その後 2013 年に 133 万台 2014 年 88 万台 2015 年に 80 万台となっています TOYOTA MOTOR THAILAND CO., LTD. の 2016 年初の記者会見によれば 16 年の国内販売は 前年比 10% 減の 72 万台となる見通し また 同会見において タ

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がある 3 改正の必要性ア. あるべき姿と現状のギャップ我が国皮革製品産業は 高付加価値化やコスト削減などの構造改善を進めることにより 欧州から輸入される高価格の製品と 主にアジア諸国から輸入される低価格製品に対抗できる競争力の確保を図る必要がある しかしながら 近年 アジア諸国においては欧州及び米

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本要望に対応する縮減案 3 自動車の取得段階では消費税と自動車取得税が二重課税となっており 保有段階でも自動車重量税のほかに自動車税 ( 又は軽自動車税 ) の 2 つの税が課されており 自動車ユーザーに対して複雑かつ過大な負担を強いている 特に 移動手段を車に依存せざるをえず複数台を保有する場合が

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リバースマップ原稿2

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資料1 自動車WG中長期ロードマップ中間報告

Transcription:

平成 28 年 5 月 10 日 一般調査報告書 バンコク産業情報センター 中野秀紀 タイ自動車産業の動向について皆さんは バンコクで街行く車の車種について 気に留められたことはありますか? タクシーのほぼ 100% 往来する車の大部分が 日系ブランドです タイで日系メーカーが生産している車種のシェアは 約 9 割と圧倒的となっています 一方で 高級車分野では タイでノックダウン生産しているベンツ BMW のシェアが高くなっています このことは 欧米高級ブランドが タイにおいても根強いことを示しています また タイへの完全な輸入車である フェラーリ ランボルギーニ BMW i8 等の超高級車も高額な税金が課せられるにも関わらず バンコクの芸能人等の富裕層が多く住んでいるバンコク都心のトンロー等の中心街では多く見かけ 最近ではボディコーティング等のカーケアビジネスも複数の店舗を見かけます 日系ブランドへのイメージですが 例えばタイのタクシードライバーによれば 耐久性が高く とりわけトヨタ車のアフターパーツが豊富であり整備性が高いことから人気が高いようです タイは 東洋のデトロイト と言われ 世界で第 12 位の生産国 (2014 年 ) となっており 同国において 自動車産業の生み出す価値は タイGDPの約 12% (2012 年タイ政府資料 ) を占めています 世界各国から完成車メーカーが 15 社 ティア1( 一次下請企業 ) が約 700 社 ティア2 3( 二 三次下請企業 ) では約 1,700 社が進出しており うちティア 1~3の日系企業数は約 750 社となっています このことは タイ以外の国々 例えばインドネシア ( ティア1~3 約 800 社 ) マレーシア ( ティア1~3 約 580 社 ) フィリピン( 同約 270 社 ) ベトナム( 同約 160 社 ) 等の集積に比べて圧倒的に充実しています このことは同時に企業間の競争も激しいことを意味しており 在タイの日系企業の主要な課題の一つとなっています ( ジェトロ資料等 ) タイでは価格競争も激しいことから 部品にもよりますが 他のアセアン諸国より概ね1 割以上安く調達が可能という話も聞きます 1. 販売台数タイ国内の自動車販売台数は 2011 年 10 月から 2012 年 12 月までのファーストカーバイヤープログラムという購入補助策により 2012 年に約 144 万台の過去最高を記録しました

その後 2013 年に 133 万台 2014 年 88 万台 2015 年に 80 万台となっています TOYOTA MOTOR THAILAND CO., LTD. の 2016 年初の記者会見によれば 16 年の国内販売は 前年比 10% 減の 72 万台となる見通し また 同会見において タイ政府の景気刺激策などの効果で今後 需要が伸びてくる また ( ファーストカーバイヤー制度の影響で タイ国内販売が最高を記録した 2012 年から 5 年が経ち 買い替え需要が今後生まれてくるであろう )2 年後に期待する とコメントしています 144 万 133 万 88 万 80 万 2. 生産台数 一方で生産台数については 2015 年の自動車製造台数は 前年比 3 万台増の 191 万台となっています 246 万 188 万 191 万 タイは約 150 か国へ自動車の輸出をしていますが 先述の TOYOTA MOTOR

THAILAND CO., LTD. の 2016 年初の記者会見によれば ( 同社の ) 輸出に関しては タイから欧州 オセアニア向けを増やしていくが 中東は伸び悩むと見ている また 新モデルを投入することで拡販につなげていきたい ASEAN 域内では 市場としては小さいが フィリピン ベトナム ラオスでの市場拡大が見込まれる と述べています ASEAN 主要国の自動車販売台数 ( 単位 :1,000 台 ) 1,400 1,300 1,200 1,100 1,000 900 800 700 600 500 400 300 200 100 0 インドネシアタイマレーシアフィリピンベトナム 2005 2006 2007 2008 2009 2010 2011 2012 2013 2014 2015 2,400 2,200 2,000 1,800 1,600 1,400 1,200 1,000 800 600 400 200 ASEAN 主要国の自動車生産台数 ( 単位 :1,000 台 ) タイインドネシアマレーシアフィリピン 0 2005 2006 2007 2008 2009 2010 2011 2012 2013 2014 2015 Copyright 2015 JETRO. All rights reserved.

今後の生産台数の見込み等について 多くの国際的な自動車関連のセミナーで講師を担われている Nomura Research Institute Thailand の山本アナリストにお聞きしました Q: 今後の生産台数の回復についてどういった見方ができますか? タイの生産は その約半分は輸出 残りの半分は国内市場向けという構成になっており 輸出については 全体の約 3 分の 2 を占めるピックアップ ( 派生 SUV を含む ) の輸出動向が鍵となるとみております トヨタ いすゞ等の日系メーカー及び GM Ford 等の米系メーカーはタイをピックアップの輸出ハブと位置づけており 最近ではピックアップをベースとした SUV の輸出も伸びています ただし ピックアップの主要市場である中近東などの新興市場が資源価格の低迷で伸び悩んでおり その回復は 2018 年以降とみられています また 2010 年以降 国内販売 輸出ともに伸びていたエコカー (1200cc 以下の小型乗用車等 ) は 国内の中間所得層の所得低迷とアジアを中心とする周辺市場の環境変化で伸び悩んでおり モデルチェンジのタイミングである 2018 年ごろまで回復がずれこむ可能性があります 以上から タイの自動車生産は 今年と来年は昨年並みの 200 万台前後で推移し 生産の本格回復は 2018 年以降になると予想されます 以上 3. 今後のタイ自動車産業平成 27 年 9 月 28 日 タイ経済社会開発庁 タイ科学技術省 在タイ日本国大使館 ジェトロバンコク事務所は 今後のタイ自動車産業の在り方を含む タイ産業における R&D と人材育成にかかる提言を共同で発表しています この中において 4 者は タイの自動車産業の重要性を共有し タイが1 製品開発 自動車試験ハブ2ピックアップトラック ハイブリッド (HV) 電気自動車 (EV) 生産ハブになるために 協力していく意思を示しました また 4 者はタイが自動車産業のハブになることは タイの産業競争力強化に重要であり 以下の点で特に有益であるとしています 1 製品開発ノウハウの蓄積 2 日系企業からの研究開発関連の投資呼び込み 3マーケットニーズにあった開発力の向上 4 価格競争力の向上 5 人材育成の促進また 具体的な方策としては < 製品開発 自動車試験ハブとなるための方策 > 国立の自動車試験所の設立( 衝突実験 高速テスト 風洞実験等に対応 ) 民間における試験設備の導入 共有における補助 優遇 研究開発試験車の輸入税 物品税の減免( 開発試験車カテゴリの導入 ) 排出試験や路上実験走行に関する規制の手続き簡素化 特許検索システム利用の促進

<ピックアップ及び HV/EV 生産ハブとなるための方策 > 1トンピックアップトラックへの税制優遇等の維持 HV/EV 市場創出のためのタイ以外からの部品の輸入に関する物品税減免 HV/EV 自動車の簡単な組み立てに関する関税撤廃等の施策 地元企業の能力向上を促進するための技術移転を促進出所 : 在タイ日本大使館発表資料 上記の中で 国立の自動車試験所 の設立が掲げられていますが 現在においても日系メーカーの多くが自前でタイにおいて評価施設を保持 又は計画をしています 内容は 自社テストコースや R&D センターとなっています タイは販売先 生産拠点としてだけではなく 将来は開発の拠点としてのハブとなることを官民ともに目指していく方向性にあると言えます また タイ政府は 2015 年 8 月の内閣改造以来 様々な投資誘致の新政策を発表していますが タイがスーパークラスターとして指定している6 分野の中には 自動車 自動車部品 が入っています タイ政府は 自動車 自動車部品のクラスター対象エリアについて アユタヤ パトゥムタニー チョンブリ ラヨーン チャチェンサオ プラチンブリ ナコンラーチャシマとした上で 税制等の投資恩典の対象となる事業を細かく指定しています 例 : 電子燃料噴射システムの製造 電子安定性制御 (ESC) の製造 自動緊急ブレーキシステムの製造 ハイブリッド自動車 電気自動車 プラグインハイブリッド車の部品製造 ( バッテリー トランクションモーター 空調システムの製造 ) ここからは タイがより付加価値の高い製品の製造を行うことを目指していることが見て取れます 一方でタイ政府としては 年間 300 万台の生産を目指しており 質 量ともにさらなる飛躍を目指していることになります 東南アジアの各国の自動車の普及率を俯瞰してみますと タイが 16.8% フィリピン 11.4% インドネシア 7.5% ベトナム 1.9%(2013 年ジェトロ調べ ) となっており まだまだ普及途上となっています 現状 様々な見方はありますが タイ インドネシア以外 とりわけフィリピン ベトナムのように若く また人口の多い国については 需要が高まり 今後当該国の自動車産業が充実してくるという見方もあります 東南アジアの自動車ハブとして輸出志向を強めるタイ あるいはライバルのインドネシアを交え どういった行方となるかその動向には要注目です 本資料は 参考資料として情報提供を目的に作成したものです バンコク産業情報センターは資料作成にはできる限り正確に記載するよう努力しておりますが その正確性を保証するものではありません 本情報の採否は読者の判断で行ってください また 万一不利益を被る事態が生じましても当センター及び愛知県等は責任を負うことができませんのでご了承ください