平成28年度 業務概況書(退職等年金給付積立金)

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1. 30 第 1 運用環境 各市場の動き ( 4 月 ~ 6 月 ) 国内債券 :10 年国債利回りは狭いレンジでの取引が続きました 海外金利の上昇により 国内金利が若干上昇する場面もありましたが 日銀による緩和的な金融政策の継続により 上昇幅は限定的となりました : 東証株価指数 (TOPIX)

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退職等年金給付積立金等の管理運用の方針

平成 28 年度第 3 四半期退職等年金給付組合積立金運用状況 警察共済組合

1. 30 第 2 運用環境 各市場の動き ( 7 月 ~ 9 月 ) 国内債券 :10 年国債利回りは上昇しました 7 月末の日銀金融政策決定会合のなかで 長期金利の変動幅を経済 物価情勢などに応じて上下にある程度変動するものとしたことが 金利の上昇要因となりました 一方で 当分の間 極めて低い長

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平成 29 年度 厚生年金保険法第七十九条の八第二項に基づく国家公務員共済組合連合会にかかる管理積立金の管理及び運用の状況についての評価の結果 概要 平成 30 年 12 月 財務省主計局給与共済課

スライド 1


国家公務員共済組合連合会 厚生年金保険給付積立金の令和元年度第 1 四半期運用状況 第 1 四半期末の運用資産額は 6 兆 7,376 億円となりました 第 1 四半期の収益額は 実現収益額が 512 億円 総合収益額が 128 億円となりました 第 1 四半期の収益率は 実現収益率 ( 期間率 )


第 1 四半期運用実績 ( 概要 ) 運用利回り +1.54% 収益率 ( ) ( 第 1 四半期 ) (+1.02% 実現収益率 ( )) 運用収益額 +3,222 億円 総合収益額 ( ) ( 第 1 四半期 ) (+1,862 億円 実現収益額 ( )) 運用資産残高 ( 第 1 四半期末 )

第 2 四半期運用実績 ( 概要 ) 運用利回り +0.09% 実現収益率 ( ) ( 第 2 四半期 ) 運用収益額 億円 実現収益額 ( ) ( 第 2 四半期 ) 運用資産残高 ( 第 2 四半期末 ) 357 億円 年金積立金は長期的な運用を行うものであり その運用状況も長期的に

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2018 年度第 3 四半期運用状況 ( 速報 ) 年金積立金は長期的な運用を行うものであり その運用状況も長期的に判断することが必要ですが 国民の皆様に対して適時適切な情報提供を行う観点から 作成 公表が義務付けられている事業年度ごとの業務概況書のほか 四半期ごとに運用状況の速報として公表を行うも

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Microsoft PowerPoint - 02 運用報告書(退年) ppt [互換モード]

(2) 資産構成割合の推移 ( 給付確保事業 ) 1 資産配分実績の基本ポートフォリオからの乖離の推移 2 実践ポートフォリオと資産配分実績の推移 3. 運用受託機関 平成 29 年 3 月末現在 2

平成 9 第 3 四半期運用実績 ( 概要 ) 運用利回り +3.98% 収益率 ( ) ( 第 3 四半期 ) (+1.11% 実現収益率 ( )) 運用収益額 +4,418 億円 総合収益額 ( ) ( 第 3 四半期 ) (+1,05 億円 実現収益額 ( )) 運用資産残高 ( 第 3 四半

る 連合会は 管理運用の方針の策定及び変更等退職等年金給付調整積立金の管理及び運用に係る専門的事項を検討する場合には 資金運用委員会の専門的知見を活用する 3 退職等年金給付調整積立金の管理及び運用におけるリスク管理連合会は 連合会を除く管理運用機関 ( 組合 市町村連合会及び連合会をいう 以下同じ

目次 平成 29 年度 第 2 四半期運用実績 ( 概要 ) P 2 平成 29 年度 市場環境 ( 第 2 四半期 ) 1 P 3 平成 29 年度 市場環境 ( 第 2 四半期 ) 2 P 4 平成 29 年度 退職等年金給付組合積立金の資産構成割合 P 5 平成 29 年度 退職等年金給付組合

目次 1 運用実績の概要 ( 平成 28 年度第 3 四半期 ) 2 2 市場環境 ( 平成 28 年度第 3 四半期 ) 3 3 資産構成割合 ( 平成 28 年度第 3 四半期末 ) 5 4 運用利回り ( 平成 28 年度第 3 四半期 ) 6 ( 参考 ) 運用利回り ( 前年度 ) 7 5

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平成29年度における運用状況等

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国家公務員共済組合連合会 ( 以下 連合会 という ) は 国家公務員共済 組合法 ( 以下 国共法 という ) 第 35 条の 4 の規定に基づき 平成 27 年度に おける退職等年金給付積立金に関する業務概況書を公表します 1

目 次 1. 平成 27 年度 ( 平成 27 年 4 月 ~ 平成 28 年 3 月 ) における運用環境について 2. 平成 27 年度 ( 平成 27 年 4 月 ~ 平成 28 年 3 月 ) のポートフォリオ別の運用状況 3. ベンチマーク インデックスの推移 ( 参考 ) 被保険者ポート

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平成30年度第1四半期における運用状況等

目次平成 28 年度の運用実績 ( 概要 ) 2 第 1 部平成 28 年度の運用状況 1 平成 28 年度市場環境 ( 通期 ) 3 2 資産の構成割合 4 3 平成 28 年度運用利回り 5 ( 参考 ) 平成 27 年度運用利回り 6 4 平成 28 年度運用収入の額 7 ( 参考 ) 平成

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変額年金 ( 特別勘定 ) の現況をご覧になる方に 特にご確認いただきたい事項 投資リスクについて 変額年金保険の特別勘定の資産運用は 国内外の株式および公社債 国内外のその他の有価証券 貸付金 コールローンおよび預貯金等を主な運用対象としておりますので 株価の下落や金利の変動 為替の変動などにより

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当ページは 各種の信頼できると考えられる情報源から取得した情報に基づき アクサ生命保険株式会社が作成し提供するものです 情報の内容に関しては万全を期しておりますが その正確性 完全性については これを保証するものではありません 日本株式市場 運用環境 [ 2015 年 4 月 ~2016 年 3 月

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Invesco Premia Plus Fund

平成 30 年度 厚生年金保険給付組合積立金 運用報告書

する なお 年間資金運用計画には 次の事項を記載する (1) 資金収支見込みア収入予定額 ( ア ) 負担金 ( イ ) 掛金 ( ウ ) 利息 利金 ( エ ) その他の収入イ支出予定額 ( ア ) 退職給付金 ( イ ) 繰入金外 ( ウ ) その他の支出ウ短期運用額エ投資運用額 (2) 資金運

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ご留意いただく事項

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1. 平成 28 年度第 1 四半期運用環境 各市場の動き ( 4 月 ~ 6 月 ) 国内債券 : 日銀の緩和的な金融政策を背景に 10 年国債利回りは マイナス 0.1% 前後での推移が続きました 6 月に入ると 世界的な景気低迷や不安定な金融市場の動きを受け 日銀の追加金融緩和観測が台頭し 1

特別勘定運用レポートをご覧いただくにあたって 当資料をご覧いただく際にご留意いただきたい事項 当資料はご契約者さま等に対し 三井住友海上プライマリー生命のえがお ひろがる 積立金自動移転特約付通貨選択一般勘定移行型変額終身保険 の特別勘定および特別勘定が主たる投資対象とする投資信託の運用状況を開示す

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株式市場 米国株 トランプ氏の政策への期待感後退で調整も MSCI 米国 2, % 先月の回顧 米国株式市場は上昇しました 11 月 8 日 ( 現地 ) に行われた大統領選挙でトランプ氏が当選し 減税やインフラ投資の拡大などの同氏の政策に注目が集まりました 債券市場では金利が上

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受益者の皆様へ 平成 28 年 2 月 15 日 弊社投資信託の基準価額の下落について 平素より弊社投資信託をご愛顧賜り 厚くお礼申しあげます さて 先週末 2 月 12 日 ( 金 ) 以下のファンドの基準価額が 前営業日の基準価額に対して 5% 以上下落しており その要因につきましてご報告いたし

1. 平成 29 第 2 運用環境 各市場の動き ( 7 月 ~ 9 月 ) 国内債券 : 日銀の金融緩和が継続される中 期初から 9 月上旬にかけては 北朝鮮のミサイル発射や核実験に伴う地政学的リスクの高まりなどから 10 年国債利回りは一時的にマイナスまで低下しました その後 株価指数の上昇 円

各資産のリスク 相関の検証 分析に使用した期間 現行のポートフォリオ策定時 :1973 年 ~2003 年 (31 年間 ) 今回 :1973 年 ~2006 年 (34 年間 ) 使用データ 短期資産 : コールレート ( 有担保翌日 ) 年次リターン 国内債券 : NOMURA-BPI 総合指数

公的年金 運用益 15 兆円株上昇で過去最高昨年度 朝日新聞 2015 年 7 月 11 日 厚生年金と国民年金の積立金の運用益が2014 年度は15 兆 2922 億円に上った 積立金の自主運用を始めた01 年度以降の最高益を記録 昨年 10 月末に株式で運用する比率を高めたことが背景にある 年金

為替リスクについてこの保険は 一時払保険料の払込通貨と契約通貨が異なる場合や 死亡保険金 解約払戻金 年金および定期支払金等 ( 以下 保険金等 ) 受取時の通貨が一時払保険料の払込通貨と異なる場合等に 為替相場の変動による影響を受けます したがって 保険金等を一時払保険料の払込通貨で換算した場合の

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受益者の皆様へ 先進国 8 資産分散ファンド エイト 愛称 プラチナ 8 追加型投信 / 内外 / 資産複合 2019 年 9 月 30 日 ( 月次改訂 ) 運用実績 2019 年 9 月 30 日現在 運用実績の推移 11,500 11,000 10,500 10,000 9,500 9,000

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( 参考 ) と直近四半期末の資産構成割合について 乖離許容幅 資産構成割合 ( 平成 27(2015) 年 12 月末 ) 国内債券 35% ±10% 37.76% 国内株式 25% ±9% 23.35% 外国債券 15% ±4% 13.50% 外国株式 25% ±8% 22.82% 短期資産 -

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区分 平成 29 事業年度 予算額 決算額 差額 備考 運営費交付金 2,815 2,815 - 国庫補助金 26,679 26,679 - 社会福祉振興助成費補助金 給付費補助金 26,071 26,071 - 利子補給金 3,617 3,617 - 福祉医療貸付事業福祉医療貸

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この冊子の前半部分は ブラックロック ゴールド ファンド の交付目論見書訂正事項分 後半部分は ブラックロック ゴールド ファンド の請求目論見書訂正事項分です

1. 平成 28 第 2 運用環境 各市場の動き ( 7 月 ~ 9 月 ) 国内債券 :7 月の日銀金融政策決定会合でマイナス金利の拡大が見送られたことから 10 年国債利回りは -0.01% 程度に上昇 ( 債券価格は下落 ) して推移しました また 期末に近い 9 月の金融政策決定会合で日銀が

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02_公表資料<厚生年金・国民年金の平成27年度収支決算の概要>

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目次 Ⅰ 運用状況 1. 市場環境 (H28/4~H29/3) 2 2. 収益率の状況 4 3. 収益額の状況 5 4. 運用資産額 ( 簿価 ) の状況 6 5. 資産構成割合の状況 7 6. 信用リスク管理 8 7. 資産管理機関の管理 評価 8 8. 委託手数料 8 Ⅱ 運用態勢 1. 私学事業団について 9 2. 運用ガバナンス体制 10 3. 資産運用検討委員会 11 4. 運営方針 12 5. 運用計画 13 Ⅲ その他用語説明 14 1

1. 市場環境 (H28/4~H29/3)1 株式市場 国内株式は 第 1 四半期は 英国国民投票で EU 離脱派が勝利したこと等から下落し 第 2 四半期は 参院選の与党勝利に伴う経済対策期待等から上昇に転じた後は横這いで推移しました 第 3 四半期は 米大統領選でのトランプ氏勝利により米国の長期金利上昇と円安が進んだこともあり 株価は大きく上昇しました 第 4 四半期は 世界的な景気回復期待による米国株高と円安一服 米政策の不透明感との綱引きとなり 高値圏での一進一退の動きとなりました 通期では大幅な上昇となりました 外国株式は 欧州の政治リスク 米大統領選を巡る不透明感が相場の重石となることもありましたが 世界的な景気拡大期待や資源価格の回復 トランプ大統領の掲げる景気浮揚策への期待が根強く 総じて上昇しました 債券市場 ( 長期金利 ) 国内金利は 追加緩和観測により7 月にマイナス0.3% 程度まで低下した後は 日銀が政策効果の検証を行うとしたことから低下の動きが収まり 米大統領選後は米金利上昇に連動してプラス圏に浮上しました 米国金利は 英国のEU 離脱 米大統領選への不透明感を背景に低位で推移した後は トランプ大統領による政策期待と資源価格の上昇に伴い 利上げが加速するとの見方から大きく上昇しました 欧州金利は 英国のEU 離脱による先行き不透明感により低位で推移した後は 物価の上昇を背景にECBの緩和姿勢後退が意識され 上昇しました 為替 米ドル / 円は 前半はリスク回避による円高 後半は日米金利差拡大による円安となり 年度初めと年度末はほぼ同水準となりました ユーロ / 円は 欧州の政治リスク回避の動きにより 円高となりました 2

1. 市場環境 (H28/4~H29/3)2 3

2. 収益率の状況 平成 28 年度の実現収益率は プラス 1.20% となりました 区分 実現収益率 ( 単位 :%) 平成 28 年度前年度第 1 四半期第 2 四半期第 3 四半期第 4 四半期年度 0.75 0.00 0.32 0.10 0.56 1.20 国内債券 1.13 0.00 0.33 0.10 0.58 1.28 国内株式 0.00 0.00 0.00 0.00 0.00 0.00 短期資産 0.01 0.00 0.00 0.00 0.00 0.00 ( 注 1) 国内債券には 貸付金等を含みます ( 注 2) 実現収益率は 当該期間中に委託手数料等が精算された場合には これを控除しています ( 注 3) 実現収益率は 各期間に係るものです 4

3. 収益額の状況 平成 28 年度の実現収益額は プラス 5 億円となりました 区分 実現収益額 前年度 ( 単位 : 億円 ) 平成 28 年度第 1 四半期第 2 四半期第 3 四半期第 4 四半期年度 1 0 1 0 3 5 国内債券 1 0 1 0 3 5 国内株式 0 0 0 0 0 0 短期資産 0 0 0 0 0 0 ( 注 1) 国内債券には 貸付金等を含みます ( 注 2) 四捨五入の関係で 各数値の合算が合計値と一致しない場合があります ( 注 3) 実現収益額は 当該期間中に委託手数料等が精算された場合には これを控除しています ( 注 4) 実現収益額は 各期間に係るものです 5

4. 運用資産額 ( 簿価 ) の状況 平成 28 年度末の運用資産額は 642 億円となりました 区分 前年度末 平成 28 年度 ( 単位 : 億円 ) 第 1 四半期末第 2 四半期末第 3 四半期末第 4 四半期末 国内債券 112 244 375 463 603 国内株式 0 0 0 0 0 短期資産 81 8 7 10 38 合 計 193 252 382 473 642 ( 注 1) 国内債券には 貸付金等を含みます ( 注 2) 四捨五入の関係で 各数値の合算が合計値と一致しない場合があります 6

5. 資産構成割合の状況 資産構成割合 区分 資産構成割合 平成 28 年度末 ( 平成 29 年 3 月末 ) 平成 28 年度末資産構成割合 短期資産 6.0% 国内債券 94.0% 国内株式 0.0% 短期資産 6.0% 国内債券 94.0% 合計 100.0% ( 注 1) 国内債券には 貸付金等を含みます ( 注 2) 基本ポートフォリオは 国内債券 100%(-10%) 国内株式 0%(+10%) です ( 注 3) 四捨五入の関係で 各数値の合算が 100% にならない場合があります 7

6. 信用リスク管理 信用リスク管理の観点から格付や保有比率等について投資条件を設定し モニタリングを行うこととしています 当期間につきましても適切に管理を行っています 7. 資産管理機関の管理 評価 月次で受領する資産管理に関する報告書や 随時実施したミーティング等により管理運用ガイドラインの遵守状況等を確認しました 評価については 経営状況 資産管理体制 法令等の遵守体制等について総合的に評価を行い 特段の問題はないことから契約を継続しています 8. 委託手数料 区分 ( 単位 : 億円 %) 平成 28 年度委託手数料委託手数料率 国内債券 0 0.00 国内株式 - - 8

1. 私学事業団について 私学事業団は 日本私立学校振興 共済事業団法 にもとづく法人であり 私学振興に係る業務を総合的に実施し 私立学校における教育と研究の充実 向上及び経営の安定に寄与するとともに 教職員の福利厚生の充実を図り 私学振興の先導的な拠点として 日本の教育 研究の発展に貢献する ことを基本理念として 以下の事業を行っています 助成業務 補助事業 私立大学等に対する補助金交付 貸付事業 学校法人等に対する貸付事業 助成事業 研修事業に対する助成金交付 厚生年金勘定への繰入れ 寄付金事業 受配者指定寄付金の受入れ 配付 学術研究振興基金の運営 経営支援 情報提供事業 情報の収集 提供と経営支援サービス 共済業務 短期給付事業 加入者とその被扶養者への短期給付 ( 病気 ケガ 出産 死亡 休業 災害など ) 年金等給付事業 私学事業団が厚生年金保険の実施機関として行う厚生年金給付等および私学共済制度の加入者や遺族の生活の安定のために行う退職等年金給付の決定や支払を行う事業 福祉事業 加入者とその被扶養者の健康の保持増進および日常生活の援助を目的に行う事業 ( 保健事業 医療事業 宿泊事業 積立貯金事業 積立共済年金事業 共済定期保険事業 生涯生活設計の支援事業 貸付事業 ) 9

2. 運用ガバナンス体制 年金等給付事業における積立金の管理運用については 以下の運営体制にて実施しています 私学事業団 文部科学大臣 ( 理事長及び監事を任命 ) 共済運営委員会理事長監事 ( 文部科学大臣が委嘱 ) 資産運用検討委員会 ( 理事長が委嘱 ) 業績評価小委員会理事会 一元化に伴う体制強化等 以下の観点で設置要綱を改正 共済運営委員会の学識経験者代表の 1 名を加え 6 名体制に拡充 管理運用の透明性拡大を目的として 委員会の開催頻度等を充実 執行役員会議 資産運用部 (10 名 ) 部長 資産運用部会 資産運用室を 1 部 2 課体制に拡充 会計検査院 会計監査人 コンサルタント 運用第一課 次長 運用第二課 自家運用資産 委託運用資産 ( 国内債券 ) ( 内外株式 ) 保全 管理 ( 外国債券 ) 情報公開 保全 管理 ( 専門人材 ) 主に以下の業務を担当 リスク管理 運用機関評価等 運用対象の多様化 コンサルティング業務を拡大 運用対象拡大に向けた調査研究 ( オルタナティブ運用 ESG 投資 スマートベータ等 ) リスク管理の高度化 10

3. 資産運用検討委員会 (1) 資産運用検討委員会 積立金等の安全かつ効率的な管理 運用に資するため 資産運用検討委員会を設置し 定時及び緊急を要する場合には臨時で開催することとしています 同委員会は加入者 学校法人等の役員及び学識経験者から各 1 名以上 運用及び管理に関する有識者 3 名以内で構成し 積立金等の管理運用に関する重要な事項について意見を述べ また 積立金等の管理運用の改善策に関して助言を行います ( 構成委員 : 平成 29 年 5 月 1 日時点 五十音順 敬称略 ) 大藤康博 ( 株 ) 大和ファンド コンサルティング取締役 川北英隆 ( 委員長 ) 京都大学名誉教授 京都大学大学院経営管理研究部客員教授 喜多幸之助ラッセル インベストメント ( 株 ) エグゼクティブコンサルタント / コンサルティング部長 坂本純一 JS アクチュアリー事務所代表 杉﨑芳子東京理科大学総務部長 平方邦行工学院大学付属中学高等学校校長 (2) 資産運用検討委員会開催状況 開催日 主な内容 第 19 回平成 27 年 1 月 9 日資産運用検討委員会設置要綱の一部改正 平成 26 年度上半期運用状況 モデルポートフォリオ 第 20 回平成 27 年 2 月 24 日共通財源 独自財源に係る基本ポートフォリオ 第 21 回 平成 27 年 5 月 25 日 平成 26 年度運用状況 共通財源 独自財源 新 3 階年金に係る管理運用の方針 ( 基本ポートフォ リオ含む ) 第 22 回 平成 27 年 12 月 7 日 資産運用検討委員会設置要綱の一部改正 平成 27 年度上半期運用状況 積立金仕分け後の資 産構成割合の状況 外国株式マネジャーストラクチャー再構築 今後の運用の在り方 第 23 回平成 28 年 4 月 25 日基本ポートフォリオの検証 オルタナティブ投資の検討 第 24 回平成 28 年 5 月 30 日平成 27 年度業務概況書 第 25 回平成 28 年 11 月 22 日平成 28 年度第 2 四半期運用状況 積立金の確定仕分けに伴う精算 第 26 回平成 29 年 5 月 26 日基本ポートフォリオの検証 平成 28 年度業務概況書 11

4. 運営方針 (1) 管理運用の方針 について 当事業団は関係法令に基づき 平成 27 年 9 月 30 日付けで 退職等年金給付積立金等の管理運用の方針 ( 以下 管理運用の方針 といいます ) を制定し 関係法令を遵守するとともに 管理運用の方針に基づき 積立金等の管理及び運用を行っています (2) 基本的な方針 目的 積立金等の管理及び運用について 長期的な観点から安全かつ効率的に行います 目標 積立金等の運用について 退職等年金給付の制度上設定される基準利率以上の運用利回りを確保することを目標とします リスク管理 資産全体のリスクを管理するとともに 資産毎の市場リスク 流動性リスク 信用リスク等を管理するため 各資産の時価変動等を毎月把握し 必要に応じて適切な措置を講じます (3) 管理運用状況の公表各事業年度の決算完結後 遅滞なく 当該事業年度における積立金等の資産の額 その構成割合 運用収入の額等を記載した業務概況書を作成し 文部科学大臣に提出するとともに これを公表します また 当事業団は積立金等の運用に関する加入者の理解を促進するため 加入者に対する情報公開および広報活動を積極的に行います 12

5. 運用計画 基本ポートフォリオ策定 積立金等の運用の目標を達成するため 中長期的観点から運用資産の基本ポートフォリオを定め これに基づく資産配分を維持するよう努めています 基本ポートフォリオの策定にあたっては 基準利率が国債利回りを基礎として定められることを踏まえ これを安定的に上回る運用利回りを確保するために 全額を貸付金 短期資産を含む国内債券で運用することを前提とし 将来的な組入れ検討運用資産として国内株式を加えたポートフォリオを策定しました 資産 国内債券 国内株式 基本ポートフォリオ 100% 0% 許容乖離幅 -10% +10% 国内債券には 短期資産及び貸付金等を含みます 28 年度実績の検証 28 年度の基準利率 0.32% に対して 実現収益率は 1.20% となり 目標利回りを確保しています 13

用語説明 FRB 連邦準備制度理事会 (Federal Reserve Board) の略称であり 米国の中央銀行制度の最高意思決定機関です 7 名の理事で構成され 全米 12 の地区の連邦準備銀行を監督し FOMC において金融政策決定を主導します FOMC( 連邦公開市場委員会 Federal Open Market Committee) FRB 理事 7 名と連邦準備銀行の総裁から選ばれた 5 名を合わせた 12 名の委員によって年 8 回定期開催され 金融政策としての公開市場操作方針等を決定します ECB 欧州中央銀行 (European Central Bank) の略称であり EU 加盟国のうち欧州統一通貨 ユーロ を採用している国々 ( ユーロ圏 ) の金融政策を担う中央銀行です ECB 役員理事会の 6 名とユーロ圏各国の中央銀行総裁で構成される 政策理事会 が月 2 回開かれ 公開市場操作等の金融政策の決定を行います 金融緩和政策中央銀行が不況時に景気を刺激するために行う金融政策のひとつです 金利の引き下げや 国債の買い上げなどを行うことによって通貨の供給量を増やし 企業や個人の資金調達を容易にすることで経済の活性化を目指します 14