有識者会議提言後の対応 好循環実現のための経済対策 好循環実現のための経済対策 ( 平成 25 年 12 月 5 日閣議決定 ) において 有識者会議の提言を踏まえ 厚生労働省等の関係省庁において 各資金の規模 性格に応じ 長期的な健全性の確保に留意しつつ 必要な施策を迅速かつ着実に実施すべく所要の

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平成 29 年度 厚生年金保険法第七十九条の八第二項に基づく国家公務員共済組合連合会にかかる管理積立金の管理及び運用の状況についての評価の結果 概要 平成 30 年 12 月 財務省主計局給与共済課

( 参考 ) と直近四半期末の資産構成割合について 乖離許容幅 資産構成割合 ( 平成 27(2015) 年 12 月末 ) 国内債券 35% ±10% 37.76% 国内株式 25% ±9% 23.35% 外国債券 15% ±4% 13.50% 外国株式 25% ±8% 22.82% 短期資産 -

共済事業団をいう 以下同じ ) が共同して モデルポートフォリオを定めるとともに 連合会は モデルポートフォリオを参酌して 長期的な観点からの資産構成割合 ( 以下 基本ポートフォリオ という ) を策定し 管理積立金の管理及び運用を行う (2) 運用の目標 リスク管理等 1 運用の目標管理積立金の

る 連合会は 管理運用の方針の策定及び変更等退職等年金給付調整積立金の管理及び運用に係る専門的事項を検討する場合には 資金運用委員会の専門的知見を活用する 3 退職等年金給付調整積立金の管理及び運用におけるリスク管理連合会は 連合会を除く管理運用機関 ( 組合 市町村連合会及び連合会をいう 以下同じ

2 資産 地域 時間等を分散して投資することを基本とし 短期的には市場価格の変動等はあるものの 長い投資期間を活かして より安定的に より効率的に収益を獲得し 併せて 年金給付に必要な流動性を確保する 分散投資 一つの籠に卵を盛るな という西洋のことわざがありますが 年金積立金の運用に限らず 一般に

< 目的 > 専ら被保険者の利益 にはそぐわない目的で運用が行われるとの懸念を払拭し 運用に対する国民の信頼を高める 運用の多様化 高度化が進む中で 適切にリスクを管理しつつ 機動的な対応を可能に GPIF ガバナンス強化のイメージ ( 案 ) < 方向性 > 1 独任制から合議制への転換基本ポート

各資産のリスク 相関の検証 分析に使用した期間 現行のポートフォリオ策定時 :1973 年 ~2003 年 (31 年間 ) 今回 :1973 年 ~2006 年 (34 年間 ) 使用データ 短期資産 : コールレート ( 有担保翌日 ) 年次リターン 国内債券 : NOMURA-BPI 総合指数

資料1 平成28年度厚生年金保険法第79条の8第2項に基づく地方公務員共済組合連合会に係る管理積立金の管理及び運用の状況についての評価の結果(概要)

第 3 国民に対して提供するサービスその他の業務の質の向上に関する事項 1. 年金積立金の管理及び運用の基本的な方針年金積立金の運用は 年金積立金が被保険者から徴収された保険料の一部であり かつ 将来の年金給付の貴重な財源となるものであることに特に留意し 専ら被保険者の利益のために 長期的な観点から

企業年金におけるスチュワードシップ・コード の受入れ促進に向けて

野村資本市場研究所|公的年金持続可能性の鍵を握る成長戦略の成否-平成26年財政検証結果から考える-(PDF)

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22222

社会保障 税一体改革大綱(平成24 年2月17 日閣議決定)社会保障 税一体改革における年金制度改革と残された課題 < 一体改革で成立した法律 > 年金機能強化法 ( 平成 24 年 8 月 10 日成立 ) 基礎年金国庫負担 2 分の1の恒久化 : 平成 26 年 4 月 ~ 受給資格期間の短縮

GPIFのオルタナティブ投資について 現行中期計画( 基本ポートフォリオ ) における位置付け 分散投資によるリスクの低減や運用の効率化を進めるため 基本ポートフォリオにおいて オルタナティブ資産での運用について明記 ( 平成 26 年 10 月厚生労働大臣認可 ) 運用体制の整備に伴い管理 運用さ

1. 30 第 2 運用環境 各市場の動き ( 7 月 ~ 9 月 ) 国内債券 :10 年国債利回りは上昇しました 7 月末の日銀金融政策決定会合のなかで 長期金利の変動幅を経済 物価情勢などに応じて上下にある程度変動するものとしたことが 金利の上昇要因となりました 一方で 当分の間 極めて低い長

GPIF

資料1 短時間労働者への私学共済の適用拡大について

2. 運用の目標 リスク管理及び運用手法 (1) 運用の目標年金積立金の運用は 厚生年金保険法第 2 条の4 第 1 項及び国民年金法第 4 条の3 第 1 項に規定する財政の現況及び見通しを踏まえ 保険給付に必要な流動性を確保しつつ 長期的に積立金の実質的な運用利回り ( 積立金の運用利回りから名

2018 年度第 3 四半期運用状況 ( 速報 ) 年金積立金は長期的な運用を行うものであり その運用状況も長期的に判断することが必要ですが 国民の皆様に対して適時適切な情報提供を行う観点から 作成 公表が義務付けられている事業年度ごとの業務概況書のほか 四半期ごとに運用状況の速報として公表を行うも

PowerPoint プレゼンテーション

⑧(第1回参考資料)積立金の運用状況v2

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1 乖離幅が許容範囲を超えた場合 乖離状況が是正されるよう資産の移受管によりリバランスを行う 2 上記 1にかかわらず 積立水準の変化 マーケットの変動 マーケットインパクト 取引コスト等 総合的に判断したうえで 乖離状況が是正されるようリバランスを行うことができる 3 上記 1 2に基づくリバラン

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公的年金制度について 制度の持続可能性を高め 将来の世代の給付水準の確保等を図るため 持続可能な社会保障制度の確立を図るための改革の推進に関する法律に基づく社会経済情勢の変化に対応した保障機能の強化 より安全で効率的な年金積立金の管理及び運用のための年金積立金管理運用独立行政法人の組織等の見直し等の

退職等年金給付積立金等の管理運用の方針

国家公務員共済組合連合会 厚生年金保険給付積立金の令和元年度第 1 四半期運用状況 第 1 四半期末の運用資産額は 6 兆 7,376 億円となりました 第 1 四半期の収益額は 実現収益額が 512 億円 総合収益額が 128 億円となりました 第 1 四半期の収益率は 実現収益率 ( 期間率 )

2018 平成30 年度第2四半期 GPIFの運用実績 2001年度 平成 年度 平成 年度 平成 年度 2005年度 2006年度 2007年度 2008年度 2009年度 2010年度 2011年度 2012年度 2013年度 2014年度 2015年度 20

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平成27年度

女性の活躍推進に向けた公共調達及び補助金の活用に関する取組指針について

厚生労働大臣実績評価年金積立金管理運用独立行政法人年金制度の設計 厚生年金 国民年金の積立金運用について < 運用の基本的考え方 > 年金積立金は 将来の年金給付の貴重な財源であり 専ら被保険者の利益のために運用することとされている 厚生年金保険法及び国民年金法等に基づき 長期的な観点から 安全かつ

< 予算計画 > ( 単位 : 百万円 ) 区 別 年金特別会計厚生年金勘定寄託金年金特別会計国民年金勘定寄託金 中期計画予算 ( 平成 22~26 年度 ) 169,200 96,700 平成 25 年度予算 0 17,500 厚生年金勘定より受入国民年金勘定より受入承継資金運用勘定より受入 20

1226評価報告書

Microsoft PowerPoint - (資料2-7)暫定評価説明資料

1. 30 第 1 運用環境 各市場の動き ( 4 月 ~ 6 月 ) 国内債券 :10 年国債利回りは狭いレンジでの取引が続きました 海外金利の上昇により 国内金利が若干上昇する場面もありましたが 日銀による緩和的な金融政策の継続により 上昇幅は限定的となりました : 東証株価指数 (TOPIX)

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る法律 ( 平成 28 年法律第 104 号 ) による年金積立金管理運用独立行政法人法 ( 平成 16 年法律第 105 号 以下 法 という ) の改正に伴い 1 独任制から合議制への転換 2 意思決定 監督 と 執行 の分離 執行部の責任と権限の明確化を目的として 平成 29 年 10 月 1

2018年度年金資産運用状況(速報).pdf

日本株式市場の保有者比率の推移 ( 時価ベース ) 過去 30 年の間に投資家の保有比率は大きく変化 100% 90% 80% 70% 60% 50% 1.9% 0.4% 1.9% 0.9% 1.8% 0.9% 2.1% 3.7% 5.5% 2.5% 5.2% 2.8% 4.5% 9.1% 10.7

(資料4)運用機関とのコミュニケーションの取り方や情報開示の方法等(案).pdf

する なお 年間資金運用計画には 次の事項を記載する (1) 資金収支見込みア収入予定額 ( ア ) 負担金 ( イ ) 掛金 ( ウ ) 利息 利金 ( エ ) その他の収入イ支出予定額 ( ア ) 退職給付金 ( イ ) 繰入金外 ( ウ ) その他の支出ウ短期運用額エ投資運用額 (2) 資金運

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総務省独立行政法人評価委員会議事規則 総務省独立行政法人評価委員会令 ( 平成十二年政令第三百十八号 以下 委員会令 という ) 第十条の規定に基づき 総務省独立行政法人評価委員会議事規則を次のように定める 平成十三年二月二十七日総務省独立行政法人評価委員会委員長 ( 目的 ) 第一条総務省独立行政

2016( 平成 28) 年度 業務概況書会見 理事長髙橋則広 2017( 平成 29)07.07

運用基本方針

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本日のご説明内容 1. GPIFにおけるオルタナティブ投資 及びその手法についての考え方 2. 今回の公募内容 3. 運用機関への役割期待 4. 今後のスケジュール 5. Q&A 2

検証:公的年金資金の運用と「GPIF改革」(仮題) ー年金資金運用改革論議を検証するー

規制 制度改革に関する閣議決定事項に係るフォローアップ調査の結果 ( 抜粋 ) 規制 制度改革に係る追加方針 ( 抜粋 ) 平成 23 年 7 月 22 日閣議決定 番号 規制 制度改革に係る追加方針 ( 平成 23 年 7 月 22 日閣議決定 ) における決定内容 規制 制度改革事項 規制 制度

グローバルな潮流キーワードは Sustainability と Inclusiveness 日本のガバナンス改革と米国の株主至上主義からの反省 あるべき姿 過去 過去 いわゆる日本的経営 ( 株主軽視 ) 幅広いステークホルダーとの協働 ( 株主 従業員 顧客 取引先等々 ) アングロサクソン型資本

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公的年金 運用益 15 兆円株上昇で過去最高昨年度 朝日新聞 2015 年 7 月 11 日 厚生年金と国民年金の積立金の運用益が2014 年度は15 兆 2922 億円に上った 積立金の自主運用を始めた01 年度以降の最高益を記録 昨年 10 月末に株式で運用する比率を高めたことが背景にある 年金

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●H00 表紙(案)とれ版

公的準公的資金の運用 リスク管理等の高度化等に関する有識者会議報告書 Ⅰ はじめに 1 Ⅱ デフレからの脱却を見据えた運用の見直し 1 運用目的 2 2 運用目標 方針 3 1 国内債券を中心とするポートフォリオの見直し 2 収益目標及びリスク許容度の設定 3 運用コスト等 4 余裕金の運用方法 3

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企業年金における資産運用の状況 2015年度年次報告書.pdf

経済財政モデル の概要 経済財政モデル は マクロ経済だけでなく 国 地方の財政 社会保障を一体かつ整合的に分析を行うためのツールとして開発 人口減少下での財政や社会保障の持続可能性の検証が重要な課題となる中で 政策審議 検討に寄与することを目的とした 5~10 年程度の中長期分析用の計量モデル 短

年金改革の骨格に関する方向性と論点について

運用商品一覧 作成日 :2019 年 10 月 8 日 規約名 フジ アスティ企業型確定拠出年金 運営管理機関名 第一生命保険株式会社 < 商品ラインアップの選定 > 選定理由 複数の資産に分散投資を行うバランス型投資信託と 基本 4 資産 ( 国内外の株式 債券 ) を投資対象とする単一資産型投資

この基本運用方針は、地方公務員共済組合連合会(以下「連合会」という

清酒製造業退職金共済事業資産運用の基本方針

Taro-中期計画(別紙)

子宮頸がん予防措置の実施の推進に関する法律案要綱

(3) リスク分散を図りポートフォリオの効率を高めるために 株式 債券 ( 短期資金 ) といった伝統的な資産以外に プライベート エクイティ 不動産 ヘッジファンド インフラストラクチャーなどのいわゆる非伝統的な資産も投資対象とする ( オルタナティブ投資 ) オルタナティブ投資に当たっては レバ

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柔軟で弾力的な給付設計について

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仮訳 日本と ASEAN 各国との二国間金融協力について 2013 年 5 月 3 日 ( 於 : インド デリー ) 日本は ASEAN+3 財務大臣 中央銀行総裁プロセスの下 チェンマイ イニシアティブやアジア債券市場育成イニシアティブ等の地域金融協力を推進してきました また 日本は中国や韓国を

( 注 ) 年金 医療等に係る経費については 補充費途として指定されている経費等に限る 以下同じ (2) 地方交付税交付金等地方交付税交付金及び地方特例交付金の合計額については 経済 財政再生計画 との整合性に留意しつつ 要求する (3) 義務的経費以下の ( イ ) ないし ( ホ ) 及び (

資料1:地球温暖化対策基本法案(環境大臣案の概要)

参考資料


2. 年金額改定の仕組み 年金額はその実質的な価値を維持するため 毎年度 物価や賃金の変動率に応じて改定される 具体的には 既に年金を受給している 既裁定者 は物価変動率に応じて改定され 年金を受給し始める 新規裁定者 は名目手取り賃金変動率に応じて改定される ( 図表 2 上 ) また 現在は 少

1. ETF の概要 株価指数などに連動した運用成績を目指す 取引所に上場している投資信託 全世界の資産残高 全世界で約 356 兆円と急拡大 国内の ETF 市場 国内投資信託全体の約 15% を占める 1 米ドル =120 円にて算出 単位 :10 億米ドル 3,000 単位 : 兆円 単位 :

手法 という ) を検討するものとする この場合において 唯一の手法を選択することが困難であるときは 複数の手法を選択できるものとする なお 本規程の対象とする PPP/PFI 手法は次に掲げるものとする イ民間事業者が公共施設等の運営等を担う手法ロ民間事業者が公共施設等の設計 建設又は製造及び運営

預金を確保しつつ 資金調達手段も確保する 収益性を示す指標として 営業利益率を採用し 営業利益率の目安となる数値を公表する 株主の皆様への還元については 持続的な成長による配当可能利益の増加により株主還元を増大することを基本とする 具体的な株主還元方針は 持続的な成長と企業価値向上を実現するための投

第3章 指導・監査等の実施

日本再興戦略 改訂 2015 平成 27 年 6 月 30 日に閣議決定された 日本再興戦略 改訂 2015 においては 企業が確定給付企業年金を実施しやすい環境を整備するため 確定給付企業年金の制度改善について検討することとされている - 日本再興戦略 改訂 2015( 平成 27 年 6 月 3

プレゼンテーションタイトル

スライド 1

女性が働きやすい制度等への見直しについて

社会保障給付の規模 伸びと経済との関係 (2) 年金 平成 16 年年金制度改革において 少子化 高齢化の進展や平均寿命の伸び等に応じて給付水準を調整する マクロ経済スライド の導入により年金給付額の伸びはの伸びとほぼ同程度に収まる ( ) マクロ経済スライド の導入により年金給付額の伸びは 1.6

いる 〇また 障害者の権利に関する条約 においては 障害に基づくあらゆる差別を禁止するものとされている 〇一方 成年被後見人等の権利に係る制限が設けられている制度 ( いわゆる欠格条項 ) については いわゆるノーマライゼーションやソーシャルインクルージョン ( 社会的包摂 ) を基本理念とする成年


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新旧対照表(第2分冊:保険会社関係)1-14-14

Microsoft Word - H290324優先的検討規程(裁定).docx

建設業退職金特別共済事業資産運用の基本方針

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Microsoft PowerPoint - 02 運用報告書(退年) ppt [互換モード]

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中期行動計画成24 年度の具体的な行動計画成24 年度の取組結果18 ( 財 ) 札幌勤労者職業福祉センター [ 所管課 : 経 ) 雇用推進課 ] 1 団体目標 新方針重点取組目標 18 ( 財 ) 札幌勤労者職業福祉センター 1 団体の廃止 新公益法人制度への対応平成 28 年度までは 施設の用

Transcription:

資料 1 御説明資料 厚生労働省 年金積立金管理運用独立行政法人平成 26 年 4 月 8 日

有識者会議提言後の対応 好循環実現のための経済対策 好循環実現のための経済対策 ( 平成 25 年 12 月 5 日閣議決定 ) において 有識者会議の提言を踏まえ 厚生労働省等の関係省庁において 各資金の規模 性格に応じ 長期的な健全性の確保に留意しつつ 必要な施策を迅速かつ着実に実施すべく所要の対応を行うこととされた ( 独立行政法人改革等に関する基本的な方針 ( 平成 25 年 12 月 24 日閣議決定 ) や産業競争力の強化に関する実行計画 ( 平成 26 年 1 月 24 日閣議決定 ) にも同旨規定あり ) < 好循環実現のための経済対策 >( 抜粋 ) 第 2 章具体的施策 Ⅰ. 競争力強化策 1. 競争力強化のための投資促進 イノベーション創出等 (4) 金融機能の強化 公的 準公的資金の運用等の見直し ( 略 ) また 公的 準公的資金の運用等の在り方の見直しを 各資金の規模や性格に応じ 迅速かつ着実に実施する 年金積立金管理運用独立行政法人 (GPIF) をはじめとする公的 準公的資金の運用等の在り方について デフレ脱却を見据えた運用の見直しやリスク管理体制等のガバナンスの見直しなどに係る有識者会議の提言を踏まえ 厚生労働省等の関係省庁において 各資金の規模 性格に応じ 長期的な健全性の確保に留意しつつ 必要な施策を迅速かつ着実に実施すべく所要の対応を行う < 予算措置以外 >( 内閣官房 厚生労働省 財務省 総務省 文部科学省 ) 1

独立行政法人改革について 独立行政法人改革等に関する基本的な方針 独立行政法人改革において 有識者会議の提言も踏まえて 以下の閣議決定が行われた 行政改革等に関する基本的な方針 ( 平成 25 年 12 月 24 日閣議決定 )( 抜粋 ) Ⅱ 独立行政法人制度の見直し 4. 財政規律 報酬 給与等の見直し 調達の合理化及び情報公開の充実 (1) 財務運営の適正化 説明責任 透明性の向上 経営努力の促進 中期目標において主務大臣が指示する効率化目標については 各法人の事務 事業の実態やこれまでの効率化努力等を踏まえ 画一的で硬直的な目標ではなく 法人ごとに適切な目標を設定するよう努める ( 別紙 ) 各法人等について講ずべき措置 年金積立金管理運用独立行政法人 中期目標管理型の法人とする 運用委員会について 複数の常勤委員を配置し 資金運用の重要な方針等について実質的に決定できる体制を整備する 高度で専門的な人材確保ができるよう 職員数や給与水準の弾力化に加え 任期制 年俸制の導入を検討する なお 資金運用の観点から行う公的 準公的資金の運用の見直しやリスク管理体制等のガバナンスの見直し等に係る有識者会議の提言については それを踏まえ 今後厚生労働省において 当該資金の規模 性格に即して 長期的な健全性の確保に留意しつつ 主たる事務所の所在に関することも含め必要な施策を迅速かつ着実に実施すべく所要の対応を行う 2

年金財政における経済前提と積立金運用のあり方に関する専門委員会報告書 平成 23 年 10 月来より 年金積立金の運用のあり方等を議論してきた 社会保障審議会年金部会年金財政における経済前提と積立金運用のあり方に関する専門委員会において 年金積立金管理運用独立行政法人の運営の在り方に関する検討会の報告書や有識者会議の提言も踏まえて議論を行い 報告書がとりまとめられた ( 平成 26 年 3 月 10 日 ) 運用目標等の示し方 年金財政上必要な運用利回りを最小限のリスクで確保し 確たる根拠がある場合は 一定のアクティブリスクも許容 運用目標 年金積立金の運用は 年金財政の安定化を目的としており 適合性原則等から 運用利回りについては 名目賃金上昇率 +α で設定 収益最大化の努力が年金財政の強化に貢献するとの考え方に立ち 確たる根拠のある場合のアクティブ運用について たゆまぬ検討を GPIF に要請 リスク リスクについての考え方を明示 全額国内債券運用でも年金給付の伸びである名目賃金上昇率を下回り得る この下振れリスクを上回らないポートフォリオを策定 予定された年金給付の減少につながる年金財政上の予定積立金を下回る確率や損失額 ( 下回る額 ) についても 一定のモデルを用いたリスク計測やフォワード ルッキングなシナリオ分析などを実施 ポートフォリオのあり方 ポートフォリオは 年金資金の性格や安定的なアセットアロケーションの維持を説く現代投資理論にに照らし 長期的な観点から設定ただし ポートフォリオの機動的な見直しを行うとともに 経済環境や市場環境の変化が激しい最近の傾向を踏まえ 乖離許容幅の中で機動的な運用ができるよう明示 運用手法等 運用目的 目標等に沿った具体的な運用手法等については 資金運用について一般に認められた知見に基づき 基本的には GPIF に検討を委ねる このため 予め 国内債券中心 や パッシブ運用中心 は示さず GPIF において検討 他事考慮せず専ら被保険者のために行う運用が 結果的に日本経済等に貢献するとの考え方 この考え方に則し 企業収益に着目したインデックスや ESG 等非財務情報に着目した運用の是非についても GPIF において検討 議決権行使についても 民間活動に与える影響に留意しつつ 運用するという法規定に則しつつ 機関投資家一般の行動原則として検討されているスチュワードシップコードを踏まえた対応を GPIF において検討 3

積立金基本指針に関する検討会報告書 概要 平成 27 年 10 月からの被用者年金一元化後の積立金の運用については 主務大臣 ( 厚労大臣 財務大臣 総務大臣 文科大臣 ) が 積立金の管理及び運用が長期的な観点から安全かつ効率的に行われるようにするための基本的な指針 ( 積立金基本指針 ) を定めて行うこととされている その具体的な事項については 厚労省が有識者の参集を求めて開催した 積立金基本指針に関する検討会 で 公的 準公的資金の運用等に関する有識者会議の提言も踏まえて議論を行い 報告書がとりまとめられた ( 平成 26 年 3 月 31 日 ) 積立金基本指針に盛り込むべき事項について ( 概要 ) 1 積立金の管理及び運用に関する基本的な方針 積立金の運用は 安全かつ効率的に行うことにより 厚生年金保険事業の運営の安定に資することを目的とし 実質的な運用利回りを最低限のリスクで確保するよう行う 2 積立金の資産の構成の目標 ( モデルポートフォリオ ) に関する基本的な事項 今後の経済情勢を踏まえて フォワード ルッキングなリスク分析を行う 積立金の運用が 厚生年金保険事業の共通財源としての一体性を確保しつつ 自主性等を発揮できるようなものとなるよう配慮 3 積立金の管理及び運用に関し管理運用主体が遵守すべき基本的な事項 予定運用利回りを確保することができるよう 運用手法の見直し及び運用受託機関等の選定 管理の強化のための取組を進める 議決権行使については 日本版スチュワードシップコードを踏まえた方針の検討 アクティブ運用に取り組むことにより超過収益の獲得を目指す 4 その他積立金の管理及び運用に関する重要事項 被保険者に関する情報公開 広報活動を積極的に行う 業務概況書 評価結果 報告書等は分かりやすいものとなるよう工夫 受託者責任を徹底するための機能を確保するとともに 業務を的確に遂行する上で必要となる人材の確保に努める 今後の流れ 今後 報告書を踏まえ 主務大臣が共同で積立金基本指針を策定 積立金基本指針を受け 各管理運用主体は 共同してモデルポートフォリオを定めるとともに 各管理運用主体で これを参酌し 基本ポートフォリオを定める 4

財政検証に関するスケジュール 財政検証 制度改正の検討 平成 23 年 10 月 年金財政における経済前提と積立金運用の在り方に関する専門委員会 平成 25 年 8 月 10 月 平成 26 年 3 月中 経済モデルを中心に検討 人口推計 ( 社人研 ) 中長期の経済財政に関する試算 ( 内閣府 ) 労働力需給推計 (JILPT) 専門委員会報告とりまとめ 年金部会に報告 社会保障制度改革国民会議報告 年金部会の議論を再開 制度改正に資するオプション試算の議論 党 年金 PT 検討体制の立ち上げ 財政検証の枠組み確定 計算作業 現行の年金制度の概要について数回開催 財政検証結果の公表 検証結果を基にした制度改正の議論 ( 年内 ) 年金部会議論とりまとめ 必要に応じて法案提出 5

GPIF における取組 1 基本ポートフォリオ関係 国内債券のウェイトは 昨年 12 月末時点で すでに 53.4% まで縮小 単位 :% 国内債券国内株式外国債券外国株式短期資産 実際の構成割合 ( 昨年 12 月末 ) 53.40 16.66 10.26 14.68 5 基本ポートフォリオ ( 乖離許容幅 ) 60(±8) 12(±6) 11(±5) 12(±5) 5 ( 参考 ) 国内債券 1 平成 25 年 6 月末 2 平成 25 年 12 月末 3 差 (2 1) 運用資産額 724,508 億円 710,033 億円 14,475 億円 構成割合 57.72% 53.40% 4.32% さらに 平成 26 年度計画において 次期中期計画の基本ポートフォリオの見直しに着手することから 乖離許容幅については運用委員会の意見を聴きつつ 弾力的に適用する 旨を明記 基本ポートフォリオの見直しについては 運用委員会の下に設けられた検討作業班において 昨年 12 月から検討課題について議論を開始 主務大臣 ( 厚生労働大臣 財務大臣 総務大臣 文部科学大臣 ) が策定する 積立金基本指針 や 財政検証の結果を踏まえ GPIF は各共済とともに モデルポートフォリオ を検討し 並行して GPIF の基本ポートフォリオの見直しを進める 6

GPIF における取組 2 ベンチマーク関係 25 年度の 非時価総額加重平均型ベンチマーク に係る調査研究を踏まえ 国内株式のマネジャー ストラクチャーの見直しに合わせ実施 具体的には パッシブ運用については ユニバースの拡大等の観点から 従来のTOPIXに加え JPX 日経インデックス 400 MSCI Japan Russell Nomura Prime を採用 さらに アクティブ運用についても 小型 バリュー 高配当 低ボラティリティ などの特性を有するインデックスで運用するファンドを スマートベータ型アクティブ運用 として採用 パッシブ運用 (TOPIX) 伝統的アクティブ運用 インデックス運用TOPIX スマートベータ型アクティブ運用 伝統的アクティブ運用 JPX 日経 400 MSCI Japan Russell Nomura Prime パッシブ運用アクティブ運用7

新たな運用対象の検討等 GPIF における取組 3 インフラ投資 2 月に 日本政策投資銀行 (DBJ) 及びカナダ オンタリオ州公務員年金基金 (OMERS) との共同投資協定に基づき インフラ投資を開始 今後適切な投資案件が選定された際に資金拠出 投資規模は 5 年程度をかけて最大総額約 27 億米ドル ( 約 2,800 億円 ) また インフラ投資に豊富な実績を持つ DBJ 及び OMERS との共同投資により GPIF の投資能力の向上やリスク管理の高度化を図っていく 物価連動国債 物価連動国債については 4 月以降 発行規模や市場動向を見ながら購入 J REIT 国内株式のマネジャー ストラクチャーの見直しにおいて J REIT を含むインデックスをベンチマークとするファンドを選定したことにより投資開始 また アクティブ運用においても J REIT を投資対象に追加 その他 国内株式及び外国株式の運用受託機関の一部において 成績に連動した報酬を導入 オルタナティブ投資について 国内外の複数の公的機関投資家と共同で投資できないか協議中 上記以外の運用対象の多様化についても 運用委員会の意見も伺いながら検討を進める 8

リスク管理関係 GPIF における取組 4 当面の対策 今後の物価や金利の上昇に備えるため 物価連動国債の購入を進めるほか 平成 26 年度計画において 次期中期計画の基本ポートフォリオの見直しに着手することから 乖離許容幅については運用委員会の意見を聴きつつ 弾力的に適用する 旨を明記 次期基本ポートフォリオでの対応 基本ポートフォリオの検討に当たり 経済及び市場の分析を行い 市場及び年金財政についての中長期の見通し及びリスクシナリオを策定することとしており 将来見通し及びリスクシナリオに基づいたシミュレーションを実施予定 実際の運用に当たっては 経済及び市場の分析やシミュレーション結果に基づき 基本ポートフォリオの乖離許容幅内における機動的な対応を検討 独立行政法人改革等に関する基本的な方針 に基づく職員数 給与水準 経費等の弾力化を図るための中期目標及び中期計画の変更を踏まえて 今年度中に給与体系等の見直しを行い フォワードルッキングなリスク分析に必要な高度で専門的な人材を随時採用するとともに リスク管理の高度化に向けた情報収集体制やシステムの充実を図る エクイティ資産にかかるリターン最大化関係 日本版スチュワードシップコードへの対応 スチュワードシップ責任 として示された 中長期的な投資リターンの拡大を図る ことは 国内株式を長期保有している GPIF としても重要と認識 実際の株式運用は運用受託機関で行っていることから 資産保有者としての機関投資家 である GPIF として スチュワードシップ責任をどのように果たすことができるか 早期に運用委員会で意見を伺った上で 方針を決定 エンゲージメント運用の採用 3 月に実施した国内株式のマネジャー ストラクチャーの見直しにおいて 投資先企業との良好な関係に基づく対話により 持続的に企業価値を向上させ 超過収益の獲得を目指すファンドを採用 ベンチマーク選択の工夫によるリターンの向上 3 月に実施した国内株式のマネジャー ストラクチャーの見直しに合わせ ROE 等も考慮した新たな株価指数 (JPX 日経インデックス 400) を採用 9

ガバナンス関係 GPIF における取組 5 中期目標 中期計画の変更 独立行政法人改革等に関する基本的な方針 ( 平成 25 年 12 月 24 日閣議決定 以下 基本的方針 ) で講ずべきこととされた措置に基づく施策を迅速かつ着実に実施するため GPIF の中期目標及び中期計画について所要の変更を行った 変更の内容 < 中期目標 > 1 基本的方針に基づく施策の実施に必要な経費 を経費の節減目標 ( ) の対象外とする 平成 26 年度に 一般管理費及び業務経費について 一部経費を除き それぞれ平成 21 年度比で 15% 以上 5% 以上節減すべきものとしている 2 給与水準について 高度で専門的な人材確保の観点から 平成 26 年以降弾力化を検討する < 中期計画 > 1 中期目標変更 1 を踏まえ 基本的方針に基づく施策の実施に必要な経費 を経費の節減目標の対象外とする 2 中期目標変更 2 を踏まえ 平成 26 年以降 給与水準の弾力化に取り組む 3 人員について 高度で専門的な人材確保の観点から 平成 26 年以降弾力化に取り組む 変更の時期等 平成 26 年 3 月 25 日に変更 これを踏まえ 今年度中に給与体系等の見直しを行い 運用対象の多様化に必要な高度で専門的な人材を随時採用するとともに 法人全体の人材育成に努める なお GPIF では専門性 客観性の観点から 現在外部の専門コンサルティング会社 ( 企画競争により選定 ) に給与体系の見直しについての調査等を委託しており その提案等を踏まえ検討を行い 専門的人材の採用を行うこととしている 10