オオイタデジタルブック「明日を守る~防災立県めざして」

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オオイタデジタルブック「明日を守る~防災立県めざして」

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「南九州から南西諸島における総合的防災研究の推進と地域防災体制の構築」報告書

資料1-4気象庁資料

あおぞら彩時記 2017 第 5 号今号の話題 トリオ : 地方勤務の先輩記者からの質問です 気象庁は今年度 (H 29 年度 )7 月 4 日から これまで発表していた土砂災害警戒判定メッシュ情報に加え 浸水害や洪水害の危険度の高まりが一目で分かる 危険度分布 の提供を開始したというのは本当ですか

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第8章 災害復旧計画

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土砂災害警戒情報って何? 土砂災害警戒情報とは 大雨警報が発表されている状況でさらに土砂災害の危険性が高まったときに, 市町村長が避難勧告等を発令する際の判断や住民の方々が自主避難をする際の参考となるよう, 宮城県と仙台管区気象台が共同で発表する防災情報です 気象庁 HP より :

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Microsoft Word - 03.【参考】新旧対照表(中防災).docx

平成 29 年 7 月 20 日滝川タイムライン検討会気象台資料 気象庁札幌管区気象台 Sapporo Regional Headquarters Japan Meteorological Agency 大雨警報 ( 浸水害 ) 洪水警報の基準改正 表面雨量指数の活用による大雨警報 ( 浸水害 )

(案)

問 32-2 うちエコ診断 を受けない理由 ( 問 32 で うちエコ診断は知っている ( 聞いたことがある ) が 受けたことはない と答えた方に ) あなたが うちエコ診断 を受けない理由として 次の中からいくつでも選んで番号を で囲んでください ( 回答者数 =73 人 )( 複数回答 ) (

スライド 1

奈良県ライフライン 情報共有発信マニュアル 第 3.3 版 平成 24 年 7 月 奈良県ライフライン防災対策連絡会

浸水深 自宅の状況による避難基準 河川沿いの家屋平屋建て 2 階建て以上 浸水深 3m 以上 緊急避難場所, 近隣の安全な建物へ水平避難 浸水深 50 cm ~3m 緊急避難場所, 近隣の安全な建物へ水平避難上階に垂直避難 浸水深 50 cm未満 緊急避難場所, 近隣の安全な建物へ水平避難 自宅に待

目次 1 降雨時に土砂災害の危険性を知りたい 土砂災害危険度メッシュ図を見る 5 スネークライン図を見る 6 土砂災害危険度判定図を見る 7 雨量解析値を見る 8 土砂災害警戒情報の発表状況を見る 9 2 土砂災害のおそれが高い地域 ( 土砂災害危険箇所 ) を調べたい 土砂災害危険箇所情報を見る

目次 1. はじめに 1 2. 協議会の構成 2 3. 目的 3 4. 概ね5 年間で実施する取組 4 5. フォローアップ 8

GALAC 12 月 2 2 台風 ( つづき ) はい 7 件いいえ 2 件未回答 5 件 3 集中豪雨 はい いいえ 14 件 3 分間のマスターカット ( カットイン ) L 字対応 1 時間規模の報道特番 ローカル情報ワイドの前拡大 / 特番 L 字 / ネット局にまたがることが多いので 各

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災害時要援護者支援マニュアル策定ガイドライン

別添 中防災第 1 1 号 平成 29 年 5 月 31 日 各指定行政機関の長各指定公共機関の代表殿 中央防災会議会長 ( 内閣総理大臣 ) 安倍晋三 梅雨期及び台風期における防災態勢の強化について 貴殿におかれては 日頃から各般の施策を通じて災害対策の推進に御尽力をいただいているところであるが

平成 26 年 3 月 28 日 気象庁 特別警報の認知度等に関する調査結果 ( 概要 ) I 調査の概要 1 目的 国民の特別警報に対する認知度 理解度を把握し 今後の特別警報の運用や利活用の促進 当庁 の周知 広報活動に資するための資料の収集 2 調査内容 (1) 特別警報の認知状況 (2) 特

Microsoft Word 最終【資料-4】.docx

~ 二次的な被害を防止する ~ 第 6 節 1 図 御嶽山における降灰後の土石流に関するシミュレーション計算結果 平成 26 年 9 月の御嶽山噴火後 土砂災害防止法に基づく緊急調査が国土交通省により実施され 降灰後の土石流に関するシミュレーション結果が公表された これにより関係市町村は

宮城県総合防災情報システム(MIDORI)

豪雨災害対策のための情報提供の推進について

【東日本大震災発生から8年】「災害への備えに関するアンケート」結果_損保ジャパン日本興亜

避難勧告等の具体的具体的な発令基準発令基準の策定策定にかかるにかかる県の主な取組状況等 年月日種別内容等 H17.3 内閣府が避難勧告等の判断 伝達マニュアル等策定ガイドライン作成 ( ) H 梅雨期及び台風期における防災態勢強化について ( ) H 梅雨期及び台風期における

どんなところを注意したらいいの? まず 建物の見分け方から始めましょう 中古住宅を購入するときは何年に建てられたかを確認してください 昭和 56 年に建築基準法が改正され 耐震基準が厳しくなりました これより古いものを旧耐震基準 新しいものを新耐震基準と呼んでいるんだよ じゃあ 昭和 56 年築 よ

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オオイタデジタルブック「未来をはぐくむ~地域と歩む子育て」

平成 29 年 12 月 1 日水管理 国土保全局 全国の中小河川の緊急点検の結果を踏まえ 中小河川緊急治水対策プロジェクト をとりまとめました ~ 全国の中小河川で透過型砂防堰堤の整備 河道の掘削 水位計の設置を進めます ~ 全国の中小河川の緊急点検により抽出した箇所において 林野庁とも連携し 中

戸田市災害に強いまちづくり推進ワークショップ 住民版地域防災計画作成の手引き 緊急一時避難場所を決めましょう 避難を支援する方法を考えましょう 緊急時の連絡体制をつくりましょう リーフレットを作成し 町会員に周知しましょう 参照 : 戸田市洪水ハザードマップ

とで児童に活動の見通しを持たせ, 自分で課題を立て情報を集め整理し, 発表する等に取り組めるようにしていきたい 調査計画の場面では, 目的に照らしてどのような調査をしていくことがよいのか児童にしっかりと考えさせたい 例えば, データはどう集めたらよいのか, アンケートを実施する場合には, 誰にアンケ

防災カードゲーム このつぎなにがおきるかな? の遊び方 ( 土砂災害編 ) 1. おおまかな遊び方 1) カードの種類このカードには どしゃさいがい 編です その他 すいがい 編と つなみ 編があります 組み合わせによる活用も可能ですが 今回は 単独での利用を想定しています 2) カードの構成 どし

平成 27 年度第 1 回状況説明 ( 要望 ) 活動 平成 27 年 8 月 3 日 ( 月曜日 ) 1 国土交通省 財務省 総務省 内閣府への状況説明 ( 要望 ) 活動について国土交通省へは 岡﨑高知市長と清水大洲市長を先頭に 国土交通省幹部及び関係部局へ状況説明 ( 要望 ) 書の手渡しと要

<ハード対策の実態 > また ハード対策についてみると 防災設備として必要性が高いとされている非常用電源 電話不通時の代替通信機能 燃料備蓄が整備されている 道の駅 は 宮城など3 県内 57 駅のうち それぞれ45.6%(26 駅 ) 22.8%(13 駅 ) 17.5%(10 駅 ) といずれも

オオイタデジタルブック「未来をはぐくむ~地域と歩む子育て」

Microsoft PowerPoint - 参考資料 各種情報掲載HPの情報共有

震災一周年を控えた生活者の意識を電通が調査

試行の概要 試行の目的石狩川滝川地区水害タイムライン ( 試行用完成版 ) を試行的に運用することにより 対応行動や実施手順を確認するとともに 運用結果を検証し 同タイムラインを精査することを目的とする 試行の概要 実施時期 : 平成 29 年出水期 (8 月 ~10 月ごろ ) 実施場所 : 各主

アンケート調査の概要 目的東南海 南海地震発生時の業務継続について 四国内の各市町村における取り組み状況や課題等を把握し 今後の地域防災力の強化に資することを目的としてアンケート調査を実施 実施時期平成 21 年 11 月 回答数 徳島県 24 市町村 香川県 17 市町 愛媛県 20 市町 高知県

1. 災害の発生を未然に防止するため 防災事務に従事する者の安全確保にも留意した上で 職員の参集や災害対策本部の設置等適切な災害即応態勢の確保を図り 関係機関との緊密な連携の下に 特に以下の取組について万全を期すること 1 危険箇所等の巡視 点検の徹底河川等の氾濫 がけ崩れ 土石流等災害発生のおそれ

2. 地域防災計画 ( 地震 風水害 原子力 ) の見直し市の防災対策の基本となる地域防災計画は 平成 20 年 1 月の初版策定後しばらくの間は見直しがなかったものの 平成 23 年 3 月 11 日に発生した福島原発事故を受けて 新たな原子力災害の発生に備え内容を全面的に見直し 住民避難計画を別

38 災害緊急時における聴覚障害者の情報伝達保障支援の状況分析 表2 生の協力のおかげで遂行することができた 避難訓練の年間実施回数 回 回 2回 3回 4回 5回以上 4 6 35 9 図 避難所担当者との連携 図2 避難訓練の年間実施回数 Ⅳ 調査研究の経過および結果 なかでも年2 3回実施して

PowerPoint プレゼンテーション

問 2 次の文中のの部分を選択肢の中の適切な語句で埋め 完全な文章とせよ なお 本問は平成 28 年厚生労働白書を参照している A とは 地域の事情に応じて高齢者が 可能な限り 住み慣れた地域で B に応じ自立した日常生活を営むことができるよう 医療 介護 介護予防 C 及び自立した日常生活の支援が

Ⅱ 土砂災害警戒情報が出たら 緊急連絡網による連絡 電話 メール FAX その他 ( ) の実施 ( 副会長, 各種団体, 該当する自主防災部等 ) 緊急避難場所の開設準備を指示 隣接自主防災会へ情報を提供 該当自主防災部を通じて, 緊急避難場所として の開設準備中 ( 又は開設済み ) を住民へ伝

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平成 30 年度年法律第 57 号 ) 等により 要配慮者利用施設は 避難確保計画等の自然災害に関する計画 ( 以下 災害計画 という ) を作成することとなっており 災害計画の作成を促進するため 貴殿におかれても必要な支援に努められたい また 市町村が行う避難勧告等の発令に関する各種取組への積極的


防災 減災への民間情報の活用の必要性 東日本大震災において 明らかになった課題 従来の情報収集の取組 職員による現地調査 報道機関からの情報 通報 検知器 ( センサー ) 課題 対応できる人員の限界 小さな地域に関する情報の不足 紙情報が多い 情報の整理 管理が困難 設備 維持費用が大きい 上記課

協定の資料 1. 番号の付け方 災害応急対策時に, 各部及び各班で利用する資料が分かるよう, 下記の規定で番号を付ける 部班連番 基準 A1 1 A: 統括部 1. 本部班 2. 情報分析班 3. 情報記録班 4. 広報班 5. 財政班 6. 渉外班 E: 建設部 1. 建設総務班 2. 応急仮設住

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Microsoft Word - 02.H28秋 重点提言本文【合本】1110.doc

目次 はじめに P3 1 災害 緊急の範囲 P3 2 時間と場所を考慮した対応の必要性 P3 3 時間ごとの対応 P4 4 場所ごとの対応 P5 5 デジタルサイネージの提供コンテンツ P6 6 緊急時を意識したデジタルサイネージシステム P6 7 情報の切替 復帰の条件 P7 8 緊急運用体制 P

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Microsoft Word - 町内会非常時連絡の手引【完成】2.4

試行の概要 試行の目的石狩川滝川地区水害タイムライン ( 試行用完成版 ) を試行的に運用することにより 対応行動や実施手順を確認するとともに 運用結果を検証し 同タイムラインを精査することを目的とする 試行の概要 実施時期 : 平成 30 年出水期 (8 月 ~10 月ごろ ) 実施場所 : 各主

<GK クルマの保険 ( 車両保険 )> ( 自動車によるあて逃げに限ります ) お客さまのおクルマは 車両保険 に加入していますか? 自動車保険の車両保険では 一般車両 もしくは 10 補償限定 のいずれでも 台風や集中豪雨による洪水の事故が対象となります 地震 噴火またはこれらによる津波 によっ

土砂災害避難 訓練ムービー 使い方マニュアル

はじめに 近年 局地的な集中豪雨や想定を超える大規模な洪水の発生により 家屋の床上浸水や河川施設などの被害が頻発しています 特に 平成 16 年 10 月 20 日から 21 日にかけて岐阜県を直撃した台風 23 号は 長良川中上流域の豪雨による記録的な出水と その支流河川の福富川や十道川の出水があ

Microsoft PowerPoint - ◯06_出水期における防災体制

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平成 28 年度 県民 Webアンケート 第 6 回自主防災の取り組みについて 実施期間 2016/9/15~2016/9/21 アンケート会員数 224 人回収数 191 件 ( 回収率 85.3%) 近年 全国各地で自然災害が多発しており 奈良県でもいつ大きな災害に見舞われるかわかりません 災害

オオイタデジタルブック「女の交差点」

気象庁 札幌管区気象台 資料 -6 Sapporo Regional Headquarters Japan Meteorological Agency 平成 29 年度防災気象情報の改善 5 日先までの 警報級の可能性 について 危険度を色分けした時系列で分かりやすく提供 大雨警報 ( 浸水害 )

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各府省からの第 1 次回答 1. 災害対策は 災害対策基本法に規定されているとおり 基礎的な地方公共団体である市町村による第一義的な応急対応と 市町村を包括する広域的な地方公共団体である都道府県による関係機関間の総合調整を前提としている を活用してもなお対応できず 人命又は財産の保護のため必要がある

送信日 番組開始番組終了 題名発信者備考 12/3 内部統制制度に関する説明会 (11/20) 12/4 平成 30 年度防災啓発中央研修会 (7/5-6) 12/5 ファイアーファイティングスピリッツ -もうひとつの生き方 見つけた - 12/5 15:19 全国市長会創立 120 周年記念市長フ

布 ) の提供を開始するとともに 国民に対し分かりやすい説明を行い普及に努めること 図った 複数地震の同時発生時においても緊急地震速報の精度を維持するための手法を導入するとともに 緊急地震速報の迅速化を進める 特に 日本海溝沿いで発生する地震については 緊急地震速報 ( 予報 ) の第 1 報を発表

避難開始基準の把握 1 水害時の避難開始基準 釧路川では 水位観測所を設けて リアルタイム水位を公表しています 水位観測所では 災害発生の危険度に応じた基準水位が設定されています ( 基準となる水位観測所 : 標茶水位観測所 ) レベル水位 水位の意味 5 4 ( 危険 ) 3 ( 警戒 ) 2 (

市町村における住民自治や住民参加、協働に関する取組状況調査

5 防災の日を知っている方は約 8 割 防災の日については知っている 聞いたことがあると答えた方が 8 割以上を占めました 9 月 1 日が防災の日 であることまでご存知の方は全体のうち 57.5% でした (Q10 参照 ) アンケート概要 アンケートタイトル地震防災に関するアンケート リサーチ実


避難勧告等の 判断 伝達マニュアル ( 土砂災害編 ) ひと 緑がかがやく田園と交流のまち 安全に安心して暮らせるまちの実現に向けて ( 概要版 ) 平成 26 年 9 月 1 日 北海道長沼町

【東日本大震災発生から7年】「災害への備えに関する調査」結果 ~あなたのご家庭の備えを点検しませんか~_損保ジャパン日本興亜



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Microsoft Word - 参考1 第2回評価会議議事概要+

火山防災対策会議の充実と火山活動が活発化した際の協議会の枠組み等の活用について(報告)【参考資料】

地震や防災に関する情報の取得源はテレビが最も多い 地震や防災に関する知識をどこで得ているかをたずねたところ テレビ と回答をする方が 66.6% と多数を占め の イ ンターネット (45.3%) 新聞 (30.7%) といった回答を大きく引き離した結果となりました テレビは昨年 一昨年に続き最も多

験をいかし 地域防災力充実強化計画のような形で 地方公共団体や関係団体の事業まで含む関連施策を網羅した総合計画を作成し 関係者がその実施状況を点検しながら 状況に応じて必要な修正を加えつつ 粘り強く全体を着実に実行するという いわば施策実行のシステムを確立して 地域防災力充実強化の実をあげるようにす

02【通知案】年管管発 第号(周知・機構宛)

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7 制御不能な二次災害を発生させない 7-1) 市街地での大規模火災の発生 7-2) 海上 臨海部の広域複合災害の発生 7-3) 沿線 沿道の建物倒壊による直接的な被害及び交通麻痺 7-4) ため池 ダム 防災施設 天然ダム等の損壊 機能不全による二次災害の発生 7-5) 有害物質の大規模拡散 流出

平成31年度予算概算決定額 森林整備事業 治山事業 林野公共事業 (平成30年度1次補正予算額5,199百万円 182, ,049 百万円 平成30年度第2次補正予算額 32,528百万円) 臨時 特別の措置 として31年度概算決定額44,128百万円を別途措置 対策のポイント 林業の成

活動状況調査

Transcription:

28 第 2 回公開シンポジウムから ( 上 ) NEXT 初版発行 :2012 年 2 月 10 日

局地的豪雨への備え必要( 二〇〇六年八月二十九日) ( 写真上 ) 公開シンポジウムで意見を交わすパネリストら ( 写真左 ) 会場の一般参加者も活発な発言 NHK 大分放送局スタジオホールキャンパス 大分大学奥田憲昭教授(経済学部) 大分県大城博課長補佐(防災危機管理課) 大分合同新聞安東公綱記者 NHK横田晃洋記者 NHK山崎登解説委員 NHK富田典保アナウンサー(司会)絶えない風水害から命を守るには 二十五日 大分市で開いた大分合同新聞社の創刊百二十周年記念企画 明日を守る 防災立県めざして の第二回公開シンポジウム 風水害の実態 や 自治体の防災 をテーマに 安全 安心の社会づくりを来場者と一緒に考えた 明日を守る ~ 防災立県めざして p. 2

富田大分県は繰り返し風水害に見舞われてきた 災害大県 だが いま わたしたちを取り巻く環境が変わりつつあるのかもしれない 安東竹田市では 六十年に一度といわれた一九八二年の豊肥水害からわずか八年後 さらに大きな水害に襲われた 九重町では昨年 一時間に八四ミリの豪雨が降り 温泉街が土砂に埋まった 県内では この三十年の間に五〇ミリ以上の雨を観測した回数が倍増している 一九七六年から八五年の十年間に三十一回だったのが 九六年から二〇〇五年は六十四回となっている 横田大分県は地質的に火山灰層が多く 土砂災害が起こりやすい状況にある 過去十年間で発生した土砂災害は五百三十件 新潟 神奈川県に次いで 全国で三番目に多い 山崎地球温暖化が進むと 豪雨の地域と小雨の地域が偏在するなど 地球規模で気象現象が激化するといわれている 今年七月の梅雨前線では 九州南部で数日間に一〇〇〇ミリを超える雨が降った これは瀬戸内地方の年間雨量に匹敵する量だ 想定を超える雨が降るようになり 日本の治水対策は転換点を迎えている 相次ぐ豪雨被害倍増した激しい雨全国各地で局地的な豪雨被害が相次いでいる 地球温暖化の進行が原因とみられる 大分県内でも一時間に五〇ミリ以上の激しい雨が倍増し 地域の暮らしに深刻な影響を与えている 山崎登解説委員富田典保アナウンサー明日を守る ~ 防災立県めざして p. 3

安東二〇〇四年の台風21 号のとき 大分市東部の高台にある十世帯に避難勧告が出されたが 避難したのは二世帯だけだった 雨戸を閉めていて 避難勧告を伝える広報の声が聞こえなかったり これまで大丈夫だったからと楽観的に考えていたのが原因だ 大城避難勧告は危ないから逃げてくださいというお願いで 避難指示はより危険が差し迫っている場合に出される だが 日本の場合 いずれも強制力はない 山崎災害の恐れがある場合 こんな情報を出しますと 行政が普段から住民に伝えておかないと 突然 避難勧告や指示を出しても住民は反応できない 行政と住民が共通認識を持たないと 情報は力を持たない 大城土砂災害の発生は予測が困難で 避難勧告 指示の判断は難しい 災害の予兆を一番に感じ取ることができるのは住民 自らの判断で逃げてもらえるよう 行政と住民が一緒になって対策を講じる必要がある 横田大分県で土砂災害警戒区域の指定が始まって五カ月がたつが 具体的な避難体制の整備はまったく進んでいない お年寄りから災害時にどうすればいいのか分からないという声災害と避難楽観的考えやめて災害時 市町村が避難勧告 避難指示を出しても 住民が避難しないという問題が浮かび上がっている 住民が適切に避難し 安全を確保するための仕組みづくりが大きな課題となっている 横田晃洋記者大城博課長補佐明日を守る ~ 防災立県めざして p. 4

をよく聞く もう一つ上の段階の防災体制を目指し 行政の早急な取り組みが求められている 安東間伐 下刈りなど手入れが行き届いた山林に比べて 放置林は雨水を吸収する腐葉土が少なく 保水力が格段に落ちる 近年 大雨が降るとすぐに川が増水するといわれ 災害を防ぐ山の機能が低下している 山崎これは非常に深刻な問題だ 最近は水害が起きると 山からの流木がすごく多い 山林の手入れ不足で 山の力が弱まり 大雨による水が一気に川に流れてしまう 山の保水力が失われたことで 下流域の都市部も一層深刻な水害に悩まされる状況になった 安東山林所有者だけに山林を任せるのは難しく 県民一体で山を守ることが必要だ 大分県は本年度から森林環境税を導入した 山林は県民の共有財産だとの認識に立ち ボランティア活動など 山を守る動きを支援することも大切だ 奥田林業や一次産業の低迷による後継者難は 地域の防災力を低下させている 県内のある中山間地の町で高齢者世帯を調べたら それぞれの子供の世代は 実に五割以上が県外に住ん林業不振と災害保水力失う山林長引く木材価格の低迷や 中山間地の過疎化が林業の後継者不足を招き 杉 ヒノキの放置林が増えている 間伐が遅れ 荒れた山林は保水力を失い 中山間地の土砂災害や 下流域の浸水被害を深刻化させている 安東公綱記者奥田憲昭教授明日を守る ~ 防災立県めざして p. 5

大城今年七月の大雨で 日田市上津江町の雉矢地区住民が多数 自主避難した 消防団員が安否確認などで全戸を回り 確実な情報伝達をしていたことが背景にあった 行政としても消防団を頼もしく思っている 山崎阪神大震災ではがれきの下から助け出された三万五千人のうち 二万七千人が家族や近所の住民の救助だった 地域の防災力をどう高めるかはとても重要 消防団員の高齢化やサラリーマン化への対応は 地元企業や郵便局との連携 OBの協力などが必要だ 奥田集落単位では 六十五歳以上の高齢化率が50 %を超えた所も珍しくない 要介護度が高い高齢者や障害者は 自力で避難できない 地域の中の災害時要援護者(災害弱者)をしっかり把握することが大切だ 富田行政にもさまざまな課題がある中で 地域住民の役割がいかに大切かが分かる 奥田これからは防災に福祉を組み入れた 防災福祉コミュニティー づくりを考えていくべきだと提言したい それには 行政と地域の協働が欠かせない 地域力と防災住民の役割大きい地域住民で組織する消防団(水防団)は住民の救助 避難で頼りにされる存在 しかし 過疎 高齢化や会社勤めの団員の増加など コミュニティーの弱体化が影を落とす でいた 過疎 高齢化が進む地域ほど 災害発生時は家族に頼れない 地域の力 近所で助け合う力が求められる 市町村合併の影響職員減補う体制を市町村合併で大分県は五十八市町村から十八市町村へと 地域が大きく変わった 合併後 旧市町村の役所 役場は新市の振興局や支所となり 職員数が大幅に減ったことから 防災面での対応力低下が懸念されている 住民への情報伝達の一元化も新たな課題として浮上した 明日を守る ~ 防災立県めざして p. 6

横田合併後の振興局長や支所長が 市長に代わって避難勧告 指示を出せるようにする 代理権 をどうするかが課題となっている 合併した十二市のうち十市が運用している 昨年の集中豪雨 台風災害の教訓から 人命にかかわることは 地域の事情に詳しい職員の正確で迅速な判断が必要との認識が浸透してきた 安東防災行政無線 ケーブルテレビなど 災害情報の住民への伝達手段は旧市町村でまちまち これを一本化するにはお金も時間もかかるが 大切な情報を市民に確実に伝える方策を真剣に検討してほしい 奥田日田市と合併した旧日田郡(二町三村)は 職員が半数近くに減った 災害時の対応力の面で 住民の不安が非常に高まっている 合併後の災害対応をどうするかは 行政にとって大きな責任を負った課題だ 大城災害対策本部が設置された場合 合併で本庁勤めになった職員でも 住まいがある地元で応急対策や情報収集に当たるシステムにしている自治体がある 職員の減少を補うことのできる防災体制の維持 強化を一生懸命に考えている 山崎登 NHK解説委員の見解行き詰まり見せる治水対策情報の共通認識を最近 国内で起きている水害は 日本のこれまでの治水対策に限界があることを示している 降った雨はなるべく早く川に流し 川から出さず 早く海へと流す というのが日本の治水対策を貫いている思想だ ところが 堤防や下水道を造る際に想定していた雨量(下水道では一時間に約五〇 六〇ミリ)を超える雨が頻繁に降るようになった かつては一〇〇ミリの雨が降るなんて考えられなかった 地球温暖化の影響と考えられている 治水施設が局地的な豪雨に対応できなくなり 治水対策は行き詰まりを見せている 加えて 財源難や自然保護意識の高まりから 次々にダム明日を守る ~ 防災立県めざして p. 7

や堤防を造ることが難しくなった ならば より多くの人に危険を知らせ 早めに避難してもらおうと ソフト対策が重視されるようになってきた そこで新たな課題も生じている 市町村が避難勧告や避難指示を出しても 住民が逃げてくれないという問題だ 二〇〇四年の台風23 号で 兵庫県豊岡市が四万二千人に避難勧告 指示を出したが 避難したのは一割にも満たない三千八百人だったという事例がある 住民が言葉の持つ意味をよく理解できなかったからだ 情報の送り手と受け手が共通の認識を持たなければ 防災情報がその力を発揮し得ないということを浮き彫りにした 行政に突き付けられた大きな課題だ 犠牲者の約40 %を占める土砂災害は いつどこで起きるか 現代の科学では分からない 犠牲者に占める高齢者の割合も増えている いざというとき お互いに助け合えるよう 地域の防災力をいかに高めるかが大切だ 行政は地域に対して どういう支援ができるか真剣に考えてほしい 街が整備され 便利になっていく中 人々は雨に対する警戒心をなくしつつある 少しずつ自然が荒っぽくなっている と認識すべきだ 防災の基本は 自分の命は自分で守る にある いま 安全 を他人任せにしてきたツケが回ってきているのではないかと感じる プロフィル イラン地震 雲仙 普賢岳噴火 阪神大震災 新潟豪雨災害 新潟県中越地震など 約20 年間にわたって国内外の災害現場を取材 98 年 報道局社会部災害班デスク 2000年から解説委員(災害担当) 長野県出身 五十二歳 明日を守る ~ 防災立県めざして p. 8

明日を守る ~ 防災立県めざして p. 9 オオイタデジタルブックとはオオイタデジタルブックは 大分合同新聞社と学校法人別府大学が 大分の文化振興の一助となることを願って立ち上げたインターネット活用プロジェクト NAN-NAN( なんなん ) の一環です NAN-NAN では 大分の文化と歴史を伝承していくうえで重要な さまざまな文書や資料をデジタル化して公開します そして 読者からの指摘 追加情報を受けながら逐次 改訂して充実発展を図っていきたいと願っています 情報があれば ぜひ NAN- NAN 事務局にお寄せください NAN-NAN では この 明日を守る~ 防災立県めざして 以外にもデジタルブック等をホームページで公開しています インターネットに接続のうえ下のボタンをクリックすると ホームページが立ち上がります まずは クリック!!! 別府大学 デジタル版 明日を守る~ 防災立県めざして 第 28 回編集大分合同新聞社初出掲載媒体大分合同新聞 (2006 年 1 月 1 日 ~ 2007 年 3 月 5 日 ) デジタル版 2012 年 2 月 10 日初版発行編集大分合同新聞社制作別府大学メディア教育 研究センター地域連携部 / 川村研究室発行 NAN-NAN 事務局 ( 870-8605 大分市府内町 3-9-15 大分合同新聞社企画調査部内 ) c 大分合同新聞社 デジタル版 明日を守る について 明日を守る は 大分合同新聞社が創刊 120 周年記念事業として大分大学と立ち上げた共同プロジェクトの一環で 2006 年 1 月から翌 3 月まで 同紙朝刊に掲載した連載記事 今回 デジタルブックとして再構成し 公開する 登場人物の年齢をはじめ文中の記述内容は 新聞連載時のもの 2011 年 8 月 5 日 NAN-NAN 事務局