 申請者に重度心身障がい者医療費受給者証 ( 第 2 号様式 以下 受給者証 という ) を交付するものとする 2 前項の受給者証の資格取得日は 市長が交付決定をした日の属する月の翌月の初日 (

目 次 Ⅰ 調剤全般に関する事項 1 処方せんの取扱い 1 2 処方内容の変更 1 3 処方内容に関する薬学的確認 2 4 調剤 4 5 調剤済処方せんの取扱い 5 6 調剤録の取扱い 5 7 処方せん及び調剤録の保存 6 Ⅱ 調剤技術料に関する事項 1 調剤基本料 6 2 後発医薬品調剤体制加算

政策課題分析シリーズ14(本文4)

使用のため必要と認められる数量 ( 原則として 一人一包装単位 ( 一箱 一瓶等 ) まで ) に限り 販売 授与させること 医薬品の適正使用のため 薬局医薬品 要指導医薬品及び第 1 類医薬品を販売 授与する場合は 情報提供及び指導を行なった薬剤師の氏名を伝えている 薬局医薬品及び要指導医薬品の適

指定居宅介護支援に要する費用の額の算定に関する基準 ( 平成 12 年厚生省告示第 20 号 ) 介護保険法第 46 条第 2 項及び第 58 条第 2 項の規定に基づき 指定居宅介護支援に要する費用の額の算定に関する基準を次のように定め 平成 12 年 4 月 1 日から適用する 一指定居宅介護支

に該当する者については 同項の規定にかかわらず受給資格者とする 3 病院等に入院等したことにより 本市の区域内に住所を変更したと認められる第 1 項各号に該当する者については 同項の規定にかかわらず受給資格者としない 4 第 1 項及び第 2 項の規定にかかわらず 次の各号のいずれかに該当する者は

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( 注意 ) 1 用紙の規格は 日本工業規格 A 列 4 番とする 2 1~3 の欄は 申請に係る疾病について医療を受けた者の氏名 性別 生 現住所及び電話番号を記入する 3 4~11 の欄は PMDA( 独立行政法人医薬品医療機器総合機構 ) から障害児養育年金 障害年金の認定において疾病に係る医

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03-01【局長通知・特例】施術管理者の要件に係る取扱の特例について

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第 3 条条例第 3 条第 2 項第 2 号の所得割の額 ( 以下 所得割の額 という ) の算定は 次の各号に掲げる場合に応じ 当該各号に定める方法により行うものとする (1) 地方税法第 314 条の7 並びに附則第 5 条の4 第 6 項及び第 5 条の4の2 第 6 項の規定による控除をされ

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2 前項第 1 号の制限額は, 次表のとおりとする 対象者制限額乳幼児等を養育している者扶養親族等及び児童がないときは,53 2 万円とし, 扶養親族等及び児童があるときは,532 万円に当該扶養親族等及び児童 1 人につき38 万円 ( 当該扶養親族等が所得税法 ( 昭和 40 年法律第 33 号

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-2- 経済産業大臣茂木敏充国土交通大臣太田昭宏環境大臣石原伸晃防衛大臣小野寺五典(認定申請書の提出)第一条研究開発システムの改革の推進等による研究開発能力の強化及び研究開発等の効率的推進等に関する法律(平成二十年法律第六十三号)第二条第七項に規定する試験研究機関等(以下 試験研究機関等 という )

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- 2 - り 又は知り得る状態であったと認められる場合には この限りでない 2~7 略 (保険料を控除した事実に係る判断)第一条の二前条第一項に規定する機関は 厚生年金保険制度及び国民年金制度により生活の安定が図られる国民の立場に立って同項に規定する事実がある者が不利益を被ることがないようにする観

個人情報の取扱いに関する規則 平成 12 年 9 月 29 日 奈良県規則第 2 2 号 改正 平成 13 年 3 月 30 日 規則第 68 号 改正 平成 17 年 3 月 29 日 規則第 30 号 改正 平成 18 年 3 月 31 日 規則第 38 号 改正 平成 27 年 9 月 25

中央教育審議会(第119回)配付資料

別紙 ( 国内における臓器等移植について ) Q1 一般の移送費の支給と同様に 国内での臓器移植を受ける患者が 療養の給付を受けるため 病院又は診療所に移送されたときは 移送費の支給を行うこととなるのか 平成 6 年 9 月 9 日付け通知の 健康保険の移送費の支給の取扱いについて ( 保険発第 1

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152 号 ) (6) 保険医療機関等健康保険法第 63 条第 3 項第 1 号に規定する保険医療機関若しくは保険薬局又は同法第 88 条第 1 項に規定する指定訪問看護事業者 ( 平 6 条例 30 平 8 条例 29 平 9 条例 16 平 10 条例 2 平 11 条例 15 平 14 条例

01 表紙 老人保健課

第 2 条条例第 2 条第 1 項に規定する社会保険各法 ( 以下 社会保険各法 という ) は 次の各号に掲げる法律をいう (1) 健康保険法 ( 大正 11 年法律第 70 号 ) (2) 船員保険法 ( 昭和 14 年法律第 73 号 ) (3) 私立学校教職員共済法 ( 昭和 28 年法律第

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第 4 条 ( 取得に関する規律 ) 本会が個人情報を取得するときには その利用目的を具体的に特定して明示し 適法かつ適正な方法で行うものとする ただし 人の生命 身体又は財産の保護のために緊急に必要がある場合には 利用目的を具体的に特定して明示することなく 個人情報を取得できるものとする 2 本会

( 様式第 6) 病院の管理及び運営に関する諸記録の閲覧方法に関する書類 病院の管理及び運営に関する諸記録の閲覧方法 計画 現状の別 1. 計画 2. 現状 閲 覧 責 任 者 氏 名 閲 覧 担 当 者 氏 名 閲覧の求めに応じる場所 閲覧の手続の概要 ( 注 ) 既に医療法施行規則第 9 条の

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(2) レパーサ皮下注 140mgシリンジ及び同 140mgペン 1 本製剤については 最適使用推進ガイドラインに従い 有効性及び安全性に関する情報が十分蓄積するまでの間 本製剤の恩恵を強く受けることが期待される患者に対して使用するとともに 副作用が発現した際に必要な対応をとることが可能な一定の要件

2. 登録講習を実施している機関一般社団法人マンション管理業協会登録年月日平成 13 年 8 月 10 日所在地東京都港区虎ノ門 連絡先 株式会社プライシングジャパン 登録年月日 平成 26 年 10 月 3 日 所在地 埼玉県三郷市上口 連絡先

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時効特例給付制度の概要 制度の概要 厚生年金保険の保険給付及び国民年金の給付に係る時効の特例等に関する法律 ( 平成 19 年 7 月 6 日施行 ) に基づき 年金記録の訂正がなされた上で年金が裁定された場合には 5 年で時効消滅する部分について 時効特例給付として給付を行うこととされた 法施行前

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( 保 99) 平成 29 年 9 月 4 日 都道府県医師会 社会保険担当理事殿 日本医師会常任理事 松本純一 被保険者証の氏名表記について 被保険者証の氏名表記につきましては 性同一性障害を有する被保険者又は被扶養者から 被保険者証において通称名の記載を希望する旨の申出があったことから 保険者が

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医科診療報酬点数表関係 別添 1 在宅患者支援療養病床初期加算 在宅患者支援病床初期加算 問 1 療養病棟入院基本料の注 6の在宅患者支援療養病床初期加算及び地域包括ケア病棟入院料の注 5の在宅患者支援病床初期加算の算定要件に 人生の最終段階における医療 ケアの決定プロセスに関するガイドライン 等の

雇用管理分野における個人情報のうち健康情報を取り扱うに当たっての留意事項 第 1 趣旨 この留意事項は 雇用管理分野における労働安全衛生法 ( 昭和 47 年法律第 57 号 以下 安衛法 という ) 等に基づき実施した健康診断の結果等の健康情報の取扱いについて 個人情報の保護に関する法律についての

第2号様式-(2)

日の属する月の初日から65 歳の誕生日の前日までの期間 (2) 条例第 2 条第 2 項第 2 号に掲げる重度心身障害者等である受給者受給資格の登録をした日の属する月の初日から70 歳の誕生日の属する月の末日 ( その誕生日が月の初日であるときはその日の属する月の前月の末日 ) までの期間 (3)

平成14年8月  日

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保険薬局平成 24 年度調剤報酬改定説明会配布用 ( 平成 24 年 3 月 ) 保険調剤の理解のために

目次 Ⅰ 保険薬剤師 保険薬局の責務 1 保険薬剤師 保険薬局 2 2 保険調剤の基本的ルール 3 Ⅱ 保険薬局及び保険薬剤師療養担当規則 4 Ⅲ 調剤報酬点数表等における留意事項 1 調剤報酬点数表 5 2 処方せん 6 3 調剤録 8 4 調剤基本料 8 5 調剤料 9 6 薬学管理料 10 Ⅳ 保険調剤に関するその他の留意事項等 1 後発医薬品への変更調剤について 12 2 明細書の発行について 12 3 届出事項の変更 12 4 標示 掲示 13 5 その他 13 Ⅴ 健康保険法に基づく指導 監査について 1 指導 監査について 13 2 平成 22 年度の指導 監査の実施状況について 14 Ⅵ さいごに 1 調剤報酬点数表と医科点数表の比較 14 2 保険調剤の概念 ( まとめ ) 16 資料保険薬局及び保険薬剤師療養担当規則 ( いわゆる 薬担 薬担規則 ) 17-1 -

Ⅰ 保険薬剤師 保険薬局の責務 1. 保険薬剤師 保険薬局 (1) 保険薬剤師とは健康保険法の規定により 保険薬局において健康保険の調剤に従事する薬剤師は 厚生労働大臣の登録を受けた薬剤師 ( 保険薬剤師 ) でなければならない ( 健康保険法第 64 条 ) と規定されている (2) 保険薬剤師登録とは保険薬剤師の登録は 薬剤師国家試験に合格し 薬剤師免許を受けることにより自動的に登録されるものではない 薬剤師自らの意思により 所在地を管轄する地方厚生 ( 支 ) 局長 ( 所在地を所管する地方厚生 ( 支 ) 局の事務所がある場合には 当該事務所を経由して行う ) へ申請する必要がある また 申請後交付された保険薬剤師登録票は十分管理し 登録内容に変更が生じた時には速やかに ( 変更の内容によっては保険薬剤師登録票を添えて ) 届け出る必要がある ( 健康保険法第 71 条 ) (3) 保険薬剤師 保険薬局の責務 ( 健康保険法第 72 条 第 70 条 ) 保険薬局において調剤に従事する保険薬剤師は 厚生労働省令で定めるところにより健康保険の調剤に当たらなければならない とされている また 保険薬局は 当該保険薬局において調剤に従事する保険薬剤師に 厚生労働省令で定めるところにより 調剤に当たらせるほか 厚生労働省令で定めるところにより 療養の給付を担当しなければならない とされている ここで言う厚生労働省令が 保険薬局及び保険薬剤師療養担当規則 ( 薬担規則 ) ( 資料 ) であり 保険調剤を行う上での基本的事項を定めたものである (4) 主な関係法令薬剤師法 医療法 薬事法等は 保険調剤の前提として遵守する必要がある 薬剤師法薬剤師の任務 ( 公衆衛生の向上及び増進 ) 第 1 条免許 第 2 条相対的欠格事由 第 5 条次のいずれかに該当する者には免許を与えないことがある 一心身の障害により薬剤師の業務を適正に行うことができない二麻薬 大麻又はあへんの中毒者三罰金以上の刑に処せられた者四薬事に関し犯罪又は不正の行為があった者免許の取消 業務の停止 第 8 条薬剤師が相対的欠格事由のいずれかに該当し 又は薬剤師としての品位を損するような行為があったときは次の処分をすることができる 一戒告二 3 年以内の業務の停止三免許の取り消し調剤 ( 薬剤師以外の調剤の禁止 ) 第 19 条薬剤師でない者は 販売又は授与の目的で調剤してはならない ただし 調剤の求めに応ずる義務 第 21 条調剤に従事する薬剤師は 調剤の求めがあった場合には 正当な理由がなければこれを拒んではならない 調剤の場所 ( 薬局以外での調剤の禁止 ) 第 22 条 - 2 -

処方せんによる調剤 第 23 条薬剤師は 医師 歯科医師又は獣医師の処方せんによらなければ 販売又は授与の目的で調剤してはならない 薬剤師は 処方せんに記載された医薬品につき その処方せんを交付した医師 歯科医師又 は獣医師の同意を得た場合を除くほか これを変更して調剤してはならない 処方せん中の疑義 ( 疑義照会による確認 ) 第 24 条薬剤師は 処方せん中に疑わしい点があるときは その処方せんを交付した医師 歯科医師又は獣医師に問い合わせて その疑わしい点を確かめた後でなければ これによって調剤してはならない 情報の提供 ( 調剤した薬剤の適正使用のための情報提供 ) 第 25 条の 2 薬剤師は 販売又は授与の目的で調剤したときは 患者又は現にその看護に当たつている者に対し 調剤した薬剤の適正な使用のために必要な情報を提供しなければならない 処方せんへの記入等 ( 調剤済みの旨 調剤年月日 記名押印等 ) 第 26 条処方せんの保存 ( 調剤済みとなった日から 3 年間の保存義務 ) 第 27 条調剤録 ( 備える義務 記載事項 最終の記入から 3 年間の保存義務 ) 第 28 条 医療法医療の基本理念 ( 薬剤師を医療の担い手として位置付け ) 第 1 条の 2 第 1 項 ( 調剤を実施する薬局を医療提供施設として位置付け ) 第 1 条の 2 第 2 項薬事法開設の許可 ( 都道府県知事の許可 ) 第 4 条許可の基準 ( 構造設備 薬剤師の員数 ) 第 5 条薬局の管理 ( 管理者の指定 ) 第 7 条管理者の義務 ( 従業者の監督 構造設備 医薬品等の管理 開設者への意見 ) 第 8 条薬局開設者の遵守事項 ( 薬局業務に関する事項 管理者の意見の尊重 ) 第 9 条休廃止等の届出 ( 薬剤師の変更 営業時間等 ) 第 10 条 2. 保険調剤の基本的ルール 保険調剤は 健康保険法等の各法に基づく 保険者と保険薬局との間の 公法上の契約 による契約調剤である 保険薬局及び保険薬剤師であるということは 健康保険法等で規定されている保険調剤のルール ( 契約の内容 ) を熟知していることが前提となる 保険薬剤師が保険調剤を行うにあたっては 保険調剤のルールを遵守する必要がある 保険調剤として調剤報酬が支払われるには 1 保険薬剤師が 2 保険薬局において 3 健康保険法 薬剤師法 薬事法等の各種関係法令の規定を遵守し 4 保険薬局及び保険薬剤師療養担当規則( 薬担規則 ) の規定を遵守し 5 薬学的に妥当適切な調剤 ( 患者指導を含む ) を行い 6 調剤報酬点数表に定められた算定要件を満たした上で請求を行っていること - 3 -

Ⅱ 保険薬局及び保険薬剤師療養担当規則 (1) 療養給付の担当方針 ( 第 2 条 ) 保険薬局は 懇切丁寧に療養の給付を担当しなければならない (2) 適正な手続きの確保 ( 第 2 条の 2) 保険薬局は その担当する療養の給付に関し 厚生労働大臣又は地方厚生局長に対する申請 届け出 療養の給付に関する費用の請求に係わる手続を適正に行わなければならない ( 例 ) 後発医薬品調剤体制加算 3 の届け出をしていた保険薬局が 直近 3 ヶ月間に調剤した後発医薬品の規格単位数量の減少により施設基準を満たすことが出来なくなった場合 保険薬局はは速やかに地方厚生 ( 支 ) 局に変更等の届け出を行わなければならない (3) 健康保険事業の健全な運営の確保 ( 第 2 条の 3) 保険薬局は その担当する療養の給付に関し 次の各号に掲げる行為を行ってはならない 一保険医療機関と一体的な構造とし 又は保険医療機関と一体的な経営を行うこと 二保険医療機関又は保険医に対し 患者に対して特定の保険薬局において調剤を受けるべき旨の指示等を行うことの対償として 金品その他の財産上の利益を供与すること このほか その担当する療養の給付に関し 健康保険事業の健全な運営を損なうことのないよう努めなければならない と規定されている ( 参考 ) 保険医療機関及び保険医療養担当規則 ( 療担規則 )( 第 2 条の 5) では 患者に対して 特定の保険薬局において調剤を受けるべき旨の指示等 を行ったり 指示等を行うことの対償として 保険薬局から金品その他の財産上の利益 を受けることを禁止している (4) 経済上の利益の提供による誘引の禁止 ( 第 2 条の 3 の 2) 平成 24 年 10 月 1 日施行保険薬局は 患者に対して 第四条の規定により受領する費用の額に応じて当該保険薬局における商品の購入に係る対価の額の値引きをすることその他の健康保険事業の健全な運営を損なうおそれのある経済上の利益を提供することにより 当該患者が自己の保険薬局において調剤を受けるように誘引してはならない (5) 処方せん等の保存 ( 第 6 条 ) 保険薬局は 患者に対する療養の給付に関する処方せん及び調剤録をその完結の日から三年間保存しなければならない (6) 調剤の一般的方針 ( 第 8 条 ) 保険薬局において健康保険の調剤に従事する保険薬剤師 ( 以下 保険薬剤師 という ) は 保険医等の交付した処方せんに基いて 患者の療養上妥当適切に調剤並びに薬学的管理及び指導を行わなければならない 2 保険薬剤師は 調剤を行う場合は 患者の服薬状況及び薬剤服用歴を確認しなければならない 3 保険薬剤師は 処方せんに記載された医薬品に係る後発医薬品が次条に規定する厚生労働大臣の定める医薬品である場合であって 当該処方せんを発行した保険医等が後発医薬品への変更を認めているときは 患者に対して 後発医薬品に関する説明を適切に行わなければならない この場合において 保険薬剤師は 後発医薬品を調剤するよう努めなければならない (7) 調剤録の記載 ( 第 10 条 ) 保険薬剤師は 患者の調剤を行つた場合には 遅滞なく 調剤録に当該調剤に関する必要な事項を記載しなければならない - 4 -

(8) 適正な費用の請求の確保 ( 第 10 条の 2) 保険薬剤師は その行つた調剤に関する情報の提供等について 保険薬局が行う療養の給付に関する費用の請求が適正なものとなるよう努めなければならない 請求関係は事務に一任しているのでこんな請求がされているとは知らなかった という言い訳は通 用しない 保険薬剤師はレセプトを確認する努めがある 1. 調剤報酬点数表 Ⅲ 調剤報酬点数表における留意事項等 通則第 1 節調剤技術料 調剤基本料基準調剤加算 1 2 後発医薬品調剤体制加算 1 2 3 施設基準あり分割調剤 (1 処方せんの2 回目以降の調剤 ) 調剤料内服薬 屯服薬 浸煎薬 湯薬 注射薬 外用薬 内服用液剤 ( 加算料 ) 嚥下困難者用製剤加算一包化加算無菌製剤処理加算 施設基準あり麻薬 向精神薬 覚せい剤原料又は毒薬加算調剤技術料の時間外加算等 ( 時間外加算 休日加算 深夜加算 ) 調剤料の夜間 休日等加算自家製剤加算計量混合調剤加算在宅患者調剤加算第 2 節薬学管理料 薬剤服用歴管理指導料 ( 加算料 ) 麻薬管理指導加算重複投薬 相互作用防止加算特定薬剤管理指導加算乳幼児服薬指導加算長期投薬情報提供料 1 2 服薬情報等提供料 外来服薬支援料 在宅患者訪問薬剤管理指導料 1 2 ( 加算料 ) 麻薬管理指導加算在宅患者緊急訪問薬剤管理指導料 ( 加算料 ) 麻薬管理指導加算在宅患者緊急時等共同指導料 ( 加算料 ) 麻薬管理指導加算退院時共同指導 第 3 節薬剤料第 4 節特定保険医療材料料 - 5 -

2. 処方せん 調剤にあたっては 処方せんが適正かどうか また 処方されている医薬品が薬価基準収載品目であり 薬事法承認事項 ( 効能 効果 用法 用量 禁忌等 ) 等を遵守して使用されているかの確認が必要である 上記等について疑義が生じた場合には 必ず保険医に疑義照会を行うこと 調剤済となった処方せんに必要な記入事項を適切に行うこと (1) 受付 確認 1 処方せんの確認 ( 薬担規則第 3 条 ) 保険医療機関の保険医が交付したものであること( 保険医の署名又は記名押印の確認 ) 処方せん又は被保険者証により療養の給付を受ける資格があること 2 使用期間の確認 ( 療担規則第 20 条第 3 号 ) 処方せんの使用期間は 交付の日を含めて 4 日以内 ( 長期の旅行等の特殊の事情がある場合を除く ) とされている 使用期間を特に記載してない場合は 交付の日を含めて 4 日以内である 3 処方せんへ記入すべき事項 ( 薬剤師法第 26 条 同法施行規則第 15 条 ) 薬剤師は 調剤したときは その処方せんに以下の事項を記載すること ア 調剤済年月日 ( 調剤済とならなかった場合は 調剤年月日及び調剤量を記載 ) イ 保険薬局の所在地及び名称 ウ 保険薬剤氏名印 ( 調剤を行った保険薬剤師の署名又は記名押印 ) 注 ) 管理薬剤師が代表して まとめて行うようなことはしないこと 必要に応じて 備考 又は 処方 欄に記載する事項ア処方せんを交付した医師又は歯科医師の同意を得て処方せんに記載された医薬品を変更して調剤した場合には その変更内容イ医師又は歯科医師に照会を行った場合は その回答内容 4 処方欄の確認 薬価基準に収載されている名称又は一般名が記載されているか 用法用量が記載されているか 投与期間の制限がある医薬品の処方日数が制限を超えていないか 薬事法承認内容( 効能効果 用法用量 禁忌等 ) と異なる使用方法となっていないか 5 後発医薬品への変更を認めているかの確認 ( 薬担規則第 8 条第 3 項 ) 保険薬剤師は 処方せんに記載された医薬品に係る後発医薬品が次条に規定する厚生労働大臣の定める医薬品である場合であって 当該処方せんを発行した保険医等が後発医薬品への変更を認めているときは 患者に対して 後発医薬品に関する説明を適切に行わなければならない この場合において 保険薬剤師は 後発医薬品を調剤するよう努めなければならない (2) 不適切な処方の具体例 1 不備な処方せん 2 以上の規格単位がある医薬品の場合に 規格単位を記載していない 用法及び用量の記載がない ( 例 : インスリン注射液 外用剤等 ) 記載が不適切である ( 例 : 医師の指示どおり 必要時 等のみの記載 ) 約束処方による医薬品名の省略や記号等による記載 2 薬事法による承認内容と異なる用法 用量の処方 アダラート CR 錠 アムロジン錠 ディオバン錠 カルデナリン錠等の 1 日 2 回投与 - 6 -

プリンペラン錠 漢方エキス製剤等の食後投与 プルゼニド錠の1 回 48mg を超える投与 3 薬事法による承認内容と異なる適応症への使用が疑われる処方 プロマック顆粒を味覚障害患者に投与 マイスリー錠を統合失調症 躁うつ病に伴う不眠症の患者に投与 抗菌薬 化学療法剤を投与していない患者に対するビオフェルミン R 散の投与 4 重複投与が疑われる処方 異なる医師によるセルタッチの処方 異なる医師によるポンタールカプセルとボルタレン坐薬の処方 セルベックス細粒とセルベックスカプセル リンデロン VG 軟膏とリンデロン DP 軟膏 パリエット錠とガスター D 錠 5 薬剤の処方内容より禁忌例への使用が疑われる処方 消化性潰瘍が疑われる患者に対して投与されている PL 顆粒 バイアスピリン錠 バファリン 81mg 錠 アセトアミノフェン ボルタレン SR カプセル ロキソニン錠 ハイペン坐薬 アルボ坐薬等 うっ血性心不全が疑われる患者に対して投与されている サンリズムカプセル シベノール錠等 緑内障が疑われる患者に対して投与されている ポラキス錠 バップフォー錠等 パーキンソン病が疑われる患者に対するインプロメン錠 セレネース錠等 てんかんが疑われる患者に対するルジオミール錠等 6 倍量処方が疑われる処方 ハルシオン錠 マイスリー錠 レンドルミン錠 ロヒプノール錠 ユーロジン錠等 7 漫然と長期に渡り処方されている医薬品の処方 メチコバール錠 シナール錠 ビタメジンカプセル ノイロトロピン錠 フラビタン錠 ピドキサール錠等の月余に渡る投与 キネダック錠 サアミオン錠 ケタスカプセル等の 12 週を越える投与 8 投与期間の上限が設けられている医薬品について その上限を超えた投与が疑われる処方 オメプラール錠等を 4 週間 6 週間又は8 週間を超えて投与非びらん性胃食道逆流症 4 週間まで十二指腸潰瘍 6 週間まで胃潰瘍 吻合部潰瘍 逆流性食道炎 8 週間まで 9 処方せん上で検査等に使用することが明確な医薬品の処方 検査前投与の記載があるトリクロリールシロップ ラキソベロン液 処方せんで自己注射の消毒に使用することが明確である消毒液 (3) 保存 処方せんの保存期間は 3 年間 ( 薬剤師法第 27 条 薬担規則第 6 条 ) 電磁的な保存については 民間事業者等が行う書面の保存等における情報通信の技術の利用に関する法律等の施行等について 参照 ( 平成 17 年 3 月 31 日付け医政発第 0331009 号薬食発第 0331020 号保発第 0331005 号 ) (4) その他の留意事項 ファクシミリを利用した処方せんにより調剤を行う場合は 別途 患者により持参された処方せんとの突合を行い 相違ないことを確認すること 患者が詐欺などの不正行為により調剤を受けようとしたときは 直ちに全国健康保険協会又は健康保険組合に通知すること ( 薬担規則第 7 条 ) - 7 -

3. 調剤録 調剤録は調剤報酬請求の根拠である 保険薬剤師は 患者の調剤を行った場合には 遅滞なく 調剤録に当該調剤に関する必要な事項を記載しなければならない ( 薬担規則第 10 条 ) 保険薬局は 第 10 条の規定による調剤録に 療養の給付の担当に関し必要な事項を記載し これを他の調剤録と区別して整備しなければならない ( 薬担規則第 5 条 ) (1) 調剤録に記載すべき事項 ( 薬剤師法第 28 条第 2 項 同法施行規則第第 16 条 ) 患者の氏名及び年齢 薬名及び分量 調剤年月日 調剤量 調剤した薬剤師の氏名 処方せんの発行年月日 処方した医師等の氏名 処方した医師等の住所又は勤務する医療機関の名称 所在地 処方せんに記載された医薬品を変更して調剤した場合の変更の内容及び医師等に疑わしい点を確かめた場合の回答の内容 患者の被保険者証記号番号 保険者名 生年月日及び被保険者 被扶養者の別 当該薬局で調剤した薬剤について処方せんに記載してある用量 既調剤量及び使用期間 当該薬局で調剤した薬剤についての薬剤点数 調剤手数料 請求点数及び患者負担金額 (2) 保存 調剤録の保存期間は 3 年間 ( 薬剤師法第 28 条第 3 項 薬担規則第 6 条 ) 電磁的な保存については 民間事業者等が行う書面の保存等における情報通信の技術の利用に関 する法律等の施行等について 参照 ( 平成 17 年 3 月 31 日付け医政発第 0331009 号薬食発第 0331020 号保発第 0331005 号 ) 4. 調剤基本料 基準調剤加算は 患者に対して一定の水準の医療サービスを提供するために保険薬局の有する機能を評価したものである したがって この施設基準は恒常的に満たされていなければならない 当該施設基準における各種体制の整備は ハード面はもちろんのこと 具体的な手順書等を作成するなどソフト面についても整備を行うこと (1) 基準調剤加算 1 2 の施設基準 700 品目以上の医薬品の備蓄 患者毎の薬剤服用歴管理記録の作成及び必要な指導 地域の保険医療機関の通常の診察時間に応じた開局時間 緊急時等の開局時間以外の時間における調剤の体制の確保 時間外 休日 夜間における調剤応需が可能な保険薬局の所在地 名称 及び直接連絡が取れる連絡先電話番号等を記載した文書の患者への交付及び掲示 在宅患者訪問薬剤管理指導の届出及び体制の確保 調剤従事者等の資質向上を図るため研修実施計画を作成し 当該計画に基づき研修の実施 薬局内にコンピューターを設置し インターネットを通じて定期的に医薬品情報の収集及び保険薬剤師への周知 - 8 -

次の医薬品情報の提供体制の確保一般名 剤形 規格 製剤の特徴 医薬品緊急安全性情報 医薬品 医療機器等安全性情報 ( 以下は基準調剤加算 2 のみ ) 1000 品目以上の医薬品の備蓄 処方せんの受付回数が 1 月に 600 回を超える保険薬局については 特定の保険医療機関に係るものの割合が 70% 以下 麻薬小売業者の免許を取得し 必要な指導が可能 (2) 留意事項 1 資質向上を図るための研修について 調剤従事者等の全員を対象として研修を実施すること 研修実施計画を作成するとともに実施状況を把握すること 研修内容は 医薬品の情報 ( メーカーによる製品の説明会 ) だけでなく 調剤報酬請求等に関する内容の研修も実施すること 2 医薬品緊急安全性情報 医薬品 医療機器等安全性情報について 薬局内にコンピューターを設置し インターネットを通じて最新の医薬品緊急安全性情 医薬品 医療機器等安全性情報等の医薬品情報の収集を行い随時提供できるようにしておくこと 患者への情報提供及び指導の際に有効に活用できるよう情報を整理しておくこと 3 在宅患者訪問薬剤管理指導の体制について 薬学的管理指導計画書等の必要書類の様式や当該業務マニュアルを作成するなど いつでも実施が可能なようにしておくこと 5. 調剤料 具体的にどのような場合に算定が可能なのか ( 算定要件 ) を十分に理解するとともに 算定が可能であると判断し算定する場合にあっては その根拠となる事項について 必要に応じて調剤録 薬剤服用歴管理記録に記載することが必要である (1) 一包化加算 服用時点の異なる2 種類以上又は1 剤であっても3 種類以上の内服用固形剤を服用時点毎に一包化して調剤した場合にのみ算定できるものをいう 多種類の薬剤が投与されている患者で飲み忘れや誤りがある場合 また 心身の特性により薬剤を被包から取り出せない患者に対して一包化した場合に算定できるものであり 治療上の必要性が認められる場合に行うものである 一包化の算定を行う場合には一包化が必要な理由を明確にしておくこと (2) 嚥下困難者用製剤加算 嚥下障害等がある患者に対してのみ算定できるものであり 単に医師が粉末化の指示を行ったのみでは算定できないため 患者状態を確認し 理由を明確にしておくこと 市販されている剤形で服用可能であると思われる患者については算定できない (3) 自家製剤加算 医薬品の特性を踏まえ 薬学的に問題がないと判断される場合に行うこと 製造工程を調剤録又は薬剤服用歴管理記録に記載すること 予製剤がある場合には20/100に相当する点数を請求すること 同一剤形及び同一規格の医薬品が薬価基準に収載されている場合は算定できない - 9 -

6. 薬学管理料 薬学管理料における各種指導や情報提供は その時点における個々の患者の状態等を考慮して 当該患者にとって何が必要かをその都度判断することが必要である 単に前回算定したからとの理由や機械的に一律に算定を行うような行為は不適切である 薬剤服用歴管理指導料 1 薬剤服用歴の記録 薬剤服用歴の記録は患者情報を集積したものであり 適切な服薬指導を行うためには必要不可欠なものである 患者情報を収集 整理した上で 必要な服薬指導を行う 薬剤服用歴の記録は 調剤報酬請求の根拠となる記録である 疾病に関する一般的な生活指導は薬学的管理指導とは言えない ( 記載すべき事項 ) ア氏名 生年月日 性別 被保険者証の記号番号 住所 緊急時連絡先イ処方した保険医療機関名及び保険医氏名 処方日 処方内容ウ調剤日 処方内容に関する照会の要点等エ患者の体質 アレルギー歴 副作用歴オ患者又はその家族等からの相談事項の要点カ服薬状況キ残薬の状況の確認ク服薬中の体調の変化ケ併用薬情報の変更に留意コ合併症を含む既往歴に関する情報サ他科受診の有無シ副作用が疑われる症状の有無ス飲食物 ( 薬剤との相互作用 ) の摂取状況セ後発医薬品の使用に関する患者の意向ソ手帳による情報提供の状況タ服薬指導の要点 その時点に必要な指導の要点チ指導した保険薬剤師の氏名 忘れないように!! エ から セ までの事項については 処方せん受付後 薬を取りそろえる前に 患者等に確認するよう努めること 残薬の状況については 薬剤服用歴の記録に基づいて また 患者又はその家族等から確認すること 残薬が相当程度認められると判断される場合には 処方医に対して連絡 投与日数等の確認を行うよう努めること 確認できなかった場合には 次回の来局時には確認できるよう指導し その旨を薬剤服用歴の記録に記載する ( 電子薬歴について ) 運用管理規定を作成しているか? 操作マニュアルと混同しないこと 何時 誰が記録したかが判別可能か? 修正の記録はどうか? - 10 -

2 薬剤服用歴管理指導料における情報提供の文書 情報提供の内容は個々の患者の病状に応じた内容となっていなければならない 処方された薬剤の用法用量が不明確であれば正確な情報提供は不可能である ( 記載すべき事項 ) ア当該薬剤の名称 形状 ( 色 剤形等 ) イ用法 用量 効能 効果ウ副作用及び相互作用エ服用及び保管取扱い上の注意事項オ保険薬局の名称 情報提供を行った保険薬剤師の氏名カ保険薬局又は保険薬剤師の連絡先等 上記の事項に加えて 調剤した薬剤に対する後発医薬品に関する情報 (1 該当する後発医薬品の薬価基準への収載の有無 2 該当する後発医薬品のうち 自局において支給可能又は備蓄している後発医薬品の名称及びその薬価 ( 備蓄しておらず かつ 支給も出来ない場合はその旨 )) についても患者に提供すること ( 留意点 ) 複数効能を有する薬剤の効能 効果を患者の病状に応じて特定しているか? 性別の違いにより注意事項が異なる薬剤の記載は適切か? 例 ) 男性患者への 妊産婦 授乳に関する注意 成人患者への 乳幼児に関する注意 副作用に関する記載があるか? 服用上の注意と勘違いしていないか? 3 手帳への記載 調剤日 薬剤の名称( 一般名処方による処方せん又は後発医薬品への変更が可能な処方せんの場合においては 現に調剤した薬剤の名称 ) 用法 用量その他必要に応じて服用に際して注意すべき事項を手帳に経時的に記載すること 患者の氏名 生年月日 連絡先等患者に関する記録 患者のアレルギー歴 副作用歴等薬物療法の基礎となる記録 患者の主な既往歴等疾患に関する記録については 保険薬局において適切に記載されていることを確認するとともに 記載されていない場合には 患者に聴取の上記入するか 患者本人による記入を指導するなどして 手帳が有効に活用されるよう努めること 手帳を所有しているが処方せんの受付時に持参しなかった患者については 所有している手帳に貼付できるよう 必要な情報が記載された簡潔な文書 ( シール等 ) を交付することで差し支えないが 次回の来局時に手帳を持参した場合には 当該シール等が貼付されていることを確認すること 4 重複投与 相互作用防止加算 複数の保険医療機関又は複数の診療科で発行された処方せんが対象となる 同一医療機関の同一診療科や 1 枚の処方せん中の重複は対象外 複数の処方せんに係るもの以外にも OTC 薬や飲食物との相互作用が判明した場合も対象となる - 11 -

5 特定薬剤管理指導加算 薬剤服用歴管理指導料に係る薬剤の管理及び指導等に加えて 患者又はその家族等に当該薬剤が特に安全管理が必要な医薬品である旨を伝え 当該薬剤についてこれまでの指導内容等も踏まえ適切な指導を行う 特に安全管理が必要な医薬品が複数処方されている場合には そのすべてについて必要な薬学的管理及び指導を行うこと 6 乳幼児服薬指導加算 乳幼児に係る処方せんの受付の際に 体重 適切な剤形その他必要な事項の確認を行った上で 患者の家族等に対して適切な服薬方法 誤飲防止等の必要な服薬指導を行う 算定した処方せん中の薬剤の服用期間中に 患者の家族等から電話等により当該処方薬剤に係る問い合わせがあった場合には 適切な対応及び指導等を行う 確認内容及び指導の要点を薬剤服用歴の記録及び手帳に記載する Ⅳ 保険調剤に関するその他の留意事項等 1. 後発医薬品への変更調剤について 後発医薬品への変更可能で 含量規格 剤形変更も可能な処方せんを受け付けた場合 患者への説明と同意を条件に 処方薬に代えて後発医薬品 ( 含量規格が異なるもの及び類似する別剤形のものを含む ) を調剤することができる ( 留意点 ) 変更調剤は 変更後の薬剤料が変更前のものと比較して同額以下であるものに限る 変更調剤を行った場合には 調剤した薬剤の銘柄 変更した場合は含量規格や剤形について 処方せん発行医療機関に情報提供すること 2. 明細書の発行について 電子情報処理組織の使用又は光ディスク等を用いた請求により保険請求を行うことが義務づけられた保険薬局は 領収証を交付するに当たり 正当な理由がない限り 明細書を無償で交付しなければならない ( 留意点 ) 明細書の発行状況を定期的に確認するため 保険薬局は毎年行われている他の届出事項の報告と併せて 明細書無料発行の対応の有無 正当な理由に該当している旨等を報告すること 公費等により一部負担金が発生しない患者に対しても明細書の発行に努めること 3. 届出事項の変更 保険薬局の開設者は 次の事由が生じたときは 速やかに その旨及びその年月日を指定に関する管轄地方厚生局長等に届け出なければならない 管理薬剤師の変更( 異動 ) 保険薬剤師の異動 開設者の変更( 異動 ) 保険薬剤師の氏名の変更 保険薬局の名称の変更 保険薬局の所在地の変更( 区画変更等 ) - 12 -

4. 掲示 標示 保険薬局は次の掲示等を行わなければならない ( 一部届出に応じて行うものを含む ) 保険薬局 である旨の標示 開局時間 休業日並びに時間外 休日 深夜における調剤応需体制に関する事項 調剤報酬点数表に関する事項 基準調剤加算 1 2 に関する事項 後発医薬品調剤体制加算に関する事項 無菌製剤処理加算に関する事項 在宅患者訪問薬剤管理指導料に関する事項 明細書の発行状況に関する事項 5. その他調剤報酬請求の適正化 調剤報酬請求にあたっては 処方せん 調剤録 レセプトとの突合チェックを必ず行い 適切な請求を行うことが重要である 健康保険法及び調剤報酬点数表 薬剤師法 薬事法等関係法令について十分に理解し 保険調剤を行う必要がある 審査支払機関からの増減通知については 確認後すぐに廃棄せずに保管し 翌月以降の調剤報酬請求に活用するなど 常に適正化に努める必要がある Ⅴ 健康保険法等に基づく指導 監査について 1. 指導 監査について (1) 指導について保険調剤の質的向上と適正化を目的として行われるものであり 保険薬局 保険薬剤師として指定 登録されたすべてが対象となり得る 指導には 集団指導 集団的個別指導及び個別指導がある 個別指導のうち 厚生労働省 地方厚生 ( 支 ) 局 都道府県が共同して行う共同指導と 同一開設者に係る複数の都道府県に所在する保険薬局を対象とする特定共同指導がある (2) 監査について調剤内容および調剤報酬請求に不正又は著しい不当があったことを疑うに足る理由がある時に行われる 監査後の行政上の措置として 保険薬局 保険薬剤師の 取消 戒告 注意 がある また 本来 取消 を行うべき事例であるが すでに保険薬局が廃止 又は保険薬剤師が登録末梢している場合には 取消相当 という取扱いとし 取消 と同等に取扱われる なお 不正請求の代表例としては次のようなものがある 1 無資格者調剤 : 非薬剤師による調剤 2 架空請求 : 調剤の事実がないものを調剤したとして請求 3 付増請求 : 実際に行った調剤内容に実際に行っていない調剤内容を付増して請求 4 振替請求 : 実際に行った調剤内容を点数の高い別の調剤内容に振替えて請求 5 二重請求 : 同一の調剤に対する請求を複数回にわたり請求こうした法令に対する不正な行為は 医療保険の世界に限らず社会のどの分野においてもあっ - 13 -

てはならないことであるが 特に現物給付出来高払いを基本とする医療保険制度を維持するためには致命的なものである 故意に不正請求をするのは論外であり 通常の調剤報酬請求を行っているのであれば起こり得ないものである 仮に監査の場で 不正 不当な請求を行っていたことが明らかになれば 保険薬局 保険薬剤師の取消等の厳しい行政処分が下されることとなる また行政処分のみならず 不正 不当な請求により支払われた調剤報酬については 保険者に対する返還金も発生することとなる 返還金は原則的に 5 年間分とし 又 最大 40% 追加されることもある 医療の多くが保険診療として行われている現在において 保険薬局の指定や保険薬剤師の登録を取り消されることとなれば 保険薬局の経営は成り立たなくなり 保険薬剤師が保険調剤を行うことが実質的に不可能となる 取消処分となった場合は原則 5 年間は再指定 再登録は行わないこととなっている これは 保険薬局 保険薬剤師のみの問題ではなく 医療を受ける側である住民に対し多大な悪影響を与えてしまうものである 2. 平成 22 年度指導 監査の実施状況について 医科 歯科 調剤を含む (1) 指導 監査による返還金額 平成 22 年度に保険医療機関等から返還を求めた額は 約 43 億 4 千万円 内訳 : 指導による返還分 約 27 億 3 千万円監査による返還分 約 16 億 1 千万円 (2) 保険医療機関 保険医等の取消 / 取消相当の状況 保険医療機関等の指定取消 / 指定取消相当 22 件 ( うち保険薬局の指定取消相当 2 件 ) 保険医等の登録取消 / 登録取消相当 20 名 ( 保険薬剤師該当者なし ) ( 特徴等 ) 保険医療機関等の指定取消処分 ( 指定取消相当を含む ) の原因 ( 不正内容 ) を見ると 不正請求 ( 架空請求 付増請求 振替請求 二重請求 ) がそのほとんどを占めている 指定取消処分 ( 指定取消相当を含む ) に係る端緒として保険者 医療機関従事者等 医療費通知に基づく被保険者等からの通報が 11 件と取消 ( 指定取消相当を含む ) 件数の半数を占めている Ⅵ さいごに 1. 調剤報酬点数表と医科点数表の比較 調剤報酬 点数 診療報酬 点数 処方料 ( 入院外 ) 7 種類以上の内服薬 上記以外麻薬 向精神薬 覚せい剤原料 毒薬加算乳幼児加算 (3 歳未満 ) 処方せん料 ( 院外処方せん交付時 ) 7 種類以上の内服薬 上記以外乳幼児加算 (3 歳未満 ) 一般名による記載を含む処方せんを交付した場合 29 点 42 点 1 点 3 点 40 点 68 点 3 点 2 点 - 14 -

調剤基本料 ( 受付 1 回 ) 40 点 処方せんの受付回数 調剤の割合に応じ分割調剤 ( 長期投薬の分割調剤時 ) 分割調剤 ( 後発医薬品の分割調剤時 ) 40 点 24 点 5 点 5 点 調剤技術基本料 ( 月 1 回 ) 入院患者 上記患者以外院内製剤加算 ( 入院 ) 42 点 8 点 10 点 基準調剤加算 1 基準調剤加算 2 後発医薬品調剤体制加算 1 後発医薬品調剤体制加算 2 10 点 30 点 5 点 15 点 入院基本料等加算 後発医薬品使用体制加算 1 35 点 後発医薬品調剤体制加算 3 19 点 後発医薬品使用体制加算 2 病棟薬剤業務実施加算 28 点 100 点 調剤料 調剤料 内服薬( 浸煎薬及び湯薬を除く ) (1 剤につき ただし3 剤まで ) 14 日分以下の場合 7 日目以下の部分 (1 日分につき ) 5 点 入院患者(1 日につき ) 上記以外(1 回の処方に係る調剤につき ) 内服薬 浸煎薬 屯服薬外用薬 7 点 9 点 6 点 8 日目以上 (1 日分につき ) 15 日分以上 21 日分以下の場合 22 日分以上 30 日分の場合 31 日分以上の場合 4 点 71 点 81 点 89 点 麻薬 向精神薬 覚せい剤原料 毒薬加算 1 点 内服用滴剤(1 調剤につき ) 浸煎薬(1 調剤につき ) 湯薬(1 調剤につき ) 7 日分以下の場合 10 点 190 点 190 点 8 日分以上 28 日分以下の場合 7 日目以下の部分 8 日目以上 (1 日分につき ) 29 日分以上の場合 外用薬(1 調剤つき 3 調剤まで ) 屯服薬(1 回の処方につき ) 麻薬加算麻薬 190 点 10 点 400 点 10 点 21 点 70 点 向精神薬 覚せい剤原料 毒薬加算 注射薬(1 日につき ) 無菌製剤処理加算中心静脈栄養法用輸液抗悪性腫瘍剤 嚥下困難者用製剤加算 一包化加算 56 日分以下の場合 ( 投与日数が7 又はその端数を増すごと ) 57 日分以上の場合 時間外等加算時間外休日深夜 夜間 休日等加算 8 点 26 点 40 点 50 点 80 点 30 点 270 点 100/100 140/100 200/100 40 点 無菌製剤処理料無菌製剤処理料 1 閉鎖式接続器具を使用した場合揮発性の高い薬剤の場合上記以外閉鎖式接続器具を使用した場合以外無菌製剤処理料 2 150 点 100 点 50 点 40 点 - 15 -

自家製剤加算 ( 予製剤は 20/100) 内服薬頓服薬液剤 20 点 90 点 45 点 計量混合調剤加算 ( 予製剤は 20/100) 液剤散剤 顆粒剤軟 硬膏剤 35 点 45 点 80 点 在宅患者調剤加算 15 点 薬学管理料 薬剤服用歴管理指導料特定薬剤管理指導加算 41 点 4 点 医学管理等及び在宅医療 薬剤管理指導料 1 薬剤管理指導料 2 薬剤管理指導料 3 430 点 380 点 325 点 麻薬管理指導加算重複投薬 相互作用防止加算処方変更あり処方変更なし 22 点 20 点 10 点 麻薬管理指導加算 50 点 乳幼児服薬指導加算 5 点 薬剤情報提供料手帳記載加算 退院時薬剤情報管理指導料 10 点 3 点 90 点 長期投薬情報提供料 1 長期投薬情報提供料 2 服薬情報等提供料 外来服薬支援料 18 点 28 点 15 点 185 点 在宅患者訪問薬剤管理指導料同一建物居住者以外の場合同一建物居住者の場合麻薬管理指導加算 500 点 350 点 100 点 在宅患者訪問薬剤管理指導料同一建物居住者以外の場合同一建物居住者の場合麻薬管理指導加算 550 点 385 点 100 点 在宅患者緊急訪問薬剤管理指導料麻薬管理指導加算 在宅患者緊急時等共同指導料麻薬管理指導加算 500 点 100 点 700 点 100 点 退院時共同指導料 600 点 2. 保険調剤の概念 ( まとめ ) 保険薬局の指定 保険薬剤師の登録がなされたということは 自らの意志で保険者との間で交わした公法上の契約に基づく調剤 ( 保険調剤 ) を行うということである 契約内容は 健康保険法 薬事法 薬剤師法 保険薬局及び保険薬剤師療養担当規則 厚生労働省告示等で規定されており いわゆる法定約款である 保険薬局 保険薬剤師は 法定約款である健康保険法 薬事法 薬剤師法 薬担規則 厚生労働省告示等を守り 保険調剤を担当する責務がある 契約に違反した場合には 契約の解除 ( 保険薬局の指定取消 保険薬剤師の登録取消 ) につながることに十分留意する必要がある 機会ある毎に契約内容である関係法令 厚生労働省告示 ( 算定要件 ) 等を確認し 適正な保険調剤 調剤報酬の請求に当たらなければならない - 16 -

資料保険薬局及び保険薬剤師療養担当規則 ( いわゆる 薬担 薬担規則 ) 保険薬局及び保険薬剤師療養担当規則 ( 昭和三十二年四月三十日 ) ( 厚生省令第十六号 ) ( 最終改正 ; 平成 24 年 3 月厚生労働省令第 26 号 ) 下線部は 24 年 3 月改正部分 健康保険法 ( 大正十一年法律第七十号 ) 第四十三条ノ四第一項及び第四十三条ノ六第一項 ( これらの規定を同法第五十九条ノ二第七項において準用する場合を含む ) の規定に基き 並びに日雇労働者健康保険法 ( 昭和二十八年法律第二百七号 ) 及び船員保険法 ( 昭和十四年法律第七十三号 ) を実施するため 保険薬局及び保険薬剤師療養担当規則を次のように定める ( 療養の給付の担当の範囲 ) 第一条保険薬局が担当する療養の給付及び被扶養者の療養 ( 以下単に 療養の給付 という ) は 薬剤又は治療材料の支給並びに居宅における薬学的管理及び指導とする ( 療養の給付の担当方針 ) 第二条保険薬局は 懇切丁寧に療養の給付を担当しなければならない ( 適正な手続の確保 ) 第二条の二保険薬局は その担当する療養の給付に関し 厚生労働大臣又は地方厚生局長若しくは地方厚生支局長に対する申請 届出等に係る手続及び療養の給付に関する費用の請求に係る手続を適正に行わなければならない ( 健康保険事業の健全な運営の確保 ) 第二条の三保険薬局は その担当する療養の給付に関し 次の各号に掲げる行為を行つてはならない 一保険医療機関と一体的な構造とし 又は保険医療機関と一体的な経営を行うこと 二保険医療機関又は保険医に対し 患者に対して特定の保険薬局において調剤を受けるべき旨の指示等を行うことの代償として 金品その他の財産上の利益を供与すること 2 前項に規定するほか 保険薬局は その担当する療養の給付に関し 健康保険事業の健全な運営を損なうことのないよう努めなければならない ( 経済上の利益の提供による誘引の禁止 ) 第二条の三の二保険薬局は 患者に対して 第四条の規定により受領する費用の額に応じて当該保険薬局における商品の購入に係る対価の額の値引きをすることその他の健康保険事業の健全な運営を損なうおそれのある経済上の利益を提供することにより 当該患者が自己の保険薬局において調剤を受けるように誘引してはならない ( 平成 24 年 10 月 1 日施行 ) ( 掲示 ) 第二条の四保険薬局は その薬局内の見やすい場所に 別に厚生労働大臣が定める事項を掲示しなければならない - 17 -

( 処方せんの確認 ) 第三条保険薬局は 被保険者及び被保険者であつた者並びにこれらの者の被扶養者である患者 ( 以下単に 患者 という ) から療養の給付を受けることを求められた場合には その者の提出する処方せんが健康保険法 ( 大正十一年法律第七十号 以下 法 という ) 第六十三条第三項各号に掲げる病院又は診療所において健康保険の診療に従事している医師又は歯科医師 ( 以下 保険医等 という ) が交付した処方せんであること及びその処方せん又は被保険者証によつて療養の給付を受ける資格があることを確めなければならない ( 要介護被保険者等の確認 ) 第三条の二保険医療機関等は 患者に対し 居宅療養管理指導その他の介護保険法 ( 平成九年法律第百二十三号 ) 第七条第五項に規定する居宅サービスに相当する療養の給付を行うに当たっては 同法第十二条第三項に規定する被保険者証の提示を求めるなどにより 当該患者が同法第六十二条に規定する要介護被保険者等であるか否かの確認を行うものとする ( 患者負担金の受領 ) 第四条保険薬局は 被保険者又は被保険者であつた者については法第七十四条の規定による一部負担金並びに法第八十六条の規定による療養についての費用の額に法第七十四条第一項各号に掲げる場合の区分に応じ 同項各号に定める割合を乗じて得た額の支払を 被扶養者については法第七十六条第二項又は第八十六条第二項第一号の費用の額の算定の例により算定された費用の額から法第百十条の規定による家族療養費として支給される額 ( 同条第二項第一号に規定する額に限る ) に相当する額を控除した額の支払を受けるものとする 2 保険薬局は 法第六十三条第二項第三号に規定する評価療養又は同項第四号に規定する選定療養に関し 当該療養に要する費用の範囲内において 法第八十六条第二項又は第百十条第三項の規定により算定した費用の額を超える金額の支払を受けることができる ( 領収証の交付 ) 第四条の二保険薬局は 前条の規定により患者から費用の支払いを受けるときは 正当な理由がない限り 個別の費用ごとに区分して記載した領収証を無償で交付しなければならない 2 厚生労働大臣の定める保険薬局は 前項に規定する領収証を交付するときは 正当な理由がない限り 当該費用の計算の基礎となった項目ごとに記載した明細書を交付しなければならない 3 前項に規定する明細書の交付は 正当な理由がある場合を除き 無償で行わなければならない ただし 明細書を常に交付することが困難であることについて正当な理由がある場合には 当分の間 患者から求められたときに明細書を交付することで足りる また 正当な理由がある場合には 当分の間 有償で発行することができる ( 平成 26 年 4 月 1 日施行 ) ( 調剤録の記載及び整備 ) 第五条保険薬局は 第十条の規定による調剤録に 療養の給付の担当に関し必要な事項を記載し これを他の調剤録と区別して整備しなければならない ( 処方せん等の保存 ) 第六条保険薬局は 患者に対する療養の給付に関する処方せん及び調剤録をその完結の日から三年間保存しなければならない ( 通知 ) 第七条保険薬局は 患者が詐欺その他不正行為により療養の給付を受け 又は受けようとしたときは 遅滞なく 意見を付して その旨を全国健康保険協会又は当該健康保険組合に通知しなければならない - 18 -

( 後発医薬品の調剤 ) 第七条の二保険薬局は 薬事法第十四条の四第 1 項各号に掲げる医薬品 ( 以下 新医薬品等 という ) と有効成分 分量 用法 用量 効能及び効果が同一性を有する医薬品として同法第十四条の規定による製造販売の承認 ( 以下 承認 という ) がなされたもの ( ただし 同法第十四条の四第一項第二号に掲げる医薬品並びに新医薬品等に係る承認を受けている者が 当該承認に係る医薬品と有効成分 分量 用法 用量 効能及び効果が同一であってその形状 有効成分の含量 有効成分以外の成分若しくはその含量が異なる医薬品に係る承認を受けている場合における当該医薬品を除く )( 以下 後発医薬品 という ) の備蓄に関する体制その他の後発医薬品の調剤に必要な体制の確保に努めなければならない ( 調剤の一般的方針 ) 第八条保険薬局において健康保険の調剤に従事する保険薬剤師 ( 以下 保険薬剤師 という ) は 保険医等の交付した処方せんに基いて 患者の療養上妥当適切に調剤並びに薬学的管理及び指導を行わなければならない 2 保険薬剤師は 調剤を行う場合は 患者の服薬状況及び薬剤服用歴を確認しなければならない 3 保険薬剤師は 処方せんに記載された医薬品に係る後発医薬品が次条に規定する厚生労働大臣の定める医薬品である場合であって 当該処方せんを発行した保険医等が後発医薬品への変更を認めているときは 患者に対して 後発医薬品に関する説明を適切に行わなければならない この場合において 保険薬剤師は 後発医薬品を調剤するよう努めなければならない ( 使用医薬品 ) 第九条保険薬剤師は 厚生労働大臣の定める医薬品以外の医薬品を使用して調剤してはならない ただし 厚生労働大臣が定める場合においては この限りでない ( 健康保険事業の健全な運営の確保 ) 第九条の二保険薬剤師は 調剤に当たつては 健康保険事業の健全な運営を損なう行為を行うことのないよう努めなければならない ( 調剤録の記載 ) 第十条保険薬剤師は 患者の調剤を行つた場合には 遅滞なく 調剤録に当該調剤に関する必要な事項を記載しなければならない ( 適正な費用の請求の確保 ) 第十条の二保険薬剤師は その行つた調剤に関する情報の提供等について 保険薬局が行う療養の給付に関する費用の請求が適正なものとなるよう努めなければならない ( 読替規定 ) 第十一条日雇特例被保険者の保険及び船員保険に関してこの省令を適用するについては 次の表の第一欄に掲げるこの省令の規定中の字句で 同表の第二欄に掲げるものは 日雇特例被保険者の保険にあつては同表の第三欄に掲げる字句と 船員保険にあつては同表の第四欄に掲げる字句とそれぞれ読み替えるものとする ( 以下略 ) - 19 -